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宅地建物取引業法の適用等に関する紛争 - (1)宅地建物取引業者の調査・説明義務、報酬 - 建物の物理的性状 該当件数 96件
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No. | 判決日 | 裁判所名 | 概要 | RETIO |
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1 | R4.3.29 | 東京地裁 | 賃貸マンションの買主が、附属設備である機械式駐車場の劣化の程度について、売主及び媒介業者が説明を怠ったとして、損害賠償を請求したが、説明義務違反はなかったとして棄却された事例 |
RETIO 131-156 |
2 | R4.2.1 | 東京地裁 | 内見をせずに分譲マンション一室の賃貸借契約を締結した借主が、隣室がゴミ屋敷状態であったことなどから入居することなく契約を解約し、媒介業者に対して契約に要した費用等の損害賠償を求めた事案において、現地調査を行うことなく媒介を行った媒介業者に不法行為責任があるとして、その請求を認めた事例。 |
RETIO 128-154 |
3 | R3.11.30 | 東京地裁 | 買主は、購入した建物内に雨漏りが発見されたのは、媒介業者の仲介業務の調査・説明義務違反等と主張して、売主・買主両方の媒介業者に修繕費用等を支払うよう求めた事案において、損害賠償請求を行うも却下された事例 |
RETIO 131-154 |
4 | R2.10.23 | 東京地裁 | 投資用収益物件としてマンション1棟を購入した買主が、売主及び売主側媒介業者に対し、建築基準法上の用途制限に抵触するために1階部分を倉庫として第三者に賃貸することができないとして損害賠償を求めた事案において、説明や資料提供が尽されていた等として買主の訴えが棄却された事例。 |
RETIO 124-162 |
5 | R2.2.18 | 東京地裁 | 収益物件の買主が、媒介業者に対し、賃貸借契約や建物の状況の正確な情報を調査、説明をしなかったとして損害賠償を求めた事案において、媒介業者の不完全履行による買主の損害として、説明賃料と実際賃料の差額約11ヵ月分および支払済媒介手数料の半額を認めた事例。 |
RETIO 122-158 |
6 | R2.2.13 | 東京地裁 | 土地建物の売買契約を締結した買主業者が売主業者に対し、重要事項説明において建物が違法建築物である説明をしなかったとして、手付金の返還および違約金等の支払いを求めた事案において、売主は建物の容積率超過や遵法性に問題があることの説明をしており、買主が主張する説明義務違反、告知義務違反は認められないとして、その請求を棄却した事例。 |
RETIO 123-104 |
7 | R1.12.26 | 東京地裁 | 中古分譲マンションの買主が、購入の約3年後に発生した専有部分内での天井崩落事故に関して、その原因と見られる漏水について、売主はこれを認識していたものの告げずに売却したため売買契約を解除した、媒介業者はその調査説明を怠ったとして、売主及び媒介業者に売買代金相当額の支払いを求めた事案において、売買契約締結当時、係る漏水が発生していた証拠はないとして、請求が棄却された事例。 |
RETIO 121-138 |
8 | R1.11.20 | 東京地裁 | 媒介業者が、検査済証がないことを説明して中古戸建の売買仲介を行ったが、買主が建物に建築基準法違反があることの説明義務違反があったなどとして報酬を支払わないことから、買主に対し媒介報酬の支払を求めた事案において、買主が主張する事項は、特段の事情がない限り、媒介業者に説明義務はないとして、媒介報酬の請求が認められた事例。 |
RETIO 120-152 |
9 | R1.10.31 | 東京地裁 | マンションの1室を賃借した借主が、当該マンションにおいて外壁改修工事が行われたいたことの調査説明を、媒介業者が怠ったとして、既払の家賃等の損害賠償を求めた事案において、媒介業者は重要事項説明書に記載し、実際に説明をしていたとして、その訴えを棄却した事例。 |
RETIO 121-154 |
10 | R1.10.23 | 東京地裁 | 買主に賃貸用共同住宅の転売物件の紹介と物権説明を行い、売主債務を重畳的に引き受けた事実上の売主(宅建業者)に対し、レントロール記載の共用部電力使用料金の説明が事実と異なっていたことから、買主が損害賠償を求めた事案において、調査が不十分であり、説明義務違反はあったとして、損害賠償請求の一部が認められた事例。 |
RETIO 121-140 |
11 | R1.8.29 | 東京地裁 | 築約27年の賃貸物件の買主が、躯体への浸水等の瑕疵があったとして、売主業者及び管理業者に対し、主位的に、これらについての調査説明義務違反もしくは瑕疵担保責任に基づき、契約を解除したとして支払済み売買代金等の支払いを、予備的に、これらの補修費用の支払いを両者に求めた事案において、買主の主張する瑕疵の存在は認められないとして請求が棄却された事例。 |
RETIO 120-146 |
12 | R1.7.4 | 東京地裁 | 福祉施設開設目的で共同住宅の1室を賃借した事業者が、消防法上必要となる自動火災報知設備の設置を賃貸人に求めたが拒否されたため、契約を解除し、賃貸人及びその代理人の宅建業者に損害賠償を請求した事案において、契約内容から、貸主にはその設置義務はなく、消防法の規制についても宅建業者は容易に知り得なかったとしてその請求を棄却した事例 |
RETIO 119-150 |
