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売買に関する紛争 - (2)瑕疵・その他 - 建物瑕疵 該当件数 125件

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No. 判決日 裁判所名 概要 RETIO
1 R3.11.26 東京地裁 共同住宅の買主が、建物に法令違反があったことから予定していた改築ができず、契約目的を達せられなくなったとして、売買契約の解除もしくは無効による売買代金の返還等を売主に求めた事案において、売主は建物が建築基準法に抵触するものである可能性があることの説明を行っていたことから、契約の内容・目的に照らしてそれらの法令違反は瑕疵にあたるものではない等として、買主の請求が棄却された事例。
RETIO 127-138
2 R3.11.25 東京地裁 買主がコーキング不良により雨漏りが発生したとして、売主に対し瑕疵担保請求をした事案において、雨漏りはコーキングの経年劣化によるもので瑕疵には該当しないとして、その請求が棄却された事例。
RETIO 127-140
3 R3.9.30 東京地裁 居宅目的のため購入したマンション内に大量の野鳥の死骸等があることは瑕疵に当たるとして、買主が売主の瑕疵担保責任に基づく損害賠償を求めた事案において、買主の請求の一部が認められた事例。
RETIO 127-144
4 R3.8.31 東京地裁 築25年以上経過した住宅を購入した買主が建物外壁の内側防水工事の未施工が隠れた瑕疵にあたるとして、その修繕工事費用等の損害を求めた事案において、建物の購入価格から客観的取引価格をそれぞれ認定し、その差額を瑕疵による損害として認めた事例。
RETIO 127-142
5 R3.7.28 東京地裁 土地建物の信託受益権の買主が、購入時に示された調査報告書に、石綿使用がない旨の記載があったにもかかわらず、建物に法令基準を超える石綿含有建材が使用されていたため除去費用等の損害を被ったとして、売主及び調査会社に損害賠償金を求めた事案において、買主が主張する売主の表明保証違反、悪意・重過失による瑕疵担保責任、調査会社の不法行為責任は認められないとして、その請求が棄却された事例。
RETIO 126-110
6 R3.7.20 東京地裁 隣地建物と密着していた建物を解体し更地にした売主業者から更地を購入した買主が、隣地建物外壁の剥離落下事故発生により、貸駐車場の一部が使用できなかったことから、売主業者及び隣地建物所有者に対して、駐車場収益減少による損害の賠償を求めた事案において、両者に不真正連帯債務の賠償責任が認められた事例。
RETIO 126-112
7 R2.10.2 東京地裁 建物の漏水の原因が一部特定されないまま売主と買主が合意書を締結し補修工事を実施後、真の原因が判明したため、売主にその工事費用を追加請求した事案において、合意書の精算条項によって瑕疵担保責任による損害賠償債務が精算済であるとして買主の請求が棄却された事例。
RETIO 125-136
8 R2.3.27 東京地裁 中高層建物を開発・分譲する目的で土地建物を購入した不動産業者が、取壊し予定の建物から石綿が発見されたとして、瑕疵担保責任特約に基づき、売主個人に対してその除去費用の支払いを求めた事案において、本件特約の解釈上、隠れた瑕疵に当たるとして請求全額が認容された事例。
RETIO 121-136
9 R2.3.18 東京地裁 新築マンションの買主が、売主・施工会社に対して、給湯設備に接地線が取り付けられていない、電源通信線の直径等が据付工事説明書及び内線規程に違反するなどの瑕疵があったとして損害賠償を請求したが、施工会社提示の補修相当額のみが認められた事例。
RETIO 122-152
10 R2.2.26 東京地裁 中古マンションの買主が、売主業者や媒介業者が雨漏り履歴を故意に隠蔽したとして、売買契約の錯誤無効などを主張した事案において、売主業者の説明義務違反を認定し、慰謝料40万円を認容した事例。
RETIO 122-160
11 R2.1.9 東京地裁 別荘を購入した買主が、その建物に瑕疵があったにもかかわらずこれを秘して売却したとして、媒介業者及び売主に対し、売買代金相当額及び慰謝料等の損害賠償を求めた事案において、買主の主張する瑕疵は、いずれも説明済、あるいは瑕疵に該当しないとして、請求が棄却された事例。
RETIO 123-102
12 R1.12.26 東京地裁 中古分譲マンションの買主が、購入の約3年後に発生した専有部分内での天井崩落事故に関して、その原因と見られる漏水について、売主はこれを認識していたものの告げずに売却したため売買契約を解除した、媒介業者はその調査説明を怠ったとして、売主及び媒介業者に売買代金相当額の支払いを求めた事案において、売買契約締結当時、係る漏水が発生していた証拠はないとして、請求が棄却された事例。
RETIO 121-138
13 R1.10.29 東京地裁 中古マンションの買主が、売主に対して、瑕疵担保責任に基づき、建物の雨漏りに伴う防水工事ならびに室内復旧工事費用の支払いを求めた事案において、雨漏りの修理に必要な最小限度の防水工事費用の請求のみ認められ、その余の請求が棄却された事例。
RETIO 123-098
14 R1.8.29 東京地裁 築約27年の賃貸物件の買主が、躯体への浸水等の瑕疵があったとして、売主業者及び管理業者に対し、主位的に、これらについての調査説明義務違反もしくは瑕疵担保責任に基づき、契約を解除したとして支払済み売買代金等の支払いを、予備的に、これらの補修費用の支払いを両者に求めた事案において、買主の主張する瑕疵の存在は認められないとして請求が棄却された事例。
RETIO 120-146
15 H31.4.24 東京地裁 賃貸マンションの買主が、引渡された建物に雨漏りがあったとして、売主に対して補修費用相当額の支払いを求めた事案において、その雨漏りは瑕疵にあたり、売主は損害を賠償する責任を負うが、買主は売主の補修工事実施申出を拒否し、損害を拡大させた等として、売主主張の範囲に限り、売主に支払いを命じた事例
RETIO 118-110
16 H30.7.20 東京地裁 売主業者が築後50年以上経過した土地建物を購入し、大規模なリノベーション工事を行って買主に売却したところ、建物に隠れた瑕疵があったとして損害賠償を求めた事案において、建物の屋根庇の軒先から軒裏にかけての部分の腐食について瑕疵と認め、その他については瑕疵を否定し、損害賠償額について調停委員会の算定額をもって認めた事例
RETIO 115-116
17 H30.7.9 東京地裁 購入した共同住宅に雨漏り及び給湯設備の瑕疵があったとして、買主が、売主に対し、原状回復工事費用、防水工事費用等を請求した事案において、一部が認められた事
RETIO 115-114
