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不動産のQ&A その4 宅建業者や媒介報酬(手数料)等に関するもの

I 土地やマンション・一戸建てなどの売買に関するもの
【その4 宅建業者や媒介報酬(手数料)等に関するもの】

【その4 宅建業者や媒介報酬(手数料)等に関するもの】

Q1 自分の住んでいる住宅を売りたいと思っていますが、信頼できる不動産業者はどうやって探せばよいでしょうか。

A1 信頼できる不動産業者であるかどうかは、法令を遵守して宅建業者としての義務を果しているか、経歴はどうか、取引上トラブルは起こしていないかなどを調べて、それらの結果を総合して判断する必要があります。
国土交通省の各地方整備局等および各都道府県の担当課では、その地域内に事務所のある宅地建物取引業者の名簿と免許申請書等が閲覧できます。それを見れば、営業年数、営業成績、資産状況などを知ることができますし、商号、代表者、役員、事務所の所在地、専任の取引主任者などが度々変更されているときは注意が必要です。なお、行政処分歴の有無は、担当職員に聞くと良いでしょう。「不動産売買の手引」12頁も参照して下さい。

Q2 マイホームを探しています。「売地」や「新築住宅」と書かれた看板がよく電柱に張られていますが、信用してよいものでしょうか。

A2 不動産広告の内容や表現の仕方などは、「不動産の表示に関する公正競争規約」により規制されていますが、電柱等にビラ等を掲出する行為は都道府県の条例で禁止されることが多く、表示の内容も制限され、中には掲載されている物件そのものがいわゆる「オトリ」である場合もありますので、あまり信用できるものはありません。
いずれにしても、広告はあくまでも参考資料のひとつに過ぎないものと認識して、広告に記載されない内容も多いのですから、実際に現地に行き対象となる物件をよく確認すること、分からないことがあれば納得できるまで担当者などの話を聞くことが重要なことです(「不動産売買の手引」10頁も参照してください)。

Q3 先日、不動産を購入しましたが、媒介(仲介)業者から媒介手数料は宅建業法で代金の3%プラス6万円と定められていると言われ請求されました。本当なのでしょうか

A3 宅建業者が依頼者から受け取ることができる媒介報酬の額は、宅建業法の規定に基づき、国土交通大臣が定める告示により、以下の表の合計額が上限として定められています。

売買代金 媒介報酬額
200万円以下の部分 5.4%以内の額
200万円を超え400万円以下の部分 4.32%以内の額
400万円を超える部分 3.24%以内の額

取引額が400万円を超えるときは、「(消費税抜きの売買代金×3%+6万円)×1.08」で簡易計算することができ、実務ではこの簡易計算による方法が用いられています。以上の方法で求められるのは上限額であり、実際に支払う媒介手数料は、その範囲内で、媒介業者との話合いで決めることになります(媒介契約締結のときに約定します)。

Q4 先日、マンションの売買契約を締結し、手付金を支払いましたが、自己都合により手付放棄による解約をしました。ところが、媒介(仲介)業者から媒介手数料の残金半額を請求されています。業者には契約を締結しただけで媒介手数料全額を請求する権利があるのでしょうか。

A4 売買契約が成立した場合には、その後、専ら契約の当事者間の問題でその契約が解約になったとしても、媒介業者の報酬請求権は失われないと解されています。したがって、媒介業者は、媒介手数料の残額を請求することができることになりますが、媒介報酬の請求について争いになると、裁判所は、手付解除により契約が解除されたことで、当初予定していた取引が完了せず、媒介業者の媒介業務の量が軽減されたこと等を理由として報酬全額の請求までは認めないことが多いようです。まず、媒介業者と話し合ってみましょう。

Q5 媒介(仲介)業者に物件の売却を依頼し、専任媒介契約を結びましたが、媒介契約期間中に媒介契約を解除したところ、媒介業者から費用償還請求を受けました、媒介手数料は成約したときに支払うのではないでしょうか。

A5 媒介手数料は成約報酬ですから契約が成立して支払うことになりますが、媒介業者の責めに帰すことができない事由によって媒介契約が契約期間中に解除されたときは、媒介業者は依頼者に対して媒介契約履行のために要した費用を請求することができることになっています。その額は約定報酬額を超えることはできません。なお、媒介業者が、費用償還請求をするときには、明確な費用明細ならびに領収書等が必要になります。

Q6 マンションをできるだけ早く売却する必要があり、不動産業者と専任媒介契約を結び、3か月以内に売却してくれるよう依頼しました。しかし、3か月経つのにいまだに売れません。媒介業者は価格が高すぎるといいますが、価格を下げられないことは専任媒介契約をするときに事情を説明しています。売ることができないのであれば業者に責任をとって欲しいので、買い取ってもらうか、損害賠償を請求したいのですができますか。

A6 媒介業者が購入する買主を探すことができずに売却できなかったとしても、それを理由に媒介業者に対して、物件の買取りや損害賠償を請求することはできません。
売却の依頼を受けた媒介業者には、契約の相手方を探すなどの積極的な努力義務はありますが、かならず契約を成立させなければならない義務まではありません。
売却できなかった理由を冷静に分析して、売却価格の見直しも含めて対応策を今一度検討されたらどうでしょうか。

Q7 不動産業者に土地の売却をお願いして専任媒介契約を交わしました。しかし、売りに出してから3か月になりますが、売出価格では売れそうもありませんので、一旦売却を中止することにしました。業者に専任媒介契約の更新はしないことを伝えたところ、それまでかかった広告費用や物件調査費用を請求するといわれました。支払う必要があるのでしょうか。

A7 依頼者が(1)特別に依頼した広告の料金、(2)特別に依頼した遠隔地における現地調査等に要する費用(事前に依頼者の承諾のあるもの)以外の情報登録料、通常の広告、物件の調査等のための費用は、依頼を受けた宅建(不動産)業者の負担になります。したがって、事前にあなたが承諾した(1)、(2)の費用がないのであれば、支払う必要はありません。

Q8 中古住宅を不動産屋さんの媒介(仲介)で契約が成立し売却することができましたが、売買契約時に媒介報酬全額を請求されました。全額払ってしまうと最後の引渡しまで面倒見てくれるか不安です、どのようにしたよいでしょうか。

A8 報酬請求権の発生する時期は、当該媒介に係る売買契約が成立したときとされていますので、業者には報酬請求権はあります。
しかし、媒介報酬は、宅地建物の売買、賃貸及び交換の契約が成立した際に半額、代理又は媒介の責任を完了したときに残額を受領するよう求める、国土交通省(建設省)による指導(昭和27年通ちょう)もあります。媒介業者の引渡し業務を完全に履行させる趣旨です。業者と話をしてみてはどうでしょうか。

Q9 宅建業者ですが、地主さん所有の造成された10区画の宅地の販売を委託されました。地主さんは宅建業の免許を持っていません、地主さんが無免許営業に当たると思うのですが受託してよいでしょうか。

A9 不動産の取引を業として行うには、免許が必要です。宅地建物取引業にあたるかどうかの判断は、諸要因を勘案して総合的に行われますが、本件の場合は「業」にあたりますので、地主さんには免許が必要です。免許がないまま販売すると「無免許営業」で処罰されることになります(3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又は併科)。
また、この取引を代理・媒介した宅建業者は、無免許営業幇助による宅建業法違反となり、処分の対象となります。