13 | H31.4.24 | 東京地裁 | 土地建物を購入した買主が、その建物について建築確認申請がされていない違法建築である旨の説明をしなかったことは、重要事項の説明(告知)義務違反に当たると主張し、売主及び媒介業者に対し、転売の際値引きせざるを得ない損害を負ったとして、その損害賠償を請求した事案において、取引時に行われた重要事項説明書で検査済証は取得していない旨の説明をしており、買主は複数の投資用不動産を所有しているなどの属性に照らせば、売主及び媒介業者は説明義務を果たしたとして、買主の請求を棄却した事例 |
RETIO 118-112 |
14 | H30.12.14 | 東京地裁 | 「貸事務所、スタジオに最適」との広告を見て、借主が、芸能事務所として建物の一室を賃借したが、ダンススタジオへの使用を建物の自治会に認められなかったことから、貸主・仲介業者の虚偽の説明により無用の賃貸借契約を締結させられたとして損害賠償を求めた事案において、貸主らは借主の目的使用を知らなかったとしてその請求を棄却した事例。 |
RETIO 119-146 |
15 | H30.9.26 | 東京地裁 | 買主が、建物の基礎及び躯体が隣地との間に設置された擁壁と一体構造となっており、実質的に建物の建替えが不可能であったにもかかわらず、売主及び媒介業者が、契約締結に際し、その旨を説明する義務を怠ったとして、両者に対し、債務不履行又は不法行為に基づき、損害金の支払を求めた事案において、建物の建替えが不可能であると認めることはできないとして、買主の請求が棄却された事例 |
RETIO 115-118 |
16 | H30.7.11 | 東京地裁 | 買主が、駐車場2台付きの賃貸収益物件であるとの広告を見て仲介業者の媒介により売主(宅建業者)から新築アパートを購入したところ、駐車場の一台分が窓先空地規制により賃貸できなかったことから、売主および仲介会社に対し、虚偽の広告により新築アパートを売ったとして、損害賠償を求めた事案において、慰謝料のみを認めた事例。 |
RETIO 112-108 |
17 | H30.3.28 | 東京地裁 | 不動産媒介業者から紹介を受けたビルに関し、書類の交付確認、雨漏り調査及び特約の説明において、調査・告知義務等の違反により損害を被ったと主張する買主が、媒介業者に対して損害賠償を請求したが、調査・告知義務等の違反はなかったとされ、請求が棄却された事例。 |
RETIO 121-142 |
18 | H30.3.19 | 東京地裁 | 築約27年の賃貸物件の買主が、引渡しの約5か月後にエレベーターが故障し使用不能になったとして、売主宅建業者に対し、瑕疵担保責任もしくは説明義務違反に基づく損害賠償(補修工事費用支払)を求めた事案において、引渡時点では問題なく稼働していたうえ、契約上相応の経年劣化は想定されており、売主が資料開示を怠ったとも認められない、としてその請求が棄却された事例 |
RETIO 119-134 |
19 | H30.2.28 | 東京地裁 | 事務所ビルの媒介報酬を媒介業者が買主に請求したのに対し、エレベーターの不具合にかかる調査説明義務違反を理由に買主が媒介業者に損害賠償を求め反訴した事案において、買主の反訴請求を棄却し、媒介業者の請求を認めた事例 |
RETIO 116-118 |
20 | H29.11.27 | 東京地裁 | 借主が、説明を受けていない条例により、予定していた「飲食店営業」を行えず、「喫茶店営業」を強いられていると主張して、共同不法行為により、貸主、借主の両宅建業者と貸主に対し、予備的に債務不履行又は瑕疵担保責任により、借主側宅建業者と貸主に対し、損害賠償を求めた事案において、宅建業者の注意義務違反と相当因果関係のある損害は認められないとして、請求は棄却されたものの、条例の内容を説明しないことは、宅建業者の注意義務違反であるとされた事例 |
RETIO 113-138 |
21 | H29.11.15 | 東京地裁 | 買主が媒介業者に対して、雨漏り修理の内容等について誤信させる説明を行ったため、購入後に雨漏りによる修繕費用が必要となり、また、引き渡しが遅延したことにより損害を負った等として、損害賠償を求めた事案において、契約締結時点で雨漏りがあったとは認められず、媒介業者の説明義務違反は認められないなどとして、その請求がすべて棄却された事例。 |
RETIO 112-110 |
22 | H29.11.8 | 東京地裁 | 借地権付き建物を購入した買主が、当該建物を宿泊施設等として利用するための用途変更ができずに売買契約を解除せざるを得なかったのは、媒介業者の説明義務違反が原因であるとして、媒介業者に対して、既払の媒介報酬の返還及び売主に没収された手付金相当額の支払を求めたのに対し、媒介業者が、買主に媒介報酬の残金の支払を求めて反訴した事案において、買主の請求が棄却され、媒介業者の反訴請求が認められた事例 |
RETIO 113-128 |
23 | H29.6.22 | 東京地裁 | 賃貸店舗の借主が、共用部分に設置した看板が管理規約に違反するとして管理組合から撤去を求められたため、有効な集客が図れず、営業を断念することになったとして、貸主及び媒介業者に説明義務違反等による損害賠償を求めたが、借主は設置規制があることを知っていたとして棄却された事例。 |
RETIO 121-152 |
24 | H29.1.16 | 東京地裁 | 売主(新築分譲マンション業者)からマンションを購入した買主(個人)が、売買契約の締結に当たり室内の下り天井の高さについての信義則上尽くすべき説明義務を怠ったとして、売主に不法行為に基づき損害賠償を求めた事案において、売主は、買主の意思決定に必要な説明義務を果たしていたとして、買主の請求を棄却した事例 |
RETIO 111-80 |
25 | H28.12.20 | 名古屋地裁 | 買主が、売主の不実告知又は不利益事実の不告知により、耐震補強をしていると誤認し売買契約を締結したとして、売主に消費者契約法に基づく売買契約の取消しと、売主、媒介業者に損害賠償を求めた事案において、媒介業者への請求は棄却されたが、売主に対する売買契約の取消しと損害賠償請求が認容された事例 |
