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不動産のQ&A 更新拒絶・立退料、借主の都合による退去

II アパート・マンション等の賃貸借に関するもの
【その2 賃貸借契約等に係る問題】

更新拒絶・立退料、借主の都合による退去

Q1 もうじきアパートの契約期限が切れます。私は更新して住み続けたいのですが、大家さんからは立ち退くように言われています。大家さんには別に家があります。これまで7年の間、家賃の支払いが3回くらい遅れたことはありますが、今は特に滞納はありません。引き続き住むことはできますか。

A1 借地借家法によれば、通常の借家契約では、大家さんが更新を拒絶しようとする場合は、正当事由が必要とされ、「賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情」、「賃貸借に関する従前の経過」、「建物の利用状況」など具体的な判断基準が明示されています。詳しい事情はわかりませんが、大家さんには別に家があり、自ら入居しようということではなさそうですので、ひどく老朽化したので建て替えざるを得ないなど、ほかに特段の事情がなければ、正当事由はないと思われます。
 また、過去7年間に3回程度の家賃の滞納があっても、現在滞納がなければ、契約の解除事由には当たりませんので、今後もアパートに住み続けることは可能と思われます。

Q2 アパートが老朽化して取り壊すことになりました。今の家賃は月3万円で、近くの月4万円くらいのアパートに引っ越すつもりなのですが、貸主の都合で契約を解除するのだから立退料をもらえるでしょうか。

A2 借地借家法は、貸主が借家契約についての更新の拒絶または解約の申入れをする場合には、正当事由が必要であると定め、その正当事由の有無は、さまざまな状況を総合考慮して判断されます。いわゆる「立退料」は、正当事由がかけている場合に補完的に考慮されるものです(借地借家法28条)。
「建物の現況(建物の老朽化等)」も判断基準の1つですが、建物の老朽化の程度が著しく、客観的に判断してそのまま賃貸しておくと倒壊等により借主の身体・生命の危険が高いと判定されるような場合は、正当事由が認定されると思われます。財産的給付(立退料)がなくとも、貸主に契約の更新等を拒絶する正当事由があると裁判所が認めた場合は、立退料は支払われないことになります。

Q3 家賃滞納はしていませんが、大家さんから3月中旬の契約満了時に出て行って欲しいといわれました。大家さんの姪が大学入学で田舎から上京し、このアパートだと通学に便利だし、親も安心だそうです。こんな場合は立退料がもらえると聞きました。どのくらいもらえるのでしょうか。家賃は月7万円と周辺に比べ安めで、近くの少し広くて新しい部屋だと月10万円くらいです。

A3 貸主が借家契約についての更新の拒絶または解約の申入れをする場合の借地借家法の考え方は、上記Q1・2のとおりです。
 「賃貸人が建物の使用を必要とする事情」と「賃借人が建物の使用を必要とする事情」の程度も正当事由の有無の判断基準の1つですが、本件の貸主の事情だけで正当事由があると認められるとは思えません。立退料の額等の基準はありませんので、引越費用や家賃の差額等について、大家さんと交渉してみてはどうでしょうか。

Q4 契約期間中なのですが、都合があって退去したいと考えています、契約書には「契約期間中の解約は、相当の期間をおいて申し出ること」とされています。退去の申し入れはどのくらい前にしなければいけないのでしょうか。

A4 旧建設省が作成した賃貸住宅標準契約書では、解約予告期間について、「少なくとも30日前に解約の申入れを行うことにより、本契約を解除することができる」旨の定めがありますが、一般には解約申入れの期間を1か月程度としていることが多いようです。 標準契約書に倣って、大家さんと話してみてはいかがでしょうか。

Q5 不動産業者が貸主になっているアパートを借りています。契約書に手書きで「借主は2年間退去できない」とありますが、1年前の入居時には気づきませんでした。数ヶ月後に退去する可能性があります。残りの期間の家賃も払わなくてはならないのですか。

A5 残りの期間の家賃(違約金)については、その金額が暴利行為といえる場合にはその全部又は一部が無効になると解されており、裁判例では賃料の1年分を超える部分の違約金を無効と判断したものがあります。