18 H30.6.18 東京地裁 中古住宅の買主が、売主から建物の物干し場、車庫について、建築確認申請が行われていない説明を受けていないとして、錯誤による売買契約の無効を主張し、不当利得返還請求、不法行為に基づく損害賠償請求を行ったが、売主に説明義務があったとは認められない等として棄却された事例。
RETIO 120-148
19 H30.3.19 東京地裁 築約27年の賃貸物件の買主が、引渡しの約5か月後にエレベーターが故障し使用不能になったとして、売主宅建業者に対し、瑕疵担保責任もしくは説明義務違反に基づく損害賠償(補修工事費用支払)を求めた事案において、引渡時点では問題なく稼働していたうえ、契約上相応の経年劣化は想定されており、売主が資料開示を怠ったとも認められない、としてその請求が棄却された事例
RETIO 119-134
20 H30.2.28 東京地裁 事務所ビルの媒介報酬を媒介業者が買主に請求したのに対し、エレベーターの不具合にかかる調査説明義務違反を理由に買主が媒介業者に損害賠償を求め反訴した事案において、買主の反訴請求を棄却し、媒介業者の請求を認めた事例
RETIO 116-118
21 H29.2.7 東京地裁 戸建住宅を購入した買主が、引渡し後に地下駐車場への浸水事故があったことから、売主業者と媒介業者が過去の浸水事故の調査説明義務を怠ったとして、止水版設置費用や浸水事故があったことによる不動産価格減価分等の支払を両社に求め、請求の一部が認められた事例
RETIO 111-76
22 H29.1.25 東京高裁 オフィスビルにおけるテナント従業員の非常階段からの転落死亡事故につき、当該自殺事故により建物価値が毀損したとして、貸主が借主に損害賠償を求めた事案の控訴審において、当該事故は自殺とは認められず、また、借主関係者の過失による死亡事故であったとしても、借主にオフィス用物件である本件建物や本件貸室の価値を下げないように配慮すべき義務を認定できないとして、貸主の1000万円の賠償請求を認容した一審判決を破棄し、貸主の請求を棄却した事例
RETIO 108-144
23 H29.1.12 東京地裁 売主によりシェアハウス用途に改装され、賃貸中であった建物を購入し、購入後の管理を売主に委託した買主が、売主の瑕疵担保責任および管理委託契約の債務不履行に基づく損害等の賠償を売主に請求した事案において、買主の請求が全て棄却された事例
RETIO 110-112
24 H28.12.20 名古屋地裁 買主が、売主の不実告知又は不利益事実の不告知により、耐震補強をしていると誤認し売買契約を締結したとして、売主に消費者契約法に基づく売買契約の取消しと、売主、媒介業者に損害賠償を求めた事案において、媒介業者への請求は棄却されたが、売主に対する売買契約の取消しと損害賠償請求が認容された事例
RETIO 107-096
25 H28.12.8 東京地裁 購入建物において排水機能の瑕疵により浸水が生じ賃借人が退去するなどの損害を負ったとして、買主が売主に損害賠償を請求した事案につき、売主は重要事項説明において過去浸水被害が発生した事等を説明しており、隠れたる瑕疵にはあたらないとしてその請求を棄却した事例
RETIO 111-78
26 H28.8.30 東京地裁 マンションを購入した買主が、宅建業者である売主に対し、容積率違反等の瑕疵が存する、修繕積立金に関する説明を怠ったなどと主張し、契約解除を求めた事案において、契約目的を達せられない瑕疵とは認められず、説明義務違反もないとして、買主の請求が棄却された事例
RETIO 113-130
27 H28.8.23 東京地裁 買主が売主及び本件ビルの管理を行っていた媒介業者に対して、過去の雨漏りを知りながら、その事実を秘匿して過去の雨漏り事故はなかった旨説明し、買主を誤信させ、本件ビルを購入させたとして、購入後に発生した雨漏り工事の施工費等の損害賠償を不法行為に基づき求めた事案において、売買契約時において雨漏りが発生しており、売主及び媒介業者が認識していたとする証拠はないとして、その請求がすべて棄却された事例
RETIO 113-122
28 H28.7.14 東京地裁 購入した中古ビルに、外壁の爆裂や雨漏り等の瑕疵があったとして、買主が売主に対し、売買契約の瑕疵担保責任条項等により損害賠償を求めた事案において、買主が瑕疵と主張する建物の各不具合は、中古ビルにおいては通常生じうる経年劣化であるとして、その請求を棄却した事例
RETIO 110-114
29 H28.4.22 東京地裁 リフォーム工事済のマンション一室の買主が、不動産業者である売主に対し、排水管が詰まり、排水不良が発生する瑕疵が存在していたとして、売主の瑕疵担保責任又は排水不良の説明義務違反を理由とする損害賠償等を求めたが、経年相応であるとして、その請求が棄却された事例
RETIO 117-126
30 H28.1.27 東京地裁 買主が、建物等に瑕疵があるとして、瑕疵 担保責任又は説明義務違反による不法行為に基づき、売主に損害金等の支払を求めた事案において、売主が悪意の建物やエレベーター内の水漏れに関しては、瑕疵担保責任期間短縮特約の効力を否定して、売主の瑕疵担保責 任を認め、部品交換の必要性が指摘されていたエレベーターの不具合等については、経年相当等として瑕疵に該当しないとされた事例
RETIO 105-084
31 H28.1.20 東京地裁 賃貸マンションの買主である不動産賃貸業者が、床の腐食等が隠れたる瑕疵に当たるとして、修繕費・遺失利益等の支払いを求めた事案。請求の一部は隠れたる瑕疵にあたるとして、請求の一部の支払いが認められた事例。
RETIO 117-124
32 H27.10.14 東京地裁 賃貸ビルの売買契約にあたり、雨漏り等の建物の不具合や賃借人との紛争を告げずに売買契約を締結したとして、買主が詐欺もしくは告知義務違反の不法行為による損害賠償を、売主及び媒介業者に請求した事案において、買主の請求が一部認められた事例
RETIO 103-106
33 H27.6.16 東京地裁 中古住宅の買主が、建物に建築基準法違反があったとして、売主に対しては瑕疵担保責任により、媒介業者に対しては調査義務違反等により、損害賠償を請求した事案において、売主の瑕疵担保責任は売買契約の特約により免責されているとし、また、媒介業者は調査説明義務を果しているとして、その請求が棄却された事例
RETIO 101-110
34 H27.4.10 東京地裁 買主が、購入建物の傾斜は建物を建築した際、敷地の埋戻しを適切に行わなかったためであるとして、建築業者に対して不法行為による損害賠償を、また、売主に対して瑕疵担保責任、告知義務違反を理由とした損害賠償を請求した事案において、買主の建築業者への請求を一部減額のうえ認容された事例
RETIO 103-104
