最新・宅地建物取引業法 法令集
217/242

-214-する者が、不動産取引に関連する制度やサービスに関する最新の知識及びこれを消費者に対して適切に説明や提案をすることができる能力を効果的かつ効率的に習得することができるよう、宅地建物取引業者を直接又は間接の社員とする一般社団法人は、その組織力を活かし、法令、金融等の不動産取引に関連する多様な分野に係る体系的な研修を実施するよう努めるものとする。なお、宅地建物取引業者を間接の社員とする一般社団法人とは、宅地建物取引業者を社員とする一般社団法人が社員である一般社団法人を指す。第七十八条の二関係1信託会社等及び登録投資法人に係る事務の取扱いについて法第七十七条第三項に規定する信託会社等による届出の受理に係る事務は、地方整備局長等に委任せず国土交通大臣が自ら行うこととされているため、規則第三十二条各号に規定する事務についても信託会社等に係るものは、当該届出の受理に係る事務を行う国土交通大臣が自ら行うものとみなされ、地方整備局長等には委任されない。2地方整備局長等による宅地建物取引業者の監督権限の行使について規則第三十二条第一項第十三号から第十九号まで及び第二十六号に掲げる宅地建物取引業者の監督権限については、原則として主たる事務所の所在地を管轄する地方整備局長等が行うものとするが、免許の取消しに係る権限以外の監督権限については、当該宅地建物取引業者の従たる事務所等を管轄する地方整備局長等も行うことができるものとする。3委任された監督権限の具体的運用方針について地方整備局長等に委任する国土交通大臣の権限のうち、規則第三十二条第一項第十三号から第十九号及び第二十六号に掲げる権限については、国土交通大臣が自ら行うことを妨げないこととされているが、これは、同一業者により組織的に行われたもので、全国的に被害が頻発するような事案など相当な社会的混乱を招くおそれがあり、国土交通大臣自らが機敏に対応することを求められる事件の発生に際しては、個別の状況に応じて国土交通大臣が処分を行うこともあり得るものとしたものである。その他の留意すべき事項1宅地建物取引業者の社会的責務に関する意識の向上について宅地建物取引業務に係る人権問題の最近の状況を見ると、一部において同和地区に関する問い合わせ、差別意識を助長するような広告、賃貸住宅の媒介業務に係る不当な入居差別等の事象が発生している。宅地建物取引業は、住生活の向上等に寄与するという重要な社会的責務を担っており、また、人権問題の早期解決は国民的課題であるので、基本的人権の尊重、特にあらゆる差別の解消に関する教育・啓発が重要であることにかんがみ、同和地区、在日外国人、障害者、高齢者等をめぐる人権問題に対する意識の向上を図るため、宅地建物取引士等の従事者に対する講習等を通じて人権に関する教育・啓発活動のより一層の推進を図るとともに、宅地建物取引業者に対する周知徹底及び指導を行う必要がある。2消費税等相当額の扱いについて法第三十二条、第三十八条、第三十九条、第四十一条及び第四十一条の二等の規定の適用に当たっては、売買、賃借等につき課されるべき消費税等相当額については、「代金、借賃等の対価の額」の一部に含まれるものとして取り扱うものとする。なお、割賦販売については、法第三十五条第二項の規定に基づき、現金販売価額と割賦販売価額が区分されている場合で、契約書に分割支払に係る利子額を記載したときは、その利子の額については、非課税となる。また、法第三十七条第一項第三号又は第二項第二号の規定により、宅地建物取引業者は、契約を締結したときは、遅滞なく、「代金の額」又は「借賃の額」を記載した書面を交付しなければならないこととされているが、消費税等相当額は、代金、借賃等の額の一部となるものであり、かつ、代金、借賃に係る重要な事項に該当するので、「代金の額」又は「借賃の額」の記載に当たっては、「当該売買、貸借等につき課されるべき消費税等相当額」を明記することとなる。また、交換については、「交換差金の額」に関する事項として、「当該交換につき課されるべき消費税等相当額」を明示することとなる。同様に、法第三十四条の二第一項第六号又は法第三十四条の三の規定により、媒介又は代理契約を締結したときは、遅滞なく「報酬に関する事項」を記載した書面を交付しなければならないこととされているが、その記載に当たっては、当該報酬の額に含まれる消費税等相当額に関する事項についても記載することとなる。なお、譲渡、賃貸等に課されるべき消費税等相当額は、法第四十七条第一号の重要な事項に該当することとなるので、宅地若しくは建物の売買、交換又は貸借の各当事者に対して故意に事実を告げず、又は不実のことを告げた場合には、法第四十七条違反となる。また、消費税法第六十三条の二の規定により、不特定多数の一般消費者に対して物件価格、賃料等を表示する場合は、譲渡、賃貸等に係る消費税等相当額を含んだ額を表示しなければならないことに留意すること。3暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律関係宅地建物取引業者が、宅地建物取引業に関し、暴(1)力団員による不当な行為の防止等に関する法律(以下「暴力団対策法」という。)第十二条の再発防止命令を受けた場合には、業務に関する他法令違反として、情状に応じ、法第六十五条第一項第三号の指示処分、法第六十五条第二項第一号の業務停止処分、法第六十六条第一項第九号の免許取消処分のいずれかを行うことにより、厳正に対応する必要がある。暴力団対策法第十二条の再発防止命令を受けていなくても、宅地建物取引業に関し、暴力団対策法第十条に違反する行為を行ったことが明らかである場合においては、情状に応じ、法第六十五条第一項第二号の指示処分、法第六十五条第二項第五号の業務停止処分、法第六十六条第一項第九号の免許取消処分のいずれかを行うことにより、厳正に対応する必要がある。暴力団を利用した悪質な地上げ等に対する措置に(2)ついて宅地建物取引業者が、宅地建物取引業に関し、暴力団を利用し当該暴力団の構成員が違反行為を行った場合又は自ら暴行、脅迫、詐欺、恐喝等の違法行為を行った場合は、法第六十五条第二項第五号、法(宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方)− 214 −

元のページ  ../index.html#217

このブックを見る