最新・宅地建物取引業法 法令集
214/242

-211-②「宅地又は建物の通常の借賃」とは、当該宅地又は建物が賃貸借される場合に通常定められる適正かつ客親的な賃料を指すものであり、その算定に当たっては、必要に応じて不動産鑑定業者の鑑定評価を求めることとする。③後段の規定は、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して宅地建物取引業者が受けることのできる報酬について、前段に規定する報酬額の合計額の範囲内において依頼者の一方から受けることのできる限度額を定めているものであり、依頼者の承諾を得ている場合を除き、依頼者の双方から報酬を受ける場合のいずれかにあっても依頼者の一方から受ける報酬の額が当該限度額以下でなければならない。④「居住の用に供する建物」とは、専ら居住の用に供する建物を指すものであり、居住の用に供する建物で事務所、店舗その他居住以外の用途を兼ねるものは含まれない。⑤「当該媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合」とは、当該媒介の依頼を受けるに当たって、依頼者から借賃の一月分の〇・五四倍に相当する金額以上の報酬を受けることについての承諾を得ている場合を指すものであり、その場合においては、依頼者から受ける報酬の合計額が借賃の一月分の一・〇八倍に相当する金額を超えない限り、当該承諾に係る依頼者から受ける報酬の額、割合等については特段の規制はない。なお、この依頼者の承諾は、宅地建物取引業者が媒介の依頼を受けるに当たって得ておくことが必要であり、依頼後に承諾を得ても後段に規定する承諾とはいえず、後段の規制を受けるものである。告示第五(宅地建物取引業者が貸借の代理に関し(4)て受けることのできる報酬の額)関係「当該貸借の相手方から報酬を受ける場合」とは、代理行為とあわせて媒介的行為が行われる場合に代理の依頼者のほか貸借の相手方からも報酬を受ける場合を指すものであり、その場合においては、代理の依頼者から受ける報酬の額と、貸借の相手方から受ける報酬の額の合計額が、借賃の一月分の一・〇八倍に相当する金額を超えてはならない。告示第六(権利金の授受がある場合の特例)関係(5)①この規定は、居住の用に供する建物の賃貸借の代理又は媒介に関して依頼者から受ける報酬の額については適用されない。②「権利金」とは、名義の如何を問わず、権利設定の対価として支払われる金銭であって、返還されないものをいい、いわゆる権利金、礼金等賃貸借契約終了時に賃貸人から賃借人に返還されない金銭はこれに該当するが、いわゆる敷金等賃貸借契約終了時に賃貸人から賃借人に返還される金銭はこれに該当しない。告示第七(空家等の売買又は交換の媒介における(6)特例)関係①この規定は、宅地建物取引業者が宅地若しくは建物の売買又は交換の媒介に関して受けることのできる報酬額の特例として、空家等の売買又は交換の媒介であって、通常の売買又は交換の媒介と比較して現地調査等の費用を要するものについては、告示第二の規定にかかわらず、告示第二の計算方法により算出した金額と当該費用に相当する額を合計した金額以内で報酬を受けることができることを定めているものである。②この規定に基づき宅地建物取引業者が受けることのできる報酬は、空家等の売主又は交換を行う者である依頼者から受けるものに限られ、当該空家等の買主又は交換の相手方から受ける報酬については、告示第二の計算方法による。③「当該現地調査等に要する費用に相当する額」とは、人件費等を含むものであり、宅地建物取引業者は、媒介契約の締結に際し、あらかじめ報酬額について空家等の売主又は交換を行う者である依頼者に対して説明し、両者間で合意する必要がある。告示第八(空家等の売買又は交換の代理における(7)特例)関係①この規定は、宅地建物取引業者が宅地若しくは建物の売買又は交換の代理に関して受けることのできる報酬額の特例として、空家等の売買又は交換の代理であって、通常の売買又は交換の代理と比較して現地調査等の費用を要するものについては、告示第三の規定にかかわらず、告示第二の計算方法により算出した金額と告示第七の規定により算出した金額を合計した金額以内で報酬を受けることができることを定めているものである。②この規定に基づき宅地建物取引業者が受けることのできる報酬は、空家等の売主又は交換を行う者である依頼者から受けるものに限られ、当該空家等の買主又は交換の相手方から受ける報酬については、告示第三の規定による。告示第九(告示第二から第八までの規定によらな(8)い報酬の受領の禁止)関係①宅地建物取引業者は、告示第二から第八までの規定によるほかは依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額を除き報酬を受けることはできない。したがって、告示第二から第八までの規定による報酬及び依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額以外にいわゆる案内料、申込料や依頼者の依頼によらずに行う広告の料金に相当する額の報酬を受領することはできない。②この規定には、宅地建物取引業者が依頼者の特別の依頼により行う遠隔地における現地調査や空家の特別な調査等に要する実費の費用に相当する額の金銭を依頼者から提供された場合にこれを受領すること等依頼者の特別の依頼により支出を要する特別の費用に相当する額の金銭で、その負担について事前に依頼者の承諾があるものを別途受領することまでも禁止する趣旨は含まれていない。2複数の宅地建物取引業者が介在する媒介について複数の宅地建物取引業者が一個の宅地又は建物の(1)売買又は交換(以下「一個の売買等」という。)の媒介をしたときは、その複数の宅地建物取引業者が依頼者の一方から受領する報酬額の総額が告示第二の計算方法により算出した金額以内(告示第七の規定に基づき空家等の売主又は交換を行う者である依頼者から報酬を受ける場合にあっては、当該依頼者から受領する報酬額の総額が告示第七の規定により(宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方)− 211 −

元のページ  ../index.html#214

このブックを見る