住宅賃貸借(借家)契約の手引(令和3年度版)
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☆こんなトラブルが…☆○預り金について入居申込みの際に、媒介業者から申込金・申込証拠金・予約金・交渉預り金などの名目でお金を入れることを求められることがあります。このお金の返還をめぐってトラブルがみられます。申込者が申込みの撤回(キャンセル)をしたとき、宅建業者にはこのお金を返還することが義務付けられています。預り金は、借主の意思確認の意味合いが強く、簡単にキャンセルされることを避けるために申込証拠金等の名目で預っているものと思われますが、業界団体では、「原則として、媒介業者は預り金を受け取ってはならない」と指導しているところもあります。名目のいかんを問わず、借主は安易に預けない、媒介業者は預らないようにしましょう。○入居申込書の提出について借主(借受希望者)は、いくつかの物件を比較検討中でありながら、とりあえず「入居申込書」を書くというようなことはやめましょう。☆申込手続時に提出又は提示を求められる書類等の例①住所を確認できる書類②通勤先証明書③収入証明書(源泉徴収票又は納税証明書)④学生証等連帯保証人が必要な場合①連帯保証人の印鑑証明書②連帯保証人引受承諾書③収入証明書も併せて求められることがあります。*連帯保証人に代え又は連帯保証人とは別に家賃保証会社との保証契約を求められる場合もあります。なお、連帯保証人の責任は、原則として更新後も及ぶことに注意します(14・34頁参照)。*入居申込書についての詳しい内容は、資料編(39頁)を参照して下さい。*借受希望者に対する戸籍謄本(抄本)の提出や本籍地の記載等の要求はしないよう厳しく指導されています。《参考条文》…宅建業務に関する禁止事項宅建業法第47条の2第3項宅地建物取引業者等は、前2項に定めるもののほか、宅地建物取引業に係る契約の締結に関する行為又は申込みの撤回若しくは解除の妨げに関する行為であって、宅地建物取引業者の相手方等の保護に欠けるものとして国土交通省令で定めるものをしてはならない。宅建業法施行規則第16条の12第2号宅地建物取引業者の相手方等が契約の申込みの撤回を行うに際し、既に受領した預り金を返還することを拒むこと。5入居の申込み(入居申込書)物件が気に入ると、入居申込書を提出することが一般的に行われていますが、入居申込書は、契約書ではありません。貸主と契約を締結するまでは、借りることができると決まったわけではありませんので注意しましょう。8

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