不動産売買の手引(令和3年度版)
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した宅地建物取引業法第50条の6に定める登録を証する書面を甲に対して交付すること。2乙は、前項に掲げる義務を履行するとともに、次の業務を行います。一媒介価額の決定に際し、甲に、その価額に関する意見を述べるときは、根拠を示して説明を行うこと。二甲が乙に目的物件の購入又は取得を依頼した場合にあっては、甲に対して、目的物件の売買又は交換の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、宅地建物取引業法第35条に定める重要事項について、宅地建物取引士が記名押印した書面を交付して説明させること。三目的物件の売買又は交換の契約が成立したときは、甲及び甲の相手方に対して、遅滞なく、宅地建物取引業法37条に定める書面を作成し、宅地建物取引士に該当書面に記名押印させた上で、これを交付すること。四甲に対して、登記、決済手続等の目的物件の引渡しに係る事務の補助を行うこと。五その他専任媒介契約書に記載する業務を行うこと。(媒介価額の変更の助言等)第5条媒介価額が地価や物価の変動その他の事情の変更によって不適当と認められるに至ったときは、乙は、甲に対して、媒介価額の変更について根拠を示して助言します。2甲は、媒介価額を変更しようとするときは、乙にその旨を通知します。この場合において、価額の変更が引上げであるとき(甲が乙に目的物件の購入又は取得を依頼した場合にあっては、引下げであるとき)は、乙の承諾を要します。3乙は、前項の承諾を拒否しようとするときは、その根拠を示さなければなりません。(建物状況調査を実施する者のあっせん)第6条乙は、この媒介契約において建物状況調査を実施する者のあっせんを行うこととした場合にあっては、甲に対して、建物状況調査を実施する者をあっせんしなければなりません。(有効期間)第7条専任媒介契約の有効期間は、3ヶ月を超えない範囲で、甲乙協議のうえ、定めます。(報酬の請求)第8条乙の媒介によって目的物件の売買又は交換の契約が成立したときは、乙は、甲に対して、報酬を請求することができます。ただし、売買又は交換の契約が停止条件付契約として成立したときは、乙は、その条件が成就した場合にのみ報酬を請求することができます。2前項の報酬の額は、国土交通省告示に定める限度額の範囲内で、甲乙協議の上、定めます。(報酬の受領の時期)第9条乙は、宅地建物取引業法第37条に定める書面を作成し、これを成立した契約の当事者に交付した後でなければ、前条第1項の報酬(以下「約定報酬」といいます。)を受領することができません。2目的物件の売買又は交換の契約が、代金又は交換差金についての融資の不成立を解除条件として締結された後、融資の不成立が確定した場合、又は融資が不成立のときは甲が契約を解除できるものとして締結された後、融資の不成立が確定し、これを理由として甲が契約を解除した場合は、乙は、甲に、受領した約定報酬の全額を遅滞なく返還しなければなりません。ただし、これに対しては、利息は付さないこととします。(特別依頼に係る費用)第10条甲が乙に特別に依頼した広告の料金又は遠隔地への出張旅費は甲の負担とし、甲は乙の請求に基づいて、その実費を支払わなければなりません。(直接取引)第11条専任媒介契約の有効期間内又は有効期間の満了後2年以内に、甲が乙の紹介によって知った相手方と乙を排除して目的物件の売買又は交換の契約を締結したときは、乙は、甲に対して、契約の成立に寄与した割合に応じた相当額の報酬を請求することができます。(違約金の請求)第12条甲は、専任媒介契約の有効期間内に、乙以外の宅地建物取引業者に目的物件の売買又は交換の媒介又は代理を依頼することはできません。甲がこれに違反し、売買又は交換の契約を成立させたときは、乙は、甲に対して約定報酬額に相当する金額(この媒介に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を除きます。)の違約金の支払を請求することができます。(自ら発見した相手方と契約しようとする場合の通知)第13条甲は、専任媒介契約の有効期間内に、自ら発見した相手方と目的物件の売買又は交換の契約を締結しようとするときは、乙に対して、その旨を通知しなければなりません。(費用償還の請求)第14条専任媒介契約の有効期間内において、甲が自ら発見した相手方と目的物件の売買若しくは交換の契約を締結したとき、又は乙の責めに帰すことができない事由によって専任媒介契約が解除されたときは、乙は、甲に対して、専任媒介契約履行のために要した費用の償還を請求することができます。2前項の費用の額は、約定報酬額を超えることはできません。(更新)第15条専任媒介契約の有効期間は、甲及び乙の合意に基づき、更新することができます。2有効期間の更新をしようとするときは、有効期間の満了に際して甲から乙に対し文書でその旨を申し出るものとします。3前2項の規定による有効期間の更新に当たり、甲乙間で専任媒介契約の内容について別段の合意がなされなかったときは、従前の契約と同一内容の契約が成立したものとみなします。(契約の解除)第16条甲又は乙が専任媒介契約に定める義務の履行に関してその本旨に従った履行をしない場合には、その相手方は、相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないときは、専任媒介契約を解除することができます。第17条次のいずれかに該当する場合においては、甲は、専任媒介契約を解除することができます。一乙が専任媒介契約に係る義務について信義を旨とし誠実に遂行する義務に違反したとき。二乙が専任媒介契約に係る重要な事項について故意若しくは重過失により事実を告げず、又は不実のことを告げる行為をしたとき。三乙が宅地建物取引業に関して不正又は著しく不当な行為をしたとき。(反社会的勢力の排除)第18条甲及び乙は、それぞれ相手方に対し、次の事項を確約します。一自らが、暴力団、暴力団関係企業、総会屋若しくはこれらに準ずる者又はその構成員(以下これらを総称して「反社会的勢力」といいます。)でないこと。二自らの役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいいます。)が反社会的勢力でないこと。三反社会的勢力に自己の名義を利用させ、専任媒介契約を締結するものでないこと。四専任媒介契約の有効期間内に、自ら又は第三者を利用して、次の行為をしないこと。イ相手方に対する脅迫的な言動又は暴力を用いる行為ロ偽計又は威力を用いて相手方の業務を妨害し、又は信用を毀損する行為2専任媒介契約の有効期間内に、甲又は乙が次のいずれかに該当した場合には、その相手方は、何らの催告を要せずして、専任媒介契約を解除することができます。一前項第1号又は第2号の確約に反する申告をしたことが判明した場合二前項第3号の確約に反し契約をしたことが判明した場合三前項第4号の確約に反する行為をした場合3乙が前項の規定により専任媒介契約を解除したときは、甲に対して、約定報酬額に相当する金額(既に約定報酬の一部を受領している場合は、その額を除いた額とします。なお、この媒介に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を除きます。)を違約金として請求することができます。(特約)第19条この約款に定めがない事項については、甲及び乙が協議して別に定めることができます。2この約款の各条項の定めに反する特約で甲に不利なものは無効とします。47

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