該当件数 件
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No. | 判決日 | 裁判所名 | 概要 | RETIO |
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1 | R5.2.14 | 東京高裁 |
住宅建築販売を目的とする買主業者が、私道について自動車通行可能と説明を受けて土地を購入したところ、私道所有者から一般車両の通行は承諾していないとされたことから、売主並びに私道所有者と私道通行に関する承諾書のやり取りをしていた媒介業者、その担当者に損害賠償を求めた事案において、売主の責任は否定し、媒介業者らの賠償責任を認めた事例 |
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2 | R4.12.15 | 東京高裁 |
分割により袋地となった土地建物を購入した原告が、隣接する私道所有者に対して、私道の「①隣地使用権に基づく建物解体工事に必要な工事車両の通行承諾等、②自動車等による通行権を有することの確認、③ガス、上下水道の配管権等を有することの確認」を求めた事案において、①は認められ、②、③は棄却された事例 |
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3 | R4.12.8 | 東京高裁 |
売主が建築した新築マンションを分譲目的で購入した買主代表が、販売先の顧客から受領した手付金の保全措置を講ずることなく、自らのために費消した上で破産手続開始決定を受けて、連帯保証人の売主に求償債務を負担させる損害を与えた行為は、破産法上の「破産者が悪意で加えた不法行為」であり、売主の買主代表に対する損害賠償請求権は非免責債権に該当するとして、売主の請求を認容した事例 |
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4 | R4.10.27 | 東京高裁 |
共同住宅5室の賃貸借において、借主目的の民泊事業には、建物全体に自動火災報知設備の設置等が必要なことが判明したが、貸主にその対応を拒否されたため、借主が貸主に対して、借主の民泊事業には自動火災報知設備の設置等が必要である説明を怠ったとして、賃借に要した費用等の支払いを求めた事案において、貸主が係る義務を負っていたとは認められないとして、請求が棄却された事例 |
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5 | R4.9.21 | 津地裁 |
近隣の産業廃棄物処理施設等からの悪臭被害を理由に退去した古民家の買主が、売主業者及び媒介業者に対して説明義務違反による債務不履行があったとして損害賠償を求めたが、悪臭発生の証拠はなく、売主業者らに説明義務違反は認められないとして棄却された事例 |
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6 | R4.9.15 | 名古屋高裁 |
関係会社2社において、宅建業免許を受けずに、土地区画整理事業地内の土地を転売目的で購入し、約3年の間に計6件の売却を行った行為について無免許営業に該当するとし、その媒介を行った買主側媒介業者の代表者に、無免許営業幇助を認定して罰金刑を言い渡した事例 |
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7 | R4.6.22 | 東京地裁 |
賃貸建物の貸主が、建物管理を委託した宅建業者に対し、集金賃料等から新規契約広告宣伝費等の名目で費用を不当に利得したなどとしてその返還を求めた事案において、実質媒介報酬のうち宅建業法の報酬制限を超える部分や架空費用等の返還を認めた事例 |
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8 | R4.6.16 | 東京地裁 |
区分所有ビルの共有者の一人が、賃貸借契約を結んでいる借主に対し、同契約に基づき、賃料及び共益費のうち自分に帰属する4分の1相当額の支払等を求めた事案において、賃貸借契約における借主からの賃料受領等の権限を共有者代表者に委任する旨の共有者間の合意成立が認められるため、委任内容の一部を、共有者の一人が、自己に有利な内容に変更することはみとめられないとして棄却した事案 |
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9 | R4.5.25 | 東京地裁 |
新築分譲マンションの契約時に、隣室購入者がヴァイオリン奏者であり、室内でヴァイオリンを演奏する前提で購入した事実を売買契約締結前に売主業者から説明を受けていないとして、買主が売買契約上の債務不履行による契約解除及び違約金支払いもしくは消費者契約法による取り消しを主張した事案において、その請求が棄却された事例 |
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10 | R4.4.28 | 東京地裁 |
賃貸マンションの借主の階下の住人への騒音被害及び貸主への脅迫的言動が信頼関係の破壊に当たるとして、貸主の賃貸借契約の解除及び賠償請求を認めた事例 |
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11 | R4.4.28 | 東京地裁 |
違約金を支払って売買契約を解除した売主が、契約条項によれば、手付解除が、手付解除期日か履行の着手いずれか遅い時期まで可能であったのに、手付解除をさせなかったとして媒介業者に賠償を請求したが、売主の契約解消の申出は解除期日後であったから手付解除はできなかったとして棄却した事例 |
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12 | R4.3.31 | 東京地裁 |
コインランドリー営業の目的で建物1階を賃借した借主が、貸主に無断で排気口設置工事を行い、2階の住人への振動・騒音被害に対応しなかったことは、信頼関係の破壊にあたるとして、貸主による建物の明渡し及び約定違約金等の請求が認められた事例 |
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13 | R4.3.29 | 東京地裁 |
タワーマンションの買主が、購入後に建物全体に設置されたオイルダンパーに建築基準法違反の疑いがあることが判明したことから、売主業者に対し、錯誤による売買契約の無効を主張した事案において、建築基準法等の適合性は売買契約の内容となっていたとは認められないとして棄却された事例 |
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14 | R4.3.29 | 東京地裁 |
賃貸マンションの買主が、附属設備である機械式駐車場の劣化の程度について、売主及び媒介業者が説明を怠ったとして、損害賠償を請求したが、説明義務違反はなかったとして棄却された事例 |
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15 | R4.3.29 | 東京地裁 |
敷地延長の土地を所有し、そこに自宅を構えて居住していた者が、通路部分に隣地建物の屋根から危険な落雪があったとして、隣地建物所有者に対して、主位的には落雪が起こらないような形状の屋根への改築を、予備的に屋根に設置された融雪設備の維持管理等の義務の確認(妨害排除又は妨害予防請求)を、また前所有者に対しては、係る義務の承継を怠ったことによる損害の賠償を、それぞれ求めた事案において、その請求が全て棄却された事例 |
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16 | R4.3.29 | 東京地裁 |
収益物件の投資利回りの基礎となる収益に屋外広告物賃料収入が含まれていたところ、実際には条例の規制により予定した収益が見込めず、売主業者の調査説明義務違反があったとして、買主が損害賠償請求した事案において、投資用物件の売主業者には、想定利回りの基礎となる収益の額に影響を及ぼし得る法令上の制限を説明する義務があるとしてその請求の一部認容した事例 |
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17 | R4.3.25 | 東京地裁 |
建築条件付き土地売買契約において、周辺の道路状況の制約により、販売チラシの建築プランに記載されたクラスの車両が車庫に入出庫できないとして、媒介業者の説明義務違反を主張した買主の損害賠償請求が棄却された事例 |
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18 | R4.3.23 | 東京高裁 |
区分所有建物の買主が、引渡しを受けた後に、売主が管理組合に対する債務を負った状態で引渡しがなされたことが判明したことから、これは媒介契約において「引渡しの事務の補助」を行う義務を負っていた媒介業者がその精算手続きを怠ったことによるものであるとして、係る債務の履行に要する費用の支払いを媒介業者に求めた事案において、その請求が棄却された事例 |
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19 | R4.3.22 | 宮崎地裁 |
媒介業者から土地を購入して賃貸する提案を受けて土地を購入した買主が、媒介業者から当初説明された期日を過ぎても地代収入を得られる見通しが立たなかったため、媒介業者の未払い報酬請求を拒んだところ、媒介業者がその支払いを求める訴訟を提起したことから、買主が媒介業者の誤った説明による損害の賠償を媒介業者に求めて反訴した事案において、媒介業者の請求を棄却し、買主の請求を一部認容した事例 |
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20 | R4.3.15 | 東京地裁 |
貸主と借主の間で、店舗の建物賃貸借契約終了時に、敷金から原状回復工事費用とされる金額を控除する旨の合意がされたところ、実際には原状回復工事が行われなかったとして、借主が、不当利得に基づく返還請求を貸主に求めた事案において、貸主と借主の原状回復費用に関する合意の一部は、借主の動機の錯誤により無効であるとして、その請求を一部認めた事案 |
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21 | R4.3.11 | 東京地裁 |
所有者が異なるアパート3棟と駐車場等を一括して瑕疵担保責任免責の条件にて購入した宅建業者が、その中のアパート1棟には水漏れがあり、その売主と契約交渉窓口となっていた建物管理者はこれについて悪意であるとして、売主ら全員と建物管理者に損害賠償を求めた事案において、水漏れは、買主が契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼす事実であり、その情報を提供する義務があったとして、水漏れについて悪意であった売主の責任を認めた一方、善意であった売主の責任を否定した事例 |
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22 | R4.3.11 | 東京地裁 |
マンションの地下駐車場を賃借し、外国製自動車2台を駐車していた借主が、豪雨により駐車場内に浸水が生じ、自動車が水没して被害を受けたとして、損害賠償を求めた事案において、貸主は浸水対策として、排水ポンプを高出力のものに交換しており、豪雨は過去44年間で例をみない集中豪雨であり、契約の締結時点で豪雨による浸水事故が生ずることが懸念される状況にあったとは認められないなどとし、貸主の不法行為責任及び債務不履行責任は認められず、請求が棄却された事例 |
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23 | R4.3.4 | 東京地裁 |
売主代理人が指定した売主名義口座宛てに行った買主の振込送金は、売主又は正当な受領権限を有する者に対する売買代金債務の弁済とは認められないが、民法478条の受領権者としての外観を有する者に対する弁済としては有効であるとして、買主の売主に対する所有権移転登記手続請求が認容された事例 |
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24 | R4.2.28 | 東京地裁 |
高齢者である買主が、不動産業者から過去に別会社から購入させられた原野を売却できると違法な勧誘を受け、その契約であると誤信し契約したが、実際は新たな原野の売買契約及び所在図等作成に関する業務委託請負契約を締結させられていたとした所有権移転登記抹消と損害賠償請求等の請求を認容された事例 |
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25 | R4.2.28 | 東京地裁 |
分譲マンションの購入契約をした買主が、買い替える自動車がマンション駐車場に駐車できる旨の回答を売主担当者より得て、売買契約をしたが、実際には駐車できなかったとして、売買契約の錯誤無効による手付金等の返還などを売主に求めた事案において、取引経緯などから、契約前において新自動車の駐車が可能である確認を売主担当者に行ったとする買主の主張は信用できないとして、その請求を棄却した事例。 |
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26 | R4.2.28 | 東京地裁 |
買主の帰責事由により銀行融資を断られ、他銀行への融資申込手続きも怠ったとして、融資利用特約の適用を拒む売主に対して、買主に融資申込手続きの努力義務や帰責事由はなかったとして、融資利用特約による契約解除・手付金の返還が認められた事例 |
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27 | R4.2.28 | 東京地裁 |
自宅の借入債務があり、管理費の滞納による自宅の差押えを受けていた売主が、債務返済のため、コンサルタント会社に不動産担保ローンの申し込みをしたところ、融資であると偽って、市場より著しく低廉な価格で、リースバックによる自宅の売買契約をさせられたことは、詐欺行為であるとして、売主が、取引に関わったコンサルティング会社、宅建業者、およびその代表者、従業員等に対して、損害賠償を請求し、転売利益金額相当が損害額として認容された事例 |
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28 | R4.2.24 | 東京地裁 |
瑕疵担保責任の対象を限定した売買契約において、責任対象外の建物傾斜等に係る損害賠償請求を買主が申し立てたが、売主のs帰任範囲が明確に制限されており、売主の悪意も認められないとしてその請求を棄却した事例 |
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29 | R4.2.17 | 東京地裁 |
築42年の戸建て住宅の売買において、故意に雨漏りがあること等の告知をしなかった売主に対し、売主は契約前にその事実等を知っていたことから、買主の不法行為を理由とする損害賠償請求が認められた事例 |
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30 | R4.2.7 | 東京地裁 |
土地建物の転売を目的として売買契約を締結した買主が、売主が融資特約による自動的解除を主張し、売買契約を不当に破棄したとして、売主に対し、損害賠償を求めた事案において、買主が転売先に支払った違約金及び転売による逸失利益が認容された事例 |
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31 | R4.2.1 | 東京地裁 |
内見をせずに分譲マンション一室の賃貸借契約を締結した借主が、隣室がゴミ屋敷状態であったことなどから入居することなく契約を解約し、媒介業者に対して契約に要した費用等の損害賠償を求めた事案において、現地調査を行うことなく媒介を行った媒介業者に不法行為責任があるとして、その請求を認めた事例。 |
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32 | R4.1.28 | 東京地裁 |
投資用ワンルームマンション3室を購入した買主が、購入価格が実勢価格を大幅に上回るもので、営業担当者には価格に関する正確な情報を提供しなかった説明義務違反があったと主張して、損害賠償金の支払を求め、営業担当者には、投資に係る重要な事項の説明義務違反があったとして、損害賠償金の支払いを命じた事例 |
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33 | R4.1.19 | 東京地裁 |
建築基準法第42条2項による位置指定道路において、自宅建替えによって設けられた私道のセットバック部分について、現実に道路が解説された状態になったとは認められないとして、セットバック部分に自転車や植物プランターなどを置くことを禁じることなどを求める隣人の訴えが棄却された事例 |
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34 | R4.1.18 | 東京地裁 |
飲食店目的で区分所有建物を賃借した借主が、マンション管理組合に内装工事を不承認とされ、開業できなかったため、管理組合と貸主に損害賠償を求めたが、棄却された事例 |
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35 | R4.1.13 | 東京地裁 |
中古の賃貸住宅を購入した買主が、売主宅建業者に対し、給水管に赤水が発生する程度に腐食していた瑕疵があるとして損害賠償を求めた事案において、売主業者が設備等について瑕疵担保責任を負わないとする特約は宅建業法40条2項により無効であるが、居住に支障を来す程の腐食があるとは認め難いなどとしてその請求を棄却した事例 |
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36 | R4.1.13 | 東京地裁 |
雇用契約上の非違行為を理由に懲戒解雇した元従業員に対する雇用主の競業避止義務違反行為、信用棄損行為等により生じた損害に対する賠償請求が認められた事例 |
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37 | R3.12.24 | 東京地裁 |
媒介契約書を作成・交付していない媒介業者が、売主と直接売買契約を締結した買主に対し、黙示の媒介契約が成立しているとして、媒介報酬相当額の損害賠償を請求した事案において、媒介契約は口頭でも成立するが、当該契約における重要な要素についての双方の意思合致はされていないとして、その成立を否定した事例 |
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38 | R3.12.23 | 東京高裁 |
飲食店舗の賃借人が、賃借した建物の排気の容量が不足しており、目的としていた用途での使用ができなかったことから、賃貸人には使用収益させる義務の違反が、媒介業者には賃借人の使用目的に合致する物件の紹介義務や説明義務の違反が、それぞれあったとして、既払い賃料や賃借に要した費用や逸失利益等の支払いを両者に求めたが、いずれも棄却された事例。 |
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39 | R3.12.23 | 東京地裁 |
投資セミナーに参加した買主が、売主業者らの共謀により、本来不動産投資に利用することができない住宅ローン契約を利用できるものと誤信させられ、売買契約を締結させられたとした損害賠償請求について、一部不動産業者に不法行為が認められた事例。 |
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40 | R3.12.23 | 東京地裁 |
貸主が、借主との間で再契約した賃貸借契約は、定期建物賃貸借であり、その期間満了により契約が終了したにもかかわらず、借主が建物を明け渡さないと主張し、借主は、契約期間の始期が契約締結日以前であり、38条書面の交付説明が契約始期後のため、定期建物賃貸借は有効に成立していないと主張し争われた事例で、貸主の、借主に対する建物の明渡し等の請求が認容された事例 |
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41 | R3.12.22 | 東京地裁 |
賃貸借契約の前提となる要望事項を明示していたにも拘らず、これを媒介業者が貸主に正確に伝えなかったために、貸主の意向との齟齬が判明して入居を断念した借主が、貸主に対して初期費用の返還と、媒介業者に対して損害賠償を求めた事案において、借主の動機の錯誤による契約無効と、媒介業者の不法行為責任を認めた事例。 |
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42 | R3.12.16 | 東京地裁 |
媒介業者が、複数物件を所有する投資用マンション所有者に対して、2物件合計で希望通りの金額で売却できると誤信をさせ、1物件のみを不当に安く売却させたとした売主の損害賠償責任につき、媒介業者従業員の不法行為責任及び媒介業者の使用者責任を認めた事例。 |
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43 | R3.12.15 | 東京地裁 |
東京都が定める特定緊急輸送道路沿道建築物の賃借人兼転貸人が転借人に対して、賃貸人と共同での建替の必要性を理由として、建物賃貸借契約の期間終了に基づき、主位的に建物の明渡しを、予備的に立退料支払いを条件に建物の明渡しを求めた事案において、立退料53万円の支払いをもって明渡請求が認められた事例 |
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44 | R3.12.14 | 東京地裁 |
築50年超のアパートの貸主が、借主に対し、建物の老朽化、以前に賃貸契約が終了することに合意したことを正当事由として、立ち退きを求めた事案において、家賃6か月分の立退料を支払うことを補完的事由として立ち退きが認められた事例 |
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45 | R3.11.30 | 東京地裁 |
買主は、購入した建物内に雨漏りが発見されたのは、媒介業者の仲介業務の調査・説明義務違反等と主張して、売主・買主両方の媒介業者に修繕費用等を支払うよう求めた事案において、損害賠償請求を行うも却下された事例 |
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46 | R3.11.29 | 東京地裁 |
クリニックを開業する目的で事業用建物賃貸借契約を締結した借主が、消防法の規制により開業できないことが判明したとして、入居前に契約を解約して貸主に敷金返還や損害賠償を求めたが、契約に先立ち所轄消防署に対する事前の照会を怠ったことは借主側の重大な過失であるなどとして棄却された事例 |
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47 | R3.11.26 | 東京地裁 |
共同住宅の買主が、建物に法令違反があったことから予定していた改築ができず、契約目的を達せられなくなったとして、売買契約の解除もしくは無効による売買代金の返還等を売主に求めた事案において、売主は建物が建築基準法に抵触するものである可能性があることの説明を行っていたことから、契約の内容・目的に照らしてそれらの法令違反は瑕疵にあたるものではない等として、買主の請求が棄却された事例。 |
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48 | R3.11.25 | 東京地裁 |
買主がコーキング不良により雨漏りが発生したとして、売主に対し瑕疵担保請求をした事案において、雨漏りはコーキングの経年劣化によるもので瑕疵には該当しないとして、その請求が棄却された事例。 |
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49 | R3.11.17 | 東京高裁 |
分譲マンションの売買契約が締結された後、建築確認処分が取消されて建築工事が中止され、引渡しができなくなったことを受けて、売主業者が解決金を支払って契約を解除したことから、買主が売主業者に対して、引渡義務を怠った、建築確認処分取消の審査状況の詳細な説明を怠った等として、逸失利益等の賠償を求め、棄却された事例 |
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50 | R3.11.1 | 東京地裁 |
賃貸マンションの転借人が、敷金からハウスクリーニング費用を控除する特約は無効であり、また転貸人がハウスクリーニング実施状況を報告する義務があるとして、転貸人に対して、敷金返還及び損害賠償請求をした事案において、転借人の請求には理由がないとして棄却された事例。 |
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51 | R3.10.27 | 東京地裁 |
所有者になりすました者に、売買代金を詐取された買主業差が業者が、仲介業者に対して、売主の本人確認を怠ったとして損害賠償を求めた事案において、売主には本人性に係る不審な事由があり、仲介業者らには詳細な本人確認をする義務違反があるとしてその責任を認めた。しかし、買主業者にも相応の落ち度があったとして、請求額の7割を過失相殺して認めた事例。 |
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52 | R3.10.27 | 東京高裁 |
区分所有建物の売買契約について、決済日前日に買主が手付解除を申し入れたところ、売主が登記手続きを司法書士に委任し登記書類の準備を完了して、既に履行に着手しているとして、その申し入れを拒絶し、買主の債務不履行によりこれを解除したとして、売買契約に基づく違約金を買主に請求した事案において、売主が主張する当該行為は、債務の履行の提供のための単なる準備行為に過ぎず履行の着手には当たらないとして、その請求を棄却した事例 |
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53 | R3.10.22 | 東京地裁 |
売主側媒介業者が、買主より依頼された融資特約による解除通知を、解除期限までに売主に通知しなかったため、契約を解除できなかった買主が、既払の手付金等相当額の賠償を売主側媒介業者に求めた事案において、媒介業者に信義則上の義務違反があるとしてその請求を認めた事例。 |
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54 | R3.10.14 | 東京高裁 |
売主が、買主より住宅又は別荘用地として利用するとの説明を受けて土地を売却したところ、実際は太陽光発電事業利用であったことを知り、売買契約の錯誤無効、詐欺取消しを求めた事案において、売主は居住用又は別荘用の用地として本件土地を売却する動機を黙示に表示しており、買主も当該動機を知っていたとして、契約の錯誤無効を認めた事例。 |
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55 | R3.10.8 | 東京地裁 |
保証金一部償却の定めのある賃貸借契約の解約に伴い、借主が保証金の返還を求めたところ、前所有者からは償却後の保証金しか預かっていないと現貸主が主張した事案において、旧賃貸人に差し入れられた保証金の返還債務は賃貸物件の売買当事者間で引き継がれた金額に拘らず、そのまま新賃貸人に承継されるとして借主の主張を認めた事例。 |
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56 | R3.9.30 | 東京地裁 |
居宅目的のため購入したマンション内に大量の野鳥の死骸等があることは瑕疵に当たるとして、買主が売主の瑕疵担保責任に基づく損害賠償を求めた事案において、買主の請求の一部が認められた事例。 |
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57 | R3.9.29 | 東京地裁 |
区分所有建物の売買に際し、修繕積立金、管理規約等に関し誤った説明をした、売主業者、媒介業者らに共同不法行為責任があるとして、買主の売買契約及び媒介契約の錯誤無効、並びに契約費用等の損害賠償請求が認められた事例。 |
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58 | R3.9.17 | 東京地裁 |
売主側仲介業者が買主の代理人と過去トラブルになったことがある為、仲介業者が売主に対し仲介を行うことは難しいと伝えたことで、代理人が名誉及び人格を毀損されたと主張し慰謝料等請求の控訴審で棄却された事例 |
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59 | R3.9.15 | 東京高裁 |
賃借したマンションの一室である居抜き店舗が、消防法令や建築基準法に違反し目的とする飲食営業ができなかったことから、借主が、賃貸借契約を解除し、貸主及び媒介業者に損害賠償を求めた事案において、賃借した店舗において希望する営業ができるかは、原則として借主自身が調査すべきものとしてその請求を棄却した事例。 |
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60 | R3.8.31 | 東京地裁 |
築25年以上経過した住宅を購入した買主が建物外壁の内側防水工事の未施工が隠れた瑕疵にあたるとして、その修繕工事費用等の損害を求めた事案において、建物の購入価格から客観的取引価格をそれぞれ認定し、その差額を瑕疵による損害として認めた事例。 |
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61 | R3.8.26 | 東京地裁 |
土地建物の売却に関し、被告は何ら業務を行っていないにもかかわらず、原告から業務委託料名目で金員を受領したとして、不当利得返還請求権に基づき、上記金員の返還請求(主位的請求)をし、認容された事例。 |
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62 | R3.8.25 | 東京地裁 |
マンション管理組合より、焼肉店営業は管理規約で禁止されているとして、賃借店舗の内装工事を差し止められた借主が、賃貸借契約を解除し内装費用等の損害賠償を仲介業者及び貸主に求めた事案において、仲介業者らに説明義務違反があり不法行為責任を負うとしてその請求を認めた事例。 |
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63 | R3.8.25 | 東京地裁 |
接道義務を満たさず再建築不可とされた物件を購入した買主が、「柱一本残せば建替えられる」と媒介業者から説明を受けたと主張して、売主業者及び媒介業者に契約無効による売買代金返還や損害賠償を請求した事案において、そのような説明があったという証拠はなく、再建築不可物件であるとの重要事項説明が正しくなされているとしてその請求を棄却した事例 |
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64 | R3.8.10 | 東京地裁 |
夫を連帯保証人とする条件の住宅ローンを申し込んだにも拘らず、売買契約締結後に融資条件の連帯保証人を立てられなくなったとして、買主がローン解除による手付金返還を売主業者に求めた事案において、融資条件の保証人を立てられないことは買主の責に帰すべき事由にあたり、ローン特約は適用されないとした事例。 |
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65 | R3.7.30 | 東京地裁 |
賃貸アパートを賃借して、その引渡しを受けたところ、室内の清掃が不充分であった、IHコンロが作動しなかった、室内にゴキブリが歩き回っていた等として、退去時に支払うこととされていたハウスクリーニング費用、休業補償等の支払いを賃借人が賃貸人に求め、棄却された事例 |
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66 | R3.7.28 | 東京地裁 |
土地建物の信託受益権の買主が、購入時に示された調査報告書に、石綿使用がない旨の記載があったにもかかわらず、建物に法令基準を超える石綿含有建材が使用されていたため除去費用等の損害を被ったとして、売主及び調査会社に損害賠償金を求めた事案において、買主が主張する売主の表明保証違反、悪意・重過失による瑕疵担保責任、調査会社の不法行為責任は認められないとして、その請求が棄却された事例。 |
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67 | R3.7.20 | 東京地裁 |
ネットを通じて知り合った売主から、言葉巧みに悪質な勧誘を受け、市場価格に比して異常に高額な値段でマンションを購入させられた買主が、損害賠償請求を行い一部支払いが認められた事例 |
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68 | R3.7.20 | 東京地裁 |
隣地建物と密着していた建物を解体し更地にした売主業者から更地を購入した買主が、隣地建物外壁の剥離落下事故発生により、貸駐車場の一部が使用できなかったことから、売主業者及び隣地建物所有者に対して、駐車場収益減少による損害の賠償を求めた事案において、両者に不真正連帯債務の賠償責任が認められた事例。 |
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69 | R3.6.30 | 東京地裁 |
賃借人が賃貸人等からの再三の注意にもかかわらず、賃貸物件に居住する他の賃借人らが退去するまでの迷惑行為を行ったことについて、賃貸人の賃貸借契約の解除及び貸室の明渡し請求が認められた事例。 |
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70 | R3.6.29 | 最高裁 |
宅地建物取引業の免許を受けない者が、宅地建物取引業を営むために宅地建物取引業者からその名義を借り、当該名義を借りてされた取引による利益を両者で分配する旨の合意は、宅地建物取引業12条1項及び13条1項の趣旨に反するものとして、公序良俗に反し、無効であるとされた事例。 |
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71 | R3.6.22 | 東京地裁 |
レストラン営業をする賃借人がエレベーターの故障を理由に行った賃料の不払いについて、故障は不払いの根拠とはなり得ず、賃料減額請求ができるとしてもその額は5万円程度として、信頼関係の破壊を理由に賃貸人の契約解除及び建物の明渡し請求が認められた事例。 |
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72 | R3.6.18 | 東京地裁 |
媒介業者が購入した土地の一部に未登記の地役権が設定されている説明を怠ったため、その土地上に建築したガレージを撤去せざるを得なくなったとして、買主が媒介業者にガレージの撤去費用等の損害賠償を求めた事案において、媒介業者は私道の範囲や建築等に利用ができないことの説明をしていたとして、その請求が棄却された事例。 |
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73 | R3.6.16 | 東京地裁 |
開発事業用地の入札に応札してこれを買い受けた買主業者が、媒介業者は売買契約を締結するかどうかを決定付けるような重要な事項に係る知り得た事実について説明・告知する義務を怠ったため、その事業化を断念したとして、媒介業者にこれに伴う損害の賠償を求め、棄却された事例 |
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74 | R3.4.23 | 東京地裁 |
賃貸人が、賃借人に賃貸借契約の終了に基づく賃貸建物の明渡しを、また、連帯保証人に連帯保証契約に基づく滞納賃料の支払いを求めたのに対し、賃借人からは解約の効果が発生していない、連帯保証人からは改正民法後の法定更新において極度額の合意がないので保証契約は無効と主張した事案において、解約申入れにより契約は終了した、また、更新のない連帯保証契約には改正民法は適用されないとして、賃貸人の請求がすべて認容された事例。 |
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75 | R3.4.13 | 東京地裁 |
新築マンションの屋上に設置されたディスポーザー臭突管からの臭気が最上階に住む買主の居住部分に及んでいることが隠れた瑕疵に当たると主張して、売主業者に契約解除と損害賠償を求めた事案において、受忍限度の範囲内であるとして請求が棄却された事例。 |
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76 | R3.3.30 | 名古屋地裁 |
宗教法人の前住職らが宗教法人法及び規則に定める手続を経ずに所有地を売却し、売却代金を着服した事案に関し、媒介をした媒介業者に当該売却手続の適法性を確認する義務違反があったとして、当該宗教法人が被った因果関係のある損害について、媒介業者の賠償責任が認められた事例。 |
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77 | R3.3.29 | 東京地裁 |
売買契約締結に係る業務委託契約を売主宅建業者と締結して業務を受託した非宅建業者が、受託した業務を行ったにもかかわらず、売主業者が業務委託料の残額を支払わないとして、その支払いを求めた事案において、業務を受託した非宅建業者の支払い請求が棄却された事例。 |
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78 | R3.3.29 | 東京地裁 |
専属専任媒介契約において設けられた自動更新条項は、宅建業法第34条の2が定める有効期間の規定に抵触し無効であるとして、媒介業者による売主への媒介報酬請求を棄却した事例。 |
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79 | R3.3.25 | 東京地裁 |
賃借人がハトに餌を与える行為を反復継続し、近隣に迷惑をかけ共同生活を乱したため、賃貸人は信頼関係の破壊を理由に賃貸借契約の解除を求めた事案において、賃貸借契約款に違反し、当事者間の信頼関係が破壊されたとして請求が認められた事例 |
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80 | R3.3.24 | 東京地裁 |
中古車販売の新規出店の為、先行投資を勧誘された宅建業者が、予定された事業用定期借地権設定契約締結の準備段階にもかかわらず、合理的な理由もなく、この契約を締結しなかった事業法人に対し、契約締結上の過失があるとして、不法行為に基づき請求した賠償額の一部が認容された事例 |
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81 | R3.3.11 | 東京地裁 |
分譲マンションを購入した外国人買主により、駐車場が確実に確保されることや外国語を用いず日本語のみで重説したことは、売主業者の説明として不十分であり、情報提供義務違反に当たるとして、買主が損害賠償等を請求した事案において、その請求が棄却された事例。 |
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82 | R3.1.26 | 東京地裁 |
歯科医院店舗の賃借人が、ねずみ被害が続いていることを理由に賃貸借契約を解除し、賃貸人に損害賠償を請求した事案において、歯科医院として使用できる状態に無かったとまでは認められないとして、その請求を棄却し、賃貸人の反訴未払賃料請求を認めた事例。 |
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83 | R3.1.6 | 東京地裁 |
買主がローン解除に対し、売主業者が買主の融資申込の申告内容相違等を理由にローンの解除を否定し、契約の違約解除による違約金を買主に請求した事案において、買主の融資申込み断念に帰責事由は認められない、ローン解除期日延長合意はなかっととする売主業者の証言は不自然などとして、売主業者の主張を棄却し、買主への手付金返還を命じた事例。 |
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84 | R2.12.24 | 東京地裁 |
平成10年に締結した建物賃貸借契約を終了させ、新たに定期建物賃貸借契約を締結した店舗賃貸借に関し、賃貸人が契約の終了及び建物の明け渡しを求めたのに対し、賃借人が「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特措法附則3条」の趣旨は、賃借人が自己に不利益なことを理解せぬままに定期賃貸借に移行することの防止にあり、店舗賃貸借にも同条が適用されると主張した事案において、同条は、事業用の賃貸借契約には適用又は類推適用されないとして、賃貸人の請求が認容された事例。 |
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85 | R2.12.24 | 東京地裁 |
トイレ兼浴室内の排水口から汚水が逆流して溢れる事故が発生したにもかかわらず、賃貸人が部屋のクリーニングを怠ったなど、適切な対応をしないため、転居を余儀なくされた賃借人が、転居に要した経費や転居先の家賃の差額等を賃貸人に求めた事案において、賃貸人としての債務不履行責任を認め、その請求の一部が認められた事例。 |
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86 | R2.12.10 | 東京地裁 |
日本に非居住の売主から不動産を購入した買主が、売買代金を源泉徴収せずに売主に支払い、本来売主が負担すべき所得税額を負担したため、売主には同額の不当な利得が生じているとして、同額の支払いを求めるとともに、売主が同額の不当利得を買主に返還しないという債務不履行により、買主が加算税等の支払いを余儀なくされたとして、加算税等と同額の支払を求めた事案において、所得税相当額の請求は認容されたが、売主には所得税の納税義務があったとして加算税等の請求は棄却された事例。 |
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87 | R2.12.9 | 東京地裁 |
建物の現況が売主側から提示された図面とは異なり、これらについて建築基準法違反等の瑕疵に当たるとして、買主が売主に対してその修補費用等の支払いを求めた事案において、その請求が全て棄却された事例。 |
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88 | R2.12.8 | 東京地裁 |
迷惑行為を行う住民が購入マンションの隣室に居住していることが、購入したマンションの隠れた瑕疵に当たるとして、買主が売主業者に対して損害賠償を求めた事案において、当該住民の存在は、重大な心理的欠陥があるとまで認められないとして、その請求が棄却された事例。 |
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89 | R2.11.30 | 札幌地裁 |
戸建住宅居住者が、隣地建物の建設により日照時間が減少し、日照権や人格権が侵害されているとして隣地建物所有者に損害賠償を求めたが、社会生活上受任すべき程度を超えて侵害されたとはいえないとして棄却された事例。 |
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90 | R2.11.26 | 東京地裁 |
土地上の建物・工作物等を売主が撤去して土地を引き渡す売買において、買主が、引き渡された土地に塀の基礎、ガラ等の残置があり、植栽のため土の入換えが必要であったとして、慰謝料を含め144万円余を売主に請求したが、契約の特約に反して残置された塀の基礎及びガラの撤去費用等29万円余のみが認められ、他は棄却された事例。 |
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91 | R2.11.20 | 東京地裁 |
売主業者と土地売買契約及び建物請負契約を融資銀行において締結し、その後土地の所有権移転登記を受けた買主が、保有していなかった売買契約書の取り寄せによって、契約上売買代金が一部未払いであることを知り、売主業者に対し、クーリングオフによる土地売買契約の解除、履行不能による建物請負契約の解除、並びに既払い代金の返還を、裁判にて求め認められた事例。 |
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92 | R2.11.19 | 東京地裁 |
売買対象物件の土地の一部が都市計画道路予定地に指定され、同予定地内において建物の建築時に必要となる都市計画法53条1項の許可に関し、分離することができるように設計上の配慮をする規定があるにもかかわらず、仲介者が規定を説明しなかったため、買主が想定していた本件土地の利用が不可能となったとして、売主及び仲介会社に対して、契約の解除、損害賠償請求等を求めたが、全て棄却された事例。 |
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93 | R2.11.18 | 東京地裁 |
土地の引渡し日から2年とする売主の担保責任期間経過後に、土壌汚染の存在を知った買主が、環境アセス手続終了までは土壌汚染の調査・発見は事実上不可能であったから、売主の担保責任期間はアセス手続の終了日から進行する等と主張して売主に損害賠償を求めた事案において、買主は環境アセス手続の必要を認識して担保責任に関する条項に合意したのだから、期間の起算点を変更する理由はない等として棄却された事例。 |
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94 | R2.11.16 | 東京地裁 |
買主が残代金支払期限直前に土壌汚染調査実施による支払期限の延長を求めたが、売主がこれを拒否し、契約解除のうえ約定の違約金を請求した事案において、業者間売買である本件売買契約には有効な瑕疵担保責任免責特約があるとして、約定通りの違約金請求を認めた事例。 |
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95 | R2.10.29 | 札幌地裁 |
土地所有者が、その隣接する土地所有者らに対し、給排水装置の設置並びに設置工事に必要な掘削及び土地使用の承諾を求め、その承諾が認められた事例。 |
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96 | R2.10.23 | 東京地裁 |
投資用収益物件としてマンション1棟を購入した買主が、売主及び売主側媒介業者に対し、建築基準法上の用途制限に抵触するために1階部分を倉庫として第三者に賃貸することができないとして損害賠償を求めた事案において、説明や資料提供が尽されていた等として買主の訴えが棄却された事例。 |
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97 | R2.10.21 | 東京地裁 |
自動更新時及び法定更新時には更新料を支払うとする更新料条項のある建物賃貸借において、借主債務の保証会社が更新料を代位弁済したとして事後求償権に基づく支払を借主に求めた事案において、自動更新特約条項を有効と認め借主にその支払いを命じた事例。 |
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98 | R2.10.13 | 東京地裁 |
賃借していた住戸で発生した雨漏りの修繕を賃貸人が怠ったとして、賃借人が賃貸借契約を解除して退去したところ、賃貸人が賃借人の連帯保証人に対して、未払い賃料・室内清掃費の支払い、ならびに賃借人が媒介業者に賃貸人の信用を棄損するような書面を送付したことによる損害の賠償を求め、敷金控除後の未払い賃料・室内清掃費の請求は認められ、その他の請求は棄却された事例 |
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99 | R2.10.7 | 東京地裁 |
賃貸借契約書締結前に、諸費用を支払い、受領した鍵で、建物を占有する賃借希望者に対し、建物所有者が、建物の明渡等を求めた事案において、占有者主張の口頭での契約成立を否定し、その訴えを認めた事例。 |
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100 | R2.10.7 | 東京地裁 |
賃借人が、賃貸借契約時に支払ったクリーニング費用・礼金は消費者契約法10条により無効である、解約月の退去後分賃料について賃貸人が不当に利得しているなどと主張して、その返還を求めたが、いずれの主張も理由がないとして棄却された事例。 |
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101 | R2.10.2 | 東京地裁 |
建物の漏水の原因が一部特定されないまま売主と買主が合意書を締結し補修工事を実施後、真の原因が判明したため、売主にその工事費用を追加請求した事案において、合意書の精算条項によって瑕疵担保責任による損害賠償債務が精算済であるとして買主の請求が棄却された事例。 |
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102 | R2.10.1 | 東京地裁 |
賃借した飲食店の排水管に瑕疵があったことにつき、媒介業者には、事前に調査すべき義務があったとして、借主が媒介業者に損害賠償を求めた事案において、媒介業者には外観から直ちに認識し得ない瑕疵を調査すべき義務まではないとし、その訴えを棄却した事例。 |
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103 | R2.9.25 | 東京地裁 |
土地の買主が、地中からコンクリートガラ等が発見されたとして、瑕疵担保責任に基づく撤去及び廃棄費用等の支払を求めたのに対し、売主は、買主が売買契約に定める立会の機会を売主に与えなかったからその請求は無効であるなどと主張した事案において、仲介業者は適切に売主に連絡をしており、売主の主張は認められないとして、買主による請求を認めた事例。 |
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104 | R2.9.24 | 東京高裁 |
買主が、購入土地に売買締結時に認識していない地中埋設物や土壌汚染があったとして、瑕疵担保責任又は債務不履行に基づく損害賠償を売主に請求した事案において、当事者双方は、これまでの利用状況等からのその可能性を認識・想定して取引をしたと考えられるとし、買主の倉庫建築に支障となった地中埋設物の除去費用については瑕疵担保責任を認め、他については棄却した事例。 |
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105 | R2.9.24 | 東京地裁 |
土地を購入した買主が、建築有効面積が説明より少ないことが不実告知や隠れた瑕疵に当たるとして、売主業者や媒介業者に対して売買契約の解除や損害賠償を求めた事案において、建築有効面積について断定的な説明がなされたとは認められないとして、その訴えが棄却された事例。 |
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106 | R2.9.23 | 東京地裁 |
賃貸マンションの賃借人が、①ハウスクリーニング特約、②フリーレント特約の開始日の設定、③賃貸入居者総合保険への強制加入は無効であるとして、賃貸人に対して敷金の返還及び損害賠償を請求したが、賃借人の請求には理由がないとして、棄却された事例。 |
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107 | R2.7.22 | 東京地裁 |
建売住宅の買主が、敷地から多量のコンクリート片等が発見されたことから、敷地には隠れた瑕疵があるとして瑕疵担保責任、または、不法行為責任に基づき、建売業者に対し、損害の支払いを求めた事案において、建物の敷地として利用することが可能であり、また、敷地を植栽等としてそのまま利用することは予定されていなかったことから、売買の目的を達することができないとはいえないため、瑕疵とは認められないとして棄却された事例。 |
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108 | R2.7.7 | 東京地裁 |
隣接敷地の所有者で共有されている私道部分について、共有者が共有物分割により単独所有とすることを請求した事案において、共有されている私道部分が平等な立場での通路利用を保障するものであるとして、共有物分割請求を棄却した事例。 |
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109 | R2.6.23 | 東京地裁 |
不動産の購入を断念した買主が、預託した申込証拠金の返還を売主宅建業者に求めた事案において、売買契約書が作成されていないこと、重要事項説明書や業法37条書面を交付した形跡がないこと等から、売主が主張する売買契約の成立は認められないとして、買主の請求が認められた事例。 |
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110 | R2.5.27 | 東京地裁 |
購入した土地にガラだけではなく、建物の地下部分、梁などが埋設されていたことが、隠れたる瑕疵に当たるなどとして、買主が売主に損害賠償を求めた事案において、売主は、契約時に物件状況報告書でそれらが埋められていることを説明しており、隠れた瑕疵には当たらないなどとして、その請求を棄却した事例。 |
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111 | R2.5.19 | 東京地裁 |
築後60年以上経過した木造平屋建賃貸住宅(本件建物)が老朽化しており、耐震診断を含めた現況調査を行う必要があるとした、貸主の立入り要請に関し、借主は、民法第606条2項に基づき、かかる現況調査を行うことをを妨害してはならないことの請求が認められた事例。 |
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112 | R2.3.27 | 東京地裁 |
中高層建物を開発・分譲する目的で土地建物を購入した不動産業者が、取壊し予定の建物から石綿が発見されたとして、瑕疵担保責任特約に基づき、売主個人に対してその除去費用の支払いを求めた事案において、本件特約の解釈上、隠れた瑕疵に当たるとして請求全額が認容された事例。 |
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113 | R2.3.26 | 東京地裁 |
マンションの地下に設置されていた駐車場及び倉庫を借りていた賃借人が、豪雨により駐車していた外国製自動車、倉庫に保管していた時計や骨とう品等が浸水被害を受けたとして、賃貸人に対し、損害賠償を請求した事案において、賃貸人は過去の豪雨により浸水事故防止措置を講じており、また、過去に例のない降雨により発生したもので、賃貸人の義務違反による不法行為及び債務不履行に当たるものではないとして、その請求が棄却された事例。 |
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114 | R2.3.24 | 東京地裁 |
賃貸アパートの賃借人が、賃貸人に対し、上階からの漏水対応で使用収益義務ないし修繕義務を履行しなかったとして、賃貸借契約の債務不履行に基づく損害賠償の支払い、また退去後の過払賃料と敷金返還を求めた事案において、債務不履行に基づく損害賠償請求の一部が認められた事例。 |
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115 | R2.3.18 | 東京地裁 |
定期借家契約の契約更新がない旨の特約に関し、借地借家法38条2項所定の事前説明が行われたかが争われた事案において、説明を委任した媒介業者が重要事項説明にて事前説明をしたとする貸主の主張につき、貸主が媒介業者に事前説明をしたとする貸主の主張につき、貸主が媒介業者に事前説明の代行を委任した証拠はないなどどして、同契約の契約更新がない旨の特約は無効と判断された事例。 |
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116 | R2.3.18 | 東京地裁 |
新築マンションの買主が、売主・施工会社に対して、給湯設備に接地線が取り付けられていない、電源通信線の直径等が据付工事説明書及び内線規程に違反するなどの瑕疵があったとして損害賠償を請求したが、施工会社提示の補修相当額のみが認められた事例。 |
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117 | R2.3.11 | 東京高裁 |
隣地賃借人が売買土地の一部に賃借権が存在すると主張したため、売買契約が解除となり、買主に違約金等を支払った売主業者が、隣地賃借人に対し不法行為を理由に損害賠償を、また、前の売主と媒介業者に対し、債務不履行等を理由に損害賠償を請求したが、いずれの請求も棄却された事例 |
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118 | R2.3.10 | 東京地裁 |
契約面積が約35坪と記載された賃貸借契約につき、実際の面積約28坪を超える部分の賃料差額について錯誤無効による不当利得返還請求及び説明義務違反による損害賠償を求めた事案において、面積の広狭が賃貸借契約締結の主要部分ではなかったとして、請求が棄却された事例。 |
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119 | R2.3.10 | 東京地裁 |
借地権売買契約を締結した買主が売主に対し、底地人の住所・氏名について登記情報と住民票を合致させるための書類を交付しなかった債務不履行があり、違約により契約を解除したとして違約金等を求めた事案において、契約上、当該債務の明白な両者の合意は認められないとして棄却された事例。 |
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120 | R2.3.9 | 東京地裁 |
詐欺被害に遭った個人(複数)が、詐欺行為を行った法人、その代表者、その営業部長、及びその法人が賃借し、本店として使用していた建物の転貸人、その代表者、その取締役(建物所有者)らに対して、共同不法行為責任等に基づく損害賠償を求め、建物賃貸人らに対する請求は棄却された事例。 |
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121 | R2.2.27 | 東京地裁 |
マンション1階の集合郵便受に、チラシ1枚が投函されたことについて、1階部分への立入禁止の表示及びチラシ投函拒否の表示に反する行為であって、不法行為を構成するとして、慰謝料10万円等の支払いを求めた事案において、その訴えを棄却した事例。 |
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122 | R2.2.26 | 東京地裁 |
中古マンションの買主が、売主業者や媒介業者が雨漏り履歴を故意に隠蔽したとして、売買契約の錯誤無効などを主張した事案において、売主業者の説明義務違反を認定し、慰謝料40万円を認容した事例。 |
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123 | R2.2.18 | 東京地裁 |
借地権付建物の売買契約締結に向けた交渉中に、その契約が締結されることを前提に費用を支出した購入検討者が、その後に相手方が契約締結を拒否したことが信義則上の義務違反にあたるとして、支払った地盤調査費用等の賠償を求めた事案において、その請求が棄却された事例。 |
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124 | R2.2.18 | 東京地裁 |
築後45年を経過し老朽化したアパートに係る、賃貸人の賃貸借契約解約申入れについて、正当事由の補完として立退料100万円をもって認容した事例。 |
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125 | R2.2.18 | 東京地裁 |
賃借人が逮捕され、連絡が取れなくなった賃貸人が、緊急連絡先である賃借人の実母に連絡し、居室内の動産の扱いについて相談を行い、賃貸人側で処分して欲しいとの依頼を受けて動産処分を行ったが、賃借人が実母に、非常時の事務処理を委任していた事実や、賃借人本人の承諾があったとは認められないとして、賃借人の慰謝料請求を一部認容した事例。 |
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126 | R2.2.18 | 東京地裁 |
収益物件の買主が、媒介業者に対し、賃貸借契約や建物の状況の正確な情報を調査、説明をしなかったとして損害賠償を求めた事案において、媒介業者の不完全履行による買主の損害として、説明賃料と実際賃料の差額約11ヵ月分および支払済媒介手数料の半額を認めた事例。 |
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127 | R2.2.14 | 東京地裁 |
借地権の譲渡承諾を停止とする借地権付建物売買において、買主が売主に対し、主位的に、停止条件が成就し売買契約が成立したとして建物の引渡し等を求め、予備的に、売主の表明保証特約違反の債務不履行による違約金等の支払いを求めた事案において、停止条件の不成就により契約は成立しておらず、売主に債務不履行もないとして、買主の請求が全て棄却された事例。 |
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128 | R2.2.13 | 東京地裁 |
土地建物の売買契約を締結した買主業者が売主業者に対し、重要事項説明において建物が違法建築物である説明をしなかったとして、手付金の返還および違約金等の支払いを求めた事案において、売主は建物の容積率超過や遵法性に問題があることの説明をしており、買主が主張する説明義務違反、告知義務違反は認められないとして、その請求を棄却した事例。 |
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129 | R2.2.7 | 東京地裁 |
賃貸住宅の隣地居住者が、賃貸住宅の建築業者に対し、賃貸住宅の廊下に目隠しを設置する合意があったとして、また、賃貸住宅の所有者に対し、廊下は民法235条1項の縁側にあたるとして、目隠しの設置と慰謝料を求めた事案において、目隠し設置の合意は成立していない、民法235条1項の縁側にもあたらないとして、その請求を棄却した事例。 |
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130 | R2.1.31 | 東京地裁 |
借主が、建物不具合等を理由に一方的に賃料を減額して支払うことから、貸主が賃貸借契約の解除及び建物明渡しを求めた事案において、建物には借主の使用収益が妨げられるほどの不具合は認められないとして、貸主の請求を認めた事例。 |
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131 | R2.1.30 | 東京地裁 |
分譲マンションの地下駐車場を保有している売主業者が、買主であるマンション管理会社に対し、残代金支払期限を徒過したとして違約金等を求めたが、売買契約は無権代理により無効であり、仮に有効でも手付解除期限条項は宅建業法違反により無効として、その請求を棄却した事例。 |
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132 | R2.1.30 | 東京地裁 |
隣地所有者が前所有者との境界の合意を覆したことにより、売買代金の減額を余儀なくされたとする、土地売主から隣地所有者に対する売買代金減額分相当の損害賠償請求が認容された事例。 |
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133 | R2.1.29 | 東京地裁 |
建築中の新築マンションを購入契約した買主が、引渡し後、サービスバルコニー前の電柱の存在について説明を受けていないとして、売主業者に対して損害賠償を求めた事案において、売主にその責任は認められないとして請求が棄却された事例。 |
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134 | R2.1.29 | 東京地裁 |
隣室等の改修工事による粉塵等により被害を受け退去せざるを得なくなったとした賃借人が、賃貸人に損害賠償や慰謝料を求めた事案において、賃借人の主張する粉塵等の被害は受任限度を超えるものと認めるには足りないとして棄却された事例。 |
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135 | R2.1.27 | 東京地裁 |
建物の所有者が、隣接する建物の壁面に設置された防犯カメラによりプライバシー権が侵害され、転居等を余儀なくさせられたとして、隣接建物の所有者に損害賠償を請求したが、社会通念上受忍限度を超えるものとまではいえないとして、請求が棄却された事例。 |
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136 | R2.1.20 | 大阪地裁 |
売主が土地売買契約を履行しないとして、買主が売買契約解除による違約金等の支払いを、媒介業者が媒介契約に基づく媒介報酬等の支払いを売主に求めた事案において、売主の意思能力は相当程度低かった等の事情から、買主らが主張する売買契約・媒介契約の成立は認められないとして、それらの請求を棄却した事例 |
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137 | R2.1.17 | 東京地裁 |
建売住宅の買主が、同じ売主業者から隣接地等を購入した三者間で各自の所有地の一部を共同で利用する協定を締結したものの、隣接地所有者がその協定に反して車両を駐車させて通行を妨げる等したことから、対象地部分の通行権の確認、車両駐車・通行妨害等の禁止、慰謝料の支払いを隣地所有者に求めた事案において、慰謝料以外の請求が認容された事例 |
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138 | R2.1.16 | 東京地裁 |
共有持分1/2を所有する賃貸人が、賃借人の不払賃料全額を保証会社に請求したところ、保証会社は、賃貸人が契約解除を請求しなかったことは保証の免責条項にあたるとして、支払いをしなかったため、賃貸人が提訴し、原審では不払賃料全額の1/2のみの請求を認容したため、保証会社、賃貸人とも控訴した事案において、免責事由の発生前に生じた保証まで免責とすることは信義則に反する一方、賃料債権は分割債権であるとして、原判決が相当とされた事例。 |
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139 | R2.1.9 | 東京地裁 |
別荘を購入した買主が、その建物に瑕疵があったにもかかわらずこれを秘して売却したとして、媒介業者及び売主に対し、売買代金相当額及び慰謝料等の損害賠償を求めた事案において、買主の主張する瑕疵は、いずれも説明済、あるいは瑕疵に該当しないとして、請求が棄却された事例。 |
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140 | R1.12.26 | 東京地裁 |
中古分譲マンションの買主が、購入の約3年後に発生した専有部分内での天井崩落事故に関して、その原因と見られる漏水について、売主はこれを認識していたものの告げずに売却したため売買契約を解除した、媒介業者はその調査説明を怠ったとして、売主及び媒介業者に売買代金相当額の支払いを求めた事案において、売買契約締結当時、係る漏水が発生していた証拠はないとして、請求が棄却された事例。 |
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141 | R1.12.25 | 東京地裁 |
建売住宅の買主が、ガス会社と締結したLPガス供給契約を解除したため、ガス会社が、主位的に、ガス設備の売買予約契約が成立したとして、ガス設備の代金支払いを、予備的に、利益調整合意に基づく残存価値分の支払い等を求めた事案において、売買予約契約は無効である等として、ガス会社の請求が全て棄却された事例。 |
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142 | R1.12.12 | 東京地裁 |
築後57年を経過した木造平屋建て戸建住宅に係る、賃貸人の賃貸借契約終了・建物明渡請求について、賃借人には自己使用の必要性があり、老朽化による建替の必要性も認め難いとして、正当事由が認められなかった事例。 |
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143 | R1.12.5 | 東京地裁 |
特定緊急輸送道路沿いのビルと一体的に建設された旧耐震建物に係る、借主に対する貸主からの建物明渡請求について、4000万円余の立退料支払いをもって、正当事由が認められた事例。 |
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144 | R1.12.3 | 東京地裁 |
売買契約を手付放棄により解除した買主に対して媒介業者が約定の媒介報酬の支払いを求めた事案において、買主が主張するような契約解除時には報酬を請求しない旨の合意があったとは認められないとして、請求が全面的に認容された事例。 |
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145 | R1.11.27 | 東京地裁 |
借地権付き戸建を売却する契約を締結した売主が、当該売買契約が買主の違約により解除されたことから、土地所有者に対して支払済みの承諾料の返還を求めた事案において、当該売買契約が解除されたことが、直ちに承諾料を支払うことの合意に消長を来すものではないとして売主の請求が棄却された事例。 |
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146 | R1.11.27 | 東京地裁 |
賃借人が、入居前に行った害虫防除工事等により、目や喉に痛みを感じる健康被害を受け、居住することができず、転居を余儀なくされたとして、契約時に支払った初期費用等及び仲介手数料を媒介業者に対し請求した事案において、借主主張の症状が防虫工事等に起因するとの証拠がないなどとして、その請求が棄却された事例。 |
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147 | R1.11.26 | 東京地裁 |
サブリース会社と賃貸借契約を締結した賃貸人が、借地借家法第28条における「正当事由」の規定は、サブリースのような契約形態は想定の範囲外であること、契約書に両当事者から解約申入れにより解約できる約定があること等を理由に、同条は適用されるべきでないと主張し、明渡しと使用損害金の支払いを求めた事案において、サブリース契約にも借地借家法第28条の適用があるとして、請求が全て棄却された事例。 |
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148 | R1.11.26 | 東京地裁 |
原野商法より損害を蒙った高齢者による、詐欺行為を行った宅建業者、その代表者、ならびにその専任の取引士に対する詐欺被害についての損害賠償請求がいずれも認容された事例。 |
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149 | R1.11.20 | 東京地裁 |
媒介業者が、検査済証がないことを説明して中古戸建の売買仲介を行ったが、買主が建物に建築基準法違反があることの説明義務違反があったなどとして報酬を支払わないことから、買主に対し媒介報酬の支払を求めた事案において、買主が主張する事項は、特段の事情がない限り、媒介業者に説明義務はないとして、媒介報酬の請求が認められた事例。 |
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150 | R1.10.31 | 東京地裁 |
マンションの1室を賃借した借主が、当該マンションにおいて外壁改修工事が行われたいたことの調査説明を、媒介業者が怠ったとして、既払の家賃等の損害賠償を求めた事案において、媒介業者は重要事項説明書に記載し、実際に説明をしていたとして、その訴えを棄却した事例。 |
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151 | R1.10.30 | 東京高裁 |
代物弁済により温泉権を取得したとする原告が、温泉が湧出する土地の所有者に対して、温泉権を有することの確認及び使用料相当額の損害金を求めた事案において、現代の高度な掘削技術をもって新たに湧出させた温泉については、原則として、慣習法上の温泉権を掘削地の所有権とは別の物権として成立することはないとして棄却した事例。 |
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152 | R1.10.29 | 東京地裁 |
中古マンションの買主が、売主に対して、瑕疵担保責任に基づき、建物の雨漏りに伴う防水工事ならびに室内復旧工事費用の支払いを求めた事案において、雨漏りの修理に必要な最小限度の防水工事費用の請求のみ認められ、その余の請求が棄却された事例。 |
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153 | R1.10.25 | 東京地裁 |
賃借人が原賃貸借契約の定めに反し、店舗建物を転借人に無断転貸したとして、賃貸人が原賃貸借契約を解除したことにより、改めて賃貸人と賃貸借契約を締結することとなった転借人が、転貸人と媒介業者は、原賃貸借契約に無断転貸禁止等の定めがあることについて転借人への説明を怠ったとして、転貸人に差入れていた保証金等と、新たに賃貸人と締結した賃貸借契約に基づき賃貸人に差入れた保証金等の支払いを両者に求めた事案において、転貸人に差入れていた保証金の支払いについての請求が認められた事例。 |
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154 | R1.10.23 | 東京地裁 |
買主に賃貸用共同住宅の転売物件の紹介と物権説明を行い、売主債務を重畳的に引き受けた事実上の売主(宅建業者)に対し、レントロール記載の共用部電力使用料金の説明が事実と異なっていたことから、買主が損害賠償を求めた事案において、調査が不十分であり、説明義務違反はあったとして、損害賠償請求の一部が認められた事例。 |
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155 | R1.10.9 | 東京地裁 |
建物の賃借を断られた外国人借主が、貸主と媒介業者に対して、賃貸借契約の成立等を主張した事案において、賃貸借契約の成立は否定されたが、媒介業者の「A国人には仲介しない」との説明が差別的であるとして、慰謝料10万円が認められた事例 |
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156 | R1.10.1 | 東京地裁 |
賃貸借契約を合意解約する際に原状回復工事を賃貸人が実施することを条件に原状回復工事費用を支払ったと主張する賃借人が、賃貸人に対し、同工事を実施せず、新賃借人への賃貸により不当利得を得たとして損害賠償を求めた事案において、賃借人が当該工事費用を支払うことでその原状回復義務を免除し、建物明け渡しが完了した等の合意がされていたとして、その請求を棄却した事例。 |
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157 | R1.9.27 | 東京地裁 |
賃借人が貸室内をいわゆる「ゴミ屋敷」状態にして異臭を発生させ、また火災警報器の復旧や漏水調査を拒否した等により、賃貸借契約を解除したとして、賃貸人が建物や駐車場の明渡し等を求めた事案において、全部認容した事例 |
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158 | R1.9.26 | 東京高裁 |
売主宅建業者から投資用マンション2室を購入した買主が、売主に違法な勧誘行為があったとして損害賠償請求した事案において、その請求が一部認容された事例 |
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159 | R1.9.26 | 東京地裁 |
賃貸マンション建築用地の買主が、売主業者に対し、地中埋設物が建築工事中に発見され、その撤去工事を行ったとして、撤去工事費用と逸失利益(竣工遅延に伴う賃料相当額)の支払いを求めた事案において、裁判所がその存在を認めた地中埋設物の撤去工事費用相当のみ請求が認容された事例 |
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160 | R1.9.24 | 東京地裁 |
事務所ビルの賃借人が共用部に大量の荷物を置くことや賃料延滞が契約違反に当たり、期間満了による賃貸借契約の更新拒絶には正当な事由があるとして、賃貸人が賃借人に建物明渡しを求めた事案において、賃借人の契約違反の程度は重大であるとして、その請求を全て認めた事例 |
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161 | R1.9.20 | 東京地裁 |
アパートに入居した賃借人が、部屋から大量の虫が発生し、本件建物には、隠れた瑕疵があった。また、賃借人の喘息の持病を知りながら、体調に及ぼす影響等について説明もせず、害虫駆除作業を行ったため、本件建物で生活することができなくなり退去せざるを得なくなったとして、賃貸人に対し、退去費用等を請求した事案において、賃貸人は適切に対応したとして、その請求を棄却した事例 |
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162 | R1.9.19 | 東京高裁 |
媒介業者から賃貸マンション建築を前提とした賃貸収支等の提案を受け、土地を購入したが、提案の建物が建築できず、利回りが下落したことで、媒介業者が買主に和解金を支払う合意があったとして、買主が媒介業者にその支払いを求めた事案において、和解契約の成立及びその支払請求を認めた事例 |
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163 | R1.9.17 | 東京地裁 |
有料老人ホームに隣接するマンション居住者が、同ホームを建築した建築主及び建築会社に対し、受忍限度を超える日照・眺望の阻害を被った、建築工事の騒音・振動によって損害を被ったなどとして、同ホームの4階部分の撤去及び不法行為に基づく損害賠償を請求したが、いずれも理由がないとして棄却された事例。 |
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164 | R1.9.17 | 東京地裁 |
RC造3階建の建物の建築を目的として土地を購入した買主が、土地の地中から不法投棄された大量の廃棄物が発見され、目的とした建物の建築ができなかったとして、売主に対し、瑕疵担保責任に基づく売買契約の解除及び損害賠償を請求した事案において、買主の請求は特約により期間を経過しているとして、その請求を棄却した事例 |
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165 | R1.9.3 | 札幌高裁 |
店舗建物の所有者が、賃借申込を撤回した申込人に対し、賃貸借契約の条件について合意に達しており、契約が成立していた等として予定された違約金等の支払いを求めた事案において、契約の成立及び違約金の請求は棄却され、予備的請求の実際に支払った解体工事契約解除に伴う損害金相当額の支払い請求が認められた事例。 |
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166 | R1.8.30 | 名古屋高裁 |
土地の売主が、買主の残代金不払いにより契約を解除したとして、買主に違約金の支払いを求めた一方、特約に定められた隣地所有者の立会を得て作成された確定測量図が交付されていないことから契約を白紙解除したとして、買主が売主に支払済手付金の返還を求めて反訴した事案において、買主の手付金返還請求が認められ、売主の請求は棄却された事例。 |
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167 | R1.8.29 | 東京地裁 |
築約27年の賃貸物件の買主が、躯体への浸水等の瑕疵があったとして、売主業者及び管理業者に対し、主位的に、これらについての調査説明義務違反もしくは瑕疵担保責任に基づき、契約を解除したとして支払済み売買代金等の支払いを、予備的に、これらの補修費用の支払いを両者に求めた事案において、買主の主張する瑕疵の存在は認められないとして請求が棄却された事例。 |
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168 | R1.8.21 | 東京高裁 |
マンションの管理組合管理者が、不特定多数の者に宿泊施設として居室を使用させている区分所有者に対し、区分所有法6条1項の共同の利益に反する行為にあたるとして、民泊行為の停止及び弁護士費用の支払を求めた事案において、他の区分所有者の共同の利益に反する行為と認められるとして民泊営業の停止及び弁護士費用の一部の支払いを命じた事例。 |
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169 | R1.8.9 | 東京地裁 |
売買土地の廃材等の地中埋設物の瑕疵により、買主に和解金を支払った売主が、媒介業者には、同土地に廃材等の埋設可能性について、売主又は同土地の廃棄物処理を行った業者に確認する義務があったとして損害賠償を求めた事案において、媒介業者に埋設物の存在を疑うべき事情はなかったとしてその請求を棄却した事例 |
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170 | R1.7.18 | 東京地裁 |
土地を購入した買主が、その土地の境界線上に設置された所有者不明の境界塀のうち越境部分の建替え工事を行うため、隣地所有者に対し、土地の一部使用及び工事の妨害禁止を請求した事案において、越境部分を含む境界塀が隣地所有者との共有物と認定され、隣地所有者の合意がない限り、工事をすることはできないとして、買主の請求が棄却された事例。 |
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171 | R1.7.18 | 東京地裁 |
賃貸不動産の売買において、テナントとの賃貸借契約では賃貸借期間満了時に保証金を償却するとしているのに、保証金のうち償却分相当額を除いた残額しか引き渡さなかったとして、買主が、売主業者と売主側媒介業者に償却分相当額の支払い等を求めた事案において、売主と買主間で、償却分相当額控除後の保証金を引き継ぐとした合意があることから、買主の主張は失当であるとして、その請求を棄却した事例 |
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172 | R1.7.17 | 東京高裁 |
賃貸人が連帯保証人に滞納賃料等の支払いを請求した原審において、連帯保証人からの黙示の意思表示による連帯保証契約の解除が認められ、解除日以降の未払賃料等の支払い義務が否定され、また、解除日以降の支払請求は権利濫用として許されないと判示されたため、不服として提起された控訴において、連帯保証人の黙示の意思表示による連帯保証契約の解除は斥けられたが、賃貸人の連帯保証人に対する未払賃料の支払い請求の一部が権利濫用にあたるとして棄却された事例 |
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173 | R1.7.16 | 東京地裁 |
原野商法の被害者が、宅地建物取引士に対し、宅建業者と共謀して、詐欺行為を行ったなどとして、共同不法行為に基づき、損害金の支払を求めた事案において、宅地建物取引士に詐欺行為への関与は認められないが、名義貸しにより宅建業者の詐欺行為を幇助したとして、その請求を認めた事例。 |
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174 | R1.7.5 | 東京地裁 |
仕事で来日した際の住宅として、賃借人のいる住宅を購入した個人が、賃借人に対し、賃貸借契約満了による終了に基づき、建物明渡と明渡までの使用損害金支払を求めたが、明渡の正当事由は認められないとして、請求を棄却した事例。 |
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175 | R1.7.5 | 東京地裁 |
2区画(3筆)の土地を一括して売却した売主が、媒介業者に対し、本来一括売却であれば必要のない減額査定をされたため安価で売却せざるを得ない状況に陥らされたとして、債務不履行に基づく損害賠償請求をした事案において、媒介業者の査定に不要な減額がされていたなどの事情は認められないとして棄却された事例。 |
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176 | R1.7.4 | 東京地裁 |
福祉施設開設目的で共同住宅の1室を賃借した事業者が、消防法上必要となる自動火災報知設備の設置を賃貸人に求めたが拒否されたため、契約を解除し、賃貸人及びその代理人の宅建業者に損害賠償を請求した事案において、契約内容から、貸主にはその設置義務はなく、消防法の規制についても宅建業者は容易に知り得なかったとしてその請求を棄却した事例 |
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177 | R1.6.25 | 東京地裁 |
媒介手数料の支払いを求めた媒介業者に対し、買主が、隣地建物の越境に関して事実に反する説明をしたとして、媒介業者の債務不履行に基づく損害賠償請求権をもって、媒介手数料との相殺を主張した事案において、媒介業者が、軒以外に越境していない旨を説明した事実は推認できないとして、媒介業者の請求を認容した事例 |
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178 | R1.6.25 | 東京地裁 |
媒介業者が破産したため、当該媒介業者に賃貸借の敷金を預託していた貸主が、同社を会員とする保証協会に対して、宅建業法64条の8第2項に基づき認証申出をしたところ、同協会がこれを拒否したため、借主が認証を求めて提訴した事案において、当該敷金交付請求権は、宅地建物取引業に関する取引により生じた債権には該当しないとしてその請求が棄却された事例 |
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179 | R1.6.24 | 東京地裁 |
土地売買契約の買主の地位の譲渡契約を締結した法人(譲受人)が、引渡日までに建物取壊し・更地引渡しが行われないことにより当該契約を解除したとして、譲渡人に対して手付金の返還と違約金の支払いを求めた事案において、譲受人の請求が認容された事例 |
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180 | R1.6.11 | 東京地裁 |
土地建物の売買契約の決済期限が買主都合により3度延長された後に、売主が買主に対し、履行遅滞による契約解除及び違約金を求めたのに対し、買主が融資解除特約による契約解除を主張した事案において、融資解除特約は決済期限延長の際に効力を失ったと解されるとして、売主の請求を認めた事例 |
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181 | R1.5.29 | 東京地裁 |
原野商法を行った会社へ名目上の代表取締役等を紹介して同社から報酬を得ていた不動産業者の代表取締役に対し、原野商法の被害者が、損害賠償を求めた事案において、その斡旋行為は不法行為の幇助に当たるとして損害賠償請求の一部が認められた事例。 |
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182 | R1.5.20 | 東京地裁 |
建物賃貸人が、建物の一部を借り、鍼灸整骨院を営んでいた賃借人と連帯保証人に対し、無断で店舗前部分を使用したり賃料等を不当に争うなどして滞納したことから、主位的に賃貸借契約の終了に基づき、予備的に同契約の更新を拒絶したとして、建物明渡と未払賃料等の支払を求め、建物明渡と未払賃料支払の一部が認められた事例。 |
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183 | R1.5.17 | 東京地裁 |
