ホーム > 不動産政策史検索DB > 最高裁判例一覧 > 最高裁判例検索結果

最高裁判例一覧

その他 - 消滅時効・除斥期間

該当件数 94件

判 決 日 クリックにより年月日順の並び替えができます。
No. 判決日 概要 事件番号 RETIO
1 H30.2.23 抵当権の被担保債権が免責許可の決定の効力を受ける場合における当該抵当権自体の消滅時効は、民法167条2項所定の20年の消滅時効にかかるとされた事例 平29(受)468号
2 H28.3.31 宅建業法30条1項前段所定の取戻事由が発生した場合において、取戻公告がされなかったときは、宅建業者の営業保証金の取戻請求権の消滅時効は、当該事由が発生した時から10年を経過した時から進行するとされた事例(破棄自判・RETIO101-118の上告審) 平27(行ヒ)374 号 RETIO 123-063

3 H27.11.19 保証人が主たる債務者に対して取得した求償権の消滅時効の中断事由がある場合であっても、共同保証人間の求償権について消滅時効の中断の効力は生じないとされた事例 平25(受)2001号
4 H27.2.17 事前求償権を被保全債権とする仮差押えは、事後求償権の消滅時効をも中断する効力を有するとした事例 平24(受)1831号
5 H26.3.14 時効の期間の満了前6箇月以内の間に精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者に法定代理人がない場合において、少なくとも、時効の期間の満了前の申立てに基づき後見開始の審判がされたときは、民法158条1項の類推適用により、法定代理人が就職した時から6箇月を経過するまでの間は、その者に対して時効は完成しないとされた事例 平25(受)1420号
6 H25.9.13 保証人が主たる債務を相続したことを知りながら保証債務の弁済をした場合、当該弁済は、特段の事情のない限り、主たる債務者による承認として当該主たる債務の消滅時効を中断する効力を有するとした事例 平23(受)2543号
7 H25.6.6 ・いわゆる明示的一部請求の訴えに係る訴訟において、債権の一部消滅の抗弁に理由があると判断され判決にて債権の総額の認定がされた場合、残部についての消滅時効の中断の効力は生じないとされた事例
・いわゆる明示的一部請求の訴えが提起された場合、特段の事情のない限り、当該訴えの提起は、残部について、裁判上の催告として消滅時効の中断の効力を生じ、債権者は当該訴えに係る訴訟の終了後6箇月以内に民法153条所定の措置を講ずることにより、残部について消滅時効を確定的に中断することができるとされた事例
平24(受)349号
8 H25.2.28 ・既に弁済期にある自働債権と弁済期の定めのある受働債権とが相殺適状にあるというためには、受働債権につき、期限の利益を放棄することができるというだけではなく、期限の利益の放棄又は喪失等により、その弁済期が現実に到来していることを要するとされた事例
・時効によって消滅した債権を自働債権とする相殺をするためには、消滅時効が援用された自働債権は、その消滅時効期間が経過する以前に受働債権と相殺適状にあったことを要するとされた事例
平23(受)2094号
9 H21.1.22 過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引において、同取引により発生した過払金返還請求権の消滅時効は、特段の事情がない限り、同取引が終了した時点から進行するとされた事例 平20(受)468号
10 H18.11.14 代位弁済をした保証人が、原債権及びその担保権を代位行使し、担保不動産の差押債権者の地位承継を執行裁判所に申し出た場合には、承継申出の主債務者への通知がなくても求償権の消滅時効が不動産競売手続完了までの間中断するとされた事例 平17(受)1594号
11 H16.4.27 身体への蓄積により人の健康を害する物質による損害など、不法行為により発生する損害の性質上、加害行為終了後相当の期間を経て損害が発生する場合には、「不法行為の時」と規定される損害賠償請求権の除斥期間の起算点は、当該損害の全部又は一部が発生した時が除斥期間の起算点となるとされた事例 平13(受)1760号
12 H16.4.23 マンション管理組合が組合員である区分所有者に対して前所有者の延滞していた管理費及び特別修繕費を請求したのに対し、管理費等に係る債権が5年間の短期消滅時効を定める民法169条所定の定期給付債権に当たり、5年を経過した部分は時効により消滅しているとの区分所有者の主張が認容された事例(控訴審 H13.10.31 東京高裁 RETIO53-86) 平14(受)248号 RETIO 59-054

