不動産売買の手引(令和3年度版)
69/76

(所有権移転登記の申請)第9条売主は、売買代金全額の受領と同時に、買主の名義にするために、本物件の所有権移転登記の申請手続をしなければならない。2所有権移転登記の申請手続に要する費用は、買主の負担とする。(付帯設備の引渡し)第10条石油給湯器等の特定の設備機器については、経年劣化による事故防止のため所有者に点検義務がありますので、確認をしておきます。売主は、別紙付帯設備一覧表の設備のうち「有」と記したものを、本物件引渡しと同時に買主に引き渡す。2売主は、前項の付帯設備については、第20条に定める契約不適合責任は負わないものとする。(負担の消除)第11条売主は、本物件の所有権移転の時期までに、抵当権等の担保権及び賃借権等の用益権その他買主の完全な所有権の行使を阻害する一切の負担を消除する。(印紙代の負担)第12条この契約書に貼付する収入印紙は、売主、買主が平等に負担するものとする。(公租公課の分担)第13条都市計画税・固定資産(公租公課の分担)税の精算条項です。本物件に対して賦課される公租・公課は、引渡日の前日までの分を売主が、引渡日以降の分を買主が、それぞれ負担する。2公租公課分担の起算日は、1月1日とする。3公租公課の分担金の精算は、残代金支払時に行う。(収益の帰属・負担金の分担)第14条各種負担金がある場合の精算方法が定められています。本物件から生ずる収益の帰属及び各種負担金の分担について、前条第1項及び第3項を準用する。(手付解除)第15条手付放棄・手付倍返しによる契約の解除規定です。売主は、買主に受領済みの手付金の倍額を現実に提供して、また、買主は、売主に支払済の手付金を放棄して、それぞれこの契約を解除することができる。2前項による解除は、相手方がこの契約の履行に着手したとき、又は標記(G)の期日を経過したとき以降は、できないものとする。(引渡前の減失・毀損)第16条危険負担特約といわれるもので、大事な特約ですので、内容を理解しておきます。本物件の引渡し前に、天災地変その他売主又は買主のいずれの責にも帰すことができない事由によって本物件が滅失したときは、買主は売買代金の支払いを拒むことができる。また、売主又は買主は、この契約を解除することができる。2本物件の引渡前に、前項の事由によって本物件が損傷したときは、売主は、本物件を修補して買主に引き渡すものとする。この場合、修補によって引渡しが標記(E)の期日を超えても、買主は、売主に対し、その引渡し延期について異議を述べることはできない。3売主は、前項の修補が著しく困難なとき、又は過大な費用を要するときは、この契約を解除することができるものとし、買主は、本物件の損傷により契約の目的が達せられないときは、この契約を解除することができる。4契約が解除された場合の処理方法を定めています。第1項又は前項によってこの契約が解除された場合、売主は、受領済みの金員を無利息で遅滞なく買主に返還しなければならない。(契約不適合を除く契約違反による解除)第17条売主又は買主がこの契約に定める債務を履行しないとき、その相手方は、自己の債務の履行を提供し、かつ、相当の期間を定めて催告したうえ、この契約を解除することができる。ただし、債務の不履行が、この契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りではない。2契約解除ができる場合を定めています。売主又は買主は、その相手方の債務の全部が履行不能である場合のほ65

元のページ  ../index.html#69

このブックを見る