建築中の賃貸建物の隣接住人が、当該建物により、自宅への日照が妨げられ、人格権等が侵害されるとして、土地の所有者及び建物を建築する不動産業者に対して、高さ7.2mを超える部分の建築工事の差止めを求めた事案において、建物に法令違反は認められないこと、隣接住人の日照阻害の程度等が社会通念上一般に受忍すべき限度を超えていないなどどしてその請求が棄却された事例。 |
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184 | H31.4.25 | 東京地裁 |
建物使用目的が住居とした転貸可能な借家において、借主が貸主の承諾なく民泊に使用したことが、賃貸借契約の使用目的に反し、貸主との間の信頼関係の破壊にあたるとして、貸主の賃貸借契約の解除及び建物の明渡しを認めた事例。 |
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185 | H31.4.24 | 東京地裁 |
賃貸マンションの買主が、引渡された建物に雨漏りがあったとして、売主に対して補修費用相当額の支払いを求めた事案において、その雨漏りは瑕疵にあたり、売主は損害を賠償する責任を負うが、買主は売主の補修工事実施申出を拒否し、損害を拡大させた等として、売主主張の範囲に限り、売主に支払いを命じた事例 |
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186 | H31.4.24 | 東京地裁 |
土地建物を購入した買主が、その建物について建築確認申請がされていない違法建築である旨の説明をしなかったことは、重要事項の説明(告知)義務違反に当たると主張し、売主及び媒介業者に対し、転売の際値引きせざるを得ない損害を負ったとして、その損害賠償を請求した事案において、取引時に行われた重要事項説明書で検査済証は取得していない旨の説明をしており、買主は複数の投資用不動産を所有しているなどの属性に照らせば、売主及び媒介業者は説明義務を果たしたとして、買主の請求を棄却した事例 |
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187 | H31.4.9 | 熊本地裁 |
占有者の法律生活上の利益に弊害が生ずることの防止がされていない事情のもと、業として、占有権限について紛争がある不動産を、所有者の利益を図る目的で買い受け、占有者に明渡しや賃料相当の損害金を請求することは、弁護士法第73条に違反し権利の濫用として認められないとされた事例。 |
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188 | H31.3.25 | 東京地裁 |
コインパーキング事業者が、その隣地建物所有者に対し、建物の壁面タイル落下の危険性により駐車場営業ができなかったとして、工作物責任に基づく損害賠償を求めた事案において、駐車場利用者の危険の現実化が認められる事業者が閉鎖した部分の逸失利益一千万円余が認められた事例 |
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189 | H31.3.19 | 東京地裁 |
私道のみに接道する土地の所有者が、建物建築のため当該私道所有者に給排水管等の掘削工事の承諾を求めたところ、多額の承諾料を要求されたことから、当該私道の掘削工事の承諾及び妨害禁止を求めた事案において、その請求が認められた事例 |
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190 | H31.3.15 | 東京地裁 |
敷地に唯一接する私道での通行妨害により、建築建物の完成が約2年遅延したことから、建築主が、遅延による追加工事代金等の支払いを妨害者に求めた事案において、妨害者には、妨害行為に出ざるを得ない事情があったとはいえず、不法行為にあたるとして請求の一部が認容された事例。 |
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191 | H31.3.14 | 東京高裁 |
賃貸人が賃借人に、通常損耗分も含めた原状回復費、貸室内で殺人事件が発生したことによる損害賠償金、未払賃料等の支払を求めた(本訴)のに対し、賃借人は約定に記載された原状回復負担分を控除した保証金の返還を求めた(反訴)事案において、賃借人が通常損耗を負担する旨の合意はなく、また、年数を経たことで殺人事件による損害賠償義務はないとして、賃貸人の請求を棄却し、賃借人の反訴請求を一部認容した事例。 |
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192 | H31.3.5 | 最高裁 |
専有部分の電気料金削減を目的とする一括受電方式への変更のために、各区分所有者等にその専有部分の既存の電気受給契約を解約することを義務付ける決議が管理組合でなされた場合であっても、一部の区分所有者がこれに従わないことが、他の区分所有者に対する不法行為を構成するものではないとされた事例 |
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193 | H31.2.21 | 東京地裁 |
建物の賃貸人が、賃借人の賃料不払を理由に賃貸借契約を債務不履行解除したとして、賃借人に未払賃料の支払い等を、転借人に建物明渡しを求めた事案において、契約の解除等を争わない賃借人に対する請求は認め、転借人に対する請求は、賃貸借契約の解除は合意解除と評価すべきであり認められないとして棄却された事例。 |
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194 | H31.2.15 | さいたま地裁 |
原野商法の被害者が、不法行為を行った会社の代表取締役として、名義を貸した者に対し損害賠償を求めた事案において、被害者が詐取された金員及び弁護士費用相当額が認められた事例 |
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195 | H31.2.13 | 東京地裁 |
マンション1階のビルトイン型駐車場について、貸主が駐車場契約を解除し借主に明渡しを求めた事案において、①当該駐車場は借地借家法の建物に該当する、②駐車場契約は居室と不可分一体の契約であるとした借主の主張を棄却し、貸主の請求を認めた事例 |
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196 | H31.2.6 | 東京地裁 |
賃貸借契約直後に大規模修繕工事の予定があることを知り、賃借建物を退去した借主が、当該説明がなかったことを理由に、貸主に家賃の一部、引越費用、慰謝料等を求め、他方、貸主が借主に建物明渡遅延損害金等を求め反訴した事案において、貸主の当該工事の説明義務違反を認め、借主の慰謝料請求の一部は認めたが、錯誤無効の主張は棄却し、貸主請求の建物明渡遅延損害金等を認めた事例 |
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197 | H31.1.31 | 東京地裁 |
投資用マンションの売買契約を締結した買主が、売主に対し、消費者契約法の不実告知、不利益事実の不告知に基づく取消し、詐欺取消し、錯誤無効等を主張したが、棄却された事例 |
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198 | H31.1.23 | 東京地裁 |
売主業者が土地を取得し、マンションを建築して買主業者に売り渡す契約において、予想外の建築コストが掛かることが判明したため、売主が買主に白紙解除を通告のうえ土地を第三者に転売したことから、買主が違約解除したとして違約金を求め、認められた事例。 |
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199 | H31.1.21 | 東京地裁 |
売却物件の隣地所有者による、売主に対しては、売買対象地の樹木や建物の管理不備により損害が発生したとした損害賠償等請求、媒介業者に対しては、建築制限の設定要求が果たされなかったことによる慰謝料請求が棄却された事例 |
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200 | H31.1.17 | 東京地裁 |
隣接土地所有者の排水管の一部が無断で自己の所有地を通っているとして、排水管の撤去を求めたが、当該請求は棄却され、隣接土地所有者が地役権を有することの確認請求が認められた事例 |
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201 | H31.1.11 | 東京地裁 |
LPガス会社とガス供給契約を締結した賃貸共同住宅の所有者が、契約期間中に供給契約を他のLPガス会社へ変更したことにつき、LPガス会社が供給契約に基づき、ガス設備の買取を求めた事案において、LPガス会社の請求が認められた事例。 |
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202 | H31.1.11 | 東京地裁 |
投資用マンションの売主が、買主の契約違反により売買契約が解除されたとして、買主に売買代金の20%相当の違約金を請求し、買主が消費者契約法に基づく契約の取消し等を主張した事案において、買主は消費者には当たらないが、違約金を約定どおり負担させることは公平性を損なうなどとして、違約金の額が代金の10%相当に減額されて認容された事例 |
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203 | H31.1.9 | 東京地裁 |
宅建業者から建売住宅を購入した買主が、融資承認取得期日までに金融機関からの承認が得られなかったことを理由に、契約解除期日までに売買契約を解除した旨主張し、売主に対してローン特約に基づき手付金の返還を求めた事案において、金融機関から融資の事前審査の承認は得られたものの、融資承認取得期日までに正式審査の承認は得られていないなどとして、ローン条項の適用を認め、買主の手付金返還請求を認容した事例 |
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204 | H30.12.20 | 東京地裁 |
購入した土地が隣接している私道を使用する必要がある土地で、私道所有者から買主に交付された「私道通行掘削承諾書」が、買主宛てではなく前の所有者宛てであったため、買主が債務不履行を理由に売買契約を解除したと主張し、売主に対し売買代金等の返還請求をした事案において、特約で、前の所有者宛ての承諾書と同じ標題である「私道通行掘削承諾書」の交付を義務付けており、また、重要事項説明の附属書類として同承諾書を添付していたことから、売主が前の所有者宛ての承諾書を交付してたことにより交付義務は果たしているとして、買主の請求が棄却された事例 |
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205 | H30.12.18 | 東京地裁 |
媒介業者を排除して直接取引にて売買契約を締結した売主に対して媒介業者が媒介報酬の支払いを求めた事案において、媒介業者の媒介による売買契約の成立を妨げる故意があったとして、民法第130条に基づき、売主に対して媒介報酬の支払いを命じた事例。 |
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206 | H30.12.14 | 東京地裁 |
「貸事務所、スタジオに最適」との広告を見て、借主が、芸能事務所として建物の一室を賃借したが、ダンススタジオへの使用を建物の自治会に認められなかったことから、貸主・仲介業者の虚偽の説明により無用の賃貸借契約を締結させられたとして損害賠償を求めた事案において、貸主らは借主の目的使用を知らなかったとしてその請求を棄却した事例。 |
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207 | H30.12.12 | 東京地裁 |
ピアノ教室による騒音被害を理由に退去した賃貸マンションの借主が、貸主は楽器使用不可の物件を賃貸すべき義務を怠った、媒介業者は建物全体が楽器使用不可か調査すべき義務を怠ったとして損害賠償を求めたが、貸主らに借主が主張する義務はなかったとして棄却された事例。 |
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208 | H30.12.4 | 東京地裁 |
家庭菜園目的に売主業者の分譲地を購入したが、造成は一部しかされず、そもそも土地の造成が規制された土地であったことから、買主が売買契約の詐欺取消しを主張した事案において、売主には買主に対する欺罔行為があり、買主の売買契約の詐欺取消しは有効として、売主に売買代金及び諸費用の買主への返還を命じた事例 |
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209 | H30.11.30 | 東京地裁 |
宅建業者の原野商法により山林を購入させられた買主が、当該宅建業者を社員とする宅地建物取引業保証協会に対して、弁済業務保証金から弁済を受ける権利の認証を求めた事案において、取引の対象となった山林は宅地建物取引業法の「宅地」に該当しないとして、その請求が棄却された事例 |
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210 | H30.11.29 | 東京地裁 |
土地建物売買の媒介業者が、当該媒介業者を排除して第三者のためにする契約を行った売主と買主及びその関連会社(最終買主)に対し、停止条件付媒介契約の条件成就を妨害したとして、媒介契約に基づく媒介報酬の支払いないし不法行為に基づく損害賠償の支払を請求し、その請求が認められた事例。 |
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211 | H30.11.27 | 東京地裁 |
永住権を有さず、日本語が理解できない不動産の買主が、売主に対して、主位的に、売買契約の約定(融資特約)に基づく手付金の返還又は売買契約の錯誤無効に基づく不当利得返還を、予備的に、売買契約に関する債務不履行による損害賠償を求め、提訴した事案において、融資特約は有効であり、買主の意思表示に錯誤もない等として、買主の請求が棄却された事例 |
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212 | H30.11.13 | 東京地裁 |
買主がフラット35の融資を利用する予定を知りながら、融資特約を設定・助言する義務を怠った等として、買主が媒介業者に対して媒介契約の債務不履行による損害賠償を求めた事案において、媒介業者に義務違反は認められないとして買主の訴えが棄却された事例 |
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213 | H30.11.9 | 東京地裁 |
戸建住宅を簡易宿泊所営業目的の借主に賃貸したところ、近隣住民より、宿泊者による迷惑行為に関する苦情が多発した。苦情に対する借主の対応が消極的であったことは、近隣トラブルの発生時に借主の費用と責任をもって解決するとした賃貸借契約の特約違反であり、借地借家法28条の正当事由に該当するとして、貸主の契約更新拒絶を認めた事例 |
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214 | H30.10.31 | 東京高裁 |
転貸人が既存テナント退出に伴い後継テナントを募集したところ、これに応じた賃借申込人との交渉がなされ、契約条件について合意に達したにもかかわらず、賃借申込人が契約締結を拒否し、一方的に交渉を打ち切ったとして、転貸人が新賃借人からの賃料収入が得られるまでの間の賃料相当損害金等の支払いを求めた事案において、転貸人の請求が一部認められた事例 |
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215 | H30.10.30 | 東京地裁 |
マンションの賃貸人が、仲介した媒介業者に対し、賃貸借契約に違約金条項を入れなかったことで、裁判上の和解により賃借人に和解金を支払い、損害を被ったとして、媒介契約に基づく債務不履行に基づき、和解金額等を求めたが、原審で請求が棄却され、控訴審でも棄却された事例 |
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216 | H30.10.24 | 東京地裁 |
投資物件を媒介した媒介業者が、買主に媒介報酬を請求したのに対し、買主が、媒介業者には転借人の賃料の説明を怠った又は不実の告知をした義務違反があるとして、媒介契約の解除及び損害賠償を求め反訴した事案において、媒介業者の媒介報酬の請求は認められたが、買主の損害賠償請求も一部認められた事例 |
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217 | H30.10.4 | 東京地裁 |
原野商法の二次被害により損害を蒙った高齢者による、詐欺行為を行った宅建業者、その代表者、ならびにその宅建業者が事務所を賃借する際に賃貸人への連帯保証人となった当該業者の個人株主に対する詐欺被害についての損害賠償請求がいずれも認容された事例。 |
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218 | H30.10.1 | 東京地裁 |
中古マンションの買主が、高齢な両親に死を連想させる墓地等の嫌悪施設が周辺に存在しないこと等を購入条件として売主及び媒介業者に伝えていたにもかかわらず、売買契約締結後、周辺に遺体一時保管施設や同施設に反対するのぼりや看板等が存在することが判明したとして損害賠償を求めた事案において、売主及び媒介業者の不法行為や説明義務違反はなかったとして買主の請求を棄却した事例 |
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219 | H30.9.27 | 東京地裁 |
土地売買の媒介をした宅建業者が、買主業者に媒介報酬の支払を求め、一方、買主業者が、既存擁壁を取り壊す必要がないとする誤った説明により損害を受けたとして反訴した事案において、媒介業者の報酬請求は棄却され、買主業者に生じた損害額が認められた事例 |
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220 | H30.9.26 | 東京地裁 |
買主が、建物の基礎及び躯体が隣地との間に設置された擁壁と一体構造となっており、実質的に建物の建替えが不可能であったにもかかわらず、売主及び媒介業者が、契約締結に際し、その旨を説明する義務を怠ったとして、両者に対し、債務不履行又は不法行為に基づき、損害金の支払を求めた事案において、建物の建替えが不可能であると認めることはできないとして、買主の請求が棄却された事例 |
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221 | H30.9.21 | 東京地裁 |
約20年前から賃貸中の土地・建物を購入した買主が、媒介をした媒介業者に対し、建物に建築基準法違反があることの説明を怠った義務違反があるとして損害賠償を請求した事案において、媒介業者の説明義務違反は認められたが、買主主張の損害との間に相当因果関係は認められないとして、その請求を棄却した事例。 |
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222 | H30.9.18 | 東京地裁 |
売主自らが公衆浴場を営んでいた借地権付き建物の買主が、売主に対して、建物取壊し後に土壌調査義務が生じることの説明義務を怠った、土壌に油分による汚染がないと誤認させる説明をした、土壌汚染を認識していたのにその説明を怠った等として、土壌改良工事に要した費用の支払いを求めた事案において、売主は土壌汚染の可能性があることを告知し、買主もその可能性や土壌調査の必要性を認識していたうえ、売主が土壌汚染のあることを認識していたとも言えないとして、買主の請求が棄却された事例 |
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223 | H30.8.9 | 東京地裁 |
マンション管理組合が、不特定多数の者を対象として宿泊施設として使用させる行為(民泊)をしている区分所有者に対し、管理規約に反するとして、民泊行為のために使用することの差止め及び違約金の支払いを求めた事案において、管理規約に反するとして、民泊行為の差止めと違約金の支払い請求が認められた事例 |
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224 | H30.8.8 | 東京地裁 |
事務所を改装した店舗を、居抜きの状態で賃借した借主の原状回復義務の範囲について、スケルトン状態までか、あるいは事務所仕様までかが争いになった事案において、証拠等により、貸主は、借主が退去の際には事務所の状態に復することを条件に、前借主から借主への居抜きによる賃借権の譲渡を承諾したものとして、借主に事務所仕様の内装までの原状回復義務を認めた事例 |
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225 | H30.7.20 | 東京地裁 |
売主業者が築後50年以上経過した土地建物を購入し、大規模なリノベーション工事を行って買主に売却したところ、建物に隠れた瑕疵があったとして損害賠償を求めた事案において、建物の屋根庇の軒先から軒裏にかけての部分の腐食について瑕疵と認め、その他については瑕疵を否定し、損害賠償額について調停委員会の算定額をもって認めた事例 |
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226 | H30.7.11 | 東京地裁 |
買主が、駐車場2台付きの賃貸収益物件であるとの広告を見て仲介業者の媒介により売主(宅建業者)から新築アパートを購入したところ、駐車場の一台分が窓先空地規制により賃貸できなかったことから、売主および仲介会社に対し、虚偽の広告により新築アパートを売ったとして、損害賠償を求めた事案において、慰謝料のみを認めた事例。 |
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227 | H30.7.11 | 東京地裁 |
飲食店を営むために建物を賃借したところ、賃借部分の過半が飲食店として使用不可能であったとして、賃借人が賃借するのに要した費用等の賠償を賃貸人に求めた事案において、賃借人の請求が認められた事例 |
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228 | H30.7.9 | 東京地裁 |
購入した共同住宅に雨漏り及び給湯設備の瑕疵があったとして、買主が、売主に対し、原状回復工事費用、防水工事費用等を請求した事案において、一部が認められた事 |
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229 | H30.7.4 | 東京地裁 |
借地権付建物の売買契約において、売主が地主から金融機関に対する融資承諾書の発行の事前承諾を得られなかったとして、買主が契約解除及び違約金を求めた事案において、特約の事前承諾を得ることは、努力義務にすぎないとして、その請求を棄却した事例 |
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230 | H30.6.18 | 東京地裁 |
中古住宅の買主が、売主から建物の物干し場、車庫について、建築確認申請が行われていない説明を受けていないとして、錯誤による売買契約の無効を主張し、不当利得返還請求、不法行為に基づく損害賠償請求を行ったが、売主に説明義務があったとは認められない等として棄却された事例。 |
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231 | H30.6.6 | 東京地裁 |
土地建物の売主が、媒介業者が本件建物の消費税相当額を含めて売買代金を検討させるべき善管注意義務に違反したため、消費税相当額を含めない売買代金で買主に売却することとなり、買主から得べかりし本件建物の消費税相当額の損害を被ったと主張し、媒介業者に対し、媒介契約の債務不履行に基づき、消費税相当額等の損害金支払いを求めたが、その請求が棄却された事例 |
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232 | H30.6.5 | 東京地裁 |
建物の借主が、貸主に承諾なく保証会社との保証委託契約を解除する旨の意思表示を行ったことなどは、信頼関係の破壊にあたるとして、貸主が、賃貸借契約解除に基づく建物明渡し及び賃料相当損害金の支払いを求める訴訟を提起し、その請求が認められた事例 |
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233 | H30.5.25 | 東京地裁 |
高齢者が、所有している自宅マンションを、被る不利益を十分に理解していないことに乗じて著しく低廉な価格で売却させられたことは、公序良俗に反し無効であるとして、買主に対し、所有権移転登記の抹消と弁護士費用及び慰謝料を求めた事案において、所有権移転登記の抹消と弁護士費用一部の支払が認められた事例 |
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234 | H30.4.16 | 東京地裁 |
媒介契約を解除して直接取引したことが報酬請求権発生の停止条件成就の故意による妨害(民法第130条)にあたるとして、媒介業者が売主に媒介報酬を求めた事案において、媒介契約を解除したことに正当な理由があるとしてこれを棄却した事例。 |
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235 | H30.4.5 | 東京地裁 |
建物の賃貸人が賃借人が賃貸借契約上の「配管点検、修理を行う場合は、借主無条件にて協力する」との特約に基づく債務を履行しないため、債務不履行解除したと主張して建物の明渡しと賃料倍額相当の損害金の支払いを求め、認容された事例。 |
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236 | H30.4.5 | 東京地裁 |
飲食店舗の設備不備を理由に賃料支払を拒んだことから、貸主から賃貸借契約の無催告解除の通知を受けた借主が、敷金や開業準備費用等計421万円余等の支払いを求めた事案において、貸主には債務不履行に基づく賠償責任があるとして、敷金の返還と開業準備費用等の一部を認めた事例。 |
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237 | H30.3.30 | 東京地裁 |
賃貸借委託契約の受託者が賃貸借契約書の倒産解除条項が無効であること等について貸主(委託者)に助言を行わなかったため、貸主が別件の建物明渡請求訴訟の提起を余儀なくされたとして、受託者に対し損害賠償を求めたが、受託者の助言義務違反が認められず、貸主の請求が棄却された事例 |
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238 | H30.3.29 | 東京地裁 |
売主に成りすました者と売買契約を締結し、手付金を詐取された買主が、媒介業者に対して、媒介契約上の善管注意義務違反を理由に損害賠償を請求した事案において、その請求が一部過失相殺の上認められた事例 |
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239 | H30.3.29 | 東京地裁 |
土地を購入して4年経過後に目的とする自宅建物を建築しようとしたところ、建築の障害となる地中障害物等が発見されたため、買主がその除去及び地盤改良費用等の支払いを売主及び媒介業者に求めた事案において、地中障害物の存在を把握していた売主の賠償責任を認め、売主より敷地内残存物がないと説明を受けていた媒介業者の調査義務は否定した事例 |
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240 | H30.3.28 | 東京地裁 |
転売利益を得られるとした媒介業者の勧誘により、未完成マンション一棟の売買契約を締結したが、残金決済日までに転売の目処がたたず、契約を手付解除した買主が、媒介業者に対して、放棄した手付金、支払った媒介手数料相当額の損害賠償を求めた事案において、その請求を過失相殺により一部減額して認めた事例 |
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241 | H30.3.28 | 東京地裁 |
不動産媒介業者から紹介を受けたビルに関し、書類の交付確認、雨漏り調査及び特約の説明において、調査・告知義務等の違反により損害を被ったと主張する買主が、媒介業者に対して損害賠償を請求したが、調査・告知義務等の違反はなかったとされ、請求が棄却された事例。 |
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242 | H30.3.27 | 東京地裁 |
賃借人の退去を前提とする土地・建物の売買契約を締結した売主が、媒介業者に対して、建物の賃借人に定期借家契約が有効でないとされ、その退去に解決金の支払いを要したことについて、定期借家契約の有効性に疑義があること、賃借人が退去しなかった場合に売主は違約金を支払わなければならないことの説明をしなかった注意義務違反があるとして損害賠償を請求した事案において、売主が支払った解決金及び弁護士費用相当額を認容した事例 |
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243 | H30.3.22 | 東京地裁 |
賃貸人が、賃料滞納を理由に、賃借人らの賃貸建物への立入りを不可能にし、また、賃借人らの家財道具一式を撤去及び処分したことにより、賃借人らが、賃貸人に対し不法行為に基づく損害賠償を求めたのに対し、賃貸人が未払賃料の支払いを求めた事案において、賃借人らの請求を認容し、賃貸人に170万円強の支払いを命じた事例 |
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244 | H30.3.19 | 東京地裁 |
築約27年の賃貸物件の買主が、引渡しの約5か月後にエレベーターが故障し使用不能になったとして、売主宅建業者に対し、瑕疵担保責任もしくは説明義務違反に基づく損害賠償(補修工事費用支払)を求めた事案において、引渡時点では問題なく稼働していたうえ、契約上相応の経年劣化は想定されており、売主が資料開示を怠ったとも認められない、としてその請求が棄却された事例 |
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245 | H30.3.15 | 東京高裁 |
借入金の返済に窮していた個人売主より不動産を購入した法人買主から当該不動産を買い受けた宅建業者が、個人売主に建物の明渡を求めた事案において、個人売主から法人買主への売却金額が著しく廉価で、売買契約は公序良俗に反し無効であり、かつ、明渡しを求める宅建業者はかかる事情について善意無過失の第三者とは認めがたいとして、宅建業者の請求が棄却された事例 |
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246 | H30.3.13 | 東京地裁 |
土地の売主が、決済日に買主が、契約を履行しなかったとして契約を解除し、違約金の支払いを買主に求め、他方、買主が、売主が約定の埋設管撤去を怠っていたので決済を留保していただけであるのに、売主は、第三者に土地を売却し、履行不能になったとして違約金の支払いを売主に求め反訴した事案において、買主請求を棄却し、売主請求を認めた事例 |
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247 | H30.3.6 | 東京地裁 |
マンションの一室を賃借したが、目的とするエステサロンの営業ができなかったとして借主が媒介業者に損害賠償を請求した事案において、媒介業者は住居専用であることを説明したとして、その請求を棄却した事例 |
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248 | H30.3.2 | 東京地裁 |
ペットの管理を適切に行わない区分所有者に対する、マンション管理組合の当該区分所有部分の競売請求、及び当該区分所有部分の使用禁止、玄関ドア補修、損害賠償請求が認められた事例 |
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249 | H30.2.28 | 東京地裁 |
事務所ビルの媒介報酬を媒介業者が買主に請求したのに対し、エレベーターの不具合にかかる調査説明義務違反を理由に買主が媒介業者に損害賠償を求め反訴した事案において、買主の反訴請求を棄却し、媒介業者の請求を認めた事例 |
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250 | H30.2.23 | 東京地裁 |
土地の売買契約を締結した買主が、売主は完全な土壌汚染除去工事を行う義務を怠ったとして、一方、売主も、買主は残代金を支払わないとして、相互に債務不履行に基づく契約解除及び違約金の支払いを求めた事案において、売主は土壌汚染を完全に除去する義務を負っているとは認められないとして、買主の請求を棄却し、売主の請求を認容した事例 |
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251 | H30.2.16 | 東京地裁 |
土地の買主が、不動産業者である売主に対し、売買契約時の合意又は売買契約に付随する信義則上の義務として、売主が埋設された既存杭の位置の告知義務を負い、また既存杭等が隠れた瑕疵に当たるとして、債務不履行又は瑕疵担保責任に基づき、地中障害に伴う工事費用等の損害金等の支払いを求めたが、いずれの請求も棄却された事例 |
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252 | H30.2.16 | 東京地裁 |
共同住宅の賃借人が、賃貸人には窓及びサッシに大量に発生した結露への対応を怠った債務不履行があるとして転居費用等を請求した事案において、賃貸人に修繕義務はないとしてその請求を棄却した事例 |
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253 | H30.1.31 | 東京地裁 |
土地の買主が、売主側媒介業者が被越境事実を説明しなかった、契約の締結を不当に引き延ばしたために競合する買主が現れて売買代金を引き上げざるを得なくなった、暴言を吐いた、などとして損害賠償を請求した事案において、5万円の慰謝料のみを認めた事例。 |
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254 | H30.1.31 | 東京地裁 |
私道上の電柱移設を希望する私道持分所有者が、移設に反対する私道持分所有者に対し、民法251条または252条に基づき、移設に協力をする、または、移設に同意する信義則上の義務があるとして、移設に応じない行為は継続的不法行為を構成するとして、移設と慰謝料等の支払いを求めた事案において、どちらの義務も認められないとして請求が棄却された事例。 |
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255 | H30.1.30 | 東京地裁 |
建物を譲り受けた建物賃貸人が、賃借人に対し、契約更新時に支払うべき更新料が未払いであり、また、賃料が増額されたにもかかわらず従前の賃料しか支払われていないとして、これらの支払いを求めるとともに、契約更新時に償却された保証金の補填がなされていないとして、その償却済の保証金相当額の預託を求めた事案において、その請求が全て棄却された事例 |
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256 | H30.1.25 | 東京地裁 |
借主が雨漏り対応の不備などを理由に、賃料を支払わず、また根拠を示すことなく損害賠償を請求してきたことから、貸主が賃貸借契約を解除したとして建物明渡及び未払賃料等の支払いを求めた事案において、借主の賃料不払等の行為により、賃貸借契約の基礎となる信頼関係は破壊されていたとして、貸主の建物明渡し及び未払賃料等の請求を認めた事例 |
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257 | H30.1.19 | 東京地裁 |
マンションの一室の賃貸借契約を締結した賃借人が、媒介業者の瑕疵ある媒介によって損害を被ったなどとして、媒介業者に対して損害金等の支払いを求めた事案において、賃借人の請求には理由がないとして、その請求が棄却された事例。 |
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258 | H29.12.25 | 東京地裁 |
中古戸建を購入した買主が、売主や媒介業者が、契約の際に虚偽の説明をするなどしたため、騒音や振動にさらされることになったとして、両者に対して不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、売主は騒音や振動に悩まされていたとは認められず、虚偽の説明をしたとは認めることはできないとして、買主の請求が棄却された事例 |
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259 | H29.12.21 | 東京地裁 |
建築基準法上の接道要件を満たしていない土地所有者らが、隣地所有者との間で将来的にセットバックする旨の合意が成立していたにもかかわらず、隣地の相続人がセットバックせず、同土地を第三者に売却したとして、土地所有者らが相続人に、接道要件を満せなくなったことに伴う所有地の減価額相当の損害金等の支払を求めた事案において、隣地所有者が将来的に必ずセットバックする債務を負うとする合意が成立したと認めるに足りないとして、請求が棄却された事例 |
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260 | H29.12.19 | 最高裁 |
賃借人が契約当事者を実質的に変更したときは賃貸人は違約金を請求することができるなどの定めのある賃貸借契約において、当該賃借人が吸収分割の後は責任を負わないものとする吸収分割により契約当事者の地位を承継させた場合に、当該賃借人が上記吸収分割がされたことを理由に上記定めに基づく違約金債権に係る債務を負わないと主張することが信義則に反し許されないとされた事例。 |
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261 | H29.12.13 | 京都地裁 |
共同住宅の一室で賃借人が自殺をした3カ月後、心理的瑕疵が生じたために当該建物とその敷地を、通常の価格の約5割減額して第三者に売却したとして、賃借人の保証人等に対して、当該減額相当額の損害賠償と原状回復費用、賃料の逸失利益を請求した事案において、当該減額相当額の損害賠償請求は排斥し、逸失利益の一部、及び原状回復費用を認容した事例。 |
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262 | H29.12.8 | 東京地裁 |
店舗の借主が、原状回復義務の履行に代えて同義務の履行に代わる金員を支払ったところ、貸主が原状回復工事を実施せずに第三者に賃貸したことは、原状回復工事実施義務違反であると主張して、支払った金員の返還を求めたが棄却された事例 |
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263 | H29.12.7 | 東京地裁 |
店舗付共同住宅を購入した買主が、売買対象とされた土地の一部が国有地であり、建物がその国有地上に越境して建築されていることについて売主業者や媒介業者は説明を怠り、その国有地の買取りを余儀なくされたうえ、売買契約は国有地の反対側の公道に接道していることを前提とした価格で締結したものであった等として、国有地の買取り費用・既往使用料、過払の購入代金の支払いを売主業者と媒介業者に求めた事案において、国有地の買取り等に要した金額のみ請求が認められた事例 |
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264 | H29.12.1 | 東京地裁 |
分譲マンションの購入者が、階下住人の度重なる粗暴な攻撃行動やその他の迷惑行為により、マンションの売却・転居を余儀なくされたとして、階下住人に対して求めた不法行為に基づく損害賠償請求が一部認められた事例 |
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265 | H29.11.28 | 東京地裁 |
店舗賃借人が、建物の老朽化や耐震性能不足により賃借した店舗の使用が不可能になり、賃貸借契約が終了したとして既払い賃料や保証金の返還等を賃貸人に求め、他方賃貸人が、賃借人に建物明渡の遅滞による違約金や原状回復工事費等の支払いを求めた事案において、賃借人の賃貸借契約の終了の主張が否定され、賃貸人の反訴請求が一部認容された事例 |
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266 | H29.11.28 | 山口地裁 |
法人が賃借する共同住宅の貸室の一室で、その従業員と、知人と思われる遺体が発見された状況から嘱託殺人ないし同意殺人(心中)が疑われたことから、賃貸人が賃借人に対して、賃貸借契約上の債務としての善管注意義務に違反するとして、損害賠償等を求めた事案において、その請求が棄却された事例 |
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267 | H29.11.27 | 東京地裁 |
借主が、説明を受けていない条例により、予定していた「飲食店営業」を行えず、「喫茶店営業」を強いられていると主張して、共同不法行為により、貸主、借主の両宅建業者と貸主に対し、予備的に債務不履行又は瑕疵担保責任により、借主側宅建業者と貸主に対し、損害賠償を求めた事案において、宅建業者の注意義務違反と相当因果関係のある損害は認められないとして、請求は棄却されたものの、条例の内容を説明しないことは、宅建業者の注意義務違反であるとされた事例 |
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268 | H29.11.20 | 東京地裁 |
宅建業者から不動産を購入した21歳の買主が、負担なく利益が確実に得られるかのような勧誘を受け、その結果多額の債務を負わされたなどとして、売主である宅建業者、同社の代表者及びその従業員並びに媒介業者及びその代表者に対して、不法行為による損害賠償請求権に基づき損害金の支払いを求めた事案において、売主と代表者及びその従業員に対する請求がほぼ認められ、媒介業者及びその代表者に対する請求は棄却された事例 |
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269 | H29.11.15 | 東京地裁 |
買主が媒介業者に対して、雨漏り修理の内容等について誤信させる説明を行ったため、購入後に雨漏りによる修繕費用が必要となり、また、引き渡しが遅延したことにより損害を負った等として、損害賠償を求めた事案において、契約締結時点で雨漏りがあったとは認められず、媒介業者の説明義務違反は認められないなどとして、その請求がすべて棄却された事例。 |
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270 | H29.11.15 | 東京地裁 |
売主のあっせんによって買主が金融機関から購入資金の融資を受けたときは媒介契約に基づく媒介報酬を支払わないとする旨の合意があったとして、直接取引にて買主と売買契約を締結した売主が媒介業者に対する媒介報酬の支払いを拒絶した事案において、売買契約は媒介業者の媒介により成立したものであるとして、民法130条(条件成就の妨害)に基づき、媒介業者による約定の媒介報酬請求全額を認容した事例。 |
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271 | H29.11.8 | 東京地裁 |
借地権付き建物を購入した買主が、当該建物を宿泊施設等として利用するための用途変更ができずに売買契約を解除せざるを得なかったのは、媒介業者の説明義務違反が原因であるとして、媒介業者に対して、既払の媒介報酬の返還及び売主に没収された手付金相当額の支払を求めたのに対し、媒介業者が、買主に媒介報酬の残金の支払を求めて反訴した事案において、買主の請求が棄却され、媒介業者の反訴請求が認められた事例 |
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272 | H29.10.26 | 東京地裁 |
隣地との所有権界に疑義があるという瑕疵が存在すると主張して、買主が売主の相続人に対して瑕疵担保責任等に基づく損害賠償を請求した事案において、売買契約当時に所有権界に関する紛争が生じていたとか、紛争の生ずる蓋然性が存した証拠がなく、瑕疵があったとはいえないとして、その請求を棄却した事例 |
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273 | H29.10.20 | 東京地裁 |
老人ホーム建設用地として造成地を取得した買主が、地中に多数の転石があったとして、売主に対して工事費増額分とこれらの処分費等の支払いを求めた事案において、売主からの重要事項説明書の記載からもこれらの存在の可能性は明らかであるとして、請求が棄却された事例。 |
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274 | H29.10.11 | 東京高裁 |
破産した会社の元代表者を売主代理人とする土地売買契約を締結した買主が、売主の契約不履行を理由に、契約の解除、手付金の返還及び違約金の支払いを請求したが、原審が全て棄却したことから、手付金の返還のみに請求を凝縮して控訴した事案において、売買契約当時、売主代理人は売主会社の代表権も代理権も有しておらず、売買契約は成立していないとした原判決は相当としてその請求を棄却した事例 |
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275 | H29.10.3 | 東京地裁 |
土地及び土地の借地権を更地渡しの約定で購入した買主が、地下室や解体ガラが地中に残置されていたとして、売主及び解体工事請負業者に対して、その撤去・処分費用の支払いを求め、認められた事例。 |
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276 | H29.9.29 | 東京地裁 |
買主が、所有権を取得できなくなる可能性が極めて高いことを秘して売却したとして、主位的に、売主と元売主に詐欺による共同不法行為に基づく売買代金相当額等の支払いを求めるとともに、予備的に、元売主に信義則上の告知義務違反による共同不法行為等に基づく売買代金相当額等の支払を求めた事案において、買主の請求が認容された事例 |
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277 | H29.9.28 | 東京地裁 |
建物の賃借人が賃貸借契約における2回の更新時期に更新料を支払わないこと等を理由に、賃貸人が未払更新料の支払及び建物の明渡しを求めた事案において、当該未払いは信頼関係の破壊にあたるとしてその請求を認容した事例 |
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278 | H29.9.22 | 秋田地裁 |
原野商法の被害者が、詐欺行為を行った宅建業者に名義貸しをした宅地建物取引士に、共同不法行為による損害賠償を求めた事案において、宅地建物取引士には名義を貸した宅建業者が詐欺行為をするなどしてその顧客に損害を被らせることを予見する義務があり、名義の使用承諾は宅建業者の詐欺行為の幇助にあたるなどとして、その請求を認めた事例 |
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279 | H29.9.22 | 東京地裁 |
給湯が集中方式である居室を賃借したが、たびたび給湯されない不備があり、改善要請にも応じてもらえないことから退去した賃借人が、賃貸人に対し給湯不備による損害、引越費用、敷金の返還等を求めた事案において、引越費用等は因果関係がないとして認められなかったが、水道代給湯代の8割相当額等について損害を認めた事例 |
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280 | H29.9.20 | 東京地裁 |
マンションの管理組合が区分所有者の一人に対して未払いの管理費及び修繕積立金等の支払いを請求した事案において、当該区分所有者が求めた共用部分に起因する専有部分の雨漏りの修繕義務と、管理費等の支払い義務は、履行上の牽連関係があるとの同時履行の抗弁の主張を否定し、管理組合による請求を認めた事案 |
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281 | H29.9.15 | 東京地裁 |
賃借人が貸室内で死亡後、約2か月半放置されたことから、賃貸人が相続人に対して、賃貸借契約の終了に基づき、原状回復費用、賃料相当損害金及び賃借人の善管注意義務違反に基づく損害賠償等を求めた事案において、原状回復費用及び賃料相当損害金の支払請求が認められ、その余の請求は棄却された事例 |
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282 | H29.9.14 | 東京地裁 |
特例容積率適用地区内の容積利用権を譲渡した土地所有者が、土地課税台帳の登録価格を不服とした審査申出が棄却されたことから、当該審査決定の取消しを求めた事案において、容積利用権譲渡による減価要因を考慮していない価格は固定資産評価基準によって決定された価格とはいえないとして、その請求を認容した事例 |
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283 | H29.9.12 | 東京地裁 |
買主が、購入物件の敷地に係る擁壁のひび及びスラブの老朽化の隠れた瑕疵が存在したとして、主位的には、売主と仲介業者に、瑕疵に係る説明義務違反を内容とする共同不法行為に基づき、予備的には、売主に、瑕疵担保責任に基づき、諸費用を含む購入代金と転売価格との差額の支払を求めた事案において、買主は瑕疵が存する蓋然性について、十分な説明を受けたものと認められるとして、請求が棄却された事例 |
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284 | H29.9.11 | 東京地裁 |
海外の不動産売買取引に関して、宅建業者の行為により被った損害について買主が保証協会の認証を求めて訴えた事案において、海外不動産には宅地建物取引業法の適用はなく、保証協会が行う弁済業務の対象にならないとして棄却された事例。 |
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285 | H29.9.5 | 東京地裁 |
新築分譲マンションの買主が、売主の平置駐車場の提供義務違反、オプション工事等の履行不完全により契約を解除したとして、手付金の返還と違約金の支払いを売主に求めた事案において、売主に売買契約に違反する債務不履行はなく、残代金支払いを拒絶した買主に対する売主の違約解除は相当であるとして、買主の請求を棄却した事例 |
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286 | H29.9.4 | 東京地裁 |
外国人が代表者である不動産投資会社が、不動産の購入に際し、媒介業者が合意した法人設立登記の手配、契約関係書類の翻訳・提供等を行なわなかったとして損害賠償を請求した事案において、媒介業者の対応に合意違反は認められないとしてその請求を棄却し、媒介報酬を求める媒介業者の反訴請求を認めた事例 |
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287 | H29.8.23 | 東京地裁 |
社宅として賃借する借主法人の申入れにより、貸主が賃貸借契約の解除に合意したところ、社宅の入居者が、実質的な借主であるなどとして契約解除の無効、建物の明渡しを拒絶した事案において、賃料の負担者は借主内部の問題であり、それにより賃貸借契約の借主の主体が一方的に変更されるものではないとして、貸主の入居者に対する建物明渡し等の請求を認めた事例 |
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288 | H29.7.20 | 東京地裁 |
賃借したアパートの隣室からの騒音を放置したことは賃主の義務違反であり、また、当該騒音対策の実施と賃料の支払義務は同時履行の関係があるとして、借主が慰謝料等の損害賠償の請求及び賃料債務不存在の確認を求めた事案において、借主主張の騒音は受忍限度を超えているとは認められないとしてその請求が全て棄却された事例 |
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289 | H29.7.20 | 東京地裁 |
賃貸借契約締結時に大規模修繕工事についての説明がなかったとして、貸主に賃貸借契約の不成立を通知し、賃料の支払いを拒んだ借主に対し、貸主が、賃貸借契約の解除、建物の明渡及び未払い賃料等の支払いを求める訴訟を提起し、その請求が認められた事例 |
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290 | H29.7.18 | 大阪高裁 |
保育園の近隣居住者が、園児が園庭で遊ぶ際に発生する声等の騒音により精神的苦痛を被ったとして慰謝料及び防音設備の設置を求めた事案の控訴審において、保育園の騒音は一般社会生活上受忍すべき限度を超えるものと評価できないとして、一審同様、近隣居住者の請求を棄却した事例 |
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291 | H29.7.18 | 東京地裁 |
宅建業者である買主には売主が抵当権抹消できるかどうか確認する義務がある、などとしたマンションの売主の主張を採用せず、買主宅建業者の売買契約の解除及び売主に対する違約金請求を認めた事例 |
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292 | H29.6.28 | 東京高裁 |
所有者に成りすました者に不動産の売買代金を騙し取られた買主が、売主の誤った本人確認情報を提供した弁護士に対して損害賠償を請求した事案の控訴審において、その弁護士に所有者の成りすましを疑うに足る事情はなかったとして、買主の請求を一部認容した原審判決を変更し、その請求を全て棄却した事例 |
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293 | H29.6.22 | 東京地裁 |
賃貸店舗の借主が、共用部分に設置した看板が管理規約に違反するとして管理組合から撤去を求められたため、有効な集客が図れず、営業を断念することになったとして、貸主及び媒介業者に説明義務違反等による損害賠償を求めたが、借主は設置規制があることを知っていたとして棄却された事例。 |
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294 | H29.5.31 | 東京地裁 |
1階スナック店舗の経営者が2階住人に対し、カラオケ騒音の警察や区役所への度重なる通報や苦情申入れにより営業妨害を受けたとして、営業損害等の損害賠償を求めた本訴に対して、住人が、平穏な生活が妨害され睡眠障害を患ったとして治療費等を求める反訴をした事案において、住人の行動は違法な営業妨害には当たらないとして本訴を棄却し、反訴については住人の騒音被害を認めて請求を一部認容した事例 |
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295 | H29.5.30 | 名古屋地裁 |
建築中の複合ビルの商業区画について、賃貸借予約契約が締結された後、事前調査の不備等による建設工事中の事故により竣工・開業が大幅に遅延することとなり、かつ遅延について賃貸人が真摯な対応をしなかった等から契約を解除したとして、賃借人が賃貸人に対して、既払い予約金の返還と違約金の支払いを請求した事案において、その請求が全て棄却された事例 |
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296 | H29.5.22 | 東京地裁 |
マンション一室の借主が、居室の床フローリングの損傷について、貸主が賃貸借契約の特約条項に定めた補修義務を履行しなかったため、居室の使用が妨げられ、転居を余儀なくされたとして、損害賠償を請求した事案において、借主の使用収益が妨げられたことによる損害を月1万円程度認めた他は全て棄却した事例 |
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297 | H29.5.19 | 東京地裁 |
土地の買主が、引渡を受けた後の調査によって土壌汚染が判明したため、その調査・浄化費用や逸失利益の支払いを、売主法人を吸収合併した法人に対して求めた事案において、売買契約に売主の瑕疵担保責任を免責する定めがあり、買主の主張には理由がないとして請求を棄却した事例 |
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298 | H29.4.25 | 東京地裁 |
貸主が、借主に賃貸借契約の約定により通常損耗も含めた原状回復費用支払いと、同費用の支払がないためその後の使用ができなかった期間の賃料相当額の支払を求めた原審において、貸主の請求が全部認容されたため、借主が、原判決の取消しを求めて控訴した事案において、約定には通常損耗の範囲を具体的に明記していないとして、原状回復費請求のうち、通常損耗部分の請求が棄却され、通常損耗を超える部分のみの原状回復費の請求が認容された事例。 |
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299 | H29.4.14 | 東京地裁 |
賃貸人が、賃借人の連帯保証人に対し、賃借人の貸室内での死亡に起因する修繕費用等とともに、主位的請求として不動産価値毀損分を、予備的請求として賃料についての逸失利益を求めた事案において、不動産価値の毀損及び賃借人の死亡に起因する修繕費用は認められないとした一方、逸失利益と通常の賃借人の善管注意義務違反による修繕費用の請求が認容された事例 |
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300 | H29.4.11 | 東京地裁 |
マンションの一室について、貸主との間で賃貸借契約書に記名押印をした借主が、貸室の入居日は決まっておらず鍵の引渡を受けていないことから未だ契約は成立していないとして、貸主に支払った契約代金の返還を求めた事案において、借主の主張はいずれも契約成立要件にあたらないとしてその請求を棄却した事例 |
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301 | H29.3.31 | 東京地裁 |
マンション管理組合の管理者が、当該マンションの外壁及び正面玄関庇に取り付けられた石材について、建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵があると主張して、施工した建築業者に対し、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、建築業者には建物としての基本的な安全性が欠けることのないように配慮すべき注意義務違反があるとして、請求の一部が認められた事例 |
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302 | H29.3.28 | 東京地裁 |
原野商法詐欺を行った者に対し、業務提携として、商号使用を許諾し、実印及び印鑑証明書を預託していた、宅地建物取引業者及びその代表者の名義貸し責任による、原野商法詐欺被害者に対する損害賠償責任が、認められた事例 |
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303 | H29.3.24 | 東京地裁 |
建売住宅の不同沈下が発生したのは、適切な地盤改良又は基礎選定が行われず、周辺で発生した地盤沈下に対処することができなかったことが原因であるとして、売主業者に瑕疵担保責任が認められた事例 |
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304 | H29.3.24 | 東京地裁 |
新築マンションの買主が、リビング・ダイニングの一部にパンフレットに記載されている床暖房の設置がなかったとして、債務不履行又は不法行為を主張して、売主業者に設置費用相当額、慰謝料等を請求したところ、売主業者の説明義務違反は認められたが、損害額については大幅に縮減されて認められた事例。 |
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305 | H29.3.23 | 東京地裁 |
貸主が鍵の交換請求に応じなかったことが修繕義務違反にあたるなどと主張して、借主が損害賠償を求めた事案において、鍵を交換することは望ましいといえるものの、貸主の修繕義務として鍵の交換を求められるものではないとして、その請求が棄却された事例 |
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306 | H29.3.13 | 札幌地裁 |
飲食店店舗の外壁に設置された突出看板から支柱が落下し、これに衝突して歩行者が全治不能の傷害を負った事故につき、店舗の責任者に業務上過失傷害罪を認定し、罰金40万円を言い渡した事例 |
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307 | H29.2.27 | 東京地裁 |
建築中の分譲マンションにおける免震ゴムの欠陥判明により、契約済住戸の買主に違約金を支払い売買契約を解除した売主が、免震ゴムの製造会社に違約金の賠償を求めたことに対し、製造会社は手付解除を執りえた売主が違約解除としたことは損害軽減義務違反であると主張した事案において、買主の住宅ローン・オプション工事の申込み等は履行の着手に当らないが、売主が違約解除としたことに不合理でない事情が認められるとしてその請求を認めた事例 |
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308 | H29.2.22 | 東京地裁 |
分譲マンションの地下駐車場区画を購入する契約を締結した買主が、目的とする時間貸駐車場としての利用が不能であったこと、消防用設備に多額の費用を要する改修が必要であったこと等の説明義務違反を理由に、売主及び媒介業者に損害賠償を求めた事案において、両者に説明義務違反は認められないとして買主の請求が棄却され、売主が買主の債務不履行により契約を解除したとして違約金の支払いを求めた反訴請求が認められた事例 |
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309 | H29.2.21 | 東京地裁 |
賃貸保証会社が賃貸借契約解除の通知及び家財等の撤去の通知を行うことなく、借主が賃借していた物件内の家財等を撤去及び処分したことにより、家財類の価額相当の損害を被り、精神的苦痛を受けたとして、借主が賃貸保証会社に対し、不法行為に基づき慰謝料等の損害賠償を請求した事案において、賃貸保証会社の違法性はなく、借主の請求を棄却した事例。 |
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310 | H29.2.7 | 東京地裁 |
戸建住宅を購入した買主が、引渡し後に地下駐車場への浸水事故があったことから、売主業者と媒介業者が過去の浸水事故の調査説明義務を怠ったとして、止水版設置費用や浸水事故があったことによる不動産価格減価分等の支払を両社に求め、請求の一部が認められた事例 |
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311 | H29.2.6 | 東京地裁 |
借主が、ペットによる損耗は賃料に含まれるとしてペット特約の無効と、貸主の注意義務違反により発生したとする損害の賠償を求めた原審で、貸主の注意義務違反による損害賠償請求等が認容されたため、貸主が控訴した事案において、ペット特約の有効性と、貸主に注意義務がないこと等が認容された事例。 |
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312 | H29.1.25 | 東京高裁 |
オフィスビルにおけるテナント従業員の非常階段からの転落死亡事故につき、当該自殺事故により建物価値が毀損したとして、貸主が借主に損害賠償を求めた事案の控訴審において、当該事故は自殺とは認められず、また、借主関係者の過失による死亡事故であったとしても、借主にオフィス用物件である本件建物や本件貸室の価値を下げないように配慮すべき義務を認定できないとして、貸主の1000万円の賠償請求を認容した一審判決を破棄し、貸主の請求を棄却した事例 |
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313 | H29.1.17 | 東京地裁 |
買主が、借地権付建物を購入するに当たり、仲介業者が、売買契約前の賃借権譲渡承諾に関する調査を怠り、また、他買主との同建物売買を仲介したという誠実義務違反によって損害を被ったとして、仲介業者に債務不履行及び不法行為に基づき、損害賠償を請求した事案において、賃借権譲渡承諾の審査は売買契約後とされていたこと、また、特約に基づく売買契約解除により、当然、媒介契約も終了したとして、請求が棄却された事例 |
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314 | H29.1.16 | 東京地裁 |
売主(新築分譲マンション業者)からマンションを購入した買主(個人)が、売買契約の締結に当たり室内の下り天井の高さについての信義則上尽くすべき説明義務を怠ったとして、売主に不法行為に基づき損害賠償を求めた事案において、売主は、買主の意思決定に必要な説明義務を果たしていたとして、買主の請求を棄却した事例 |
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315 | H29.1.16 | 東京地裁 |
賃貸人との間で建物賃貸借契約を締結した賃借人が、賃借しているマンションの一室につき、賃貸人に対して修繕を求めた事案において、その請求が一部認められた事例 |
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316 | H29.1.13 | 大阪地裁 |
マンション管理組合が、本件建物の区分所有者に対し、管理規約上禁止されている不特定の者を宿泊させる営業(民泊営業)を行っていることは、共同の利益に反するとして、民泊営業の停止等、及び訴訟に関して支出した弁護士費用50万円の損害賠償を求めた事案において、当該民泊営業は明らかに管理規約に違反しているとして、賠償請求を認容した事例 |
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317 | H29.1.12 | 東京地裁 |
売主によりシェアハウス用途に改装され、賃貸中であった建物を購入し、購入後の管理を売主に委託した買主が、売主の瑕疵担保責任および管理委託契約の債務不履行に基づく損害等の賠償を売主に請求した事案において、買主の請求が全て棄却された事例 |
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318 | H28.12.27 | 東京地裁 |
ビルの区分所有者らが、管理業務の一環として電気料金の計算・請求を行っていた管理会社に対し、その請求内容に誤りがあり過大な電気料金を支払ったとして、過払金相当額の支払いを求めたものの、その請求が全て棄却された事例 |
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319 | H28.12.20 | 名古屋地裁 |
買主が、売主の不実告知又は不利益事実の不告知により、耐震補強をしていると誤認し売買契約を締結したとして、売主に消費者契約法に基づく売買契約の取消しと、売主、媒介業者に損害賠償を求めた事案において、媒介業者への請求は棄却されたが、売主に対する売買契約の取消しと損害賠償請求が認容された事例 |
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320 | H28.12.20 | 東京地裁 |
賃貸アパートを退去した賃借人が賃貸人に敷金返還を求めて提訴した事案において、賃借人は善管注意義務に反して物件を使用し、その使用状態のまま物件を明け渡したと認められ、賃借人には敷金額以上の原状回復費用負担義務があるとして、敷金返還請求が棄却された事例 |
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321 | H28.12.19 | 東京地裁 |
本件建物(6部屋)につき、賃貸借契約を締結したところ、賃借人が無断で本件建物を16部屋に細分化し、シェアハウスとして不特定多数人に転貸したことから、賃貸人が当該行為は信頼関係の破壊にあたるとして、契約を解除するとともに本件建物の明渡し等を求めた事案において、賃借人の当該行為は賃貸人との間の信頼関係を破壊するものであることは明らかであるとして、その請求を認容した事例 |
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322 | H28.12.14 | 東京地裁 |
相続により不動産を取得した相続人らが、遺言執行者に指定された信託銀行より紹介を受けた媒介業者の媒介により、当該不動産の売買を行ったところ、売却価格が不当に低額であったとして、信託銀行、媒介業者、買主に対し、共謀による虚偽の情報提供等の不法行為に基づく損害賠償を請求した事案において、売却価格は取引価格としての妥当性ないし正当性を有すると認定できるとして訴えが棄却された事例 |
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323 | H28.12.9 | 大阪高裁 |
マンション管理組合の運営に疑念をいだいた当該マンションの区分所有者が、管理組合に対し保管文書の閲覧及び写真撮影を求めた事案の控訴審において、原審判決を変更し、規約に定めのない会計帳簿の裏付資料の閲覧、文書の写真撮影の請求についても認容した事例 |
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324 | H28.12.8 | 津地裁 |
自宅前の道路への折り畳み式ゴミボックス設置の道路占用許可処分を行った行政庁に対して、その設置により道路交通上の危険が生じた、自宅の評価が下落したとして、住民が行政庁に対して処分の取消しを求めた事案において、その住民には処分の取消しを求めるにつき、法律上の保護された利益を有しているということはできず、訴えの原告適格がないとして、請求が却下された事例 |
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325 | H28.12.8 | 東京地裁 |
購入建物において排水機能の瑕疵により浸水が生じ賃借人が退去するなどの損害を負ったとして、買主が売主に損害賠償を請求した事案につき、売主は重要事項説明において過去浸水被害が発生した事等を説明しており、隠れたる瑕疵にはあたらないとしてその請求を棄却した事例 |
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326 | H28.12.2 | 東京地裁 |
テナントビルの賃借人が、契約条件に違反する看板類の設置や共用電源の無断使用を行い、是正要請にも応じなかったため、賃貸借契約を解除した賃貸人が、貸室の明け渡し、看板類の撤去、損害金の支払を求めた事案において、それらが認められた事例。 |
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327 | H28.11.29 | 東京地裁 |
購入した中古マンションにつき、建築後16mの高さ制限が付され、既存不適格建築物であることを重要事項説明書に記載していないことは告知義務違反等にあたるとして、買主が売主及び媒介業者に損害賠償を求めた事案において、口頭にて高さ制限の説明はされていることから告知義務は果たされているとして買主の請求を棄却した事例 |
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328 | H28.11.29 | 東京地裁 |
不動産所有者に成りすました者に、買主が売買代金を騙し取られた事案において、所有権移転登記手続に際し、売主側から依頼を受けた弁護士が、買主に対し、売主に係る誤った本人確認情報を提供したことについて、過失相殺を4割とした不法行為責任が認められた事例 |
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329 | H28.11.29 | さいたま地裁 |
市場性のない土地について、買い取るふりをしながら実質的には順次交換するような売買の勧誘を行い、短期間に購入及び売却を繰り返させ差額代金を支払わせる、所謂原野商法詐欺被害において、一連の行為が全体として詐欺にあたり不法行為を構成するとして、売買を行わせた不動産業者とその元代表者に対する損害賠償請求、土地売買の詐欺による取消し並びに所有権移転登記抹消請求を認めた事例 |
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330 | H28.11.25 | 東京地裁 |
締結した建築条件付土地売買契約につき、請負契約を締結しないことが確定したとして買主が売主業者に手付金の返還を求めた事案において、買主は売主に対する不信感・不安感から請負契約の締結を取りやめたと考えられ、買主の故意の妨げにより本件停止条件は成就したとみなすべきとの売主の主張には理由がないとして、手付金の返還、年6分の割合による金員の支払い及び訴訟費用の負担を売主に命じた事例 |
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331 | H28.11.25 | 東京地裁 |
マンション建築目的の買主が、環境基準を超える汚染土壌の除去費用を売主に請求したところ、汚染は自然由来であり除去等の必要はない等と売主がこれを争った事案において、売買契約の瑕疵担保条項は自然由来の砒素を除外する趣旨は認められない等として買主の請求を全部認容した事例 |
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332 | H28.11.22 | 東京地裁 |
マンションの一室の売買契約において、銀行融資承認取得期限までに承認が得られなかった買主がローン特約条項に基づき売買契約の解除と手付金の返還を求めた事案において、ローン特約条項に定める手付金返還拒絶事由やそれ以外に法的に支払を拒否しうる事情があるとはいえないとして、買主の請求を認容した事例 |
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333 | H28.11.18 | 東京地裁 |
中古住宅を購入した買主が、本件物件の性状の瑕疵や法令違反についての説明を怠ったと主張して、売主・買主双方の仲介業者並びに売主に対して、共同不法行為による損害賠償を請求した事案において、がけ条例に関する仲介業者の説明義務違反による擁壁築造費用等の請求が認められた事例 |
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334 | H28.10.28 | 東京地裁 |
中古住宅を、媒介業者の仲介にて買主業者に売却した売主が、その後、買主業者が第三者に転売したところ、媒介業者及び買主業者に対し、共謀して実勢価格を欺罔して売買契約を締結させたとして損害賠償を請求した事案において、その請求が棄却された事例 |
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335 | H28.10.21 | 東京地裁 |
底地を購入した底地人が、購入する10年以上前の無断改築を理由に、借地人に対して借地契約の解除及び建物収去・土地明渡を求めた事案において、底地人の請求を棄却するとともに、事実的、法律的根拠を欠く底地人の本訴提起は、裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠き、不法行為に該当するとして、借地人に対する慰謝料11万円を認めた事例 |
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336 | H28.10.18 | 最高裁第三小 |
弁護士法23条の2第2項に基づく照会をした弁護士会が、同報告を拒絶した紹介先に対し、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、同照会に対する報告を拒絶する行為が、照会をした弁護士会の法律上保護される利益を侵害するものとして当該弁護士会に対する不法行為を構成することはないとして、弁護士会の賠償請求を棄却した事例 |
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337 | H28.10.14 | 東京地裁 |
賃貸マンションの建て主が、建物建築請負契約及び建築後の管理委託契約を締結した会社に対して、同社は、虚偽・不当な勧誘を行い、説明義務も怠ったなどとして、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、同社が、建物建築請負契約の締結に先立ち、賃貸事業に係る事業収支、特に修繕費について不正確な説明を行ったことは、信義則上の義務に違反し不法行為を構成するとして、その請求が一部認められた事例 |
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338 | H28.10.11 | 東京地裁 |
融資特約に基づく白紙解除及び手附金返還を求めた個人買主に対して、土地の売主である宅建業者が、手附解除期限経過による違約金を請求した事案において、売主が宅建業者である場合の手附解除期限特約は、宅建業法39条2項の規定に反し、同3項により無効である一方、融資特約による白紙解除期限を伸長するとの合意も認められないとして、双方の主張を棄却した事例 |
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339 | H28.10.7 | 東京地裁 |
建築条件付土地売買契約に基づき、売主に依頼し建築された住宅において、排水管が開口状態で放置されていた瑕疵により、悪臭や鼠の被害に悩まされ健康被害を被ったとして、買主が求めた売主及び同工事を施工した下請建築業者に対する慰謝料等の請求が一部認められた事例 |
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340 | H28.10.4 | 大阪高裁 |
仲介に際して、売主の依頼により売買物件の居住者との立退き交渉、貸金問題解決等のコンサルティングを行った、とした媒介業者の報酬収受につき、当該業務は弁護士法72条に違反し不法行為にあたるとして、不動産業者、同代表者、並びに協働した個人業者(宅地建物取引士)に対する、売主の損害賠償請求を認めた事例 |
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341 | H28.9.29 | 東京地裁 |
原状回復を免除された賃借人が、主位的に、?賃貸人に、造作買取請求等による買取代金支払いと、?賃貸人と現賃借人に、備品の所有権侵害による共同不法行為に基づく損害金支払いを、予備的に、?賃貸人と現賃借人に、什器備品等の所有権侵害による共同不法行為に基づく損害金支払いと、?現賃借人に、不当利得返還請求権に基づき什器備品等の時価合計額の支払を求めた事案において、原状回復の免除があっても、造作買取請求等の放棄をも内容とする原状回復特約自体が黙示の合意により失効したと言えないとして、賃借人の請求が全て棄却された事例 |
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342 | H28.8.30 | 東京地裁 |
宅地建物取引業者である売主から中古マンションを購入した買主が、管理組合の財政上の問題及び建物に瑕疵があることを説明しなかったことなどから売買契約の解除を求めた事案において、その主張に理由がないとして、全て棄却された事例。 |
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343 | H28.8.30 | 東京地裁 |
売買契約締結後に買主が、当該売買契約は仲介業者を介して売主から示された設計図通りの建物の建築を前提として締結されたものであるのに、その設計図記載の建物は条例に反し建築できないから、売買契約は錯誤により無効であるとして、支払済み手付金の返還を求めた事案において、設計図通りの建物建築を前提とする買主の動機を、売主が認識していたとは認められず、動機の錯誤による無効をいう買主の主張は理由がないとして請求を棄却した事例。 |
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344 | H28.8.30 | 東京地裁 |
マンションを購入した買主が、宅建業者である売主に対し、容積率違反等の瑕疵が存する、修繕積立金に関する説明を怠ったなどと主張し、契約解除を求めた事案において、契約目的を達せられない瑕疵とは認められず、説明義務違反もないとして、買主の請求が棄却された事例 |
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345 | H28.8.26 | 東京地裁 |
媒介業者が、自らが関係した売買契約は解除となったが、その後の売買成立により報酬請求権を有するとして買主に媒介報酬を請求した事案において、売主依頼の媒介業者の立退き交渉が難航により売買契約が解除となったことで、所有権移転登記完了という報酬支払条件が成就しなかったとして、その請求が棄却された事例 |
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346 | H28.8.23 | 東京地裁 |
買主が売主及び本件ビルの管理を行っていた媒介業者に対して、過去の雨漏りを知りながら、その事実を秘匿して過去の雨漏り事故はなかった旨説明し、買主を誤信させ、本件ビルを購入させたとして、購入後に発生した雨漏り工事の施工費等の損害賠償を不法行為に基づき求めた事案において、売買契約時において雨漏りが発生しており、売主及び媒介業者が認識していたとする証拠はないとして、その請求がすべて棄却された事例 |
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347 | H28.8.19 | 東京地裁 |
貸室内をゴミ屋敷にしたうえ、火災を発生させ、その後退去した賃借人及びその連帯保証人に対し、賃貸人が原状回復費用等の支払いを求めた事案において、貸室を本来機能していた状態に戻す工事費用及び同工事期間中の逸失利益の請求を認め、火災発生により従前より賃料を減額して賃貸せざるを得ないとした逸失利益の請求については否認した事例 |
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348 | H28.8.19 | 東京地裁 |
昭和47年築のアパートに12年間居住した賃借人が負担すべき原状回復費用について、室内塗装費用・クッションフロア張替え費用の5%相当額と査定された事例 |
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349 | H28.8.10 | 東京地裁 |
宅建業者が、買主との間で媒介契約を締結し、媒介行為を行ったものの、買主が宅建業者を排除して売主と直接に不動産売買をし、故意に条件成就を妨げたと主張して、媒介契約に伴う明示黙示の報酬支払合意に基づき、媒介報酬相当額の支払を求めた事案において、媒介契約は成立しているとして請求がほぼ認容された事例 |
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350 | H28.8.1 | 東京地裁 |
不動産の転売を行おうとした不動産業者が、買主の購入意向が固まったとして、所有者と購入契約を締結したが、その直後に買主が契約しないとしたことから、買主との売買交渉をしていた仲介業者に対し、買主の売買契約締結の最終意思を確認する注意義務違反があったとして、所有者と締結した購入契約の違約解除金、転売利益等を損害とする賠償を請求した事案において、仲介業者に注意義務違反は認められないとしてその請求を棄却した事例 |
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351 | H28.7.29 | 神戸地裁 |
不動産の売買契約に際し、対象不動産において「事件・事故」等はなかったかとの買主の質問に対し、売主が約7年前に強盗殺人事件があったことを告知しなかったことは不法行為にあたるとした、買主の売主に対する損害賠償請求につき、その一部が認容された事例。 |
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352 | H28.7.19 | 東京地裁 |
土地の売買契約を締結するにあたり、媒介業者と媒介契約を結んだ買主が、融資の承認が得られなかったため、ローン特約に基づき売買契約を解除したと主張して、媒介業者に対して、支払済みの媒介報酬の返還を求めた事案において、融資不承認は買主の不実・虚偽の申告によるものであるとして、媒介業者に報酬の返還義務はないとされた事例 |
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353 | H28.7.14 | 東京地裁 |
購入した中古ビルに、外壁の爆裂や雨漏り等の瑕疵があったとして、買主が売主に対し、売買契約の瑕疵担保責任条項等により損害賠償を求めた事案において、買主が瑕疵と主張する建物の各不具合は、中古ビルにおいては通常生じうる経年劣化であるとして、その請求を棄却した事例 |
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354 | H28.7.12 | 東京地裁 |
売主に成りすました第三者が売買不動産の所有権移転手続き等を行ったため、催告期限までに売買不動産の引渡義務を履行できなかった売主に対し、買主が違約解除したとして違約金の支払を求めた事案において、引渡しができなかったことについて売主に帰責性はないとして、その請求を棄却した事例 |
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355 | H28.7.12 | 東京地裁 |
賃貸借物件に関し、賃借申込みを行った法人が、仲介業者から虚偽の説明を受け、その結果、計画をしていた物販店の開店が間に合わず損害等3億円余が発生したとし、仲介業者の不法行為に基づき、当該損害金の一部200万円の支払いを仲介業者に求めた事案において、賃借申込者が主張する虚偽説明は認めるに足りる証拠はないとし、賃借申込者の請求が棄却された事例 |
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356 | H28.6.28 | 東京地裁 |
賃貸マンションに約2年間居住した賃借人に対し、賃貸人が原状回復費用を請求した事案において、タバコのヤニ汚れや壁の穴など賃借人の故意過失による損耗が大部分であるとして、賃貸人の請求がほぼ認められた事例 |
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357 | H28.6.8 | 東京地裁 |
建物を有料老人ホームとして使用していた賃借人が、賃貸人に対し、賃貸借契約は「住宅の貸付」にあたり消費税は非課税であったとして、賃料額の確認と過払いの金員の返還を求めた事案において、賃料のうち消費税額を除いた部分が有効と認められ、賃貸人が消費税額として受領したことについては不当利得が成立するとして、その返還請求が認められた事例 |
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358 | H28.5.24 | 東京地裁 |
買主が、売主並びに媒介業者が耐震診断はない、大規模修繕工事は予定されていないなどと客観的事実と異なる説明・記載をしたことは、説明義務等に反するとして、売主又は媒介業者に対し、債務不履行又は不法行為に基づき損害賠償を求めた事案において、買主の耐震性能及び耐震改修工事についての認識可能性や売主・媒介業者がした情報提供の内容等から、さらに詳細な事情を説明等すべき法的義務があるとは認められないとして、請求が棄却された事例 |
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359 | H28.5.19 | 東京地裁 |