13 H15.3.14 破産終結決定がされて法人格が消滅した会社を主債務者とする保証人は、主債務についての消滅時効が会社の法人格の消滅後に完成したことを主張してこれを援用することはできないとした事例 平13(受)751号
14 H14.10.25 民事訴訟法113条の類推適用により、競売開始決定の公示送達による送達が、被担保債権の時効中断事由である差押えの通知としての効力を有するとされた事例 平14(許)11号
15 H13.11.27 購入土地の一部について道路位置指定がなされていたことは瑕疵にあたるとして、買主が売主に対し損害賠償を請求した事案において、瑕疵担保による損害賠償請求権の消滅時効は買主が売買の目的物の引渡しを受けた時から進行するとして、10年経過による消滅時効により買主の請求を棄却した事例 平10(オ)773号 RETIO 52-018

16 H13.11.27 弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効は、供託者が免責の効果を受ける必要が消滅した時から進行するとして、賃料債務についてされた弁済供託につき、賃料債務の弁済期の翌日から民法169条(定期給付債権の短期消滅時効)所定の5年間の時効期間が経過した時、さらにそれから10年が経過することによって消滅時効が完成すると判示した事例 平10(行ツ)22号 RETIO 52-057

17 H13.2.22 民法564条規定の、売主の担保責任の除斥期間の起算点である「事実を知った時」とは、買主が売主に対し民法563条又は565条規定の担保責任を追及し得る程度に確実な事実関係を認識した時をいうとした事例 平11(オ)1261号 RETIO 50-080

18 H11.11.25 建築請負人からの注文者に対する請負契約に係る建物の所有権保存登記抹消登記手続請求訴訟の提起は、請負代金債権の消滅時効中断事由である裁判上の請求に準ずるものとはいえず、訴訟の係属中の請負代金について催告が継続していたということもできないとした事例 平8(オ)718号
19 H11.11.9 主債務者である破産者が免責決定を受けた場合に、免責決定の効力の及ぶ債務の保証人は、その債権についての消滅時効を援用することができないとされた事例 平9(オ)426号
20 H11.10.21 後順位抵当権者は、先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することはできないとされた事例 平9(オ)1771号
21 H11.9.9 ・極度額を超える金額の被担保債権を請求債権とする根抵当権の実行がされた場合、被担保債権の消滅時効中断の効力は、当該極度額の範囲にとどまらず、請求債権として表示された当該被担保債権の全部について生じるとした事例
・債務者に対する被担保債権の消滅時効中断の効力が生じた後、不動産競売の申立ての取下げがされた場合、時効中断の効力は、初めから生じなかったことになるとした事例
平8(オ)2422号
22 H11.7.19 共同相続人相互の間で一部の者が他の者を共同相続人でないとしてその相続権を侵害している場合において、相続回復請求権の消滅時効を援用しようとする者は、真正共同相続人の相続権を侵害している共同相続人が、当該相続権侵害の開始時点において、他に共同相続人がいることを知らず、かつ、これを知らなかったことに合理的な事由があったことを立証しなければならないとした事例 平7(オ)2468号
23 H11.4.27 不動産競売手続きにおいて債務名義の正本を有する債権者がする配当要求は、配当要求に係る債権の消滅時効を中断する効力があるとされた事例 平9(オ)2037号
24 H11.2.26 譲渡担保権者から被担保債権の弁済期後に譲渡担保権の目的物を譲り受けた第三者は、譲渡担保権設定者が譲渡担保権者に対して有する清算金支払請求権につき、消滅時効を援用することができるとした事例 平7(オ)690号
25 H10.12.17 不法行為に基づく損害賠償請求訴訟の係属によって不当利得返還請求権の消滅時効が中断するとされた事例 平6(オ)857号
26 H10.11.24 ・仮差押えによる時効中断の効力は、仮差押えの執行保全の効力が存続する間は継続するとした事例
・仮差押えの被保全債権につき勝訴判決が確定したとしても、仮差押えによる時効中断の効力は消滅しないとした事例
平7(オ)1413号
27 H10.6.22 詐害行為の受益者は、詐害行為取消権を行使する債権者の債権の消滅時効を援用することができるとした事例 平6(オ)586号
28 H10.4.24 土地の売買において買主の仮登記が付されたが、売買から20年以上経過した後に、売主が買主の仮登記を抹消した上で第三者に売却したため、買主が売主に対し債務不履行による損害賠償を求め、売主が消滅時効を主張し争った事案において、契約に基づく債務不履行による損害賠償請求権の消滅時効は、売買契約締結時から進行するとされた事例 平7(オ)2472号
29 H8.9.27 連帯保証債務の物上保証人に対する抵当権の実行は、主債務の消滅時効の中断にならないとした事例    (控訴審H7.5.31 東京高裁 RETIO32-30) 平7(オ)1914号 RETIO 36-046