RETIO 107-096 |
26 | H28.12.8 | 東京地裁 | 購入建物において排水機能の瑕疵により浸水が生じ賃借人が退去するなどの損害を負ったとして、買主が売主に損害賠償を請求した事案につき、売主は重要事項説明において過去浸水被害が発生した事等を説明しており、隠れたる瑕疵にはあたらないとしてその請求を棄却した事例 |
RETIO 111-78 |
27 | H28.8.30 | 東京地裁 | マンションを購入した買主が、宅建業者である売主に対し、容積率違反等の瑕疵が存する、修繕積立金に関する説明を怠ったなどと主張し、契約解除を求めた事案において、契約目的を達せられない瑕疵とは認められず、説明義務違反もないとして、買主の請求が棄却された事例 |
RETIO 113-130 |
28 | H28.8.30 | 東京地裁 | 宅地建物取引業者である売主から中古マンションを購入した買主が、管理組合の財政上の問題及び建物に瑕疵があることを説明しなかったことなどから売買契約の解除を求めた事案において、その主張に理由がないとして、全て棄却された事例。 |
RETIO 112-114 |
29 | H28.8.23 | 東京地裁 | 買主が売主及び本件ビルの管理を行っていた媒介業者に対して、過去の雨漏りを知りながら、その事実を秘匿して過去の雨漏り事故はなかった旨説明し、買主を誤信させ、本件ビルを購入させたとして、購入後に発生した雨漏り工事の施工費等の損害賠償を不法行為に基づき求めた事案において、売買契約時において雨漏りが発生しており、売主及び媒介業者が認識していたとする証拠はないとして、その請求がすべて棄却された事例 |
RETIO 113-122 |
30 | H28.7.12 | 東京地裁 | 賃貸借物件に関し、賃借申込みを行った法人が、仲介業者から虚偽の説明を受け、その結果、計画をしていた物販店の開店が間に合わず損害等3億円余が発生したとし、仲介業者の不法行為に基づき、当該損害金の一部200万円の支払いを仲介業者に求めた事案において、賃借申込者が主張する虚偽説明は認めるに足りる証拠はないとし、賃借申込者の請求が棄却された事例 |
RETIO 107-108 |
31 | H28.5.24 | 東京地裁 | 買主が、売主並びに媒介業者が耐震診断はない、大規模修繕工事は予定されていないなどと客観的事実と異なる説明・記載をしたことは、説明義務等に反するとして、売主又は媒介業者に対し、債務不履行又は不法行為に基づき損害賠償を求めた事案において、買主の耐震性能及び耐震改修工事についての認識可能性や売主・媒介業者がした情報提供の内容等から、さらに詳細な事情を説明等すべき法的義務があるとは認められないとして、請求が棄却された事例 |
RETIO 107-102 |
32 | H28.3.18 | 東京地裁 | 買主が、仲介業者の従業員が建物検査済証を備えていない旨を説明すべき義務を怠ったため、転売できると信じて購入したが、転売のためには建物を一旦解体した上で再建築せざるを得なくなったとして、仲介業者に対し、説明義務違反を理由とする損害賠償を請求した事案において、居住用としか聞いていない仲介業者は、居住目的の購入に照らしては必要かつ十分な説明をしたとして、その請求が棄却された事例 |
RETIO 110-116 |
33 | H28.3.10 | 東京地裁 | 介護施設としての利用を目的に建物を賃借したところ、検査済証が未交付であったこと等から、用途変更確認申請ができず、施設を開設できなかったことから、賃借人が、賃貸人には使用収益させる義務違反、媒介業者らには調査説明義務違反がそれぞれあったとして、賃貸人と媒介業者に支払済賃料・工事代金等の支払いを求めた事案において、検査済証がないことを理由に、同一目的の賃借希望者が賃借を見送っていたことを知る媒介業者には、その旨を賃借人に説明する義務があったとして、その請求の一部を認めた事例 |
RETIO 106-114 |
34 | H27.10.29 | 東京地裁 | 中古住宅の買主が、仲介を行った媒介業者に対し、建物の延長保証に関する調査・説明義務を怠ったことにより、メンテナンス工事費用等相当額の損害を被ったとして、損害賠償を求めた事案において、買主から明確に調査を依頼されない限り、媒介業者は延長保証について正確に調査・説明する義務を負うものではないとして、買主の請求を棄却した事例 |
RETIO 103-110 |
35 | H27.10.15 | 東京地裁 | 学生寮としての使用を目的とする賃貸借契約を締結、引渡しを受け外国人留学生を住まわした借主が、本件建物の耐震機能や衛生上の問題について、仲介業者は説明する義務を負っていたのにこれを怠ったために損害を被ったとして、債務不履行に基づく損害賠償請求として52万円余の支払いと、当該業者の債務不履行を理由として仲介契約を解除したとして不当利得に基づき仲介報酬として支払った20万円の支払いを仲介業者に求めた事案において、借主主張の問題は本件建物には存在するとは認められないとし、借主の請求が棄却された事例 |
RETIO 106-116 |
36 | H27.7.16 | 東京地裁 | 賃借した建物に瑕疵があったとした、借主の紹介者に対する損害賠償請求が棄却された事例 |
RETIO 102-122 |
37 | H27.6.23 | 東京地裁 | 商業ビルの売買において、媒介業者が電気設備及び消防設備の定期点検報告書の不備事項について説明をしなかったとして、買主が媒介報酬の支払を拒んだ事例において、媒介業者に説明義務違反はなかったとして媒介報酬の支払を命じた事例 |
RETIO 101-108 |