35 H27.4.8 東京地裁 購入した建売住宅の賃貸を依頼したところ、客付側媒介業者の従業員が、誤って排水ポンプの電源を落としたため生じた地下室の浸水事故に伴う買主の損害につき、当該事故は建物の瑕疵によるものとして建物施工業者 の不法行為責任、浸水事故の直接原因を作出 した媒介業者の不法行為責任を認め、売主宅建業者については、除斥期間の経過により瑕疵担保責任、及び不法行為責任を否定した事例。
RETIO 105-096
36 H27.1.23 東京地裁 内覧が不可であった賃貸中の中古マンションの売買において、引渡し後に設備等の不具合が発見されたとして、買主が売主に対し、瑕疵担保責任、告知義務違反等に基く損害賠償を請求した事案において、買主主張の不具合は、建物の経年・重要事項説明等により認識し得たもので隠れた瑕疵には当たらない等として、その請求を棄却した事例
RETIO 103-108
37 H26.12.15 東京地裁 個人間で売買された賃貸マンションにおいて、引渡し後に雨漏りが発生したことから、買主が施工会社に対してその補修費用相当額等の支払いを求めた事案において、施工会社の不法行為に基づき、買主の請求の一部が認容された事例。
RETIO 105-086
38 H26.12.9 東京地裁 中古マンションを購入した買主が、本物件内の給湯器が故障していたとして、売主である不動産業者に対し、新品給湯器への交換費用及び近隣入浴施設利用費用を求めた事案において、中古品である給湯器の瑕疵と相当因果関係が認められるのは、中古品の給湯器への交換費用相当額に限られるとして、その請求を一部減額して認容した事例
RETIO 101-106
39 H26.7.25 東京地裁 買主が購入した区分所有建物に居住不能な水銀汚染があったとして、売買契約の錯誤無効、履行不能、瑕疵担保責任による契約解除、水銀を残置したことの説明義務違反による損害賠償等を求めた事案において、当該汚染は買主の内装業者が、残置されたガラス瓶の内容物が水銀であることを知らず、搬出中に誤って割った漏出事故によるものであり、売買契約時において建物に水銀汚染があったとは認められない、また売主に水銀を残置したことの買主への説明義務違反が認められるが、損害の立証が認められないとして、その請求を全て棄却した事例
RETIO 99-78
40 H26.7.25 東京地裁 特定目的会社から信託受益権を購入し、最終的に不動産の所有権を取得した法人が、建物の非常用電源設備には著しい整備不良があり、取得後交換を余儀なくされたとして、売主には瑕疵担保責任又は説明義務違反に基づき、媒介業者には説明義務違反に基づき、交換費用相当額の損害賠償を請求した事案において、買主の請求がすべて棄却された事例
RETIO 98-122
41 H26.7.16 東京地裁 外国人向けにゲストハウスとして賃貸中の物件を現状有姿で購入し、管理運営を売主に委託した買主が、漏水とそれを原因とするカビ被害や入居者による汚れ等が瑕疵に当たると主張して、売主、賃料収納会社及びそれらの役員らに対して、改修工事費用及び逸失利益相当の損害賠償等を請求した事案において、漏水の改修工事費用及び残置物処理費用等については瑕疵担保責任又は原状回復義務を理由に、売主に対する請求を認容したが、それ以外の請求については棄却した事例
RETIO 98-120
42 H26.5.23 東京地裁 各階を区分所有建物とする建物の一部の階の買主が、専有部分の空調設備は老巧化し、修繕不能であったために損害を被ったとして、売主に対しては瑕疵担保責任に基づき、売却仲介をした業者に対しては不法行為責任に基づき、損害賠償金の支払を求めた事案において、設備の老朽化は、売買において予定されていた品質・性能を欠いていたということはできず、また、仲介業者が調査、説明すべき義務を負っていたとはいえないとして、買主の請求を棄却した事例
RETIO 99-80
43 H26.4.25 東京地裁 宅地建物取引業者から賃貸目的で建物を購入した買主が、同建物の瑕疵又は売主の不完全履行により、賃貸ができないとして、売主に対して、建物工事に要した費用及び建物の月額賃料相当割合の逸失利益の支払いを求めた事案において、建物には隠れた瑕疵があり、売主は建物を瑕疵のない状態で引き渡す債務を負っていたにもかかわらずその履行が不完全であったとして、買主の請求の一部(建物工事に要した費用)が認容された事例
RETIO 106-108
44 H26.2.20 東京地裁 土地付建物を購入した買主が、建物に漏水の原因となる瑕疵及びネズミやゴキブリがいる事実を告知しなかったことを理由に、売主に対しては、詐欺による取消もしくは錯誤による無効、仲介業者に対しては、説明義務違反による損害賠償を請求した事案において、買主の請求がいずれも棄却された事例
RETIO 101-104
45 H26.2.7 東京地裁 ビルを購入した買主が、建築基準法上の是正が必要な隠れた瑕疵があり、仲介業者からその売買目的物の瑕疵の有無についての調査・報告がなかったことにより損害を被ったとして、売主には主位的に瑕疵担保責任に基づき、予備的に不法行為又は不当利得に基づき、仲介業者には調査報告義務の債務不履行に基づき、工事費用相当額および遅延損害金の支払を求めた事案において、買主の主張には理由がないとして、請求が全て棄却された事例
RETIO 99-76
46 H26.1.15 東京地裁 築38年を超えるマンションの一室を購入した買主が、暴風雨の折、サッシや建物躯体のひび割れから水が浸水し、寝具等に被害が生じたとして、売主には、浸水の可能性を認識していたのに告知しなかったとして、債務不履行、不法行為、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求を、媒介業者には、調査説明不足に起因する債務不履行に基づく損害賠償請求を、さらに買主が売主従業員に渡した被害状況を撮影したSDカード(記憶媒体)を返還するよう求めたが、いずれの請求も棄却された事例
RETIO 96-108
47 H25.7.30 東京地裁 建物の瑕疵を主張し調停を申し立てた買主が、調停不調となったことから、売主業者に対し、説明義務違反による不法行為責任、建物の瑕疵担保責任に基づく損害賠償等を求めた事案において、売主の不法行為責任を否定し、建物の瑕疵の一部について瑕疵担保責任を認めた事例
RETIO 95-070
48 H25.3.27 大阪高裁 建売住宅を購入した買主が、建物には建替えを必要とする重大な瑕疵があるなどとして、販売会社に対しては、瑕疵担保責任等に基づき、販売会社及び仲介会社の代表者に対しては、不法行為責任等に基づき損害賠償を求めた事案において、原判決を変更し、販売会社の瑕疵担保責任、不法行為責任とともに、代表者らの不法行為責任を認容した事例
RETIO 103-102
49 H25.3.18 東京地裁 中古マンションを内装工事後引渡しの条件で購入した買主が、建物の瑕疵により損害を被ったと主張し、売主には、主位的に、売買契約における説明義務違反による不法行為ないしは債務不履行として、予備的に、内装工事に関する債務不履行ないしは瑕疵担保責任として損害賠償を求め、一方、媒介業者には、調査説明義務違反による不法行為ないしは債務不履行として損害賠償を求め、請求の一部分が認容された事例
