不動産売買の手引(令和3年度版)
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不動産取引の心構え~取引のポイント~…………………………………………………1購入予定の不動産を知る①重要事項説明書で確認する不動産業者(以下「宅建業者」といいます。)は、取引の媒介(仲介)・代理をするとき、又は自ら売主のときには、契約が成立するまでの間に、物件の内容(所有者、所在、大きさ、権利関係、物件の状況等々)や取引の条件などを記載した「重要事項説明書」を作成して説明することが義務付けられています。この重要事項説明書により購入予定物件、購入条件等の詳細な内容を知ることができます。もっとも、買主にとって重要な購入の目的・条件が、法律上の説明事項となっていないこともありますので、購入目的や条件はあらかじめ依頼する宅建業者に明確に伝えておきましょう。そうすることで、関与する宅建業者が必要な説明を行うべきとされる場合が多いと考えられています。②自分で購入予定物件・周辺環境の調査確認をする購入のための情報収集は、原則、買主の自己責任です。宅建業者の重要事項説明書は万能ではありません。購入予定物件の状況や周辺環境については、必ず、買主自身において現地調査を行い、物件に問題などはないか、騒音や悪臭等住環境に影響のある施設等が近隣にないかなどについて、しっかり調査し確認をしましょう。2契約条件を知る………………………売買価格は?手付金は?代金の支払時期・方法は?引渡しの時期は?付帯設備は?……取引をするにあたっては、売主と買主間の契約条件を決めます。この契約条件は、購入する物件により決めておくべきことも様々です。通常、関与する業者が、契約条件を定めた契約書の案を作成しますが、契約に当たっては、自分でその内容をチェックし確認する必要があります。“知らなかった・わからなかった”などは通用しません。また、口約束は後で否定されるなどトラブルが発生するおそれがあります。大事な約束事は書面にしておきます。3契約の決断をする……………………………売主と契約条件について、合意できたら、いよいよ契約を締結します。調印する前に、いまいちど契約の条文を確認し、自分の責任で契約の締結をします。★売主の義務と買主の義務売主・買主双方は、契約書で約定したそれぞれの義務を履行することになります。売主の義務は、買主に対して契約の内容に適合した物件を引き渡し、完全な所有権を移転することです。一方、買主の義務は代金の支払をすることです。買主にとっては、特に、資金計画が重要となります。契約で約束した支払日に代金を支払うことができるように準備しなければなりません。2

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