最新・宅地建物取引業法 法令集
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-207-であるか否かの判断にあたっては、確認済証又は検査済証に記載する確認済証交付年月日の日付をもとに判断することとする。確認済証又は検査済証がない場合は、建物の表題登記をもとに判断することとし、その際、居住の用に供する建物(区分所有建物を除く)の場合は、表題登記日が昭和五十六年十二月三十一日以前であるもの、事業の用に供する建物及び区分所有建物の場合は、表題登記日が昭和五十八年五月三十一日以前であるものについて説明を行うこととする。また、家屋課税台帳に建築年月日の記載がある場合についても同様に取扱うこととする。また、本説明義務については、売主及び所有者に当該耐震診断の記録の有無を照会し、必要に応じて管理組合及び管理業者にも問い合わせた上、存在しないことが確認された場合は、その照会をもって調査義務を果たしたことになる。なお、本説明義務については、耐震診断の実施自体を宅地建物取引業者に義務付けるものではないことに留意すること。建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律(平成十七年法律第百二十号)の施行前に行った耐震診断については、改正前の建築物の耐震改修の促進に関する法律第三条に基づく特定建築物の耐震診断及び耐震改修に関する指針(平成七年建設省告示第二〇八九号)に基づいた耐震診断であり、耐震診断の実施主体が規則第十六条の四の三第五号イからニまでに掲げるものである場合には、同号に規定する耐震診断として差し支えない。6住宅性能評価制度を利用する新築住宅である旨について(規則第十六条の四の三第六号関係)本説明義務は、住宅の品質確保の促進等に関する法律の住宅性能評価制度を利用した新築住宅であるか否かについて消費者に確認せしめるものであり、当該評価の具体的内容の説明義務まで負うものではない。7浴室、便所等建物の設備の整備の状況について(規則第十六条の四の三第七号関係)建物の貸借の契約の場合においては、浴室、便所、台所等建物の設備の整備の有無、形態、使用の可否等日常生活に通常使用する設備の整備の状況を説明事項としている。例えば、ユニットバス等の設備の形態、エアコンの使用の可否が該当する。また、規則第十六条の四の三第七号に掲げた設備は、専ら居住用の建物を念頭に置いた例示であるので、事業用の建物(オフィス、店舗等)にあっては、空調設備等事業用の建物に固有の事項のうち、事業の業種、取引の実情等を勘案し重要なものについて説明する必要がある。8契約期間及び契約の更新に関する事項について(規則第十六条の四の三第八号関係)規則第十六条の四の三第八号は、例えば契約の始期及び終期、二年毎に更新を行うこと、更新時の賃料の改定方法等が該当する。また、こうした定めがない場合は、その旨の説明を行う必要がある。9定期借地権、定期建物賃貸借及び終身建物賃貸借について(規則第十六条の四の三第九号関係)定期借地権を設定しようとするとき、定期建物賃貸借契約又は終身建物賃貸借契約をしようとするときは、その旨を説明することとする。なお、定期建物賃貸借に関する上記説明義務は、借地借家法第三十八条第二項に規定する賃貸人の説明義務とは別個のものである。また、宅地建物取引業者が賃貸人を代理して当該説明義務を行う行為は、宅地建物取引業法上の貸借の代理の一部に該当し、関連の規定が適用されることとなる。用途その他の利用の制限に関する事項について(規10則第十六条の四の三第十号関係)規則第十六条の四の三第十号は、例えば事業用としての利用の禁止等の制限、事業用の業種の制限のほか、ペット飼育の禁止、ピアノ使用の禁止等の利用の制限が該当する。なお、増改築の禁止、内装工事の禁止等賃借人の権限に本来属しないことによる制限については、規則第十六条の四の三第十号に係る事項には含まれないものとする。契約終了時における金銭の精算に関する事項につい11て(規則第十六条の四の三第十一号関係)規則第十六条の四の三第十一号は、例えば賃料等の滞納分との相殺や一定の範囲の原状回復費用として敷金が充当される予定の有無、原状回復義務の範囲として定まっているものなどが該当する。なお、本事項は、貸借の契約の締結に際してあらかじめ定まっている事項を説明すべき事項としたものであり、こうした事項が定まっていない場合にはその旨を説明する必要がある。管理委託を受けた者の氏名及び住所について(規則12第十六条の四の三第十二号関係)アパート等の賃貸においても区分所有建物の場合と同様、重要事項説明書に管理者の氏名、住所及び賃貸住宅管理業者登録規程(平成二十三年国土交通省告示第九百九十八号)第五条第一項第二号の登録番号を記載し、その旨説明することとする。ただし、賃貸住宅管理業者登録規程の登録を受けていない場合には、管理者の氏名及び住所を記載し、説明することとする。なお、ここでいう管理者には、単純な清掃等建物の物理的な維持行為のみを委託されている者までも含む趣旨ではない。契約終了時における建物の取壊しに関する事項につ13いて(規則第十六条の四の三第十三号関係)主に一般定期借地権を念頭においているものである。例えば、五十年後に更地にして返還する条件がある場合にあっては、その内容が該当する。第三十五条第四項関係宅地建物取引士証の提示について提示の方法としては、宅地建物取引士証を胸に着用する等により、相手方又は関係者に明確に示されるようにする。なお、提示に当たり、個人情報保護の観点から、宅地建物取引士証の住所欄にシールを貼ったうえで提示しても差し支えないものとする。ただし、シールは容易に剥がすことが可能なものとし、宅地建物取引士証を汚損しないよう注意すること。第三十五条の二関係供託所等に関する説明について法律上は書面を交付して説明することを要求されていないが、この事項を重要事項説明書に記載して説明することが望ましい。第三十六条関係契約締結等の時期の制限について法第三十六条の「確認」とは、建築基準法第六条(1)第一項後段の規定に基づく確認(以下「変更の確認」(宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方)− 207 −

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