ホーム > 紛争の予防・処理 > 不動産のQ&A > その5 競売その他

不動産のQ&A その5 競売その他

I 土地やマンション・一戸建てなどの売買に関するもの
【その5 競売その他】

その5 競売その他

Q1 マイホームを探しています。最近、「競売代行」というチラシをよく目にしますが、どのようなものですか。通常の売買よりメリットがあるのでしょうか。

A1 競売不動産は、通常は価格が市場価格よりも安く設定されていることがメリットの1つですが、事前に物件内部が見られない、瑕疵担保責任を追及できない、占有者がいる場合は立退き交渉が必要等のデメリットもあります。このような競売不動産の調査、入札手続き、立退き交渉等を買主に代わって行うことが競売代行と呼ばれるもので、不動産業者が営んでいることが多いようです。競売代行業は不動産の媒介ではないため、業者との契約内容(業務の範囲や費用負担、手数料など)に注意が必要です。

Q2 マンションの1室を競売で落札しましたが、前の所有者から借りて住んでいるという4人家族がいます。出て行ってもらうにはどうしたらいいでしょうか。

A2 競売による落札の結果、落札者(買受人)は新たな所有者となります。前所有者との賃貸借契約による賃借人が住んでいる状況と判断しますが、この賃貸借契約の締結時期がいつかによって賃借人が入居できる期間も違ってきます。平成16年3月31日以前の契約締結であればその契約期間終了までは賃借人は入居を継続できます。平成16年4月1日以降の賃貸借契約ならば「建物明渡し猶予制度」として買受時から6か月の明け渡し猶予期間が設けられ、その間は賃借人は入居できることになります。(民法395条)
いずれにしても、早期に退去を求めるのであれば、任意に賃借人と話し合ってみるのも1つの方法です。

Q3 40年前甲県内の雑木林100坪を買い、放置してきました。「その土地を坪5万円で買うという人がいる。売ってあげるが、整地費に坪1万円+消費税で 105万円必要だから、まずそれを支払え」と、不動産会社から電話してきました。他人が買ってくれるなら、価格は坪5万円にこだわりませんが、大丈夫でしょうか。

A3 業者が遠隔地の不動産の買取や売買斡旋をするといって造成工事費用や測量代金を騙し取る商法があり注意が必要です。たとえそういう可能性があっても構わないから、というのであれば、相手の不動産会社の免許や実績等を確認し、媒介契約を必ず締結するとともに、整地に関する請負契約を締結し、工事の完了を待って最終請負金を支払うようにされるのが賢明だと思います。

Q4 父が持っていた北海道の別荘地(原野)を買いたいという地元の人がいたので、遠隔地で持っていても仕方なく現金化したくて、売買金額500万円、手付金10万円で売買契約を締結したところ、契約書に引渡し日までに境界確定をする旨の記載がありましたが、父が昔購入したもので対象地がどこにあるかもわからず、また境界確定ができず、購入業者から債務不履行を理由に違約金(100万円)の請求を受けました。契約書には違約金の定めもありました。違約金は払わなければならないでしょうか。

A4 売買契約書は、売主・買主で合意した内容を書面にしたものです。約束した内容はお互いに守る義務がありますので、契約の相手方が義務を履行しなかった場合は、契約書に定められた違約金等の請求をすることができます。本件も、引渡し日までに境界確定をさせる義務が約定されているのであれば、買主業者の請求には理由があるのですが・・・。
これを悪用する原野商法の第二次被害が見受けられ、(1)売ってあげるといって広告費を詐取する、(2)債務不履行を誘引し違約金を詐取する、(3)造成工事をすると売りやすいとして工事費用を詐取する、(4)測量が必要として測量費を詐取する、(5)買取ってあげるといって他の物件を買わせる等の被害が報告されています。
相談者の例も、(2)の可能性があるように思われます。弁護士等の法律の専門家に相談してはどうでしょうか。

Q5 駅に近いマンションの一室を持ち、住居として使用しています。事務所の部屋もありますが、最近、ある部屋の借主がマッサージ店を始め、表に看板も出しました。イメージが悪いので、営業をやめてほしいのですができるでしょうか。

A5 まずマンションの、管理組合を通じ管理規約上マッサージ店の営業が許されているかどうか確認をして下さい。当該営業が部屋の用途違反にあたるのであれば違反行為の差し止め請求が可能です。理事会や管理会社に相談してみましょう。