個人売主から不動産を購入した買主が、売主は非居住者に該当しないと判断して所得税の源泉徴収を行わずに譲渡代金を支払ったところ、税務当局から源泉所得税の告知処分を受けたため、これを不服として当該処分の取消しを求めた事案において、売主が非居住者に該当し、これに該当しないとした買主の判断に注意義務が尽くされていないとして、その請求が棄却された事例 |
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360 | H28.4.28 | 東京地裁 |
物流施設用地として売買された工場跡地の土地において、引渡し後に敷地内から石綿を含むスレート片が発見されたことから、買主が、売主に対してその撤去・処分費用と工事遅延に伴う追加費用等の支払いを求めた事案において、売買契約書の定めに従い買主の請求の一部が認容された事例 |
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361 | H28.4.22 | 東京地裁 |
リフォーム工事済のマンション一室の買主が、不動産業者である売主に対し、排水管が詰まり、排水不良が発生する瑕疵が存在していたとして、売主の瑕疵担保責任又は排水不良の説明義務違反を理由とする損害賠償等を求めたが、経年相応であるとして、その請求が棄却された事例 |
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362 | H28.4.21 | 東京地裁 |
マンションの管理組合法人が、歯科医院を経営する区分所有者に対して、当該マンションの専有部分から窓を通して外部に見えるように設置した看板の撤去等を求めた事案において、看板の設置行為はマンションの外観変更に当たり、管理規約及び使用細則に違反し、共同の利益に反する行為であるとして、その撤去と弁護士費用を含む費用の一部の支払いが認められた事例 |
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363 | H28.4.21 | 東京地裁 |
売主が、不動産売却に関する業務を委託した売主の元従業員、並びに同従業員が役員である不動産会社に対し、共同不法行為等に基づく損害賠償を求めた事案において、売主に虚偽の事実を告げ誤信させ売却させたとして、一部の請求が認容された事例 |
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364 | H28.4.14 | 東京地裁 |
法人間取引で、買主が、売買代金に係る融資が得られなかったため、売主に対して、融資利用特約に基づいて売買契約を解除したと主張して、手付金の返還を求めた事案において、その請求が認められた事例 |
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365 | H28.4.13 | 東京地裁 |
購入土地に産業廃棄物が大量に見つかったとして、買主が売主に損害賠償を請求したのに対し、売主が特約により瑕疵担保責任は免責されていると主張した事案において、「瑕疵担保責任の条文を破棄する、建物については現況建物で売買する」との特約は、少なくとも、土地については特約を排除して民法の原則に委ねる趣旨であるとして、買主の請求を認容した事例 |
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366 | H28.3.31 | 最高裁第一小 |
消滅時効は完成していないとして、元宅建業者の営業保証金の取戻請求につき、原審判決を取消し請求を認めた事例 |
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367 | H28.3.28 | 東京地裁 |
室内リフォーム済中古マンションを購入した買主(個人)が、入居前にリフォーム工事を実施した売主(宅建業者)に対し、その工事によって浴室とトイレの位置を入れ替えたことで浴室から発生する音が、隣室住人に騒音被害を生じさせたとして、浴室の原状回復工事費用等の支払を求めた事案において、隣人への騒音被害は、社会生活上の受忍限度を超えているとまではいえないと判断され、買主の請求が棄却された事例 |
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368 | H28.3.18 | 東京地裁 |
買主が、仲介業者の従業員が建物検査済証を備えていない旨を説明すべき義務を怠ったため、転売できると信じて購入したが、転売のためには建物を一旦解体した上で再建築せざるを得なくなったとして、仲介業者に対し、説明義務違反を理由とする損害賠償を請求した事案において、居住用としか聞いていない仲介業者は、居住目的の購入に照らしては必要かつ十分な説明をしたとして、その請求が棄却された事例 |
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369 | H28.3.18 | 東京地裁 |
緊急輸送道路沿道の賃貸建物につき、耐震化条例に基づく耐震診断により耐震性に問題があることが判明し、賃貸建物を解体する必要があるとして、賃貸人が賃借人に対し、立退料の支払いを申し出て、建物賃貸借契約の更新を拒絶し建物の明渡しを求めた事案において、賃貸人の更新拒絶理由は借地借家法28条の正当事由に該当するとして、裁判所の認める立退料の支払いを条件に貸主の明渡しの請求を認容した事例 |
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370 | H28.3.10 | 東京地裁 |
介護施設としての利用を目的に建物を賃借したところ、検査済証が未交付であったこと等から、用途変更確認申請ができず、施設を開設できなかったことから、賃借人が、賃貸人には使用収益させる義務違反、媒介業者らには調査説明義務違反がそれぞれあったとして、賃貸人と媒介業者に支払済賃料・工事代金等の支払いを求めた事案において、検査済証がないことを理由に、同一目的の賃借希望者が賃借を見送っていたことを知る媒介業者には、その旨を賃借人に説明する義務があったとして、その請求の一部を認めた事例 |
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371 | H28.2.16 | 東京地裁 |
購入の際、隣地建物の一部が私道に越境していることに係る合意がないと説明された買主が、引き渡し後、将来の改築まで越境容認する確認書が隣地所有者と売主らで締結されていたことを知り、不当に高価での土地建物の購入、隣地建物の私道越境部分の撤去費用負担等を強いられたとして、仲介業者および売主に対し、欺罔行為及び説明義務違反の不法行為に基づき損害賠償請求をした事案において、欺罔行為には当たらず、損害も生じていないとして、その請求が棄却された事例 |
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372 | H28.1.27 | 東京地裁 |
買主が、建物等に瑕疵があるとして、瑕疵 担保責任又は説明義務違反による不法行為に基づき、売主に損害金等の支払を求めた事案において、売主が悪意の建物やエレベーター内の水漏れに関しては、瑕疵担保責任期間短縮特約の効力を否定して、売主の瑕疵担保責 任を認め、部品交換の必要性が指摘されていたエレベーターの不具合等については、経年相当等として瑕疵に該当しないとされた事例 |
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373 | H28.1.22 | 東京地裁 |
新築マンションを購入した買主が、売主が売買契約の締結について勧誘するに際し、不実の告知などがあったとして、契約の解除と支払済みの手付金の返還を求めた事案において、売主に不実告知等があったとはいえないとして、買主の請求が棄却された事例 |
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374 | H28.1.21 | 東京地裁 |
店舗賃貸借契約の締結を契約直前に貸主に断わられたことから、交渉を行っていた借主が、主位的に成立した契約を貸主が不当に破棄したとして、予備的に貸主に契約締結義務違反があるとして、損害賠償を求めた事案において、その主張に理由がないとして全部棄却された事例。 |
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375 | H28.1.21 | 東京地裁 |
売主業者から中古戸建住宅を購入する際に、重要事項説明書において実際には2m幅員の接面道路を幅員4mとの説明を受けた買主が、建物再建築において建築基準法43条1項但書による許可が必要であったことは隠れた瑕疵にあたるとして売買契約の解除と解除に伴う損害賠償の支払いを求めた事案において、重要事項説明書記載の幅員は、別案件の書類を上書きして作成した際に必要な訂正がされなかったために記載を誤ったもので、不動産業者として極めて大きな不手際で落ち度と言わざるを得ないが、契約前に必要な説明はされているとして、買主の請求を棄却した 事例。 |
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376 | H28.1.21 | 東京地裁 |
借地権付建物を購入した買主が、仲介業者から適切な説明を受けるなどしなかったため極めて高額で購入させられたなどとして、同社と同社取締役に対し、仲介手数料及び相当な価格との差額を連帯して支払うよう求めた事案において、説明がなかった任意売却物件であること等は重要事項の説明対象となるとは認められないとして請求が棄却された事例 |
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377 | H28.1.20 | 東京地裁 |
賃貸マンションの買主である不動産賃貸業者が、床の腐食等が隠れたる瑕疵に当たるとして、修繕費・遺失利益等の支払いを求めた事案。請求の一部は隠れたる瑕疵にあたるとして、請求の一部の支払いが認められた事例。 |
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378 | H28.1.19 | 東京地裁 |
区分所有建物内の店舗の賃貸借契約を締結したのは、貸主が共有部分の看板設置に関して虚偽の説明をしたためで、詐欺により契約を締結させられて損害を被ったとして不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、契約は借主が契約書に記載された看板設置に関する約定を承知して締結したもので貸主に不法行為(詐欺)があったとは言うことはできないとして借主の請求を棄却した事例。 |
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379 | H27.12.25 | 東京地裁 |
戸建住宅の買主が、売主不動産業者および媒介業者に対し、近くに高圧送電線が存在し、購入物件がその振れ幅に一部掛かることの説明がされなかったとして、瑕疵担保責任、説明義務違反等に基づき、主位的に契約解除を、予備的に損害賠償等を求めた事案において、契約解除は認められなかったが、説明義務違反について慰謝料の請求が認められた事例 |
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380 | H27.12.3 | 東京地裁 |
不動産売買契約の成立に向けて、売主、買主間で仮契約を締結し、交付金が授受されたが、期限までに契約条件がまとまらなかったため、買主が仮契約を解除し交付金の返還を請求したところ、売買契約は成立しており、買主の手付解除であるから手付金である交付金は返還しないと売主が主張した事案において、売買契約は成立していない、仮契約には解除返金特約が付されていたなどとして、買主の請求を認めた事例 |
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381 | H27.11.30 | 東京地裁 |
一人暮らしの買主宅を相次いで訪問し、価値の無い原野や山林を「価値が上がるから購入したほうが良い」などと勧誘し、長期に渡り、合計9筆の土地の購入・売却を繰り返させ損害を負わせたとして、当該買主が、売主及びその代表者等に対して、不法行為責任、会社法429条1項等に基づく損害賠償を求めた事案において、買主の主張を認め、その請求をすべて認容した事例 |
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382 | H27.11.27 | 名古屋高裁 |
開発道路等の陥没事故により、土地の一部が崩れ建物に居住できなくなったとした買主が、開発を許可し道路を管理する市に対して国家賠償法に基づき、土地の分譲業者に対して当該地域が磨き砂採掘跡地である旨の説明義務違反により、損害賠償等を請求した事案の控訴審において、市は本件陥没事故発生の予見、回避をし得なかったとして、一審判決を変更して市の損害賠償責任を否定し、分譲業者に対する損害賠償請求については賠償額を減額変更して認容した事例 |
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383 | H27.11.26 | 東京地裁 |
購入目的とした会社用建物の建築が不可能であったため、土地の売買契約を手付解除した買主が、媒介業者及びその担当者に対して、用途制限・建築制限に関する適切な説明をしなかった説明義務違反があるとして損害賠償請求をした事案において、媒介業者らは買主の購入目的を、投資用アパートの建築と聞いており、買主が媒介業者らに対し、会社用建物を建築する目的であることを具体的に告げた事実は認められないとして、その請求を棄却した事例。 |
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384 | H27.11.26 | 東京地裁 |
賃貸人の建て替えを理由とした建物賃貸借契約の解約申し入れに応じて、建物(事務所)を明け渡した賃借人が、賃貸人に対して敷金および契約約定の違約金の支払い等を求めたことに対し、諸事情により建物の建て替えを中断している賃貸人が、原状回復費用を敷金等と相殺すると主張した事案において、貸主は本件建物の建て替えを計画していたので、原状回復工事は不要のはずであり、その旨の合意が認められるなどとして、貸主による相殺の主張を棄却し、賃借人請求の敷金返還および違約金の支払いを許容した事例 |
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385 | H27.11.18 | 東京地裁 |
マンションの上階の居住者の子供の泣き声や掃除機の音がうるさい等として下階の居住者が上階の居住者に対して、騒音発生の差止めや慰謝料支払い等を求めた事案において、騒音は、通常の生活音の範囲内で受忍の範囲内であるとして、不法行為による損害賠償請求が棄却された事例。 |
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386 | H27.11.2 | 東京地裁 |
約14年間賃借している事務所の賃借人が、契約上の床面積より実際面積が狭い等を理由として、一方的に賃料等を減額して支払うことから、賃貸人が建物賃貸借契約を解除したとして、事務所の明渡し及び未払賃料等の支払を求めた事案において、賃借人の錯誤無効、数量指示賃貸借等の主張を棄却し、賃貸人の請求を全て認容した事例 |
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387 | H27.10.29 | 東京地裁 |
中古住宅の買主が、仲介を行った媒介業者に対し、建物の延長保証に関する調査・説明義務を怠ったことにより、メンテナンス工事費用等相当額の損害を被ったとして、損害賠償を求めた事案において、買主から明確に調査を依頼されない限り、媒介業者は延長保証について正確に調査・説明する義務を負うものではないとして、買主の請求を棄却した事例 |
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388 | H27.10.22 | 東京地裁 |
買主業者が借地権者の建物を取得することを条件とし、それぞれの契約が不可分一体取引とした複数の土地等の売買契約に関し、借地権者が建物を第三者へ売却した後に、売主が土地等を第三者へ売却・登記移転したことについて、買主業者が売主の債務が履行不能になったとして契約解除と違約金の支払を求めた事案において、買主業者の主張を排斥して請求を棄却した事例 |
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389 | H27.10.15 | 東京地裁 |
賃貸ビルの賃借人が貸室内で私設私書箱業を営んでいたところ、振り込め詐欺の送金先に利用されたことから、賃貸人が賃貸借契約上の用法義務違反により無催告解除を行い建物の明渡等を請求した事案において、有効な対策をとらず振り込め詐欺の送金先に利用され、警察庁のホームページにビル名や所在が公表されたことは、信頼関係の破壊にあたり無催告解除事由に該当するとして、賃貸人の請求を認容した事例 |
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390 | H27.10.15 | 東京地裁 |
学生寮としての使用を目的とする賃貸借契約を締結、引渡しを受け外国人留学生を住まわした借主が、本件建物の耐震機能や衛生上の問題について、仲介業者は説明する義務を負っていたのにこれを怠ったために損害を被ったとして、債務不履行に基づく損害賠償請求として52万円余の支払いと、当該業者の債務不履行を理由として仲介契約を解除したとして不当利得に基づき仲介報酬として支払った20万円の支払いを仲介業者に求めた事案において、借主主張の問題は本件建物には存在するとは認められないとし、借主の請求が棄却された事例 |
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391 | H27.10.14 | 東京地裁 |
賃貸ビルの売買契約にあたり、雨漏り等の建物の不具合や賃借人との紛争を告げずに売買契約を締結したとして、買主が詐欺もしくは告知義務違反の不法行為による損害賠償を、売主及び媒介業者に請求した事案において、買主の請求が一部認められた事例 |
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392 | H27.9.28 | 東京地裁 |
貸主が、連帯保証人に対し、借主の自殺によって被った損害の支払を求めた事案において、貸主の請求した原状回復費は逸失利益において評価されるべきとして、また、賃貸物件の用途・立地等考慮すれば、逸失利益は当初の1年を賃貸不能期間、2・3年は賃料の半額でなければ賃貸できない期間とみるのが相当であるとして、請求額が大幅に減額されたうえで、認容された事例 |
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393 | H27.9.24 | 仙台地裁 |
貸室のバルコニーにおける転借人の同居人の自殺事故により、賃貸マンション全戸において賃料の減額やリフォーム費用等の損害が発生したとして、建物所有者及び転貸人が、転借人、同連帯保証人らに損害賠償を請求した事案において、本件貸室以外の居室については、申込者に対し本件事故の告知義務はないことから損害の発生は認められないとし、本件事故のあった貸室の損害額については家賃及び共益費の6か月分が相当であるとした事例 |
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394 | H27.9.18 | 最高裁第二小 |
区分所有建物の共用部分について生ずる不当利得請求は、区分所有者の団体のみができる旨の集会の決議又は規約の定めがある場合には、各区分所有者が請求権を行使することはできないとした事例 |
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395 | H27.9.17 | 東京地裁 |
賃借人が、契約更新時に、貸室実測による契約床面積の変更により賃料改定が行われたことから、本件賃貸借契約は床面積を基礎に賃料額を定めた数量指示賃貸借に当たるとして、賃貸人に対し、実際床面積に不足する面積対応分の賃料・更新料相当額等を不当利得として返還を求めた事案において、床面積当たりの賃料額を合意し、床面積を乗じて賃料額を定めた事情、賃貸人が貸室を測量した事実等が認められないことなどから数量指示賃貸には当たらないとして、その請求を棄却した事例 |
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396 | H27.9.15 | 東京地裁 |
購入したビルの現況が建築確認申請の内容と大きく変更されており、検査済証も未交付であったことから購入目的を達せられなかったとして、買主が媒介業者に対し、説明義務違反による仲介契約の解除に伴う既払い仲介手数料の返還を求め、一方、媒介業者は買主に対し、未払手数料の支払いを求めて反訴した事案において、買主側の請求については、媒介業者は違反建築物であることを説明していたとして、また、媒介業者の請求については、重要事項説明に取引主任者を立会わせなかったことは仲介契約の債務不履行にあたるとして、両者の請求がともに棄却された事例 |
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397 | H27.9.1 | 東京地裁 |
インターネット販売を営んでいた借主が、賃借していた事務所の住所が「振り込め詐欺」の金員送付先として警察庁等のホームページに公表されていることが判明し、同事務所から退去した。借主は、これは「隠れた瑕疵」にあたり、貸主及び仲介業者は説明・告知すべきであったのにこれを怠ったなどと主張し、貸主及び仲介業者の瑕疵担保責任、不法行為ないし債務不履行に基づき539万円余の損害賠償を求めた事案において、「隠れた瑕疵」があるとは認められず、貸主及び仲介業者の不法行為ないし債務不履行もないとして、借主の請求が棄却された事例。 |
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398 | H27.8.27 | 福岡高裁 |
店舗と共にその駐車場として賃貸された土地の賃貸借契約の更新拒絶が権利の濫用に当たるとされた事例 |
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399 | H27.8.7 | 東京地裁 |
買主が土地(以下「本件土地」という)及び本件土地上の建物(以下「本件建物」いい、「本件土地」と合わせて「本件不動産」という)を売主から入札で取得したところ、売主が事前に土壌汚染調査を実施していなかった部分から基準値を超える有害物質が検出されたため、本件不動産の減価相当額及び調査費用相当額の賠償を求め、その一部が認容された事例 |
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400 | H27.8.5 | 東京地裁 |
サブリース会社との間で賃貸借契約を締結して、家賃保証及び満室保証を受けていた建物のオーナーが、老朽化した自宅の補修改築のためにまとまった資金を必要とし当該建物を空き家状態で売却することを望んで、サブリース会社に対して賃貸借契約の解除及び明渡しを求めた事案において、正当事由を補完するものとして50万円の立退料支払いを条件に認容された事例 |
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401 | H27.7.16 | 東京地裁 |
賃借した建物に瑕疵があったとした、借主の紹介者に対する損害賠償請求が棄却された事例 |
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402 | H27.7.9 | 東京地裁 |
賃貸建物の貸主が、借主側媒介業者に対し、貸主側媒介業者に支払った広告料を、後日、貸主側媒介業者から広告料名目で受け取ったことは、不当利得または不法行為にあたるとして、不当利得返還請求権に基づき、予備的に不法行為に基づき支払った広告料と同額の損害賠償を求めた事案において、宅建業者が受け取ることのできる「広告料金に相当する額」とは関係なく、むしろ借主を紹介し成約したことの対価であるなどとして、賃貸人の不法行為に基づく損害賠償請求を認容した事例 |
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403 | H27.6.23 | 東京地裁 |
商業ビルの売買において、媒介業者が電気設備及び消防設備の定期点検報告書の不備事項について説明をしなかったとして、買主が媒介報酬の支払を拒んだ事例において、媒介業者に説明義務違反はなかったとして媒介報酬の支払を命じた事例 |
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404 | H27.6.18 | 東京地裁 |
売買土地に土壌汚染が確認された買主調査には信憑性がないとした売主の留保金支払請求を棄却し、買主の汚染除去費用等の請求を認めた事例。 |
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405 | H27.6.16 | 東京地裁 |
中古住宅の買主が、建物に建築基準法違反があったとして、売主に対しては瑕疵担保責任により、媒介業者に対しては調査義務違反等により、損害賠償を請求した事案において、売主の瑕疵担保責任は売買契約の特約により免責されているとし、また、媒介業者は調査説明義務を果しているとして、その請求が棄却された事例 |
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406 | H27.6.16 | 東京地裁 |
相続により土地を取得した所有者が、亡父から売買により土地の所有権移転登記を経由した会社及び同社から所有権移転登記を経由した買主、並びに当該買主を債務者とする抵当権設定登記を経由した保証会社に対し、亡父との間の売買契約は成立していないとして、所有権移転登記及び抵当権設定登記の各抹消登記手続を求めた事案において、登記申請書類等は亡父になりすました第三者が作成したものであり、売買契約書等も亡父が作成したものではないと認められるなどとして、その請求が認容された事例 |
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407 | H27.5.28 | 東京地裁 |
賃貸借開始後の条件変更は仲介業者の調査説明義務違反が原因だとした貸主の損害賠償請求が棄却された事例 |
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408 | H27.4.28 | 東京高裁 |
不動産を所有する高齢者を訪問した不動産業者が、訪問の翌日には売買契約を締結して決済及び所有権移転登記手続きを行った事案について、売買契約は売主の意思能力欠如に乗じて不動産を奪取したものだとして、買主業者等(業者、同社代表者、営業担当者)及び登記手続をした司法書士に対して共同不法行為等に基づく損害賠償を求めた裁判で、一審は買主業者等への損害賠償請求の一部を認容し、司法書士への請求を棄却したが、控訴審で、司法書士の責任も認容した事例 |
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409 | H27.4.10 | 東京地裁 |
買主が、購入建物の傾斜は建物を建築した際、敷地の埋戻しを適切に行わなかったためであるとして、建築業者に対して不法行為による損害賠償を、また、売主に対して瑕疵担保責任、告知義務違反を理由とした損害賠償を請求した事案において、買主の建築業者への請求を一部減額のうえ認容された事例 |
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410 | H27.4.8 | 東京地裁 |
購入した建売住宅の賃貸を依頼したところ、客付側媒介業者の従業員が、誤って排水ポンプの電源を落としたため生じた地下室の浸水事故に伴う買主の損害につき、当該事故は建物の瑕疵によるものとして建物施工業者 の不法行為責任、浸水事故の直接原因を作出 した媒介業者の不法行為責任を認め、売主宅建業者については、除斥期間の経過により瑕疵担保責任、及び不法行為責任を否定した事例。 |
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411 | H27.3.30 | 東京地裁 |
賃貸管理業者の元従業員が在職中に競業会社を設立し、同社の顧客を奪取したこと等につき、社会通念上自由競争の範囲を逸脱した違法な競業行為であるとして、管理業者の元従業員に対する管理委託費用相当額の逸失利益の賠償請求を認容した事例 |
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412 | H27.3.27 | 最高裁第二小 |
市営住宅の賃貸借契約において、市営住宅条例で「入居者が暴力団員であることが判明した場合には明渡し請求できる」との条項に基づいて、市が暴力団員であることが判明した入居者に対して明渡しを請求したのに対して、入居者が憲法14条1項(法の下の平等)及び22条1項(居住の自由)違反を主張して争った上告審において、憲法に違反しないとして、市の明渡し請求が認められた事例 |
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413 | H27.3.26 | 東京地裁 |
媒介業者が不動産売買契約を締結した買主に対して、媒介行為をしたとして商法512条に基づく相当報酬額を請求した事案において、買主と媒介業者との間で報酬額について定めのない黙示の媒介契約が成立していたとして、その請求の一部を認容した事例 |
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414 | H27.3.24 | 東京地裁 |
宅建業者の仲介により、20年以上前に自宅を購入した買主が、重要事項説明が誤っていたことによる損害の賠償を同業者に求め、同社が時効の利益を放棄したことにより支払義務が確定し、買主が保証協会に対して損害賠償請求権の認証を求めた事案において、主たる債務者である宅建業者が時効の利益を放棄した場合であっても、保証協会は自ら時効を援用して、弁済義務の消滅を主張することができるとして、買主の請求が棄却された事例 |
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415 | H27.3.18 | 東京地裁 |
不動産への投資経験のない者に投資用不動産を購入させた媒介業者とその従業員の不法行為責任等が認められた事例 |
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416 | H27.3.10 | 東京地裁 |
分譲マンション用地として購入した土地に土壌汚染等を発見したとして、買主がその撤去費用等の支払いを売主に求めたのに対し、売主は買主選定の調査会社に土壌調査を依頼し、その結果に基づき対処した上で本件土地の引渡しをしており、売主には調査会社の選定、調査方法、範囲の決定について過失はないとしてこれを拒んだ事案において、売主・買主間の売買契約に、本件土地に土壌汚染等の隠れた瑕疵の存在が判明した場合、所有権移転後であっても売主負担とする定めがあるとして、買主請求を認容した事例 |
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417 | H27.2.24 | 東京地裁 |
貸主が定期借家契約の期間満了による賃貸店舗の明け渡し等を借主に求めた事案において、定期借家契約は黙示の更新により普通借家契約として更新されており、以後締結の定期借家契約も、普通借家契約の更新として結ばれたものであるとして、普通借家契約の契約終了要件を欠く貸主の建物明渡請求を棄却した事例 |
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418 | H27.2.19 | 東京地裁 |
土地の売買に関する協定書を締結した買主が、同協定書の錯誤無効又は取消すとした売主に対し、主位的に売買契約は成立しているとして、予備的に契約締結上の義務違反があるとして、損害賠償を請求した事案において、売買契約の成立は否定し、同協定書に基づき買主が支出した測量費用等について、信義則上の注意義務違反による売主の賠償責任を認めた事例 |
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419 | H27.2.17 | 東京地裁 |
原告は、被告が使用している原告所有建物の敷地を通過している原告所有の下水道管について、下水道管の劣化による汚水漏れにより敷地陥没が生じているなどとして、被告に対し、下水道管の使用禁止を求めた事案において、本件下水道管の使用禁止請求は、権利の濫用に当たるとして、請求を棄却した事例。 |
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420 | H27.2.10 | 東京地裁 |
中古住宅の買主が、検査済証未取得の地下車庫上に建物が建てられないことを理由に、売主に対して錯誤による契約の無効を、媒介業者に対して調査説明義務違反による損害賠償を請求した事案において、買主に要素の錯誤はなく、その地下車庫上に建物が建てられないことは媒介業者の調査説明すべき事項とまではいえないとして、買主の請求を棄却した事例 |
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421 | H27.1.29 | 東京地裁 |
契約に反して無断で中型犬を飼育していた借主の賃貸マンションの原状回復費用を貸主が請求した事案において、フローリングについては損傷が著しいとして、経過年数を考慮した全面貼替費用約40万円が認められた事例 |
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422 | H27.1.29 | 東京地裁 |
宅建業免許の有効期間が満了した宅建業者が、同法に基づき供託した営業保証金を、供託原因消滅を取戻事由として法務局に取戻請求をしたところ、消滅時効が完成していることを理由に同請求を却下されたことから、宅建業者が国に対し、却下の取消しと供託金払渡しを求めた事案において、消滅時効は取戻公告期間の翌日から進行しており、消滅時効は成立しているとして、宅建業者の請求が棄却された事例。 |
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423 | H27.1.29 | 東京地裁 |
土地建物の売買につき、売主が契約書の記名押印等は権限の無い社員の偽造によるもので契約は無効と主張したため、買主が、主位的には売買契約の解除、手付金の返還及び約定違約金を、予備的に売買契約が不成立の場合には、売主社員の売買契約書偽造につき、売主代表者らとの共同不法行為が成立する、又は売主は使用者責任を負うとして損害賠償を求めた事案において、本件売買契約は無権代理によるもので無効としたが、売主社員が費消した手付金については売主の使用者責任を認めた事例 |
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424 | H27.1.29 | 大阪高裁 |
役員の刑事処分による宅建業免許の取消処分を受けた宅建業者らが、従前の免許と同一の免許の地位を回復すべき利益がある、行政庁による本件処分は信義則違反である等として、同処分の取消を求めた事案において、原告主張の利益・信頼等は法的に保護すべきものとはいえないとして、その請求を棄却した事例 |
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425 | H27.1.28 | 東京地裁 |
建築予定建物につき、建築確認申請の調整事項等の終了後、建物賃貸借契約(本契約)を締結することを予定して締結した手付契約(建物賃貸借予約契約)において、賃借予定者が手付解除をしたところ、賃貸予定者は賃借予定者仕様の工事を完成させるなど履行に着手しており、賃借予定者が本契約を締結しないことは不法行為に該当するとして、損害賠償を請求した事案において、手付契約に解除権行使期間に関する定めはなく、履行の着手による解除権の制限はないとして、その請求を棄却した事例 |
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426 | H27.1.26 | 東京地裁 |
マンション建替えに当たり、マンション建替組合が、解除条件付きで参加する旨の回答をした区分所有者に対し、建替え参加に関する催告期間内に建替えに参加する旨の回答をしたとはいえないとして、マンションの建替えの円滑化等に関する法律(以下「円滑化法」という。)15条1項に基づく売渡請求により、同区分所有者の区分所有権等を取得したとして、区分所有権等の時価相当額の支払と引換えに専有部分を明け渡し、所有権移転登記手続を求めた事案において、建替えに参加するのかが催告期間満了時点では判明しない内容の回答をしたことをもって、建替えに参加する旨を回答したということはできないとして、売渡請求が認容された事例 |
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427 | H27.1.23 | 東京地裁 |
内覧が不可であった賃貸中の中古マンションの売買において、引渡し後に設備等の不具合が発見されたとして、買主が売主に対し、瑕疵担保責任、告知義務違反等に基く損害賠償を請求した事案において、買主主張の不具合は、建物の経年・重要事項説明等により認識し得たもので隠れた瑕疵には当たらない等として、その請求を棄却した事例 |
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428 | H27.1.19 | 東京地裁 |
ビル6階の居酒屋店の窓から転落して死亡した酔客の相続人が、本件事故は店舗の内装工事により相対的に本件窓の位置が低くなった瑕疵によるものとして、同店の経営者等に対し損害賠償を求めた事案において、何らかの原因で転落する危険を有する本件窓は、手すり等の転落防止措置がとられていない以上設置保存の瑕疵があるとして、工作物責任に基づく損害賠償を7割の過失相殺の上認めた事例 |
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429 | H27.1.15 | 東京地裁 |
買主である宅建業者が、土地購入の決済後に隣地への擁壁越境が判明し、その解消を隣地所有者から要望され、擁壁の撤去・築造工事の費用負担は、隠れたる瑕疵により生じたものとし、その費用の請求を求めた事案において、売主である宅建業者に対して越境は、隠れた瑕疵にあたると認められたものの、擁壁の撤去・築造は過剰な対応であるとして買主の請求は棄却された事例 |
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430 | H27.1.14 | 東京地裁 |
一人暮らしの高齢者(87歳)が、居住中の土地・建物を売却する代わりに、毎月、分割代金や生活保護費などを受領して、死ぬまで当該建物に居住することができるなどと勧誘されて締結した土地建物売買契約の無効を訴えた事案において、当該売買契約が公序良俗に反して無効とされた事例 |
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431 | H27.1.7 | 東京地裁 |
転売された土地を取得した買主が、第1売買の売主から所有権移転登記抹消手続を求める訴訟を提起され敗訴したことから、仲介業者や立会人等として取引に関与した者に対し、権利者の真偽について確認を怠った注意義務違反があるとして、債務不履行責任、不法行為責任等に基づき損害賠償を求めた事案において、仲介担当者及び仲介業者の不法行為責任等が認容された事例 |
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432 | H26.12.25 | 東京地裁 |
買主が、売主との間で、売主から本件各不動産を買い受ける契約(以下「本件売買契約」という。)が成立したとして、買主が売主に対し、本件売買契約に基づき各不動産の所有権移転登記手続を求めるとともに、各不動産の現地調査に協力するよう求めた事案において、買主が主張する基本合意では売買代金が確定しておらず、その他の諸条件も合意に至っていないことを理由に、基本合意により売買契約が成立したとする買主の主張は認められないとして所有権移転登記の請求を棄却し、また調査協力の請求としては、なすべき行為が特定されているとは言い難いとして却下した事例 |
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433 | H26.12.24 | 東京地裁 |
媒介業者の重要事項説明書の誤りに関し仲介手数料返還の合意があったとした買主業者の主張が棄却された事例 |
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434 | H26.12.19 | 東京地裁 |
賃貸人が賃借人に対し、特定緊急輸送道路に接する賃貸建物は耐震性を有せず、補強工事による耐震化も困難な状態である等として、建物の朽廃又は解約申入れによる建物賃貸借契約の終了に基づき、主位的に建物の明渡しを、予備的に賃貸人提示額又は相当額の立退料支払いを条件に明渡しを求めた事案において、特定沿道建築物であることを考慮した立退料の支払いを条件に明渡しの請求が認容された事例 |
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435 | H26.12.19 | 大阪高裁 |
2項道路に指定された私道の所有者が当該私道に車止めブロック等を設置し通行を妨害したことから、貨物用車両の通行ができずに営業に支障が生じた店舗経営者が、工作物等の撤去及び通行妨害予防を求めた事案において、本件道路を貨物自動車等で通行する利益は日常生活上不可欠なものといえるとして、請求を認容した事例 |
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436 | H26.12.18 | 東京地裁 |
不動産取纏め依頼書を仲介業者に提出したが、その後売買契約の締結を断った買主に対し、売主不動産業者が、主位的には、売買契約は成立しており買主に債務不履行があるとして、予備的には、買主に契約締結上の義務違反による不法行為があるとして、損害賠償等を求めた事案において、不動産取纏め依頼書等をもって売買契約が成立したとも、買主に契約締結上の過失があったとも認められないとして、売主請求を全て棄却した事例 |
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437 | H26.12.18 | 東京地裁 |
中古マンションの購入を検討していた買主が、内金(契約着手金)の振込後購入を取り止めたが、売買契約が成立していると売主が主張し内金を返還しないため、売主に対し不当利得として内金の返還を求めた事案において、売買契約の目的物が特定されるに足りる情報が提供されておらず、売買契約が成立したとは認められないとして、買主の不当利得返還請求を認容した事例 |
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438 | H26.12.16 | 東京地裁 |
店舗の賃貸借契約ができなかった賃借希望者が、交渉過程において、仲介業者が、確実に賃借できると誤信させたために、賃借できると信じて開店準備費用を支出し、あるいは開店準備を取りやめる機会を逸したとして、業者に対して不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、訴えには理由がないとして請求が棄却された事例 |
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439 | H26.12.15 | 東京地裁 |
個人間で売買された賃貸マンションにおいて、引渡し後に雨漏りが発生したことから、買主が施工会社に対してその補修費用相当額等の支払いを求めた事案において、施工会社の不法行為に基づき、買主の請求の一部が認容された事例。 |
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440 | H26.12.11 | 東京地裁 |
居住用建物の転貸借関係において、転借人の同居人が当該建物で自殺したため、契約解除後の入居者募集に支障が生じているとして、賃貸人が1年分の賃料と2年分の賃料減額分(50%)の損害賠償を、また転貸人が3年分の利ザヤ相当額をそれぞれ転借人に請求した事案において、転借人の善管注意義務違反を認め、賃貸人及び転貸人の請求を一部認容した事例 |
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441 | H26.12.9 | 東京地裁 |
中古マンションを購入した買主が、本物件内の給湯器が故障していたとして、売主である不動産業者に対し、新品給湯器への交換費用及び近隣入浴施設利用費用を求めた事案において、中古品である給湯器の瑕疵と相当因果関係が認められるのは、中古品の給湯器への交換費用相当額に限られるとして、その請求を一部減額して認容した事例 |
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442 | H26.12.9 | 東京地裁 |
マンションの区分所有者が、バルコニー及び開放廊下に動産を置いた隣接住戸の居住者に対し、撤去と今後置かないことを求めるとともに、置かれた動産が原因で、予定されていた賃貸借契約が締結に至らず、別の者との賃貸借契約締結までの期間の賃料を得られなかったとして、不法行為に基づき、損害金の支払を求めた事案において、損害金の請求は棄却されたが、動産の撤去と今後置かないことについては認容された事例 |
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443 | H26.12.5 | 福岡高裁宮崎支部 |
携帯電話基地局の周辺住民らが、基地局から放射される電磁波により健康被害が生じている等として、人格権に基づき本件基地局の操業差止めを求めた事案につき、周辺住民らによる本件基地局の電磁波と健康被害との因果関係についての医学的及び科学的観点からの立証が不十分であるとして棄却された事例 |
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444 | H26.11.28 | 東京地裁 |
売主に対する媒介報酬請求は権利の濫用に当たらないとして、媒介業者の請求が認容された事例 |
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445 | H26.11.27 | 東京地裁 |
マンション一室の賃貸借契約につき、貸主が鍵を取替えた行為が自力救済にあたり、鍵交換以降賃借人は賃料支払義務を負わないとして、賃料保証会社が借主の未払賃料の保証履行を拒絶した事案において、同行為は警察の要請により行われたものであり、かつ賃借 人がいつでも使用できるよう配慮されていることから、自力救済には当たらないとして、貸主の保証債務履行請求を認めた事例。 |
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446 | H26.11.20 | 東京地裁 |
建物賃貸借契約の賃貸人が、建物の老朽化を理由に賃借人と立退き交渉を行い、隣接する賃貸人所有の建物に転居して貰った上で、期間3年の定期建物賃貸借契約を交わしたとして、賃借人に対し契約期間満了による建物明渡しを求めた事案において、当該賃貸借契約は定期賃貸借契約とは言えないとして賃貸人の請求が棄却された事例 |
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447 | H26.11.17 | 東京地裁 |
所有権移転登記手続きを委任された司法書士が、当該売主が真の所有者でないことを見抜けず、買主に注意喚起する義務を怠ったことで損害を被ったとして、買主が司法書士に対し損害賠償を請求した事案において、書類に関し明白な疑義があり、その一部は司法書士会等から注意喚起されていたことを踏まえ、司法書士の委任契約上の債務不履行責任を認めた一方で、本来相手方の本人確認を行うのは買主の責務であるにもかかわらず買主はこれを怠っていたとして、認定された損害額の7割を過失相殺した上で買主の請求を認容した事例 |
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448 | H26.11.11 | 東京地裁 |
いわゆるレンタルオフィスの利用を目的とした入会契約につき、借地借家法にいう建物の賃貸借に該当するか否かが争われた事案において、契約目的である使用区画の構造、同契約の法的性格の検討から、建物賃貸借契約に該当するとして、オフィス利用者の賃借権を有することの確認請求を認容した事例 |
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449 | H26.11.5 | 東京地裁 |
区分所有建物の占有者が出す騒音に関し、マンションの管理者が、その他区分所有者等に迷惑を及ぼす行為をしているとして、区分所有法57条に基づき、区分所有建物の外側に60デシベル(以下「デシベル」を「dB」と表記する。)を超える音量の騒音を出すことの差止め等を求めるとともに、占有者の行為が不法行為を構成するとして、民法709条に基づき、騒音測定器のリース料相当額及び弁護士費用相当額の合計額の支払を求めた事案において、占有者に対して、午後10時から午前6時までの間、占有する区分所有建物の外側に60 dB以上の騒音を出すことを禁止するとともに、騒音測定器等のリース代等の支払いを命じた事例 |
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450 | H26.10.31 | 東京地裁 |
東日本大震災により液状化被害を受けた分譲住宅の買主らが分譲会社に対して、分譲地の地盤改良工事を行わなかった義務違反、危険があることの説明義務違反による不法行為責任等に基づく損害賠償を求めた事案において、分譲会社は当時の技術的知見に基づく液状化対策実施していたなどとして、買主らの請求を棄却した事例 |
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451 | H26.10.30 | 東京地裁 |
婚活サイトで知り合った者からの悪質な勧誘により投資用マンションを購入した買主が、投資勧誘した者に対し不法行為に基づく損害の賠償を求め、融資をした金融機関に対しては、金銭消費貸借契約に基づく返還債務の不存在の確認を求めた事案において、勧誘行為者の不法行為責任は認めたが、金銭消費貸借契約の取消し及び無効主張は否認した事例 |
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452 | H26.10.30 | 東京地裁 |
賃貸借契約締結にあたり、賃借人との間で保証委託契約を締結した保証会社が、賃貸人に対して滞納賃料及び原状回復費を代位弁済したとして、賃借人に対し、代位弁済した滞納賃料及び原状回復費の支払を求めたことに対し、保証会社には損害軽減義務違反ないし保証債務の拡大防止義務違反があるなどと賃借人が主張した事案において、法的手続に則って本件建物の明渡しを求めることは正当であって、損害軽減義務や保証債務の拡大防止義務に違反するとはいえないとして、その請求を認めた事例 |
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453 | H26.10.30 | 名古屋高裁 |
敷地の地盤沈下により建物が傾斜した戸建住宅の購入者が、売主に対して、主位的に瑕疵担保による原状回復請求権に基づく契約解除を求め、予備的に瑕疵担保又は不法行為に基づく損害賠償を求めた控訴審において、売主業者の不法行為を認め、購入者の請求の一部が容認された事例 |
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454 | H26.10.20 | 東京地裁 |
賃貸人が、賃借人に対し階下で発生した漏水事故に関して、賃借人の管理会社への不満等を理由にその漏水調査、修繕に賃借人が協力しないことから、債務不履行解除を求めた事案において、賃貸物件の明渡しと保存行為協力義務の不履行に基づく階下賃借人退去に伴う損害賠償等の請求について、賃貸人の請求をほぼ認容した事例 |
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455 | H26.10.16 | 東京高裁 |
所有賃貸ビルの前面歩道上に設置されたエレベーターの出入口施設が、当該ビル1階店舗部分の窓及び店舗用看板を隠す位置にあたり、当該ビルの眺望をも要素にした営業上の利益を侵害するとして、本件施設の収去と設置禁止及び損害賠償を求めた事案において、ビル所有者主張の利益は、広告表示及び店舗の視認性に関する利益としても、営業上の眺望利益としても、法的保護の対象にはならないとして、その請求を棄却した事例 |
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456 | H26.10.8 | 東京地裁 |
分譲住宅を購入した者等が、売主業者が地盤改良工事を行わなかったために東日本大震災による液状化で被害を被ったとして、売主業者が地盤改良工事を実施しなかったことが不法行為にあたる、又は瑕疵担保責任があるとし、また、地震による液状化により建物が傾く危険があることなどを説明する義務を怠ったとして、損害賠償を求めた事案において、売主業者の地盤改良工事実施義務を否定し、瑕疵担保責任における瑕疵があるとはいえないとして請求を棄却した事例 |
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457 | H26.10.8 | 東京地裁 |
商業施設の賃貸人が、定期借家契約で賃借していた賃借人に対し期間満了に伴う契約終了を通知したが、賃借人が明渡しに応じないため、賃貸人が賃借人に対し建物明渡と賃料相当損害金の支払を請求した事案において、事前説明や司法書士を介し行われた説明をもって借地借家法上の要件は満たしており切替えは有効と判断。その後の再契約時の手続き及びその終了手続きにも瑕疵はないとして、賃貸人の請求を認容した事例 |
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458 | H26.9.25 | 最高裁 |
賃料減額の確認を求める判決が確定後に賃貸人から提起された賃料増額確認請求について、本件訴訟において賃貸人が本件賃料増額請求による賃料増額を主張することは前訴判決の既判力に抵触するとして争われた上告審において、賃料増減額確認請求訴訟の確定判決の既判力は、原告が特定の期間の賃料額について確認を求めている特段の事情のない限り、前提である賃料増減請求の効果が生じた時点の賃料額に係る判断について生ずるとして、前訴判決の既判力に抵触するとした原判決を破棄し、原審に差し戻した事例 |
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459 | H26.9.24 | 東京地裁 |
被後見人の居住用不動産の売却について、被後見人が、契約締結当時の後見監督人と仲介業者に対し、両者の注意義務違反等により当該不動産が低廉な価格で売却されたとして、損害賠償の支払を請求した事案において、その売却代金は不法行為を構成させるほどの低廉な価格とはいえず、また仲介業者の媒介行為に関し注意義務違反は認められないとして、被後見人の請求が棄却された事例 |
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460 | H26.9.18 | 大阪高裁 |
居住目的で賃貸借契約を締結した賃借人が、賃貸人は1年数か月前に建物内で自殺があった事実を故意に告げずに契約を締結したとして、賃貸人に対して、不法行為に基づく損害賠償を求め、原審がこれを認容したため、賃貸人が控訴した事案において、自殺の事実は契約の目的を達成し得ない瑕疵にあたり、その不告知は不法行為にあたる、また、賃貸人による賃料相当損害金の請求は権利の濫用にあたり認められないとして、控訴を棄却した事例 |
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461 | H26.9.11 | 東京地裁 |
日照、通風について不満を感じた賃借人が賃料(1か月分)の支払いに応じなかったところ、賃貸人が管理会社を通じて督促する際に、その管理会社が、賃借人の賃料未支払いに対して、貼り紙を貸室のドアに貼り付けたことから、賃借人が賃貸人に対し、日照等違法な建物を賃貸した上、貼り紙により賃借人の名誉を棄損したとし、不法行為に基づき損害賠償を請求した事案。当該貼り紙は1か月分の賃料の督促の方法としては社会通念上相当性を欠く違法なものであったと判断し、慰謝料の請求が一部認容された事例 |
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462 | H26.9.2 | 東京地裁 |
建物賃貸借について、貸主が、地下1階に入居したライブハウスからの騒音等によって被害を被っていることを理由に賃料の一部しか支払わない借主に対し、契約解除、建物明渡請求及び未払賃料の支払を求めた事案において、借主の主張する慰謝料を一部認めた上で、貸主の請求を認容した事例 |
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463 | H26.8.26 | 東京地裁 |
所有する区分所有建物の一室について、売買契約に基づき買主への所有権移転登記を完了した売主が、本件移転登記に先立ち競売開始決定を原因とする差押登記がされていたことから、本件所有権移転登記を抹消し所有権を復帰させたところ、自己を納税義務者とする納税通知書が送付されてきたことから、処分行政庁に対し、不動産取得税賦課決定処分の取消しを求めた事案において、本件不動産の所有権は、本件売買契約の合意解除によって取得したものであり地方税法にいう「不動産の取得」に該当するとした事例 |
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464 | H26.8.7 | 東京地裁 |
土地購入者が、購入した土地上にあった建物で17年前に焼死者を出した火災事故があったことは土地の隠れた瑕疵に該当し、その事実について調査、説明をしなかった売主と媒介業者に対し損害賠償の支払いを求めた事案において、本件火災事故等の事実は土地の隠れた瑕疵に該当しないとして買主の請求が棄却された事例 |
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465 | H26.8.5 | 東京地裁 |
建物賃借人の4か月分の賃料等未払いを理由として、賃貸人が建物賃貸借契約を解除し、建物の明渡し並びに賃借人及び連帯保証人に未払賃料等の支払いを求めたのに対し、賃借人が、エアコンの不具合により建物が通常使用できない状態にあった、賃借人に対する執拗な営業妨害等を賃貸人が保証会社及び管理会社にさせたとして、賃借人の賃料等の支払義務を否定し、賃貸人請求の棄却及び営業妨害等の損害金を求め反訴した事案において、賃借人の請求を全部棄却し、賃貸人請求については、エアコン不具合が認められた期間の賃料等を除き認容された事例 |
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466 | H26.8.5 | 東京地裁 |
賃借中の建物内で、賃借人の妻が自殺したために、賃料を減額しなければ新規に賃貸することができなくなったとして、賃借人に対しては、債務不履行に基づく損害賠償として賃料減額分相当額及び慰謝料並びに弁護士費用等を求め、賃料保証会社に対しては、連帯保証契約に基づき同額の保証債務の履行を求めた事案において、賃借人に対する損害賠償請求の一部を認め、賃料保証会社への請求を棄却した事例 |
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467 | H26.8.1 | 東京地裁 |
中古戸建住宅の売買契約締結時に仲介業者に寄託された手付金について、契約を解除した買主が返還を求めた事案において、仲介業者に、代金支払と担保権の負担のない所有権移転登記の同時履行ができない危険性を秘するという点において欺罔行為があり、媒介契約は詐欺取消の対象となるとして、寄託された手付金の返還を命じた事例 |
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468 | H26.7.25 | 東京地裁 |
特定目的会社から信託受益権を購入し、最終的に不動産の所有権を取得した法人が、建物の非常用電源設備には著しい整備不良があり、取得後交換を余儀なくされたとして、売主には瑕疵担保責任又は説明義務違反に基づき、媒介業者には説明義務違反に基づき、交換費用相当額の損害賠償を請求した事案において、買主の請求がすべて棄却された事例 |
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469 | H26.7.25 | 東京地裁 |
買主が購入した区分所有建物に居住不能な水銀汚染があったとして、売買契約の錯誤無効、履行不能、瑕疵担保責任による契約解除、水銀を残置したことの説明義務違反による損害賠償等を求めた事案において、当該汚染は買主の内装業者が、残置されたガラス瓶の内容物が水銀であることを知らず、搬出中に誤って割った漏出事故によるものであり、売買契約時において建物に水銀汚染があったとは認められない、また売主に水銀を残置したことの買主への説明義務違反が認められるが、損害の立証が認められないとして、その請求を全て棄却した事例 |
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470 | H26.7.16 | 東京地裁 |
外国人向けにゲストハウスとして賃貸中の物件を現状有姿で購入し、管理運営を売主に委託した買主が、漏水とそれを原因とするカビ被害や入居者による汚れ等が瑕疵に当たると主張して、売主、賃料収納会社及びそれらの役員らに対して、改修工事費用及び逸失利益相当の損害賠償等を請求した事案において、漏水の改修工事費用及び残置物処理費用等については瑕疵担保責任又は原状回復義務を理由に、売主に対する請求を認容したが、それ以外の請求については棄却した事例 |
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471 | H26.7.15 | 東京地裁 |
建物賃貸借契約を締結した賃借人が、当アパートでは水道・電気料金が、賃貸人が一括して各供給事業者に支払った後に、各賃借人に対し使用量に基づく実費と基本料金を各戸割りした金額を請求するようになっていたことについて説明がなかったとして、調査説明義務違反を理由に、媒介業者に対し損害賠償を請求した原審で請求が棄却されたため控訴した事案において、賃借人の控訴請求が棄却された事例 |
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472 | H26.7.9 | 東京地裁 |
借地権付建物を売主らから購入した買主が、売主らとの間で、借地権の対象となっている土地に地中障害物が発見された場合には売主らの責任で撤去するとの合意をしたところ、地中障害物が発見されたにもかかわらず売主らがこれを撤去しないため、買主において撤去工事を行ったと主張し、売主らに対し、債務不履行に基づく損害賠償を請求した事案において、売主らは合意書に基づき、撤去費用に限り負担義務を負うものと認められるとし、買主の請求を一部認容した事例 |
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473 | H26.7.8 | 東京地裁 |
本件は、宅建業者が媒介契約に基づき買主に未払仲介手数料の支払を求めた本訴に対し、買主は、宅建業者が買換特約の存在を説明、助言する義務及び同特約を売買契約に盛り込む義務、建物の買換えにあたり購入時のリスクを具体的に説明する義務等を履行しなかったため違約金の請求を受けたとして、違約金相当の損害金と媒介契約解除による支払済仲介手数料の支払を求めた反訴において、買主の請求は棄却され、宅建業者の請求が認容された事例 |
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474 | H26.7.1 | 東京地裁 |
近接する自己所有ビルの一体開発を目的として、建築後約40年を経過した都心ビルを購入した賃貸人が、本件ビルの賃借人に対し、建物の老朽化、再開発、自己使用等の必要性及び立退料の申出を正当事由として、賃貸借契約の解約、建物の明渡しを求めた事案において、賃借人の自己使用の必要性につき、十分な金銭的補償がなされれば移転は可能であるとして、適正な立退料提供を条件に建物明渡し請求を認容した事例 |
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475 | H26.6.27 | 東京地裁 |
不動産の売買交渉において、買付証明書、売渡承諾書の取り交し後に、売主より売買契約の締結を待って欲しいと言われた買付申込者が、売主の契約締結上の過失を理由として目的不動産に仮差押を行った事案につき、当該仮差押に不法行為が成立するとして、売主の買付申込者に対する損害賠償請求が一部認容された事例 |
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476 | H26.6.19 | 高松高裁 |
土地売買契約の買主が、当該土地上の建物(取壊済)で20年以上前に自殺があったことについて説明がなかったとして仲介業者に対し調査説明義務違反を理由として損害賠償を請求した事案。仲介業者は、当該事実を知らなかったこと、及び当時の建物も取壊され自殺後20年以上経過しており、当該自殺は重要な事項に当たらない旨主張したが、当該自殺がこれに先立って発生した当建物住人による殺人事件と関連付けられて近隣住民の記憶に残っており、取引に重要な影響を及ぼす要因と判断されるとしたうえで、仲介業者は契約締結後決済前に自殺の事実を認識しながらこれを買主に伝えなかった為、買主は代金決済や引き渡しを受けずに売主と交渉等を行う機会を失ったとして、仲介者の不法行為を認め、買主の請求を大幅に減額(約1割)の上認容した事例 |
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477 | H26.6.16 | 東京地裁 |
居住用賃貸マンションの貸主が、借主において火災によりマンションの室内を全焼させたとして、借主に対しては賃貸借契約の債務不履行に基づく損害賠償として、連帯保証人に対しては連帯保証契約に基づいて、原状復旧工事費用等の損害賠償を請求した事案において、借主の損害賠償責任が認定され損害賠償請求の一部が認容された事例 |
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478 | H26.6.13 | 東京地裁 |
宅地建物取引業者の従業員が、建物所有者の依頼により、建物を占有する第三者と交渉し任意退去させたところ、建物所有者が、弁護士資格を持たない同従業員の法的紛争事案の介入により損害を負ったとして、宅建業者及び同従業員に対し損害賠償を請求した事案において、同従業員の退去交渉において、弁護士法抵触の要件たる「報酬を得る目的」及び「業とする」は認められず、また、高齢である建物所有者の意思能力欠如に乗じ無断で行ったものとも認められないとして、その請求を棄却した事例 |
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479 | H26.5.23 | 東京地裁 |
各階を区分所有建物とする建物の一部の階の買主が、専有部分の空調設備は老巧化し、修繕不能であったために損害を被ったとして、売主に対しては瑕疵担保責任に基づき、売却仲介をした業者に対しては不法行為責任に基づき、損害賠償金の支払を求めた事案において、設備の老朽化は、売買において予定されていた品質・性能を欠いていたということはできず、また、仲介業者が調査、説明すべき義務を負っていたとはいえないとして、買主の請求を棄却した事例 |
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480 | H26.5.22 | 東京地裁 |
法人の所有地について売却活動を行っていた不動産業者が、購入希望者から提示された価格が折り合わないことを理由に売主に購入希望者名を伝えなかったところ、購入希望者が本件土地の抵当権者を通じて売主に条件提示し成約となったため、結果的に排除された上記業者が買主及び買側仲介業者に対し、仲介手数料相当額の損害賠償を請求した事案において、当該請求が棄却された事例 |
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481 | H26.5.14 | 東京地裁 |
借地権付建物の賃貸人が、借入金の返済、他の相続人への価格弁償債務、借地更新料の未払債務などに充当するため、自宅とそこに隣接する当該物件を売却する必要性を正当事由として更新拒絶の意思表示を行い、賃借人に対し立退料170万円と引換えに建物明渡を請求した事案において、一定額の立退料支払により正当事由が補完されていると認められるとして、賃貸人の請求を認容した事例 |
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482 | H26.5.13 | 東京地裁 |
所有する建物の共用部分で、賃借人が自殺したため、本件建物の貸室及び近接貸室を第三者へ賃貸することが著しく困難となったとして、賃貸人らが連帯保証人に対し、?主位的に賃貸借契約に基づく債務不履行責任に基づき、?予備的に共有持分権侵害を内容とする不法行為に基づき、賃料収入減少分を損害賠償請求した事案において、賃貸人らの主張が減額の上で認容された事例 |
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483 | H26.5.12 | 東京地裁 |
賃貸人が、所有する建物及び駐車場の賃貸借契約において、法定更新後も、賃貸保証会社が賃貸借契約に基づく賃借人の賃料債務等を連帯保証したとして、保証債務履行請求権に基づき、滞納賃料等の支払いを求めた請求において、更新後の賃借人の債務についても保証の責めを負うことについて反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情がなかったとして、認容された事案 |
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484 | H26.4.28 | 東京地裁 |
自社ビル用地を購入し引渡しを受けた後に、近隣のビルに暴力団関係団体が入居していることを知った買主が、媒介業者に対し調査説明義務違反を理由に、主位的には売買代金相当額を、予備的に価値の減価分相当の損害賠償を請求した事案において、媒介業者が暴力団関係団体の事務所の存在を認識していたとは認められないとして、買主の請求が棄却された事例 |
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485 | H26.4.25 | 東京地裁 |
宅地建物取引業者から賃貸目的で建物を購入した買主が、同建物の瑕疵又は売主の不完全履行により、賃貸ができないとして、売主に対して、建物工事に要した費用及び建物の月額賃料相当割合の逸失利益の支払いを求めた事案において、建物には隠れた瑕疵があり、売主は建物を瑕疵のない状態で引き渡す債務を負っていたにもかかわらずその履行が不完全であったとして、買主の請求の一部(建物工事に要した費用)が認容された事例 |
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486 | H26.4.23 | 東京地裁 |
借地権付建物を購入した買主が、私道の通行・掘削に関する承諾書を取得する旨の特約内容を売主が履行できなかったため、売買契約を解除したとして、手付金の返還と履行遅滞に基づく違約金の支払等を求めた事案において、売主が主張した買主の先履行義務を負う旨の合意はなかったとして、売主の履行遅滞により契約が解除されたものとして、請求が全て認容された事例 |
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487 | H26.4.22 | 東京地裁 |
建物賃借人が賃貸人に対し、建物の不具合箇所の修繕を請求した事案において、賃借人の主張する不具合箇所については現状を明らかにする証拠がなく補修が必要であると認められず、破損の経緯も明らかにしていないことから賃借人の使用収益が不能ないし困難な状態に達しているとはいえないとして、賃借人の請求が棄却された事例 |
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488 | H26.4.18 | 東京地裁 |
賃貸用不動産の買主が、ローン条項に基づき、売主に対して、融資不承認による売買契約解除及び手付金返還請求を行った事案において、買主のローン申請が予め金融機関から示された融資条件に沿った内容で為されなかったためローン条項の適用が認められず、売主からの買主に対する債務不履行に基づく違約金請求が認容された事例 |
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489 | H26.4.15 | 東京地裁 |
分譲マンションの買主が、建物建築中にエレベーターシャフト内で作業員が亡くなる事故等が発生したことを理由として、手付解除あるいは合意解除をしたが、売主が本件手付金全額を取得することは、信義則違反又は権利の濫用として許されないと主張して、本件手付金の半額の返還及び遅延損害金の支払いを求めた事案において、本件事故により本件マンションの客観的価値が大幅に毀損したとは認められないことから、本件売買契約に解除事由が生じたとはいえず、また売主の、買主違約を理由とする契約解除、本件手付金全額の違約金充当が、信義則違反又は権利の濫用に当たるものでもないとして、買主主張を棄却した事例 |
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490 | H26.4.15 | 東京地裁 |
中古住宅の買主が、媒介業者は、土地が液状化危険度マップにおいて地震が発生した際に液状化の危険性が極めて高いことを説明していないとして、媒介契約の解除と支払済の手数料の返還等を求め、売主に対しては、支払済の手付金の返還等を求めた事案において、本件マップの客観的正確性には限界があり、本件土地に地盤沈下の危険性があるわけではないなどとして説明義務違反を否認した事例 |
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491 | H26.4.1 | 東京地裁 |
マンションの買主が、婚活サイトで知り合った者の言葉巧みな話術で好意を抱かされ、これにつけ込まれて購入するに至ったとして、同人、当該物件を紹介した会社及び同社の代表者に対して売買代金、諸費用及び弁護士費用等の支払を求めた事案において、これら3者の共同不法行為責任を認め、売買代金及び諸費用の合計から当該マンションの現存価値を差し引いた金額及びそれと相当因果関係のある弁護士費用に限り請求が認容された事例 |
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492 | H26.3.25 | 東京地裁 |
マンションの区分所有者が階下の住人及び住戸所有者(住人の親)に対し、その歌声がうるさく、健康を害し転居をやむなくされたとして、転売利益の喪失分、転居費用、治療費や慰謝料等を不法行為に基づく損害賠償と今後の騒音の発生の差止めを請求した事案において、上階の住人が主張するような騒音の発生は認められないが、年に数回は深夜に歌っていた事実は認められるとして、これに相当する損害賠償のみを認容した事例 |
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493 | H26.3.18 | 東京地裁 |
建物の賃借人が、居室内の据付洗濯機の漏水事故によって、居室内の床が浸水し、財産的及び精神的損害を被ったとして、不法行為、債務不履行又は工作物責任に基づき損害賠償を求めた事案において、漏水事故はむしろ賃借人の使用や清掃に問題があったとしてその請求を棄却した事例 |
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494 | H26.3.11 | 東京地裁 |
土地区画整理事業地内の土地を敷地とするマンションの買主等が、同事業における賦課金を課されたため、分譲業者に対し瑕疵担保責任又は説明義務違反の不法行為責任による損害賠償を求めた事案において、分譲時に賦課金が課される可能性が具体性を帯びていたといえないことから、瑕疵担保責任・不法行為責任いずれとも理由がないとして、請求が棄却された事例 |
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495 | H26.3.6 | 津地裁 |
道路陥没事故により所有建物に居住できなくなった原告が、開発許可をするなどした被告市及び本件土地の宅地造成を行い原告に売却した被告売主業者に対し、損害賠償を求めた事案において、被告市は、本件道路の安全確認が不十分なまま漫然と開発許可手続等をしており、通常有すべき安全性を欠いた本件道路の管理について瑕疵があったと認められるとして、陥没を予見できなかったとする被告市の主張を退けた上、被告売主業者には宅地建物取引業者として本件開発許可条件の内容についての説明義務違反が認められるとして、請求を一部認容した事例 |
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496 | H26.2.27 | 大阪高裁 |
吹付けアスベストが露出している建物内で就労していた男性が悪性胸膜中皮腫を発症し死亡したため、遺族が所有者兼賃貸人に対して損害賠償を求めた事案で、一審及び二審において所有者兼賃貸人の工作物責任が認定され遺族の請求の一部が認められたが、上告審にて、当該建物が通常有すべき安全性を欠くと評価されるようになった時点を明らかにしないまま建物の設置又は保存の瑕疵の有無について判断したことに審理不尽の違法があるとされ、差戻控訴審において、当該建物が遅くとも昭和63年2月頃には通常有すべき安全性を欠くと評価され、所有者兼賃貸人について占有者としての工作物責任が認定された事例 |
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497 | H26.2.25 | 東京地裁 |
買主(法人)は本件不動産を購入後、本件建物は建築基準法所定の容積率の制限を超過した違法建築物であったとして、仲介業者に対し調査説明義務違反に基づく損害賠償を請求した事案において、重説には敷地面積、建物延床面積及び容積率が正確に記載されており、買主は契約締結時までには容積率違反について認識することができたとし、買主の請求を棄却した事例 |
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498 | H26.2.20 | 東京地裁 |
土地付建物を購入した買主が、建物に漏水の原因となる瑕疵及びネズミやゴキブリがいる事実を告知しなかったことを理由に、売主に対しては、詐欺による取消もしくは錯誤による無効、仲介業者に対しては、説明義務違反による損害賠償を請求した事案において、買主の請求がいずれも棄却された事例 |
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499 | H26.2.7 | 東京地裁 |
ビルを購入した買主が、建築基準法上の是正が必要な隠れた瑕疵があり、仲介業者からその売買目的物の瑕疵の有無についての調査・報告がなかったことにより損害を被ったとして、売主には主位的に瑕疵担保責任に基づき、予備的に不法行為又は不当利得に基づき、仲介業者には調査報告義務の債務不履行に基づき、工事費用相当額および遅延損害金の支払を求めた事案において、買主の主張には理由がないとして、請求が全て棄却された事例 |
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500 | H26.2.3 | 東京地裁 |
賃貸中の土地建物を購入した買主が、購入対象と認識していた土地に区有地が含まれていたにも拘わらず十分な調査を行わずこれを見落とし事実と異なる誤った説明をしたとして、媒介業者に対し債務不履行に基づく損害賠償及び不当利得の返還を求めた事案において、媒介業者の説明義務違反を認め、請求額の一部を認容した事例 |
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501 | H26.1.29 | 東京地裁 |
事業用賃貸借の貸主が耐震補強工事を行うため、飲食店経営の借主は営業が困難になったとして退去した上で、貸主が契約締結時に耐震補強工事の必要性があることやその予定について説明しなかったことは不法行為にあたり、当該工事により営業困難になったとして債務不履行を理由に、貸主に対して逸失営業利益等の損害賠償請求を行った事案において、借主の請求は棄却され、貸主の契約条項に基づく賃料及び原状回復費用請求が認められた事例 |
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502 | H26.1.23 | 東京地裁 |
戸建住宅の売買契約において、買主が、売主側仲介業者の担当者から、変更合意書へ実印押印を強要されたこと、残金の振込手数料を負担させられたこと、売買契約締結時点で測量結果を秘匿されたことが、不法行為にあたるとして損害賠償を請求した事案において、買主の請求が棄却された事例 |
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503 | H26.1.23 | 大阪高裁 |
分譲マンションの住民らが、当マンションを分譲した分譲業者らが新たに南側の土地で始めたマンション建築に関し、日照阻害を理由とする建築工事差止めと、日照阻害又は分譲時の説明義務違反を理由とする慰謝料請求をした原審で、分譲業者らの説明義務違反を理由に慰謝料請求の一部が認められたため、これを不服とした分譲業者らが控訴した事案において、控訴審も原判決を支持し分譲業者らの控訴を棄却した事例 |
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504 | H26.1.15 | 東京地裁 |
築38年を超えるマンションの一室を購入した買主が、暴風雨の折、サッシや建物躯体のひび割れから水が浸水し、寝具等に被害が生じたとして、売主には、浸水の可能性を認識していたのに告知しなかったとして、債務不履行、不法行為、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求を、媒介業者には、調査説明不足に起因する債務不履行に基づく損害賠償請求を、さらに買主が売主従業員に渡した被害状況を撮影したSDカード(記憶媒体)を返還するよう求めたが、いずれの請求も棄却された事例 |
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505 | H25.12.27 | 東京地裁 |
分譲マンションを購入した買主が、住戸に付設された駐車場について、販売担当が屋内駐車場であるかのような説明をしたとして、主位的に、消費者契約法の重要事項の不実告知若しくは不利益事実の不告知又は民法の錯誤を理由として、売買契約の取消し又は無効に基づく手付金の返還を求め、予備的に、信義則上の情報提供義務違反の不法行為に基づき手付金の賠償を求めた事案において、買主の請求はいずれも理由がないとして、全て棄却された事例 |
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506 | H25.12.26 | 東京地裁 |
借地権付建物の売買に際し、借地から公道に通じる通路について、売主等が、用益権がないのにあるかのように装う欺罔行為をし、また、用益権を取り付けるよう約束したのに履行しないとして、不法行為に基づく損害賠償を求め、予備的に債務不履行に基づく遅延損害金支払いを求めた事案において、売主等の不法行為を認めて損害賠償を命じた事例 |
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507 | H25.12.25 | 横浜地裁 |
購入土地の登記申請を司法書士に依頼した買主が、所有者の名をかたった無権利者の売主に売買代金相当額を騙し取られたとして、損害賠償を求めた事案において、売主側と面談して真の所有者か否かを確認するよう買主から委任されたとは認められないし、果たすべき義務を果たした司法書士が結果として自称売主が土地所有者本人でないことを看過したとしても、注意義務違反があったとは認められないとして請求が棄却された事例 |
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508 | H25.12.25 | 東京地裁 |
ビルの貸室の建物賃貸借契約の解約に関し、賃貸人が、賃借人及び連帯保証人に解約予告金・解約負担金・原状回復費用等を求め(本訴請求)、これに対して、賃借人が、敷引後の敷金残額を返還することを求め(反訴請求1)、かつ、建物で発生した害虫の駆除を賃貸人が適切に行わなかったことが債務不履行にあたるとして損害賠償を求めた(反訴請求2)事案において、貸主の債務不履行を否定し、借主に解約負担金の支払義務はないとした事例 |
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509 | H25.12.16 | 東京地裁 |
信託受益権売買において優先交渉権を取得したが決済期限の延期を要望し証拠金を差入れた買主が、最終的に契約締結を見送ったところ、売主が証拠金を違約金として収受したため、買主が証拠金返還を約定したレンダー、その従業員及びアセットマネージャーに対し、不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償として証拠金相当額を請求した事案において、各当事者が法的に義務を負う程の約定をしたとは認められないとして買主の請求を棄却した事例 |
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510 | H25.12.11 | 東京地裁 |
建物老朽化を事由に賃貸人が賃借人に対して賃貸借契約の解除、建物明渡を求めた原審で、立退料の支払と引き換えに賃貸人の請求が認容されたため、それを不服として賃借人が控訴したところ、建物老朽化の程度は激しく倒壊により近隣被害が及ぶ恐れもある一方、賃借人は高齢であり移転先を探すのは容易でなく、転居が肉体的、精神的に負担になることが認められるものの、移転が全く不可能とは言えないとして、原判決の立退料を増額した上で、賃貸人の契約解除、明渡請求が認められた事例 |
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511 | H25.12.11 | 東京地裁 |
建物所有者との間で賃貸借契約を締結し、元の賃借人との間で転貸借契約を締結した転貸人が、転貸借契約は原賃貸借契約を引き継いだうえで、新たに転貸人を貸主とするために締結したもので、実質的には契約内容の変更であり契約の解除ではないから、賃貸借契約における連帯保証人の連帯保証債務は消滅せず、転貸借契約に引き継がれるとして、転借人の賃料等の滞納について、連帯保証人の相続人に支払い等の履行請求を求めたが、請求が全て棄却された事例 |
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512 | H25.11.28 | 東京地裁 |
土地付建売住宅を購入した買主が、購入土地の東側隣接地より越境されたコンクリート構築物が購入後自由に処分できると不実の説明をされたこと及び購入土地の地盤が軟弱であった事実を故意に告げられなかったとして、売主に対し、消費者契約法4条に基づく契約取消、錯誤無効又は詐欺取消、瑕疵担保責任に基づく契約解除を理由に原状回復費用の請求及び説明義務違反に基づく損害賠償(弁護士費用含む)の支払を求めた事案において、買主の請求のうちコンクリート構築物の説明義務違反に基づく損害賠償請求の一部が認容された事例 |
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513 | H25.11.22 | 大阪高裁 |
賃貸人が賃料滞納をしている賃借人に対し、契約の解除と建物の明渡しを求め、賃料を代位弁済した賃料保証会社が代位弁済額及び保証事務手数料の支払を求めた事案において、保証委託契約に基づく保証会社の支払は代位弁済であって、賃借人による賃料の支払ではないとして、賃貸人の建物明渡し及び賃料保証会社の請求を認容した事例 |
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514 | H25.11.21 | 東京地裁 |
引渡し後に地中から発見された土壌汚染及び地中杭について、買主の瑕疵担保請求が認められた事例 |
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515 | H25.11.7 | 東京高裁 |
建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)59条1項に基づく管理費等の滞納区分所有者への競売請求に際し、マンション管理組合法人自身が、競売手続で第三者への転売を前提とした買受人となることは、宅建業法違反にあたり、同法人の目的範囲外の行為であるとして、同法人の組合員が総会決議の無効確認請求をした事案において、同決議内容は同法人が目的を遂行する上で直接又は間接に必要な行為であり、また、その行為が直ちに宅地建物取引業を営むものとは認められないとして、その請求を棄却した事例 |