38 | H27.6.16 | 東京地裁 | 中古住宅の買主が、建物に建築基準法違反があったとして、売主に対しては瑕疵担保責任により、媒介業者に対しては調査義務違反等により、損害賠償を請求した事案において、売主の瑕疵担保責任は売買契約の特約により免責されているとし、また、媒介業者は調査説明義務を果しているとして、その請求が棄却された事例 |
RETIO 101-110 |
39 | H27.5.28 | 東京地裁 | 賃貸借開始後の条件変更は仲介業者の調査説明義務違反が原因だとした貸主の損害賠償請求が棄却された事例 |
RETIO 102-120 |
40 | H26.7.25 | 東京地裁 | 特定目的会社から信託受益権を購入し、最終的に不動産の所有権を取得した法人が、建物の非常用電源設備には著しい整備不良があり、取得後交換を余儀なくされたとして、売主には瑕疵担保責任又は説明義務違反に基づき、媒介業者には説明義務違反に基づき、交換費用相当額の損害賠償を請求した事案において、買主の請求がすべて棄却された事例 |
RETIO 98-122 |
41 | H26.2.25 | 東京地裁 | 買主(法人)は本件不動産を購入後、本件建物は建築基準法所定の容積率の制限を超過した違法建築物であったとして、仲介業者に対し調査説明義務違反に基づく損害賠償を請求した事案において、重説には敷地面積、建物延床面積及び容積率が正確に記載されており、買主は契約締結時までには容積率違反について認識することができたとし、買主の請求を棄却した事例 |
RETIO 96-102 |
42 | H26.2.20 | 東京地裁 | 土地付建物を購入した買主が、建物に漏水の原因となる瑕疵及びネズミやゴキブリがいる事実を告知しなかったことを理由に、売主に対しては、詐欺による取消もしくは錯誤による無効、仲介業者に対しては、説明義務違反による損害賠償を請求した事案において、買主の請求がいずれも棄却された事例 |
RETIO 101-104 |
43 | H26.2.7 | 東京地裁 | ビルを購入した買主が、建築基準法上の是正が必要な隠れた瑕疵があり、仲介業者からその売買目的物の瑕疵の有無についての調査・報告がなかったことにより損害を被ったとして、売主には主位的に瑕疵担保責任に基づき、予備的に不法行為又は不当利得に基づき、仲介業者には調査報告義務の債務不履行に基づき、工事費用相当額および遅延損害金の支払を求めた事案において、買主の主張には理由がないとして、請求が全て棄却された事例 |
RETIO 99-76 |
44 | H26.1.15 | 東京地裁 | 築38年を超えるマンションの一室を購入した買主が、暴風雨の折、サッシや建物躯体のひび割れから水が浸水し、寝具等に被害が生じたとして、売主には、浸水の可能性を認識していたのに告知しなかったとして、債務不履行、不法行為、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求を、媒介業者には、調査説明不足に起因する債務不履行に基づく損害賠償請求を、さらに買主が売主従業員に渡した被害状況を撮影したSDカード(記憶媒体)を返還するよう求めたが、いずれの請求も棄却された事例 |
RETIO 96-108 |
45 | H25.3.27 | 東京地裁 | 購入した建物が違法建築であったことが理由で、仮契約締結までしていたテナントとの賃貸借契約が成立しなかったとして、賃貸人が、賃貸借契約交渉時の賃借人側の媒介業者(=物件購入時の媒介業者)に対し、宅建業者として契約締結するよう媒介行為を行うべき義務を怠ったとして、損害賠償を求めた事案において、賃貸借取引においては賃借人側の媒介業者に賃貸人に対して重要事項の説明義務はないことから、重要事項説明の相手方に対して発生する信義則上の説明義務が生じる余地はなく、また、上記賃貸借契約不成立の帰責事由は賃貸人にあるとして賃貸人の請求を全て棄却した事例 |
RETIO 92-126 |
46 | H25.3.27 | 大阪高裁 | 建売住宅を購入した買主が、建物には建替えを必要とする重大な瑕疵があるなどとして、販売会社に対しては、瑕疵担保責任等に基づき、販売会社及び仲介会社の代表者に対しては、不法行為責任等に基づき損害賠償を求めた事案において、原判決を変更し、販売会社の瑕疵担保責任、不法行為責任とともに、代表者らの不法行為責任を認容した事例 |
RETIO 103-102 |
47 | H25.3.18 | 東京地裁 | 中古マンションを内装工事後引渡しの条件で購入した買主が、建物の瑕疵により損害を被ったと主張し、売主には、主位的に、売買契約における説明義務違反による不法行為ないしは債務不履行として、予備的に、内装工事に関する債務不履行ないしは瑕疵担保責任として損害賠償を求め、一方、媒介業者には、調査説明義務違反による不法行為ないしは債務不履行として損害賠償を求め、請求の一部分が認容された事例 |
RETIO 92-122 |
48 | H25.3.6 | 東京地裁 | 本件は、賃貸借目的で建物を購入した買主が、建物の容積率および建ぺい率が建築基準法に違反する状態であったとの説明がなかったとして、売主の説明義務違反、仲介業者の債務不履行あるいは不法行為に基づく損害賠償の支払いを求めた事案において、媒介業者の重要事項説明時の説明は、容積率違反の可能性を認識するに十分であり、建ぺい率違反については、違反の有無を明らかにするまでの調査義務を負っていないとして、請求が棄却された事例 |
RETIO 93-154 |
49 | H25.1.16 | 東京地裁 | 中古戸建住宅の買主が、売買契約締結後、残代金決済までに発生した東日本大震災により建物が傾いたにもかかわらず、売主の虚偽告知により、手付解約することができなかったとして、売主に対し損害賠償を求める一方で、媒介業者に対して、媒介契約上の義務違反による債務不履行または不法行為を理由に損害賠償請求を求めた事案において、売主への請求については虚偽告知があったと認められないとして、また、媒介業者に対しては、媒介契約上の義務は認められないとして、各々に対する買主の請求を棄却した事例 |