30 H8.7.12  物上保証人に対する不動産競売において、被担保債権の時効中断の効力は、競売開始決定正本が債務者に送達された時に生ずるとされた事例 平5(オ)1788号
31 H8.3.28 不動産競売手続きにおいて、抵当権者が債権の一部に対する配当を受けたことをもって、残額について時効の中断の効力を有するものではないとされた事例 平4(オ)2107号
32 H7.12.5 単独名義で相続登記した共同相続人の一人から不動産を譲り受けた者は、その譲渡人が本来の相続持分を超える部分が他の共同相続人に属することを知っていた等の事由により、他の共同相続人に対して相続回復請求権の消滅時効を援用することができない場合には、その譲受人も消滅時効を援用できないとされた事例 平6(オ)440号
33 H7.9.5 預託金会員制ゴルフクラブの施設利用権の消滅時効は、会員が施設の利用をしない状態が継続したことのみによっては進行せず、ゴルフ場経営会社が、会員に対してその資格を否定して施設の利用を拒絶し、あるいは会員の利用を不可能な状態としたような時から進行し、同利用権が時効により消滅したときは、ゴルフ会員権は、包括的権利としては存続し得ないとされた事例 平3(オ)771号
34 H7.9.5 物上保証人に対する不動産競売において、開始決定の債務者への送達が付郵便送達によりされた場合、決定正本が郵便に付して発送されたことによっては被担保債権の消滅時効の中断の効力を生ぜず、正本の到達によって初めて時効中断の効力を生ずるとした事例 平7(オ)374号
35 H7.6.9 遺留分権利者が減殺請求により取得した不動産の所有権又は共有持分権に基づく登記請求権は、時効によって消滅することはないとされた事例 平6(オ)2007号
36 H7.3.10 物上保証人が債務者の承認により被担保債権について生じた消滅時効中断の効力を否定することは、担保権の付従性に抵触し、民法396条の趣旨に反し許されないとされた事例 平6(オ)2325号
37 H6.6.21 仮差押えによる時効中断の効力は、仮差押解放金の供託により仮差押えの執行が取り消された場合においても、なお継続するとされた事例 平2(オ)1211号
38 H6.2.22 雇用者の安全配慮義務違反によりじん肺にかかったことを理由とする損害賠償請求権の消滅時効は、じん肺法所定の管理区分についての最終の行政上の決定を受けた時から進行するとされた事例 平元(オ)1667号
39 H4.10.20 ・民法566条3項にいう一年の期間は、除斥期間であるとした事例
・瑕疵担保による損害賠償請求権を保存するには、請求権の除斥期間内に、売主の担保責任を問う意思を裁判外で明確に告げることをもって足り、裁判上の権利行使をするまでの必要はないとした事例
昭63(オ)1543号 RETIO 128-114