Q6 中古マンションを購入しましたが、入居後マンション管理組合から延滞管理費300万円の請求を受けました。契約時にそのような説明も受けませんでした、どうしたらよいですか。

A6 管理費等の滞納があった場合、管理組合は、売買により新しい所有者になった買主に対してもその管理費等の滞納金を請求することができます。
宅建業法では、宅建業者に対して「管理費の額、修繕積立金の額及びそれらについて滞納がある場合には滞納額」を説明することを義務付けています。
売主業者や媒介業者が滞納額について説明していなかった場合、業者は宅建業法上の義務違反を問われるとともに、民事的な責任を負うことになります。

Q7 買った中古マンションの住民に、廊下などで大きな声を昼夜問わず上げている人がいます。他の住民に文句をつけ、中傷しています。知ったのは入居後です。媒介業者は、個人情報保護法違反になるから言えなかった、と言っていますが、本当でしょうか。

A7 宅建業法では、「取引の判断に重要な影響を及ぼすこととなる重要な事項」については、説明することを義務付けています。説明義務のある重要な事項は、法令に基づく説明事項ですので、個人情報保護法の問題とはなりません。
本件が重要な事項として説明義務のある事項であるかどうかは、迷惑行為の程度、状況などの事実関係を総合的に判断する必要があります。
そのことが売主の売却理由であったり、管理組合の総会等でも議題として取り上げられ、その対応が協議されているなどの事実がある様な場合は、媒介業者には重要な事項として説明義務が生じることになります。

Q8 中古マンションを購入しましたが、マンションの規則では禁止なのに、隣の部屋など何人かが犬を飼っています。私は動物アレルギーがあり、ペット禁止のマンションを選んだのです。規則違反の飼主の存在、組合の放置は、媒介業者は説明してくれませんでした。飼育禁止の要求か飼主の退去要求、売買契約の解除や媒介(仲介)業者への損害賠償請求などをしたいのですが、可能でしょうか。

A8 宅建業法では、宅建業者に対し「専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めがあるときはその内容」を説明することを義務付けています。管理規約等でペット飼育が禁止されている場合は、媒介業者は利用の制限事項としてペット飼育が禁止されていることを説明する必要があります。
規則に違反してペットを飼育している区分所有者が問題となっている事例が多くみられますが、この問題は区分所有者全員の問題ですので、管理組合としてその対応を考えることになります。
媒介業者の責任については、媒介業者が、特にペット禁止のマンションという条件の購入の依頼を受け、「ペット飼育禁止に違反して飼育している区分所有者がいることが、管理組合総会で議題となり問題になっている」事実があるにもかかわらず、そのことを説明していなかった場合は、重要事項の説明義務に違反すると考えられます。
契約の解除や損害賠償の請求ができるか否かは、ご質問の内容だけで判断することはできません。弁護士等の専門家にご相談してください。

Q9 85歳の母は、日常の行動はしっかりしており、一人で生活できています。死んだ父の遺産もあり、最後に景色のよい家で死にたいと、物件を探して、契約しました。手付けを入れましたが、最後になってやっぱり今の家でいいと言い出し、残代金を払わないので、違約金は払いませんでしたが、手付けは没収されました。実は、同じことがこれで2度目です。最近、また、前と同じようなことを言い始めていますが、防止するにはどうしたらいいでしょうか?

A9 ご質問のようなケースでは、成年後見制度による手続きをとることを考えられてはいかがでしょう。
成年後見制度のうち任意後見制度は、本人が健康で判断能力が十分なうちに将来認知症等で判断能力が不十分となった場合に備え、あらかじめ、任意後見契約により任意後見受任者を指名しておき、本人の財産管理について、将来認知症等障害が発生した場合でも可能な限り本人の意思が反映されるようにしておくものです。任意後見受任者は親族でも指名することが可能で、本人との間で公正証書を作成し、公証人の嘱託によりこの旨の登記がなされます。
本人の判断能力が衰えて、任意後見事務を開始する必要が生じたときは、任意後見受任者や親族等が、本人の同意を得て、家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立を行ない、家庭裁判所がその選任を行うと、そのときから任意後見受任者は任意後見人となり、任意後見契約に定められた仕事を開始することになります。