RETIO 92-122
50 H25.3.11 東京地裁 新築マンションの買主が、住戸に付随するルーフバルコニーに上階バルコニーの手摺の一部が落下し、また、落下するおそれがあったため、ルーフバルコニーが使用できなかったと主張し、主位的に売主の瑕疵担保責任に基づく損害賠償を、予備的には債務不履行に基づく損害賠償を求めた事案において、その請求の一部が認容された事例
RETIO 92-118
51 H25.3.6 東京地裁 本件は、賃貸借目的で建物を購入した買主が、建物の容積率および建ぺい率が建築基準法に違反する状態であったとの説明がなかったとして、売主の説明義務違反、仲介業者の債務不履行あるいは不法行為に基づく損害賠償の支払いを求めた事案において、媒介業者の重要事項説明時の説明は、容積率違反の可能性を認識するに十分であり、建ぺい率違反については、違反の有無を明らかにするまでの調査義務を負っていないとして、請求が棄却された事例
RETIO 93-154
52 H24.11.7 東京地裁 中古マンションの買主が、専有部分内の電気温水器からの水漏れに関し、売主は説明義務、媒介業者は調査・説明義務を怠ったとして、債務不履行による損害賠償を求めた事案において、その請求の一部が認容された事例
RETIO 90-134
53 H24.6.8 東京地裁 中古の建物と敷地の売買契約において、買主らは、本件建物が傾斜しているのは、本件土地の地盤そのものが宅地として通常有すべき品質・性能を有しない瑕疵に当たるとし、瑕疵を補修することは不可能であるから、契約の目的を達することができないと主張し、売買契約の解除及び損害賠償を求めた事案において、本件建物の基礎に隠れた瑕疵があると認めた上で、売主の損害賠償責任として本件建物の補修費用等を認容した事例
RETIO 89-076
54 H24.5.31 東京地裁 建物(5階建)を購入した買主が、当該建物には瑕疵があるとして、売主に対しては瑕疵担保責任ないしは不法行為による損害賠償請求権に基づき、媒介業者に対しては調査報告義務違反などによる債務不履行ないしは不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害賠償請求を行った事案において、買主の請求がいずれも棄却された事例
RETIO 95-064
55 H24.5.31 東京地裁 建築後28年を経過した鉄筋コンクリート(以下、「RC」という。)造の建物の売買において、保守業者より補修の指摘を受けていたエレベーター(以下「EV」という。)及び各部屋の戸別水道メーターの不設置は、建物の瑕疵ではなく、また、「RC造」とする表示は、各部屋の間仕切りや壁等がコンクリート・ブロック積み等で作られていたとしても、主な部分の構成材料がRCであることを意味するもので、著しく優良であると人を誤認させるような表示ではないとした事例
RETIO 88-096
56 H24.4.27 東京地裁 買主宅建業者が、売買の目的物に隠れた瑕疵があったなどと主張して、売主に対し、損害賠償金及び遅延損害金の支払を求めた事案において、民法570条にいう隠れた瑕疵があったとは言えず、瑕疵担保責任免責特約も有効とした事例
RETIO 88-098
57 H24.1.31 横浜地裁 耐震強度不足のマンションについて、建築確認済証を交付した指定確認検査機関は国賠法に基づき損害を賠償する責任を負い、設計者である設計事務所の代表者は不法行為による損害賠償責任を負い、設計事務所も、会社法により損害賠償責任を負うとして、マンションの建替費用等の支払いを命じた事例
RETIO 87-106
58 H24.1.10 福岡高裁 建築主から建物を購入した買主等が、建物にはひび割れや鉄筋の耐力低下等の瑕疵があると主張して、設計・工事監理業者及び建築工事施工業者に対し、不法行為に基づく損害賠償として、瑕疵の修補費用相当額等を請求する事案において、第2次上告審で「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」には、放置するといずれは居住者等の生命、身体又は財産に対する危険が現実化することになる瑕疵も含まれるとされ、更に審理する必要があるとして差し戻された第3次控訴審において、当該瑕疵であると認められ、かつ、施工業者等に故意過失が認められるものについて、賠償責任を認め、第一審判決を変更して損害を減額認定した事例
RETIO 87-108
59 H23.10.21 東京地裁 新築マンション入居直後から発生した外壁のひび割れ他について、売主が補修したとしても、欠陥マンションであるという風評被害等により大幅に交換価値が下落し損害を受けたとして、買主が売主に求めた瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求が棄却された事例
RETIO 86-072
60 H23.7.21 最高裁 建物の建築主から、当該建物を購入した買主等が、建物にはひび割れや鉄筋の耐力低下等の瑕疵があると主張して、その設計・工事監理業者及び建築工事施工業者に対し、不法行為に基づく損害賠償を請求した事案において、「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」には、建物の瑕疵が、居住者等の生命、身体又は財産に対する現実的な危険をもたらしている場合に限らず、放置するといずれは居住者等の生命、身体又は財産に対する危険が現実化することになる瑕疵も含まれるとされた事例
RETIO 84-101
61 H23.6.29 東京地裁 土地付中古建物を宅建業者の仲介により購入した買主が、本件建物に重大な瑕疵があったとして、売主に対しては瑕疵担保責任及び債務不履行に基づき、媒介業者に対しては債務不履行に基づき、損害賠償請求をした事案において、本件建物に認められる基礎のひび割れ、亀裂などの瑕疵は、契約上、担保責任の対象外とされているところ、売主がこれらの瑕疵の存在を知っていたとは認められないなどとして売主に対する請求を棄却し、また、媒介業者は床の傾斜の説明に加え、これが建物の構造上の欠陥によることを説明する義務は負わないとして、媒介業者に対する請求も棄却した事例
RETIO 85-086
62 H23.5.26 札幌高裁 新築マンションの設計段階で構造計算書の偽装が行われ、法定の耐震強度を満たしていないのに満たしているとの前提で区分所有権を購入した買主の意思表示には民法95条の要素の錯誤があるとして、新規分譲契約の錯誤無効を認めた地裁判決を不服として控訴した売主の請求を棄却し、買主の使用利益の控除も認めなかったが、売買代金返還とマンションの明け渡しとの同時履行の主張は認容した事例
RETIO 85-090
