住宅賃貸借(借家)契約の手引(令和3年度版)
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10Q&A1.間取り図との相違間取り図だけで物件を気に入り、部屋を見ないで契約をしました。入居したところ部屋の広さが、図面の表示より狭いため家具が納まりません。契約を解除したいのですが…。QA貸主提示の図面と実際の広さが著しく異なり、借主の目的が達成できない場合には、契約解除ができる可能性もあると思われますが、そこまでのものでない場合には困難と思われます。このようなことがないように、部屋は必ず見てから契約するようにしましょう。2.入居前の日割り賃料入居は2週間ほど先になるのですが、契約すると日割賃料が発生するといわれました。入居前でもその分の賃料を支払う必要があるのでしょうか?契約を締結すると、原則として、その日から賃料の支払義務が生じます。入居日は関係ありません。賃料発生日を特に定めたときには、それによります。3.事務所への転用居住用で借りているマンションを事務所として使用したいと思っています。貸主の承諾を得る必要がありますか?貸主の承諾を得ずに契約書で定められた使用目的以外の使用をすることは禁止されています。これに違反すれば、事情によっては契約を解除されることがあります。4.延滞金の請求先月賃料を払い忘れ、今月2ヵ月分をまとめて支払ったところ、先月分の賃料の遅延損害金として、延滞金の支払を請求されました。1ヵ月遅れただけで延滞金を取られるのでしょうか?1ヵ月とはいえ支払が遅れたのですから、ペナルティを支払うのはやむを得ないでしょう。遅延損害金に関する特約がある場合には、その特約が適用されますが、あまりに高率である場合には特約そのものが無効になる場合があります。消費者契約法では年14.6%を超える部分は無効としています。5.賃料と敷金の相殺今月分の賃料が支払えそうにありませんので、預けてある敷金から差引いて家賃にあててもらうことができるでしょうか?敷金は、賃料の未払やその他の金銭債務の担保として貸主に預託しているものです。貸主が、借主に賃料不払等の債務不履行があるときに一種の担保実行として相殺することは自由ですが、借主の方からは認められません。敷金があるからといって賃科を滞納することは許されません。28

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