RETIO 91-076 |
50 | H24.11.7 | 東京地裁 | 中古マンションの買主が、専有部分内の電気温水器からの水漏れに関し、売主は説明義務、媒介業者は調査・説明義務を怠ったとして、債務不履行による損害賠償を求めた事案において、その請求の一部が認容された事例 |
RETIO 90-134 |
51 | H24.10.17 | 東京地裁 | 飲食店開業を目的として、貸店舗の紹介を申し入れた者が、貸主から契約の締結を断られたことから、仲介業者に対し、貸店舗を紹介する際,宅地建物取引業法に基づき、貸店舗において飲食店開業が可能であるか否か、また、貸主が飲食店開業を承諾しているか否かを事前に調査及び確認する義務があったにもかかわらずこれを怠ったため、損害を被ったとして債務不履行に基づく損害賠償を求めた事案において、仲介業者が5月21日までにかかる調査をしなかったことが前記義務に違反するとまではいえないとして、請求を棄却した事例 |
RETIO 90-148 |
52 | H24.5.31 | 東京地裁 | 建物(5階建)を購入した買主が、当該建物には瑕疵があるとして、売主に対しては瑕疵担保責任ないしは不法行為による損害賠償請求権に基づき、媒介業者に対しては調査報告義務違反などによる債務不履行ないしは不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害賠償請求を行った事案において、買主の請求がいずれも棄却された事例 |
RETIO 95-064 |
53 | H23.10.3 | 東京地裁 | 賃借人が賃借物件で店舗営業を始めたところ、下水管の点検孔から異臭が漏出する状況となり店舗を閉鎖せざるを得なくなったとして、賃貸人及び仲介業者に対して、不法行為、債務不履行などに基づく損害賠償を請求した事案において、情報提供義務違反及び債務不履行責任に係る主張事実を裏付ける証拠はないとして棄却された事例 |
RETIO 87-098 |
54 | H23.6.29 | 東京地裁 | 土地付中古建物を宅建業者の仲介により購入した買主が、本件建物に重大な瑕疵があったとして、売主に対しては瑕疵担保責任及び債務不履行に基づき、媒介業者に対しては債務不履行に基づき、損害賠償請求をした事案において、本件建物に認められる基礎のひび割れ、亀裂などの瑕疵は、契約上、担保責任の対象外とされているところ、売主がこれらの瑕疵の存在を知っていたとは認められないなどとして売主に対する請求を棄却し、また、媒介業者は床の傾斜の説明に加え、これが建物の構造上の欠陥によることを説明する義務は負わないとして、媒介業者に対する請求も棄却した事例 |
RETIO 85-086 |
55 | H22.6.17 | 最高裁 | 新築建物を購入した買主らが、当該建物には構造耐力上の安全性を欠くなどの瑕疵があると主張して、その設計、工事の施工等を行った業者らに対し、不法行為に基づく損害賠償等を求めた事案において、購入した新築建物自体が社会経済的価値を有しない場合には、買主から工事施工者等に対する建替え費用相当額の損害賠償請求においてその居住利益を損害額から控除することはできないとされた事例(控訴審 H21.6.4 名古屋高裁 RETIO78-106) |
RETIO 114-074 |
56 | H22.3.10 | 東京地裁 | 中古住宅の買主が、建物に修復困難なシロアリ被害等が発見されたとして、売主に対し信義則上の義務違反による違約解除を求め、仲介業者に対し債務不履行等に基づく損害賠償を請求したのに対し、売主が買主の契約不履行(残代金不払い)による違約解除を求め反訴した事案において、シロアリ被害はあるものの建物が無価値と評される被害は認められないとして売主の反訴違約解除が認められた事例 |
RETIO 80-138 |
57 | H21.12.25 | 東京地裁 | 土地建物を購入した買主が、媒介した宅建業者は、建物の雨漏り、受水槽の水漏れ、敷金の返還債務の引受義務についての説明を怠り、これにより損害を被ったとして、媒介した宅建業者に対し損害賠償の支払を求めた事案につき、買主の請求が一部認められた事例 |
RETIO 79-086 |
58 | H21.9.30 | 東京高裁 | 温泉付きマンションの一室を購入した買主が、その住戸には居住に耐えられない異常な瑕疵があり、売買契約を解除し、売主には代金の返還及び瑕疵担保責任に基づく損害賠償を求めると共に、仲介業者には本件瑕疵の調査義務及び説明義務違反があるとして損害賠償を求めた原審で、各請求が棄却されたため、これを不服として提起された控訴審において、売主が異常な湿気とかびの発生を知りながら買主に告げなかった事実は認められないなど本件事情によれば、売主が瑕疵担保責任を負うことは無く、仲介業者も調査義務及び説明義務の懈怠は無いとして控訴が棄却された事例 |
RETIO 95-062 |
59 | H21.8.31 | 東京地裁 | おにぎり販売店として店舗を賃借したが、建物に防火シャッターが作動しない欠陥により営業ができない状態であったにもかかわらず、貸主らから当初説明がなくまた補修もしなかったとして、借主が貸主に対し債務不履行解除に基づく原状回復請求又は錯誤無効を理由として支払済の賃料等の返還等を求め、仲介業者に対し債務不履行に基づく損害賠償請求を求めた事案について錯誤無効、仲介業者への請求等は棄却されたが、貸主への礼金等の返還請求が認容された事例 |
RETIO 78-114 |