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516 | H25.10.30 | 東京地裁 |
建物所有を目的とした土地賃貸借契約の更新において、賃貸人が賃借人に対し更新料の支払いを請求した事案において、賃貸人が主張する更新料支払の合意、法定更新において更新料を支払う慣習の存在は認められないとして、賃貸人の請求を棄却した事例 |
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517 | H25.10.22 | 東京地裁 |
賃貸マンションの売買契約において、融資が得られず、結果手付金の放棄及び解決金の支払いを余儀なくされた買主が、媒介業者に融資特約を付すべき義務違反等があった等として損害賠償等を請求した事案において、買主は融資利用特約がないことを媒介業者より説明を受け、了承し売買契約を締結したと認められるとして、買主の請求を棄却した事例 |
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518 | H25.10.17 | 大阪地裁 |
居住用賃貸マンションの借主が、家賃を滞納したところ、貸主及び保証会社から追い出し行為を受けたため、貸主及び保証会社に対して財産的損害及び精神的損害を被ったとして、民法709条等に基づいて、損害賠償請求を行った事案において、損害賠償請求の一部が認容された事例 |
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519 | H25.10.17 | 大阪高裁 |
適格消費者団体が、不動産賃貸事業者に対し、事業者の使用する賃貸借契約書の解除条項等は、消費者契約法(以下「法」という。)9条各号又は10条に該当するとして、法12条3項に基づき、同契約書による意思表示の差止め、契約書用紙の廃棄並びに差止め及び契約書用紙廃棄のための従業員への指示を求め、原審が解除条項の一部のみ意思表示の差止め及び契約書用紙廃棄を認めたため、控訴した事案において、解除条項は法10条に当たるとして、原判決を変更し同条項に係る意思表示の差止め及び契約書廃棄を認めた事例 |
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520 | H25.9.30 | 東京地裁 |
派遣運転代行者の紹介依頼に基づいて土地を紹介したとする不動産業者が、不動産業者を排除して行われた土地の売買契約に関し、媒介契約が成立しているとして行った媒介報酬請求について、媒介契約の成立を認めず、媒介報酬請求権の存在を否認した事例 |
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521 | H25.9.27 | 東京地裁 |
保証金は賃借人に帰属するとの約定により賃借人の地位を譲渡した賃借人が、賃貸人から保証金残金の支払いを受けた破産会社の破産管財人に、不当利得返還請求権に基づき保証金相当額の支払いを求め、賃貸人には、保証金返還請求権に基づき、保証金相当額の支払いを求めた事案において、破産管財人への請求は、賃貸人への弁済債務を差し引いた保証金残金の限度で理由があるとして、請求の一部が認容された事例 |
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522 | H25.9.25 | 東京地裁 |
建物賃貸借契約において、賃借人が離婚により本物件を退去したにもかかわらず、同居人が占有を続けるとともに、両者とも賃料を支払わなかったことから、賃貸人が賃料不払い(25か月)を理由に賃貸借契約の解除を通知のうえ、賃借人と同居人に対しては建物明渡しを、また賃借人、連帯保証人、同居人に対しては未払賃料及び更新料と明渡完了までの賃料相当額の支払いを、それぞれ請求した事案において、賃借人側からも賃貸借契約の解除は可能であったことを踏まえ、賃借人らの抗弁を退け、同居人への更新料請求を除き賃貸人の請求を認容した事例 |
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523 | H25.9.17 | 東京地裁 |
宅地建物取引業者と宅地建物取引業者には該当しない売主の共有する土地を購入した買主が、宅地建物取引業法及び特定商取引に関する法律によるクーリング・オフ制度に基づき、売買契約を解除する意思表示をし、手付金の返還を求め、売主が、売買契約の存続を前提として違約金の支払を求めて反訴した事案において、買主による売買契約の解除は有効であるとして、売主に手付金の返還を命じ、売主の反訴請求は棄却した事例 |
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524 | H25.9.11 | 東京地裁 |
建物賃貸借契約において、建物の所有権移転に伴い賃貸人たる地位を継承した新賃貸人が、同時に継承した8か月分の賃料等債権に基づき賃借人に対し、契約解除・建物明渡と不払い賃料等の支払を求めた事案において、賃借人の情状を酌量し、信頼関係の崩壊はないとして、解除権の行使を認めず、いずれの請求も棄却された事例 |
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525 | H25.9.10 | 東京地裁 |
賃貸人が、賃借人の賃料支払遅延、建替応諾条項違反(過去、建物建替時には協力する旨を合意)、迷惑行為禁止条項違反、信義誠実義務違反による賃貸借契約解除、または老朽化による建替の必要性を正当事由とする契約解除を理由に建物明渡を請求した事案において、建替応諾条項は賃借人に不利な条項であり借地借家法30条により無効であるなどとして、賃貸人の解除通知は認められず、建物の状況から見て早期建替の必要性はなく正当事由はないと判断、賃借人への明渡し請求は棄却された事例 |
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526 | H25.9.6 | 東京地裁 |
マンションの区分所有者が、マンション建築の際に建築確認対象地積の一部とされた土地に、新たにマンションが建築されることで、マンションが建築基準法違反となり、価値が毀損されるなどとして、区分所有権による妨害排除請求権に基づく建物建築の禁止を求めた事案において、新たなマンション建築と、マンションが建築基準法違反となることには因果関係は認められないとして、請求が全て棄却された事例 |
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527 | H25.9.4 | 東京地裁 |
残金決済の場で手付解除の意思表示をした買主に対し、売主が、当該手付解除は売主の履行の着手後に行われたものであり手付解除は認められないとして、債務不履行による契約解除を主張し、買主に対し売買契約の違約条項に基づく違約金と受領済金員の差額の支払を請求した事案において、売主の主張が認容された事例 |
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528 | H25.9.3 | 東京地裁 |
破産管財人が、借地権者(破産者A)と宅建業者との間で締結された「不動産コンサルティング業務契約」は、実質は媒介契約であるところ、その約定報酬額は暴利であり、暴利行為又は不公正な取引行為等で無効であるとして、宅建業者に対し、借地権等の売却で支払った報酬のうち、報酬告示で定められた上限額を超える部分の返還を求めた事案において、本件コンサルティング契約は、実質的には弁護士法違反の行為を中心的業務とし、それに対する対価の支払を合意するもので、その額は暴利を得るものであるから、全体として無効であるとして、不当利得返還請求を認容した事例 |
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529 | H25.8.30 | 東京地裁 |
賃貸借契約が終了し、賃借人は年末までに退去したが、賃貸人の都合で鍵返還が年明けとなったうえ、原状回復工事完了日も1月末近くとなったことから、賃貸人が原状回復工事完了日までの日割り賃料等と原状回復工事費を保証金から控除することを主張したところ、賃借人が日割り賃料等及び原状回復工事費控除前の保証金返還を請求した事案において、賃借人は年末に明渡準備を完了し鍵返還が遅れたのは賃貸人の都合によること、賃貸人が次のテナントに原状回復工事をせずに物件を引渡したことを理由として、賃借人の請求を全て認容した事例 |
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530 | H25.8.23 | 東京地裁 |
免震構造のマンションの1階住戸を購入した買主が、地震が発生し免震機能が作動した場合専用庭でテラスが移動し怪我をする危険があり、この点十分な危険防止策を伴わない設計・施工をした為、上記危険性を巡って販売会社との訴訟に巻き込まれたとして、設計施工会社に対し慰謝料の請求をした事案において、現状の対策については、人が負傷する危険性があることは否定できないが、事故の発生頻度は必ずしも高いとはいえず、さらに、これ以上の対策をとるかどうかは設計者の裁量の範囲であるとして、買主の請求が棄却された事例 |
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531 | H25.8.22 | 東京地裁 |
敷地が分有である連棟式区分所有建物において、その所有建物を分離して取り壊し、独立した建物を建築した区分所有者Yに対して、他の区分所有者Xらが、Yの工事によりXらの区分所有建物の屋上防水、外壁等に損傷を負った、またYの建物建築により、Xらの区分所有建物が高度地区制限に違反する違法建築物になったなどとして、Y建築建物の解体収去及び損害賠償を求めた事案において、Yの行為は区分所有者の共同の利益の侵害にあたるとして、Yの建築建物の収去と分離工事により生じた損害の賠償請求が一部認容された事例 |
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532 | H25.8.21 | 東京地裁 |
購入した土地の近隣のビルに暴力団事務所があるとして契約解除又は損害賠償を請求したところ、同事務所は暴力団事務所ではなく、暴力団と関連の深い興行事務所で、周辺の平穏を脅かす事象の発生は認められないとして、契約解除は認めず、売主(宅建業者)の信義則上の説明義務違反にあたるとして、原告の請求額を減額して認容した事例。なお、反訴として提起された売主財産の仮差押えに関する損害賠償請求については、紙幅の関係で割愛した。 |
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533 | H25.8.20 | 東京地裁 |
賃貸人から、定期建物賃貸借契約の特約に基づく中途解約の申入れを受けた賃借人が、賃貸人は立退料等の金銭支払いの条件提示をするなど誠実に対応すべきであるのにこれをせず、仲介業者は紛争の契機となった契約書及び特約を作成し、その後も十分な仲介をしなかったとして、賃貸人及び仲介業者に対して不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、仲介業者に対する請求のみが一部認容された事例 |
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534 | H25.8.19 | 東京地裁 |
建物賃貸借契約の借主の債務不履行により契約を解除した貸主が、特約による原状回復費用、未払賃料等及び使用損害金等の損害賠償を求めた事案において、貸主の損害賠償請求のうち原状回復費用請求については、通常損耗補修特約の合意は否認され、特別損耗に係る請求のみが認容された事例 |
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535 | H25.8.9 | 東京地裁 |
北側の私道(位置指定道路)と南側私道に接する土地を購入した業者買主が、私道との境界付近に設置されたフェンスにより、建築確認上の接道要件を満たすことができず、損害を被ったなどとして、私道共有者全員に対し、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、位置指定道路により接道要件を満たすものとして建築確認を得ることが、私法上当然に保護された利益ということはできないとして、請求が全て棄却された事例 |
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536 | H25.7.31 | 東京地裁 |
賃借建物の一部を転貸していた者が、転借人の転借料不払いにより転貸借契約を解除したとして、明渡しを求め、転借人及び連帯保証人に未払転借料・使用料相当損害金の支払いを求めた裁判の控訴審において、転貸人による転貸借契約の解除が有効であるとして、控訴を棄却して転借人及び連帯保証人に転借料及び使用料相当損害金の支払いを命じた事例 |
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537 | H25.7.30 | 東京地裁 |
建物の瑕疵を主張し調停を申し立てた買主が、調停不調となったことから、売主業者に対し、説明義務違反による不法行為責任、建物の瑕疵担保責任に基づく損害賠償等を求めた事案において、売主の不法行為責任を否定し、建物の瑕疵の一部について瑕疵担保責任を認めた事例 |
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538 | H25.7.22 | 東京地裁 |
事務所ビルの賃貸借契約の契約・引渡し後、同ビル地下1階のライブハウスからの騒音に気付いた借主が、賃借目的である試験会場としての使用に支障があるとして、賃貸借契約を解約し、仲介業者(借主側・貸主側)・貸主に対して、説明義務違反に基づく損害賠償として203万円余の支払を求めた事案において、借主より確認、調査要請がないのに、仲介業者・貸主らには進んで確認、調査を行いその結果を説明すべき注意義務はないとして、借主の請求が棄却された事例 |
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539 | H25.7.17 | 東京地裁 |
賃貸借契約締結の際、賃借人の都合で、賃貸人が署名した契約書を、連帯保証人に署名させる為賃借人に預けたが、半年経過しても賃借人が連帯保証人署名済の契約書を提出せず、また、入居申込書の内容に虚偽があったことから、賃貸人が契約不成立(予備的に債務不履行による契約解除)を主張し、建物明渡しを請求した事案において、本件賃貸借契約は、連帯保証人の署名がなくとも成立しているが、賃借人は、本件で重要な要因となる連帯保証人を立てる為の真摯な努力を怠ったことで信頼関係は破壊されたと判断し、賃貸借契約解除の通知を有効と認め、建物明渡請求を認容した事例 |
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540 | H25.7.16 | 東京地裁 |
建物の使用目的を変更して賃貸借契約を承継した賃借人が、賃貸人に対し、敷金および修繕工事費用立替額を請求した事案において、賃貸人は、住居目的で賃貸した建物を賃借人が事務所として使用していたため通常使用による損耗分も含めた原状回復費用を負担すべき等を主張したが、賃貸借契約の条項の変更は行われていない等の理由から、敷金より賃借人負担分の原状回復費用を控除した額の返還と入居中の修繕工事費用立替額および遅延損害金の請求が認容された事例 |
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541 | H25.7.12 | 大阪高裁 |
買い受けた土地に、大量の産業廃棄物が埋められ、土壌の一部が鉛で汚染されていたことが、売買契約の隠れたる瑕疵に当たるなどとして、買主の地位を承継した法人が、売主である市に対して、売買契約の付随義務としての説明義務違反又は不法行為に基づき、損害賠償を求めた事案の控訴審において、原審を変更し、売主の不法行為責任を認め、買主の請求を一部認容した事例 |
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542 | H25.7.3 | 東京地裁 |
一棟売賃貸マンションの買主が、一室で自殺があった事実を説明しなかったとして、売主には、債務不履行あるいは瑕疵担保責任に基づき、媒介業者には、債務不履行あるいは不法行為に基づき、損害賠償請求を求めた事案において、売主らは決済までに自殺の存在を知っていたとは認められず、また、知らなかったことが調査義務の懈怠によるとも認められないとして瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求以外は棄却された事例。 |
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543 | H25.7.3 | 東京地裁 |
宅建業者が、媒介活動から排除されたため、媒介手数料相当額の損害を被ったとして、買主には、主位的に媒介契約等による報酬請求権又は予備的に不法行為に基づき、また、媒介業者には不法行為に基づき、損害賠償を求めた事案において、請求が認められた事例 |
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544 | H25.6.26 | 東京地裁 |
媒介業者と賃貸人間で、媒介業者がテナントから受領した預り金等の授受についてトラブルが発生し、媒介業者は営業妨害の不法行為に基づく損害賠償請求(本訴)を、賃貸人は預り金等の返還を求めた(反訴)事案において、テナントより礼金として受領する金員を媒介業者が広告料名目で収受する旨の媒介業者と賃貸人間の合意は、宅建業法に違反し無効であるとし、裁判所が認定した媒介業者から建物所有者への未交付分に限定して賃貸人の請求は認容されたが、双方のその余の請求は棄却された事例 |
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545 | H25.6.25 | 東京地裁 |
店舗の賃貸借契約を締結した賃借人が、業者が行った重要事項の説明の誤りにより多大な金銭的、精神的損害を被ったとして損害賠償を求めた事案において、重要事項説明書の内容に不備ないし誤りがあると認められるものの、賃借することを決断したことに重要事項説明書等は何ら関与していないから、重要事項説明書の不備等と賃借との間に因果関係はなく、賃借人が仲介業者の欺罔行為により賃貸借契約を締結させられたとはいえないなどとして、仲介業者の債務不履行ないし不法行為を否定し、請求を棄却した事例 |
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546 | H25.6.25 | 東京地裁 |
3か月間のフリーレントがある定期建物賃貸借契約を締結した賃貸人が、賃料等を支払わない賃借人に対し、契約の解除を通知し約定の違約金等を請求したが、賃借人が敷金償却特約、違約金特約等は公序良俗に反し無効であると主張して争われた事案において、違約金等に関する合意を不合理ということはできず、公序良俗に反するとはいえないとして、賃貸人の請求を認めた事例 |
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547 | H25.6.24 | 東京地裁 |
建物賃貸借契約の貸主が中途解約をした借主に対して約定解約金の支払いを求めたことに対し、借主が解約の意思表示をしたのは貸主が安全に賃貸建物を使用収益させるべき義務に違反したことを理由としたもので約定違約金は発生しないとして敷金の返還を求めた事案において、貸主の約定違約金請求が認容された事例 |
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548 | H25.6.18 | 東京地裁 |
土地建物の売買契約において、売主が買主の決済期日における代金不払いによる債務不履行を理由に売買契約の解除及び違約金を求めた事案において、売主の請求が認容された事例 |
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549 | H25.6.14 | 東京地裁 |
建物賃貸借契約において、賃貸人が建物老朽化に伴う建替えを理由に賃借人に建物明渡を請求した事例において、本件建物の耐震性能の問題は,震度5弱程度の地震でも人命を損ないかねないほどに深刻で、早急な対応が必要なことは明らかであるから、これを建物老朽化という現況の問題として単純に評価することは相当ではなく、むしろ、人道的見地より、解約申入れに関する正当事由の判断上は、賃貸人自身の建物使用に準じる事情として位置づけ考慮すべきものとし、立退料の支払いと引き換えに建物明渡請求が認容された事例 |
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550 | H25.6.14 | 東京地裁 |
賃借人が賃料の滞納を続けた為、賃貸人が連帯保証人に滞納賃料の支払を請求した事案において、賃料不払が長期間継続していたにもかかわらず、賃貸人は賃貸借契約解除等の手続きを講じることなく、7年以上にわたり漫然と滞納賃料を増加させたことを踏まえ、当初の賃貸借期間(3年間)の賃料相当額を超える請求は信義則に反するとし、賃貸人の請求を限定して認容した事例 |
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551 | H25.6.13 | 東京地裁 |
マンションの区分所有者が、管理組合の総会において行われた管理規約及び店舗使用細則の変更決議は、当該区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすものであるにも関わらず当該区分所有者の承諾がないので、区分所有法31条1項に反して無効であるとして確認を求めた事案において、変更決議の無効が認められた事例 |
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552 | H25.5.29 | 東京地裁 |
5年間の転売禁止を合意して土地建物を売却した売主らが、買主が当該合意に違反して土地建物を転売したため、約定の違約金(売買代金相当額)の一部及び遅延損害金を支払うよう求めた事案において、本件違約金は過大であって公序良俗に反するといえるが,全部無効とするのは適当でないとして,約定の1パーセント及び遅延損害金の支払いを認容した事例 |
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553 | H25.5.28 | 東京地裁 |
購入直後に、購入した土地をマンション分譲業者に転売した購入者が、転売先に購入した土地の地中障害物及び土壌汚染の対策費を支払ったことを損失として、費用相当分を売主に対し損害賠償請求したが、除斥期間が経過していることを理由に請求が棄却された事例 |
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554 | H25.5.27 | 東京地裁 |
分譲マンションにおいて、分譲業者と区分所有者の間で、当該分譲マンション販売に係る紛争に関し成立した和解に基づく和解金の支払が停止。和解金受領に関して区分所有者を代表するマンション管理組合法人が和解金債権の回収を目的に宅地建物取引業保証協会に認証を求めたが、同協会から本件和解金債権及び請求者である管理組合法人は、宅地建物取引業法64条の8第1項の規定を満たさないことを理由に認証を拒否された為、管理組合法人が認証を請求した事案において、管理組合法人の請求が認容された事例 |
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555 | H25.5.27 | 東京地裁 |
賃借人が、賃貸人に対し、クリーニング特約に基づいて敷金から控除されたクリーニング費用の返還を求めた事案において、賃貸人が清掃をしたとしても、それが通常の損耗にとどまる限りは、特約に基づきクリーニング費用を賃借人負担とすることはできないとして、賃借人の請求を認容した事例 |
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556 | H25.5.15 | 東京地裁 |
本件は、土地の貸主が、更新時に更新料を支払う旨の明示もしくは黙示の合意がある、又は更新料を支払う旨の商慣習もしくは事実たる慣習が存在すると主張して、更新料の支払と賃料額の確認を求めたが、毎更新時、更新料を支払う旨の合意があったとは推認できず、また、更新料支払い約定がないにもかかわらず、支払っていた賃借人は一部にとどまることから、更新料支払いの商慣習もあるとはいえないとして、賃料増額の一部のみが認容された事例 |
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557 | H25.5.9 | 東京地裁 |
建築中の未登記建物とその敷地の売買において、建物完成のための残工事請負契約を締結する合意があったとして、買主が、売買契約・請負契約の債務不履行に基づく違約金等を請求した事案において、請負契約を締結した事実は認められず、売買契約ないし請負契約に係る債務は認められないとして、請求を棄却した事例 |
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558 | H25.4.26 | 東京地裁 |
宅建業者と不動産仲介業務の補助業務に関する業務提携契約を締結した者が、当該宅建業者の仲介により成立した売買契約は、自分の情報提供を契機として成立したものであるとして、当該宅建業者に対し、相当額の報酬の支払を求めた事案において、本件契約は原告の情報提供を契機として成立したものとも、原告の買主等への働きかけや提案が成約に寄与したとも認められないとして、請求を棄却した事例 |
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559 | H25.4.26 | 名古屋地裁 |
不動産業者から土地を購入した買主が、当該土地の地下0.5mの位置で地下水が湧出していることが、土地の瑕疵にあたるとして、売主不動産業者に損害賠償を求めた事案において、本件湧水により、基礎工事の工法が制限される上、透水管の設置を要する等、本件土地は通常備えるべき性能を有しているとは言えないとして、本件湧水を瑕疵と認定し、買主の請求の一部を認容した事例 |
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560 | H25.4.22 | 東京地裁 |
宅建業者が訴外宅建業者に売主として土地建物の売却を委託し、また買主としてマンションの買い付けを委託した委託契約でそれぞれ生じた債権につき、訴外宅建業者が社員となる宅地建物取引業保証協会に認証を求めた事案について、当該委託契約の形式が宅地建物に係る売買その他の宅地建物取引の要件を満たすものであっても、当該委託契約の実質が上記要件に該当しない場合は、認証制度の対象となる「宅地建物取引業に関する取引」に該当しないとして認証の請求を棄却した事例 |
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561 | H25.4.22 | 東京地裁 |
賃貸人が賃借人の賃料一部不払いによる賃貸借契約の解除及び建物明渡し並びに滞納賃料等の支払いを求めた事案において、賃貸人、不動産会社及び賃借人に法令に抵触する行為があっても、公序良俗に反するとまでは言えないとして、賃貸借契約に基づく賃貸人の請求が認められた事例 |
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562 | H25.4.19 | 東京地裁 |
土地の売主業者が、買主に対し、売買代金未払いを理由に売買契約を解除し、売買代金の2割相当額の違約金及び遅延損害金の支払いを求めたことに対して、買主が、売主の建築条件を付さないという義務違反及び融資協力義務違反を理由に売買契約を解除し、支払済み売買代金の返還、及び違約金の支払いを求めた事案において、買主の手付解除が認容された事例 |
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563 | H25.4.18 | 東京地裁 |
売主が、買主との間で、土地建物を代金5,080万円とし、手付金100万円、違約金508万円の約定で売り渡す旨の売買契約を締結したが、買主が約定の支払日に残代金の履行を怠ったことから契約を解除したとして、売買契約に基づき、買主に対し、違約金から手付金返還債務を相殺した残金408万円及び遅延損害金の支払を求める事案において、買主の手付解除の意思表示の前に、売主は履行の一部ないしその前提行為(買主名義の建物表題登記)を行っているとして、請求を認容した事例 |
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564 | H25.4.17 | 東京地裁 |
保育所等施設の経営を使用目的として賃貸借契約を締結した賃借人が、賃貸人に対し、本件建物は保育所等施設として使用することが不可能であることが判明したとして、本件賃貸借契約は、実現可能性を欠き、あるいは錯誤により、無効であると主張して、保証金及び賃料の返還を求めた事案において、実現可能性がないとして一律無効とするのではなく当事者間の利益調整を図るのが民法の趣旨であるとして、また、賃借人には本件建物が保育所として使用可能であることと信じたことについて重大な過失があるとして、請求を棄却した事例 |
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565 | H25.4.16 | 東京地裁 |
建物老朽化を理由に、賃貸人が賃借人に対し建物明け渡しを請求した事案において、建物が朽廃しているとまでは認定できないとして老朽化による無条件解約は認めなかったが、修繕費用が貸主にとって過大な負担になることを考慮し、建物倒壊による危険の回避の為、明け渡しを受け、取壊しを行うことが相当と判断の上、一定の補償と引換えに賃借人に対し建物明け渡しを命じた事例 |
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566 | H25.4.9 | 最高裁 |
建物地下1階部分を賃借して店舗を営む者が、建物の元所有者の承諾を得て、営業のために建物1階部分の外壁・床面に看板等を設置していたとして、建物全部を譲り受けた者が、所有権に基づき看板等の撤去を求めた事案において、看板等は建物部分と社会通念上一体のものとして利用されてきたということができるとして、建物の譲受人による撤去請求が権利の濫用に当たるとされた事例 |
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567 | H25.4.8 | 東京地裁 |
買主が、宅建業者との間で行った不動産取引に関し、不法行為に基づく損害賠償請求権を取得したにもかかわらず、同社がその支払をしないとして、同社を会員とする保証協会に対して、宅建業法64条の8第2項に基づき認証申出をしたところ、同協会がこれを拒否したため、申出者が認証を求めた事案において、当該損害賠償債権は、宅建業に関する取引により生じた債権には該当しないとしてその請求が棄却された事例 |
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568 | H25.4.4 | 東京地裁 |
売主が、買主の中間金支払の履行遅滞を理由として売買契約を解除し、違約金と遅延損害金を求めた事案において、買主の同時履行の抗弁権の存在効果が消滅していないとして、売主の請求が棄却された事例 |
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569 | H25.3.28 | 東京高裁 |
不動産賃貸事業者が使用する契約書に記載されている、更新料支払条項及び契約終了後に明渡しが遅滞した場合の損害賠償の予定を定めた条項は、消費者契約法9条1号及び10条により無効であるとして、適格消費者団体が、契約の申込み又は承諾の意思表示の停止及び契約書用紙の破棄等を求めた事案の控訴審において、原審を相当とし、各条項は無効であると認めることはできないとして、控訴を棄却した事例。 |
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570 | H25.3.28 | 東京地裁 |
耐震性に問題のある大規模賃貸マンションを所有する賃貸住宅事業者が、耐震改修が経済合理性に反するとの結論に至り、改修工事実施を断念し、除却する方針を決定して、賃借人らに対し、賃貸借契約終了に基づき、建物の明渡し及び約定損害金の支払を求めた事案において、更新拒絶には正当事由があるから、各契約はいずれもその満了日の経過をもって期間満了により終了したというべきであり、賃貸住宅事業者は、賃借人らに対し、建物の明渡しを求めることができるとされた事例 |
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571 | H25.3.28 | 東京地裁 |
国から所有地の売払を受け,同土地上に建物を建築し分譲した不動産会社から,同土地建物を購入した買主が,購入後約10年経った時点で,同土地の地中に雨水用排水管が埋設されていることをA市から知らされ,同管破損による敷地陥没が原因で建物が倒壊する危険があり,又建替時に地階を設ける障害となるとして,売主に対し,瑕疵担保責任,債務不履行,不法行為,錯誤無効を主張し,損害賠償又は不当利得返還を求めた事案において、当該雨水用排水管の存在は土地の瑕疵と認められるが、既に売買契約に規定された瑕疵担保責任の期間は経過しており瑕疵担保責任は問えず、債務不履行、不法行為、錯誤理由にも当たらないとして請求を棄却した事例 |
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572 | H25.3.27 | 大阪高裁 |
建売住宅を購入した買主が、建物には建替えを必要とする重大な瑕疵があるなどとして、販売会社に対しては、瑕疵担保責任等に基づき、販売会社及び仲介会社の代表者に対しては、不法行為責任等に基づき損害賠償を求めた事案において、原判決を変更し、販売会社の瑕疵担保責任、不法行為責任とともに、代表者らの不法行為責任を認容した事例 |
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573 | H25.3.27 | 東京地裁 |
購入した建物が違法建築であったことが理由で、仮契約締結までしていたテナントとの賃貸借契約が成立しなかったとして、賃貸人が、賃貸借契約交渉時の賃借人側の媒介業者(=物件購入時の媒介業者)に対し、宅建業者として契約締結するよう媒介行為を行うべき義務を怠ったとして、損害賠償を求めた事案において、賃貸借取引においては賃借人側の媒介業者に賃貸人に対して重要事項の説明義務はないことから、重要事項説明の相手方に対して発生する信義則上の説明義務が生じる余地はなく、また、上記賃貸借契約不成立の帰責事由は賃貸人にあるとして賃貸人の請求を全て棄却した事例 |
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574 | H25.3.26 | 東京地裁 |
私道に接する宅地を売主業者から購入した買主が、当該宅地の元の所有者が私道の所有者と交わした私道使用契約に基づく通行権の確認、妨害禁止請求等を求めた事案において、売主業者と私道の所有者が交わした私道使用契約に基づく通行権が承継されること、及び私道の所有者らの妨害行為も認定できるとして、損害賠償請求が一部認容された事例 |
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575 | H25.3.25 | 東京地裁 |
賃借人が、賃貸人と建物賃貸借契約を締結し、居住を始めてからまもなく、建物内の天窓部分から雨漏りがあり、その後も雨漏りが繰り返され、再三にわたって修繕を求めたが、賃貸人が十分な対応を取らず、修繕も行わなかったことから、修補義務違反があるとして、賃借人は、支払賃料のうち減額相当分、水損、慰謝料等の損害(損失)金及び遅延損害金の支払を求めた事案において、支払賃料の減額請求は棄却されたが、水損、慰謝料、遅延損害金の請求の一部が認容された事例 |
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576 | H25.3.22 | 東京地裁 |
中古住宅を購入した買主が、引渡し後まもなく地盤が不安定であり建物に傾きやひび割れ等が生じているとして、売主及び媒介業者に対し調査説明義務違反による不法行為ないし債務不履行による損害賠償請求、また、売主に対し、売買契約の錯誤無効を理由とする既払売買代金の不当利得返還請求、予備的に売主に対し、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求を行った事案において、本件傾き等を瑕疵としたが、その程度は建替えを要するほどのものではないとして錯誤による無効は認めず、売主及び媒介業者の信義則上の調査説明義務違反を認め、請求額の一部を認容した事例 |
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577 | H25.3.22 | 最高裁 |
土地区画整理事業の施行地区内の土地を売主らから売買により取得した買主らが、売買後に土地区画整理組合から賦課金を課されたため損害を被ったと主張して、売主らに対し、瑕疵担保責任に基づく賦課金相当額の損害賠償等を求めた事案において、各売買の当時、保留地の分譲はまだ開始されておらず、賦課金を課される可能性は一般的・抽象的なものにとどまっていたことは明らかであり、買主らが賦課金を課される可能性が存在していたことをもって、各土地が各売買において予定されていた品質・性能を欠いていたということはできず、各土地に民法570条にいう瑕疵があるということはできないとした事例 |
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578 | H25.3.18 | 東京地裁 |
公営住宅において、近隣に対して騒音被害を与えていた賃借人に対し、賃貸人が建物明け渡し請求を行った事案において、賃貸人からの明渡請求を認めた事例 |
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579 | H25.3.18 | 東京地裁 |
中古マンションを内装工事後引渡しの条件で購入した買主が、建物の瑕疵により損害を被ったと主張し、売主には、主位的に、売買契約における説明義務違反による不法行為ないしは債務不履行として、予備的に、内装工事に関する債務不履行ないしは瑕疵担保責任として損害賠償を求め、一方、媒介業者には、調査説明義務違反による不法行為ないしは債務不履行として損害賠償を求め、請求の一部分が認容された事例 |
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580 | H25.3.14 | 東京地裁 |
売買代金の着金が確認できないながら所有権移転登記を承諾した売主が、買主の売買代金不払を理由として、買主に対し同登記抹消と損害賠償を、譲渡担保設定者に対し所有権移転登記の抹消を求めた事案において、売買代金支払前の所有権移転の合意はなく、また、譲渡担保設定者には民法94条2項の類推適用はあたらないとして、請求が全部認容された事例 |
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581 | H25.3.14 | 東京地裁 |
土地所有者が、借地権者に対し立退料支払と引き換えに土地の明渡しを求めた事案において、更新拒絶は正当事由を充足していないが、土地所有者の土地利用計画に具体性があり、借地権者の移転が十分可能であることなどから、借地権価格の補償を中心に算定された立退料の提供により正当事由が補完されるとして、相当な立退料と引き換えに建物収去と土地明渡請求を認めた事例 |
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582 | H25.3.13 | 東京高裁 |
新築建物の北側屋根に設置された太陽光パネルの反射光により、建物の所有権の円滑な利用が妨げられたとして、隣地建物所有者が、建て主に対して同パネルの撤去を、同人及び建設会社に対して不法行為に基づく損害賠償を求め、一審において同パネルの撤去と損害賠償請求の一部が認められ、建設会社のみが控訴した事案において、太陽光パネルの反射光による被害は、受忍限度を超えるものではないとして、一審判決のうち建設会社の敗訴部分が取り消され、同社に対する請求が棄却された事例 |
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583 | H25.3.11 | 東京地裁 |
新築マンションの買主が、住戸に付随するルーフバルコニーに上階バルコニーの手摺の一部が落下し、また、落下するおそれがあったため、ルーフバルコニーが使用できなかったと主張し、主位的に売主の瑕疵担保責任に基づく損害賠償を、予備的には債務不履行に基づく損害賠償を求めた事案において、その請求の一部が認容された事例 |
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584 | H25.3.7 | 東京地裁 |
買主が、購入した土地に接する位置指定道路の使用方法について売主業者と隣地所有者の間で一定の合意をしていた事実を隠したという情報提供義務違反があること、及び当該私道には通行権がないという瑕疵があるとして、売主業者に対して不法行為又は瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求した事案において、売主業者に情報提供義務違反があるとして、買主の損害賠償請求が認容された事例 |
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585 | H25.3.6 | 東京地裁 |
本件は、賃貸借目的で建物を購入した買主が、建物の容積率および建ぺい率が建築基準法に違反する状態であったとの説明がなかったとして、売主の説明義務違反、仲介業者の債務不履行あるいは不法行為に基づく損害賠償の支払いを求めた事案において、媒介業者の重要事項説明時の説明は、容積率違反の可能性を認識するに十分であり、建ぺい率違反については、違反の有無を明らかにするまでの調査義務を負っていないとして、請求が棄却された事例 |
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586 | H25.2.26 | 最高裁 |
通行地役権者らが、担保不動産競売による承役地の取得者に対し、通行地役権の確認を求めた事案において、承役地の取得者が、地役権設定登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有する第三者に当たるか否かは、担保不動産競売による土地の売却時における事情ではなく、最先順位の抵当権の設定時の事情によるとした事例 |
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587 | H25.2.20 | 東京地裁 |
賃貸人が、賃借人に対し未払家賃等の支払を求めたのに対し、賃借人は、賃貸人に鍵を返却しその後再交付を受けていないため、建物の占有を妨害されていると主張し、原審は賃貸人の請求を認容したため賃借人が控訴した事案において、賃借人の主張を認め、賃貸人の請求を棄却した事例 |
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588 | H25.2.14 | 東京地裁 |
抵当権の設定された不動産を購入した買主が、購入した不動産が競落により第三者の所有に帰したため、売主に対し売買契約の解除、手付金の返還、及び約定違約金の支払を求めた事案において、売主の履行不能による契約解除、さらに手付金の返還及び約定違約金等の買主の請求を認めた事例 |
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589 | H25.2.13 | 仙台高裁 |
土地建物の賃貸借契約締結時に賃借人と賃貸人の間でなされた建築協力金等償還金と賃料の一部を相殺する旨の合意の効力を、特別清算手続きの一環として土地建物の所有権等を取得し、賃貸人の地位を承継したものに対しても、賃借人は主張できるとした事例。 |
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590 | H25.2.5 | 東京地裁 |
土地の買主が、売主に対して瑕疵担保責任に基づく売買契約の解除を主張し、原状回復として売買代金等の返還、損害賠償として諸費用相当額の支払いを求めた事案において、本件土地にはガケ条例により規制を受けるという瑕疵が認められるが、契約をした目的を達することができないとまでは認められないとして棄却された事例 |
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591 | H25.1.31 | 東京地裁 |
中古住宅とその敷地を購入した買主が、敷地の擁壁の耐久性が欠けていた上、囲障であるブロック塀が隣地に越境している等の瑕疵があったとして、売主及び仲介業者に対して、損害賠償を求めた事案において、売主の瑕疵担保責任及び仲介業者の債務不履行責任を認め、買主の請求の一部を認容した事例 |
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592 | H25.1.25 | 東京地裁 |
耐震性に問題のある賃貸中の建物を取り壊し、分譲マンションを建築することを理由とした賃貸借契約の解約申入れについて、立退料の提供を条件とする正当事由が肯定された事例 |
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593 | H25.1.25 | 東京地裁 |
土地の賃貸人が、賃借人に対し、土地賃貸借契約は期間満了により終了したとして、建物収去土地明渡し及び約定使用損害金(賃料の3倍相当額)の支払を求めた事案において、本件土地の自己使用の必要性は、賃貸人の事情が賃借人の事情を上回るとして、立退料の支払いと引換えに明渡しを認容し、使用損害金の支払いも既払金を控除して認容した事例 |
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594 | H25.1.22 | 最高裁 |
ゴルフ場経営会社が、土地の所有者に対し地代等の減額の確認と正当とされる地代等を超える部分の返還及び借地借家法11条3項ただし書き所定の利息の支払を求め、土地の所有者が、地代等の未払分等の支払を求めて反訴した事案において、一審は本訴及び反訴請求をいずれも一部認容し、土地の所有者が控訴した原審は一審と同額への減額を認めて控訴を棄却。上告審において、土地が建物の所有と関連するような態様で使用されているということもうかがわれない事実関係の下においては、借地借家法11条の類推適用をする余地はないなどとして、原判決を変更し、本訴請求を棄却し反訴請求を認容した事例 |
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595 | H25.1.16 | 東京地裁 |
中古戸建住宅の買主が、売買契約締結後、残代金決済までに発生した東日本大震災により建物が傾いたにもかかわらず、売主の虚偽告知により、手付解約することができなかったとして、売主に対し損害賠償を求める一方で、媒介業者に対して、媒介契約上の義務違反による債務不履行または不法行為を理由に損害賠償請求を求めた事案において、売主への請求については虚偽告知があったと認められないとして、また、媒介業者に対しては、媒介契約上の義務は認められないとして、各々に対する買主の請求を棄却した事例 |
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596 | H24.12.21 | 東京地裁 |
マンション購入者らが、マンションに容積率超過等の瑕疵があったとして、売主に対し瑕疵担保ないし不法行為に基づき、代理・仲介業者らに対し債務不履行ないし不法行為に基づき、各室の売買代金額と客観的価値との差額等の損害賠償を求めた事案において、購入者の主張する事実は瑕疵にあたらず、売主らの説明義務違反により購入者の主張する損害は生じないとして、請求を棄却した事例 |
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597 | H24.12.21 | 東京地裁 |
賃貸人が、賃借人(法人)が賃料を支払わないため契約を解除したなどとして、賃借人及び建物を占有しているその代表取締役に対して明渡しを求め、他方、賃借人が、賃貸人は建物を適切に管理すべきであるのにこれを怠り、水漏れにより賃借人所有の物件が損壊したとして、また、水漏れの原因である温水器は土地の工作物にあたるとして土地工作物責任に基づき、損害賠償を求めた事案において、賃貸人による建物明渡請求が認められ、賃借人による損害賠償請求は棄却された事例 |
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598 | H24.12.19 | 東京地裁 |
宅建業者が、締結された不動産売買契約において売買交渉から排除されたとして売主と買主に対し、仲介報酬の支払を請求した事案において、媒介契約の成立が認められず、また媒介(仲介)行為をしたとは認められないとして、請求が棄却された事例 |
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599 | H24.12.14 | 東京地裁 |
賃貸用マンションの買主が、契約に際して合意された特約内容が実行されなかったとして、売主に対し、主位的に契約解除に基づく売買代金返還と損害賠償を、予備的に不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、特約記載が有効とされ、売買代金返還請求が認められた事例 |
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600 | H24.12.13 | 東京地裁 |
マンション建築目的で購入した土地建物において、北西側建物基礎の越境及び鉛による土壌汚染及び地中物の存在が判明し、買主が売主に対し、売買契約及び瑕疵担保責任による損害賠償を求めた事案において、その請求の一部が認容された事例 |
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601 | H24.12.12 | 東京高裁 |
建築後約40年を経過した建物の所有者である賃貸人が、賃借人に対して、賃貸借契約の解約申入れには正当事由があるとして、立退料の支払と引替えに明渡しを求め、一審がその請求を認めたため、賃借人が控訴した事案において、賃貸人の解約申入れには正当事由がないといえ、立退料の給付申出によっても正当事由は補強できないとして、原判決を取り消し、賃貸人の請求を棄却した事例 |
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602 | H24.12.10 | 東京地裁 |
賃借人は、グループ会社の事務所移転のための賃貸借契約の仲介を宅建業者に依頼し、賃貸人との間で、本件ビルの貸室につき定期建物賃貸借契約を締結したが、仲介業者らが説明義務を怠り、賃借人をして本件貸室を2年以上借り続けることが可能であると誤信させて契約を締結させたと主張して、仲介業者らに対し、損害賠償を求めた事案において、仲介業者らに賃借人主張に係る説明義務違反があったとはいえないと判断して、請求を棄却した事例 |
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603 | H24.11.28 | 東京地裁 |
建物の朽廃及び賃借人が建物を賃貸人の承諾なしに大修繕をしたことを理由として、土地の賃貸人が土地明渡請求を求めた事案において、建物が朽廃したとは認められず、また賃貸人の承諾を必要とする大修繕とは認められないとして、賃貸人の請求が棄却された事例 |
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604 | H24.11.26 | 東京地裁 |
公道に通じていない山林を購入した買主が、公道に至る私道の所有者から通行を拒絶されたため、購入した土地を利用できなくなったことにつき、売主及び媒介業者として取引に関わった宅地建物取引業者に対して、損害賠償請求権を有すると主張して、その業者を社員とする宅地建物取引業保証協会に対して認証を求めた事案において、取引の対象となった山林は宅地建物取引業法における「宅地」には当たらないとして、買主の請求を棄却し、保証協会の認証拒否が認容された事例 |
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605 | H24.11.26 | 東京地裁 |
東日本大震災により、専有部分に設置された電気温水器の給湯配管が破損、漏水し、下層階に損害を与えたとして、下層階の所有者が土地の工作物等の占有者及び所有者責任(民法717条)と不法行為責任(民法709条)に基づき損害賠償請求した事案において、設備の設置又は保存に瑕疵はないとして原告の請求を棄却した事例 |
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606 | H24.11.26 | 東京地裁 |
土地を分譲しようとした不動産業者が、隣地所有者から、信用を傷つける掲示を繰り返す等の不安をあおる行為をされたために、不動産を適正な価格で販売して利益を追及する権利又は利益を侵害されたとして、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、隣地所有者の言動は社会的相当性を逸脱したものであるとまではいえないとして請求を棄却した事例 |
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607 | H24.11.16 | 東京地裁 |
媒介業者が、買主に対し、媒介手数料等の支払を求めた事案において、? 融資特約に基づき契約解除された契約は、その後直接取引された契約とは、別個の契約であるため、本件仲介契約に基づく仲介手数料は認められない、?一般媒介契約の有効期間内に、媒介業者の紹介によって知った訴外売主と媒介業者を排除して直接取引をしたものであるから、約款に基づき、成立に寄与した割合に応じた報酬請求権を有する、寄与した割合は5割であるとした事例 |
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608 | H24.11.13 | 東京地裁 |
土地の買主が、購入した土地を転売後、コンクリート造の地中障害物が発見され、その撤去費用等を、媒介業者に対し説明義務違反に基づく損害賠償として請求した事案において、買主は、媒介業者が本件土地については問題ない旨の発言をしたこと、および重要事項説明書に地中障害物については不明であるとの記載がなかったことを根拠としたが、媒介業者が、本件土地に関し問題ないと説明したとは認められない、また、地中障害物の存否に関して不明であるとの説明は口頭でされていたと認められる以上、重要事項説明書に不明である旨の記載をする義務まで負っていないとして、買主の請求が棄却された事例 |
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609 | H24.11.12 | 大阪地裁 |
適格消費者団体が、不動産賃貸事業者が使用する賃貸借契約条項の使用差止め等を求めた事案において、賃借人に対する後見開始又は保佐開始の審判や申立てがあったときに契約を解除できる旨の条項について、消費者契約法10条に該当するとして、同法12条3項に基づき、同趣旨の意思表示の差止め、当該意思表示が記載された契約書ひな形が印刷された契約書用紙の廃棄は認められたが、従業員への指示を求める請求やその余の請求は棄却された事例 |
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610 | H24.11.7 | 東京地裁 |
住宅ローンの借入れが拒絶され、売買代金を支払うことが出来ず、売主から売買契約を解除されて違約金等を支払った買主が、媒介業者に対しては債務不履行に基づき、金融機関に対しては不法行為に基づいて損害賠償を請求した事案において、媒介業者に対する損害賠償請求が認容された事例 |
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611 | H24.11.7 | 東京地裁 |
中古マンションの買主が、専有部分内の電気温水器からの水漏れに関し、売主は説明義務、媒介業者は調査・説明義務を怠ったとして、債務不履行による損害賠償を求めた事案において、その請求の一部が認容された事例 |
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612 | H24.11.6 | 東京地裁 |
建築工事残代金の支払請求を受けた工事の発注者が、建築を請け負った工務店の現場所長が建物建築中に工事現場において自殺したことにより損害を被ったとして、請負残代金支払義務と損害賠償請求権とを対当額で相殺するとして争った事案において、本件事故による工務店の瑕疵担保責任を認め、建物について30%の減価が生じているとした事例 |
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613 | H24.11.1 | 東京地裁 |
賃貸人が、貸室賃借人及び占有会社に対し、明渡し及び賃料相当損害金支払を求めた事案において、竣工後50年以上を経ており、老朽化が相当に進行し、耐震性の点でも危険性を否定することができず、耐震補強を行うには相当の費用がかかり、不利益を一定程度補うに足りる立退料を支払うことによって、正当事由が補完されるとして、311万円余の支払を受けるのと引換えに、明渡しを認めた事例 |
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614 | H24.10.17 | 東京地裁 |
飲食店開業を目的として、貸店舗の紹介を申し入れた者が、貸主から契約の締結を断られたことから、仲介業者に対し、貸店舗を紹介する際,宅地建物取引業法に基づき、貸店舗において飲食店開業が可能であるか否か、また、貸主が飲食店開業を承諾しているか否かを事前に調査及び確認する義務があったにもかかわらずこれを怠ったため、損害を被ったとして債務不履行に基づく損害賠償を求めた事案において、仲介業者が5月21日までにかかる調査をしなかったことが前記義務に違反するとまではいえないとして、請求を棄却した事例 |
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615 | H24.9.28 | 東京地裁 |
事業用賃貸借において、賃借人が賃料減額の意思表示をした後、借地借家法32条3項の「相当と認める額」を支払わないこと及び約定の更新料を払わないことを理由として、賃貸人が、賃貸借契約の解除、建物明渡しを求めた事案において、賃借人には賃貸人との信頼関係を破壊するに足りない特段の事情があると認めるのが相当であるとして、賃貸人の請求が棄却された事例 |
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616 | H24.9.27 | 東京地裁 |
石綿紡績品の製造工場であった売買対象地から、引渡し完了より4年経過後、大気汚染防止法の基準値を超えない石綿が検出されたところ、売主につき破産手続開始決定がされたことから、買主が瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求権につき債権届出をしたが、破産管財人が異議を述べたため、破産債権の確定を求めた事案において、売買契約当時法令上の規制がなく、含有されていた石綿が人の健康に係る被害を生ずるおそれがある限度を超えて含まれていたとも認められないなどとし、瑕疵を否定し、請求を棄却した事例 |
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617 | H24.9.25 | 東京地裁 |
土壌汚染対策法ほか関係法令に基づく調査方法では発見されなかった六価クロムによる地下水汚染について、売主は瑕疵担保責任を含め一切の責任を負わないとする免責特約の適用が争われた事案において、本件汚染を認識していなかったことについて、売主に悪意と同視すべき重大な過失があったとは認められない等として、買主の請求を棄却した事例 |
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618 | H24.9.13 | 最高裁 |
賃貸人(不動産賃貸業者)が、建物の賃貸借は借地借家法38条1項所定の定期建物賃貸借であり、期間の満了により終了したなどと主張して、賃借人(貸室経営業者)に対し、建物の明渡し及び賃料相当損害金の支払を求め、賃借人は同条2項所定の書面を交付しての説明がないから賃貸借は定期建物賃貸借に当たらないと主張している事案において、同法38条2項所定の書面は、賃借人が、当該契約に係る賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により終了すると認識しているか否かにかかわらず、契約書とは別個独立の書面であることを要するとした事例 |
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619 | H24.9.11 | 名古屋高裁 |
宅建業者が、土地の買主との間で媒介契約を締結し、媒介により土地売買契約が成立したと主張し、買主に対して報酬を請求した事案において、原審は宅建業者の請求を一部認容したため、買主が控訴したが、原審の判決は相当であるとして買主の控訴を棄却した事例 |
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620 | H24.9.7 | 東京地裁 |
賃貸借契約上の賃料債務を連帯保証している保証会社が居室の鍵を付け替えるなどして賃借人の占有を排除し、居室内に立ち入り、居室内にあった賃借人所有物品を撤去処分した行為は不法行為に当たるなどとして損害賠償を求めた事案において、保証会社は賃借人に対して退去等を求めることができる立場にないとして、保証会社の不法行為責任が認められるとともに、保証会社の代表取締役の任務懈怠責任も肯定された事例 |
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621 | H24.9.4 | 最高裁 |
賃料債権の差押債権者が、第三債務者である賃借人に対し、差押債務者である賃貸人との間の賃貸借契約に基づく賃料債権につき、その支払いを求めた事案において、賃貸人が賃借人に賃貸借契約の目的である建物を譲渡したことにより賃貸借契約が終了した以上は、その終了が賃料債権の差押えの効力発生後であっても、特段の事情がない限り、差押債権者は、当該譲渡後に支払期の到来する賃料債権を取り立てることはできないとされた事例 |
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622 | H24.8.30 | 東京地裁 |
建築士事務所が、不動産会社に対し、技術的な意見書を作成する業務及び、建物状況調査業務の業務委託契約が締結されたと主張して、同契約に基づく報酬の支払を求めた事案において、業務委託契約の成立は認めたが、時効の中断は無かったとして、不動産会社の時効の援用を認め、建築士事務所の請求を棄却した事例 |
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623 | H24.8.29 | 東京地裁 |
土地の買主が、売主(宅建業者)及び仲介業者に対し、かつて存在した共同住宅で発生した殺人事件について、知っていたにもかかわらず告げなかったことが不法行為を構成するとして損害賠償を求めた事案において、殺人事件について知っていたと認めることはできず、仲介業者に調査義務を負わせる特段の事情は見当たらないとして,買主の請求が棄却された事例 |
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624 | H24.8.22 | 神戸地裁 |
賃借人が賃貸人に対し、敷引特約の無効を訴えて敷金の返還を求めた事案において、原審は敷金から未払水道料金を控除した金額の請求を認容したため、賃貸人が控訴し、賃借人も未払水道料金が控除されたことを不服とし附帯控訴、割高な水道料金の説明が無かったとして、損害賠償の支払を求めて請求を拡張したが、控訴、附帯控訴、拡張された請求の全てが棄却された事例 |
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625 | H24.8.9 | 東京地裁 |
買主が、購入したマンションの1室で学習塾を開業しようとしたが住民に反対され開設を断念して当該マンションの売却を余儀なくされたとして、管理会社に対して、債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償請求をした事案において、学習塾の開設は法的保護に値するものの、管理会社担当者による侵害行為があったとは認められず、同担当者の言動と学習塾開設断念との間に相当因果関係も認められないとして、棄却された事例 |
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626 | H24.8.9 | 東京地裁 |
建物及びその敷地を約45年間賃借していた者が、建物及びその敷地を賃貸人から購入し、購入から約8年後に建物の建替えをしようとしたところ、建物にアスベストが使用されていたことが判明し、土地に基準を超える濃度のヒ素が存在したとして、売主には、建物のアスベストの存在及び土地のヒ素の現況を調査し、事前に撤去するか買主に説明する義務があったとして、売主に対し、不法行為に基づき、除去費用の一部及び遅延損害金の支払を求めた事案において、いずれも棄却された事例 |
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627 | H24.8.8 | 東京地裁 |
本件建物を賃貸人から賃借した賃借人が、賃貸人に対し、本件賃貸借契約に係る賃料及び共益費が賃借人主張の額であることの確認を求めるとともに、本件賃貸借契約に付された敷引特約は無効であり、賃貸人に預託した保証金から敷引金を控除することは許されない等と主張し、また、更新料の支払を約する条項は無効である等と主張して、支払済みの更新料の返還等を求めた事案において、本件賃料は、賃借人主張の各時点において経済事情の変動等により不相当となったことが認められるとして、差額配分法による試算賃料を70%、スライド法及び利回り法による試算賃料を各15%の割合で考慮する等して鑑定人が算出した賃料を本件建物の適正賃料と認定する一方、敷引特約及び更新料が無効であるとはいえないとした事例 |
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628 | H24.8.8 | 東京地裁 |
土地所有者らが、隣接土地の所有者に対し、境界の確定を求めた事案において、土地所有者らが依拠する昭和49年作成の地積測量図は現況に復元できるだけの信用性がないとして、隣接土地所有者の主張する境界を境界と確定した事例 |
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629 | H24.7.27 | 大阪高裁 |
ワンルームマンションを4年間賃借して居住していた賃借人が、賃貸人に対し、1年毎の契約更新の際に支払った賃料の3.12か月分に相当する更新料について、更新料特約が消費者契約法10条により無効であるなどと主張し、不当利得返還請求権に基づき、更新料相当額と遅延損害金の支払を求めた事案において、本件更新料特約による更新料が高額に過ぎるもので特段の事情が存するとまではかろうじて言えないことから、消費者契約法10条により無効ということまでは言えないとして賃借人の請求を棄却した事例 |
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630 | H24.7.19 | 東京高裁 |
賃貸ビルの賃借人が、賃貸人に対し、借地借家法32条1項に基づいて賃料の減額を求め、減額請求後の月額賃料額の確認を求めたところ、原審で棄却されたため控訴した事案において、控訴審においても契約更新時に協議で賃料の改定を行うことができ、契約期間中経済情勢の変動が著しい場合は改定することができる旨の約定を賃料減額事由の有無の考慮事情とすることは許されないものではなく、賃料相場が下落傾向にある状況下で新規契約の場合の相当賃料額を採用すべきともいえないとして、控訴を棄却した事例 |
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631 | H24.7.6 | 東京地裁 |
下水道管敷設工事のために、土地を地方公共団体に転貸していた転貸人及び賃貸人が、賃借人が地中に残置したコンクリート盤が、賃貸人の建築したマンション建築の障害となったとして、転貸人は債務不履行に基づく損害賠償等を求め、賃貸人は不法行為に基づく損害賠償等を求めた事案において、追加・変更工事の費用の支払いは認めたものの、残置による損害の発生は認められないとし、賃借人の債務不履行、不法行為が否認された事例 |
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632 | H24.6.26 | 東京地裁 |
ビルの1階部分をコールセンター事務所として使用していた賃借人が、日常的にコバエが発生したのは賃貸人の賃貸借契約上の義務違反に当たるとして、債務不履行に基づく損害賠償等を求めた事案において、賃貸人には賃貸借契約上の債務不履行があったとして、損害賠償責任を認め、賃借人の請求を一部認容した事例 |
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633 | H24.6.8 | 東京地裁 |
中古の建物と敷地の売買契約において、買主らは、本件建物が傾斜しているのは、本件土地の地盤そのものが宅地として通常有すべき品質・性能を有しない瑕疵に当たるとし、瑕疵を補修することは不可能であるから、契約の目的を達することができないと主張し、売買契約の解除及び損害賠償を求めた事案において、本件建物の基礎に隠れた瑕疵があると認めた上で、売主の損害賠償責任として本件建物の補修費用等を認容した事例 |
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634 | H24.5.31 | 東京地裁 |
建物賃貸借契約を解約して本物件を明け渡した賃借人が、賃貸人に対し、敷金の返還等を請求し、これに対し、賃貸人は賃借人には明渡義務違反、原状回復義務違反、水道料支払義務違反があるとして、同時履行の抗弁を主張し、敷金の返還等を拒むとともに、賃借人に対して反訴を提起したところ、原審に不服があるとして、賃貸人及び賃借人がそれぞれ控訴及び附帯控訴を提起した事案において、賃借人に対しては、敷金から原状回復費用相当額と水道使用料相当不当利得金を控除した額の返還が認められ、賃貸人の反訴請求は棄却された事例 |
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635 | H24.5.31 | 東京地裁 |
建築後28年を経過した鉄筋コンクリート(以下、「RC」という。)造の建物の売買において、保守業者より補修の指摘を受けていたエレベーター(以下「EV」という。)及び各部屋の戸別水道メーターの不設置は、建物の瑕疵ではなく、また、「RC造」とする表示は、各部屋の間仕切りや壁等がコンクリート・ブロック積み等で作られていたとしても、主な部分の構成材料がRCであることを意味するもので、著しく優良であると人を誤認させるような表示ではないとした事例 |
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636 | H24.5.31 | 東京地裁 |
建物(5階建)を購入した買主が、当該建物には瑕疵があるとして、売主に対しては瑕疵担保責任ないしは不法行為による損害賠償請求権に基づき、媒介業者に対しては調査報告義務違反などによる債務不履行ないしは不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害賠償請求を行った事案において、買主の請求がいずれも棄却された事例 |
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637 | H24.5.31 | 名古屋地裁 |
保証会社と建物賃貸人との間の連帯保証契約に基づく責任について、保証会社が契約上の免責事由(賃貸人が一定期間内に賃借人による賃料滞納を通知しなかった場合には保証会社は免責される)の適用を主張した事案において、保証会社が賃貸人に免責事由の存在や内容を説明していなかったことなどから、信義則ないし衡平の観念に基づき、免責の範囲を4割に限定した事例 |
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638 | H24.5.31 | 東京地裁 |
媒介業者の仲介により売主業者から土地を購入した買主が、がけ条例の適用の調査・説明を怠ったとして両業者に不法行為による損害賠償を、また軟弱地盤であったとして売主業者に瑕疵担保責任に基づく損害賠償を求めた事案において、いずれの損害賠償も一部が認容された事例 |
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639 | H24.4.27 | 東京地裁 |
買主宅建業者が、売買の目的物に隠れた瑕疵があったなどと主張して、売主に対し、損害賠償金及び遅延損害金の支払を求めた事案において、民法570条にいう隠れた瑕疵があったとは言えず、瑕疵担保責任免責特約も有効とした事例 |
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640 | H24.4.27 | 東京地裁 |
買主らは、仲介業者の媒介で売主業者と土地及び建物の売買契約を締結し、手付金を支払ったが、住宅ローンの融資が承諾されない場合には同契約が解除されて、売主業者に交付した金員を全額返還するとの解除条件が成就したことにより同契約が解除されたと主張し、売主業者に対し手付金の返還を求め、一方、売主業者は上記の解除条件成就による契約の解除の成立を否定した上、買主らの売買代金の未払という買主らの債務不履行により売買契約が解除されたと主張し、買主らに違約金等を求めた事案において、買主らの主張した融資特約の適用による契約解除が認められた事例 |
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641 | H24.4.26 | 東京地裁 |
土地所有者が、自己の所有する土地の隣地所有者に対し、自己所有地の所有権の及ぶ範囲の確認を求めるとともに、土地所有者が、隣地所有者に対し、当該範囲内の土地を土地所有者が使用することの妨害の差止めを求めた事案において、土地所有者の請求のうち、隣地所有者に対し本件通路部分の使用を妨害しないよう請求する限度で認容した事例 |
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642 | H24.4.26 | 東京地裁 |
リゾートホテルの建設・転売を予定していたデベロッパーが、隣地における会員制ホテル建設が市条例に定める利害関係者への説明会の開催通知等もなく進められたことにより、日照や海への眺望が妨げられることになったため、同ホテルの建設を断念せざるを得なくなり、かつ土地の資産価値も大幅に下落する財産的損害を被ったとして、同隣地事業者の不法行為を理由に、同隣地事業者に対し損害賠償請求をした事案において、当該デベロッパーは、同隣地の建築計画を知っていたと認められるとして、その請求が棄却された事例 |
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643 | H24.4.18 | 東京地裁 |
マンション管理組合が、管理費等の支払いを怠っていたマンション区分所有者の死亡によりその包括承継人となった相続財産法人に対し、滞納管理費等の支払いを求めるとともに、同区分所有権の喪失までの間に発生する管理費等の支払いを求めた事案について、その請求が認容された事例 |
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644 | H24.4.18 | 東京地裁 |
土地を分筆した上、登記を完了して境界設置を行った売主が、買主は売買代金残金を支払わないために、契約を解除したとして違約金及び遅延損害金を求め(本訴)、買主が売主に対し、本件土地は液状化現象が生じ、境界も変動したとして、液状化現象に対する地盤改良工事を行うこと及び適切な測量を行い隣地との境界を明示することを催告したのに義務を履行しないとして、違約金、既払済みの手付金の返還及び遅延損害金を求めた(反訴)事案において、本件土地は液状化現象により地層の硬さに変化が生じ、面積も変化し、境界も定まらない状態であるから、売買契約書中の「本物件が毀損したとき」にあたり、また「本物件の毀損により契約の目的が達せられないとき」にもあたるといえ、契約解除されたものというべきであるとして、本訴、反訴いずれも棄却した事例 |
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645 | H24.4.18 | 横浜地裁 |
新築された建物の北側屋根上に設置された太陽光パネルによる反射光のため、建物の所有権を円満に利用できなくなったとして、隣地建物所有者が、新築建物の施主に対して、所有権に基づく妨害排除請求権として同パネルの撤去を求め、同施主及び建物工事を請け負った会社に対して、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、施主らの責任を認め、北側に設置された全てのパネルの撤去と損害賠償請求の一部を認容した事例 |
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646 | H24.4.18 | 東京地裁 |
被告仲介業者の媒介により土地を買受けた買主が、公簿面積どおりの実測面積がなかったとして、売主に対し、数量指示売買における担保責任を根拠に契約を解除し、売買代金返還及び慰謝料を求め、予備的に、代金減額、被告及び仲介業者に対し説明義務違反を理由に損害賠償を求めた事案において、売買契約は実測面積と異なる可能性の予定されている公簿売買であることなどからすると、数量指示売買とはいえず、仲介業者に説明義務違反があるとする主張も採用できないとして請求を棄却した事例 |
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647 | H24.4.17 | 東京地裁 |
賃貸人たる地位を承継した不動産業者(原告)が、法定更新により、期間の定めのない賃貸借契約となった貸室について、賃借人(被告)に賃貸借契約を解約する旨を申し入れた事案において、賃借人と賃貸人の建物使用の必要性を比較検討し、当該貸室の存する建物の老巧化の状況及び都市再生緊急整備地区に指定された大都市中心部の建物の有効利用を考慮した場合、賃貸人の建物の建て替えに一定の合理性・相当性があるとして、賃貸人からの適正な立退料の支払いがあれば解約申入れは正当事由を具備するとした事例 |
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648 | H24.4.17 | 東京地裁 |
買主が、契約締結後に工事中のマンションにおいてエレベーター設置工事中に転落死亡事故が発生したことから、売主は債務の本旨に従った履行をすることが不可能になったなどとして、債務不履行責任等に基づく契約解除と手付金の返還を求めた事案において、事故によって売主の債務の履行が不能になったと解することはできない等として請求を棄却した事例 |
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649 | H24.4.17 | 東京高裁 |
土地の買主に購入資金を貸し付けた金融業者が、土地の前々所有者による不正登記防止の申出等により根抵当権設定登記申請が却下されたのは、当該登記申請手続きを委任した司法書士の職務上の過失によるものであるとして損害賠償を求めたところ、原審で棄却されたことから控訴した事案において、委任契約の内容として、司法書士に土地の前々所有者である訴外人の登記意思を確認する義務があったとはいえないとして棄却した事例から控訴した事案において、委任契約の内容として、司法書士に土地の前々所有者である訴外人の登記意思を確認する義務があったとはいえないとして棄却した事例 |
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650 | H24.4.12 | 東京地裁 |
土地の購入者が、測量会社が作成した測量図を信じて購入したところ、隣地との境界について訴訟を起こされ、測量図に記載された境界が否定されて損害を被ったと主張し、測量会社及びその代表者である土地家屋調査士の共同不法行為(民法709条、719条)に基づく損害賠償を求めた事案において、損害賠償請求が棄却された事例 |
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651 | H24.3.28 | 東京高裁 |
マンション管理組合総会決議により訴訟担当に指定された区分所有者Xが、管理組合役員等の名誉毀損文書の頒布等の行為を繰り返している区分所有者Yに対して、建物の区分所有等に関する法律57条等に基づき、他の区分所有者全員のため、迷惑行為の差止めを求めた事案において、最高裁は、Yの行為により管理組合の業務遂行、運営に支障が生ずるなど、マンションの正常な管理又は使用が阻害される場合には、同法6条1項の共同利益背反行為に当たるとみる余地があるとして、Xの当事者としての適格性を認め、高裁に差戻した。差戻し後の控訴審において、Yの行為は、区分所有法6条1項の「共同利益背反行為」に当たるとして、Xの請求の一部を認容した事例 |
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652 | H24.3.27 | 東京地裁 |
不動産投資を勧められて2件の不動産を購入した原告が、重要事項の不告知、断定的判断の提供等をされたと主張し、売買契約取消しなどを求めた事案において、被告は、客観的な市場価格を提示しておらず、非現実的なシミュレーションを提示し、月々の返済が小遣い程度で賄えると誤信させるなど、消費者契約法にいう重要事項について不利益となる事実を故意に告げなかったため、そのような事実が存在しないと誤認し、契約を締結したものであるから、同法4条による取消しが認められるとした事例 |
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653 | H24.3.27 | 大阪地裁 |
新築マンションに隣接する既存マンションの居住者らが、新築マンションの建築によって眺望権又は圧迫感を受けずに生活する権利を侵害されているとして新築マンションの販売会社と建設会社に損害賠償を求め、予備的に両マンションの販売を手がけた販売会社に売買契約の付随義務違反、眺望に関する説明義務違反があったとして損害賠償を求めたが、いずれも棄却された事例 |
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654 | H24.3.19 | 東京高裁 |
東北地方太平洋沖地震直後、マンション専用部分に設置されていた電気温水器に亀裂が生じ、階下に水漏れが及んだとして階下住人が保険会社に対して請求した損害賠償が地震免責条項は適用されないとして一部認容されたため、保険会社が控訴した事案において、地震と相当因果関係にある損害は全て地震免責条項が適用されるとして1審判決が取消され保険金請求が棄却された事例 |
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655 | H24.3.16 | 最高裁 |
土地の取得時効完成後、所有権移転登記前に、第三者が当該土地に抵当権を設定し、その設定登記からさらに10年以上経過した後に競売を申し立てたところ、時効取得者である同土地の占有者が、競売の不許を申し立てた事案において、占有者が抵当権の存在を容認していたなどの特段の事情がない限り、抵当権の設定登記の日を起算点として、当該土地は占有者が時効取得し、結果として、設定された抵当権は消滅するとされた事例 |
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656 | H24.3.16 | 東京地裁 |
宅建業者が、その元従業員に対し、元従業員が在職中に個人として複数の案件の不動産の仲介等を行ったが、これは就業規則に定める競業避止義務に違反する行為であり、この行為により媒介手数料等を失う損害を被ったとして、債務不履行又は不法行為による損害賠償を求めた事案において、その請求の一部が認容された事例 |
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657 | H24.3.15 | 東京地裁 |
分譲マンションの居住者が、階上の居室所有者に対し、居室から発生する騒音の差止め及び不法行為(子が居室内を歩行して騒音を発生させた。)に基づく損害賠償を求めた事案において、子が騒音を階下の居室に到達させたことは、階上の居室所有者が、階下の居住者らに対して、騒音を到達させないよう配慮すべき義務があるのにこれを怠り、受忍限度を超えるものとして不法行為を構成するものというべきであり、差止の対象となるとし、騒音の差止め、精神的苦痛に対する慰謝料、治療費・薬代、騒音の測定費用及び遅延損害金を一部容認した事例 |
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658 | H24.3.13 | 福岡高裁 |
不動産の売主の子が、当該不動産を買い取って同日に転売した宅建業者が差額を利得したことについて、宅建業者及びその担当者に対し、不法行為に基づき差額分の損害賠償を請求した事案において、顧客が不動産を売却する際に、宅建業者が媒介ではなく直接買い受ける取引においては、媒介契約によらずに売買契約によるべき合理的根拠を具備する必要があり、これを具備しない場合には、宅建業者は売買契約による取引ではなく媒介契約による取引に止めるべき義務があるとした事例 |
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659 | H24.3.9 | 東京地裁 |
家賃を延滞した賃借人が、賃貸住宅管理会社から退去を強制され、家財等も置き去りにしたまま追い出されたと主張して、不法行為による損害賠償を請求した事案において、転居先も決まっていない賃借人に対し、退去することを求め、家財等を置いたまま退去せざるを得なくしたのであるから、退去を強制したもので、これは違法行為である、また家財等を返還することなく処分した行為は、財産権を侵害するもので、不法行為に該当するとして、請求の一部を認容した事例 |
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660 | H24.2.29 | 東京地裁 |
本件マンションの管理組合法人が、亡Cが有していた本件マンションの一室に係る区分所有権を買い受けた現区分所有者に対し、建物の区分所有等に関する法律57条の権利に基づき、本件構築物の撤去等を求めた事案において、同条の請求権に対応する当該区分所有者の義務は、所定の要件を満たす口頭弁論終結時の区分所有者であることに基づくものであって、区分所有権の移転に伴って承継されることはなく、現区分所有者が亡Cの同法57条1項に基づく行為の結果を除去すべき義務を承継することはない等判断し、管理組合法人の請求をいずれも棄却した事例 |
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661 | H24.2.9 | 福岡地裁 |
管理組合法人である原告が、マンションの区分所有者である被告がその専有部分を、自己を組長とする暴力団の組事務所として使用するという建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしたものであるところ、このような行為による区分所有者の共同生活上の障害は著しいとして、建物の区分所有等に関する法律59条に基づき,区分所有権及び敷地利用権の競売などを求めた事案において、競売及び弁護士費用支払請求を認容した事例 |
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662 | H24.1.31 | 横浜地裁 |
耐震強度不足のマンションについて、建築確認済証を交付した指定確認検査機関は国賠法に基づき損害を賠償する責任を負い、設計者である設計事務所の代表者は不法行為による損害賠償責任を負い、設計事務所も、会社法により損害賠償責任を負うとして、マンションの建替費用等の支払いを命じた事例 |
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663 | H24.1.20 | 東京地裁 |
本件建物部分をいわゆるサブリース業者である借主に賃貸借契約に基づき賃貸している貸主が、借主に対し、契約期間満了によって同契約が終了したと主張して、本件建物部分の明渡し及び賃料相当損害金の支払を求めた事案において、貸主借主間に承継された本件契約の合意内容は、建物の賃貸借契約であることが明らかであるから、本件契約には旧借家法1条の2が適用されるべきものであるとした上で、借主には本件建物部分を使用する必要性があるのに対し、貸主にはその必要性が借主に比して低いということができるから、貸主による本件契約の更新拒絶には正当事由があるとはいえないとして、貸主の請求を棄却した事例 |
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664 | H24.1.16 | 東京地裁 |
