住宅賃貸借(借家)契約の手引(令和3年度版)
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11.ガラスの取替費用台風で物が飛んできてガラスが割れました。貸主から、自然災害だから借主が自分の費用で修理してくださいと言われました。借主が修理しなければなりませんか。QA台風により建物に生じた被害で、貸主にも借主にも責任がない場合、貸主は、賃貸物件について、借主の居住に必要な修繕をする義務を負っていますので、原則として、貸主が修理をする必要があります。12.立退き要求貸主が亡くなり、相続人である長男から、土地建物を売却するので契約を解除するとして6か月以内の立退要求を受けて困っています。貸主の事情で一方的に契約を解除することはできません。貸主の更新拒絶や解約には「正当事由」が必要です16頁参照。売却するというだけでは、正当事由に該当しませんが、立退条件次第ということであれば、条件についてよく話し合いましょう。13.賃料滞納と鍵の取替賃料を2か月滞納してしまったところ、外出中に部屋の鍵を取り替えられてしまい入室できなくなりました。どうしたらよいでしょうか。借主が賃料を滞納しているとしても、貸主が勝手に部屋に入り鍵を取り替えることは借主の生活する権利を侵害する違法な行為であり許されるものではないので、鍵の引き渡しを求めてください。しかし賃料滞納は重大な契約違反ですので、支払について貸主とよく話し合いましょう14.連帯保証人の印鑑証明連帯保証人の印鑑証明を求められましたが、連帯保証人は提出したくないと言います。印鑑証明を提出する義務があるのでしょうか。本人が間違いなく保証することを承諾したことを確認するために印鑑証明を求めています。提出が不安であれば契約に立会ってもらうのが一番です。印鑑証明書の提示のみでの確認をお願いしてみてはどうでしょうか。15.オーナーチェンジアパートが売却され、新しい貸主が新契約書を持ってきましたが、借主に不利な条文が付け加えられています。印が押せないなら契約しないので退去してもらうと言います。どうしたらよいでしょうか提示された新契約書に承諾できない内容が追加されたり修正されているときは印を押す必要はありません。新オーナーは旧貸主から貸主としての地位をそのまま引き継ぎますので、オーナーが代わっただけで、契約上、借主に不利になることは何もありません。30

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