40 H4.3.19 売買予約に基づく所有権移転請求権保全の仮登記のされた不動産の第三取得者は、予約完結権の消滅によって直接利益を受ける者に当たり、その消滅時効を援用することができるとした事例 平2(オ)742号
41 H2.6.5 売買予約に基づく所有権移転請求権保全仮登記の経由された不動産につき抵当権の設定を受け、その登記を経由した者は、予約完結権の消滅によって直接利益を受ける者に当たり、その消滅時効を援用することができるとした事例 昭63(オ)357号
42 H1.10.13 不動産強制競売手続において催告を受けた抵当権者がする債権の届出は、その届出に係る債権に関する裁判上の請求、破産手続参加又はこれらに準ずる時効中断事由に該当しないとされた事例 平元(オ)653号
43 S62.10.8 無断転貸を理由とする土地賃貸借契約の解除権の消滅時効は、転借人が転貸借契約に基づき当該土地の使用収益を開始した時から進行し、債権に準ずるものとして民法167条1項により10年を経過したときに消滅するととした事例 昭58(オ)457号
44 S62.9.3  物上保証人が債権者に対し被担保債権の存在を承認しても、右承認によっては、債権者と物上保証人との相対的関係においても、被担保債権について時効中断の効力は生じないとされた事例 昭58(オ)45号
45 S61.3.17 ・時効による債権消滅の効果は、時効期間の経過とともに確定的に生ずるものではなく、時効が援用されたときにはじめて確定的に生ずるとした事例
・農地売買において、売主が県知事に対する許可申請協力請求権の消滅時効の援用をするまでの間に当該農地が非農地化したときには、その時点にて農地の売買契約は当然に効力を生じ買主にその所有権が移転するとした事例
昭59(オ)211号
46 S60.11.26 仮登記担保権が設定された不動産の譲渡を受けた第三者は、当該仮登記担保権の被担保債権の消滅時効を援用することができるとした事例 昭57(オ)578号
47 S59.4.24 動産執行による金銭債権の消滅時効中断の効力は、債権者が執行官に対しその執行の申立をした時に生ずるとされた事例 昭57(オ)727号
48 S59.3.9 不動産の仮差押による時効中断の効力は、第三者の申立による強制競売により不動産が競落されて仮差押の登記が抹消されても失われず、その抹消の時まで中断事由が存続したとされた事例 昭58(オ)824号
49 S57.10.19 民法724条(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)所定の3年の時効期間の計算においては、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時が午前零時でない限り、時効期間の初日を算入すべきではないとされた事例 昭56(オ)767号
50 S57.7.15 約束手形の裏書人が振出人の手形金支払義務の時効による消滅に伴い、自己の所持人に対する償還義務も消滅したとしてその履行を免れようとすることが信義則に反し許されないとされた事例 昭53(オ)728号
51 S57.1.29  執行力のある債務名義又は終局判決を有しない破産債権者の届出債権に対する債権調査期日における破産管財人又は他の債権者の異議は、破産債権届出の時効中断の効力に影響を及ぼすものではないとされた事例 昭55(オ)666号
52 S57.1.22 譲渡担保を設定した債務者の受戻の請求において、債務の弁済と弁済に伴う目的不動産の返還請求権とを合体して、一個の形成権たる受戻権であるとの法律構成をする余地はなく、これに民法167条2項(消滅時効)の規定を適用することはできないとした事例 昭55(オ)153号
53 S56.10.1 農地の受贈者の贈与者に対して有する知事に対する所有権移転許可申請協力請求権は、民法167条1項の債権にあたり、請求権は贈与契約成立の日から10年の経過により時効によって消滅するとした事例 昭56(オ)575号
54 S56.6.16 長期間継続した地代不払を一括して一個の解除原因とする賃貸借契約の解除権の消滅時効は、最後の地代の支払期日が経過した時から進行するとした事例 昭53(オ)790号
55 S55.12.11 賃借権の譲渡を承諾しない賃貸人は、無断譲渡を理由とする賃貸借契約の解除権が時効消滅した場合であっても、所有権に基づき、賃借権の無断譲受人に対し目的物の明渡を求めることができるとした事例 昭53(オ)1440号
56 S55.5.30 約束手形の所持人と裏書人との間において裏書人の手形上の債務につき支払猶予の特約がされた場合には、所持人の裏書人に対する手形上の請求権の消滅時効は、同猶予期間が満了した時から進行するとされた事例 昭54(オ)1104号