被告は、土壌汚染が見つかったことについて、原告(市)が廃棄物を同土地に搬入して埋め立てたことが原因であり、原告に対し、不作為の不法行為を理由として、公害等調整委員会に責任裁定の申請をしたところ、同委員会は、原告に対し、損害賠償を被告に支払うように命ずる旨の裁定をした。本案件は、原告が、被告に対し、同裁定に関し、本件土地にかかる国家賠償法上の損害賠償債務が存在しないことの確認を求め、被告が反訴で損害賠償を求めた結果、原告の訴えが却下され、被告の請求も棄却された事例 |
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665 | H24.1.10 | 福岡高裁 |
建築主から建物を購入した買主等が、建物にはひび割れや鉄筋の耐力低下等の瑕疵があると主張して、設計・工事監理業者及び建築工事施工業者に対し、不法行為に基づく損害賠償として、瑕疵の修補費用相当額等を請求する事案において、第2次上告審で「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」には、放置するといずれは居住者等の生命、身体又は財産に対する危険が現実化することになる瑕疵も含まれるとされ、更に審理する必要があるとして差し戻された第3次控訴審において、当該瑕疵であると認められ、かつ、施工業者等に故意過失が認められるものについて、賠償責任を認め、第一審判決を変更して損害を減額認定した事例 |
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666 | H23.12.27 | 東京地裁 |
建物部分について、何らの権限なく被告が通路として使用していると主張して、所有権に基づく妨害排除請求として建物部分の使用禁止を求めるとともに、使用していることによって原告が1か月あたり3万円の損害を被っていると主張して、建物部分の使用を中止するまで1か月3万円の割合による金員を支払うことを求めた事案において、建物部分を使用してはならないとされたがその余の請求は棄却された事例 |
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667 | H23.12.16 | 最高裁 |
建築基準法等の法令の規定に適合しない建物の建築を目的とする請負契約を締結した請負人と注文者が、互いに本訴・反訴を提起して工事代金支払いや損害賠償等を求めて争った事案において、違法建物を建築する本工事の請負契約が公序良俗に反し無効とされた一方で、本工事の施工が開始された後に施工された追加変更工事の施工の合意が公序良俗に反しないとされた事例 |
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668 | H23.12.13 | 大阪高裁 |
賃借人が、敷引特約及び更新料特約は消費者契約法10条により無効である旨主張し、保証金及び更新料の返還を求めたところ、原審が賃借人の請求を認容したため、賃貸人が控訴した事案において、控訴審が原判決を取消し、賃借人の請求を棄却した事例 |
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669 | H23.11.30 | 東京地裁 |
建物賃貸借契約の貸主が、借主による更新料支払い債務の不履行を理由に契約を解除したとして、建物の明渡し求め、借主が、約定の支払期日の2年経過後に支払った更新料の返還を求めて反訴した事案において、貸主及び借主の請求はいずれも理由がないとして棄却された事例 |
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670 | H23.11.21 | 東京地裁 |
事業用賃貸物件の契約終了にあたり、借主が撤去義務を負わない下屋を撤去したとして、貸主に対し撤去費用の不当利得の返還他を求めたが、当該下屋は借主が設置したものだとして、借主の請求が棄却された事例 |
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671 | H23.11.18 | 東京地裁 |
別荘地の管理業務を引継いだ更生会社が、更生会社の前身となる開発分譲会社が被告らに売却した別荘地について、管理委託契約を包括承継して別荘地を管理してきたとして、更生会社管財人による被告らへの滞納管理費請求が認容された事例 |
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672 | H23.11.16 | 東京高裁 |
競売手続により区分所有建物を買い受け、前所有者が滞納した管理費等を支払った買受人が、破産手続を経て免責許可決定を受けた前所有者に対し、前記管理費等の求償を請求した事案において、破産管財人が破産手続中に区分建物を放棄した場合、放棄後に生ずる管理費等については、破産法や民事執行法に特別の手当がないため、買受人が代位弁済した管理費等を求償請求した場合、前所有者は、これを支払うべき義務を負うとした事例 |
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673 | H23.11.10 | 東京地裁 |
住民が、その隣接所有地上に設置された高さ1.8mのフェンスにより、公道への見通しが妨げられ、生命身体に対する侵害の現実的可能性が増大したなどとして、不法行為に基づき、同フェンスのうち公道側から1mの長さの部分の撤去を求めた事案において、不法行為の成立は認めることができないとして、フェンス撤去請求が棄却された事例 |
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674 | H23.11.4 | 東京地裁 |
隣接する土地(137番2と137番1)の境界の確定を求めた事案において、原告の主張する境界が認められ、被告の主張する別件判決における土地の存在を否定した判決の引用が否認された事例 |
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675 | H23.10.21 | 東京地裁 |
新築マンション入居直後から発生した外壁のひび割れ他について、売主が補修したとしても、欠陥マンションであるという風評被害等により大幅に交換価値が下落し損害を受けたとして、買主が売主に求めた瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求が棄却された事例 |
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676 | H23.10.20 | 東京地裁 |
東北地方太平洋沖地震直後、所有するマンション専有部分に設置されていた電気温水器に亀裂が生じ、階下住人のマンション専有部分にまで水漏れが及んだとして、階下住人が、上階マンション所有者に対し、民法717条に基づく損害賠償を、また、上階マンション所有者と個人財産総合保険契約を締結していた保険会社に対し、保険金の支払いを求めた事案において、電気温水器の設置又は保存につき瑕疵があったとして上階マンション所有者の工作物責任を認めて、損害賠償請求の一部を認容し、保険については、地震免責条項の適用を否定し、保険約款による損害額を限度に、保険会社に対する請求も一部認容した事例 |
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677 | H23.10.13 | 東京地裁 |
マンションの2階202号室に居住する夫妻が、階下の102号室居住者は、202号室から騒音が発生しているとして、本件マンションの管理組合の総会等において夫妻の名誉を毀損する発言をし、夫妻に対し執拗に苦情を申立て、夫妻の名誉感情を侵害したと主張して、階下の住人に対し、不法行為による損害賠償及び謝罪文の交付を求めた(本訴)のに対し、階下の住人が、202号室から受任限度を超える騒音が発生していると主張して、夫妻に対し、不法行為による損害賠償を求めた(反訴)事案において、本訴請求を一部認容する一方、反訴請求を棄却した事例 |
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678 | H23.10.3 | 東京地裁 |
賃借人が賃借物件で店舗営業を始めたところ、下水管の点検孔から異臭が漏出する状況となり店舗を閉鎖せざるを得なくなったとして、賃貸人及び仲介業者に対して、不法行為、債務不履行などに基づく損害賠償を請求した事案において、情報提供義務違反及び債務不履行責任に係る主張事実を裏付ける証拠はないとして棄却された事例 |
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679 | H23.9.30 | 東京地裁 |
マンションの管理組合が、分譲業者に対し、標準仕様書等の図書につき、これらがマンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則102条に規定する図書であるとして、その交付を求めた事案において、標準仕様書のみが規定の図書に該当し、その余の図書は該当しないとして、管理組合の請求を一部認容した事例 |
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680 | H23.9.21 | 東京地裁 |
建物賃借人である被控訴人が、合意解除又は解約申入れにより賃貸借契約が終了したとして、?敷金残金返還?賃料日割分返還?遅延損害金支払を求めたところ、原審が上記??の請求全部と?年5分の割合による遅延損害金を認容したところ、控訴人がその敗訴部分の取消しを求めて控訴し、さらに反訴等を提起した事案において、通常損耗補修特約の明確な合意が成立しているということはできない、原状回復費用支払義務を負うものとは認められないなどとして、敷金全額返還等を認めた事例 |
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681 | H23.9.15 | 東京地裁 |
土地建物を売却した売主が、買主に代金債務の履行遅滞があるとして、違約金の支払いを求め、買主が、売主は土地の土壌汚染処理工事をして引き渡す義務に違反したとして既払金の返還を求めて反訴した事案において、代金決済時までに売主が当該工事を実施しなかったことは義務違反にはならないとして、売主の請求を一部認め、買主の反訴を棄却した事例 |
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682 | H23.9.12 | 東京地裁 |
原告が、被告仲介業者に対し、土地建物売買の媒介契約に基づく善管注意義務に反して、隣地建物が越境していることについて説明することを怠ったため損害を被ったとして、得べかりし賃料収入等の損害金などの支払を求めた事案において、通常の調査において、越境の事実を見つけることは困難であった、隣地建物の傾斜や越境を疑うことは困難であったなどとして、請求を棄却した事例 |
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683 | H23.9.6 | 東京地裁 |
融資特約のある契約において、融資特約の解除の合意をさせたのは欺罔行為あるいは錯誤によるものであるとして媒介報酬の請求に応じなかった媒介依頼者に対し、媒介報酬の支払いを命じた事例 |
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684 | H23.8.26 | 東京地裁 |
本件建物部分の賃貸人である原告らが、賃借人である被告に対し、賃料未払等を理由に賃貸借契約を解除したとして、同賃貸借契約の終了に基づく目的物返還請求権として本件建物部分の明渡しを求めるとともに、同賃貸借契約に基づき、未払賃料及び賃料相当損害金の支払を求めた事案において、当初解除意思表示がなされた以降も被告は賃料の不払を続けたなどの事情に鑑みると、原告らと被告との信頼関係は破壊されていたなどとして、契約解除の意思表示による解除を有効とし、請求を全部認容した事例 |
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685 | H23.8.10 | 東京地裁 |
賃貸人が賃借人に対し、建物の所有権に基づき貸室の明け渡しを求め、賃借人は占有権原として賃借権があると主張し、賃貸人の明渡請求等を争った事案において、賃貸人には貸室を自ら使用する必要性は認められず、賃借人には自宅の一部として生活上使用する必要性を認められるものの、建物は相当古く震度6強程度の規模の地震でも倒壊の危険があり、安全の確保の見地から取り壊しをする必要性が高いと認められ、危険な建物の存続を認めることは相当ではなく、立退料の支払によって賃借人の不利益を補てんするのが相当であり、賃貸人の撤去通知による解約申し入れは有効であるとした事例 |
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686 | H23.8.2 | 西宮簡裁 |
建物賃貸借契約において、敷金50万円の内40万円を敷引する旨の特約は消費者契約法10条に反するとして争われた事案において、賃料の3カ月を超える部分については消費者契約法10条により無効とした事例 |
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687 | H23.7.29 | 東京地裁 |
隣地に居住する被告が飼育する複数の猫の糞尿等に起因する悪臭により損害を被ったとして、不法行為に基づく損害賠償及び人格権に基づく悪臭の発生の差止めを求めた事案において、格別悪臭を低下・消滅させるような対策を取ったとは認められず、悪臭は公法上の基準を超えており、受忍限度を超えていると言わざるを得ないとして、差止請求を認めた上、損害賠償請求についても一部認容した事例 |
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688 | H23.7.21 | 最高裁 |
建物の建築主から、当該建物を購入した買主等が、建物にはひび割れや鉄筋の耐力低下等の瑕疵があると主張して、その設計・工事監理業者及び建築工事施工業者に対し、不法行為に基づく損害賠償を請求した事案において、「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」には、建物の瑕疵が、居住者等の生命、身体又は財産に対する現実的な危険をもたらしている場合に限らず、放置するといずれは居住者等の生命、身体又は財産に対する危険が現実化することになる瑕疵も含まれるとされた事例 |
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689 | H23.7.15 | 最高裁 |
賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法10条により無効ということはできないとされた事例 |
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690 | H23.7.12 | 最高裁 |
敷引特約が、契約書に敷引金は賃借人に返還されないことが明確に読み取れる条項が置かれており、敷引金の額は月額賃料の3.5倍程度で高額に過ぎるとはいい難い等として、消費者契約法10条により無効であるということはできないとされた事例 |
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691 | H23.6.29 | 東京地裁 |
私道の所有者が、私道に接している土地の所有者に対して、当該私道の利用制限について当該土地の前所有者と合意があるとして、当該土地所有者が建築したアパートの居住者の私道の通行の禁止を求めた事案において、利用制限の取り決めは、自動車通行や駐停車を禁止する限度で有効であるとした事例 |
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692 | H23.6.29 | 東京地裁 |
土地付中古建物を宅建業者の仲介により購入した買主が、本件建物に重大な瑕疵があったとして、売主に対しては瑕疵担保責任及び債務不履行に基づき、媒介業者に対しては債務不履行に基づき、損害賠償請求をした事案において、本件建物に認められる基礎のひび割れ、亀裂などの瑕疵は、契約上、担保責任の対象外とされているところ、売主がこれらの瑕疵の存在を知っていたとは認められないなどとして売主に対する請求を棄却し、また、媒介業者は床の傾斜の説明に加え、これが建物の構造上の欠陥によることを説明する義務は負わないとして、媒介業者に対する請求も棄却した事例 |
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693 | H23.6.22 | 東京地裁 |
被告と土地売買契約をして手付金を支払った原告が、金融機関に対する融資申込み取下げ、本件売買契約におけるローン解除条項に基づき本件売買契約を解除(本件ローン解除)するとともに手付金の返還請求をした事案において、原告の客観的資力の不足により融資が実行されなかったことから、ローン解除条項に基づく原告の解除は有効であるとして、請求を認容し事例 |
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694 | H23.6.10 | 大阪高裁 |
賃料等を滞納した賃借人が、管理会社の実力行使による鍵交換と家財道具の貸室外への排出について、賃貸人及び管理会社に対し、損害賠償を請求した事案において、管理会社が家賃等を滞納した賃借人の住まいを暴力的に奪った行為は、不法行為が成立するとして、慰謝料や動産の損害など165万円の賠償を命じるとともに、賃貸人についても、管理会社に賃貸物件の管理のための包括的権限を与え、自身も管理会社の取締役を務めるなどの事情のもとでは、共同不法行為が成立するとして、連帯しての賠償責任を認めた事例 |
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695 | H23.6.3 | 東京地裁 |
原告が、被告の仲介で、不動産の所有者との間で不動産売買契約を締結していたのに、被告が、上記所有者と原告からの買受人との間で、本件不動産について直接売買契約を締結させ、また、所有者と原告との間の売買契約について原告に37条書面を交付しなかったことが、債務不履行ないし不法行為に当たるとして、損害賠償をもとめた事案において、原告に上記書面を交付しなかったことは債務不履行ないし不法行為にあたるものの、上記書面を交付しなかったことと原告が主張する転売利益逸失等の損害とは因果関係がないとして、原告の請求を棄却した事例 |
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696 | H23.5.31 | 岡山地裁 |
売主業者との間で土地売買契約及び建物請負契約を締結した買主が、当該土地に土壌汚染があったとして損害賠償を求めた事案において、売主が当該土地を販売したことが不法行為にあたることはないが、売主は、安全性、快適性に関する情報の説明義務を怠ったといえるから、同義務違反の不法行為該当性が認められるとして、売買及び工事代金の5割相当の損害が認められた事例 |
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697 | H23.5.26 | 札幌高裁 |
新築マンションの設計段階で構造計算書の偽装が行われ、法定の耐震強度を満たしていないのに満たしているとの前提で区分所有権を購入した買主の意思表示には民法95条の要素の錯誤があるとして、新規分譲契約の錯誤無効を認めた地裁判決を不服として控訴した売主の請求を棄却し、買主の使用利益の控除も認めなかったが、売買代金返還とマンションの明け渡しとの同時履行の主張は認容した事例 |
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698 | H23.5.25 | 東京地裁 |
建築中のマンションのエレベーターシャフト内で作業員の死亡事故があったことにより、売主は、最上級の安心感、高級感等の性能、品質等の引渡し義務を果たせなくなった等として、買主が手付金の返還等を求めた事案において、社会通念上、同マンションには買主がその目的を達せられないほどの瑕疵は認められず、また、市場価格が減少したともいえないなどとして、買主の請求を棄却した事例 |
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699 | H23.5.19 | 東京地裁 |
居室を賃借した借主が、隣家が飼育する犬の鳴き声による騒音のため生活環境に重大な過失があるなどと主張して,仲介業者に対しては仲介契約の債務不履行解除による原状回復請求権に基づく支払い済み仲介手数料の返還を、貸主に対しては民法611条1項の類推適用に基づく賃料減額を、それぞれ求めた事案において、賃借人主張の犬の鳴き声は社会生活上受忍すべき限度を超えたとは言えず、本件居室に瑕疵があるとも言えないとして、賃借人の請求をいずれも棄却した事例 |
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700 | H23.4.27 | 東京地裁 |
建物の賃貸人が、賃貸借契約を更新した賃借人に対し、賃借人は約定の1ヶ月分の賃料相当額の更新料及びこれに対する消費税の合計額の支払義務があるとして、その支払等を求めた事案において、建物賃貸借契約を締結した当事者間で更新料の支払いを規定した契約条項は合意更新する場合のもので、法定更新された場合には適用されないとして、賃貸人の請求を棄却した事例 |
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701 | H23.4.27 | 名古屋地裁 |
賃借人が、賃借人の債務の保証委託契約に関して、保証会社に対し、不当利得の返還や不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、賃借人が1回でも賃料を滞納した場合、保証委託契約が無催告で自動的に解除された上で更新され、その際に1万円の解除更新料を支払うなどとされた賃借人と保証会社との保証委託契約における特約が消費者契約法10条により無効とされるとともに、保証会社が根拠のない不当な請求や退去の勧告を組織的に行っていたことが社会通念上許容される限度を超えたもので不法行為に該当するとされた事例 |
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702 | H23.4.22 | 最高裁 |
契約の一方当事者が、当該契約の締結に先立ち、信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に提供しなかった場合には、一方当事者は、相手方が当該契約を締結したことにより被った損害につき、不法行為による賠償責任を負うことがあるのは格別、当該契約上の債務の不履行による賠償責任を負うことはないというべきであるとされた事例 |
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703 | H23.4.20 | 東京地裁 |
宅建業者である売主から買主らが、崖条例の存在につき重要事項説明書で説明を受けなかったことから、民法570条の隠れた瑕疵に当たるなどとして、売主に対し、売主との間の売買契約の解除ないし損害賠償の支払を求め、請負業者に対し請負契約は上記売買契約と不可分一体であるなどとして、同請負契約の解除等を求めた事案において、売主の説明義務違反、瑕疵担保責任を認めて売買契約の解除は認めたが、請負契約の効力は失われないとして同契約の解除を認めず、原告の請求を一部認容した事例 |
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704 | H23.4.14 | 東京地裁 |
買主Yとの間で業務委託契約を締結した仲介業者Xが、Yが協定書に違反したとして、約定の違約金及び弁護士費用の支払いを求めた事案において、本件協定書は、Yが信託受益権の購入資金を用意できなかった場合には違約金を支払う内容であり、XY間に、銀行融資特約について合意の形成はないとして、違約金の請求を認めたものの、弁護士費用については因果関係を認めず、請求を一部認容した事例 |
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705 | H23.4.7 | 広島高裁 |
区画整理事業地内の土地の売買において、買主が、売主業者は賦課金の発生可能性についての説明を怠った、などと主張して損害賠償請求を行った事案において、原審では時効により請求が棄却されたが、控訴審においては消滅時効の起算点は引渡し時ではなく賦課金通知書が到達した時点であるとして、賦課金相当額が損害賠償として認められた事例 |
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706 | H23.3.24 | 最高裁 |
居住用建物の賃借人が、賃貸人に対し、保証金のうち返還を受けていない21万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案において、 |
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707 | H23.3.18 | 大阪簡裁 |
建物賃貸借契約の礼金の支払義務を課す条項(礼金特約)は消費者契約法10条により無効であるとして、支払った礼金の返還を求めた事案において、契約期間経過前退去の場合に前払分賃料相当額が返還されないとする部分について消費者の利益を一方的に害するものとして一部無効とした事例 |
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708 | H23.3.17 | 東京地裁 |
賃貸人が、選定当事者に対し、賃料等不払を理由に、無催告解除特約に基づく契約解除により、建物明渡し及び未払賃料等の支払を求めた事案において、小切手入金の申出を拒絶されたとしても供託要件を充足しないから、供託は無効であるとして、賃料等不払状態の継続を認め、8か月も賃料等不払を続けたのに加え、理解困難な独自の見解に基づくクレーム等を重ねるなどしていたから、信頼関係は破壊され、無催告解除できるとして、請求を全部認容した事例 |
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709 | H23.3.15 | 東京地裁 |
宅建業者が、宅地建物取引業保証協会に対して、同保証協会が十分な調査を行わず、同宅建業者に仲介取引に関する業務上の義務違反があるとして宅建業法64条の8第2項に基づく認証行為を行ったとして、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、宅建業者の請求が棄却された事例 |
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710 | H23.3.9 | 東京高裁 |
不動産仲介業者と買主との間で、不動産の持分2分の1の売買の媒介契約が成立したが、媒介手数料の支払いに係る報酬合意が存在しない場合に商法512条(報酬請求権)に基づく相当報酬の額が争われた事案において、不動産の持分2分の1に係る媒介手数料について、既に支払われた当該不動産の残余の持分2分の1に係る媒介手数料と同額と算定するのが相当であるとした事例(最高裁 平23年11月8日判決 上告棄却・上告不受理決定) |
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711 | H23.3.8 | 福岡高裁 |
売買されたマンションが前入居者によって相当長期間にわたり性風俗特殊営業に使用されていたことは瑕疵にあたるとされ、売主について瑕疵担保責任に基づく損害賠償責任、仲介業者について説明義務等違反による損害賠償責任が認められた事例 |
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712 | H23.2.22 | 最高裁 |
遺産を特定の推定相続人に単独で「相続させる旨」の遺言は、当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には、遺言者が、当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り、その効力を生ずることはないとして、代襲者の上告を棄却した事例 |
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713 | H23.2.21 | 東京地裁 |
マンションの一室を賃借した原告が、家賃を滞納したことを契機に仕事先の同僚で家賃保証をした被告保証人により荷物が搬出され強制退去させられたことから、保証人、仲介業者、家賃保証会社及び貸主会社に対し、損害賠償を請求した事案において、保証人が原告の制止を無視して家財道具等を搬出・処分して強制退去を行った行為は不法行為を構成すること、強制退去の際に保証人が振るった暴力は過剰防衛に当たるとして、保証人に対する請求を一部認容した事 |
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714 | H23.2.17 | 千葉地裁 |
宅建業者から、中古住宅を買い受けた者が、当該不動産が接道義務を満たしていないとして、購入から約16年後に、売主並びに売主側業者に対し不法行為に基づく損害賠償を請求したところ、不法行為責任が是認され、請求が一部認容された事例 |
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715 | H23.2.8 | 東京地裁 |
賃貸人が、賃借人及び連帯保証人に対し、未払賃料及び更新料の支払を求めるとともに、ユニットバス交換に要した費用の支払を求めた事案において、賃借人はバスタブの原状回復義務を負うが、老朽化などの理由により、上記交換費用を賃貸人と折半して負担すべきとし、また、未払賃料のほか、更新料については、あらかじめ賃貸借契約において更新料の支払が合意されていることなどを理由に認め、賃貸人の請求を一部認容した事例 |
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716 | H23.1.27 | 東京地裁 |
買主が、購入した土地に大量の油分が含まれていたとして主張して、売主に対して、瑕疵担保責任に基づく損害賠償として、油分の処理費用相当額の支払いを求めた事案において、当該土地には区が定めた指導基準を上回る油分が存在していたので瑕疵と認められるが、買主はこのことについて悪意または有過失であったとして、買主の請求が棄却された事例 |
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717 | H23.1.27 | 東京地裁 |
賃貸人が、賃借人に対し、入居者であった賃借人の長女が学生向け賃貸マンションの貸室において自殺したことが、善管注意義務違反にあたるとして損害賠償請求をした事案において、履行補助者による故意過失として、賃借人に対し、賃料等の差額分、内装工事代金、供養費用の賠償責任を認め、請求を一部認容した事例 |
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718 | H23.1.21 | 最高裁 |
公売により不動産の所有権を取得した者が、当該不動産上に建物を所有する賃借人に対し、当該不動産を明け渡すよう求めた事案において、賃借権者は、抵当権設定登記後に賃借権の時効取得に必要な期間当該不動産を継続的に用益したとしても、競売又は公売による買受人に賃借権の時効取得を対抗できないとして賃借人の上告を棄却した事例 |
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719 | H23.1.21 | 名古屋高裁 |
宅建業者である会社が、個人において会社名義で行った土地の買取り及び売却の取引について、個人に対し、双方間の利益分配契約に基づき、転売に係る利益分配金及び売買代理手数料の支払いを求めた事案において、利益分配金に関する合意は、宅建業法13条の名義貸しの禁止に抵触する合意の一部をなすものであり、裁判上請求することは許されないとして棄却された事例 |
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720 | H23.1.20 | 東京地裁 |
マンション素地を購入した宅建業者が、土壌汚染があったとして瑕疵担保責任に基づき、引渡後10ヶ月後に、売主宅建業者に損害賠償請求をしたところ、商法526条の適用は、当事者間で締結した特約により排除されていたとして、買主の請求が一部認容された事例 |
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721 | H23.1.20 | 東京地裁 |
土地の買主が、大量の埋設物があったとして損害賠償を求めた事案において、売主の亡父が賃貸していた第三者によって、埋設物は埋められたと推認され、広範囲に、かつ、かなりの深さで大量に埋められていることに照らせば、隣接地の自宅に居住していた亡父や売主は埋設の工事を認識していたと認められるから、埋設物の存在を告知せずに売却した行為は不法行為を構成する等として、買主の請求が認容された事例 |
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722 | H23.1.18 | 東京地裁 |
本件ビルの賃貸人が、賃借人に対し、本件賃貸借契約について、本件ビルは、耐震性能を備えておらず、また、排煙設備等の機能的な劣化により工事が相当困難である等の理由により、その解約申入れについて正当の事由があると認められるから、立退料の支払い等と引換えに建物を明け渡すよう求めるとともに、明渡しまでの賃料の倍額の損害金の支払いを求めた事案において、立退料4億3千万円余の支払をすることによって、本件解約申入れについての正当事由が補完される等として、賃貸人の請求が認められた事例 |
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723 | H23.1.14 | 福岡高裁 |
土地区画整理地内に土地所有者が、土地区画整理組合の行った換地処分が,照応の原則・公平の原則に違反しており違法であるなどとして、本件換地処分の取消を求めたところ,原審で,本件換地処分は各原則に反していないとされ、請求を棄却されたため、控訴した事案において、原判決の事実認定を維持した上、照応及び公平の各原則違反はないなどとして、所有者の主張を排斥し,控訴を棄却した事例 |
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724 | H22.12.21 | 東京地裁 |
賃貸借契約に基づく借主の賃料支払債務を保証することを業とする賃料保証会社が、借主に対する求償債務を連帯保証した保証人に対し、立替払いした未払賃料等の支払を求めた事案において、保証委託契約書等の記載から読み取れる契約当事者の意思は、保証委託料が入金されない場合まで委託契約等が当然に更新されるものではないというものであると解し、委託契約等は更新されず保証期間満了により終了したと認定して、賃料保証会社の請求を棄却した事例 |
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725 | H22.12.16 | 最高裁 |
土地の所有権が、贈与、相続により順次移転している場合に、真正な登記名義の回復を原因として、直接元所有者に持分移転登記手続を請求することは許されないとした事例 |
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726 | H22.12.6 | 東京地裁 |
賃貸人が、賃借人が貸室の浴槽内にてリストカットにより自殺をしたことにより損害を被ったとして、賃借人の相続人に対し損害賠償を求めた事案において、ユニットバス交換費用、賃料減額分の損害について賠償責任を認め、請求を一部認容した事例 |
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727 | H22.11.29 | 東京地裁 |
戦時中に旧日本軍が造った地下壕が崩れ、住宅が住めなくなった等として、住宅の所有者が国に対し家の修理費等を請求した事案において、国の責任を認め、原告住民らの請求が一部認容された事例 |
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728 | H22.11.17 | 東京地裁 |
法人が所有不動産売却のため業者との間で専属専任媒介契約を締結し、入札方式により売却を試みたが、開札後に一番札の内容を二番札の者に媒介契約の委託者の了解を得て情報提供し再入札させ落札者と決定したが、当該落札者が買受申し出を後日撤回したことにより、他の者と低い売却価格で契約することになったなどとして、業者の債務不履行を理由に損害賠償請求を求めた事案において、業者に善管注意義務違反は認められないとして、媒介契約委託者の請求を棄却した事例 |
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729 | H22.10.21 | 大阪高裁 |
内縁の夫と内縁の妻との間で、両名が同居していた内縁の夫所有の建物について、内縁の妻が死亡するまで同人に無償で使用させる旨の使用貸借契約が黙示的に成立していたとして、内縁の夫を相続した子供からの前記建物の明渡請求等が棄却された事例 |
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730 | H22.10.18 | 東京地裁 |
宅建業者の媒介で外国法人からマンションを購入した買主が、媒介契約に基づく重要事項説明違反および税理士の税務指導契約に基づく適切な税務指導義務や信義則上の注意喚起義務違反により、過大な税負担をした等として、債務不履行や不法行為による損害賠償請求をした事案において、税理士に支払われた報酬金は売買契約の情報提供に対する紹介料や謝礼金だから税務指導契約は成立せず、宅建業者や税理士に源泉徴収義務を指摘すべき信義則上の義務はないとした事例 |
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731 | H22.10.15 | 東京地裁 |
不動産売買契約において、不動産仲介業者が売主に対して仲介手数料を請求した事案において、売主と仲介業者との間では専任媒介契約者が作成されておらず、仲介対象物も内容が変遷していることなどから、当事者間で媒介契約が成立したものとは認められないとして、仲介業者の請求が棄却された事例 |
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732 | H22.10.15 | 東京地裁 |
アパートの一室を賃借していた借主が長期不在中、管理会社によって、家財等を処分され、鍵を付け替えられたとして、借主が管理会社に対し不法行為に基づく損害賠償請求等を請求した事案において、管理会社の行為は違法な自力救済であるとして、借主の請求を一部認容した事例 |
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733 | H22.9.9 | 最高裁 |
土地の賃貸人及び転貸人が、転借人所有の地上建物の根抵当権者に対し、借地権の消滅を来すおそれのある事実が生じたときは通知をする旨の条項を含む念書を差し入れた場合に,上記通知の不履行を理由に損害賠償責任を負うとされた事例 |
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734 | H22.9.9 | 東京地裁 |
ローン特約について、買主が売主に対する錯誤無効による手付金の返還と仲介会社に対する説明義務違反による損害賠償を求めた事案において、売買契約及び重要事項説明書からは、特定の銀行をローン特約の対象とすることが売買契約の内容になっていたとは認められず錯誤に当たらないと認定し、仲介会社に説明義務違反があったとも認められない等判断し、買主の請求を棄却した事例 |
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735 | H22.9.9 | 東京地裁 |
宅建業者である買主が売買代金を支払わないとして、売主が宅建業保証協会に対し認証を請求した事案において、売主の請求は売買代金ではなく精算金の性質を有するものであり宅建業法64条の8第1項所定の「その取引により生じた債権」には当たらないとされた事例 |
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736 | H22.9.2 | 東京地裁 |
賃借人が賃借した居室を無断で第三者に転貸ないし占有させたところ、当該第三者が居室内で自殺したことにより、居室の原状回復に費用を要するとともに、新規賃借人入居のために賃料を減額せざるを得なかったとして、賃貸人が賃借人に対して債務不履行に基づき損害賠償を請求し、連帯保証人に対しては保証債務の履行を求めた事案において、賃貸人の請求が一部認容された事例 |
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737 | H22.8.31 | 東京地裁 |
媒介業者の媒介報酬の請求に対して、買主が融資利用特約の定めにより融資の一部が否認された時点で媒介契約は失効していると主張して、媒介手数料の支払について争われた事案において、当該規定は媒介契約を解除することができる旨の規定ではないとして、媒介業者の媒介報酬請求を認容した事例 |
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738 | H22.8.31 | 大阪高裁 |
5年間で償却する約定で600万円の入居金を支払って被控訴人の高齢者用介護サービス付賃貸マンションに母親を入居させていた控訴人が、賃貸借契約の終了に伴い、入居金の返還を求めた事案の控訴審において、入居金の法的性格は、居室への入居の対価及び入居後の医師・看護師らによるサービスの対価としての性格を併有するところ、被控訴人が対価に相当するサービスを提供しておらず、本件約定は消費者契約法10条により無効であるとして、控訴人の入居金返還請求を認めた事例 |
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739 | H22.8.30 | 東京地裁 |
地中に放置された基礎は説明と異なる、埋戻し部分は転圧が十分でなく軟弱地盤であるなどとして、売主に瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求するとともに、代理業者に説明義務違反に基づく損害賠償の請求を求めた事案において、基礎杭の残置は明らかにされており、埋戻し部分の支持力にも問題ないとして瑕疵の存在を否定し、代理業者の説明義務違反も否定した事例 |
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740 | H22.8.26 | 東京地裁 |
建物賃貸借契約の借主が、契約上の更新料の定めは法定更新の場合には適用がないとして、更新料支払義務が存在しないことの確認を求め、さらに、更新料支払いを求めた貸主が借主を脅迫したとして慰謝料等の支払いを求めた事案において、更新料条項は法定更新の場合も適用されるとして上記確認請求を棄却し、また脅迫行為があったと認めることはできないとして慰謝料請求も棄却した事例 |
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741 | H22.8.25 | 東京地裁 |
訴外A社から不動産を購入する契約をした買主Xが、A社の媒介業者Y1の担当者Y2に対し融資利用の特約に基づき売買契約を解除する旨通知したにも拘らず、Y2がA社にそれを伝えなかったためA社に交付済みの手付金の返還を受けられなくなったとして、Y2に対しては不法行為に基づき、Y1に対してはその使用者責任に基づき、手付金相当額の損害賠償を求めた事案において、Y2にはXがX側媒介業者を通じて行った解除の意思表示をA社に伝えるのを怠った任務懈怠行為は無かったとしてY2の不法行為を認めず、Y1の使用者責任も生じないとして、Xの請求を棄却した事例 |
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742 | H22.8.10 | 東京地裁 |
賃貸借の媒介と賃貸住宅管理業務を担当する宅建業者が、依頼者の同意を得ずに弁護士の弁護士法に基づく照会に応じて賃貸借契約書の写し等を提供する方法により報告したことが、個人情報保護法違反や宅建業法違反であるとして、債務不履行又は不法行為に基づき賠償請求された事案において、本件照会には、これに応ずべき必要性と合理性が認められるから、本件報告に違法性はないとした事例 |
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743 | H22.7.30 | 東京地裁 |
賃貸人が、賃借人に対し,未払賃料等を求めた(本訴)のに対し、賃借人が、賃貸借の対象物である建物が耐震基準を満たすよう改修を求めたのに行わなかったため,賃貸借契約を解除せざるを得なくなったとして、保証金の返還請求等(反訴)をした事案において、本件建物は建築当時に予定されていた耐震性能を有していることから賃貸人には修繕義務はなく、返還すべき保証金はないとし、賃貸人の請求を一部認容した事例 |
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744 | H22.7.20 | 東京高裁 |
契約後決済前に売買した賃貸アパートの一室で自殺があったことは、売買契約の危険負担条項における毀損にあたるとして、買主が売主に対し不当利得の返還を求めた事案において、当該約定は物理的滅失や毀損に限定されるものではなく、その発生時期は発見時点でなく原因事実が発生した時点であるとして、その請求を一部容認した事例 |
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745 | H22.7.20 | 最高裁 |
本件は、土地家屋の売買業等を営むY1(法人)の代表取締役Y2らが、Y1の業務に関し、Y2らが弁護士でなく、Y1が弁護士法人でもないのに、報酬を得る目的で、業として、A社から委託を受けて、A社の所有するビルの賃借人らと立退交渉を行い、賃貸借契約の合意解除契約を締結するなどして明渡を受けたという弁護士法72条(非弁護士の法律事務の取り扱い等の禁止)違反の事案である。1・2審ともに同条違反の罪の成立を認めたため、Y1らが上告したが棄却された事例 |
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746 | H22.7.20 | 東京地裁 |
不動産の売主と買主が、売買契約を合意解約して仲介業者の報酬債権を侵害したなどと仲介業者が主張して、不法行為に基づく損害賠償等を請求した事案において、売買契約を合意解約したとしても、債権侵害の不法行為に当たらないとし、不動産売買契約は、特約の定める解除条件の成就により失効したから、報酬の支払いを求めることはできない等として請求を棄却した事例 |
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747 | H22.7.15 | 東京高裁 |
同一建物に居住し、その敷地を共有する者の間で、土地建物を分割し、一方が分割取得した建物部分を取り壊し、その敷地部分を第三者に譲渡した場合において、租税特別措置法35条1項の要件を満たすとして、原判決を取り消し、控訴人の請求を認容した事例 |
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748 | H22.6.29 | 最高裁 |
原告が、葬儀場の営業を行っている被告に対し、人格権等に基づき、葬儀場において目隠しのために設置されているフェンスを更に1.5m高くすることを求めるとともに、不法行為に基づき、慰謝料等の支払を求めたところ、葬儀場の営業が、社会生活上受忍すべき程度を超えて原告の平穏に日常生活を送るという利益を侵害しているということはできないとして、原告の請求が認められなかった事例 |
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749 | H22.6.29 | 東京地裁 |
土地の持主が、宅地建物取引業保証協会に対し、宅建業者の詐欺行為によって被った損害にかかる債権につき認証の申し出を行ったところこれを拒否されたため、同債権の認証を求め、同協会による上記の運用は制度趣旨に反するとして不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、社員の欺罔行為により生じた求償権又は損害賠償請求権は、同法所定の「その取引により生じた債権」にはあたらず、その債権について認証申し出を拒否したことにより権利が侵害されたものでもないとして、土地の持ち主の請求を棄却した事例 |
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750 | H22.6.29 | 東京地裁 |
土地売買契約の買主が、土壌に鉛が検出される等瑕疵が存在するため、瑕疵担保責任を理由として売買契約を解除し、売主に対し代金等の返還等求めた。一方、売主(法人)は、売買契約において、瑕疵担保責任の追及は引渡日から3か月以内にしなければならないとする特約があり、買主の瑕疵担保責任の追及が3か月経過後であったため、買主の請求は認められないとして争ったが、同瑕疵免責特約は、消費者契約法10条に違反する無効なものであるなどとして、買主の鉛等の除却費用の請求を一部認容した事例 |
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751 | H22.6.17 | 最高裁 |
新築建物を購入した買主らが、当該建物には構造耐力上の安全性を欠くなどの瑕疵があると主張して、その設計、工事の施工等を行った業者らに対し、不法行為に基づく損害賠償等を求めた事案において、購入した新築建物自体が社会経済的価値を有しない場合には、買主から工事施工者等に対する建替え費用相当額の損害賠償請求においてその居住利益を損害額から控除することはできないとされた事例(控訴審 H21.6.4 名古屋高裁 RETIO78-106) |
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752 | H22.6.11 | 東京地裁 |
賃借人である原告が、敷金の返還、原状回復工事代金の償還、支払った違約金の返還等を求めた事案において、賃借人の原状回復義務はないとし、賃借人の行った補修工事について事務管理として費用償還を認め、また違約金条項が消費者契約法10条により無効であるとした事例 |
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753 | H22.6.1 | 最高裁 |
売買契約の目的物である土地の土壌に、売買契約締結後に法令に基づく規制の対象となったふっ素が基準値を超えて含まれていたことから、このことが民法570条の瑕疵担保にあたると主張して、瑕疵担保による損害賠償を求めた事案において、瑕疵が認められないとした事例 |
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754 | H22.5.28 | 大阪地裁 |
家賃を滞納していた借家人である原告が、家賃保証会社である被告の従業員から違法な取立行為等を受けたなどとして、損害賠償を求めた事案において、従業員は、「督促状」という表題だけを見えるようにした書面を原告の居室の玄関ドアに貼り付けたことなどが認められ、社会通念上相当とされる限度を超える違法な取立行為であるなどとして、請求を一部認容した事例 |
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755 | H22.5.27 | 東京地裁 |
マンションの一室を購入して入居した原告らが、漏水及びホルムアルデヒドを発散する床材が瑕疵にあたるとして損害賠償を求めた事案において、漏水は、瑕疵にあたるが約定の除斥期間の経過により責任は消滅しており、また、マンション建築当時は、当該床材の使用が法令上禁止されていないことなどから瑕疵にはあたらないとし、請求を棄却した事例 |
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756 | H22.5.13 | 東京地裁 |
店舗を賃借していた借主が、貸主に無断で外壁を塗装したり、建物の内装を行ったりしたため、信頼関係を失ったとして、契約の解除、建物の明け渡し、賃料相当損害金の支払いを求めた貸主に対し、契約解除と建物明け渡しは認め、賃料相当損害金の支払いの請求は棄却した事例 |
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757 | H22.4.8 | 東京地裁 |
宅建業者から購入した建売住宅の地中にコンクリート製の構造物が埋設されているとして、買主が売主に対し、主位的には瑕疵担保責任に基づき、予備的に説明義務違反に基づき損害賠償請求した事案について、構造物の埋設により居住用建物の敷地としての一般的な利用が大きく妨げられているとはいえず、増改築や建替えの必要性は、直ちに現実化することのない不確定なものであるから、瑕疵にもあたらないとし、売主が積極的に調査探知すべき義務を負っていたともいえないとして、買主の請求を全部棄却した事例 |
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758 | H22.3.29 | 東京地裁 |
賃借人が別の場所で自殺した後に賃借人の同居者が賃貸借建物の居室内で自殺したために、建物部分の価値が下落し、損害を被ったことについて、賃貸人らが、賃借人の相続人らに対し、賃貸借契約上の債務不履行に基づき、損害賠償を請求した事案において、賃借人の相続人らは賃借人と自殺した同居人の関係を全く知らず、同居人の行為について責任を負わないものと解すべきであるとして、賃貸人らの請求が棄却された事例 |
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759 | H22.3.29 | 東京地裁 |
被告Yに対し、建物の建築工事の完了前の賃貸借契約の仲介を委託した原告Xが、賃貸借契約は成立していないとして、既払い仲介手数料の返還等を求めた事案において、訴外会社がX以外の者に本件貸室を転貸することが制限されることからすると、本件仲介契約の目的として予定されていた契約が締結されたというべきであるとして、請求を棄却した事例 |
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760 | H22.3.26 | 東京地裁 |
事務所の賃貸借において、契約を中途解約した借主が、賃料2か月分の「敷引特約」及び「6か月の予告期間特約」は無効として敷金全額の返還を求めた事案において、「敷引特約」及び「6か月の予告期間特約」とも有効とした事例 |
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761 | H22.3.24 | 東京地裁 |
別荘地の開発分譲業者より団地内の私道等共益施設を譲り受け、管理業務を引き継ぎ行っている管理業者が、共益管理契約の締結を拒否している団地内の別荘地所有者に対し管理費の支払いを求めた事案において、別荘地所有者と開発分譲業者、または管理業者との間に管理費の負担に関する契約や規約等に基づく法律関係の成立は認められないとしてその請求を棄却した事例 |
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762 | H22.3.23 | 東京地裁 |
私道(いわゆる2項道路)所有者が、近隣土地所有者による同私道の車両通行や、同私道を掘削して上下水道の本管及びガス管を継続して使用していることについて、土地所有権侵害による損害賠償を請求した事案において、請求の一部が認容された事例 |
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763 | H22.3.17 | 東京地裁 |
賃貸人が賃借人に対し、建物が朽廃、倒壊する危険性が高いという正当の事由があるとして賃貸借の解約を求め、他方、賃借人は賃貸人に対し、建物の倒壊の危険から免れるための通常の補修工事の実施を求めた事案において、賃貸借契約の解約の申入れの正当事由を否定し、賃貸人に補修工事の実施を命じた事例 |
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764 | H22.3.16 | 東京地裁 |
原告らが被告からマンションを購入し手付金を払ったが、原告が契約を解除したとして、手付金相当額の支払を求め(本訴)、被告は原告らが残代金の支払を怠ったと主張して、違約金の支払を求めた(反訴)事案において、原告らの融資特約条項による解除の意思表示が有効と言えないとする一方、被告の解除も無効として、請求をいずれも棄却した事例 |
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765 | H22.3.10 | 東京地裁 |
中古住宅の買主が、建物に修復困難なシロアリ被害等が発見されたとして、売主に対し信義則上の義務違反による違約解除を求め、仲介業者に対し債務不履行等に基づく損害賠償を請求したのに対し、売主が買主の契約不履行(残代金不払い)による違約解除を求め反訴した事案において、シロアリ被害はあるものの建物が無価値と評される被害は認められないとして売主の反訴違約解除が認められた事例 |
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766 | H22.3.9 | 東京地裁 |
いわゆる公図混乱地域における土地を購入した買主が公図上の土地所有者から土地明渡しを求められたことから、売主及び仲介業者に対し契約解除、損害賠償等を求めた事案において、将来所有権をめぐる紛争が生じる可能性が存することは瑕疵であるとして、仲介業者に対する説明義務違反を理由とする損害賠償請求の一部を認め、売主に対する契約解除及び損害賠償請求等は、当該瑕疵は売買目的を達成できない程ではなく、また損害賠償請求権は除斥期間経過により消滅しているとしてその請求を棄却した事例 |
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767 | H22.3.8 | 東京地裁 |
買主が、買い受けた土地に心理的瑕疵があったとして、売主らに対し、瑕疵担保責任又は債務不履行に基づく損害賠償を求めた事案において、三年前土地上にあった建物内において焼死者が発生したことも、本件売買契約の目的物である土地にまつわる心理的欠陥であり瑕疵に当たるとして、買主の損害賠償が一部認容された事例 |
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768 | H22.3.3 | 大阪地裁 |
購入した建物に消防法違反があったため補修工事を余儀なくされたとして、買主が売主及び仲介業者に対し補修費用相当額の損害賠償を求めた事案において、消防署による消防法違反の指摘を受けながら是正していなかったことは瑕疵に当たるとして、売主の瑕疵担保責任に基づく損害賠償を容認した一方で、仲介業者については、本事案において消防法違反を想定し調査する責任があったとまではいえないとして、仲介業者に対する善管注意義務違反による損害賠償請求を棄却した事例 |
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769 | H22.3.1 | 東京地裁 |
賃貸人である原告が、被告会社の債務不履行(失火による建物の毀損等)を理由として賃貸借契約を解除したと主張し、建物の明渡し等を求めた事案において、本件火災により、原告と被告会社との間の信頼関係は完全に破壊されたものというほかないとして、建物の明渡し請求を認めるとともに、約定使用相当損害金及び、建物補修費用に係る請求を一部認容した事例 |
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770 | H22.2.26 | 東京地裁 |
中途解約が認められない事務所賃貸借契約で、契約が成立したのに借主が契約を解除したとして、貸主が損害賠償を請求した事案において、貸主と借主との間に賃貸借契約が成立したとは認められないとし、当事者間に信頼関係が築かれ、契約締結交渉の成熟度が高くなっており信義則上の注意義務が発生したと認めるまでには至っていなかったというべきとして、棄却された事例 |
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771 | H22.2.26 | 東京地裁 |
買主が土地を購入する際、これに関与した宅建業者には、土地の範囲について誤った説明をした説明義務違反が認められ、同義務違反により、買主は利用可能な土地面積が減少したこと等による損害を被ったのであって、買主は宅建業法64条の8第1項の「取引により生じた債権」を有するとしたうえで、買主が弁済業務保証金の還付を受けるために必要とされる認証を求めた裁判で、宅地建物取引業保証協会に認証を命ずる判決がなされた事例 |
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772 | H22.2.26 | 東京地裁 |
確定測量図の交付義務付きで売買した売主が決済期限までに確定測量図を交付できなかったとして、買主が契約解除による違約金の請求を行ったが、買主は現実の弁済を行っていないから契約解除は無効であるとして本訴を棄却する一方、確定測量図の交付が出来るようになったのに買主が代金を支払わないのは契約違反だとして違約金の請求を求め反訴した売主に対して、地積更正手続きを行っていない状態では債務の本旨に従った所有権移転登記手続きの提供とはいえないとして、反訴も棄却した事例 |
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773 | H22.2.24 | 東京地裁 |
貸主は、一軒家を賃貸していたところ、借主は約定に違反してフェネックギツネを飼育しており、飼育の停止を求めたが、その後も飼育を続けたため、貸主は借主に対し、賃貸借契約を解除したとして、賃貸借契約終了に基づき本件建物の明渡しを求めた事案において、貸主が本件賃貸借契約の停止期限付解除の意思表示をした時点で本件賃貸借契約における当事者間の信頼関係が破壊されているから、貸主の解除の意思表示は有効であるとして、請求を認容した事例 |
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774 | H22.2.22 | 東京地裁 |
建物の賃貸借契約において2年ごとの更新の際に賃料の1か月分の更新料を支払うとする更新料特約が消費者契約法10条に反せず有効とされた事例 |
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775 | H22.2.8 | 東京地裁 |
売主業者が、土地売買契約の買主が売買代金を支払わなかったとして、同契約の解除に基づく損害賠償を求めた事案において、当初本件売買契約に付されていたローン解除条項の削除に買主は合意しておらず、あるいはかかる合意が錯誤により無効となり、または詐欺に基づき取消すとの買主の主張は認められないとして、買主の主張を排斥し、売主業者の請求を認容した事例 |
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776 | H22.1.29 | 名古屋高裁 |
競売物件について売却許可決定を受けた買受人が、当該物件内で腐乱死体が発見されたことから、当該物件には「心理的瑕疵」が発生しており、これは民事執行法75条1項の「損傷」に当たるとして、本件売却許可決定の取消しを申立てたところ、原決定が同申立て却下したことから、執行抗告をした事案において、本件物件の交換価値は低下したと認められ、死因が自殺、病死又は自然死のいずれかに拘らず、民事執行法75条1項の「損傷」に当たるとして、原決定を取消し、売却許可決定が取消された事例 |
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777 | H22.1.28 | 東京地裁 |
原告Xが、建物賃貸借契約上の連帯保証人の相続人である被告Yに対し、連帯保証債務履行請求権を行使した事案において、賃料の未払が保証人の死亡後に発生したとしてもYが連帯保証契約に係る債務を承継するとし、請求を全部認容した事例 |
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778 | H22.1.27 | 東京地裁 |
仲介業者の媒介成立を故意に妨げて他業者の仲介により紹介物件を購入したとして、報酬相当額を買主に求めた事案において、買付証明の有効期限経過により黙示の媒介契約は効力を失ったとしてその請求を棄却した事例 |
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779 | H22.1.26 | 東京地裁 |
新築戸建住宅を購入した買主が、都市計画道路がかかっていることの説明を怠った売主および販売代理業者に対し、主位的に契約解除と違約金や損害金等の支払いを、予備的に従業員の不法行為を原因として損害金等の支払いを求めた事案において、土地の一部に都市計画道路が存在することの説明がなかったことが、売買契約の目的達成に重大な影響を与えるまでとは認定し難いとして、売買契約の解除はできないとしたが、土地の減価額等を損害と認定する等、予備的請求を一部認容した事例 |
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780 | H22.1.26 | 最高裁 |
マンション管理組合の総会決議により行われた自ら専有部分に居住しない組合員が組合費に加えて住民活動協力金を負担すべきものとする旨の規約の変更が、建物の区分所有等に関する法律66条、31条1項後段にいう「一部の団地建物所有者の権利に特別の影響を及ぼすとき」に当たらないとされた事例 |
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781 | H22.1.25 | 東京簡裁 |
賃貸マンションの借主が、貸室の退去にあたり自身が設置した一般家庭用エアコンについて、賃貸借契約書に造作買取を排除する特約がないことを根拠に、貸主に造作買取請求した事案において、本件エアコンは取り外しが比較的容易であること等を理由に、建物に附加した造作と認めることは難しく、造作買取請求の対象とはならないとして、借主の請求を棄却した事例 |
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782 | H22.1.22 | 仙台高裁 |
マンション建築目的で買い受けた原告(X)が、被告(Y)に対し、本件土地には土壌汚染対策法等に定める基準を超える砒素が存在したため、本件マンションを建築するに当たって土壌汚染の処分等に過分の費用を要したとして、瑕疵担保責任により、損害賠償金等を求めた事案において、本件土地において基準値を超える砒素等が存在することは専ら自然的原因によるものであるとしても、瑕疵があるとされた事例 |
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783 | H22.1.20 | 東京地裁 |
隣室の騒音・貸室に汚れがあるなど、多くの問題があったにもかかわらず、対処せず管理全般を怠ったことは建物賃貸人の債務不履行であるとして、建物賃借人が損害賠償等を求めた事案において、建物賃借人の主張それぞれを検討した結果、理由がないとしてその請求全部を棄却した事例 |
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784 | H22.1.20 | 名古屋高裁 |
売主から本件土地を購入した買主らが、本件土地の地盤が軟弱で、建物建築に適さず、地盤改良工事が必要であったとして、本件地盤の軟弱性等に関する説明義務違反又は瑕疵担保責任に基づき、売主に対し、土地改良工事費用及び遅延損害金を請求した事案につき、地盤が軟弱であって、土地の隠れた瑕疵に当たるとして、請求の全部を認容した事例 |
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785 | H22.1.15 | 東京地裁 |
購入した不動産について過去に自殺があったとして瑕疵担保責任が争われた事件において、死体検案書では睡眠薬中毒による自殺という記載があったが、裁判所の事実認定により自殺があったとはいえないとして瑕疵担保責任が否定された事例 |
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786 | H21.12.28 | 東京地裁 |
収益物件の売買において、買主が賃貸の可能性が全くないという隠れた瑕疵があるとして売主業者に対し損害賠償を求めた事案において、売買の前提となった賃料収入は全く得られていないことから、建物の価値に関して隠れた瑕疵があったとした事例 |
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787 | H21.12.25 | 東京地裁 |
土地建物を購入した買主が、媒介した宅建業者は、建物の雨漏り、受水槽の水漏れ、敷金の返還債務の引受義務についての説明を怠り、これにより損害を被ったとして、媒介した宅建業者に対し損害賠償の支払を求めた事案につき、買主の請求が一部認められた事例 |
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788 | H21.12.22 | 姫路簡裁 |
賃料滞納を理由に建物の管理会社がドアの鍵部分にカバーを掛けたため、賃借人が自宅に入ることができなくなったとして、民法709条に基づき慰謝料、逸失利益等の賠償を管理会社と賃貸人に請求した事案において、賃借人の損害賠償請求が一部認められた事例 |
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789 | H21.12.16 | 東京高裁 |
民法395条の改正施行日(平成16年4月1日)より前に賃貸借契約を締結し占有・使用していた抗告人に対し発令された引渡命令に対して執行抗告した事案において、改正法の附則第5条により改正前の規定が適用され、抵当権者に対抗できなくなったとしても、改正後の建物引渡猶予制度の適用を受けることはできないとして抗告を棄却した事例 |
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790 | H21.12.11 | 東京地裁 |
信託受益権売買契約の目的物である建物に法律上の瑕疵があったとして、表明保証条項違反に基づき損害賠償を求めた事案において、売買契約が締結された当時、10室については事務所として利用されているという使用目的違反があり、この点において物件概要書の記載は真実に反していたのであるから、売主は表明保証違反に基づく損害賠償を負うとし、その是正に要する費用相当額及びその違反により減免を受けられなかった税額相当額が使用目的違反と相当因果関係のある損害であるとして請求の一部が認容された事例 |
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791 | H21.11.27 | 最高裁 |
土地の賃貸人が、賃借人による妻子への無断転貸を理由に賃貸借契約を解除したとして、賃借人等に対して当該土地上の建物を収去して明け渡すこと及び賃料相当損害金を支払うことなどを求めた事案において、賃借人の無断転貸につき、賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるとされた事例 |
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792 | H21.11.25 | 東京地裁 |
宅地建物取引業保証協会が、会員宅建業者の分譲した建売住宅の買主の不同沈下による損害につき1,000万円の認証をしたところ、宅建業者は適正な損害額は300万円であるとして宅地建物取引業保証協会および買主に対し差額700万円の損害賠償等を求めた(本訴)のに対し、本件瑕疵による損害額は建て替え費用等3,384万円余であるとして買主が還付金との差額等を求めた(反訴)事案において、本件瑕疵解消には建物建て替えによらざるを得ないと判断して売主請求を棄却し買主請求を一部容認した事例 |
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793 | H21.11.12 | 東京地裁 |
売主(宅建業者)から不動産を買った買主が手付を放棄して売買契約を解除したとして、売主に対し既払金の返還を求め(本訴)、売主が手付解除は無効であり買主の債務不履行を理由に解除したとして、違約金の支払を求めた(反訴)事案において、売主が不動産に設定した抵当権を消滅させるために借入金の全額を返済した行為は、履行のために必要不可欠な行為であったといえるから、売主は既に履行に着手しており、買主の手付解除の意思表示は無効であるとして、本訴請求を棄却し、反訴請求を一部認容した事例 |
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794 | H21.11.12 | 東京地裁 |
建築基準法に基づく制限等を十分に説明しないのは、宅建業法第35条の重要事項説明違反であるとして仲介業者に損害賠償の支払いを求めた事案において、仲介業者は買主から建て替えの話は聞いておらず、実際に申請しないと判明しない建築基準法の制限の結論までの説明義務はない等として、買主の請求を棄却した事例 |
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795 | H21.11.10 | 東京地裁 |
原告(会社)の代表取締役が認知症により事理弁識能力を欠く常況にあったことを利用して、借地権がないものとして建物を売却し、借地権相当額の損害を与えたとして、被告に対し、不法行為に基づき損害賠償を求めた事案において、当該代表取締役は本件売買契約当時、事理弁識能力に低下はあったものの、それを欠く常況にはなかったとして、損害賠償請求が棄却された事例 |
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796 | H21.11.4 | 東京地裁 |
居住用家屋の一部を取り壊して、当該部分に係る敷地を譲渡した場合、取壊しが譲渡に必要な限度のものであり、かつ、取壊しによって残存部分が居住の用に供し得なくなったときには、租税特別措置法35条1項による居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除を受けることができるとしつつ、取壊し後も残存家屋部分を居住の用に供することができていること等を理由に、その適用を認めなかった事例 |
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797 | H21.10.29 | 東京地裁 |
認知症に罹患していたXから土地・建物を購入したY1およびY1から転売を受けたY2に対し、X(成年後見人Z)から、X-Y1間の売買は無効であり、よってY1とY2間の売買契約も無効であるとして、所有権移転登記の抹消を求め認められた事例 |
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798 | H21.10.29 | 東京地裁 |
アパートの2階住人が、真下の部屋の1階住人らが深夜に発する受忍限度を超える騒音によって、病気を発症するに至ったとして、不法行為に基づく損害賠償を求めるとともに、未成年者であった1階住人の親権者に対しては、監督責任があるとして連帯して損害金の支払いを求めた事案において、慰謝料、アパート転居費用、弁護士費用につき騒音を発した1階住人の責任を一部認め、親権者の監督責任は否定した事例 |
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799 | H21.10.29 | 大阪高裁 |
建物賃貸借契約における更新料特約の約定は消費者契約法10条又は民法90条に反し無効と主張し、過去に支払った更新料の返還を求めた事案において、本件更新料特約は消費者契約法10条に反せず有効とした事例 |
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800 | H21.10.29 | 東京高裁 |
貸主が、借主に対し、定期建物賃貸借契約の債務不履行による解除を理由として、建物の明渡しを求めるとともに、未払賃料並びに約定に係る賃貸借期間満了までの賃料相当額の損害賠償等を求めるなどした事案の控訴審において、雨漏りの理由により賃料の支払い義務はないとし、貸主の解除は許されないとした借主の主張を認めず、貸主からの契約解除による建物明渡し、未払賃料請求についてはほぼ原審どおり認容したが、約定の違約金については、建物明渡し完了後6か月分を上回る期間満了までの賃料相当分の損害金請求を暴利行為として否定し、原判決を変更した事例 |
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801 | H21.10.13 | 東京地裁 |
不動産の仲介業者が売主・買主との間で不動産媒介契約を締結し、売主と買主に対し、売買契約が成立したと主張して、媒介報酬を請求した事案につき、本件においては、売買契約が履行されず、取引の目的が達成されなかったなどとして、仲介業者の請求を棄却した事例 |
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802 | H21.10.9 | 東京地裁 |
土地建物を購入した買主が、購入した土地建物が法令に適合していないことを仲介業者が説明する義務を怠ったとして、上記仲介契約には債務不履行があると主張し、仲介業者に対して仲介手数料相当額及び調査に要した支出額の支払いを求めた事案において、不動産の一部には法令違反があり、これは買主が売買契約を締結するかどうかの判断において重要な事項であるが、その判断は建築に関する専門的知識を要するものであって、宅地建物取引業者において認識し得るものではないとして、仲介業者の説明義務が否定された事例 |
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803 | H21.10.7 | 東京地裁 |
建物賃貸借契約の貸主が、賃借人たる法人に対し、賃貸借契約に基づく未払賃料及び賃料相当損害金の支払を求めた事案において、当該賃貸借契約は法人の共同代表者の訴外取締役(当時)が独断で締結したものであるなどとしてこれを争ったが、会社法354条(表見代表取締役)の類推適用により、法人は賃貸借契約に基づく責任を負うとして、貸主の請求が認容された事例 |
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804 | H21.10.1 | 東京地裁 |
分譲マンションの居住者がシックハウス症候群に罹患した損害賠償請求について、開発業者は、設計者及び施工者と同様、買主等に対する関係において、その生命、身体及び重要な財産を侵害しないような基本的安全性を確保する義務を負うとして、原告の症状をシックハウス症候群から化学物質過敏症に移行したものであると認定し、損害賠償が認められた事例 |
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805 | H21.9.30 | 京都地裁 |
適格消費者団体(原告)が、不動産賃貸業及び不動産管理業を目的とする事業者(被告)に対し、いわゆる「定額補修分担金条項」が消費者契約法10条に反して無効であるとして、消費者団体訴訟制度に基づき提起した訴訟において、1)定額補修分担金条項は、信義則に反して消費者の利益を一方的に害する、2)その額を問わず一律に当該条項自体の使用を差し止めるのが相当である、とされた事例 |
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806 | H21.9.30 | 東京高裁 |
温泉付きマンションの一室を購入した買主が、その住戸には居住に耐えられない異常な瑕疵があり、売買契約を解除し、売主には代金の返還及び瑕疵担保責任に基づく損害賠償を求めると共に、仲介業者には本件瑕疵の調査義務及び説明義務違反があるとして損害賠償を求めた原審で、各請求が棄却されたため、これを不服として提起された控訴審において、売主が異常な湿気とかびの発生を知りながら買主に告げなかった事実は認められないなど本件事情によれば、売主が瑕疵担保責任を負うことは無く、仲介業者も調査義務及び説明義務の懈怠は無いとして控訴が棄却された事例 |
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807 | H21.9.25 | 東京地裁 |
土地建物売買契約の買主が売買代金を支払わないため、売主が売買契約を解除して違約金等の支払いを求めたのに対し、買主はそれ以前に手付解除をしているとして争った事案において、売主は、買主の手付解除前に、隣接土地の境界を確定する作業等をしており、これは売主の履行の着手にあたるから、買主の手付解除は無効であると判断した事例 |
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808 | H21.9.18 | 東京地裁 |
住宅の賃貸借契約においてハウスクリーニング費用及び鍵交換費用を賃借人が負担する旨の特約が、有効に成立しており、消費者契約法10条に規定する条項にも該当しないとして、有効とされた事例 |
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809 | H21.9.15 | 高知地裁 |
暴力団関係者であるかのような外観を作出して売買契約の対象となった土地を買い戻させるなど、不当な利益を得る目的で締結された契約が、当該目的を知っていれば契約しなかったものとして要素の錯誤により無効とされ、土地所有権移転登記抹消等が認められた事例 |
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810 | H21.8.31 | 東京地裁 |
おにぎり販売店として店舗を賃借したが、建物に防火シャッターが作動しない欠陥により営業ができない状態であったにもかかわらず、貸主らから当初説明がなくまた補修もしなかったとして、借主が貸主に対し債務不履行解除に基づく原状回復請求又は錯誤無効を理由として支払済の賃料等の返還等を求め、仲介業者に対し債務不履行に基づく損害賠償請求を求めた事案について錯誤無効、仲介業者への請求等は棄却されたが、貸主への礼金等の返還請求が認容された事例 |
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811 | H21.8.31 | 大阪地裁 |
吹付けアスベストを使用した建物で就労していた男性が悪性胸膜中皮腫を発症し死亡したのは、建物賃貸人兼所有者が、アスベスト対策を怠ったためだとして、その遺族が損害賠償を求めた事案において、建物賃貸人兼所有者の工作物責任を認め、遺族の請求を一部認容した事例 |
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812 | H21.8.27 | 東京地裁 |
買主が、仲介業者に対して「全室南に面したマンション」の購入希望を伝えて、未完成物件であったマンションを訴外会社Aから買い受けたところ、同マンションは、媒介業者が完成図面を取り違えて買主に説明していたことにより、買主が希望する物件とは異なるものであることが判明し、Aは売買契約を手付倍返しにより解除したが、買主は,仲介業者に対して、仲介報酬の一部として支払った60万円の返還を請求した事案において、買主の請求が認容された事例 |
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813 | H21.8.27 | 大阪高裁 |
建物賃貸借契約における更新料特約の約定は消費者契約法10条又は民法90条に反し無効と主張し、過去に支払った更新料の返還を求めた事案において、原判決は賃借人の訴えを棄却したが、本件更新料特約は消費者契約法10条に反し無効とした事例 |
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814 | H21.8.6 | 東京高裁 |
マンションの規約共用部分である洗濯室及び倉庫の登記がないことを奇貨として当該共用部分を買い受けた競落者及び当該共用部分の当該競落者からの譲受人が、背信的悪意者であるとされて、専用部分としての登記をもって、マンション管理組合に対し当該共用部分の登記がないことを主張することができないとされた事例 |
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815 | H21.7.23 | 京都地裁 |
居住用建物の賃貸借契約における保証金の敷引特約(保証金35万円に対し敷引金30万円)及び更新料特約(契約期間2年に対し賃料2カ月分)が、消費者契約法10条により無効であるとされた事例 |
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816 | H21.7.21 | 東京地裁 |
公簿取引で土地を購入した買主が、実測面積が小さかったのは、仲介契約上の善管注意義務違反の債務不履行ないし不法行為に当たるとして、不足する面積分の土地代金相当額の損害賠償及び慰謝料並びに遅延損害金を請求した事案において、仲介者は本件契約がいわゆる公簿売買であることを説明し、買主もこれを了承したうえで本件契約の締結に至ったことが認められるとして、買主の請求を棄却した事例 |
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817 | H21.7.16 | 最高裁 |
相手方らが立入禁止等と記載した看板を被告人方建物に取り付けようとすることによって被告人らの上記建物に対する共有持分権、賃借権等や業務、名誉に対する急迫不正の侵害に及んだのに対し、上記権利等を防衛するために被告人が相手方の胸部等を両手で突いた暴行が刑法36条1項にいう「やむを得ずにした行為」に当たるとされた事例 |
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818 | H21.7.3 | 最高裁 |
①担保不動産収益執行の開始決定の効力が生じた場合における担保不動産の収益に係る給付を求める権利は担保不動産の所有者に帰属し、②抵当不動産の賃借人が、担保不動産収益執行の開始決定の効力が生じた後に、抵当権設定登記の前に取得した賃貸人に対する債権を自働債権とし賃料債権を受働債権とする相殺をもって管理人に対抗することができるとされた事例 |
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819 | H21.6.26 | 東京地裁 |
売主から土地及び建物を2億2千万円で購入した買主が、購入後、建物内で自殺をした者がいることが判明したため、隠れた瑕疵が存在する又は、事前に売主から何の説明もなかったとして、売主に対して4400万円の損害賠償を請求した事案において、売買金額の1%にあたる220万円の損害額が認められた事例 |
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820 | H21.6.24 | 東京地裁 |
ホテル形式のリゾートマンション購入と同時に、共有持分権者が会員となり本件ホテル等の利用を目的とするクラブに入会した法人が、会員に対し発行される利用券について、クラブ規定では1枚1万円で買取る旨定められ、安全確実な財テクになると宣伝されていたにもかかわらず、その後一方的に変更されて1枚470円にまで下落したことから、クラブ契約の債務不履行を理由として、売買契約及びクラブ契約の解除と売買代金の返還等を求めた事案において、クラブ契約の債務不履行があり、その履行がなければ売買契約の目的が達成されないような特段の事情が認められるとして、クラブ契約のみならず売買契約をも解除できるとした事例 |
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821 | H21.6.15 | 東京地裁 |
ビルの賃貸人が、飲食業を営む賃借人に対し、ビルの建物に石綿粉塵や耐震性の問題があり、建物が朽廃し、賃貸借契約が終了しているとして建物の明渡しを求めた事案において、アスベストが検出され、現状のままでは飛散する可能性があることをもっていまだ建物の朽廃ということはできないなどとして請求を棄却した事例 |
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822 | H21.6.12 | 大阪高裁 |
建物の賃貸借契約の終了に伴う建物明渡後の敷金の返還をめぐり、①賃借人が原状回復義務を負う場合であっても、補修によって、特別損耗のみならず通常損耗をも回復することになるのであれば、賃借人が負担する費用から、通常損耗による減価部分を除外することが相当である、②敷金返還義務の履行期の起算日は、清算完了時でなく、建物明渡時であるとされた事例 |
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823 | H21.6.4 | 名古屋高裁 |
新築建物を購入した買主らが、当該建物には構造耐力上の安全性を欠くなどの瑕疵があると主張して、その設計、工事の施工等を行った業者らに対し、不法行為に基づく損害賠償等を求めた事案において、購入した新築建物自体が社会経済的価値を有しない場合には、買主から工事施工者等に対する建替え費用相当額の損害賠償請求においてその居住利益を損害額から控除することはできないとされた事例 |