60 | H21.8.27 | 東京地裁 | 買主が、仲介業者に対して「全室南に面したマンション」の購入希望を伝えて、未完成物件であったマンションを訴外会社Aから買い受けたところ、同マンションは、媒介業者が完成図面を取り違えて買主に説明していたことにより、買主が希望する物件とは異なるものであることが判明し、Aは売買契約を手付倍返しにより解除したが、買主は,仲介業者に対して、仲介報酬の一部として支払った60万円の返還を請求した事案において、買主の請求が認容された事例 |
RETIO 78-102 |
61 | H21.6.4 | 名古屋高裁 | 新築建物を購入した買主らが、当該建物には構造耐力上の安全性を欠くなどの瑕疵があると主張して、その設計、工事の施工等を行った業者らに対し、不法行為に基づく損害賠償等を求めた事案において、購入した新築建物自体が社会経済的価値を有しない場合には、買主から工事施工者等に対する建替え費用相当額の損害賠償請求においてその居住利益を損害額から控除することはできないとされた事例 (上告審 H22.6.17 最高裁 上告棄却 RETIO79-90) |
RETIO 78-106 |
62 | H21.5.15 | 東京地裁 | 相当の部分がキャバレー・バー等へ賃貸されている事務所店舗ビルの売買において、キャバレー・バー等への賃貸に関し建物に建築基準法施行令違反が存していたことは瑕疵であるとして、宅建業者である買主が宅建業者である売主に対し、瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求した事案において、売主に実際の用途における建築基準法の適合性についてまでの調査説明義務はないとしてその請求が棄却された事例 |
RETIO 79-084 |
63 | H21.4.30 | 東京地裁 | 店舗の賃貸借契約において、借主が建物にアスベストが存在するため建物を全く使用収益することができなかったとして、賃貸借契約を解除し支払った賃料等の返還を求めた事案において、事前の交渉経過等からアスベスト処理を賃借人の負担で行う合意があったとし、賃貸人の説明義務違反による債務不履行ないし不法行為、使用収益させる義務あるいは修繕義務を怠った債務不履行による責任を否定するとともに、仲介業者の調査義務、説明義務違反を否定した事例 |
RETIO 76-076 |
64 | H21.4.16 | 東京地裁 | 看板設置を巡る賃貸人との紛争によって、事業用店舗の賃貸借契約を解除するに至った賃借人が、賃貸借契約を媒介した宅建業者に対し、媒介契約の債務不履行を理由に損賠賠償を請求した事案において、媒介契約の債務不履行は認めたが賃借人の損害と因果関係はないとしてその請求を棄却した事例 |
RETIO 77-112 |
65 | H21.2.20 | 東京地裁 | 売主業者から、媒介業者を介して、中古マンションを購入した買主が、当該マンションには建ぺい率超過の瑕疵が存在し、建替えの際に制限を受けることについての説明義務違反があったとして、売買代金の返還及び損害賠償を求めた事案において、建物建築当時において建築基準法に違反していたものと認めるに足る証拠はなく、また、業者側は、重要事項説明書等を全て読み上げて説明したことから説明義務違反はないとして、買主の請求が棄却された事例 |
RETIO 82-162 |
66 | H21.2.5 | 東京地裁 | 宅建業者の媒介によって土地建物を購入した買主が、建物に雨漏り等があったとして、売主に対しては瑕疵担保責任に基づく損害賠償を、媒介業者に対しては不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償をそれぞれ請求した事案において、売主及び媒介業者に対する請求が一部認められた事例 |
RETIO 77-118 |
67 | H20.6.4 | 東京地裁 | 築後12年の中古木造建物に生じた雨漏りによる腐食及びシロアリによる侵食被害のうちシロアリの侵食が進んだ一部の箇所が隠れた瑕疵に該当するとして、売主に対し建物の減価相当額の損害賠償を命じ、仲介した宅建業者に対する損害賠償請求を否認した事例 |
RETIO 76-066 |
68 | H20.5.20 | 大阪地裁 | 居住目的による土地・建物の売買契約において売主を仲介する宅地建物取引業者は、雨漏りによる腐食、シロアリ被害といった建物の物理的瑕疵によって居住目的が実現できない可能性があることを示唆する情報を認識している場合、買主に対し積極的にその旨を告知すべき注意義務があるとされ、これを尽くさなかったことに不法行為責任が認められた事例 |
RETIO 75-088 |
69 | H18.1.20 | 東京地裁 | 中古建物の売買において、買主が建物に白ありの侵食被害があるとして、売主業者、代理業者、媒介業者に対して損害賠償を求めた事案において、売主業者の瑕疵担保責任は認めたが、代理業者、媒介業者の不法行為、債務不履行は否定した事例 |
RETIO 68-078 |
70 | H16.12.15 | 東京簡裁 | 中古建物の買主が、売買に際し飲料水供給のための加圧ポンプの一台が故障していることを調査説明しなかったことは債務不履行(調査義務違反)であるとして媒介業者に対し損賠賠償を請求した事案において、売主が物件への立入りを拒むことについて理由のある状況の下、媒介業者が当該故障を覚知せず買主に報告できなかったことはやむを得なかったことであり、媒介業者の責めに帰すべき事由があったとまではいえないとしてその請求を棄却した事例 |
RETIO 63-056 |
71 | H16.9.16 | 大阪高裁 | 区分所有建物(タウンハウス)の買主が、売主に対し本件建物には屋根・壁の老朽化、床鳴り等の「隠れた瑕疵」が存在しているとして、瑕疵担保責任及び補修の必要性についての不実告知等による債務不履行責任に基づく損害賠償責任を主張し、媒介業者に対しては調査・説明義務違反があるとして不法行為による損害賠償責任を主張した事案において、築後19年の中古住宅が通常有すべき品質・性能を欠くと認めるに足りる証拠はないとして売主の責任を否定し、また、媒介業者は屋根及び外壁の瑕疵について調査・告知すべき義務を負っていたとは認められないとして買主の請求を棄却した事例 |