63 H22.6.17 最高裁 新築建物を購入した買主らが、当該建物には構造耐力上の安全性を欠くなどの瑕疵があると主張して、その設計、工事の施工等を行った業者らに対し、不法行為に基づく損害賠償等を求めた事案において、購入した新築建物自体が社会経済的価値を有しない場合には、買主から工事施工者等に対する建替え費用相当額の損害賠償請求においてその居住利益を損害額から控除することはできないとされた事例(控訴審 H21.6.4 名古屋高裁 RETIO78-106)
RETIO 114-074
64 H22.5.27 東京地裁 マンションの一室を購入して入居した原告らが、漏水及びホルムアルデヒドを発散する床材が瑕疵にあたるとして損害賠償を求めた事案において、漏水は、瑕疵にあたるが約定の除斥期間の経過により責任は消滅しており、また、マンション建築当時は、当該床材の使用が法令上禁止されていないことなどから瑕疵にはあたらないとし、請求を棄却した事例
RETIO 83-134
65 H22.3.10 東京地裁 中古住宅の買主が、建物に修復困難なシロアリ被害等が発見されたとして、売主に対し信義則上の義務違反による違約解除を求め、仲介業者に対し債務不履行等に基づく損害賠償を請求したのに対し、売主が買主の契約不履行(残代金不払い)による違約解除を求め反訴した事案において、シロアリ被害はあるものの建物が無価値と評される被害は認められないとして売主の反訴違約解除が認められた事例
RETIO 80-138
66 H21.12.25 東京地裁 土地建物を購入した買主が、媒介した宅建業者は、建物の雨漏り、受水槽の水漏れ、敷金の返還債務の引受義務についての説明を怠り、これにより損害を被ったとして、媒介した宅建業者に対し損害賠償の支払を求めた事案につき、買主の請求が一部認められた事例
RETIO 79-086
67 H21.11.25 東京地裁 宅地建物取引業保証協会が、会員宅建業者の分譲した建売住宅の買主の不同沈下による損害につき1,000万円の認証をしたところ、宅建業者は適正な損害額は300万円であるとして宅地建物取引業保証協会および買主に対し差額700万円の損害賠償等を求めた(本訴)のに対し、本件瑕疵による損害額は建て替え費用等3,384万円余であるとして買主が還付金との差額等を求めた(反訴)事案において、本件瑕疵解消には建物建て替えによらざるを得ないと判断して売主請求を棄却し買主請求を一部容認した事例
RETIO 79-104
68 H21.10.1 東京地裁 分譲マンションの居住者がシックハウス症候群に罹患した損害賠償請求について、開発業者は、設計者及び施工者と同様、買主等に対する関係において、その生命、身体及び重要な財産を侵害しないような基本的安全性を確保する義務を負うとして、原告の症状をシックハウス症候群から化学物質過敏症に移行したものであると認定し、損害賠償が認められた事例
RETIO 78-108
69 H21.9.30 東京高裁  温泉付きマンションの一室を購入した買主が、その住戸には居住に耐えられない異常な瑕疵があり、売買契約を解除し、売主には代金の返還及び瑕疵担保責任に基づく損害賠償を求めると共に、仲介業者には本件瑕疵の調査義務及び説明義務違反があるとして損害賠償を求めた原審で、各請求が棄却されたため、これを不服として提起された控訴審において、売主が異常な湿気とかびの発生を知りながら買主に告げなかった事実は認められないなど本件事情によれば、売主が瑕疵担保責任を負うことは無く、仲介業者も調査義務及び説明義務の懈怠は無いとして控訴が棄却された事例
RETIO 95-062
70 H21.6.4 名古屋高裁 新築建物を購入した買主らが、当該建物には構造耐力上の安全性を欠くなどの瑕疵があると主張して、その設計、工事の施工等を行った業者らに対し、不法行為に基づく損害賠償等を求めた事案において、購入した新築建物自体が社会経済的価値を有しない場合には、買主から工事施工者等に対する建替え費用相当額の損害賠償請求においてその居住利益を損害額から控除することはできないとされた事例
(上告審 H22.6.17 最高裁 上告棄却 RETIO79-90)

RETIO 78-106
71 H21.5.15 東京地裁 相当の部分がキャバレー・バー等へ賃貸されている事務所店舗ビルの売買において、キャバレー・バー等への賃貸に関し建物に建築基準法施行令違反が存していたことは瑕疵であるとして、宅建業者である買主が宅建業者である売主に対し、瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求した事案において、売主に実際の用途における建築基準法の適合性についてまでの調査説明義務はないとしてその請求が棄却された事例
RETIO 79-084
72 H21.2.20 東京地裁 売主業者から、媒介業者を介して、中古マンションを購入した買主が、当該マンションには建ぺい率超過の瑕疵が存在し、建替えの際に制限を受けることについての説明義務違反があったとして、売買代金の返還及び損害賠償を求めた事案において、建物建築当時において建築基準法に違反していたものと認めるに足る証拠はなく、また、業者側は、重要事項説明書等を全て読み上げて説明したことから説明義務違反はないとして、買主の請求が棄却された事例
RETIO 82-162
73 H21.2.5 東京地裁 宅建業者の媒介によって土地建物を購入した買主が、建物に雨漏り等があったとして、売主に対しては瑕疵担保責任に基づく損害賠償を、媒介業者に対しては不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償をそれぞれ請求した事案において、売主及び媒介業者に対する請求が一部認められた事例
RETIO 77-118
74 H21.1.28 東京地裁 リフォームされた中古マンションの一室を購入した買主が、当該マンションには瑕疵があったとして、売主に対し瑕疵担保責任、説明義務違反及び不法行為に基づく損害賠償を請求した事案において、売主が保温材の厚さ不足及び風呂の設置条件を満たしていないことの管理組合からの指摘を説明すべき信義則上の義務を果たしていないこと並びに売主の床材について管理組合の定めた改修マニュアルの要件を充たしているとの説明、チラーユニットに問題がないとの説明及び自動ドアの撤去が容易であるとの説明が虚偽の説明に当たり、不法行為を構成するとして買主の請求が一部認容された事例
RETIO 78-104
75 H20.6.11 和歌山地裁 港湾の埋立てにより開発された造成地に木造住宅を建築するにあたり、地盤の状況を確認せず、本来杭基礎を用いるべきところに漫然とベタ基礎を採用して不同沈下した事案において、取り壊して建て替えるほかに相当な修理方法がないとして、設計施工業者、その代表取締役及び担当建築士に対し新築代金を大幅に上回る額の損害賠償が認められた事例
RETIO 75-072