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824 | H21.5.29 | 東京地裁 |
建物賃借人が、建物賃貸人に修繕義務違反があることから、賃料支払につき民法533条の同時履行の抗弁権があると主張した事案において、修繕を要する箇所があるとしても、それが建物の利用、居住に著しい支障を生ずるものでない限り、賃借人は建物の賃料全部の支払を拒むことはできないなどとして、損害金等の請求を否定した事例 |
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825 | H21.5.22 | 大阪簡裁 |
賃借人が、賃貸人が賃借人の賃料未払いを理由に玄関の鍵を取替えたという不法行為によって損害を被ったとして、民法709条に基づき、慰謝料、逸失利益の賠償等を請求した事案において、賃借人の損害賠償請求が認められた事例 |
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826 | H21.5.15 | 東京地裁 |
相当の部分がキャバレー・バー等へ賃貸されている事務所店舗ビルの売買において、キャバレー・バー等への賃貸に関し建物に建築基準法施行令違反が存していたことは瑕疵であるとして、宅建業者である買主が宅建業者である売主に対し、瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求した事案において、売主に実際の用途における建築基準法の適合性についてまでの調査説明義務はないとしてその請求が棄却された事例 |
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827 | H21.5.14 | 東京高裁 |
区の主要生活道路計画(現時点では法的拘束力はない)が購入した新築戸建住宅物件にかかっており、もし事業化されれば土地の一部が収用され建物の一部も取り壊す必要がある等の具体的説明を買主にしなかったのは、売主(宅建業者)及び仲介業者の説明義務違反であるとして買主が損害賠償を求めた事案において、実現するかどうか未定であっても土地収用の可能性があることは重要な事実として説明されるべき瑕疵であるとして、道路計画が存することによる評価損及び弁護士費用相当額の損害賠償を認めた事例 |
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828 | H21.5.12 | 東京地裁 |
原告(持分4分の3)と被告が共有する土地について、民法252条本文により建築基準法43条1項所定の路地状敷地として申請することに同意を求めたところ、何らの不利益が及ばないのにこれを拒絶した行為が信義則に反し、共有持分の権利濫用に当たると主張して、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、事実経過や原告が被るべき不利益を考慮すると、被告において原告の要求を拒絶することは権利の濫用として許されないとして、原告の請求を一部認容した事例 |
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829 | H21.4.30 | 東京地裁 |
店舗の賃貸借契約において、借主が建物にアスベストが存在するため建物を全く使用収益することができなかったとして、賃貸借契約を解除し支払った賃料等の返還を求めた事案において、事前の交渉経過等からアスベスト処理を賃借人の負担で行う合意があったとし、賃貸人の説明義務違反による債務不履行ないし不法行為、使用収益させる義務あるいは修繕義務を怠った債務不履行による責任を否定するとともに、仲介業者の調査義務、説明義務違反を否定した事例 |
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830 | H21.4.28 | 東京地裁 |
ある土地を所有して居住する原告らが、本件土地を所有する被告Y1並びにY1から本件土地を賃借して建物を所有する被告Y2及びY3に対し、本件土地上に通行地役権を有することの確認を求めた事案において、地役権設定契約の存在は認められず、本件土地上の通路部分が建築基準法所定のいわゆる2項道路に指定されているとしても、徒歩及び自転車による通行は妨げられていないのであるから、自動車による通行を目的として本件土地上に設置されたポール等の撤去を求めることはできず、その他囲繞地通行権も認められず、被告らが原告らの自動車による通行を拒否することが信義則に反するともいえないとされた事例 |
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831 | H21.4.16 | 東京地裁 |
看板設置を巡る賃貸人との紛争によって、事業用店舗の賃貸借契約を解除するに至った賃借人が、賃貸借契約を媒介した宅建業者に対し、媒介契約の債務不履行を理由に損賠賠償を請求した事案において、媒介契約の債務不履行は認めたが賃借人の損害と因果関係はないとしてその請求を棄却した事例 |
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832 | H21.4.13 | 東京地裁 |
延100㎡の工房兼住宅を建築する目的で土地を購入したが、第2種高度地区及び建ぺい率の制限により延100㎡の建築が不可能であったことから、買主が仲介業者及び売主に対して告知義務違反による損害賠償を求めた事案において、仲介業者に購入目的を具体的に告げていた事情の下では、仲介業者は買主が目的とする建物を建築することができないことを説明する義務があり、また、宅建業者である売主も、仲介業者の説明の場に立ち会い自らも十分な説明をする義務があったとして、買主の請求を一部認容した事例 |
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833 | H21.4.10 | 東京地裁 |
栃木県那須塩原所在の土地4区画を購入した買主が、これらの土地売買は実際には価値のない土地を、将来急激な値上がりが望めるかのように装ってなされた、いわゆる原野商法であり、会社ぐるみの組織的詐欺行為により損害を受けたとして、売主業者に対して損害賠償の請求をした事案において、原野商法の欺罔行為を認定し、売主業者に対して請求の損害金全額の支払を命じた事例 |
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834 | H21.4.6 | 横浜地裁 |
別荘地における隣接土地上の建物の建築について、眺望利益を人格的利益として認めた上で、その違法な侵害にあたるとして、建築差止仮処分命令申立てが容認された事例 |
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835 | H21.3.27 | 福岡地裁 |
暴力団組事務所として使用されている3棟の建物の近隣に居住ないし就業している債権者らが、人格権を侵害されていると主張して、各建物の暴力団組事務所等としての使用の差止め等を求めた仮処分命令の申立てが、現に暴力団組事務所として使用されている建物の500mの範囲内の居住者等について容認された事案 |
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836 | H21.3.24 | 東京地裁 |
土地を売却した売主が、買主が決済期限までに代金を支払わなかったとして、契約解除による違約金の請求を行ったが、買主は、売買代金を支払わなかったのは同時履行の抗弁権を行使したものであるとして、売買契約を解除した上で、売主に対し違約金等の支払を求めた事案において、売主が隣地所有者らとの間で合意した公法上の境界と異なる境界線を、本件売買契約における境界線と扱うことは出来ないことから、売主は買主に対する本件土地の引渡義務を果たしたとはいえないとして、売主の請求を棄却し、買主の請求を認容した事例 |
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837 | H21.3.24 | 東京地裁 |
不動産売却の媒介契約締結時において、仲介業者が媒介金額の算定根拠及び売主が負う瑕疵担保責任の内容を告知する義務があったにもかかわらず告知しなかったため、不適正な価格で不動産を売却する損害を負ったとして、売主が仲介業者とその従業員に対し損害賠償を求めた事案において、仲介業者が行ったレインズの成約事例等の提示による意見の告知は当該義務を満たすものであるとし、また瑕疵担保責任は媒介契約締結時において説明する義務はなく売買契約締結時までに瑕疵担保責任の内容を告知すればよいとして、売主の請求を棄却した事例 |
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838 | H21.3.19 | 東京地裁 |
買主が、売主との間で土地建物の売買契約を締結したところ、土地の土壌が油分で汚染されており、また、同土地に予定外の埋設物が存在していたため、瑕疵担保責任に基づいて損害賠償を請求した事案において、汚染された土壌の処理等にかかった費用について損害賠償を認容した事例 |
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839 | H21.3.19 | 東京地裁 |
定期建物賃貸借契約の賃貸人が賃借人に対して、契約期間満了後に建物の明渡し及び約定損害金の支払を求めた事案において、借地借家法38条4項の終了通知を賃貸人が期間満了までに行わなかった場合でも、定期建物賃貸借契約は期間満了によって確定的に終了し、終了通知がされてから6か月が経過した後は契約の終了を賃借人に対抗できるとした事例 |
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840 | H21.3.13 | 東京地裁 |
ワンルームマンションの賃借人が、賃貸借契約上では、建物が鉄筋コンクリート造りとなっているにもかかわらず、実際は鉄骨造りであったため、振動・騒音に悩まされたとして、賃貸人に対して補償請求をした事案において、本件はワンルームマンションであり、構造上の違いは比較的重要性の低い要素に過ぎないとして、補償請求が否認された事例 |
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841 | H21.3.10 | 最高裁 |
動産購入代金の立替金債務の担保として動産の所有権を留保した者は、当該動産が第三者の土地上に存してその土地所有権行使の妨害となった場合、被担保債権の残債務弁済期の経過後は、留保所有権が担保権としての性質を有するからといって撤去義務・損害賠償責任を免れることはないとした事例 |
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842 | H21.3.9 | 東京地裁 |
売買契約解除時には受領済み報酬金を返還するとの特約の下に、被告を仲介者として、不動産を買い受ける契約を締結し、約定報酬金の半額を支払った原告が、その後売買契約の解除に伴い被告には報酬金保持の法律上の原因がなくなったとして、その返還を求めた事案において、本件特約は、原因の如何を問わず、本件売買が解約、解除された場合には、約定報酬金の支払請求権を放棄し、受領済報酬金も返還する旨のものと認められるが、本件売買契約が履行不能となったことについて専ら責任を有する原告が、本件特約の存在を理由に支払済みの報酬金の返還を請求することは、権利濫用として許されないとして棄却した事例 |
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843 | H21.3.6 | 東京地裁 |
不動産業者間で土地建物売買を行い、買主が土壌調査を行ったところ鉛によって汚染されていることが判明し、隠れた瑕疵に該当するとして売主に損害賠償を求めたが、売主から、引渡し後6か月を経過しており、商人である買主は商法526条により瑕疵担保の請求をすることができないとして請求を拒否された事案において、商法526条は不動産取引にも適用され、同条3項は売主の悪意を定めたもので売主に重過失があることを含めていない、また、宅地建物取引業法40条は瑕疵担保責任の特約がない場合には適用されないとして、買主の請求を棄却した事例 |
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844 | H21.3.2 | 東京地裁 |
宅建業者売主から土地区画整理事業の施行区域内にある仮換地指定がされた土地を購入したところ、土地区画整理組合の総会決議に基づく賦課金の納付を余儀なくされたため、売主は売買契約の締結に際して説明義務を怠った等と主張して、債務不履行又は不法行為に基づき、賦課金相当額の損害賠償を求めた事案につき、売主には賦課金について具体的に説明すべき義務があったのにこれを怠った債務不履行があるなどとして、請求が一部認容された事例 |
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845 | H21.2.25 | 東京地裁 |
原告が、被相続人の遺言に基づき不動産を取得したとして、所有権移転登記を経由して不動産を占有している被告に対し、所有権移転登記の抹消手続きと明渡しを求めたが、被告はアルツハイマーを発症していたとして遺言の無効及び本件不動産は被相続人から売買により取得したと主張した事案において、遺言は有効であるが、被告は本件不動産を被相続人の生前に売買により取得したとして、売買契約当時意思能力がなかったとの原告の主張を退けて、被相続人の意思能力が認められた事例 |
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846 | H21.2.20 | 東京地裁 |
売主業者から、媒介業者を介して、中古マンションを購入した買主が、当該マンションには建ぺい率超過の瑕疵が存在し、建替えの際に制限を受けることについての説明義務違反があったとして、売買代金の返還及び損害賠償を求めた事案において、建物建築当時において建築基準法に違反していたものと認めるに足る証拠はなく、また、業者側は、重要事項説明書等を全て読み上げて説明したことから説明義務違反はないとして、買主の請求が棄却された事例 |
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847 | H21.2.19 | 名古屋高裁 |
土地の所有(共有)名義人に対する真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続請求訴訟の確定勝訴判決を得た者が同手続未了の間は、抹消予告登記が残存し、所有名義人は外観上も真の権利者であるとは言えないから、同名義人から根抵当権設定登記を受けた者は、勝訴権利者に対し、外観を信頼した者を保護するための民法94条2項の類推適用を主張できないとされた事例 |
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848 | H21.2.19 | 東京地裁 |
売主が、所有している不動産につき、売主買主間に売買契約が成立したにもかかわらず買主から一方的に本件契約を破棄されたとして、手付金相当額1,500万円等の支払いを求めたところ、買主が本件売買契約の成立を争った事案において、本件では、契約書中に買主が手付金を支払う旨の条項があるにもかかわらず、手付金の交付がなされていないこと、売主による記名押印をした契約書面が買主に交付されていないこと、当事者双方から契約解除の意思表示がなされたとは窺えないことなどの事実などからすると、売買契約が締結されていたとは認められないとして、売主の請求を棄却した事例 |
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849 | H21.2.6 | 東京地裁 |
宅建業者が、宅地として土地を買い受けて転売したところ、地中に井戸が存在することが判明し、経済的損害を被ったとして、瑕疵担保責任に基づき損害賠償を請求した事案において、一般人を基準とした場合はもとより、宅建業者を基準としても予見することは困難であり、井戸の存在は売買契約締結当時隠れた瑕疵に当たるとして、損害賠償請求の一部が認められた事例 |
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850 | H21.2.5 | 東京地裁 |
宅建業者の媒介によって土地建物を購入した買主が、建物に雨漏り等があったとして、売主に対しては瑕疵担保責任に基づく損害賠償を、媒介業者に対しては不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償をそれぞれ請求した事案において、売主及び媒介業者に対する請求が一部認められた事例 |
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851 | H21.1.30 | さいたま地裁 |
家屋の直近の占有者が自殺した競売物件につき、現況調査を担当した執行官が自殺の事実を調査しなかったことに過失があるとはいえないとして、買受人の国家賠償法に基づく損害賠償の請求が認められなかった事例 |
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852 | H21.1.28 | 大阪高裁 |
土地の売買を仲介した宅建業者が購入者に対し、当該土地の開発行為許可申請手続等に関する事務を行うことを内容とする準委任契約を締結したとして、当該委任事務の履行の報酬として1,000万円の支払を請求した事案において、当該準委任契約の成立が否定され、また、成立したとしても高額な報酬は宅建業法46条2項に違反し、無効であるとされた事例 |
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853 | H21.1.28 | 東京地裁 |
料理店を経営する賃借人が、本件貸室は契約当初からネズミが出没し、設備を破損するなどし、飲食店としての使用収益に阻害が生じ損害を被ったとして、賃貸人の同意を得ず、一方的に賃料を減額支払(5ヶ月間合計で82万円余不足)した事案において、賃借人の賃料の一部不払いであり、信頼関係を破壊する事由に当たるとして、賃貸人の建物明渡し請求等が認められた事例 |
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854 | H21.1.28 | 東京地裁 |
リフォームされた中古マンションの一室を購入した買主が、当該マンションには瑕疵があったとして、売主に対し瑕疵担保責任、説明義務違反及び不法行為に基づく損害賠償を請求した事案において、売主が保温材の厚さ不足及び風呂の設置条件を満たしていないことの管理組合からの指摘を説明すべき信義則上の義務を果たしていないこと並びに売主の床材について管理組合の定めた改修マニュアルの要件を充たしているとの説明、チラーユニットに問題がないとの説明及び自動ドアの撤去が容易であるとの説明が虚偽の説明に当たり、不法行為を構成するとして買主の請求が一部認容された事例 |
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855 | H21.1.19 | 最高裁 |
地下1階部分店舗の賃貸借において、賃借人が原因不明の出水によりカラオケ店の営業ができなくなったとして、賃貸人に対し営業利益相当の損害賠償を請求した事案につき、賃借人が損害を回避又は減少させる措置を執ることができたと解される時期以降に被った被害のすべてが民法416条1項にいう通常生ずべき損害に当たるものではないとして、その請求の一部が認められた事例 |
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856 | H21.1.16 | 東京地裁 |
不動産売買を仲介した媒介業者が求めた売主に対する仲介手数料請求について、仲介に係る売買契約が売主・買主間で紛争になり、売主が一定金額を支払う裁判上の和解をした経緯があったとしても、仲介による当該不動産売買契約が一旦成立した以上、また、当該仲介行為に何らかの義務違反もない以上、売主に支払拒絶権はないとして、仲介手数料請求が全部認容された事例 |
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857 | H21.1.15 | 東京地裁 |
土地建物を購入した買主が、売主に対して、契約締結時に示された土地の面積より実際の面積が小さいとして、数量不足、瑕疵担保責任及び債務不履行に基づく損害賠償を請求した事案において、本件売買は数量指示売買であるとはいえない等として買主の請求が棄却された事例 |
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858 | H20.12.26 | 東京地裁 |
私道の境界に争いがあり、位置指定道路の幅員が認定どおり4m確保されるかが不明の状態となっていることは重要な瑕疵であり、物件引渡しまでに当該瑕疵を解消しなかったのは債務不履行であるとして、宅建業者売主に対し買主がなした契約解除及び売買契約に基づく違約金の支払い請求が認容された事例 |
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859 | H20.12.24 | 東京地裁 |
90歳の高齢者が所有不動産に関し著しく不利な条件で締結した売買契約について、契約を締結したことはなく、売却代金も受け取っていない、仮に締結していたとしても、契約当時意思能力を欠いていたから無効であると主張して、所有権移転登記と根抵当権設定登記等の抹消登記手続を求めた事案において、契約の締結については認定の上、売主は契約当時意思能力を欠いていたとして売買契約を無効とし、意思能力を欠いていた売主が買主名義の所有権移転登記の作出に積極的に関与したと評価するのは相当でないとして、民法94条2項の類推適用を否定し、所有権移転登記及び根抵当権設定登記等の抹消登記手続を認めた事例 |
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860 | H20.12.17 | 東京高裁 |
建売住宅にあらかじめLPガス設備等を設置したLPガス供給業者が、建売住宅購入者との間で締結した当該設備等に関する貸与契約に基づき中途解約による補償費の支払いを求めた事案において、補償費全額が消費者契約法9条1項に反し無効とされた事例 |
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861 | H20.12.12 | 大分地裁 |
アパートの建築主が隣接する道路上にごみ集積場所が設置され、大量のごみによる不潔な景観や悪臭等にアパート住民や原告が悩まされているとして、ごみ集積場所にごみを排出している被告らに対し、土地建物の所有権に基づき、一般廃棄物の排出差止めを請求した事案において、請求が棄却された事例 |
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862 | H20.12.11 | 最高裁 |
遺産分割調停調書に、相続人が遺産取得の代償としてその所有する建物を他の相続人に譲渡する旨の条項がある場合において、上記調書を添付してされた上記建物の所有権移転登記申請につき、登記原因証明情報の提供を欠くことを理由に却下した処分が違法とされた事例 |
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863 | H20.11.27 | 東京地裁 |
土地売買の所有権移転手続において、権利証がなかったことから、本人確認情報提供制度に基づき、司法書士が運転免許証により本人確認を行ったが、その免許証の外観、形状の確認が不十分なものであり、偽造運転免許証であることを発見できなかった過失があるとして、不法行為責任が認められた事例 |
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864 | H20.11.25 | 最高裁 |
建築基準法第3章の規定が適用されるに至った際、A点からB点を経てC点に至る幅員4m未満の道のうちA点からB点までの部分にのみ建築物が存した場合において、B点からC点までの部分が同法42条2項にいう現に建築物が立ち並んでいる道に当たらないとされた事例 |
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865 | H20.11.19 | 東京地裁 |
原告が、被告らに対し、購入した土地から環境基準値を超えるヒ素が検出されたと主張して、瑕疵担保責任等に基づく損害賠償を請求した事案において、瑕疵担保責任期間制限条項が有効で期間が経過しているとして、被告は瑕疵担保責任を負わないとしたが、他方で、被告は土地に環境基準値を上回るヒ素が含まれていることを事前に知っていたのであるから、信義則上、土地の汚染浄化義務を負うとして、請求の一部を認容した事例 |
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866 | H20.10.22 | 東京地裁 |
弁護士資格を有しない者らが、所有者から所有権及び賃貸人たる地位を取得したように仮装し、不動産の立ち退き交渉等を業として行った案件について弁護士法違反(非弁行為)に該当するとされた事例。また、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律により、業務委託料等名目で交付された金額より費消された立ち退き料等経費控除後の報酬等が犯罪収益として没収・追徴された事例 |
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867 | H20.10.15 | 東京地裁 |
別荘地を購入した買主が宅建業者売主に対し、売買契約の際に、別荘地隣接地域に産業廃棄物の最終処分場等の建設計画があることの説明を受けなかったことが消費者契約法上の不利益事実の不告知に該当し、不法行為にも該当するとして、売買契約の取消と損害賠償等を請求した事案において、買主の請求が認められた事例 |
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868 | H20.9.30 | 京都地裁 |
賃借人が、賃貸人に対して礼金18万円の返還を求めた事案において、礼金約定が信義則に反して消費者の利益を一方的に害するような事実は認められないから、礼金特約が消費者契約法10条に反し無効であるということはできないとされた事例 |
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869 | H20.9.25 | 東京高裁 |
売買契約の目的物である土地の土壌中にふっ素が含まれていたところ、売買契約当時は、取引観念上もその有害性が認識されていなかったが、その後、その有害性が認識されるに至った場合に瑕疵が認められた事例 |
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870 | H20.9.24 | 東京地裁 |
土地売買において多量の廃棄物による土壌汚染が判明したため、瑕疵担保特約に基づき契約を解除し、売買代金相当の金員の支払いを求めた事案において、地中の廃棄物の存在は目的物の瑕疵とまではいえないものの、廃棄物処理に要する費用の高額化については、土地の実質的価値と売買代金の等価性を損なうものであり、民法570条の隠れたる瑕疵に当たるとして請求の一部を認容した事例 |
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871 | H20.9.24 | 大阪高裁 |
転借人が転貸人(賃借人)に提供した敷金をもって転貸人が賃貸人に敷金を提供した場合において、転借人が、同敷金の返還請求権は自己の信託財産であると主張して、その敷金返還請求権を有することの確認等を求めた事案において、原審では請求が認容されたが、控訴審では敷金の管理又は処分につき受託者の財産関係と何らかの区分がつけられていたわけでもなく関係者も意識していなかったとして否認された事例 |
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872 | H20.8.28 | 大阪地裁 |
遊園複合施設内の飲食店用店舗の賃貸借契約において、同遊園複合施設及び賃貸建物を所有する賃貸人は同遊園複合施設の営業維持・集客努力義務を負い、賃貸人に同義務の不履行があるときは賃貸借契約を締結した目的が達成出来ない状態にあり、賃借人が賃料支払義務は発生しないと主張した事案において、賃料不払いを理由に賃貸人側からの賃貸借契約の解除が認められた事例 |
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873 | H20.7.10 | 東京高裁 |
一棟の建物及びその敷地の所有者が、建物の一室(区分所有建物)及びその所有に付帯する敷地に関する一切の権利を売買契約により譲渡した場合について、当該一棟の建物の敷地全体を対象に、当該区分所有建物の所有に必要な範囲内で、売主の所有に基づく借地権(賃借権)が設定されたものと解した事例 |
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874 | H20.7.9 | 大阪高裁 |
高齢者向けの賃貸住宅で入居者が死亡した際に、合鍵の保管に過失があったことについて、その賃貸借契約に付随する緊急時対応サービス等の利用に関する契約上の債務不履行があったとして、死亡者の相続人の慰謝料請求が認められた事例 |
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875 | H20.7.8 | 東京地裁 |
工場跡地について、買主が売主に使用薬品等を問合せ土壌調査したところ、土壌汚染は確認されず売買契約を行ったが、4年後に地下水から環境基準を超える砒素と地中のPCB含有汚泥、地中埋設物が発見され、買主が売主に瑕疵担保責任に基づく除去費用等の損害賠償と説明義務違反に基づく損害賠償を請求した事案において、環境基準値を超える汚染がある場合には、汚染拡散防止等の措置をとる必要があるから土地の瑕疵に該当するとして調査、対策費用の損害を認め、請求を一部認容した事例 |
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876 | H20.6.25 | 大阪地裁 |
超高層マンションの高層階を購入した住民らが、購入後、分譲業者が近隣に別のマンションを建築した結果、眺望等を害されたとして、債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、住民らの眺望権が認められなかった事例 |
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877 | H20.6.11 | 和歌山地裁 |
港湾の埋立てにより開発された造成地に木造住宅を建築するにあたり、地盤の状況を確認せず、本来杭基礎を用いるべきところに漫然とベタ基礎を採用して不同沈下した事案において、取り壊して建て替えるほかに相当な修理方法がないとして、設計施工業者、その代表取締役及び担当建築士に対し新築代金を大幅に上回る額の損害賠償が認められた事例 |
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878 | H20.6.4 | 東京地裁 |
築後12年の中古木造建物に生じた雨漏りによる腐食及びシロアリによる侵食被害のうちシロアリの侵食が進んだ一部の箇所が隠れた瑕疵に該当するとして、売主に対し建物の減価相当額の損害賠償を命じ、仲介した宅建業者に対する損害賠償請求を否認した事例 |
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879 | H20.5.29 | 東京高裁 |
宅地の買主が、住宅を建築しようとしたところ、暴力団関係者の可能性のある隣人から脅迫的な言辞をもって設計変更を求められたため、そのような住人が隣家に居住していることは隠れた瑕疵に当たるとして、売主に対し、契約解除と損害賠償を求めた事案において、契約の目的を達することができないとはいえないとして、解除は認められないが、隠れた瑕疵に当たることを認め、損害賠償の請求を一部認容した事例 |
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880 | H20.5.29 | 東京地裁 |
宅建業者から購入した建物に瑕疵があったとして当該宅建業者に損害賠償金の支払義務があることを認める裁判上の和解をした買主が、和解上の損害賠償債権について、弁済業務保証金の還付を受けるために必要とされる認証を求めた裁判で、宅地建物取引業保証協会に認証を命ずる判決がなされた事例 |
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881 | H20.5.20 | 大阪地裁 |
居住目的による土地・建物の売買契約において売主を仲介する宅地建物取引業者は、雨漏りによる腐食、シロアリ被害といった建物の物理的瑕疵によって居住目的が実現できない可能性があることを示唆する情報を認識している場合、買主に対し積極的にその旨を告知すべき注意義務があるとされ、これを尽くさなかったことに不法行為責任が認められた事例 |
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882 | H20.4.30 | 京都地裁 |
定額補修分担金特約が消費者契約法第10条に該当し無効であるとして、同特約に基づき支払われた金員の返還請求が認容された事例(控訴審 H20.11.28 大阪高裁 控訴棄却) |
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883 | H20.4.30 | 大阪高裁 |
商業ビルの建物賃貸借契約における賃料増額確認請求について、借地借家法32条1項が規定する経済事情は、賃料を増額する方向に変動していなかったが、賃貸借契約当時に、賃貸人が賃借人の事情を配慮してほかのテナントの賃料よりも低額の賃料とし、賃貸人が3年後に賃料の増額を要請していたことを考慮して、賃料増額請求権を認め、かつ本件増額請求による相当賃料額を裁判所による鑑定の一部を修正した上で算定した事例 |
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884 | H20.4.28 | 東京地裁 |
マンションを購入・転売した不動産業者に、当該物件で飛び降り自殺があったことを告知、説明すべき義務があるとされ、上記義務違反によって転売の購入者が被った損害は、性質上、損害額を立証することが極めて困難であると認められるとして、民事訴訟法248条の趣旨を援用して、慰謝料名目の損害賠償を命じた事例 |
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885 | H20.4.25 | 東京高裁 |
抵当不動産の賃借人が明渡猶予制度の保護を受ける場合に、賃借人との間の使用貸借契約に基づき当該不動産を占有している転使用借人に対して、競売による当該不動産の買受人が引渡命令の申立てを行い、原裁判所で申立てが棄却され、抗告審で差戻しがなされた事例 |
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886 | H20.4.24 | 東京地裁 |
分譲地内の通路部分に隣接した土地について、当該土地の通路としての外観、分譲経緯、場所的環境、分譲地取得者の買受時の認識などを考慮し、分譲者と分譲地取得者との間においては黙示の通行地役権の設定が認められる客観的、合理的な事情があるとした事例 |
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887 | H20.4.23 | 東京地裁 |
昭和4年頃築造された木造3階建て共同住宅に関し、賃貸人が賃借人に対して信頼関係破壊(無断改築など)を理由とする賃貸借解除を請求した事案に関して、信頼関係破壊による解除は否認され、立退料支払いを補完事由として斟酌した上での正当事由による解除・明渡請求が認容された事例 |
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888 | H20.4.14 | 最高裁 |
集落住民の入会権につき、財産管理を目的とする区が明治期に成立した以後は、共有としての性質を喪失し、地役権としての性質を有するものとして存続した後、入会地の使用収益をする者の消滅に伴い、時効により消滅したと認定された事例 |
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889 | H20.4.11 | 最高裁 |
公務員宿舎である集合住宅の1階出入口から各室玄関前までの部分及び門塀等の囲障を設置したその敷地が刑法130条(邸宅侵入罪)の客体に当たり、各室玄関ドアの新聞受けに政治ビラを投函する目的で立入った行為を同条の罪に問うことができ、そのことは憲法21条(表現の自由)に違反しないとされた事例 |
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890 | H20.3.28 | 福岡高裁 |
マンションの一室の購入者が残代金を約定期日に支払わなかったとして、マンション分譲業者が、売買契約の違約金特約に基づき違約金の支払いを求めたところ、当該違約金特約は、消費者契約法は適用されないが、違約金額728万円は本件売主に生じる損害に比して不当に過大であり、信義則に照らして違約金額は400万円と認めるのが相当であるとされた事例 |
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891 | H20.3.25 | 横浜地裁 |
町営廃棄物焼却場及び最終処分場の近隣住民が、施設や運営方法に問題があり、有害物質による健康被害及び生活被害を受けたとして、県に対して法律上の監督、規制権限を行使しないという不作為の違法があったとして慰謝料を求め、また売主不動産業者に対して、汚染により居住用土地としての価値を失ったので隠れた瑕疵があったとして損害賠償を求めた事案において、環境や人体に影響を及ぼすほどの有害物質や受忍限度を超える悪臭、騒音等は認められず、大気を媒介にしてダイオキシン類等が飛来することがあったとしても土地の瑕疵と認めることはできないとして請求を棄却した事例 |
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892 | H20.3.18 | 大阪地裁 |
遊園複合施設の事業主が、同施設内の飲食店用店舗のテナントに対し、同事業の事業見通しが不振であることについて情報提供しなかった行為が、テナントの出退店に関する判断を誤らせたとして、事業主に不法行為に基づく損害賠償が認められた事例 |
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893 | H20.3.14 | 東京地裁 |
共同住宅を建築するための建築確認申請に対し指定確認検査機関が建築確認処分を行ったところ、近隣住民らが、接道義務を満たすための道路と容積率の基準となる道路は同一でなければならないにも拘らず、異なる道路によって判断した建築確認処分は違法であるとして取消を求めた事案において、接道義務を満たす道路と容積率の基準となる道路は同一である必要はないとされた事例 |
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894 | H20.3.14 | 東京地裁 |
買主が残代金を支払わなかったため、売主が土地建物の売買契約を解除し、約定の違約金の支払を求めた事案について、当該契約に定められた履行の催告をしていないが、変更覚書によって支払期日を延期したのであるから、実質的には催告がされたとして、解除が有効であるとされた事例 |
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895 | H20.3.13 | 東京地裁 |
建物賃貸借にあたり、建築基準法上借主の目的とする工場として使用することができないことを告知しなかったため損害を負ったとして、借主が、貸主側仲介業者に対し損害賠償を請求した事案において、貸主側仲介業者は借主の使用目的を知悉していたのであるから、直接の委託関係はなくても不動産仲介業者として業務上の一般的注意義務があるとして、借主の損害賠償請求の一部を認容した事例 |
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896 | H20.2.28 | 東京高裁 |
根抵当権が設定された建物の屋上に、その後建築されたプレハブ式建物に経由された第三者名義の所有権保存登記について、建物の根抵当権者が保存登記の抹消手続請求権を保全するため、プレハブ式建物について処分禁止仮処分命令を申し立てた事案につき、原審で却下され、抗告審で認容された事例 |
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897 | H20.2.27 | 東京地裁 |
建物について賃貸借を行うことの基本的合意に基づき当該建物を占有してきた者が、所有者に対して賃貸借契約の存在を前提として、支払済賃料を除く賃料債務が存在しないこと等の確認を求めた事案において、本件建物の賃料についての具体的な合意はないとして、賃貸借契約の成立を否定した事例 |
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898 | H20.2.21 | 大阪地裁 |
所有地から公道に通じる通路について、市長による一括指定により建築基準法42条2項本文のいわゆる2項道路に該当するとして、本件通路に対する2項道路指定処分の存在確認、及び本件通路が2項道路に該当することの認定を求めた事案で、指定処分存在確認の利益は認められたが2項道路認定は否認された事例 |
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899 | H20.2.21 | 広島地裁 |
市営住宅の管理者が、賃料不払いを理由に賃貸契約を解除のうえ、賃貸借契約上の連帯保証人に対し、約10年分の未払い賃料等の支払いを求めた事案において、その請求は権利の濫用であるとして棄却された事例 |
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900 | H20.1.31 | 東京高裁 |
不動産業者の一審原告が、一審被告に対し、主位的に、事務所の賃貸借契約が成立したにもかかわらず入居しなかったとして、予備的には契約締結準備段階に入ったのに正当な理由なく契約締結を拒絶したとして損害賠償を請求した事案の控訴審において、主位的請求については、賃貸借契約は成立に至っていないとし、また、予備的請求については、契約条件がほぼ確定した時点までに、一審原告が契約締結に強い期待を抱いたのは相当の理由があり、一審被告には、信義則上、その期待を故なく侵害することのないように行動する義務があり、その注意義務違反があったとして、契約締結上の過失を認めたが、原判決には一審原告の主張を超えて損害額を認めた違法があるとして、一審原告の控訴を棄却し、一審被告の控訴を認め原判決の一部を変更した事例 |
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901 | H20.1.31 | 東京地裁 |
温泉リゾート地のマンションの区分所有者らが、南側隣地に新築されたマンションによって眺望が阻害されたとして、分譲業者らに対し、共同不法行為に基づき、精神的損害に対する慰謝料を請求したところ、住民の眺望利益は法的保護に値するが、分譲業者らのマンション建築行為に違法性があるということはできないとし、住民の請求が棄却された事例 |
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902 | H20.1.30 | さいたま地裁 |
土地境界線から1m未満の位置に接して3階建て賃貸マンションを建築した建物所有者に対して、隣地建物所有者が西北側各階窓の全てに目隠し設置を請求するとともに、日照権侵害等が生じたとして損害賠償等を求め提訴し、他方、賃貸マンション所有者も隣地建物所有者に対して隣地所有者の建物も境界線から1m以内にあるとして、住居の東南側全ての窓に目隠しの設置を求めて反訴した事案において、賃貸マンション所有者に対してのみ目隠しの設置を命じた事例 |
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903 | H20.1.30 | 京都地裁 |
家賃4万5,000円、1年契約、更新時に10万円の更新料を支払うとする居住用の建物に関する賃貸借契約について、更新料支払いの約定は、民法90条又は消費者契約法10条に反し無効であると主張し、借主が、既払いの更新料50万円の返還を求めた事案において、当該約定が無効であるとはいえないと判断された事例 |
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904 | H20.1.25 | 東京地裁 |
自宅新築工事に関する設計監理契約を締結した建築主が、設計会社の作成した設計図書及び工事監理に不備があったことにより、建物に重大な瑕疵が発生し、その補修費等の損害を被ったとして、損害賠償を求めた事案において、設計監理者の不法行為責任を一部認容した事例 |
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905 | H19.12.11 | 東京高裁 |
民間分譲マンションの各住戸ドアポストに政治ビラを投函する目的でマンションの共用部分に立ち入った行為が、住居侵入罪に該当するとされた事例 |
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906 | H19.12.10 | 東京簡裁 |
マンションの10階の住戸の床下配水管に亀裂が生じたために、そのマンションの8階および9階の住戸に水漏れ被害が発生した際に、マンション管理組合が床下配水管は専有部分であり共用部分にあたらないとして修繕を行わないため、10階の住戸所有者が修理を行い、同管理組合に費用請求した事案において、当該マンションの管理規約、使用細則の定義から床下配水管は共用部分に該当し、その修繕義務は管理組合が負担するものとされた事例 |
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907 | H19.12.4 | 最高裁 |
借地権の目的となっている土地と隣接する他の土地にまたがって建築されている建物について、借地権設定者が、借地借家法19条3項(同法20条2項により準用する場合を含む。)に基づき、自ら当該建物及び賃借権の譲渡を受ける旨の申立てをすることは許されないものとされた事例 |
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908 | H19.11.29 | 東京地裁 |
定期建物賃貸借としてその所有する建物を賃貸した貸主が、期間満了により建物の明渡しを求めたところ、借主が賃貸借契約の存続を主張した事案について、定期借家契約であり更新のないことの説明はされたと認めるのが相当であり、契約締結時に交付すべきとされる「書面」は契約書と別個独立したものが常に必要とはいえないとして、貸主の請求が認容された事例 |
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909 | H19.11.28 | 東京高裁 |
「建物の区分所有等に関する法律」の昭和58年改正法施行前になされた管理規約違反の増築について、同法施行後も附則第10条にかかわらず、少なくとも管理規約の定めに基づき、管理組合は区分所有者に対してその義務の履行を求める訴訟を提起し得るとされた事例 |
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910 | H19.11.14 | 東京地裁 |
マンションの区分所有者が管理費及び修繕積立金を滞納し続けた行為が建物の区分所有等に関する法律6条1項の共同利益背反行為に当たるとして当該区分所有者の専有部分について同法59条1項に基づく競売請求が認められた事例 |
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911 | H19.11.7 | 京都地裁 |
マンションの建設に反対する周辺住民らが、工事が完了し検査済証が交付されたマンションの建築確認の取消し、建築物の一部除去命令等を求めた事案において、訴えの利益を欠くなどとして請求が却下された事例 |
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912 | H19.10.25 | 東京地裁 |
賃借人が建物所有者から賃借した建物を工場として使用し、その敷地に発生した土壌汚染について、賃借人の工場の使用による汚染であると認め、当該建物所有者の土壌調査費用及び土壌汚染対策工事費用相当額の損害賠償を認容した事例 |
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913 | H19.10.18 | 京都地裁 |
家主から連棟式住宅(長屋建住宅)の賃借人との退去交渉について委託を受けた業者が、その交渉中に隣接住戸の取壊しを行ったことが、賃借人に対する不法行為に当たるとされた事例 |
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914 | H19.10.18 | 大阪地裁 |
市有地の賃借人が、賃借土地を暴力団事務所の敷地として利用した行為等が、貸主との信頼関係を損なう行為に当たるとして、賃貸借契約の解除、建物収去及び土地明渡し等が認められた事例 |
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915 | H19.10.18 | 京都地裁 |
排水路に隣接する土地上に建設された分譲住宅の購入者が、建物にひび割れ、傾き等の損傷が生じたのは、業者が必要な軟弱地盤対策を怠り、市が不適切な排水路工事を行ったためであるとして、業者と市に対し、損害賠償を求めた事案において、業者の地盤改良義務違反の過失と市の適切な工法選択義務違反の過失を認め、業者と市に共同不法行為が成立するとされた事例 |
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916 | H19.10.11 | 東京地裁 |
区分所有建物の店舗部分における午後10時以降の営業を禁止する総会決議が、建物の区分所有等に関する法律所定の手続を経ていないとして無効とされ、店舗部分における午後10時以降の営業が「建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為」に該当しないとされた事例 |
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917 | H19.10.10 | 東京地裁 |
木造・一部鉄筋コンクリート造の住宅用建物を新築した注文者が、入居後シックハウス症候群に罹患したことについて、建築請負業者に安全配慮義務違反等があるとして損害賠償を求めた事案において、建築請負業者に債務不履行や不法行為に当る事実があると認めることはできないとして請求を棄却した事例 |
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918 | H19.10.3 | 東京地裁 |
マンションの上階住戸に住む幼児による騒音が、直下住戸の住民に精神的苦痛を与えたとして、その父親に対する損害賠償請求が認められた事例 |
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919 | H19.10.2 | 京都地裁 |
賃貸借契約の借主となる会社が、日本国籍のない従業員を入居予定者とする賃貸借契約書及び必要書類を提出したが、最終審査の段階において、賃貸人が賃貸借契約の締結を拒絶した事案において、合理的な理由がないにもかかわらず契約の締結を拒んだものであるとして賃貸人の損害賠償責任の一部を認容した事例 |
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920 | H19.9.28 | 東京地裁 |
鉄道高架下の土地を賃貸借していたところ、鉄道高架橋の耐震補強工事を実施する「鉄道事業の遂行上の必要」が生じたことから、賃借人の退去および建物の収去、土地の明け渡しを求めた賃貸人に対し、借地権は適用されないとして請求を認めた事例 |
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921 | H19.9.27 | 大阪高裁 |
敷地に容積率上限に近い建物を建築した後に、その敷地の一部を売却して返済資金を調達する計画を提案した建築会社の担当者に、建築基準法に係わる問題についての説明義務違反があり、建築会社を紹介し、共同提案していた銀行の担当者にも同様の説明義務違反があるとされた事例 |
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922 | H19.9.26 | さいたま地裁 |
パチンコ遊技店を経営する法人が、市農業委員会に行った農地転用許可申請を必要書類の不足を理由に受理されなかったことから、県知事に対し、主位的請求として不受理処分の取消を、予備的請求として申請に対し相当期間内に処分しなかったとして不作為の違法確認を求めた事案において、農業委員会は知事の一機構ではなく、農業委員会から知事に申請書が送付されていないため知事の処分は存しない等として、不受理処分の取消が認められなかった事例 |
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923 | H19.9.21 | 名古屋地裁 |
建築請負契約の目的物に工事途中でも瑕疵がある場合には、注文者は、瑕疵の程度や各契約当事者の交渉態度等に鑑み信義則に反すると認められるときを除き、その瑕疵への対応が適切になされるまでは、履行期が到来した報酬についてもその支払を拒むことができ、これについての履行遅滞の責任を負わないとされた事例 |
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924 | H19.9.19 | 京都地裁 |
既存不適格建物を目的物とした賃貸借契約の賃借人が、賃貸人に対し、民法606条所定の修繕義務として、建築基準法の基準を満たす耐震補強工事を求めた事案において、建築基準法の基準に適合する建物と同等の耐震性能を有していないことは、賃貸借契約締結時に前提とされていたものと認めるのが相当と判断し、賃貸人に補強工事義務があるとは認められなかった事例 |
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925 | H19.9.13 | 東京高裁 |
自動車による通行を前提とする囲繞地通行権が認められた事例 |
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926 | H19.9.11 | 大阪高裁 |
リゾートホテルの共有持分の分譲を受けた共有者が共有持分の譲渡に際し、管理委託契約等に基づく地位と一体で譲渡しなければならず、かつ、事前に分譲会社等の書面による承諾が必要とされている場合に、共有者から持分売却の媒介を受任し、無償でも契約関係を解消したいとの申し出を受けた分譲会社等はこれに誠実に対応すべき信義則上の義務を負うとして、その義務を果たさない間に生じた管理費等の支払いを共有者に請求することは権利の濫用に当たり許されないとされた事例 |
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927 | H19.9.6 | 千葉地裁 |
不動産に対する担保権の実行としての担保競売事件につき、競売対象不動産の所有権の帰属を審理対象として配当異議を訴えた事案において、民事執行法が許容しない訴えであるとして却下された事例 |
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928 | H19.8.29 | 京都地裁 |
敷地の一部に建物が建つ土地について、2回の競売後、競落者から購入した者が、建物名義人に対し、建物の収去、土地の明渡し及び不法占拠期間の賃料相当損害金の支払を求めた事案において、競売の物件明細書に建物の存在が記載されていたことにかかわらず、法定地上権は成立せず、建物解体明渡し及び月額1万5560円の割合による賃料相当損害金の支払を容認した事例 |
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929 | H19.8.29 | さいたま地裁 |
資材置場として利用している土地の所有者に対する土地区画整理組合が行った仮換地処分が、照応の原則や公平原則等に違反するとして、処分の取り消しを求めた事案において、照応の原則には違反しないとされた事例 |
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930 | H19.8.10 | 東京地裁 |
賃貸アパート内において自殺した賃借人の相続人及び連帯保証人に対して、賃貸人が賃貸借契約の債務不履行及び連帯保証契約に基づき損害賠償を請求した事案において、自殺は借主の善管注意義務違反にあたるとして当該貸室に関する損害賠償を一部認めたが、賃室以外の部屋の逸失利益については否定した事例 |
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931 | H19.8.7 | 東京簡裁 |
マンションの管理組合が未払いの管理費等を求めて提訴したところ、その組合員が町内会費を管理組合費として請求することはできないと主張した事案において、町内会費相当額を管理組合費に含めて徴収することを規約等で定めても、拘束力はないとされた事例 |
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932 | H19.7.30 | 広島地裁 |
駅ビルの運営会社がテナントに対し、店舗の賃料の増額と、完全売上歩合賃料制から併用型賃料制への変更を求めた事案において、特段の事情のない限り、賃貸人の一方的な意思表示により完全売上歩合賃料制から併用型賃料制への変更を請求することはできないとした事例 |
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933 | H19.7.25 | 東京地裁 |
宅建業者が、営業保証金として国債を供託していたところ、東京都知事から、当該国債の時効消滅により営業保証金が不足したとの通知があったため、主位的には、供託は消滅時効の進行を妨げるので時効消滅していないと主張し、予備的に、知事は営業保証金として供託された有価証券の時効管理義務を負うべきと主張したが、いずれも認められなかった事例 |
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934 | H19.7.25 | 東京地裁 |
更新が予定されていたビル管理契約について管理会社が契約更新を拒絶したことにつき、建物所有者が独占禁止法違反等を理由とする不法行為及び債務不履行による損害賠償を請求した事案において、建物所有者の主張には理由がないとしてその請求を棄却した事例 |
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935 | H19.7.24 | 福岡高裁 |
賃貸人が賃借人のために店舗用建物を建築して賃貸する、いわゆる建て貸し契約において、賃借人が建物の瑕疵を理由に中途解約した場合に、賃貸人が蒙る損害について、賃借人に違約金支払いを認めた事例 |
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936 | H19.7.23 | 東京地裁 |
購入した土地について調査をしたところ、地中に建築廃材等大量の廃棄物が埋設されていることが判明したため、売主に対し土地の瑕疵として瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求し、容認された事例 |
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937 | H19.7.18 | さいたま地裁 |
不動産売買に基づく所有権移転登記手続について、売主より嘱託を受けた司法書士に、売主の所有権移転登記意思の確認を怠った過失がある場合に、買主に対し不法行為に基づく損害賠償責任があるとされた事例 |
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938 | H19.7.6 | 最高裁 |
土地を目的とする先順位の甲抵当権と後順位の乙抵当権が設定された後、甲抵当権が設定契約の解除により消滅し、その後、乙抵当権の実行により土地と地上建物の所有者を異にするに至った場合において、当該土地と建物が、甲抵当権の設定時には同一の所有者に属していなかったとしても、乙抵当権の設定時に同一の所有者に属していたときは、法定地上権が成立するとされた事例 |
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939 | H19.7.6 | 最高裁 |
建物所有者が、当該建物の設計者、施工者及び工事監理者に対して、ひび割れ等の瑕疵があるとして、不法行為に基づく損害賠償を請求した事案において、設計者らは建物としての基本的な安全性が欠けることがないように配慮すべき注意義務を負い、これを怠ったために瑕疵があり、それにより居住者等の生命、身体又は財産を侵害した場合には、その損害について賠償責任を負うとされた事例 |
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940 | H19.7.4 | 名古屋高裁 |
売主に対する債権者が、執行力のある債務名義を取得して、第三債務者である買主に対する売買代金債権について差押命令を得たうえで、同命令に基づく取立てとして、買主に対して代金債権の残金の支払いを求めた事案について、原審において、買主が差押え時点に有していた残代金の範囲で請求が認容され、買主が控訴したが棄却された事例 |
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941 | H19.6.18 | 東京地裁 |
マンションの隣接地に建設されたビルの各階にサービスバルコニーが設置されたため、マンション住民が目隠し設置を請求した事案において、当該サービスバルコニーが民法235条1項所定の縁側に該当するとして、目隠し設置が一部認容された事例 |
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942 | H19.6.15 | 東京地裁 |
中間省略登記申請について、申請情報と登記原因証明情報の不一致を理由として申請を却下した登記官の処分が適用とされた事例 |
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943 | H19.6.5 | 東京地裁 |
借主が、仲介業者の取引主任者から貸主の資力信用に関する誤った説明又は不適切な説明を受けたために、建物について根抵当権の実行を受ける可能性があった貸主と建物賃貸借契約を締結し、その後貸主の破綻により預託した手付金等が回収できないなどの損害を負ったとして、取引主任者に対して不法行為責任を、仲介業者に対して使用者責任に基づき損害賠償を請求した事案において、取引主任者に重要事項の説明義務違反はなく、また、貸主と担保権利者らとの交渉状況について調査・説明する義務があるとはいえないとして、借主の請求を棄却した事例 |
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944 | H19.5.24 | 東京地裁 |
新築した建物の賃貸借に関する専属専任媒介契約を締結した宅建業者が、建物賃貸人に対し、媒介による約定報酬金の支払を求めるとともに、建物賃貸人が契約に反して他の宅建業者に媒介させた債務不履行による損害賠償を請求した事案において、媒介契約が民法の準委任契約に当たることから、委任者である建物賃貸人は同法651条1項に基づいて特段の理由を要することなく媒介契約を解除することができるとして、解除の意思表示前の報酬金請求については認容し、解除後媒介業者以外の宅建業者に媒介させたことに基づく損害賠償請求は棄却した事例 |
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945 | H19.4.27 | 東京地裁 |
自宅兼賃貸住宅の建築を請負った建設会社が、建築主の代理人として隣地所有者との間で、窓に目隠しを設置し、電波障害に対応したテレビ配線を接続する等の合意をしたにもかかわらず、建築主が建設会社の代理権を否定してこれらを履行しない事案において、目隠し等の設置及び慰謝料100万円の支払を容認した事例 |
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946 | H19.4.26 | 東京地裁 |
相続等による共有物について、単独所有後は第三者に売却することを希望する共有者と、その土地に建物を建てて居住することを希望する共有者の間で、それぞれが全面的価格賠償の方法による分割を求めた事案において、全面的価格賠償の方法により共有物を分割することを認めた上で、第三者に売却し換金することを希望する共有者よりも、先代の遺産でありその土地を残したいとする共有者の単独所有とすることを優先させるのが相当と判断した事例 |
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947 | H19.4.26 | 福岡地裁 |
借主要望に従って建物を増改築し契約期間9年の賃貸借契約(建て貸し)を締結したが、借主が中途解約したため損害を被ったのは、依頼した仲介業者が賃貸借契約に中途解約を制限する条項を盛り込まなかったためであるとして、貸主が仲介業者に対し損害賠償を請求した事案において、貸主はその契約内容を認識して締結したと認められるものの、建て貸しという賃貸案件においては、仲介業者には信義則上特別な説明義務が要求されるとしてその請求の一部を容認した事例 |
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948 | H19.4.26 | 東京高裁 |
競売物件の情報提供を業とする事業者が、その会員となって競売物件を買い受けた者との間で、競売物件の占有者の退去、共有物分割訴訟の準備等に関して締結した請負契約が弁護士法第72条に違反し、民法第90条により無効とされた事例 |
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949 | H19.4.20 | 京都地裁 |
賃貸借契約に敷金の一部を返還しない旨のいわゆる敷引特約が付されており、敷金の85%余りを返還されなかった借主から、敷引特約が消費者契約法10条により全部無効であるとして、賃貸人に対し、敷引金の返還を求めた事案において、敷引特約は消費者契約法10条により無効とされた事例 |
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950 | H19.4.13 | 大阪高裁 |
住宅供給公社が、マンションの売れ残り住戸を、約4年後に、値下げして再販売した事案において、当該再販売価格は当時の市場価格の下限を10%以上も下回る著しく適正を欠くものであり、その行為には過失があるとし、既購入者の精神的苦痛に対する慰謝料の支払いが命じられた事例 |
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951 | H19.3.30 | 横浜地裁 |
一部売上高にスライドする賃料方式を採用する百貨店の店舗用建物の賃貸借契約において借地借家法32条1項の適用の可否が争われた事案において、同法の適用を肯定し賃料減額請求を認容した事例 |
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952 | H19.3.30 | 名古屋簡裁 |
土地の賃貸借契約において、貸主が借主に賃料の値上げを求めたところ、借主が値上げ幅が多すぎるとして適正賃料を争った事案において、当事者間の賃貸借契約の経緯や個別事情等を総合的に斟酌して、鑑定結果よりも値上げ幅を緩和した事例 |
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953 | H19.3.30 | 大阪地裁 |
居住用建物賃貸借において、賃貸人の代表者が貸室のクーラーを修理するために賃借人に無断立入りしたことについて、賃借人が賃貸借契約を解除するとともに無断立入りが債務不履行ないし不法行為に当たるとして慰謝料等を請求し、併せて保証金40万に対し敷引金25万円は消費者契約法10条により無効であるとしてその返還を求めた事案において、賃借人による契約解除は否定され、慰謝料請求の一部及び敷金返還請求の一部が認められた事例 |
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954 | H19.3.30 | 名古屋地裁 |
建築工事の請負業者が、基礎工事のやり直しを拒否したことから、請負契約の解除に至ったため、施主が、請負業者に対して、原状回復と損害賠償を求めた事案において、建築工事請負契約の仕事完成義務の履行不能に基づき同契約を解除することができると解するのが相当と判断し、原状回復請求および損害賠償請求の一部が認容された事例 |
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955 | H19.3.27 | 福岡高裁 |
土地を競売により取得した者が、土地上に建物を所有して同土地を占有している者に対し、建物収去及び土地明渡し並びに賃料相当損害金の支払いを求めた事案において、法定地上権が認められる場合ではなく、また、土地共有者らが法定地上権を予め容認していたとは認められないとされた事例 |
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956 | H19.3.26 | 東京地裁 |
宅建業者らの媒介によって土地を購入したところ、地中障害物が発見されたことに関し、説明義務違反等に基づき地中障害物の撤去費用等の損害賠償を求めた事案において、業者らの注意義務違反があるとはいえないなどとして、買主の請求を棄却した事例 |
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957 | H19.3.20 | 福岡高裁 |
賃借人の妻がアパート2階の窓から転落して死亡したのは、窓に手すり等が設置されていなかったことに原因があるとして、賃貸人に対し債務不履行責任ないし土地工作物責任に基づき損害賠償を求めた事案において、窓の設置・保存に瑕疵はあるとし賃貸人の責任を認めたが、アパートが建築されてから約30年間同様の事故がなかったことから賃借人側にも相当の過失があったとして過失相殺を90%とした事例 |
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958 | H19.3.7 | 岐阜地裁 |
農地転用届出受理処分は、農地所有者に無断でなされた届出に基づいて行われたもので違法であるとして、その取消しを求めた事案において、農地所有者の意思に基づかないでなされた無効な届出であり、これを受けてなされた受理処分は違法であると判断し、農地転用届出を受理した処分の取消し請求が認容された事例 |
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959 | H19.2.22 | 東京地裁 |
建築基準法42条2項道路(いわゆる「みなし道路」)の所有者が、近隣土地所有者等が自己所有の私道の通行権を有しないことの確認(通行権不存在確認)及び通行の禁止を求めた事案において、通行禁止を求めることは、特段の事情のない限り、権利の濫用であって許されないとして棄却した事例 |
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960 | H19.2.15 | 大阪地裁 |
開発許可等の処分を行った市に対し、対象開発区域の周辺居住者らが、開発行為が都市計画法に反すると主張して、違反是正命令を出すことを求めた行政事件訴訟が、周辺居住者らに重大な損害が生ずるおそれがあるとはいえないとして却下された事例 |
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961 | H19.2.14 | 東京高裁 |
学生アパート所有者を構成員とする企業組合の賃貸の募集勧誘行為は、宅建業法の無免許営業に当たり、また、同企業組合と提携して媒介者として賃貸借契約の締結等を行った宅建業者の行為が、宅建業法の名義貸し行為に当たるとされた事例 |
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962 | H19.2.13 | 東京地裁 |
建築基準法42条2項道路である私道を利用する土地建物の所有者が、私道所有者の鉄柱等の設置は嫌がらせであり、人格上の権利を侵害するものであるとして鉄柱等の撤去を求めた事案において、本件鉄柱等により平穏な生活を送るという人格的な法益を違法に侵害されているということができるとして、鉄柱等の撤去を認容した事例 |
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963 | H19.2.9 | さいたま地裁 |
(1) 数筆の水田の盛土工事に起因する隣地建物の不同沈下について、盛土工事の発注者である各水田所有者らの共同不法行為責任が認められた事例。 |
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964 | H19.2.1 | 福岡高裁 |
テナン卜ビルの転借人が風俗関係者等の性病検査のために借室を使用したことが重大かつ悪質な用法違反にあたるとして、貸主による賃貸借契約の無催告解除が認められた事例 |
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965 | H19.1.25 | 東京地裁 |
土地及び建物の売買契約を仲介した宅建業者に対して浸水に関する説明義務違反等の債務不履行があるとして買主が損害賠償を請求をした事案において、宅建業法35条に列挙された事項に該当しないから説明義務違反はないとされた事例 |
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966 | H19.1.25 | 福岡高裁 |
共用通路のみを使用して公道への出入りを行っている共有者の一方が、他の経路でも公道への出入りを行っている共有者の他方に対し、通路に関する共有物の分割を求めた事案において、一審で請求が認容され二審で否認された事例 |
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967 | H19.1.24 | 東京地裁 |
マンションの建替えに関して、敷地の特定がされておらず、また第三者との共同関係が不明な状態でなされた建替え決議の有効性が争われた事案において、敷地の特定は「再建建物の概要」に該当し、また第三者との権利関係が生じることが見込まれるにもかかわらず権利関係が不明であることは「再建建物の区分所有権の帰属に関する事項」に該当することから、区分所有法の要件をみたさない重大な瑕疵として、決議が無効とされた事例 |
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968 | H18.12.21 | 最高裁 |
質権者の優先弁済権が害されたとして、損害賠償等を求めた事案において、破産管財人が、破産宣告後の未払い賃料債務と質権が設定された敷金返還請求債権を相殺したことが破産管財人の担保価値保全義務に反するとした上で、破産管財人の善管注意義務違反を否定し、破産管財人に対する不当利得返還請求が認められた事例 |
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969 | H18.12.19 | 大阪高裁 |
売買された土地上に存在し、売買時点では取り壊されていた建物内で過去に殺人事件があったことが、売買の目的物である土地の「隠れた瑕疵」に当たるとして、売主の瑕疵担保責任が認められた事例 |
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970 | H18.12.8 | 東京地裁 |
隅田川の花火を観望できるマンションを購入した者が、入居から一年経たないうちに同じ分譲業者が近隣に花火の観望を妨げる別のマンション建設に着工し、それによって花火の眺望が失われたことに対し、分譲業者に慰謝料等の支払いを求めた事案において、分譲業者は、信義則上の義務に違反しているとして、損害賠償を一部容認した事例 |
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971 | H18.11.30 | 東京高裁 |
賃貸借契約当初の当事者間の特殊事情により賃料が著しく低額に設定されていた建物賃貸借契約につき、賃貸人が借地借家法32条の賃料増額請求権を行使した場合において、増額請求権行使時点の適正な新規実質賃料額と従前の約定賃料額の中庸値をもって同条の相当賃料額とされた事例 |
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972 | H18.11.28 | 東京高裁 |
土地賃借人が、同じく隣接地を賃借している賃借人に対し、賃借権の確認と建物の一部収去・土地明渡しを求めた事案において、係争地の一部についての時効取得を認容した事例 |
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973 | H18.11.14 | 最高裁 |
代位弁済をした保証人が、原債権及びその担保権を代位行使し、担保不動産の差押債権者の地位承継を執行裁判所に申し出た場合には、承継申出の主債務者への通知がなくても、求償権の消滅時効が不動産競売手続完了までの間中断するとされた事例 |
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974 | H18.11.8 | 京都地裁 |
住宅賃貸借契約における敷引特約が消費者契約法第10条に照らし無効とならないためには、敷引の目的、敷引金の性質、敷引率が合理的であり、かつ賃借人がこれを十分に理解・認識した上で敷引特約を合意したことが必要であるが、それにはあたらないとされた事例 |
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975 | H18.10.26 | 大阪高裁 |
債務者が、その所有する土地建物の持分を実妹に売却した契約が、詐害行為に当たるとして、債権者が、契約の取消しと売買対象不動産の持分移転登記の抹消登記手続きを求めた事案において、詐害行為の成立を否認した原審判決を取消し、債権者の詐害行為取消を認容した事例 |
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976 | H18.10.23 | 高松高裁 |
複数の不動産の明渡執行において、引渡義務を負う者が不動産ごとに異なり、かつ、一部の不動産について引渡義務を負う者が複数いる場合における執行費用額の算定方法について、債務者の範囲に関する一般的基準を示した上で、執行費用該当性及び債務者間の負担割合について個別具体的に判断した事例 |
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977 | H18.10.20 | 最高裁 |
譲渡担保権者の債権者が、被担保債権の弁済期経過後に、目的不動産の競売手続開始決定を得て、差押登記を経由した後は、譲渡担保設定者は受戻権行使による目的不動産の所有権回復を債権者に対抗できないとされた事例 |
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978 | H18.9.26 | 東京地裁 |
温泉浴場にあるエレベーターの扉に、入浴客が挟まれて負傷した事故について、浴場経営会社の土地工作物責任が否定され、所有者の土地工作物責任が肯定された事例 |
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979 | H18.9.15 | 名古屋地裁 |
建物の設計及び施工を請け負った者が、請負契約に付随する債務の履行を怠ったことが注文者に対する信頼関係を破壊するとして請負契約の解除が認められた事例 |
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980 | H18.9.14 | 最高裁 |
賃借人から建物明渡しに関する交渉の依頼を受けた弁護士が、賃貸人から受け取った造作買取代金、追加金を依頼者に報告しなかったことが弁護士法所定の「品位を失うべき非行」に該当するとされた事例 |
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981 | H18.9.12 | 甲府地裁 |
賃貸借契約締結前に交わされた覚書の条項を根拠に、賃料の増額請求をした賃貸人に対し、賃借人が、賃貸借契約に基づき賃料減額を求めた事案において、賃貸借契約の内容とは異なる覚書の効力を認めず、賃借人の請求が一部認容された事例 |
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982 | H18.9.11 | 東京高裁 |
競売による不動産の買受人が、土地建物の占有者に対して明渡しを求めたが応じないことから不動産引渡命令の申立を行い、一審裁判所は申立を認容し、引渡し命令を発令したが、占有者が引渡命令を不服として執行抗告した事案において、当該占有者は事件の記録上、不動産引渡命令を発令する対象とはならないとして申立を却下した事例 |
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983 | H18.9.5 | 東京地裁 |
売主に土壌汚染の認識がなくとも、土壌汚染を発生せしめる蓋然性のある方法で土地の利用をしていた場合には、売主は、買主に対し、土壌汚染の調査を行うべきかについて適切な判断ができるよう土地の来歴や従前からの使用方法について説明すべき信義則上の付随義務があるとし、その義務違反による損害賠償責任があるとされた事例 |
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984 | H18.9.5 | 福岡高裁 |
建築業者が占有している土地は、神社の土地として購入した自分の土地の一部であるとし明け渡しを求めたところ、時効取得等を理由に拒否された事案において、第三者との和解により本件係争地の一部を購入しているので背信的悪意者ではないと判断された事例 |
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985 | H18.9.4 | 最高裁 |
建設大臣が都市計画公園とする決定に、隣接する国有地でなく民有地を区域に定めた行為が裁量権の範囲を逸脱・濫用に当たらないとした判断に違法性があるとされ差し戻された事例 |
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986 | H18.8.31 | 東京地裁 |
マンション管理組合の管理者からの、区分所有者がバルコニーに敷設した大理石の撤去等の原状回復請求等については認容されたが、外壁部分のクーラー室外機の設置等についての原状回復請求は信義則に反するとして棄却された事例 |
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987 | H18.8.31 | 東京地裁 |
事務所ビルのサブリースにおいて、賃料が転借料に連動して定める旨の特約がある場合、一定期間の転借料を0円とするフリーレント期間中も、同期間経過後と同額の賃料支払義務を負担すべきとして、賃借人に対し、未払賃料の支払いを求めた事案において、賃料の実質的値下げの程度、平準化された転借料と当該地区の平均月額賃料との差額等に照らし、賃貸人に著しい不利益が生じないものというべきとして、請求が棄却された事例 |
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988 | H18.8.30 | 東京高裁 |
マンション火災時の防火扉の不作動による損害拡大に関し、防火扉の性能瑕疵、売主及び販売代理業者が防火扉の操作方法等を買主に説明する義務違反及び不作動と被害拡大との因果関係が認められた事例 |
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989 | H18.8.29 | 大阪高裁 |
不動産の贈与を受けた者は、その旨の所有権移転登記を経なければ、包括遺贈により当該不動産を取得した者に対して所有権取得を対抗できないとされた事例 |
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990 | H18.7.19 | 東京高裁 |
抵当証券交付申請書に添付することを目的とするゴルフ場の鑑定評価につき、ゴルフ場に収益還元法を適用する上で実務的な困難が指摘されていたこと、収益還元法自体が実務に定着していなかったことを認定して、原価法のみによる鑑定評価を行ったことに違法性がないとされた事例 |
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991 | H18.7.18 | 東京地裁 |
地主が、借地上の建物の遺贈に伴う借地権の譲渡について承諾をしていないとして、建物の収去と土地の明渡しを求めた事案において、譲渡についての黙示の承諾ないし背信行為と認めるに足りない特段の事情はないとした上で、借地権の譲受人は、譲受け後に、建物の押入、土間、サッシ等を変更工事しており、これを原状に回復していないし、また、工事による増加価格の放棄もしていないから、建物買取請求権は認められないとされた事例 |
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992 | H18.7.7 | 東京地裁 |
賃貸借契約締結の合意がされたが、賃借人の一方的な事由により契約の締結に至らなかったことから、賃貸人が損害賠償を求めた事案において、契約締結意思を翻意した賃借人に契約締結上の過失が認められた事例 |
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993 | H18.6.28 | 千葉地裁 |
共有物を分割する際に全面的価格賠償方式を採用するには現物分割が不可能なことは必ずしも必要なく、裁判所は、もろもろの要素を総合的に考慮して現物分割方式と全面的価格賠償方式のいずれを採用するかを裁量的に決定することができるとされた事例 |
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994 | H18.6.27 | 東京地裁 |
マンションの区分所有者が、管理費等を長期かつ多額に滞納し、管理組合が、滞納者の銀行預金の差押え等の措置を講じても回収ができなかったため、建物区分所有法59条に基づき、滞納者の区分所有建物等に対し競売を請求した事案において、請求が棄却された事例 |
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995 | H18.6.14 | 東京高裁 |
宅建業者が買主のために土地を一旦買取り、当該買取った土地をいわゆる建築条件付土地として買主に転売することを内容とした「新築希望土地買取依頼契約」について、買主の契約の撤回に対する宅建業者の損害賠償請求が争われた事案において、当該「新築希望土地買取依頼契約」は請負契約であり、売買契約とはいえないから宅地建物取引業法の適用はないとされた事例 |
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996 | H18.6.12 | 最高裁 |
建築後に土地の一部を売却すると容積率制限を越える違法建築物となり、また当該土地購入者も敷地の二重使用となって建築確認取得に支障が出る敷地について、その一部を売却することがもともと困難である点を説明しなかった建築会社及び銀行が「説明義務」違反を理由に不法行為または債務不履行に基づく損害賠償を請求された事案において、建築会社には説明義務違反があるとされ、銀行にも説明すべき信義則上の義務を肯認する余地があるとされた事例 |
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997 | H18.6.9 | 東京地裁 |
ビル店舗の賃借人が共用部分と公道上に無断で設置した看板・メニュー板について、賃貸借契約中の他の入居者の営業に支障を及ぼす広告・装飾等を禁止する特約に違反するとして争われた事案において、当該看板等の撤去及び設置禁止請求が認められた事例 |
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998 | H18.5.30 | 東京地裁 |
マンションの1室の賃貸借契約において「賃借人が賃料を滞納した場合、賃貸人は、賃借人の承諾を得ずに建物に立ち入り、適当な処置をとることができる」旨の特約は、公序良俗に反して無効であるとして争われた事案において、賃貸人から委任を受けたマンションの管理会社が賃料を滞納した賃借人の部屋に立入る等したことが不法行為にあたるとされた事例 |
