住宅賃貸借(借家)契約の手引(令和3年度版)
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66-1重要事項の説明を受けましょう重要事項説明書は、契約書とともに大変重要なものです。宅建業法は、媒介・代理する業者に対し、借主に重要事項の説明11頁参照をすることを義務付けています。この説明は宅地建物取引士が行います。重要事項説明は契約が成立するまでの間にしなければなりませんが、賃貸借の場合、契約の直前であることも多いと思われます。この重要事項説明は、借りるかどうかの判断をするための大変重要なものです。契約の直前ではなく早めに説明を受けるようにしましょう。重要事項説明を受ける際には、記載されていることはもちろんのこと、それ以外のことでも気になること、疑問に思うことなど遠慮せずに質問をして、十分に理解・納得したうえで契約するようにしましょう。例えば、退去時の原状回復費用の負担については、一般的な考え方が示されていますが23~25頁参照、契約で特別な定めを設けている場合があり、後でよくトラブルになります。疑問があれば詳しい説明を求めましょう。物件を見ずに契約をしてトラブルになっているものもあります。現地の確認を十分に行うことはいうまでもありません。☆IT重説について重要事項説明は、媒介業者と借主が必要とされるIT環境を有していれば、パソコン等の端末を利用して受けることも可能です。しかし、媒介業者に関する苦情相談の多くは、重要事項説明に関するものが占めています。「そんなことは聞いていなかった!」ということにならないよう、重要事項説明はしっかり受けるようにしましょう。媒介業者と管理会社(業者)一般的には、契約・鍵引渡し(入口部分)までは媒介業者、入居中(中間部分)から契約終了・明渡手続(出口部分)は管理会社がする仕事といえるでしょう。媒介業者がそのまま管理会社であることもよくありますが、管理会社の管理業務については宅建業法の適用はありません。なお、管理業務の適正化を図るために、国土交通省の告示により「賃貸住宅管理業者登録制度」(任意制度)が創設されました(平成23年12月1日)。登録管理業者は一定のルールに基づいて業務処理を行うこととされており、物件選択の判断に活用することができます。媒介業者:貸主より賃貸物件の媒介(又は代理)業務の委託を受け、借主を探すための営業活動を行い契約の締結から入居開始までの業務を行います。管理会社:貸主より物件の管理業務を受託し、当該賃貸物件の管理(賃料の集金・共用部分の清掃業務・入居者の管理、相談窓口等)を行います。契約をするまえに9

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