RETIO 60-034 |
72 | H16.4.23 | 東京地裁 | 土地建物の買主が、売買契約時に、当該土地建物において過去に火災が発生したことがある旨の説明がなかったとして、売主に瑕疵担保ないし不法行為に基づく損害賠償を、媒介業者に媒介契約上の債務不履行を原因として損害賠償を請求したのに対し、火災による焼損等が隠れた瑕疵に当たるとされ、売主と媒介業者に損害賠償責任があるとされた事例 |
RETIO 61-094 |
73 | H16.2.27 | 京都地裁 | 売買された建物が、建築基準法の要求する最低限度の安全性を充足していないという理由で瑕疵担保責任による契約解除が認められ、かつ、当該売買が商行為として行われたものであっても、商法所定の5年の短期消滅時効の適用がないとされた事例 |
取判 66-67 |
74 | H15.9.3 | 京都地裁 | 建物建築前に締結された土地売買契約において、建築業者は、法令上の安全性を備えた建物を建築する義務を負い、売主も建物がそのようになるよう配慮する義務を負うとして、建物の瑕疵について売主及び建築業者の不法行為責任が認められた事例 |
取判 65-66 |
75 | H14.6.17 | 東京地裁 | 建物の強度不足及び耐火性能の欠如につき、売主業者の瑕疵担保責任に加え、建築業者が、建築した建物が他に販売されることを知りながら、注文者の注文により敢えて建築基準関係法令に違反する建物を建築した場合には、当該建物の購入者に対する不法行為責任を負うとされた事例 |
取判 64-65 |
76 | H13.12.26 | 東京高裁 | 土地付建売住宅の売買契約において、軟弱地盤に由来する地盤沈下が「隠れた瑕疵」にあたるとされるとともに、買主が売買契約を締結するか否かを決定づける重要な事実を媒介業者が説明しなかったことは、告知、説明義務違反にあたるとされた事例 (上告 不受理 原審 H13.6.27 東京地裁 RETIO51-66) |
取判 33 |
77 | H13.11.14 | 東京地裁 | マンションを購入した買主が、トイレの壁、押入れ等に生じた雨漏りは隠れた瑕疵にあたるとして、売主に対し瑕疵担保責任等に基づく損害賠償を求め、媒介業者に対しては媒介契約上の債務不履行等に基づく損害賠償を求めた事案において、本件漏水の原因はマンション共用部分の瑕疵によるものであり売買物件(マンション専有部分)の瑕疵に該当しない等として、売主及び媒介業者の責任を否認した事例 |
RETIO 54-070 |
78 | H13.8.20 | 京都地裁 | 建売住宅が構造耐力及び防火性に関する建築基準法所定の最低限度の基準を満たさない場合に、売主、媒介業者、建築主は共同不法行為責任を負うが、買主が建売住宅から退去して建替えなければならない具体的な危険が生じていない場合、慰謝料の損害賠償のみが認められるとされた事例 |
取判 63-64 |
79 | H13.6.27 | 東京地裁 | 建売住宅の買主が、購入後まもなく不等沈下により建物が傾き、居住困難になったとして、売主業者と媒介業者に対し、損害賠償を求めて争った事案において、売主業者に対しては瑕疵担保責任による契約解除に基づく売買代金の返還及び損害賠償を、媒介業者に対しては軟弱地盤についての告知義務違反を理由とする不法行為責任に基づく損害賠償を命じた事例 (控訴審 H13.12.26 東京高裁 控訴棄却、破棄自判 取判33 、上告 不受理) |
RETIO 51-066 |
80 | H13.1.29 | 東京地裁 | 欠陥のある住宅を購入した買主が、販売代理業者も契約の当事者であったとして、売主業者と販売代理業者とのそれぞれに売買代金の返還と損害賠償を求めて争った事案において、売主業者に対しては、瑕疵担保責任を理由とする契約の解除に基づく原状回復と損害賠償を命じ、販売代理業者に対しては、契約当事者であるとは認められないが、売買契約締結過程における関与の態様に照らすと、その販売行為は、専門業者として尽くすべき義務を怠ったものであるとして、不法行為責任に基づく損害賠償を命じた事例 |
RETIO 49-081 |
81 | H13.1.29 | 東京地裁 | 中古マンションの購入者が、「雨漏り」が止まらないことから、売買契約の目的を達することができないとして、錯誤による契約の無効、瑕疵担保を理由とする売買契約の解除、併せて債務不履行ないしは不法行為による損害賠償を求めた事案において、錯誤無効及び瑕疵担保責任は認めなかったが、売主業者の調査に過失があったとして、債務不履行による損害賠償責任を認めた事例 |
RETIO 56-047 |
82 | H12.12.15 | 大阪高裁 | マンションを購入した買主が、階下のポンプ室からの騒音に悩まされ、瑕疵担保責任に基づく契約解除、錯誤無効、詐欺取消を理由に売買代金の返還を求めた事案において、買主は、通常の静けさを享受できる住戸として購入する旨の動機を表示し、騒音により通常の静けさの住環境にあるとはいえない状況であったのだから、法律行為の要素に錯誤があったとして、売買契約の無効を認めた事例 |
RETIO 49-073 |
83 | H12.9.29 | 大阪高裁 | 中古マンションの売買において、容易に除去できないイエヒメアリの被害を隠れた瑕疵として売買契約の解除を認めた原審判決を取消し、売買契約解除当時のアリ被害の状況はアリの異常発生に伴う特異な状況であるとし、同マンションに多数の住人が居住していることからも、住居として不適当といえるような瑕疵は認められないとして、売買契約の解除を否定した事例 (原審 H11.4.23 神戸地裁 RETIO44-54) |