76 H20.6.4 東京地裁 築後12年の中古木造建物に生じた雨漏りによる腐食及びシロアリによる侵食被害のうちシロアリの侵食が進んだ一部の箇所が隠れた瑕疵に該当するとして、売主に対し建物の減価相当額の損害賠償を命じ、仲介した宅建業者に対する損害賠償請求を否認した事例
RETIO 76-066
77 H20.5.20 大阪地裁 居住目的による土地・建物の売買契約において売主を仲介する宅地建物取引業者は、雨漏りによる腐食、シロアリ被害といった建物の物理的瑕疵によって居住目的が実現できない可能性があることを示唆する情報を認識している場合、買主に対し積極的にその旨を告知すべき注意義務があるとされ、これを尽くさなかったことに不法行為責任が認められた事例
RETIO 75-088
78 H18.3.9 福岡高裁 新築マンションの外壁等のタイルに瑕疵があり全面補修工事が行われたが、補修後もマンションの経済価値が下落したとして、売主に対し損害賠償を求めた事案において、経済価値の低下分は補修工事によっても払拭しがたいとして、損害賠償請求を認めた事例
RETIO 67-078
79 H18.1.20 東京地裁 中古建物の売買において、買主が建物に白ありの侵食被害があるとして、売主業者、代理業者、媒介業者に対して損害賠償を求めた事案において、売主業者の瑕疵担保責任は認めたが、代理業者、媒介業者の不法行為、債務不履行は否定した事例
RETIO 68-078
80 H17.12.5 東京地裁 マンションの売買契約において、建物の本来備えるべき品質として環境物質対策基準に適合していることが含まれるとされ、厚生省(当時)指針値を超えるホルムアルデヒド濃度の建物につき、売主の瑕疵担保責任が肯定された事例
RETIO 64-078
81 H17.10.28 札幌地裁 賃貸マンションに施工上の瑕疵があるとして、工事の建設会社並びにその代表者及び設計監理者の連帯責任を認容したが、建築主に建設会社を紹介した取引主任者の責任までは認めなかった事例
RETIO 63-054
82 H17.4.22 名古屋地裁 建築請負契約に基づき引き渡された建物に、地下鉄の騒音及び振動を伝搬する欠陥が存在するとして、債務不履行責任、不法行為責任及び瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求した事案において、一般的建築基準に違反するとはいえず、瑕疵があるとは認められないとして、損害賠償請求の訴えを棄却した事例
RETIO 65-066
83 H17.1.27 福岡高裁 建物に不同沈下が生じたのは、建物の建築請負人が、建物敷地に地盤対策を行うことなく基礎を築いたためであるとして、注文者が請負人に対して、不法行為に基づく損害賠償および瑕疵修補に代わる損害賠償を求めた事案において、注文者に4割の過失があるとされた事例
RETIO 64-066
84 H16.12.15 東京簡裁 中古建物の買主が、売買に際し飲料水供給のための加圧ポンプの一台が故障していることを調査説明しなかったことは債務不履行(調査義務違反)であるとして媒介業者に対し損賠賠償を請求した事案において、売主が物件への立入りを拒むことについて理由のある状況の下、媒介業者が当該故障を覚知せず買主に報告できなかったことはやむを得なかったことであり、媒介業者の責めに帰すべき事由があったとまではいえないとしてその請求を棄却した事例
RETIO 63-056
85 H16.9.16 大阪高裁 区分所有建物(タウンハウス)の買主が、売主に対し本件建物には屋根・壁の老朽化、床鳴り等の「隠れた瑕疵」が存在しているとして、瑕疵担保責任及び補修の必要性についての不実告知等による債務不履行責任に基づく損害賠償責任を主張し、媒介業者に対しては調査・説明義務違反があるとして不法行為による損害賠償責任を主張した事案において、築後19年の中古住宅が通常有すべき品質・性能を欠くと認めるに足りる証拠はないとして売主の責任を否定し、また、媒介業者は屋根及び外壁の瑕疵について調査・告知すべき義務を負っていたとは認められないとして買主の請求を棄却した事例
RETIO 60-034
86 H16.4.23 東京地裁 土地建物の買主が、売買契約時に、当該土地建物において過去に火災が発生したことがある旨の説明がなかったとして、売主に瑕疵担保ないし不法行為に基づく損害賠償を、媒介業者に媒介契約上の債務不履行を原因として損害賠償を請求したのに対し、火災による焼損等が隠れた瑕疵に当たるとされ、売主と媒介業者に損害賠償責任があるとされた事例
RETIO 61-094
87 H16.2.27 京都地裁 売買された建物が、建築基準法の要求する最低限度の安全性を充足していないという理由で瑕疵担保責任による契約解除が認められ、かつ、当該売買が商行為として行われたものであっても、商法所定の5年の短期消滅時効の適用がないとされた事例
取判 66-67
88 H16.1.23 前橋地裁 建物等の建築工事の注文者が、工事の請負人に対して、建築された建物には重大な瑕疵があるとして、請負人の瑕疵担保責任又は債務不履行責任に基づき、①建物の解体、再建築に要する費用相当額の賠償又は、②建物の瑕疵の修補に要する費用相当額の賠償を求めた事案において、請負人の瑕疵担保責任に基づき、①の賠償請求の一部を認容した事例
RETIO 61-090
89 H15.11.26 大阪地裁 建物の傾斜等の瑕疵を買主が知らなかったことに過失があるとして、売主の瑕疵担保責任は否定され、瑕疵の買主への不告知について、売主及び買方・売方媒介業者の告知・確認義務違反による損害賠償請求が認められた事例
取判 39-40
90 H15.10.10 最高裁 建物建築工事の請負契約において、耐震性の面でより安全性の高い建物にするため、主柱には特に太い鉄骨を使用することが約定され、これが契約の重要な内容になっていたにもかかわらず、建物請負業者が、注文主に無断で、請負契約の約定に反し、主柱工事に約定の太さの鉄骨を使用しなかったことから、使用された鉄骨が、構造計算上、居住用建物としての安全性を備えていたとしても、当該主柱の工事は、瑕疵にあたるとされた事例
RETIO 58-052
91 H15.9.3 京都地裁 建物建築前に締結された土地売買契約において、建築業者は、法令上の安全性を備えた建物を建築する義務を負い、売主も建物がそのようになるよう配慮する義務を負うとして、建物の瑕疵について売主及び建築業者の不法行為責任が認められた事例
取判 65-66
92 H15.4.21 神戸地裁 建物建築の注文者が、建築工事には多数の瑕疵があり、工事代金の支払義務はないとして建築会社からの支払請求を拒否した事案について、注文者が主張する瑕疵はいずれも認められないとし、建築会社からの工事代金支払請求が全額認められた事例
RETIO 59-070
93 H14.11.29 神戸地裁 建物の基礎部分の設計上の瑕疵及び2X4工法に関する施工上の瑕疵と建物の不同沈下による被害との聞に相当因果関係が存在するとして、工事請負業者に対する損害賠償請求が認められた事例
取判 104