57 S54.9.21 借地法10条による建物買取請求権について、当該土地明渡請求訴訟における訴状送達の時から10年の経過により時効消滅しているとされた事例 昭54(オ)462号
58 S51.11.5 不動産の譲渡による所有権移転登記請求権は、譲渡によって生じた所有権移転の事実が存する限り独立して消滅時効にかからないとした事例 昭51(オ)727号
59 S51.10.12 不動産取得税の5年の消滅時効の起算日は、登記又は申告等の日を基準とすべきでなく、実際に取得した日であるとした事例 昭51(行ツ)13号
60 S51.5.25  消滅時効の援用が権利濫用にあたるとされた事例  昭50(オ)1051号
61 S50.11.21 物上保証人に対する抵当権の実行により、競売裁判所が競売開始決定をし、これを債務者に告知した場合には、被担保債権についての消滅時効は中断するとされた事例 昭47(オ)723号
62 S50.4.11 農地の買主が売主に対して有する知事に対する所有権移転許可申請協力請求権の消滅時効は、10年であるとした事例 昭49(オ)1164号
63 S49.12.20  準禁治産者である権利者が保佐人の同意を得られないため訴を提起できない場合でも、その権利についての消滅時効の進行は妨げられないとされた事例 昭48(オ)647号
64 S49.12.17 商法266条の3第1項前段所定の第三者の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間は10年と解すべきとした事例 昭49(オ)768号
65 S48.12.14 抵当不動産の譲渡を受けた第三者は、抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができるとした事例 昭45(オ)719号
66 S48.10.30 代理人がした商行為による債権につき本人が提起した債権請求訴訟の係属中に、相手方が商法504条但書に基づき債権者として代理人を選択したときは、本人の請求は、右訴訟が係属している間代理人の債権につき催告に準じた時効中断の効力を及ぼすとされた事例 昭44(オ)1135号
67 S48.9.7 手形債務を主たる債務として手形外の連帯保証契約が締結されている場合において、連帯保証人に対し裁判上の請求がされたときは、手形債務についても消滅時効が中断するとされた事例 昭46(オ)774号
68 S48.7.12 数量の不足又は一部滅失の場合における売主の瑕疵担保責任の除斥期間は、善意の買主が、売買目的物の数量不足を知ったが、その責に帰さない事由により売主を知ることができなかった場合には、売主を知った時から起算されるとした事例 昭48(オ)157号
69 S47.4.13 詐害行為取消の消滅時効の進行時点である、取消権者が取消の原因を覚知した時とは、取消権者が詐害行為取消権発生の要件たる事実、すなわち、債務者が債権者を害することを知って当該法律行為をした事実を知ったことを意味し、単に取消権者が詐害の客観的事実を知っただけでは足りないとした事例 昭46(オ)1035号
70 S47.3.21 債権者のする破産宣告の申立は、債権の消滅時効の中断事由たる裁判上の請求にあたるとした事例 昭46(オ)74号
71 S45.7.15 弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効は、供託の基礎となった債務について紛争の解決などによってその不存在が確定するなど、供託者が免責の効果を受ける必要が消滅した時から進行し、10年をもって完成するとされた事例 昭40(行ツ)100号
72 S45.5.21 債務者が、消滅時効の完成後に、債権者に対し当該債務を承認した場合においても、以後ふたたび時効は進行し、債務者は、再度完成した消滅時効を援用することができるとされた事例 昭44(オ)1131号
73 S44.11.27 債務者兼抵当権設定者が債務の不存在を理由として提起した抵当権設定登記抹消登記手続請求訴訟において、債権者兼抵当権者が請求棄却の判決を求め被担保債権の存在を主張したときは、その主張は裁判上の請求に準ずるものとして、被担保債権につき消滅時効中断の効力を生ずるとした事例 昭44(オ)491号
74 S44.3.20 主債務の消滅時効完成後に、主債務者が当該債務を承認し、保証人が、主債務者の債務承認を知って、保証債務を承認した場合には、保証人がその後主債務の消滅時効を援用することは信義則に照らして許されないとした事例 昭43(オ)297号
75 S43.9.26 ・物上保証人は、被担保債権の消滅時効を援用することができるとした事例
・債権者は、自己の債権保全に必要な限度で、債務者に代位して、他の債権者に対する債務の消滅時効を援用できるとした事例