RETIO 48-058 |
84 | H12.1.28 | 福岡高裁 | 業者の媒介により中古マンションを購入した買主が、媒介業者に対して、給排水施設の老朽化についての説明を怠ったと主張して、修理代金等の損害賠償を求めて争った事案において、契約までの交渉過程等の事実関係の下では、媒介業者に「施設の老朽化の程度」について説明する義務があったとはいえず、買主の請求には理由がないとした事例 |
RETIO 50-072 |
85 | H11.9.20 | 神戸地裁 | 阪神・淡路大震災により中古賃貸マンションの1階が押しつぶされ、借主が死亡した事案において、建物(築31年)に設計施工上の欠陥があって通常有すべき安全性を有しておらず、設置の瑕疵があるとして、築16年後に建物を取得した貸主の土地工作物責任を認めたが、媒介業者については、「軽量鉄骨コンクリートブロック造」を「鉄筋コンクリート造」と説明した誤りがあっても、相当因果関係がないとして、その責任を否定した事例 |
RETIO 45-082 |
86 | H11.8.5 | 横浜地裁 | 土地建物の売買において、設計施工の過失により土地が不同沈下し、建物に亀裂が生じた事案において、売主業者に瑕疵担保責任、施工業者に保証債務の不履行、設計者に不法行為責任があるとし、検査済証等で確認していた媒介業者については注意義務違反はないとした事例 |
RETIO 45-081 |
87 | H11.7.30 | 神戸地裁 | 蝙蝠(こうもり)が多数棲息する中古住宅は、建物の価格に見合った快適さを備えていないとして、売主については、瑕疵担保責任を認め、補修・駆除費用等の支払いを命じたが、媒介業者については、特段の事情のない限り調査義務違反はないとして、買主の請求を棄却した事例 |
RETIO 44-056 |
88 | H11.4.23 | 神戸地裁 | 中古マンションの売買において、イエヒメアリの被害により日常生活に著しい支障を受け、その駆除が極めて困難であるとして、瑕疵担保責任による売買契約の解除を求めるとともに、引渡後2カ月以内に制限する特約について、瑕疵を発見したときから2か月以内に限定する限度で有効であるとした事例 (控訴審 H12.9.29 大阪高裁 原判決取消、棄却 RETIO48-58) |
RETIO 44-054 |
89 | H10.7.29 | 大阪地裁 | 建売住宅を購入した買主が、擁壁及び建物に瑕疵があるとして、売主業者に対し債務不履行ないし不法行為責任を、また、建設会社及び建築士に対し不法行為責任を訴求した事案において、建設会社及び建築士の責任を認めたが、売主業者については、検査済証の交付を確認しているから、調査義務を尽しており、責任はないとした事例 |
RETIO 42-046 |
90 | H10.5.13 | 東京地裁 | 修理不能な雨漏りのあるマンションを、その事実を秘して買主に購入を勧め、契約を締結させた、媒介業者、銀行、税理士に、重要事項告知義務違反があるとして、不法行為責任を認め、損害賠償を命じた事例 |
RETIO 41-072 |
91 | H9.5.26 | 横浜地裁 | 違法木造増築部分のある中古マンションの買主が、売主及び媒介業者に対して、錯誤無効、詐欺取消、不法行為による損害賠償を求めた事案において、客付業者に告知義務違反があるとして慰謝料の支払いを認めた事例 |
RETIO 40-072 |
92 | H8.12.20 | 東京地裁 | 売買契約締結の6年前になされた間取り変更等の改修工事について、その事実だけを伝え、改修内容が説明されず媒介により取引きされた中古一戸建で、入居後、強度不足などにより補修を余儀無くされた事案において、瑕疵の内容は重大であるが専門家でなければ認識困難として、売主の瑕疵担保責任をみとめ、媒介業者の調査義務に係わる不法行為責任を否定した事 |
RETIO 37-075 |
93 | H8.5.27 | 札幌地裁 | 中古住宅の売主が、雨漏りのあることを知りながら、媒介業者及び買主にそのことを秘して売り渡した場合において、売主は特約による瑕疵担保責任期間を経過していてもその瑕疵担保責任を免れることができないとされ、媒介業者については、雨漏りの有無について特段の調査をしていなくても注意義務違反があるとはいえないとされた事例 |
RETIO 35-036 |
94 | H8.3.7 | 東京高裁 | 中古住宅の買主が、購入物件にガラス戸がひとりでに開閉する不具合があるとして、売主と媒介業者に対し損害賠償を求めたが、その不具合は日常生活に格別の支障を来す程度の瑕疵ではなく、かつ、売主は買主に内見の機会を与えたにもかかわらず、買主が自ら払うべき注意義務を尽くさなかったために発見できなかったものであるとして、請求を棄却した事例 |
RETIO 37-073 |
95 | H6.8.25 | 千葉地裁 | 既存住宅の買主が、土地の不等沈下による建物の傾斜(70分の1)があるとして、売主業者、媒介業者のほか、当該開発をし、建物を建築した業者を相手として、損害賠償を求めた事案について、媒介業者及び建築業者の責任を否定し、売主業者について、建物価格を限度として瑕疵担保責任を認めた事例 |
RETIO 33-044 |
96 | H6.3.25 | 名古屋地裁 | 中古マンションの売買において、公簿面積について、媒介業者が壁芯面積と取り違えて販売用パンフレットに誤記し、重要事項説明では正確に説明したが、後日買主が重要事項説明義務違反を主張して、損害賠償を請求した事案において、媒介業者に義務違反はないとした事例 |
RETIO 38-036 |
RETIO | : | (一財)不動産適正取引推進機構 機関誌 |
取判 | : | 最新・不動産取引の判例 (一財)不動産適正取引推進機構 |
その他の裁判例 | : | 不動産取引の紛争と裁判例(増補版) |