94 H14.9.24 最高裁 建物の建築請負工事に基づいて建築された建物に重大な瑕疵があるために、これを建替えざるを得ないとして、請負人に対して建物の建替えに要する費用相当額の損害賠償を命じた事例
RETIO 57-138
95 H14.6.17 東京地裁 建物の強度不足及び耐火性能の欠如につき、売主業者の瑕疵担保責任に加え、建築業者が、建築した建物が他に販売されることを知りながら、注文者の注文により敢えて建築基準関係法令に違反する建物を建築した場合には、当該建物の購入者に対する不法行為責任を負うとされた事例
取判 64-65
96 H14.5.31 神戸地裁 マンションの居室を購入した買主が、上階の居住者のトイレの給排水音、放尿音等の生活騒音が聞こえるため、住居として使用するに耐えられないとして、債務不履行又は売買の瑕疵担保責任に基づく解除ないしは錯誤無効を理由に、売主に対し、既払いの売買代金相当の金員等の返還を求めた事案において、本件建物に(隠れた)瑕疵があるとすることはできないとして、買主の主張を否定した事例
RETIO 54-066
97 H13.12.26 東京高裁 土地付建売住宅の売買契約において、軟弱地盤に由来する地盤沈下が「隠れた瑕疵」にあたるとされるとともに、買主が売買契約を締結するか否かを決定づける重要な事実を媒介業者が説明しなかったことは、告知、説明義務違反にあたるとされた事例
(上告 不受理 原審 H13.6.27 東京地裁 RETIO51-66)

取判 33
98 H13.11.14 東京地裁 マンションを購入した買主が、トイレの壁、押入れ等に生じた雨漏りは隠れた瑕疵にあたるとして、売主に対し瑕疵担保責任等に基づく損害賠償を求め、媒介業者に対しては媒介契約上の債務不履行等に基づく損害賠償を求めた事案において、本件漏水の原因はマンション共用部分の瑕疵によるものであり売買物件(マンション専有部分)の瑕疵に該当しない等として、売主及び媒介業者の責任を否認した事例
RETIO 54-070
99 H13.11.7 大阪高裁 新築建売住宅の購入者が、同住宅は建築基準法に違反しているとして、売主に対して瑕疵担保責任を、建築主に不法行為責任を追及するほか、建物の施工者及び工事監理者(建築士)に対し、共同不法行為に基づく損害金の支払を求めた事案において、原審は施工者及び工事監理者の不法行為責任を否定したが、控訴審は、それぞれの不法行為責任を認容し、本件建物の建替費用等の全額について賠償を認めた事例
(原審 H12.9.27 大阪地裁 RETIO49-75)

RETIO 54-074
100 H13.8.20 京都地裁 建売住宅が構造耐力及び防火性に関する建築基準法所定の最低限度の基準を満たさない場合に、売主、媒介業者、建築主は共同不法行為責任を負うが、買主が建売住宅から退去して建替えなければならない具体的な危険が生じていない場合、慰謝料の損害賠償のみが認められるとされた事例
取判 63-64
101 H13.6.27 東京地裁 建売住宅の買主が、購入後まもなく不等沈下により建物が傾き、居住困難になったとして、売主業者と媒介業者に対し、損害賠償を求めて争った事案において、売主業者に対しては瑕疵担保責任による契約解除に基づく売買代金の返還及び損害賠償を、媒介業者に対しては軟弱地盤についての告知義務違反を理由とする不法行為責任に基づく損害賠償を命じた事例
(控訴審 H13.12.26 東京高裁 控訴棄却、破棄自判 取判33 、上告 不受理)

RETIO 51-066
102 H13.1.29 東京地裁 欠陥のある住宅を購入した買主が、販売代理業者も契約の当事者であったとして、売主業者と販売代理業者とのそれぞれに売買代金の返還と損害賠償を求めて争った事案において、売主業者に対しては、瑕疵担保責任を理由とする契約の解除に基づく原状回復と損害賠償を命じ、販売代理業者に対しては、契約当事者であるとは認められないが、売買契約締結過程における関与の態様に照らすと、その販売行為は、専門業者として尽くすべき義務を怠ったものであるとして、不法行為責任に基づく損害賠償を命じた事例
RETIO 49-081
103 H13.1.29 東京地裁 中古マンションの購入者が、「雨漏り」が止まらないことから、売買契約の目的を達することができないとして、錯誤による契約の無効、瑕疵担保を理由とする売買契約の解除、併せて債務不履行ないしは不法行為による損害賠償を求めた事案において、錯誤無効及び瑕疵担保責任は認めなかったが、売主業者の調査に過失があったとして、債務不履行による損害賠償責任を認めた事例
RETIO 56-047
104 H12.12.15 大阪高裁 マンションを購入した買主が、階下のポンプ室からの騒音に悩まされ、瑕疵担保責任に基づく契約解除、錯誤無効、詐欺取消を理由に売買代金の返還を求めた事案において、買主は、通常の静けさを享受できる住戸として購入する旨の動機を表示し、騒音により通常の静けさの住環境にあるとはいえない状況であったのだから、法律行為の要素に錯誤があったとして、売買契約の無効を認めた事例
RETIO 49-073
105 H12.10.16 京都地裁 造成地の土地及び地上建物を購入したところ、建物が傾いたり壁に亀裂が入ったり雨漏りがするなどの欠陥が生じたとして、売主及び建物の建築業者に対する土地建物の瑕疵等を理由とする債務不履行、不法行為、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求が認められた事例
RETIO 51-068
106 H12.9.29 大阪高裁 中古マンションの売買において、容易に除去できないイエヒメアリの被害を隠れた瑕疵として売買契約の解除を認めた原審判決を取消し、売買契約解除当時のアリ被害の状況はアリの異常発生に伴う特異な状況であるとし、同マンションに多数の住人が居住していることからも、住居として不適当といえるような瑕疵は認められないとして、売買契約の解除を否定した事例
(原審 H11.4.23 神戸地裁 RETIO44-54)

RETIO 48-058
107 H12.9.27 大阪地裁 新築3階建て建売住宅を購入した買主が、本件建物は、構造性能及び防火性能の点で建築基準法に違反し、安全性を欠いているとして、売主業者に対しては、瑕疵担保責任に基づく売買契約の解除及び売買代金の返還と損害賠償を、また、売主業者の代表者兼建築主、施工業者及び工事監理者(2級建築士)に対しては、共同不法行為に基づく損害賠償を訴求した事案において、売主業者及びその代表者に対しては、本件建物には重大な欠陥(瑕疵)が存在し、住居として使用するという本件売買契約の目的を達成することが不可能と判断して、契約解除及び代金返還と損害賠償を認めたが、施工業者及び工事監理者には不法行為責任はないとされた事例
(控訴審 H13.11.7 大阪高裁 変更 RETIO54-74)

RETIO 49-075