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999 | H18.5.30 | 大阪地裁 |
資産の流動化に関する法律に基づく特定目的会社(SPC)に対し、売主が不動産を売却したのに同社の資金調達ができず契約解除になった事案において、売主が同社の取締役の任務懈怠を主張したが、これを否定した事例 |
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1000 | H18.5.30 | 東京地裁 |
マンションの管理会社に無断で部屋に立入られたとして、賃借人が損害賠償を求めた事案において、本件立入り等は、通常の権利行使の範囲を超えて、賃料の支払や退去を強制することが許される特別な事情があるとはいえないとして、賃借人の請求が認容された事例 |
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1001 | H18.5.23 | 大阪高裁 |
事業用建物賃貸借契約の終了による敷金精算において、約定された原状回復特約が「通常損耗も含めて賃借人が原状回復義務を負う」旨の特約として締結されたか否かについて争われた事案において、当該特約条項は、その文言に照らし、通常損耗分についてまで賃借人に原状回復義務を認める特約を定めたものとは解することができないとされた事例 |
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1002 | H18.5.15 | 東京地裁 |
株式会社である賃借人の商号、役員、本店所在地が変更され、全株式が譲渡されたことが、賃借権の無断譲渡に当たるとして、賃貸人が賃貸借契約の解除及び建物の明渡等を求めた事案において、当該行為は脱法的無断賃借権の譲渡に該当しないとしてその請求が棄却された事例 |
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1003 | H18.4.18 | 東京高裁 |
傾斜地を利用したいわゆる「地下室マンション」に対してした建築確認処分の取消しを請求した事案において、一審は取消を認めたが、二審は「建物は完成済であり建築確認の取消しの訴えの利益は失われる」として請求を棄却した事例 |
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1004 | H18.4.13 | 東京高裁 |
建売住宅にあらかじめLPガス消費設備等を設置したプロパンガス販売事業者と建物購入者との間で締結された当該設備等に関する合意の有効性が争われた事案について、当該設備等が建物に付合するか否かにかかわらず、この合意は有効に成立しており、単に売買契約という法形式を採用していることからその契約の成立又は有効性が否定されることはないとされた事例 |
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1005 | H18.3.30 | 東京地裁 |
管理組合が、専有部分を無認可託児所として使用している経営者等に対して、専有部分を住居の目的以外に使用することはできないとする管理組合規約に反し、当該使用は区分所有者の共同の利益に反するとして、区分所有法57条1項に基づき、託児所としての使用の差止を求めた事案において、本件託児所の経営は、区分所有法6条1項に規定する「区分所有者の共同の利益に反する行為」であるとして使用禁止請求を認容した事例 |
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1006 | H18.3.30 | 最高裁 |
東京都国立市所在の通称「大学通り」に面した分譲マンションの建築販売について、本件建物の近隣地域に学校を設置し、居住し、通学し、又は大学通りの景観等に関心を有する原告ら50名が、本件建物のうち、高さ20mを超える部分の撤去と、不法行為に基づく損害賠償をマンション分譲業者に求めた事案において、上告審においていずれも棄却された事例 |
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1007 | H18.3.24 | 東京地裁 |
いわゆる「不動産変換ローン方式」の一環として締結された百貨店の店舗用建物の貸借に係る契約が賃貸借契約であるとして賃料の減額を求めた事案において、当該契約について借地借家法32条1項の適用が肯定され適正賃料が示された事例 |
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1008 | H18.3.23 | 最高裁 |
建築基準法42条2項道路(いわゆる「みなし道路」)の所有者がブロック塀を設けるなどして他の土地所有者の通行を妨害したことから、後者がブロック塀等の撤去を求めた訴訟において、道路所有者がみなし道路であることを前提に建物を所有してきた場合に、周辺土地所有者らに対してみなし道路であることを否定する趣旨の主張をすることは、信義則上許されないとされた事例 |
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1009 | H18.3.16 | 最高裁 |
自動車による通行を前提とした囲繞地通行権を有することの確認を求めた事案において、一審は囲繞地通行権を否認し、控訴審も原告=控訴人の主張する通行権を失当としたが、控訴審の判断には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして破棄差戻しされた事例 |
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1010 | H18.3.9 | 福岡高裁 |
新築マンションの外壁等のタイルに瑕疵があり全面補修工事が行われたが、補修後もマンションの経済価値が下落したとして、売主に対し損害賠償を求めた事案において、経済価値の低下分は補修工事によっても払拭しがたいとして、損害賠償請求を認めた事例 |
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1011 | H18.2.27 | 東京地裁 |
納豆製造販売会社が、原子力発電関連施設の臨界事故により、実際の商品に汚染等はなかったが、新聞報道等による風評被害により、売上が減少する損害が生じたとして損害賠償を請求した事案において、事故と原告の営業損害との間に一定限度で因果関係が認められるとして、その請求を一部認容した事例 |
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1012 | H18.2.24 | 名古屋地裁 |
不動産を競落取得し第三者へ売却した者が、当該不動産の不当な仮差押えによって売買契約を履行できず契約を解除され損害を被ったと主張し、仮差押債権者に対して損害賠償を請求した事案において、仮差押債務者の主張する売買契約が通謀虚偽表示で無効であり損害が発生していないとして請求が棄却された事例 |
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1013 | H18.2.23 | 最高裁 |
不実の所有権移転登記がされたことにつき、所有者が当該移転登記の抹消を請求した事案において、不動産の権利証を預け、売買の意思がないのに売買契約書に署名押印するなど所有者にも重い帰責性があるとして、民法94条2項、110条を類推適用すべきものとされた事例 |
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1014 | H18.2.21 | 最高裁 |
道路を一般交通の用に供するために管理している地方公共団体は、その管理の内容、態様によれば、道路がその事実的支配に属するものというべき客観的関係にあると認められる場合には、道路を構成する敷地について占有権を有するとした事例 |
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1015 | H18.2.7 | 最高裁 |
貸金債権を有する原告会社が、被告会社との間で、被告会社の所有する土地建物について買戻特約付売買契約を締結し、その買戻期間が経過したとして、被告会社に対し、所有権に基づく建物明渡しを求める事案において、目的不動産の占有の移転が伴わない買戻特約付売買契約は、特段の事情のない限り、譲渡担保の目的で締結されたものと推認され、その性質は譲渡担保契約と解するのが相当であるとされた事例 |
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1016 | H18.2.2 | 福岡地裁 |
マンションの売買につき、眺望に関する説明が事実と異なるとして売買契約の解除を求めた事案において、売主業者の説明義務違反を理由に売買契約の解除が認められた事例 |
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1017 | H18.2.1 | 横浜地裁 |
買主から依頼を受けた宅建業者が買主との間で、文書によらない土地建物の媒介契約を締結したところ、買主が媒介手数料を免れる目的で売主側の媒介業者と一般媒介契約を締結し、本件物件を買い受けた事案において、買主には媒介手数料請求が、売主側の媒介業者には手数料相当の損害賠償請求が認められた事例 |
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1018 | H18.1.27 | 甲府地裁 |
建物建築工事の下請人が、みずから材料を提供して建築した建物について、その所有権を主張し、注文者等に対して所有権確認等の訴えを提起した事案について、注文者はすでに請負代金全額を元請人に支払っており、建物の所有権は注文者に帰属するとして請求が棄却された事例 |
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1019 | H18.1.26 | 東京地裁 |
建物所有を目的とする共有土地の使用貸借権の確認と、それが認められることを前提に新建物建築の妨害禁止を求めた事案において、建物所有を目的とする共有土地の使用貸借は、管理行為ではなく、処分行為であり、共有者全員の同意なき限り、無効であるとされた事例 |
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1020 | H18.1.20 | 東京地裁 |
中古建物の売買において、買主が建物に白ありの侵食被害があるとして、売主業者、代理業者、媒介業者に対して損害賠償を求めた事案において、売主業者の瑕疵担保責任は認めたが、代理業者、媒介業者の不法行為、債務不履行は否定した事例 |
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1021 | H18.1.19 | 最高裁 |
登記に表示された所在地番及び床面積が実際と異なる建物が、借地借家法10条1項にいう「登記された建物」に当たるかどうか争われた事案において、所在地番の相違が職権による表示の登記に際し登記官の過誤により生じたものであること、床面積の相違は建物の同一性を否定するようなものではないなどから、上記建物は、「登記された建物」に当たるとされた事例 |
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1022 | H18.1.17 | 最高裁 |
通路部分の時効取得の成否が争われた事案について、不動産の取得時効完成後に当該不動産の譲渡を受けて所有権移転登記を了した者が背信的悪意者に当たるためには、時効取得者が多年にわたり当該不動産を占有している事実を認識することが必要であるとされた事例 |
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1023 | H17.12.28 | 東京地裁 |
設計・監理契約を締結した建築設計事務所に、建築士の有資格者が存在せず、建築士事務所としての登録が欠けていたため、建築設計事務所に対して不法行為に基づく損害賠償を請求した事案において、資格を有する者の監理を受ける機会を逸したことによる精神的損害についての損害賠償請求が認容された事例 |
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1024 | H17.12.27 | 東京地裁 |
外国国家が大使館用の土地建物を取得すること及びその購入資金の融資の仲介を内容とする仲介契約を締結することは主権的行為であり、仲介契約に基づく報酬支払請求に関して、外国国家に対するわが国の民事裁判権は及ばないとされた事例 |
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1025 | H17.12.22 | 宇都宮地裁 |
不動産競売において、鉱泉地等を買受けた原告が、土地から温泉が湧出せず、執行官の現況調査及び裁判官の最低売却価格の決定に違法があったとして国家賠償を求めたが、執行官及び裁判官の職務行為に違法性は認められないとして請求が棄却された事例 |
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1026 | H17.12.21 | 大阪地裁 |
司法書士である被告人が、依頼者と共謀して痴呆状態にある土地の所有者に無断で、所有権移転登記を経由するため、本人名義の委任状や「登記原因証明情報」を偽造・行使し、登記官に虚偽の「本人確認情報」を提供した事案において、専門家としての司法書士の職業倫理に甚だしく背き、不動産登記法の改正により新設された制度を早くも悪用したなどと指摘して、懲役1年3カ月の実刑判決が言い渡された事例 |
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1027 | H17.12.19 | 東京高裁 |
市が行った地区計画の決定及び建築基準法第68条の2所定の条例の制定自体に違法性はないが、市長の行動が社会通念上許容される限度を逸脱しているとして、市に対する損害賠償請求が認められた事例 |
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1028 | H17.12.16 | 最高裁 |
特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律(平成5年5月21日法律第52号。以下「特優賃法」という。)に基づく特定優良賃貸住宅の賃貸借契約において、賃借建物の通常の使用に伴い生ずる損耗に関し賃借人が原状回復義務を負う旨の特約について、賃借人がその旨を明確に認識し、それを合意の内容としたものとは認めがたいとして、当該特約が成立していないとされた事例 |
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1029 | H17.12.15 | 最高裁 |
相続を原因として共同相続人の1人に対してなされた所有権移転登記が、実体関係に符合しないとして他の相続人が是正を求める方法として、更正登記手続の方法によることはできず、当該登記の全部抹消登記手続によるべきものとされた事例 |
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1030 | H17.12.14 | 東京地裁 |
区分所有建物の1階専有部分で飲食店を営業していた賃借人が、地下専有部分でライブハウスを経営していた賃借人とその専有部分の賃貸人に対し、ライブハウスの騒音、振動により売り上げが減少し閉店に追い込まれたとして損害賠償を請求した事案において、請求額の一部が認容された事例 |
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1031 | H17.12.5 | 東京地裁 |
マンションの売買契約において、建物の本来備えるべき品質として環境物質対策基準に適合していることが含まれるとされ、厚生省(当時)指針値を超えるホルムアルデヒド濃度の建物につき、売主の瑕疵担保責任が肯定された事例 |
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1032 | H17.12.5 | 大阪地裁 |
登記官には登記済証の受付日に使用されていた登記済印の印影と登記済証上の登記済印の印影との同一性を確認する注意義務があり、司法書士には、特段の事情がない限り、登記済印の印影の真正さを確認する注意義務はないとされた事例 |
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1033 | H17.11.29 | 東京地裁 |
抹消された抵当権が、抵当権抹消登記回復登記手続の承諾請求訴訟の結果、回復登記され、根抵当権設定登記が後順位となり、その後の競売による配当が少額になったことから、抵当権の抹消手続の依頼者が、抵当権の抹消手続申請に際し、司法書士事務所の職員が登記済証の真否、登記意思の確認を怠った過失があったとして、司法書士に対して損害の賠償を求めた事案において、司法書士の不法行為責任が認められた事例 |
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1034 | H17.11.29 | 東京簡裁 |
貸室明け渡しの際、自然損耗等についての原状回復義務を、借主が負担する旨の合意は、消費者契約法10条に該当し無効とした事例 |
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1035 | H17.11.28 | 東京地裁 |
高層マンションの分譲業者に対して、近隣住民が景観利益、圧迫感のない生活利益、日照権及びプライバシー権を侵害されたとして、損害賠償等を求めた事案において当該マンションの一部撤去請求及び損害賠償請求が否認される一方、建築工事に伴う同住民の騒音被害については受忍限度を超えるとして慰謝料請求が一部認容された事例 |
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1036 | H17.11.24 | 最高裁 |
強制執行の申立書に「被担保債権及び請求債権」として記載された金額の解釈につき、申立書に被担保債権の一部につき根抵当権の実行を求める趣旨の明示の記載がないことから、配当請求額の上限を示す趣旨であるとされた事例 |
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1037 | H17.11.11 | 最高裁 |
根抵当権の実行としての不動産競売申立てを却下された、根抵当権者であり譲渡担保権者でもある抗告人が、執行抗告を棄却した原決定について許可抗告の申立てを行った事案において、この申立てが認められた事例 |
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1038 | H17.11.11 | 最高裁 |
根抵当権者が競売申立て手続において提出した登記事項証明書に、譲渡担保を原因とする同人への所有権移転登記が記載されていたことから、提出した登記事項証明書が法定文書に当たらないとして競売申立が却下され、執行抗告も棄却決定された事案において、本件登記事項証明書は法定文書に当たるとして、原決定が破棄され、申立てを却下した原々審の決定も取り消された事例 |
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1039 | H17.11.1 | 大阪高裁 |
いわゆる「仕切り売買」における売主と媒介業者の報酬合意のうち、宅建業法に定める報酬上限を超える部分について無効とされた事例 |
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1040 | H17.10.28 | 札幌地裁 |
賃貸マンションに施工上の瑕疵があるとして、工事の建設会社並びにその代表者及び設計監理者の連帯責任を認容したが、建築主に建設会社を紹介した取引主任者の責任までは認めなかった事例 |
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1041 | H17.10.20 | 東京高裁 |
都市計画道路を11mから17mに拡幅するという都市計画の変更決定が、都市計画に関する基礎調査の結果自体が客観性、実証性を欠くものであり、不合理な現状の認識及び将来の見通しに依拠して為されたものであることから、都市計画法(平成9年法律第50号による改正前のもの)第13条第1項第14号、第6号の趣旨に反して違法であるとして、同法第53条第1項に基づき上記変更決定による都市計画道路の区域内に建築物を建築することの許可を申請した者に対して為された建築不許可処分が取り消された事例 |
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1042 | H17.10.20 | 大阪地裁 |
商業ビルの賃貸借契約に伴って差し入れられた賃料の55ヶ月分の金員全額について敷金であると認定し、賃貸人の地位を継承したビルの競落人が敷金全額の返還債務を承継するとされた事例 |
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1043 | H17.10.20 | 広島高裁 |
集落住民の入会権につき、財産管理を目的とする区が明治期に成立した以後は、共有としての性質を喪失し、地役権としての性質を有するものとして存続した後、入会地の使用収益をする者の消滅に伴い、時効により消滅したと認定された事例 |
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1044 | H17.10.19 | 横浜地裁 |
開発区域におけるがけ崩れ又は溢水により直接的な被害を受ける可能性のある範囲の地域に居住している者は、開発許可の取消しを求める原告適格を有するが、良好な環境下に生活する利益ないしは景観権の侵害を理由とする原告適格は認めることができないとされた事例 |
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1045 | H17.10.5 | 神戸地裁 |
他人の債務の連帯保証人がその財産を配偶者に移転した行為が、離婚を前提とした財産分与として相当なものと認められること、主たる債務者の財産によって債権全額を弁済することが可能であると連帯保証人が考えることが不合理でないことをもって、詐害行為取消権の対象とならないとされた事例 |
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1046 | H17.9.29 | 大阪地裁 |
隣接土地に建築されたマンションにより、冬季は全く日照がなくなり、日照権を違法に侵害されたとして、隣接建物所有者に対して、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、その建物により日照が侵害されてもそれは社会通念に照らして受忍限度を超えるものとは認め難く、不法行為を構成するものではないとして、損害賠償請求を棄却した事例 |
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1047 | H17.9.29 | 大阪地裁 |
第1種中高層住居専用地域に建築された2階建て建築物による日照侵害が、受忍限度の範囲内であるとして損害賠償請求が棄却された事例 |
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1048 | H17.9.28 | 名古屋地裁 |
建築請負契約の締結に際し仲裁契約がなされた事案において、建設工事紛争審査会による仲裁が訴訟に比較して消費者保護に欠けることはないとして、不法行為又は請負人の瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求の訴えを却下した事例 |
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1049 | H17.9.21 | 東京高裁 |
不動産業者が分譲宅地を造成中に、原子力関連施設の臨界事故により周辺土地相場が下がったため、宅地の販売価格を下げせざるを得なくなったとして、原子力損害の賠償に関する法律第3条1項または不法行為に基づき損害賠償を請求した事案において、事故と宅地の価格下落との間に相当因果関係が認められないとして、その請求が棄却された事例 |
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1050 | H17.9.16 | 甲府地裁 |
水道の蛇口を閉め忘れたために水が床にあふれ、階下の事務所を水浸しにする被害を与えた事件に関し、加害者の父親と家主が被害者と締結した加害者の損害賠償債務に対する連帯保証契約の効力が争われた事案において、連帯保証契約に基づく支払請求を認めた事例 |
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1051 | H17.9.16 | 最高裁 |
マンションの売買において、防火戸が作動しない状態で引き渡されたことにつき、売買の目的物に隠れた瑕疵があったとして損害賠償を請求した事案において、売主から委託を受けてマンション販売に関する一切の事務を行っていた宅建業者に、防火扉の操作方法等につき、買主に対して説明すべき信義則上の義務があるとされた事例 |
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1052 | H17.9.13 | 福岡地裁 |
競落人が、競落したマンションがいわゆる自殺物件であったのに、執行官および評価人が必要な調査義務を尽くさず、現況調査報告書および評価書に記載しなかったため、自殺物件とは知らずに購入し損害を被ったとして損害賠償請求をした事案において、執行官および評価人に調査義務違反があったとはいえないとして損害賠償請求が棄却された事例 |
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1053 | H17.9.13 | 東京地裁 |
マンション管理組合が専有部分の区分所有者及び占有者に対して、占有者の奇声、騒音、振動等を発するなどの共同の利益に反する行為の差止、使用禁止、使用収益を目的とする契約の解除及び区分所有権・敷地利用権の競売請求を行った事案において、区分所有権及び敷地利用権の競売以外の方法によってその障害を除去して共用部分の維持を図ることは困難として競売請求を認容した事例 |
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1054 | H17.9.8 | 最高裁 |
共同相続された不動産から生ずる賃料債権は、各共同相続人の持分に応じて分割単独債権として帰属し、その帰属は遺産分割の結果による影響を受けないとされた事例 |
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1055 | H17.8.26 | 名古屋地裁 |
市から購入した土地に陶器の破片等の廃棄物が大量に埋められていたことから、市に対して瑕疵担保責任に基づく損害賠償を求めた事案において、陶磁器の生産地としての地域性に照らしても一般的性状とは認められず、売買契約当時において廃棄物の存在はアスファルト等に隠されて容易に認識できなかったことから、土地売買の目的物の隠れた瑕疵に当たるとし、買主の市に対する損害賠償請求が認容された事例 |
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1056 | H17.8.23 | 東京高裁 |
競売対象建物の関係者の中に暴力団幹部がいることを執行裁判所が把握しながらその点を物件明細書や現況調査報告書に記載しなかった事案において、執行裁判所に物件明細書の作成及び売却手続きに重大な誤りがあるとして、抗告審において、執行裁判所による売却許可決定を取り消した上、売却不許可決定がされた事例 |
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1057 | H17.8.23 | 東京地裁 |
住宅の床下の除湿効果があると信じて締結された床下換気システムの設置工事契約について、動機の錯誤を認めるとともに、設置工事の際の床下の根がらみ(床束の転倒やぐらつきを防ぐために、床束相互間を結束する横木)切断、基礎部分の損傷に対する施工注意義務違反が認められ、契約無効に基づく代金返還請求と工事施工に当たっての注意義務違反による不法行為による修理代金相当損害金が認められた事例 |
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1058 | H17.8.12 | 札幌地裁 |
いわゆるメディカルビルの入居勧誘に際し、不動産賃貸業者(貸主)が他の医療機関が同ビルに入居確実であるとの情報を提供し、それにより入居希望者が内装工事費等を負担した事案において、不動産賃貸業者が誤った情報を提供したとしてその不法行為責任を認めた事例 |
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1059 | H17.8.9 | 東京地裁 |
建物建築を請負った建設業者が、土地所有者らから得た土地使用借権に基づいて、隣地との貫通通路を接続する工事を行うために、隣地所有者に対し、民法209条に基づく隣地の使用承諾を求め認められた事例 |
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1060 | H17.7.26 | 東京地裁 |
ビルの隣接地で大型開発プロジェクトを計画する建設会社が、近隣建物調査を実施するまで工事を開始しない旨合意したとして、当該ビルを所有する不動産会社がその合意の履行を求めた事案において、工事不着工の合意は成立していないとされた事例 |
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1061 | H17.7.21 | 大阪地裁 |
不動産の管理・処分信託契約により損害を被った委託者が、受託者の信託銀行に対して、断定的判断の提供、元本保証、信託不動産の管理・公平義務違反があるとして提訴した損害賠償請求が棄却された事例 |
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1062 | H17.7.21 | 千葉地裁 |
管理規約に違反し専有部分で工ステ営業をしていた区分所有者に対し、管理組合からのエステ営業禁止、共用部分の原状回復、損害賠償の請求が認められた事例 |
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1063 | H17.7.20 | さいたま地裁 |
宅建業者が、所有者の所有農地についての相続税につき、当該農地を用途転用した場合に納税猶予の特例制度の適用が打切られることを所有者に説明すべき義務がないとされた事例 |
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1064 | H17.7.19 | 東京地裁 |
建替え決議に反対した区分所有者に対して、区分所有法に基づき売渡請求権を行使し、区分所有権及び賃借権を取得した者が、当該区分所有建物の敷地の所有者から譲渡承諾が得られないことから譲渡許可の申立をした事案において、借地借家法20条を類推適用して譲渡許可の申立を認容した事例 |
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1065 | H17.7.14 | 神戸地裁 |
建物明け渡しの際、保証金30万円より損傷の有無にかかわらず敷引金として25万円を差し引く「敷引」特約について、消費者契約法10条により無効とされた事例 |
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1066 | H17.7.14 | 松山地裁 |
宅地建物取引業保証協会が、「申出債権の立証が困難である」との理由で認証の拒否をしたことは不法行為であるとして、認証申出人が同協会を相手に認証請求を提起した事案において、申出人と宅地建物取引業者との間には、売買契約が締結され手付金が授受された事実を認めることはできず、認証申出には理由がないとして請求が棄却された事例 |
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1067 | H17.6.29 | 東京高裁 |
借地権設定者が、借地上の建物の競落人に対し、借地権譲渡の承諾がないことに基づき借地の明渡し等を求めたところ、競落人が、口頭又は黙示の借地権譲渡の承諾の存在を主張するとともに、本件建物の買取請求権を行使した事案において、裁判所が、借地権譲渡の承諾がなかったとして、競落人に対し、借地権設定者による本件建物の買取と引換えに、本件建物の明渡し等を命じた事例 |
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1068 | H17.6.24 | 最高裁 |
指定確認検査機関による建築基準法6条の2第1項の確認に係る建築物について、同法6条1項の確認をする権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体は、指定確認検査機関の当該確認につき行政事件訴訟法21条1項所定の「当該処分又は裁決に係る事務の帰属する国又は公共団体」に当たると判示した事例 |
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1069 | H17.6.23 | 東京地裁 |
マンションの管理組合が、専有部分を治療院として使用する賃借人及び区分所有者に対し、管理規約に違反するとして使用禁止を求めた事案において、当該使用禁止請求は権利の濫用にあたるとして棄却された事例 |
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1070 | H17.6.14 | 福岡高裁 |
不動産競売の対象建物に入居して暴力団事務所として使用し、かつ同建物の敷地の一部を取得したことが、競売を妨害し、競売対象不動産の担保権者に対する不法行為となるとされた事例 |
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1071 | H17.6.9 | 大阪高裁 |
実質的な夫婦共有財産である不動産について、別居している夫が提起した代金分割の方法による共有物分割詰求が、その不動産に居住している妻、長女を苦境に陥れることにつながる等の理由により、権利濫用として認められなかった事例 |
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1072 | H17.6.8 | さいたま地裁 |
売買により土地を取得した者が、当該土地に隣接する国の法定外公共財産及び県の普通財産について、取得時効を原因として所有権の確認を求めた事案において、取得時効は成立しないとされた事例 |
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1073 | H17.5.30 | 名古屋高裁 |
分譲住宅地内の既存道路(建築基準法第42条第1項第3号道路)の所有者が、市が何らの権原もなしに自己の所有地に水道配水管を埋設させているとして、不法行為を原因とする損害賠償を求めた事案において、損害賠償請求は権利の濫用にあたるとして棄却された事例 |
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1074 | H17.5.30 | 大分地裁 |
マンション販売業者は、ペットの飼育の可否につき、将来の可能性も含め購入希望者に正確な情報を提供するとともに、先行購入者に飼育禁止として販売したのち、後発購入者に対し飼育可能として販売する場合には、先行購入者の了解を求める信義則上の義務があるとされた事例 |
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1075 | H17.5.27 | 大阪地裁 |
指定確認検査機関に対する国土交通省近畿地方整備局長の建築基準法に基づく業務停止処分、監督命令処分は、建築基準法の解釈を誤ってされたものであり違法であるなどとして争われた事案において、いずれの処分も適法とされた事例 |
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1076 | H17.5.13 | 札幌地裁 |
マンションの賃借人が居室内でガスの不完全燃焼により一酸化炭素中毒死した事案につき、居室の所有者兼賃貸人及びガス事業者の債務不履行責任並びに居室の管理業者の不法行為責任が認められた事例 |
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1077 | H17.5.10 | 青森地裁 |
原子力発電所予定地内の共有地につき、全面的価格賠償による共有地分割請求が認容された事例 |
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1078 | H17.4.27 | 東京地裁 |
強制競売手続によって借地権付き建物を買い受けた競落人に対し、土地所有者が建物の収去と土地の明渡しを求めた事案において、競落人が不変期間内に賃借権譲渡許可の申立てをしなかったことを重視し、信頼関係の破壊を認め、土地所有者の請求が認容された事例 |
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1079 | H17.4.22 | 札幌地裁 |
住宅用地として売買契約が締結されたが、地中にガソリンスタンドの埋設基礎等の障害物が存在した土地について売主の瑕疵担保責任が争われた事案において、隠れた瑕疵が認められたほか、売主が主張した瑕疵担保責任免除特約は売主に埋設物の認識があったことから否定され、瑕疵による損害として障害物の撤去費用相当額の損害が認められた事例 |
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1080 | H17.4.22 | 名古屋地裁 |
建築請負契約に基づき引き渡された建物に、地下鉄の騒音及び振動を伝搬する欠陥が存在するとして、債務不履行責任、不法行為責任及び瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求した事案において、一般的建築基準に違反するとはいえず、瑕疵があるとは認められないとして、損害賠償請求の訴えを棄却した事例 |
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1081 | H17.4.20 | 大阪地裁 |
敷金特約について、通常損耗の修繕費用に充てられるものであり、控除される金額が相当で、これを考慮した上で賃料額が適正に抑えられている限り、必ずしも不当とはいえないとしながら、控除される割合が保証金額の80%に及ぶこと、入居期間の長短にかかわらず一律に定められていること、同水準の居室の通常損耗の修繕費用等と比較して、これを超える部分については、敷引特約の趣旨を逸脱したものであり、消費者契約法10条に違反して無効であるとされた事例 |
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1082 | H17.4.19 | 千葉地裁 |
競売建物の一部が件外土地にはみだしていたが、件外土地の面積、位置、形状から見て、競売建物の敷地として利用される以外に件外土地の独立した用途がないことから、そのはみ出している事実のみを現況調査報告書、評価書に記載・反映させれば足りるとされた事例 |
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1083 | H17.3.31 | 大阪地裁 |
近隣居住者、通勤者による工場操業禁止の仮処分申立てに関し、操業による化学物質の発生により申立人の生命の安全及び身体の健康に対して、受忍限度を超える被害が生じる蓋然性があるとまではいえないとして、申立てが却下された事例 |
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1084 | H17.3.31 | 東京高裁 |
昭和63年税制改正前の相続税対策(借入により取得した不動産の相続税評価額と借入金との差額分に対応する相続税額を負担しなくて済む。)を採用し、不動産物件を選定し、売買価格を決定し融資規模も決定するなど、融資拡大のために関与し働きかけた銀行担当者は、融資契約締結までの間に、本件税制改正により、被相続人が不動産取得後3年以内に死亡すれば、相続税対策としての効果がないことを説明すべき信義則上の義務があったのにこれを怠った為、銀行はその損害を賠償する義務があるとされた事例 |
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1085 | H17.3.30 | 東京高裁 |
管理費等の滞納のあるマンションを競売により買い受けた者が、管理組合に支払った滞納管理費等を元の所有者に求償した事案において、買受人の責任は元の所有者に比して二次的、補完的なものに過ぎないから、元の所有者がこれを全部負担すべきものとして、買受人の請求が認められた事例 |
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1086 | H17.3.29 | 最高裁 |
自動車の通行を目的とする通行地役権を有する者が、当該通行地役権の設定された通路(位置指定道路)上に恒常的に車両を駐車する者に対して、道路の目的外に使用する行為の禁止及び通行妨害行為の禁止を求めた事案において、通行妨害の禁止請求が認容された事例 |
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1087 | H17.3.11 | 東京簡裁 |
更新料を支払う特約付の建物賃貸借契約の更新に際し、借主及び連帯保証人が法定更新を理由に更新料の支払に応じないため、貸主が契約更新料等の請求を求めた事案において、賃料1カ月分の更新料は借地借家法30条により無効とするほど不利な特約でなく、更新料の支払義務を特約により合意した当事者の意志は重視すべき等として、貸主の請求が認められた事例 |
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1088 | H17.3.10 | 最高裁 |
土地の賃借人が無断で転貸をしたところ、その転借人が同土地に大量の産業廃棄物等を不法に投棄したため、賃貸人が賃貸借契約を解除した上、賃借人及びその連帯保証人に対して原状回復義務の不履行による損害賠償を求めた事案について、賃借人は原状回復義務を負うとしてその請求が容認された事例 |
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1089 | H17.3.10 | 最高裁 |
抵当権に基づく妨害排除請求権の行使に当たり、抵当不動産の所有者において抵当権に対する侵害が生じないように抵当不動産に適切に維持管理することが期待できない場合には、抵当権者は、占有者に対し、直接自己への抵当不動産の明渡しを求めることができると判示した事例 |
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1090 | H17.3.10 | 最高裁 |
賃借人の要望に沿って建築され、他の用途に転用することが困難である建物について、賃貸人が将来にわたり安定した賃料収入を得ること等を目的として、3年ごとに賃料を増額する旨の特約を付した賃貸借契約が締結された場合において、賃料減額請求の当否を判断するに当たり、専ら公租公課の上昇及び賃借人の経営状態のみを参酌し、借地借家法32条1項所定の他の重要な事情を参酌しないまま、賃借人がした賃料減額請求の行使を否定した原審の判断には違法があるとされた事例 |
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1091 | H17.3.1 | 千葉簡裁 |
賃貸借物件明渡し後の賃料倍額相当の損害金条項につき、その義務の内容につき十分な説明がなされ、賃借人がその義務を十分に理解し、自由意思に基づく同意をしたと認められず、無効とされた事例 |
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1092 | H17.3.1 | 東京簡裁 |
建物賃貸借契約終了時の原状回復費用の負担につき当事者間で特約のない場合には、賃借人の居住使用により通常生ずる損耗については賃借人の負担とすべきものでないとされた事例 |
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1093 | H17.2.23 | 伊丹簡裁 |
自然損耗分の原状回復費用を賃借人とする特約につき、賃借人が特約の趣旨を認識し又は認識得べくして義務負担の意思表示をしたと認められないとして、特約の成立が否定された事例 |
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1094 | H17.2.23 | 横浜地裁 |
建築主事が、マンションの建築計画について、建築基準法6条1項に基づき建築確認処分及び2度の計画変更の各確認処分をしたところ、建築予定地の周辺に居住する住民らが、同建築計画は開発行為を伴うので、これについて都市計画法29条1項に基づく開発行為の許可を受ける必要があるのにこれを受けていないから、各確認処分は違法であるとして、各確認処分の取消しを求め、裁判所がこれを認容した事例 |
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1095 | H17.2.17 | 堺簡裁 |
建物賃貸借契約における敷引特約が一般に広く行われている状況の下で、賃借人が敷引条項の有無を選択して賃貸借契約を締結することが事実上極めて困難であったことも考慮し、敷引特約が消費者契約法第10条に照らし無効であるとされた事例 |
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1096 | H17.1.28 | 大阪高裁 |
建物賃貸借契約において、自然損耗分の原状回復費用を賃貸人が負担するのは、民法第601条に規定する、賃貸人が賃借人に賃貸物を使用収益させる義務に含まれるとした上で、それを賃借人に負担させる特約が消費者契約法第10条に照らし無効とされた事例 (原審 H16.6.11 京都地裁 取判171) |
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1097 | H17.1.27 | 最高裁 |
不動産を目的とする1個の抵当権が数個の債権を担保し、その1個の債権について保証人が代位弁済した場合において、担保不動産の売却代金は、債権者の残債権額と、保証人が代位によって取得した債権額に応じて按分して、債権者及び保証人がそれぞれ弁済を受けるべきものとされた事例 |
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1098 | H17.1.27 | 福岡高裁 |
建物に不同沈下が生じたのは、建物の建築請負人が、建物敷地に地盤対策を行うことなく基礎を築いたためであるとして、注文者が請負人に対して、不法行為に基づく損害賠償および瑕疵修補に代わる損害賠償を求めた事案において、注文者に4割の過失があるとされた事例 |
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1099 | H17.1.26 | 大阪地裁 |
建築工事が注文者の責めによらず中断された場合、既施工部分が続行工事に利用されても、注文者の既支払額と続行工事の請負代金額が当初の請負代金額を上回っている場合には、注文者は既施工部分利用による利益を受けていないとして、既施工部分に見合う請負報酬請求権が発生しないとされた事例 |
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1100 | H17.1.20 | 大阪高裁 |
市街化調整区域の既存宅地において連棟式建物(長屋建住宅)として建築確認を受けながら、8戸の戸建住宅を建築・分譲した売主不動産業者に対し、戸建住宅を購入した買主が不法行為に基づく損害賠償請求をした事案について、売却や再築が困難であることを知らないで行った意思表示には法律行為の要素に錯誤が存し、売買契約は民法95条により無効であるとし、売買代金、諸経費、ローン利息等について売主業者の損害賠償責任が認められた事例 |
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1101 | H17.1.19 | 名古屋簡裁 |
抵当権(仮登記)付き建物の賃料債権の差押債権者が、第三債務者である当該建物の賃借人に対し賃料請求した事案において、当該建物に抵当権(仮登記)が設定された後、賃料債権の差押えがなされ、その効力が発生した後に、所有者が当該建物を他に譲渡し賃貸人の地位が譲受人に移転した場合に、譲受人は建物の賃料債権を取得したことを差押債権者に対抗することができないとして、差押債権者の請求を認容した事例 |
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1102 | H16.12.28 | 名古屋高裁 |
境界紛争の解決として簡易裁判所で調停中に成立した土地売買契約において、その売買代金は裁判所選任の鑑定人が算出した価格とする旨合意がなされて、鑑定価格が算出されたが、同鑑定には対象土地の現況を誤認する等の著しい瑕疵があるため、控訴審で双方申請により新たに実施された鑑定価格によって算出される金額を合意価格とし、売買代金額とするとされた事例 |
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1103 | H16.12.24 | 東京簡裁 |
媒介業者が買主に対し、マンション売買の取引完了により媒介手数料の残額(1/2)を求めたのに対し、買主が媒介業者に対し、融資手続きに不適正な銀行提出用の契約書を作成し買主にその使用を指示したことは媒介業者の重要な債務不履行であるとして既払いの媒介手数料の返還及び損害賠償を求め反訴した事案において、媒介業者の請求を棄却し買主の請求を一部認容した事例 |
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1104 | H16.12.22 | 東京高裁 |
サブリース契約における借地借家法32条の規定に基づく賃料減額請求において、適正賃料額の下落、賃貸人の公租公課の負担や銀行借入れの金利負担の減少、賃料保証特約の存在や保証賃料額が決定された経緯等が賃料減額請求権の行使の要件として認められ、従前賃料の減額が認められた事例 |
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1105 | H16.12.17 | 大阪高裁 |
消費者契約法施行前に締結された建物賃貸借契約が、同法施行後に当事者の合意により更新された場合、更新後の賃貸借契約には消費者契約法の適用があるとされ、建物賃貸借契約に付された自然損耗及び通常の使用による損耗について賃借人に原状回復義務を負担させる特約は消費者契約法10条により無効であるとされた事例(第一審 H16.3.16 京都地裁 RETIO59-84) |
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1106 | H16.12.15 | 東京簡裁 |
中古建物の買主が、売買に際し飲料水供給のための加圧ポンプの一台が故障していることを調査説明しなかったことは債務不履行(調査義務違反)であるとして媒介業者に対し損賠賠償を請求した事案において、売主が物件への立入りを拒むことについて理由のある状況の下、媒介業者が当該故障を覚知せず買主に報告できなかったことはやむを得なかったことであり、媒介業者の責めに帰すべき事由があったとまではいえないとしてその請求を棄却した事例 |
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1107 | H16.12.10 | 最高裁 |
民事執行法上の競売手続きにより、宅地又は建物を買受ける行為は宅建業法にいう宅地又は建物の売買にあたるとされた事例 |
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1108 | H16.12.7 | 名古屋高裁 |
競売手続の二重開始決定の事案で、後行事件によって優先債権者が配当を受けることができる見通しがあれば、劣後債権者の申立てによる先行事件を無剰余により取り消すことはできないとされた事例 |
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1109 | H16.12.2 | 大阪高裁 |
媒介業者の媒介により売主から居住目的に土地建物を買受けた買主が、隣人とのトラブルにより同建物に居住できなかったとして、売主及び媒介業者に対し、説明義務違反、不法行為による損害賠償を請求した事案について、売主及び媒介業者に説明義務違反があるとされ、不動産価値の減少分として売買価格の20%相当額の支払が命じられた事例 |
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1110 | H16.11.26 | 最高裁 |
宅地建物取引業保証協会が、宅地建物取引業者からの入会申込みに対し、宅地建物取引業協会の会員でなければならないとする資格要件を満たしていないことを理由に入会拒否をしたことについて、当該宅地建物取引業者が会員たる資格を有する地位にあることの確認と、不法行為による損害賠償を求めた事案において、上記要件を満たしていないことを理由にこれを拒否したことが不法行為には当らないとした事例 |
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1111 | H16.11.25 | 東京地裁 |
マンションの管理組合法人が、共用部分である駐車場躯体部分のコンクリート劣化抑制工事の一環として、被告が区分所有権を有する同駐車場壁面の塗装工事をした場合、事務管理に基づく費用償還請求が認められた事例 |
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1112 | H16.11.18 | 最高裁 |
公団住宅の建替事業において、分譲住宅の売主(公団)が団地の賃借人で建替え後の住宅を購入する買主に対し、買主の意思決定の上で重要な価格の適否に関する事実について説明をしなかったことに対する買主の慰謝料請求が認められた事例 |
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1113 | H16.11.17 | 大阪高裁 |
不動産所有者に無断で持分移転登記がなされていることを知りながら、所有者が破産宣告を受けた際にその持分を破産管財人に申告していなかったことをもって、所有者が不実の外観を承諾していたことが認められるとして、民法第94条第2項の類推適用により善意の第三者が保護された事例 |
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1114 | H16.11.8 | 最高裁 |
いわゆるサブリース契約と称される契約で、借地借家法32条による賃料減額請求権の適用が認められるか否かが争われた事案において、当該サブリース契約は、建物の賃貸借であり、同法32条の規定が適用されるとしたが、一方で賃料減額請求の当否及び相当賃料額を判断するに当たっては、業務委託協定及びこれに基づき締結された賃貸借契約での賃料自動増額特約の存在は賃料を決定する際の重要な要素となったと解されるので十分考慮すべきであると判示した事例 |
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1115 | H16.11.2 | 東京地裁 |
投資家が購入した不動産小口化持分を信託銀行に信託する投資スキームにおいて、地価下落により、信託期間中の配当と信託終了後の売却分配金が小口化持分の購入価格を大幅に下回った場合に、信託銀行の責任が認められなかった事例 |
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1116 | H16.11.1 | 大阪地裁 |
主たる建物の相当部分が抵当地上に築造されているが、一部が抵当地以外の土地上にまたがって築造されている場合において、抵当地以外の土地上に築造された部分のみでは建物としての経済的効用を維持できないときは、抵当地上に建物が築造された場合に該当するものとして、当該建物全体について民法389条の規定が適用された事例 |
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1117 | H16.10.29 | 東京簡裁 |
通常損耗の原状回復義務を賃借人に負担させる特約が成立するためには、①特約の必要性、合理性、②賃借人が、通常の原状回復義務を超える修繕等の義務を負担することの説明を受け、理解納得していること、③賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていることが必要とされた事例 |
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1118 | H16.10.28 | 東京地裁 |
分譲目的で土地建物を買い受けた不動産業者が、本件土地に隣地所有者と共有共用の排水管及び浄化槽が埋設されているとして、売主に対して、瑕疵担保責任又は信義則上の告知義務違反に基づく損害賠償を求めた事案において、売主の瑕疵担保責任が認定された事例 |
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1119 | H16.10.27 | 東京高裁 |
東京都国立市所在の通称「大学通り」に面した分譲マンションの建築販売について、本件建物の近隣地域に学校を設置し、居住し、通学し、又は大学通りの景観等に関心を有する原告ら50名が、本件建物のうち、高さ20mを超える部分の撤去と、不法行為に基づく損害賠償をマンション分譲業者に求めた事案において、一審地方裁判所は原告請求の一部について、景観利益が侵害されたことを認め、本件建物のうち高さ20mを超える部分の撤去と慰謝料等の支払を命じたが、控訴審においていずれも取り消された事例 |
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1120 | H16.10.26 | 東京簡裁 |
建物賃貸借契約における原状回復条項につき、賃借人の通常の居住、使用によって通常生ずる損耗についてはその回復を賃借人の負担とするものではないと解するのが相当とされた事例 |
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1121 | H16.10.22 | さいたま地裁 |
土地建物を売買契約または請負契約によって取得した買主・注文主らが、LPガス供給先を他の業者に切り替えることにし、LPガス供給契約を解約する旨の意思表示をしたため、LPガス販売業者が15年(LPガス設備の耐用年数)内にLPガス供給契約を解約してLPガス供給先を他の業者に切り替える場合には、LPガス設備を買い取り清算する旨の合意があるとして、合意に基づきLPガス設備費用を請求したが、契約の成立を認めることができないとして棄却された事例 |
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1122 | H16.10.7 | 東京地裁 |
不動産の売買が差押えを免脱する意図でなされたと疑わせる事情があっても、買主が不動産を取得し、開発して転売利益を得る意図を有しており、当事者間で不動産所有権を移転させる真の意思があったと認められる場合には、通謀虚偽表示にはあたらないとされた事例 |
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1123 | H16.9.22 | 福岡地裁 |
売主業者が、マンションを販売する際、ペットの飼育に関して不適切な説明を行い、同マンションでのペットの飼育が可能であると誤信させてその売買契約を締結させたとして、同マンションの買主が損害賠償または不当利得の返還を請求したが棄却された事例 |
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1124 | H16.9.16 | 大阪高裁 |
区分所有建物(タウンハウス)の買主が、売主に対し本件建物には屋根・壁の老朽化、床鳴り等の「隠れた瑕疵」が存在しているとして、瑕疵担保責任及び補修の必要性についての不実告知等による債務不履行責任に基づく損害賠償責任を主張し、媒介業者に対しては調査・説明義務違反があるとして不法行為による損害賠償責任を主張した事案において、築後19年の中古住宅が通常有すべき品質・性能を欠くと認めるに足りる証拠はないとして売主の責任を否定し、また、媒介業者は屋根及び外壁の瑕疵について調査・告知すべき義務を負っていたとは認められないとして買主の請求を棄却した事例 |
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1125 | H16.9.15 | 大阪地裁 |
抵当証券の交付申請に際し、不動産鑑定士が行ったゴルフ場の鑑定評価について、その評価手法に不動産鑑定士の専門的裁量の範囲を超えた違法性があり、抵当証券の購入者に対する不法行為責任を免れないとされた事例 |
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1126 | H16.9.15 | 東京高裁 |
敷金が授受された賃貸借契約に係る賃料債権に対し差押えがされた場合において、当該賃貸借契約が終了し目的物が明け渡されたときは、賃料債権は敷金の充当によりその限度で消滅するとされた事例 |
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1127 | H16.9.10 | 東京地裁 |
競売手続で競売の対象として取り扱われていた目的建物の付属建物(未登記)について、所有者が、競売手続開始直後に所有権保存登記を経由して第三者に所有権移転登記したことから、買受人が真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を請求した事案において、第三者への登記手続を執行妨害行為と認定し、買受人の請求を認容した事例 |
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1128 | H16.9.9 | 神戸地裁 |
経年変化や通常損耗を含む原状回復義務を賃借人に負担させる特約を賃借人が自由な意思に基づき同意したといえるためには、賃借人の退去時の原状回復義務の本来の範囲及びそれを特約によってどのように変更したかを賃貸人が十分に説明していることが必要とされた事例 |
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1129 | H16.9.7 | 東京高裁 |
遺言による相続分の指定に対し、遺留分減殺請求権が行使された場合において、まず遺言による相続分の指定に符合する登記を経由した後、遺留分減殺請求権の行使によって取得された持分につき一部持分移転登記手続をすべきものとされた事例 |
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1130 | H16.8.31 | 東京高裁 |
都市計画法40条に基づき宅地開発区域内の公園用地が地方公共団体に帰属しているにもかかわらず、地方公共団体への所有権移転登記が経由されていないのに乗じて、開発業者の債権者らがこれを買い受け、所有権移転登記等を取得した事案において、このような買受人等は、背信的悪意者に該当し、地方公共団体の登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者に当たらないとされた事例 |
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1131 | H16.8.27 | 東京地裁 |
不動産小口化商品について、特定の委託者にのみ信託期間中の受益権譲渡を認めたことが他の委託者の権利行使に相当な影響を及ぼす取扱いの変更に該当せず、また、節税効果及びキャピタルゲインの確保は信託契約の目的外であるとされ、いずれも受託者の責任が否定された事例 |
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1132 | H16.8.6 | 東京地裁 |
所有者の名を騙った無権利者の売主から不動産を購入した買主が、司法書士に対して、登記済証及び印鑑登録証明書等が偽造文書であったにもかかわらず、それを看過して売主の本人確認を怠ったとして、債務不履行ないし不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、過失相殺を8割5分とする損害賠償請求が認められた事例 |
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1133 | H16.7.30 | 大阪高裁 |
住宅供給公社が貸主である特定優良賃貸住宅の解約明渡しがされた場合において、通常損耗分に関する修繕費用を賃借人の負担とする特約は、公序良俗に反し無効であるとして、敷金からその負担部分を差し引くことは許されないとされた事例 |
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1134 | H16.7.30 | 東京地裁 |
土地建物の買主が、手付金を交付した後に金融機関から意図した融資を得られなかったため、ローン条項に基づき契約を解除して手付金の返還を求めたことに対し、売主及び媒介業者が、ノンバンクから融資を受けることが可能であったにもかかわらず、買主が、融資審査に必要な書類の提出を怠り、さらには申込書を撤回したのは解除条項の適用を排除する約定の契約条項に該当するとして、損害賠償請求(反訴)を提起した事案において、買主の請求が認容された事例 |
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1135 | H16.7.22 | 東京地裁 |
建物賃貸人が賃借人に対して、共益費や消費税等の未払いにより建物賃貸借契約を解除したとして、賃貸借契約終了に基づき建物の返還を求めるとともに、未払いの共益費及び消費税の支払いを求めた事案において、金銭の請求については認容されたが、その後建物賃貸人は競売により所有権を失ったことから建物の明渡請求は棄却された事例 |
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1136 | H16.7.14 | 東京高裁 |
区分所有法第63条第4頁の売渡請求権が行使された場合の「時価」は、開発法により算出された再建建物及び敷地利用権の価額及び再建建物の建築を前提とした更地価額から取壊費用を控除した価額に基づき算定すべきものとされた事例 |
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1137 | H16.7.14 | 仙台高裁 |
同一の債権者に対して連帯保証人兼物上保証人、連帯保証人、物上保証人と3とおりの資格の者がいる場合における優先弁済負担額の割付は、二重資格者の頭数を1として、先ず頭数割りによる割付を行い、連帯保証人に割付けられた負担額の残額を、残りの者で不動産価額に応じて割り付けるべきものとされた事例 |
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1138 | H16.7.13 | 大阪高裁 |
建物賃貸借契約における保証金(敷金)に対して賃借人の借入金担保としての質権が設定されている場合で、当該賃貸建物が第三者に譲渡された場合には、敷金返還債務も新賃貸人(新所有者)に移転していることから、旧賃貸人に対して質権行使による敷金返還請求は出来ないとされた事例 |
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1139 | H16.7.13 | 最高裁 |
農地所有者が、その土地を耕作して占有する者に行った明渡し請求に対し、占有者が、本件土地は先代が賃借権を時効取得したものを相続したものであるとした事案において、農地の賃借権の時効取得については、農地法3条の規定の適用はなく、都道府県知事等の許可がなくても時効取得が認められるとされた事例 |
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1140 | H16.7.13 | 東京地裁 |
マンションの建替決議に賛成した区分所有者から、建替えに参加しない旨を回答したものとみなされた区分所有者に対して区分所有権および敷地利用権の売渡請求がされた場合について、この区分所有者には、区分所有建物から借家人を退去させた上で同建物を引き渡す義務、および敷地利用権の譲渡について地主の承諾を得る義務があるとされた事例 |
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1141 | H16.7.6 | 大阪高裁 |
不動産が甲→乙→丙と転売された場合に、甲の登記名義回復請求に対し、丙は売買代金未返還を理由とする同時履行の抗弁権を主張できるとした事例 |
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1142 | H16.7.5 | 東京簡裁 |
アパートの賃貸借契約に際し貸主が約束した補修義務を果たさないため、賃借人が契約を解除するとともに敷金等の返還を求めたのに対し、貸主は一旦授受された家賃等は返還を要しない契約特約があるとしてこれを争った事案において、当該特約条項は消費者契約法第10条に違反し無効である等として賃借人の請求が認められた事例 |
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1143 | H16.7.2 | 東京地裁 |
マンション販売業者が、マンションの広告宣伝活動に当たり、ファッション雑誌標章と類似した標章を使用したことに対し、ファッション雑誌社等が不正競争防止法に違反するとして標章の使用差し止め及び損害賠償を請求した事案において、不正競争防止法違反の主張が認められた事例 |
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1144 | H16.6.30 | 東京地裁 |
賃貸に供せられていた建物を競売により取得し賃貸人の地位を承継した新所有者が、賃借人に対し、賃料不払いを理由として賃貸借契約を解除したと主張して、本件建物の明渡及び賃料相当損害金の支払を求め、他方、賃借人は保証金返還債権と賃料支払債務との相殺を主張した事案において、賃貸人の地位を承継した競落人は本件保証金返還債務は承継しないとした事例 |
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1145 | H16.6.29 | 最高裁 |
土地の賃借人が、「消費者物価指数が下降してもそれに応じて賃料の減額をすることはない」とする特約は借地借家法11条1項の趣旨に照らし無効であるとして、賃料減額確認を求めた事案において、賃料の増減額請求権に関する借地借家法の規定は強行規定であり、賃料の改定に関する特約がある場合でも賃料の増減額請求権の行使が妨げられることはないとした事例 |
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1146 | H16.6.28 | 東京地裁 |
不動産の売買などを業として行う原告会社が被告外国国家との間で、同国家が駐日大使館等として使用するための不動産売買契約を成立させたところ、被告が代金を払わないとして求めた違約金の支払請求につき、上記売買契約が通謀虚偽表示により無効であるとされた事例 |
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1147 | H16.6.11 | 京都地裁 |
自然損耗分を含めた原状回復義務を賃借人負担とする特約が、原状回復義務の発生要件及びその具体的内容について客観性、公平性及び明確性を欠き、信義則に反する程度に消費者の利益を一方的に害するとして、消費者契約法第10条に照らして無効とされた事例 (控訴審 H17.1.28 大阪高裁 控訴棄却 取判173) |
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1148 | H16.6.8 | 最高裁 |
土地売買契約の当事者双方から所有権移転登記手続についての代理を嘱託された司法書士が、本件土地について実体的所有関係を確定することができない等と述べて嘱託を拒んだことにつき、正当な事由がないとして、土地売主の司法書士に対する損害賠償請求が一部容認された事例 |
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1149 | H16.6.2 | 東京地裁 |
賃貸人が、賃借人の賃料不払いを理由に建物賃貸借契約を解除した後に、建物の鍵を交換した事案について、違法な自力救済として不法行為が成立するとしたものの、賃借人に損害が生じたとはいえないとして、賃借人の損害賠償請求が棄却された事例 |
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1150 | H16.5.18 | 京都地裁 |
建物の賃貸借契約(借家契約)における更新料等を支払う旨の約定が、合意更新の場合の他、法定更新にも適用されるかどうかについて、合理的な理由がある場合を除いて、法定更新の場合にも適用することは慎重であるべきとして、本件更新料約定は合意更新を前提としたもので、法定更新には適用されないとした事例 |
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1151 | H16.4.28 | 東京地裁 |
敷金が授受された賃貸借契約にかかる賃料債権に対し差押えがされた場合において、当該賃貸借契約が終了し目的物が明け渡されたときは、賃料債権は敷金の充当によりその限度で消滅するとされた事例 |
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1152 | H16.4.27 | 甲府地裁 |
建物の賃借人が、現行の賃料が不相当に高額になっていると主張して、借地借家法32条に基づき、賃料減額を請求する旨の意思表示をし、減額請求後の賃料の確認を求めた事案において、賃料の減額が認容された事例 |
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1153 | H16.4.26 | 東京地裁 |
隣接する2筆の土地について、一方の土地の所有者である被告が両土地の境界付近部分に、コンクリートを敷設したり排水管等を設置していることにつき、他方の土地を競売により取得した原告が当該物件の撤去等を求めたが、両土地が被告及び隣接地の元所有者に分譲された際、両名の間で黙示の地役権設定契約が締結されたとする被告の主張が認められた事例 |
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1154 | H16.4.23 | 東京地裁 |
土地建物の買主が、売買契約時に、当該土地建物において過去に火災が発生したことがある旨の説明がなかったとして、売主に瑕疵担保ないし不法行為に基づく損害賠償を、媒介業者に媒介契約上の債務不履行を原因として損害賠償を請求したのに対し、火災による焼損等が隠れた瑕疵に当たるとされ、売主と媒介業者に損害賠償責任があるとされた事例 |
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1155 | H16.4.23 | 東京地裁 |
サブリース契約で借地借家法第32条に基づく賃料減額請求権が行使された場合において、相当賃料額を定めるにあたり、賃料保証が契約の重要な要素であること、契約締結以後の賃料相場の動向、支払賃料との乖離を考慮すべきものとされた事例 |
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1156 | H16.4.23 | 最高裁 |
マンション管理組合が組合員である区分所有者に対して前所有者の延滞していた管理費及び特別修繕費を請求したのに対し、管理費等に係る債権が5年間の短期消滅時効を定める民法169条所定の定期給付債権に当たり、5年を経過した部分は時効により消滅しているとの区分所有者の主張が認容された事例 |
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1157 | H16.4.22 | 神戸地裁 |
不動産媒介業者が、買主に対し不動産売買契約の媒介による媒介手数料の支払を求めたのに対し、買主が媒介業者による融資承認の段取りの悪さによって融資承認が遅れた等として媒介契約の解除を主張しこれを争った事案の控訴審につき、媒介契約が無催告解除される背信性の強い義務違反は認められないとして買主の控訴を棄却した事例 |
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1158 | H16.3.31 | 東京高裁 |
窓の目隠しのために曇りガラスを使用する旨の調停が成立した後、被告が当該ガラスにその不透明度を高めるためにフィルムを貼付しただけであったため、原告らがガラス交換工事及び慰謝料を請求した事案において、その請求を棄却した事例 |
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1159 | H16.3.31 | 札幌地裁 |
分譲業者が建築し販売した15階建てマンションの高層階の購入者が、売主らが新たに同マンション南側に近接して15階建てマンションを建築したのは、信義則上眺望を害さないよう配慮すべき義務に違反するなどと主張して、売主らに対し提起した損害賠償請求の一部が認容された事例 |
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1160 | H16.3.25 | 那覇地裁 |
マンション管理組合の総会において、同マンション駐車場の使用及び管理運営について賛成多数で制定決議された駐車場使用細則が、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議を要する規約にあたるとして、当該決議が無効であるとされた事例 |
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1161 | H16.3.16 | 京都地裁 |
消費者契約法施行前に締結された建物賃貸借契約が、同法施行後に当事者の合意により更新された場合、更新後の賃貸借契約には消費者契約法の適用があるとされ、建物賃貸借契約に付された自然損耗及び通常の使用による損耗について賃借人に原状回復義務を負担させる特約は消費者契約法10条により無効であるとされた事例(控訴審 H16.12.17 大阪高裁 控訴棄却 RETIO61-84) |
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1162 | H16.3.12 | 京都地裁 |
公庫融資物件の賃貸借契約において、自然損耗分、通常損耗分の原状回復費用を賃借人に負担させる特約の成立は、賃借人がその趣旨を十分に理解し、自由な意思に基づいてこれに同意したことが積極的に認定されない限り、安易に認めるべきでないとされた事例 |
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1163 | H16.2.27 | 京都地裁 |
売買された建物が、建築基準法の要求する最低限度の安全性を充足していないという理由で瑕疵担保責任による契約解除が認められ、かつ、当該売買が商行為として行われたものであっても、商法所定の5年の短期消滅時効の適用がないとされた事例 |
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1164 | H16.2.24 | 大津地裁 |
建物賃貸借契約において、自然損耗分の原状回復費用を賃借人に負担させる特約を有効とする要件を満たす原状回復費用に関する合意の成立が否定され、設備使用料等を徴収する特約はその全体が公序良俗に反し無効とされた事例 |
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1165 | H16.1.30 | 名古屋簡裁 |
公営住宅使用に関する契約の特殊性と永年にわたって統一的に実施されてきた慣行ともいうべき具体的な実務的取扱いによる賃貸管理が行われている場合には、明渡し時の通常損耗の補修費用は賃料に含まれず、賃借人の負担であるとされた事例 |
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1166 | H16.1.29 | 横浜地裁 |
敷金返還請求権につき権利質を設定した者が、賃貸借契約を忠実に実行し、質権者に損害を生じさせない旨約したにかかわらず、その破産管財人が賃料等を支払わずにこれに敷金を充当する旨の合意をして賃料等の支払を免れたときは、その破産管財人は質権者に対し、右敷金の中から回収予定であった相当額につき、不当利得として返還すべきであるとされた事例 |
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1167 | H16.1.23 | 前橋地裁 |
建物等の建築工事の注文者が、工事の請負人に対して、建築された建物には重大な瑕疵があるとして、請負人の瑕疵担保責任又は債務不履行責任に基づき、①建物の解体、再建築に要する費用相当額の賠償又は、②建物の瑕疵の修補に要する費用相当額の賠償を求めた事案において、請負人の瑕疵担保責任に基づき、①の賠償請求の一部を認容した事例 |
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1168 | H16.1.16 | 神戸地裁 |
売主が、売却した土地について、買主がこの土地を暴力団事務所敷地として使用する目的を隠していたなどと主張して、土地売買契約の錯誤無効又は詐欺取消を理由に、所有権移転登記の抹消登記手続、同土地上建物の収去と土地明渡を求めたが、売買契約当時から、暴力団事務所敷地として使用する目的を有していたと認めることはできないとして棄却された事例 |
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1169 | H16.1.15 | 東京高裁 |
基本賃料及び歩合賃料から構成される賃料のうち、基本賃料に係る減額賃料の確認が求められた事案において、賃料減額請求を一部認容した原審における賃料の減額を肯定する鑑定は、その正確性などに疑問があるとし、一方、賃料の減額を否定する鑑定は、相応の根拠を持った査定と評価できるとして、賃借人の請求を棄却した事例 |
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1170 | H15.12.26 | 名古屋高裁 |
市の教育委員会から町並み保存地区に指定されている地区内に、マンション建築工事をしようとした開発業者に対し、地区住民が、高さ20メートルを超える部分の建築工事の差止めを求めた事案において、地区住民が主張した景観利益の侵害や受忍限度を超える日照被害等を根拠とした建築禁止の仮処分の申立ては理由がないとして棄却された事例 |
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1171 | H15.12.25 | 福岡高裁 |
売主の委託を受けた不動産媒介業者の媒介により締結された不動産売買契約が、買主の手付金の放棄によって解除された場合に、当該不動産媒介業者は、媒介契約書における約定の報酬全額を請求することはできないが、商法512条により相当の報酬額を請求することができるとされた事例 |
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1172 | H15.12.11 | 神戸地裁 |
建築請負契約を締結した建築会社が、注文主が契約を一方的に破棄したと主張して、債務不履行に基づく損害の賠償を求めたのに対し、注文主の父が、建築会社に対して、本件請負契約は都市計画法上の開発・建築許可を得ておらず違法であること等により無効であり、内金その他の損害を被ったと主張して、不法行為に基づく損害の賠償を求める事案において、建築会社の損害賠償請求を認容し、注文主側の請求を棄却した事例 |
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1173 | H15.12.4 | 東京高裁 |
区分所有建物の専有部分の管理についても集会決議で決定することができ、店舗の営業時間を午前10時から午後10時までとすることは一部の区分所有者に「特別の影響を友ぼす」事項として当該区分所有者の承諾を要する場合にあたらないとされた事例 |
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1174 | H15.11.26 | 大阪地裁 |
建物の傾斜等の瑕疵を買主が知らなかったことに過失があるとして、売主の瑕疵担保責任は否定され、瑕疵の買主への不告知について、売主及び買方・売方媒介業者の告知・確認義務違反による損害賠償請求が認められた事例 |
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1175 | H15.11.25 | 東京高裁 |
外部への通路という建築物にとって不可欠の要素を構成する通路部分を有する建築物の地盤面は、当該通路部分が住戸部分と一体となって建築物本体を構成するものとして設定すべきであり、建築基準法第52条第2項所定の容積率不算入措置は地下室マンションにも適用があるとされた事例 |
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1176 | H15.11.21 | 大阪高裁 |
特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律(以下「特優賃法」という)及び住宅金融公庫法(以下「公庫法」という)の適用を受ける建物の賃借人が、本件賃貸借契約における「原状回復特約」は、特優賃法及び公庫法に違反する程度が著しく、公序良俗に反し無効であると主張して敷金の返還を求めた事案において、「借主が自由な意思に基づいて特約に同意したとはいえない」として特約を否認した事例 |
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1177 | H15.11.14 | 最高裁 |
建築確認申請書に自己が工事監理を行う旨の実体に沿わない記載をした一級建築士が建築主に工事監理者の変更の届出をさせる等の適切な措置を執らずに放置した行為が、当該建築主から瑕疵のある建物を購入した者に対する不法行為になるとされた事例 |
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1178 | H15.11.11 | 最高裁 |
入札書の入札価額欄の一の位が空欄となっている場合において、一の位の数字が何であっても他の入札書の入札価額より高額となる場合であっても、当該入札は無効とすべきものとされた事例 |
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1179 | H15.11.7 | 最高裁 |
金融機関の従業員が顧客に対し融資を受けて宅地を購入するように勧誘する際に、当該宅地が接道要件を具備していないことを説明しなかったことが、当該宅地を購入した顧客に対する不法行為を構成するとはいえないとされた事例 |
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1180 | H15.10.31 | 神戸地裁 |
通常損耗分の原状回復費用を賃借人に負担させる合意が成立するためには、その旨を明示し、賃借人において了承して賃貸借契約を締結した等の特段の事情があることを要するとされた事例 |
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1181 | H15.10.31 | 最高裁 |
不動産の時効取得を原因とする所有権移転登記前に、前所有者によって設定された抵当権に対抗するため、起算点を後にずらして抵当権設定登記後の時効取得を主張・援用することができないとされた事例 |
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1182 | H15.10.30 | 東京高裁 |
市が市道敷地を国の機関(道路法施行前)又は国の占有代理人(道路法施行後)として占有したことにより、国による時効取得が成立したこと及びその時効取得を市が援用することが認められた事例 |
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1183 | H15.10.30 | 仙台地裁 |
マンションの建築予定地の近隣住民らが、当該計画が県条例の接道義務規定等に違反するなどとして、建築確認の取消しを求めて争ったが、一部の原告については原告適格が認められないとして訴えを却下した上、請求については、建築基準法又は県条例に違反しないとして棄却した事例 |
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1184 | H15.10.28 | 横浜地裁 |
過去に土地崩壊事故のあった地域の住宅地に居住する者が、近隣地を宅地に造成する工事をする開発業者に対し、地質等から同工事の施工により大雨時に土地が崩壊し、生命・身体・財産が侵害される恐れがあることを理由として、宅地造成工事の施工禁止を求めたが、十分な対策がとられているとして請求が棄却された事例 |