昭41(オ)77号
76 S42.10.27 ・他人の債務のため自己の所有物をいわゆる弱い譲渡担保に供した者は、右債務の消滅時効を援用することができるとされた事例
・債務者の時効の利益の放棄は、当該債務のため自己の所有物をいわゆる弱い譲渡担保に供した者に影響を及ぼさないとされた事例
昭39(オ)523号
77 S42.7.20 借地法10条による建物買取請求権の消滅時効の期間が10年と解された事例 昭41(オ)1362号
78 S42.2.24 贈与税課税権の消滅時効の起算日は、贈与によって財産を取得した年の翌年の3月1日であるとした事例 昭39(行ツ)75号
79 S41.12.1  賃料の催告と、賃料不払による賃貸借契約解除の意思表示との間に約14年の隔たりがあっても、相手方において催告に基づく解除権の行使はないと信ずべき正当な事由が生じたといえない事情のもとでは、意思表示のときまで解除権は有効に存続しているとした事例 昭41(オ)660号
80 S41.4.20 ・消滅時効完成後に債務の承認をした場合において、そのことのみによって、同承認はその時効が完成したことを知ってしたものであると推定することはできないとされた事例
・債務者が、消滅時効完成後に債権者に対し当該債務の承認をした場合には、時効完成の事実を知らなかったときでも、その後その時効の援用をすることは許されないとされた事例
昭37(オ)1316号
81 S39.2.27 甲の相続権を乙が侵害している場合、甲の相続人丙の乙に対する相続回復請求権の消滅時効の期間20年の起算点は、丙の相続開始の時ではなく、甲の相続開始の時とであるとした事例 昭37(オ)1258号
82 S39.2.20 時効消滅後の債権による相殺は、相殺適状にあった時点の債権額の限度でなしうるものであって、相殺の意思表示の時点における債権額につき対当額で相殺されると解すべきではないとした事例 昭37(オ)1005号
83 S38.10.30 留置権の抗弁は、被担保債権の債務者が原告である訴訟において提出された場合には、当該債権について消滅時効中断の効力があり、かつ、その効力は抗弁の撤回されないかぎり、その訴訟係属中存続するとした事例 昭35(オ)362号
84 S37.10.12 債権者が受益者を相手どって詐害行為取消の訴えを提起しても、債権につき消滅時効中断の効力を生じないとした事例 昭35(オ)646号
85 S35.11.1 契約解除に基づく原状回復義務の履行不能による損害賠償請求権の消滅時効は、契約解除の時から進行するとした事例 昭33(オ)599号
86 S33.11.6 再売買の予約完結権の消滅時効は、権利の行使につき特に始期を定め、または停止条件を附したものでない限りは、予約完結権の成立した時から進行する 昭31(オ)368号
87 S15.11.26 抵当権は後順位抵当権者及抵当物件の第三取得者に対しては被担保債権と離れ単独に20年の消滅時効に因り消滅するとされた事例 昭15(オ)750号(大審院)
88 S12.6.30 民法第715条により使用者が負担する損害賠償義務の消滅時効と、被用者が第三者に対して負担する損害賠償義務の消滅時効とは、それぞれ別々に進行するとした事例 昭11(オ)844号(大審院)
89 S9.9.15 定期預金の返還期が当事者双方のために定められている場合であっても、預り主は預け主が返還期の到来までに享くべき利益の喪失を填補するときは、期限の利益を放棄することができるとされた事例 昭8(オ)49号(大審院)
90 S8.10.13 保証人は当事者として、主たる債務に関する消滅時効の援用をなすことができるとした事例 昭8(オ)1092号(大審院)
91 S6.6.4 連帯債務者の一人又は主債務者が完成した時効の利益を放棄しても、他の連帯債務者又は主債務者と連帯する保証人に対して何らの効力を及ぼさないとした事例 昭5(オ)3259号(大審院)
92 T5.4.1 ・売買による所有権登記は、買主への所有権移転を完全にするための必須の手続きであることから、登記請求権は独立して消滅時効にはかからないとした事例
・不動産の買主が不動産を転売した場合でも、転取得者への登記移転の義務があることから、売主への登記請求権は失わないとした事例
大4(オ)879号(大審院)
93 T4.7.13 民法第145条のいわゆる当事者には、主たる債務が時効により消滅した場合における保証人も含まれるとされた事例 大4(オ)189号(大審院)
94 M40.6.13 本来一個の債権でも、時期を定めて数回にこれを分割弁済すべき場合には、各弁済期の到来により、その期に弁済せられるべき部分に応じ一部づつ時効にかかるとされた事例 明40(オ)105号(大審院)

RETIO:(一財)不動産適正取引推進機構 機関誌