108 H12.3.15 東京高裁 新築住宅の建築工事請負契約において、布基礎の厚さ不足は、不同沈下が現に生じていなくても、不同沈下等の危険を包蔵しており、建物の瑕疵であるとして、ジャッキアップ費用の支払いを請負業者に命じた事例
RETIO 46-085
109 H12.1.28 福岡高裁 業者の媒介により中古マンションを購入した買主が、媒介業者に対して、給排水施設の老朽化についての説明を怠ったと主張して、修理代金等の損害賠償を求めて争った事案において、契約までの交渉過程等の事実関係の下では、媒介業者に「施設の老朽化の程度」について説明する義務があったとはいえず、買主の請求には理由がないとした事例
RETIO 50-072
110 H11.10.20 福岡地裁 建築業者と建物の新築工事に関する請負契約を結び、完成した建物の引渡しを受けたが、その後、建物が沈下し、建物の基礎にひび割れが発生したのは、地盤を調査して十分な強度を確保する基礎構造にすべき義務を怠ったものとして、建築業者の不法行為による損害賠償費任が認められた事例
RETIO 47-068
111 H11.8.5 横浜地裁 土地建物の売買において、設計施工の過失により土地が不同沈下し、建物に亀裂が生じた事案において、売主業者に瑕疵担保責任、施工業者に保証債務の不履行、設計者に不法行為責任があるとし、検査済証等で確認していた媒介業者については注意義務違反はないとした事例
RETIO 45-081
112 H11.7.30 神戸地裁 蝙蝠(こうもり)が多数棲息する中古住宅は、建物の価格に見合った快適さを備えていないとして、売主については、瑕疵担保責任を認め、補修・駆除費用等の支払いを命じたが、媒介業者については、特段の事情のない限り調査義務違反はないとして、買主の請求を棄却した事例
RETIO 44-056
113 H11.7.16 千葉地裁 ログハウスの建売りついて、売買引渡後8年で雨漏等により住めなくなったのは、立地に適合しない欠陥住宅であり、売主業者が販売につき、立地に適合した十分な耐久性を有する建物を販売すべき注意義務を怠ったとして、不法行為責任を認め、建物代金相当額、取壊・擁壁再築費用等1億円余の損害賠償を命じた事例
RETIO 45-078
114 H11.4.23 神戸地裁 中古マンションの売買において、イエヒメアリの被害により日常生活に著しい支障を受け、その駆除が極めて困難であるとして、瑕疵担保責任による売買契約の解除を求めるとともに、引渡後2カ月以内に制限する特約について、瑕疵を発見したときから2か月以内に限定する限度で有効であるとした事例
(控訴審 H12.9.29 大阪高裁 原判決取消、棄却 RETIO48-58)

RETIO 44-054
115 H10.7.29 大阪地裁 建売住宅を購入した買主が、擁壁及び建物に瑕疵があるとして、売主業者に対し債務不履行ないし不法行為責任を、また、建設会社及び建築士に対し不法行為責任を訴求した事案において、建設会社及び建築士の責任を認めたが、売主業者については、検査済証の交付を確認しているから、調査義務を尽しており、責任はないとした事例
RETIO 42-046
116 H10.5.13 東京地裁 修理不能な雨漏りのあるマンションを、その事実を秘して買主に購入を勧め、契約を締結させた、媒介業者、銀行、税理士に、重要事項告知義務違反があるとして、不法行為責任を認め、損害賠償を命じた事例
RETIO 41-072
117 H10.3.27 千葉地裁 建売住宅の売買において、盛土造成工事、基礎工事、建物の構造躯体の施工に売買契約の目的を達することができない重大な瑕疵があり、売員契約は要素の錯誤により無効であるとした買主主張が認められた事例
RETIO 40-075
118 H10.2.26 東京高裁 白蟻駆除業者の発行した「白蟻駆除予防の日より5年間白蟻発生に関し保証する」との保証書は、白蟻予防の施工と関係のない、裏の体育館からの飛来による食害についてまで保証する趣旨ではないとして、白蟻駆除業者の責任を否定した事例
RETIO 46-087
119 H9.9.8 神戸地裁 土地付建物の売買において、地下室の二重壁を設けなかったために浸水現象が生じたとして、買主が、売主業者に対し瑕疵担保責任に基づく契約の解除を、また、建築業者に対し不法行為責任を訴求した事案において、売主業者の瑕疵担保責任を認めたが、建築業者の不法行為責任を否定した事例
RETIO 41-073
120 H9.5.26 横浜地裁 違法木造増築部分のある中古マンションの買主が、売主及び媒介業者に対して、錯誤無効、詐欺取消、不法行為による損害賠償を求めた事案において、客付業者に告知義務違反があるとして慰謝料の支払いを認めた事例
RETIO 40-072
121 H8.12.20 東京地裁 売買契約締結の6年前になされた間取り変更等の改修工事について、その事実だけを伝え、改修内容が説明されず媒介により取引きされた中古一戸建で、入居後、強度不足などにより補修を余儀無くされた事案において、瑕疵の内容は重大であるが専門家でなければ認識困難として、売主の瑕疵担保責任をみとめ、媒介業者の調査義務に係わる不法行為責任を否定した事
RETIO 37-075
122 H8.5.27 札幌地裁 中古住宅の売主が、雨漏りのあることを知りながら、媒介業者及び買主にそのことを秘して売り渡した場合において、売主は特約による瑕疵担保責任期間を経過していてもその瑕疵担保責任を免れることができないとされ、媒介業者については、雨漏りの有無について特段の調査をしていなくても注意義務違反があるとはいえないとされた事例
RETIO 35-036
123 H8.3.7 東京高裁 中古住宅の買主が、購入物件にガラス戸がひとりでに開閉する不具合があるとして、売主と媒介業者に対し損害賠償を求めたが、その不具合は日常生活に格別の支障を来す程度の瑕疵ではなく、かつ、売主は買主に内見の機会を与えたにもかかわらず、買主が自ら払うべき注意義務を尽くさなかったために発見できなかったものであるとして、請求を棄却した事例
RETIO 37-073
124 H6.8.25 千葉地裁 既存住宅の買主が、土地の不等沈下による建物の傾斜(70分の1)があるとして、売主業者、媒介業者のほか、当該開発をし、建物を建築した業者を相手として、損害賠償を求めた事案について、媒介業者及び建築業者の責任を否定し、売主業者について、建物価格を限度として瑕疵担保責任を認めた事例
RETIO 33-044
125 H6.2.24 東京高裁 分譲マンションの通気管の施工不良を原因とする建物内に湿気と異臭が強くこもる建物瑕疵について、分譲マンションを購入し賃貸していた買主の売主マンション業者に対する逸失賃料及び修理費用等の損害賠償請求を一部容認した事例
RETIO 30-027
RETIO (一財)不動産適正取引推進機構 機関誌
取判 最新・不動産取引の判例 (一財)不動産適正取引推進機構
その他の裁判例 不動産取引の紛争と裁判例(増補版)