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1185 | H15.10.28 | 大阪高裁 |
高層マンションの建設により、風害が発生して被害を受けたとして、近隣住民がマンションの分譲業者等に対し損害賠償を求めた事案において、マンション建設による風害の因果関係、損害の発生等が認められ、分譲業者等に対し、共同不法行為により、財産的損害を含む損害賠償を命じた事例 |
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1186 | H15.10.28 | 東京地裁 |
金融業者が、貸付の担保として根抵当権設定仮登記等を設定することになっていた土地の所有者になりすました者に、貸付金を詐取されたことにつき、司法書士に担保権設定者が当該不動産の所有者本人であることを確認すべき義務を怠った過失があるとして求めた、不法行為に基づく損害賠償請求が棄却された事例 |
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1187 | H15.10.23 | 最高裁 |
サブリース契約においても借地借家法第34条の適用があるが、賃料増減額請求の当否や賃料相当額の判断にあたっては、契約当事者が賃料額決定の要素とした事情を総合的に考慮すべきとされた事例 |
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1188 | H15.10.21 | 最高裁 |
サブリース契約にも借地借家法第32条が適用されるが、建物賃貸借契約の当事者は契約に基づく使用収益の開始前に、同条に基づいて当初賃料の額の増減を求めることはできないとされた事例 |
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1189 | H15.10.21 | 最高裁 |
いわゆるサブリース契約と称される契約で、借地借家法32条1項による賃料減額請求権が認められるか否かが争われた事案において、当該サブリース契約は、建物の賃貸借契約であり同法32条の規定は適用されうるとし、一方で賃料減額請求の当否及び相当賃料額を判断するに当たっては、当該サブリース契約において賃料額決定の重要な要素とされた事情等を十分に考慮すべきであると判示した事例 |
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1190 | H15.10.16 | 大阪簡裁 |
定期建物賃貸借契約における敷引特約について、重要事項説明書において、敷引金額が記載されているだけで、その趣旨や内容が明示されず、転勤などやむを得ない事情で契約が中途で解除された場合にも、保証金(40万円)の75%(30万円)の敷引を行うという条項は、民法、借地借家法等の関連法規の適用による場合に比し、消費者の権限を制限し、義務を加重する条項であり、信義則に反して消費者の利益を一方的に害する条項であるとして、消費者契約法10条を適用し無効とされた事例 |
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1191 | H15.10.10 | 最高裁 |
建物建築工事の請負契約において、耐震性の面でより安全性の高い建物にするため、主柱には特に太い鉄骨を使用することが約定され、これが契約の重要な内容になっていたにもかかわらず、建物請負業者が、注文主に無断で、請負契約の約定に反し、主柱工事に約定の太さの鉄骨を使用しなかったことから、使用された鉄骨が、構造計算上、居住用建物としての安全性を備えていたとしても、当該主柱の工事は、瑕疵にあたるとされた事例 |
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1192 | H15.9.26 | 東京地裁 |
建築予定の鉄骨3階建ての店舗等を賃借する旨の賃貸借予約契約を締結した借主が、貸主が本件建物の設計を変更して建築した建物を第三者に賃貸したことから、本件予約契約は履行不能となったと主張して、貸主に対して、債務不履行又は契約締結上の過失に基づく損害賠償を請求した事案において、貸主は、本件予約契約上、本契約を締結すべき義務を負ったのに、第三者との契約締結により、本件予約契約を履行不能に至らせたとして、履行不能による損害賠償責任を認めた事例 |
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1193 | H15.9.25 | 東京高裁 |
大雨のとき容易に冠水し宅地として使用することができないことは隠れたる瑕疵にあたる、また、売買契約の際売主業者がその説明を怠ったことは債務不履行(説明義務違反)に当たる等と主張して、建売住宅の購入者が売主に対し損害賠償を請求した事案において、冠水しやすいという宅地の性状は民法第570条の隠れたる瑕疵に当たらず、また、売主たる宅建業者の説明義務の対象とはならないとしてその請求を棄却した事例 |
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1194 | H15.9.24 | 横浜地裁 |
マンションの建築予定地の近隣住民による、ミニコミ誌やインターネットの掲示板での当該マンションの建築に反対する趣旨の表現行為について、当該マンションの建築業者の名誉・信用を違法に毀損するものとは認められないとした事例 |
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1195 | H15.9.3 | 京都地裁 |
建物建築前に締結された土地売買契約において、建築業者は、法令上の安全性を備えた建物を建築する義務を負い、売主も建物がそのようになるよう配慮する義務を負うとして、建物の瑕疵について売主及び建築業者の不法行為責任が認められた事例 |
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1196 | H15.9.2 | 神戸地裁 |
借地契約上の地代額の確認請求に対し、土地所有者らが反訴として、契約上の合意に基づく精算金及び家賃補償額の支払い、借地契約の解除に基づき、建物収去土地明渡し及び賃料相当損害金等の支払い、賃料増額請求に基づく同借地契約の地代額の確認を求めた事案において、借地契約の解除は認めなかったが、土地所有者らの賃料増額請求に基づく地代額を確認し、また、契約上の合意に基づく精算金及び家賃補償額の支払請求を一部認容した事例 |
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1197 | H15.8.7 | 神戸地裁 |
土地及び建物の所有者がこれらの不動産に共同抵当権を設定した後、建物が倒壊・滅失し、同土地上に新たに建物を建築した場合に、滅失理由がたとえ震災によるものであっても、新建物のために法定地上権は成立しないとした事例 |
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1198 | H15.7.31 | 東京高裁 |
売買契約の合意解除による売買代金返還請求権及び違約金請求権は、売買契約の目的物に関して生じた債権ではないから、その目的物に対する留置権は認められないとされた事例 |
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1199 | H15.7.16 | 東京高裁 |
県住宅供給公社が行った値下げ販売が、先行分譲者に対する暴利行為、適正価格設定義務違反、譲渡価格維持義務違反、値下げ販売に関する虚偽説明回避義務違反に当たらないとされた事例 |
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1200 | H15.7.16 | 大阪地裁 |
住宅供給公社が一括借上げをしている特定優良賃貸住宅において、退去時の修繕費用の負担区分をめぐり、貸借人は通常損耗分を負担する意思を欠き、賃貸借契約書に付された負担区分表に記載された汚損・破損等には通常損耗は含まれず、同負担区分表は公序良俗に反するものであるから無効であるとする貸借人の主張が認められなかった事例 |
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1201 | H15.7.11 | 最高裁 |
不動産の共有者の1人は、共有不動産について実体上の権利を有しないのに持分移転登記を経由している者に対し、単独でその持分移転登記の抹消登記手続を請求することができるとされた事例 |
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1202 | H15.7.10 | 神戸地裁 |
居住建物に隣接して建設されたマンションにより日照権が侵害されたとして、不法行為に基づく損害賠償を求めたが、本件マンションの建設による日照時間の減少や、圧迫感、閉塞感は受忍限度を超える違法なものと認めることはできないとして、本件請求(損害賠償請求)を棄却した事例 |
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1203 | H15.6.30 | 大阪地裁 |
民間会社を事業者とする特定優良賃貸住宅において、原状回復義務の範囲を定めた特約の成立の有無及び当該特約が公序良俗違反として無効か否かが争われた事案において、特約が成立していることは認められたが、公序良俗に反するものとして、民法90条により無効と認めるのが相当とされた事例 |
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1204 | H15.6.26 | 札幌地裁 |
宅地建物取引業法第46条1項による報酬額の規制は、業者でない一般私人に対する土地売買契約の委任の場合に類推適用されないとされた事例 |
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1205 | H15.6.26 | 神戸地裁 |
阪神淡路大震災によって全部滅失したマンション敷地上に再建されたマンションの再建組合員以外の新規購入者が、売主業者に対し、売買契約締結に際して、本件マンションの管理組合が借り入れた再建事業費(建築費)の返済に伴い購入者個々人に負担が生じることの説明義務を怠り、付随業務の債務不履行があったとして、損害賠償の支払を求めた事案において、売主には、説明義務違反によって生じた損害を賠償する責任があると認め、新規購入者の精神的苦痛に対する慰謝料の支払を命じた事例 |
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1206 | H15.6.25 | 東京地裁 |
土地の所有者から地上建物の建築工事を請け負い、これを完成して同建物を原始取得した建設業者に対して、当該土地の買受人が同建物を収去して土地の明渡しを請求した事案において、同建物は、その地上にあった旧建物を再築された建物のために、その土地に法定地上権の成立が認められる特段の事情がある場合ではないとして、買受人の請求を認容した事例 |
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1207 | H15.6.24 | 大阪高裁 |
里道を代替地として提供され、その敷地を長年建物の敷地として使用占有し、里道としての形態が全く失われ使用されていることが明らかであることから、いわゆる公図上の国有里道について黙示の公用廃止を認め、取得時効の成立が認められた事例 |
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1208 | H15.6.19 | 神戸地裁 |
民法234条に違反して境界から50cm以上の距離を離さずに建物を建築したとして、隣地所有者が、その建築主に対し、同距離内の建物部分の収去と損害賠償を求めた事案において、建物建築工事の廃止又は変更を求めた時点では、既に本件建物は完成済みであったとして、建物部分の収去請求を退け、損害賠償の支払のみを命じた事例 |
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1209 | H15.6.13 | 最高裁 |
不動産の所有者から交付を受けた登記済証、白紙委任状等を利用して不実の所有権移転登記がされた場合において、所有者が虚偽の外観の作出に関与しておらず、放置していたとも言えないとして、所有者に対し所有権が移転したことを善意無過失の第三者が対抗し得ないとされた事例 |
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1210 | H15.6.12 | 最高裁 |
地代等自動改定特約において、地代等の改定基準を定めるにあたって基礎とされていた事情が失われることにより、同特約によって地代等の額を定めることが借地借家法11条1項の規定の趣旨に照らして不相当なものとなった場合には、同特約の適用を争う当事者は、同特約に拘束されず、同条項に基づく地代等増減請求権の行使が可能とされた事例 |
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1211 | H15.6.12 | 神戸簡裁 |
賃貸借契約終了時に敷金から控除できる原状回復費用は、賃借人の責めに帰すべき費用及び慣行として賃借人負担とすることが認められているものに限られるとした上で、畳表及び襖紙の取替費用を控除することが認められた事例 |
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1212 | H15.6.4 | 東京地裁 |
マンション用地の買受予定者であるデベロッパーから、買受にかかる社内稟議が通らず契約の締結はできないとして契約の交渉を打切られた土地の売主業者が、契約は成立していたとして、その債務不履行に基づく損害賠償を、予備的に信義則上の義務違反又は不法行為による損害賠償を求めた事案において、信義則違反及び不法行為は認めたものの、それに基づく損害を被ったとは認められないとして請求が棄却された事例 |
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1213 | H15.5.23 | 東京地裁 |
根抵当権が設定された不動産について売買契約が締結され、その売主が当該根抵当権等の負担を解消できなかったため、既に目的物件の引渡しを受けていた買主が当該売買契約を解除した場合、解除した買主は、その後当該根抵当権に基づいて開始された競売手続において買受人となった者に対し、買受人の取得した引渡命令に対する請求異議事由として、売主に対する売買代金返還請求権および違約金請求権を被担保債権とする留置権を主張することはできないとされた事例 |
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1214 | H15.5.21 | 東京地裁 |
エレベーター保守会社とマンション管理組合との間における、エレベーター保守管理契約が、同保守会社の行う業務に信頼感を損ねたことを理由に、管理組合が契約期間途中で契約の解除をしたことに関し、管理組合に対してなされた損害賠償請求が棄却された事例 |
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1215 | H15.5.21 | さいたま地裁 |
県知事が建築基準法(昭和34年法律第156号による改正前のもの)42条1項5号に基づき行った道路位置指定処分は、敷地所有者の承諾を欠いてされたものであるとして、同処分の無効の確認を求めた事案において、その所有者が同処分を明示・黙示に追認し若しくは承諾し又はこれと同等の事情があるときは、瑕疵の治癒が認められるとされた事例 |
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1216 | H15.5.20 | 東大阪簡裁 |
建物賃貸借契約にあたり、賃料が特段に低廉であることを賃借人が認め、したがって、経年変化や通常使用による損耗も含め原状回復費用を全て賃借人が負担する合意があったとする賃貸人の主張が認められなかった事例 |
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1217 | H15.5.16 | 東京地裁 |
地中にコンクリートがら等の埋設物が存在していた土地の売買につき、売主の瑕疵担保責任及び説明義務違反による債務不履行責任が認められるとともに、売買契約における「買主の本物件の利用を阻害する地中障害の存在が判明した場合、これを取り除くための費用は買主の負担とする。」との特約が、売主の重過失を理由に効力が生じないとされた事例 |
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1218 | H15.4.23 | 最高裁 |
委託を受けて他人の不動産を占有する者がほしいままに売却等による所有権移転行為を行った場合に、先行の抵当権設定行為が存在することは、後行の所有権移転行為について横領罪が成立することを妨げないとされた事例 |
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1219 | H15.4.21 | 神戸地裁 |
建物建築の注文者が、建築工事には多数の瑕疵があり、工事代金の支払義務はないとして建築会社からの支払請求を拒否した事案について、注文者が主張する瑕疵はいずれも認められないとし、建築会社からの工事代金支払請求が全額認められた事例 |
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1220 | H15.4.17 | 神戸地裁 |
建築条件付宅地分譲の契約を合意解除して締結された建売住宅の売買契約において、建物の施工状態等を不満としてなされた債務不履行による契約解除、建売住宅の違法な青田売りを隠蔽するためになされた一連の契約行為の無効による手付金の返還、及び違約金の支払等の訴えについて、違法行為があったことを認めるに足る確たる証拠がないとして買主の主張を退けた事例 |
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1221 | H15.4.10 | 東京地裁 |
新築マンションの買主が、その購入した一階部分に毎年のように浸水被害が発生するとして、建築主兼売主である不動産業者に対してした瑕疵担保責任に基づく契約解除が認められ、マンション購入関連費用や修補費用の他に、慰謝料等の損害賠償請求が認容されたが、瑕疵あるマンションを設計・監理した業者の不法行為責任は否定され買主の損害賠償請求が棄却された事例 |
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1222 | H15.4.10 | 神戸簡裁 |
借主が退去時の立会義務を履行せず、貸主が管理会社に依頼した修繕費用につき、貸主が敷金から控除すべき費用の項目、額につき何ら具体的な主張をしていないとして、敷金からの控除が認められなかった事例 |
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1223 | H15.4.8 | 東京簡裁 |
建物の借主の地位と敷金返還請求権の債権者である地位を、賃貸人の承諾のもとに譲り受けた者が、本件建物の賃貸借契約を合意解約したところ、賃貸人が敷金の一部を返還しないため、敷金の残金の支払を求めた事案において、賃貸人は、預託額を超えた敷金返還請求権の債権譲渡につき異議なく承諾しており、敷金全額の返還義務があるとして、敷金の残金の支払を命じた事例 |
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1224 | H15.4.4 | 福知山簡裁 |
通常損耗分等、民法の原則を超える原状回復費用を賃借人に負担させることは、その旨の立会確認書に賃借人が署名していた場合であっても認められないとされた事例 |
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1225 | H15.4.2 | 名古屋高裁 |
宅建業者が、自ら売主として買主の自宅で土地の売買契約を締結したが、その後買主がクーリング・オフによる契約解除を申し出、売主業者がこれに応じなかった事案において、宅建業法37条の2及び同法施行規則16条の5第2号の「相手方がその自宅において説明を受ける旨を申し出た場合」に当たらないとして、クーリング・オフによる契約解除が認められた事例 |
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1226 | H15.3.31 | 東京地裁 |
いわゆるサブリース契約に、借地借家法32条1項の賃料増減請求権の適用があるとされ、平成7年1月に約定された平成13年7月以降賃料を増額するとの合意は当事者間の公平を害するとはいえず、同項に反した無効なものとはいえないとされて、約定どおりの賃料増額が認められた事例 |
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1227 | H15.3.31 | 釧路地裁 |
土地付建物売買で、重要事項説明書上公道とされている道路が公道でなく、排水性能の問題により冠水、床下浸水被害が発生し、建物不同沈下も見られる場合に、売主業者の瑕疵担保責任及び不法行為責任、建築士の不法行為責任が認められた事例 |
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1228 | H15.3.28 | 神戸地裁 |
居酒屋営業を目的として店舗賃貸借契約を締結したが、その後貸主より臭気が出るものの営業を禁止する特約があったと主張され契約の解除をせざるを得なくなった賃借人が、賃貸人に対し、当該特約が契約書に未記載であり、かつ、契約締結後未記載の特約をもって過大な要求を行ったことは、賃貸借契約に基づく目的物を使用収益させる義務を怠ったものであるとして、賃貸借契約上の債務不履行に基づく損害賠償を請求した事案においてその請求が一部容認された事例 |
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1229 | H15.3.28 | 福岡高裁 |
代理人が本人名義の不動産を勝手に自己名義にしたうえ、これを第三者に売却した場合に、民法110条(権限外の行為の表見代理)を類推適用することができるとされた事例 |
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1230 | H15.3.27 | 高松高裁 |
土地建物の買主が、その購入したことを主張して建物退去土地明渡し等を求めたのに対し、売主は、売買契約の成立を否定し、仮に売買契約が成立していたとしても、公序良俗違反により無効であり、又は脅迫により取り消し得ると主張し、売主が所有権移転登記の抹消登記手続を求めた事案において、公序良俗違反の主張が認められた事例 |
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1231 | H15.3.25 | 東京高裁 |
主たる建物につき登記された根抵当権の効果は従物たる付属建物に及び、抵当権登記後に付属建物が独立の不動産として第三取得者への所有権移転登記がなされても、競売手続による買受人は付属建物の所有権取得を第三取得者に対抗できるとされた事例 |
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1232 | H15.3.25 | 東京地裁 |
小口化投資商品の売主が破綻した場合において、売主の詐欺による不法行為責任が認められた一方、提携ローンの金融機関の不法行為責任が否定され、売主の債務不履行を理由として口一ン債務の履行を拒否する抗弁権の接続は認められないとされた事例 |
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1233 | H15.2.27 | 東京高裁 |
憲法の規定ないし現行の都市計画法の規定は、特定の個人に景観を侵害する行為の排除を求めるべき地位を認めたものと解することはできないとされた事例 |
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1234 | H15.2.20 | 東京地裁 |
基本賃料及び歩合賃料から構成される賃料のうち、基本賃料について減額請求権を行使し、その額の確認を求めて提訴した事案において、賃料額が固定されている基本賃料部分についてのみ減額する契約条件の変更を求めることは借地借家法32条の趣旨に反しないとし、賃料全体の適正賃料を算定し、これを基本賃料と歩合賃料とに配分して求めた基本賃料の額を減額請求権行使後の適正な基本賃料の額であるとした事例 |
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1235 | H15.2.19 | 東京地裁 |
賃貸人から賃貸用建物の管理を委託されていた会社に賃料を支払っていた賃借人が、賃貸人から直接に賃料の支払を求められた場合に債権者不確知を理由として行った弁済供託が有効とされた事例 |
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1236 | H15.2.17 | 東京地裁 |
建物に隣接する店舗に設置された排気ダクト及びエアコン室外機による騒音、熱風等によって、隣接居住者が所有権及び人格権の侵害を受けたと主張し、その撤去及び損害賠償を求めた事案において、同店舗の排気ダクト及びエアコン室外機から発する騒音・熱風のレベルは、受忍レベルを超えているとし、隣接居住者の損害賠償請求を一部認容した事例 |
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1237 | H15.2.13 | 東京高裁 |
賃借人の指定した仕様で賃貸人が建築した建物の賃貸借(オーダーメイド賃貸)において、賃料の減額を制限する約定が、当該建物の汎用性が限定されていることを考慮すれば、借地借家法32条の趣旨に反することになるものではない等として、その効力を認容した事例 |
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1238 | H15.2.13 | 福岡高裁 |
一団地に存する完成マンションの所有者と、工事中のマンションの所有者との聞で、工事中マンションの敷地部分に関して、区分所有法第65条所定の団地関係が成立していないとされた事例 |
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1239 | H15.2.5 | 名古屋高裁 |
建築条件付土地売買契約において、買主が建物請負契約不成立による、契約解除及び手付金の返還を求めたのに対し、売主が、建物請負契約不成立の場合における白紙解除の約定は売買契約書にないとしてこれを争った事案において、「請負契約が不成立となった場合、売買契約は白紙解除とされる」旨の売主広告文言が特約として有効と認められ、買主の契約解除による手付金の返還請求が認められた事例 |
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1240 | H15.1.30 | 東京地裁 |
マンション管理組合の理事長が管理組合の余剰金を理事長名義で銀行に預け入れ、理事長が交替した後、管理組合がその解約を銀行に求めたが、管理組合は適法に成立していないので預金債権は管理組合に帰属しないなどとして支払を拒まれた事案において、管理組合が適法に設立されたと認定して、管理組合の預金返還請求を容認した事例 |
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1241 | H15.1.29 | 東京高裁 |
競売手続で土地を取得した買受人が、競売手続における評価人の評価は当該土地についての公法上の規制が存することを看過したものであるとして、配当を受けた債権者に対して、代金の一部の返還を求めた事案において、その減額請求が認められた事例 |
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1242 | H15.1.29 | 東京地裁 |
不動産売買契約の特約における、長期譲渡所得の課税の軽減措置を受けるための協力義務違反により、売主が買主業者より賠償金を受領したところ、当該賠償金が税法上一時所得に当たるとして課税されたことから、売主が買主に対し当該課税相当額、弁護士費用等の損害賠償を請求した事案につき、課税相当額については請求が認容され、弁護士費用等については請求が棄却された事例 |
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1243 | H15.1.29 | 東京地裁 |
XがYの承諾を得てY所有地に無償でY所有既存建物に接して建物を建築したところ、YがXに無断で両建物を取り壊し売却したことから、XがYに対し損害賠償を請求した事案において、Xの新築建物はY建物に附合したとして、Xに無断の取り壊しは不法行為にあたらないとされたが、民法248条の適用による建物附合後に取壊したX建物についての建築費相当額の償金請求が認められた事例 |
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1244 | H15.1.27 | 東京地裁 |
賃貸人からビルの一室を賃借して「婦人服販売店」を経営していた賃借人が、後に別の賃借人が同ビルの地下1階を賃借して「飲食店」の経営を始め、悪臭を発生させたことにより、営業上の損害を被ったとして、賃貸人に対して、債務不履行による損害賠償請求をした事案において、その損害賠償請求を容認した一方、賃貸人の未払賃料債権による相殺を認めた事例 |
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1245 | H15.1.21 | 東京地裁 |
自宅隣接地に建築予定の分譲マンションの高さ制限等を内容とする裁判上の和解に違反して建物が建築された場合において、和解成立後に同建物を買い受けた区分所有者等に対する損害賠償請求の一部が容認された事例 |
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1246 | H15.1.15 | 岡山地裁 |
売主及び買主(以下「売主ら」という。)からそれぞれ不動産の売却及び購入の媒介を依頼された業者が、媒介業務に着手したにもかかわらず、売主らが共謀して業者に対する媒介手数料を免れる目的で直接売買を成立させたとして、売主らに対し、民法130条(条件成就妨害による効果)及び共同不法行為(報酬請求権の侵害)を主張し、媒介手数料相当額の支払を求めた事案において、売主らに連帯して、建設省告示の媒介手数料限度額の約8割の額の支払を認容した事例 |
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1247 | H15.1.15 | 横浜地裁 |
市の建築主事が建設会社に対して行った共同住宅の建築確認処分について、近隣住民らが高さ制限違反、容積率違反等を理由として、建築主事に取消しと国家賠償法に基づく損害賠償を市に求めた事案において、建築確認は、法的効果を付与されているにすぎず、当該工事が完了した場合においては、建築確認処分の取消しを求める訴えの利益は失われたとして却下され、本件処分には違法がないとして、損害賠償請求が棄却された事例 |
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1248 | H15.1.14 | さいたま地裁 |
宅建業者の従業員が外国人顧客の肌の色を質問したことが、外国人の人格的利益を毀損するものとして業者及び従業員の不法行為責任が認められ、宅地建物取引業法に基づく指導監督権限の不行使を理由とする県の損害賠償責任は否定された事例 |
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1249 | H15.1.14 | 東大阪簡裁 |
賃貸借契約終了時の敷金精算において、賃貸人が特約に基づき原状回復費用を請求したのに対し、賃借人の経年変化を考慮した額を負担する旨の主張が認められた事例 |
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1250 | H14.12.27 | 東京地裁 |
建物の賃貸人が、民法613条1項に基づき、当該建物の転借人に対して賃料の支払を求めたのに対し、転借人は賃貸人と転貸人のいずれに賃料を支払ってよいか分からないとして、債権者不確知を理由とする弁済供託をした事案において、その弁済供託が有効とされ、また、転借人は未払賃料債務を残して退去したが、敷金から未払賃料を差し引きすることが認容された事例 |
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1251 | H14.12.25 | 東京地裁 |
整理回収機構が取得した根抵当権につき、抵当債務者から抵当債権者あてに振り出された手形が貸付金の見返りとして振り出されたものと認めることができず、被担保債権の実体がないとして、根抵当権の抹消登記手続請求が認められた事例 |
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1252 | H14.12.20 | 東京地裁 |
公団住宅の排水管逆流による漏水事故を起こした上階住人に対して、プロカメラマンである下階住人が損害賠償を請求した事案について、撮影したフィルムが使用不能となったり、耐用年数が短縮されたりしたことについての経済的損害は不明としながらも、フィルム自体をプロカメラマンの作品と認め作品に対する愛着は人格権の一部として法的保護に値するとして、フィルムの使用不能や耐用年数の短縮について精神的損害を認めた事例 |
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1253 | H14.12.5 | 東京地裁 |
スポーツセンターの建物の貸主に更生手続開始決定がされ、更生会社になった場合に、賃借人が差し入れていた敷金の返還請求権について、更生管財人が、会社更生法上の更生債権(更生手続に参加し、更生計画の定めに従って分配等を受ける権利)とし、共益債権(更生手続において関係人の共同の利益のためのものとして、更生債権及び更生担保権に先立って優先的に弁済を受ける権利)であると認めなかったため、借主が共益債権であることの確認を求めた裁判で、請求が棄却された事例 |
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1254 | H14.11.29 | 神戸地裁 |
建物の基礎部分の設計上の瑕疵及び2X4工法に関する施工上の瑕疵と建物の不同沈下による被害との聞に相当因果関係が存在するとして、工事請負業者に対する損害賠償請求が認められた事例 |
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1255 | H14.11.25 | 東京地裁 |
業務用賃貸ビルの共有持分権者(持分4分の1)が、他の持分権者(持分4分の3)と賃借人との間で直接締結した賃貸借契約は、同人(4分の1の持分権者)の同意を得ていないので無効であると主張して、賃借人に対して賃料相当損害金の支払を求めた事案において、共有持分権の過半数によって決することが不相当とはいえない事情がある場合は、建物の共有持分権の過半数によって締結された賃貸借契約は有効であるとされた事例 |
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1256 | H14.11.18 | 東京高裁 |
第一種低層住居専用地域における日照被害が社会生活上の受忍限度を超えているものの逸脱の程度が著しいとはいえないとして、損害賠償は認められたが、建物の一部撤去請求は認められなかった事例 |
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1257 | H14.11.15 | 大阪高裁 |
住宅地に開業した焼き鳥店の臭気が、社会共同生活上の受忍限度を超えるとして、近隣住民が、焼き鳥店に対し、臭気の差止め及び損害賠償を求めて提訴した事案において、当該臭気は神戸市悪臭防止暫定指導細目の基準値を超えているものの、社会共同生活上の受忍限度を超えるものではないとして、請求が棄却された事例 |
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1258 | H14.11.8 | 東京高裁 |
同一所有者に属する2戸の区分所有建物から構成される一棟の建物(1階と2階の階層型)と敷地に共同抵当を有していた者が、2階部分の区分所有建物のみを対象として不動産保存の先取特権者により申し立てられた競売における売却許可決定に対し執行抗告を申し立てた事案において、当該区分所有建物の存在のために必要な法定地上権の成立を前提に最低売却価格の決定がされていないのは、手続に重大な誤りがあるとして当該売却許可決定が取り消された事例 |
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1259 | H14.11.7 | 東京高裁 |
商業ビルの店舗及び倉庫の競落人が、その賃借人の差し入れた敷金及び保証金には、競売の最低売却価額を定めるにあたり減価された金額を超える部分について、返還債務を負担しないことの確認を求めた事案において、競落人が返還債務を承継するのは、被担保債権として予定されていた本来の敷金の性格を有する範囲であるとされた事例 |
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1260 | H14.10.29 | 福岡地裁 |
購入した立体駐車場で発生した死亡事故につき、装置の作動中の人身事故発生の危険性、その回避措置等に関する売主の説明義務違反を理由とする損害賠償請求が認められた事例 |
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1261 | H14.10.25 | 最高裁 |
民事訴訟法第113条の類推適用により、競売開始決定の公示送達による送達が、被担保債権の時効中断事由である差押えの通知としての効力を有するとされた事例 |
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1262 | H14.10.23 | 東京高裁 |
売却依頼を受けた媒介業者が、他の宅建業者に買手の紹介を依頼したところ、その宅建業者が買主となって売主と売買契約を締結したため、媒介業者が、売主と買主業者に直接取引をされたと主張して双方に媒介報酬を求めて提訴した事案において、媒介業者を故意に排除して直接取引した事情は認められないとして、請求が棄却された事例 |
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1263 | H14.10.22 | 最高裁 |
共同抵当の不動産の価額を同時に配当する場合に、同順位の抵当権者がいる不動産があるときは、まずそれぞれの被担保債権額に応じて、同順位の抵当権者がいる不動産の価額を按分し、按分後の各不動産の価額に応じて申立人の被担保債権を割り付けるべきものとされた事例 |
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1264 | H14.10.22 | 東京高裁 |
商業ビル敷地の地代について、賃借人が土地の市場価格の下落や公租公課の減少を理由に減額請求権を行使し、その額の確認を求めた事案において、土地の継続地代は、土地の市場価格の下落や公租公課の額が減少したということだけでは、直ちに減額されるべきではなく、地上建物の賃料収入をもとに土地残余法などによって算出される地代の額と現在の地代の額とを比較検討すべきであるとして、賃借人の請求を棄却した事例 |
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1265 | H14.10.16 | 大阪高裁 |
建物の建築計画の際に、建築基準法42条2項の規定に基づき告示により一括指定方法でされた2項道路であるとされた道路について、法施行日当時において指定要件を満たしていないことが確認された事例 |
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1266 | H14.10.15 | 最高裁 |
造成地内の土地所有者が、当該土地の前面から公設の上下水道管に至る給排水施設を設置した者に対し、当該施設の使用許諾を求めた事案において、民法220条及び221条の類推適用により、その請求が認められた事例 |
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1267 | H14.9.30 | 東京高裁 |
事務所区分所有者の一部共用部分たるラウンジに、店舗部分も含むエレベーター停止階を案内する看板等を設置する行為が、事務所区分所有者の区分所有権又は一部共用部分の共有持分権の侵害ないし管理者の善管注意義務違反にあたらないとされた事例 |
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1268 | H14.9.27 | 東京簡裁 |
賃貸借契約の敷金精算について、ペット飼育に起因する室内消毒費用を賃借人負担とする特約が有効であると認められ、実質的に消毒効果が代替される室内クリーニング費用全額が賃借人負担とされた事例 |
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1269 | H14.9.27 | 松山地裁 |
建築士が、設計者や工事監理者の名義を貸したに過ぎない場合でも、建築主以外の第三者が不測の損害を受けるおそれがあることを予見できる場合には、名義貸しをしてはならないか、少なくとも事後的に名義貸し状態を是正する注意義務があるとされた事例 |
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1270 | H14.9.27 | 東京地裁 |
分譲マンション建築目的で購入した土地の地中より、マンション建築を妨げるコンクリート基礎やオイルタンクの残骸等及び環境基準に抵触しないものの現場全体でオイル類に汚染された土壌が発見されたことは瑕疵であるとして、買主の売主に対する瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求が認められた事例 |
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1271 | H14.9.24 | 最高裁 |
建物の建築請負工事に基づいて建築された建物に重大な瑕疵があるために、これを建替えざるを得ないとして、請負人に対して建物の建替えに要する費用相当額の損害賠償を命じた事例 |
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1272 | H14.9.19 | 東京高裁 |
賃貸建物が差押さえられた後、賃借人が、敷金を増額するとして賃貸人に金銭を支払った事実があり、かつ、賃貸建物の競売における買受人に対してその賃借権を対抗できる場合でも、敷金増額の合理的な理由がないときは、賃借人が支払った金額は、敷金に名を借りた貸金その他の金銭であると認められ、敷金として買受人に承継されないとされた事例 |
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1273 | H14.9.12 | 最高裁 |
サブリース契約における賃貸借予約契約において、賃貸借条件に関する協議条項が置かれている場合に、賃借人の賃料減額の申入れが、当該条項に基づく協議の申入れであって、借地借家法第32条に基づく賃料減額請求権の行使とは認められないとされた事例(控訴審 H13.3.28 東京高裁 RETIO52-80) |
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1274 | H14.9.12 | 最高裁 |
借入金を所定の期日までに返済しない場合には債務者所有の土地を債権者名義に変更し、第三者に売り渡すことを承諾する旨の契約が譲渡担保契約であるとされた事例 |
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1275 | H14.9.5 | 東京高裁 |
囲繞地通行権の行使として、通行を妨げる物件の除去を含め、袋地所有者の承諾なしに通路を開設することができるが、袋地所有者に対する妨害排除請求はできないとされた事例 |
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1276 | H14.8.29 | 横浜地裁 |
安保条約・地位協定に基づき米国軍隊に提供するために国を賃借人として締結された土地賃貸借契約は、「国が米軍から施設の返還を受ける日まで」という不確定期限が付されたものであるとされた事例 |
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1277 | H14.8.28 | 東京高裁 |
元区分所有者が管理組合役員の責任を追及するため会計帳簿等の閲覧を請求した場合において、管理規約上会計帳簿等の閲覧が認められる「組合員又は利害関係人」に当たらないとされた事例 |
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1278 | H14.8.26 | 東京地裁 |
賃貸人から賃貸用ビルの7階部分を事務所として賃借していた貸借人が、ピッキング被害で損害を被ったため、賃貸人に対して管理義務違反を理由に債務不履行に基づく損害賠償を請求した事案において、賃貸人には賃貸した本件事務所をピッキングに遭いにくい鍵に交換する等の被害防止策を講じる等の義務までは負っておらず、特約のある場合等を除き、防犯の責任は、賃借人自らこれを行うべきであるとして、損害賠償請求を棄却した事例 |
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1279 | H14.7.16 | 東京地裁 |
サブリースとしての大規模共有建物の長期間の賃貸借契約において、賃貸人・賃借人間の合意によって賃料を減額する場合は、賃貸人である共有者の持分の過半数を有する者と賃借人の合意のみでは足りず、賃貸人である共有者全員の同意を得る必要があるものとした事例 |
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1280 | H14.7.9 | 東京簡裁 |
賃貸借契約終了時の敷金精算において、賃借人の過失による原状回復費用については、経年変化を考慮し設備等の残存価額をもとに算定された額が賃借人の負担とされ、退去時の賃借人の不十分な清掃に起因する清掃業者による清掃費用は全額が賃借人負担とされた事例 |
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1281 | H14.7.5 | 名古屋地裁 |
古くから商業地域内に居住していた住民が、自宅の南側に高層マンションが建設されることに抗議して、同マンションの建設販売会社等が出展している集合住宅展示場の周辺道路で、建設反対のプラカードを掲げ、ビラを配布した等のため、当該会社が、名誉を毀損されたとして、その行為を禁止する旨の仮処分命令を求め、住民側が表現の自由等を根拠に争った事案において、住民側の行った表現行為は違法性を帯びるとはいえないとし、仮処分の申請が却下された事例 |
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1282 | H14.7.3 | 大阪高裁 |
土地所有者が建替えに必要な建築確認の申請後、近隣住民らと景観等の紛争で請願が提出されたとはいえ、確認処分まで約3か月間も要したことは違法であるとして、Y市に対して国家賠償法に基づき慰謝料等の損害賠償を請求した事案において、一審ではその請求が認容され、Y市が確認処分までの期間には正当な理由があるとして控訴したが棄却された事例 |
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1283 | H14.6.24 | 東京地裁 |
①管理費等の負担に関し、マンションの敷地の一部を所有する区分所有者を優遇する規約の定めを有効とし、②共用部分の使用料相当額の返還請求権は管理組合ではなく、各区分所有者に分割して帰属するとされた事例 |
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1284 | H14.6.21 | 大阪高裁 |
区分所有法第61条第71頁に基づく買取請求権が行使された場合の「時価」は、請求権が行使された時点の損壊した状態のままでの建物及び敷地に関する権利の価格であるとされた事例 |
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1285 | H14.6.17 | 東京地裁 |
建物の強度不足及び耐火性能の欠如につき、売主業者の瑕疵担保責任に加え、建築業者が、建築した建物が他に販売されることを知りながら、注文者の注文により敢えて建築基準関係法令に違反する建物を建築した場合には、当該建物の購入者に対する不法行為責任を負うとされた事例 |
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1286 | H14.6.14 | 神戸地裁 |
賃貸人と賃借人との間の建物賃貸借契約におけるいわゆる敷引約定に関し、賃借人が契約時に、敷引金の使途及び性質について説明がなく、契約書にも記載がないから敷引約定は不合理で無効であるとして敷金の返還請求をした事案について、賃貸人が、敷引金の他に修繕費用として敷金から控除した金額の1部について返還を認めたが、いわゆる敷引約定は金額が著しく高額で暴利行為などの特段の理由がない限り合意は有効であるとした事例 |
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1287 | H14.6.10 | 最高裁 |
特定の遺産を「相続させる」旨の遺言により特定の不動産を取得した者は、登記なしに、その取得を、他の相続人及び他の相続人から当該不動産に関する権利の移転・設定を受けた第三者に対抗できるとされた事例 |
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1288 | H14.6.7 | 東京高裁 |
建築基準法第3条第2項の「現に建築、修繕若しくは模様替の工事中の建築物」に該当するためには、建築物の実現を直接の目的とする工事が開始され、建築主の建築意思が外部から客観的に認識できる状態に達しており、かつ、その工事が継続して実施されていることを要し、「建築物」自体が存在することは要しないとされた事例 |
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1289 | H14.5.31 | 神戸地裁 |
マンションの居室を購入した買主が、上階の居住者のトイレの給排水音、放尿音等の生活騒音が聞こえるため、住居として使用するに耐えられないとして、債務不履行又は売買の瑕疵担保責任に基づく解除ないしは錯誤無効を理由に、売主に対し、既払いの売買代金相当の金員等の返還を求めた事案において、本件建物に(隠れた)瑕疵があるとすることはできないとして、買主の主張を否定した事例 |
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1290 | H14.5.16 | 大阪高裁 |
長期間にわたり多額の管理費等を滞納しているテナントビルの区分所有者に対して、管理費等の滞納が区分所有者の共同の利益に反する行為であるとして、区分所有建物の管理者が、区分所有法58条による当該区分所有者の専有部分の使用禁止の訴えを提起した事案において、管理費等の滞納を理由とする専有部分の使用禁止請求は認められないとして、請求が棄却された事例 |
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1291 | H14.4.24 | 東京地裁 |
ビルの2階の居住者が1階店舗の冷暖房設備の室外機の騒音等により、精神的損害を被ったとして、店舗の所有者・賃貸人に対して損害賠償(慰謝料)を、店舗を営業する賃借人に対しては、さらに騒音の差止め、室外機の移設等を求めた事案において、所有者らには、共同不法行為責任に基づき、連帯して被害について賠償する責任があると認定した事例 |
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1292 | H14.4.22 | 東京地裁 |
競売により建物を取得した者が、執行裁判所の引渡命令を経ずに、建物内に残地されていた前所有者の動産類を廃棄したことが不法行為にあたるとされた事例 |
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1293 | H14.4.17 | 大阪高裁 |
建物賃貸借に伴い貸借人から賃貸人に支払われた保証金について、国が、賃借人の滞納した物品税を徴収するために貸借人が有する本件保証金返還請求権を差押え、賃貸人に対し保証金返還の本訴請求に及んだところ、賃貸人からは本件保証金は敷金としての性質を有するものとして賃貸借契約の解約に伴い貸借人の債務に充当されると主張した事案について、本件保証金は敷金としての性質を有するものとは認められないと判示した事例 |
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1294 | H14.3.29 | 東京高裁 |
土地区画整理事業の施行区域内の土地の売買について、事業計画決定の告示前の段階では、媒介業者は買主に対し、購入する不動産につき、換地が行われ、曳家が必要となる可能性があることを告げれば、足りるとされた事例 |
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1295 | H14.3.29 | 東京高裁 |
競売申立てに先立つ抵当不動産の第三取得者への通知は、不動産登記簿上の住所に送達すれば足り、第三取得者に現に到達することを要しないとされた事例 |
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1296 | H14.3.28 | 最高裁 |
抵当不動産について敷金の授受された賃貸借(転貸借)契約が締結されていたが、抵当権者が物上代位権を行使して転貸賃料債権を差押え、取立権に基づき転借人に対しその支払を求めた事案において、当該転貸借契約が終了して目的物が明け渡された後は、賃料債権は敷金の充当によりその限度で消滅するとして、請求が棄却された事例 |
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1297 | H14.3.28 | 最高裁 |
転貸により収益を得ることを目的として締結された事業用ビルの賃貸借契約が、賃借人の更新拒絶により終了しても、賃貸人が再転借人に対し信義則上その終了を対抗することができないとされた事例 |
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1298 | H14.3.20 | 東京高裁 |
課税の前提となる取引類型の選択は納税義務者に委ねられており、売買による収入として課税申告がなされた場合には、特段の事情がある場合を除き、法律上の根拠がなければ、その収入を交換による収入にあたるとして更正処分することはできないとされた事例 |
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1299 | H14.3.14 | 前橋地裁 |
建物所有目的の土地が、市道新設用地として買収され、代替地として買い受けた土地上に木造建物を新築した買主が、その後当該土地の不同沈下を発見したため、市に対して、地盤補修工事費用及び慰謝料を請求した事案において、市は事前地質調査を十分に行い、その結果を買主に説明すべき信義則上の義務を尽くさなかったとしてその請求が認められた事例 |
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1300 | H14.3.13 | 東京高裁 |
建物の賃借を希望した者が媒介業者との間で賃貸借の交渉を行ったが、建物賃貸借契約の締結に至らなかったことから損害賠償を求めた事案において、突然交渉を一方的に打ち切った貸主に契約締結上の過失があるとして損害賠償請求が認められた事例 |
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1301 | H14.3.12 | 最高裁 |
抵当権の物上代位の目的となる債権に対する転付命令は、これが第三債務者に送達される時までに抵当権者により当該債権の差押えがされなかったときは、その効力を妨げられないとした事例 |
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1302 | H14.2.5 | 東京高裁 |
マンションの建築を請け負った業者が、建築したマンションの一部の室を、建築代金の支払を担保するために、施主から鍵の交付を受けて留置していたところ、当該各室の3本の鍵のうち各1本を、施主に交付したため、施主から販売代理権を与えられた業者が各室を一般の顧客に販売し、その顧客らが各室の占有を取得した場合、建築業者は、信義則上、当該顧客に対して占有回収の請求をすることは許されないとされた事例 |
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1303 | H14.1.30 | 東京地裁 |
不動産投資商品につき、信託法の原則に反し、委託者からの信託契約解除を制限する規定が置かれることも含め、契約のリスク面の説明を十分に行わなかったとして、売主の不法行為責任が認められた事例 |
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1304 | H14.1.28 | 東京高裁 |
建築物本体と一体となるからぼりを有する建築物の地盤面は、建築物本体及び建築物に設置されたからぼりの周壁の外側の部分が周辺の地面と接する位置を基準として設定されるべきものであり、築基準法第52条第2項所定の容積率不算入措置は地下室マンションにも適用があるとされた事例 |
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1305 | H14.1.22 | 最高裁 |
差押えの登記前に登記された先取特権者の優先弁済権は、不動産工事により生じた増価額が、不動産競売手続における評価人の評価又は最低売却価額に反映されているか否かにより影響を受けるものでないとされた事例 |
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1306 | H14.1.17 | 最高裁 |
建物の建築計画の際に、建築主事から接面道路が建築基準法42条2項道路として指定されているとされ、道路内建築制限等を受けることとなるため、その指定について無効確認の請求をした裁判において、告示により一括して指定される方法でされた2項道路の指定も抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるとした事例 |
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1307 | H14.1.16 | 東京高裁 |
売りの専任媒介を依頼された宅建業者が、結局自らが買主となって媒介すべき売買価額の7割強程度の価額で売買契約を締結したところ、後に売主から詐欺を理由に引渡しを拒絶されたため、違約金の支払を求めて提訴した事案において、買い希望の情報を秘しつつ同種物件の競売価格以上では売れない等の説明をした事情のもとでは、詐欺を理由に売主から売買契約が取り消しできるとされた事例 |
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1308 | H14.1.10 | 千葉地裁 |
環境の良い所に転居したいとして媒介を依頼し、建売住宅を購入したところ、転居後間もなく、間近に高さ5mの擁壁が建築されたため、精神的圧迫を免れるために自宅の改造を余儀なくされた等として、売主業者及び媒介業者に対して損害賠償が請求された事案において、媒介業者に対して説明義務を尽くしていないとして損害賠償が命じられた事例 |
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1309 | H13.12.26 | 東京高裁 |
建設中の建物に設置された窓により、室内及び庭が観望されプライバシーが侵害されるとして、設置された境界フェンスにつき、その大きさが巨大なため、受忍限度の範囲を超える通風・採光等の被害があると認定して、設置者に対する境界フェンスの一部撤去と不法行為に基づく慰謝料の支払請求を認めた事例 |
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1310 | H13.12.26 | 東京高裁 |
土地付建売住宅の売買契約において、軟弱地盤に由来する地盤沈下が「隠れた瑕疵」にあたるとされるとともに、買主が売買契約を締結するか否かを決定づける重要な事実を媒介業者が説明しなかったことは、告知、説明義務違反にあたるとされた事例 |
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1311 | H13.12.21 | 東京地裁 |
競売手続において、評価人が、競売の対象でない敷地権を競売の対象に含まれると誤認して評価書を作成し、執行裁判所もその評価に基づいて最低売却価格を決定したために、買請人が、本来支払う必要のない費用を支払うことを余儀なくされたとして、国に対して損害賠償を求めた事案において、執行裁判所自らその処分を是正する特別の事情がある場合に該当しないとして損害賠償請求を否認した事例 |
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1312 | H13.12.20 | 大阪地裁 |
抵当権者が物上代位権に基づき抵当不動産の賃料債権の差押えをした後は、抵当不動産の賃借人が、抵当権設定登記後に賃貸人に対して取得した債権が敷金返還請求権であっても、賃料債権に対する抵当権の物上代位と賃借人の相殺の優劣は、抵当権設定登記と賃借人の自働債権取得時期の先後によって決するとして、賃借人の相殺を認容しなかった事例 |
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1313 | H13.12.19 | 東京高裁 |
旧住・都公団の値下げ販売について、旧住・都公団の業務が民間による分譲住宅供給を主体とする市場で行われること及び当時の不動産市況に照らし、買主の期待権侵害、信義則上の義務違反にあたらないとされた事例(原審 H12.8.30 東京地裁 RETIO48-84) |
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1314 | H13.12.19 | 東京地裁 |
不動産の買主が、売買契約上の違約金請求権につき弁済業務保証金から弁済を受けるための認証の申出をした場合、当該違約金請求権の債務者(売主)による時効の援用がなくても、宅地建物取引業保証協会は、消滅時効を援用して認証を拒否できるとした事例 |
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1315 | H13.11.30 | 大阪地裁 |
高層マンションの建設により、風害が発生して被害を受けたとして、近隣住民がマンション分譲業者等に対し損害賠償を求め、これに対し分譲業者等側は予見可能性がなく、因果関係も無いとして争ったが、マンションの風害により住民の権利を侵害したとして、分譲業者等に対し、共同不法行為による損害賠償を命じた事例 |
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1316 | H13.11.29 | 東京地裁 |
借上社宅として利用されていた貸室で、貸室の利用者が自殺した場合、当該貸室は以後10年間にわたって通常よりも安い賃料でしか賃貸することができなくなったとして、借主に対して得べかりし利益の喪失分の損害賠償が請求された裁判において、賃料差額2年分の損害賠償が認められた事例 |
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1317 | H13.11.28 | 名古屋高裁 |
弁済業務保証金の還付に際し、社員と取引した相手方が申立てた対象債権の認証に過誤があり、また、社員に十分な反論の機会を与えなかったことにつき、保証協会の不法行為責任が認められた事例 |
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1318 | H13.11.27 | 最高裁 |
弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効は、過失なくして債権者を確知することができないことを原因とする弁済供託の場合を含め、供託者が免責の効果を受ける必要が消滅した時から進行するとして、賃料債務についてされた弁済供託につき、賃料債務の弁済期の翌日から民法169条(定期給付債権の短期消滅時効)所定の5年間の時効期間が経過した時、さらにそれから10年が経過することによって消滅時効が完成すると判示した事例 |
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1319 | H13.11.27 | 最高裁 |
土地のいわゆる実測売買において、測量会社の過誤により契約書に表示された面積より実際の面積が過大であったとしてなされた売主の代金増額請求が、買主に拒絶されたため、その相当額を測量会社が売主に損害賠償し、賠償金の一部は保険金により支払ったところ、保険会社が、損害賠償者及び保険者の代位により売主の代金請求権の一部を取得したとして、買主に対し支払を求めたのに対し、買主が当該代金債務不存在の確認を求めて提訴した事案において、一審は買主の請求を認め、控訴審は、逆に保険会社の請求を認めたが、上告審は、本件について民法565条の類推適用は認められない等として、原審の判決を破棄・差し戻した事例 |
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1320 | H13.11.27 | 最高裁 |
購入土地の一部について道路位置指定がなされていたことは瑕疵にあたるとして、買主が売主に対し損害賠償を請求した事案において、瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用があり、この消滅時効は買主が売買の目的物の引渡しを受けた時から進行するとして、10年経過による消滅時効により買主の請求を棄却した事例 |
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1321 | H13.11.22 | 東京高裁 |
賃借不動産につき自己の債務担保のため抵当権設定を受けた賃借人が債務不履行の状態にあるときは、他の債権者のために対象不動産につき開始された競売手続により賃借不動産を買い受けた者に賃借権を対抗できないとされた事例 |
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1322 | H13.11.22 | 最高裁 |
公簿面積を表示した売買契約により土地を購入した買主が、目的物件の実測面積が公簿面積に満たなかったとして、売主に対して売買代金の減額を求めて争った事案において、本件売買契約は、民法565条にいういわゆる数量指示売買に当たるとして、買主の減額請求を認容した事例 |
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1323 | H13.11.21 | 最高裁 |
借地上の建物を競売により取得し、借地権設定者の承諾に代わる許可を求める申立てをした借地非訟事件において、借地借家法20条1項後段の付随的裁判として、旧賃借人が交付していた敷金の額、第三者(取得者)の経済的信用、敷金に関する地域的な相場等の一切の事情を考慮した上で、事案に応じた相当な額の敷金を差し入れるべき旨を定め、第三者に対してその交付を命ずることができると判示した事例 |
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1324 | H13.11.14 | 東京地裁 |
マンションを購入した買主が、トイレの壁、押入れ等に生じた雨漏りは隠れた瑕疵にあたるとして、売主に対し瑕疵担保責任等に基づく損害賠償を求め、媒介業者に対しては媒介契約上の債務不履行等に基づく損害賠償を求めた事案において、本件漏水の原因はマンション共用部分の瑕疵によるものであり売買物件(マンション専有部分)の瑕疵に該当しない等として、売主及び媒介業者の責任を否認した事例 |
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1325 | H13.11.8 | 東京地裁 |
「南側土地に現状以上の建物は建築されない」との説明を受けマンションを購入したが、その後2階建ての建物が建築され、日照、通風等が著しく阻害されとして、買主が、売主業者、売主の販売代理業者及び建設業者に対し不法行為責任等による損害賠償を求めた事案で、買主の請求がほぼ認容された事例 |
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1326 | H13.11.7 | 大阪高裁 |
新築建売住宅の購入者が、同住宅は建築基準法に違反しているとして、売主に対して瑕疵担保責任を、建築主に不法行為責任を追及するほか、建物の施工者及び工事監理者(建築士)に対し、共同不法行為に基づく損害金の支払を求めた事案において、原審は施工者及び工事監理者の不法行為責任を否定したが、控訴審は、それぞれの不法行為責任を認容し、本件建物の建替費用等の全額について賠償を認めた事例 |
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1327 | H13.10.31 | 東京高裁 |
マンションの一室を前所有者から購入した区分所有者が前所有者が管理費及び修繕費を滞納して支払わなかった分について、マンション管理組合が建物の区分所有法等に関する法律(区分所有法)8条及び管理規約26条に基づき区分所有者にその支払を求めたが、区分所有者は管理費等の請求債権は民法169条の定期給付債権に当たり、請求する管理費等のうち弁済期から5年を経過した分は時効消滅になるとして争った事案について、管理費等の支払請求権は民法169条にいう定期給付債権に当たらないとされた事例 |
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1328 | H13.10.31 | 東京地裁 |
賃貸目的物の所有権移転に伴う賃貸人の地位の移転があった場合において、賃借人が前賃貸人に預託した保証金は、敷金と同じく賃貸借契約の発生、存続、終了に際して密接不可分に関連しており、これを離れて独立に存在しないものとして新所有者に承継されるとした事例 |
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1329 | H13.10.31 | 神戸地裁 |
区分所有法第63条第4項に基づく売渡請求権が行使された場合における「時価」とは、敷地の更地価格から建物取壊費用を控除した額をいうものとされた事例 |
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1330 | H13.10.29 | 東京地裁 |
新築店舗の契約時に賃借人が支払った保証金は、競売事件においても、全額が競落人に承継されるべきであるとの主張に対して、競落人は保証金は建設協力金と敷金との性質を併せ有するとして、月額賃料の10か月分は認めるが、それを超える部分についての承継は認めないとして「保証金返還債務の存在しないことの確認を求める。」訴えを提起し、ほぼ認容された事例 |
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1331 | H13.10.29 | 東京高裁 |
都心で大型駅ビル建設事業に参加し、所有地を提供して、建設後の建物の区分所有権を取得した者が、これを百貨店を経営する借主に賃貸する旨の合意をしたが、借主との間で賃料額の明示の合意ができず、相当賃料額の確認を求めた事案において、本件紛争は、法令の適用により終局的に解決し得べきものに当たらず、裁判所は本件訴えについて実体裁判をする権限を有しないとして訴えが却下された事例 |
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1332 | H13.10.26 | 最高裁 |
農地転用許可を停止条件とする土地売買につき、転用許可手続未了であっても、代金を支払い、引渡しを受けた時点で自主占有が開始されたものとした事例 |
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1333 | H13.10.25 | 最高裁 |
建物に抵当権を有していた銀行が、物上代位権の行使として、同建物の賃料債権を差押えたのに対し、同建物に抵当権を有していた別の銀行が、差押えの方法によらずに、物上代位権の行使として、配当要求することはできないとして差押え行使した銀行が提訴した事案において、一審は配当要求できるとして同銀行の請求を棄却したが、控訴審及び上告審では、同銀行の請求を認容し配当要求できないとした事例 |
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1334 | H13.10.23 | 東京地裁 |
不動産の知識に乏しい高齢者が、自己の唯一の財産である不動産につき、長女の債務を担保するため第一順位抵当権を設定したのち、第三者の債務を担保するため第二順位の抵当権を設定した場合に、被担保債権につき錯誤があったとして、第二順位の抵当権設定契約が無効であるとされた事例 |
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1335 | H13.10.19 | 神戸地裁 |
住宅地に開業した焼き鳥店の臭気が、社会共同生活上の受忍限度を超えるとして、近隣住民が、焼き鳥店に対し、臭気の差止め及び損害賠償を求めて提訴した事案において、住民側の請求が認められ、焼き鳥店に神戸市悪臭防止暫定指導細目の基準値を超える臭気の差止めと損害賠償を命じた事例 |
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1336 | H13.10.18 | 東京地裁 |
不動産業者が、宅地造成開発業者の下請け業者の依頼により開発予定地内の土地を買収した場合で、その土地の買収が開発業者のためと認めることができるときは、不動産業者は、開発業者に対して商法512条(報酬請求権)に基づき報酬を請求することができるとした事例 |
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1337 | H13.9.5 | 大阪地裁 |
長期間にわたり多額の管理費等を滞納しているテナントビルの区分所有者に対して、管理費等の滞納が区分所有者の共同の利益に反する行為であるとして、区分所有建物の管理者が、区分所有法58条による当該区分所有者の専有部分の使用禁止と滞納管理費等の支払の訴えを提起した事案において、管理費等の滞納も、区分所有法58条の対象になるとして、当該区分所有者に対して、2年間の専有部分の使用禁止と滞納管理費等の支払を命じた事例 |
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1338 | H13.8.20 | 京都地裁 |
建売住宅が構造耐力及び防火性に関する建築基準法所定の最低限度の基準を満たさない場合に、売主、媒介業者、建築主は共同不法行為責任を負うが、買主が建売住宅から退去して建替えなければならない具体的な危険が生じていない場合、慰謝料の損害賠償のみが認められるとされた事例 |
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1339 | H13.8.11 | 福岡地裁 |
スポーツクラブを併設する分譲マンションの分譲業者がスポーツクラブの区分所有権を所有している場合において、その利用者用の専用駐車場使用料が住戸部分の区分所有者に比べて低廉であるとして、管理組合が分譲業者に対して有償化する旨の決議を行ったときに、当該決議が、一定の範囲内において区分所有法第31条に定める「特別の影響を及ぼすべきとき」にあたらないとされた事例 |
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1340 | H13.7.31 | 東京高裁 |
平成12年1月1日時点で抵当不動産の所有名義人であった者が、不動産競売手続により当該不動産を取得した者に対して、同年度分の固定資産税及び都市計画税相当額について不当利得返還請求をした事案において、その請求が棄却された事例 |
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1341 | H13.7.31 | 東京地裁 |
第1種低層住居専用地域と近隣商業地域にまたがって存する一団の土地のうち、第1種低層住居専用地域に属する部分の土地の一部を分筆し、近隣商業地域に属する部分が過半を占めるようにした上で、分筆後の土地上に第1種低層住居専用地域においては建築が禁止されている大規模店舗を建築しても、周辺住民の権利、利益を侵害するとはいえないとして、近隣住民の使用差止めと損害賠償の請求を棄却した事例 |
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1342 | H13.7.18 | 東京高裁 |
実質的には当事者間の金銭消費貸借契約上の債務を担保するため、代物弁済を原因として債権者への所有権移転登記が経由された場合に、仮登記担保契約に関する法律所定の手続を経なければ債権者は当該不動産の所有権を取得しないとされた事例 |
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1343 | H13.7.10 | 最高裁 |
各共同相続人は、各人の相続分の限度においてのみ、遺産分割前の相続財産の被相続人による時効取得を援用できるとされた事例 |
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1344 | H13.6.29 | 東京地裁 |
専任媒介契約の有効期間満了後2年以内に、買主が、当初の媒介業者を排除して売買契約を締結したため、当該媒介業者が、専任媒介契約の直接取引を禁止する特約に違反するとして、買主に対して約定報酬金の支払を求めた事案において、売買契約成立への寄与度を2割として約定報酬金の2割の限度で媒介報酬が認容された事例 |
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1345 | H13.6.27 | 東京地裁 |
建売住宅の買主が、購入後まもなく不等沈下により建物が傾き、居住困難になったとして、売主業者と媒介業者に対し、損害賠償を求めて争った事案において、売主業者に対しては瑕疵担保責任による契約解除に基づく売買代金の返還及び損害賠償を、媒介業者に対しては軟弱地盤についての告知義務違反を理由とする不法行為責任に基づく損害賠償を命じた事例 |
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1346 | H13.6.22 | 東京高裁 |
不動産競売手続における目的建物の買受入が、抵当権の設定登記がされた後に、期間を5年として建物賃貸借契約が締結され、その後の法定更新により期間の定めのないものとなった建物賃貸借契約に基づく賃借人に対して、引渡命令の申立てをした事案において、当該賃貸借契約は民法395条の短期賃貸借であると認めた事例 |
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1347 | H13.6.19 | 神戸地裁 |
マンションの店舗部分を区分所有者から賃借した者が、居酒屋を営業し、管理規約に反した厨房用換気ダクト、造作・看板等を設置するとともに、深夜まで営業を行ったため、区分所有者共同の利益に反するとし、管理組合からのダクト、造作・看板等の撤去、深夜の営業禁止の請求等が容認された事例 |
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1348 | H13.6.7 | 東京高裁 |
隣地の4階建てのマンションの建築により、古都鎌倉の景観、眺望が侵害されたとする損害賠償請求が、景観を破壊、侵害したものでなく、また眺望利益についても受忍限度内のものであるとして、棄却された事例 |
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1349 | H13.5.30 | 東京地裁 |
土地の賃貸借契約期間満了に際して、借地の一部分が更地になっていることを理由に、当該部分の更新拒絶をした土地所有者に対して、借主が土地が一体となって契約されていること及び土地所有者の妨害により更地になったことを理由として明渡しを拒んだ事案において、当該部分の契約更新を拒絶する特段の事情があり、土地所有者側の妨害もなかったとして、明渡しが命じられた事例 |
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1350 | H13.5.29 | 神戸地裁 |
購入した土地建物の前面にゴミステーションが設置されていたことが、隠れたる瑕疵に当たる等と主張して、買主が売主に対し、瑕疵担保責任等に基づく損害賠償を、また、媒介業者に対し、告知義務違反等による損害賠償を求めた事案において、本件ゴミステーションは瑕疵には当たらず、また、媒介業者に告知義務違反等はないとして、買主の請求を棄却した事例 |
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1351 | H13.5.28 | 札幌地裁 |
道住宅供給公社には後発購入者に対して値下げ、販売を行わないという信義則上の義務はないが、マンションの居住環境形成の特質にかんがみ、暴力団関係者や不法入居者への販売を回避するための方策を講ずる付随的義務があるとされた事例 |
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1352 | H13.5.10 | 東京地裁 |
自称土地所有者から土地を購入する契約を締結した買主宅建業者が、所有権移転登記申請手続を委任した司法書士に対し、登記済証の偽造等を看過したため代金を騙し取られたとして損害賠償を請求した事案において、司法書士に債務不履行責任として損害額の4割(過失相殺6割)の金額の支払が命じられた事例 |
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1353 | H13.4.18 | 東京高裁 |
貸主と借主の家族との間に、貸主と借主本人の間と同様の特別な人間関係が認められる場合には、借主の家族は、借主の死亡により、借主の使用貸借契約上の地位を承継するものとされた事例 |
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1354 | H13.4.13 | 最高裁 |
不動産競売において、抵当権の不存在又は消滅を理由として亮却許可決定に対する執行抗告をすることはできないとされた事例 |
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1355 | H13.3.29 | 名古屋高裁 |
契約の履行に着手するまで又は所定期日までは手付解除できる旨の特約条項に基づいて買主が手付解除の意思表示をしたところ、売主は契約の履行に着手(農地転用の届出)していることを理由に手付解除は認められないとして、買主に対して違約金の支払を求めて提訴した事案において、原審は売主の請求を認容したが、控訴審は、当該特約を履行の着手後も所定期日までは手付解除できる旨の特約であり、買主の手付解除は有効であるとして、原判決を取消して売主の請求を棄却した事例 |
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1356 | H13.3.28 | 東京高裁 |
サブリース契約において、将来の本契約を予定した予約契約に基づいて賃借人(サブリース事業者)が、賃料等改定条項又は借地借家法32条1項に基づき賃料減額請求権を行使したとして、その賃料確認を求めた事案において、賃借人のいう賃料減額請求は、賃料改定の協議申入れに過ぎず、形成権の行使としての賃料減額請求の効果は認められないとされた事例 |
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1357 | H13.3.22 | 東京地裁 |
旧住・都公団が分譲住宅の後発購入者に対する値下げ販売を行ったことが、旧住・都公団法等の法令に違反せず、先行購入者の資産価値を毀損せず、先行購入者との関係で信義則違反にもあたらないとされた事例 |
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1358 | H13.3.13 | 最高裁 |
抵当権者が物上代位により抵当不動産の賃料債権の差押えをした後は、抵当不動産の賃借人が、抵当権設定登記後に賃貸人(債務者)に対して取得した債権を反対債権として賃料債権と相殺しても、それを抵当権者に対抗することはできないとして、抵当権者の物上代位に基づく賃料債権の取立てが認容された事例 |
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1359 | H13.3.7 | 東京地裁 |
商業ビルのフロアの賃貸借契約で、賃料の自動増額特約がある場合において、その条項が当事者双方の訴訟代理人が関与の訴訟上の和解で合意されたものであっても、約定賃料と適正賃料との乖離が24%になる時点では、特約をそのまま順守させることが著しく不合理な結果となるとした事例 |
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1360 | H13.3.6 | 東京地裁 |
賃貸建物の土地の利用権が一時使用の賃借権である事実を十分説明せず、建物賃貸借契約を仲介した宅地建物取引業者に、土地の一時使用終了により立ち退かざるを得なくなった賃借人の損害につき、委任契約の債務不履行を理由による損害賠償を命じた事例 |
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1361 | H13.2.27 | 東京地裁 |
買主が、占有者の明渡しが未了のまま売買代金を先行決済する条件として売主との間で取り交わした「引渡遅滞について違約金を支払う旨の合意書」に基づき、売主が違約金を請求した事案において、合意書に基づく合意の一部を、暴利行為であり公序良俗違反により無効とした事例 |
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1362 | H13.2.26 | 東京地裁 |
建物賃貸借契約締結後、借主が貸主に対し賃料減額請求の調停・訴訟を提起し、訴訟上の和解が成立したが、借主が5か月後に再度貸主に賃料減額請求を求めて提訴した事案において、借主の請求は信義則に違反ないし権利濫用とされ請求を棄却された事例 |
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1363 | H13.2.22 | 最高裁 |
土地の買主が代金減額請求権を行使して、支払った代金の一部の返還を求めた事案において、民法564条所定の除斥期間の起算点である「事実ヲ知りタル時」とは、買主が売主に対し担保責任を追及し得る程度に確実な事実関係を認識した時をいうと判示された事例 |
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1364 | H13.2.14 | 大阪地裁 |
売主から土地建物を購入した買主一家が、同じ売主が所有する隣のがけ地の土砂崩れによって死亡し、買主の遺族が売主に対し損害賠償を求めて争った事案において、売主の行ったがけ地の防災工事は最低限の安全性も確保されておらず、売主は事故の発生を防止すべき注意義務を怠った過失があるとして、不法行為責任に基づく損害賠償を命じた事例 |
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1365 | H13.2.9 | 東京地裁 |
抵当権の設定された賃貸物件において、競売開始決定後に物件所有者と貸借人の間でなされた賃料減額の合意に対し、競落人が当該合意は合理性がないとして従前の賃料と減額後の賃料の差額の支払を求めて提訴した事案において、当該減額合意は、適正賃料に至るまでの部分について合理的理由があり、競落人に対抗できるとされた事例 |
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1366 | H13.2.8 | 名古屋地裁 |
マンション分譲業者が、5年後に購入者が希望すれば買戻すとの特約をして販売し、5年後に購入者が買戻しを求めたところ、業者がこれに応じず、争いになった事案において、買戻しの特約についての書面は作成されていないが、口頭による買戻しの合意があったとして、業者に買戻し代金の支払いを命じた事例 |
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1367 | H13.1.31 | 東京高裁 |
建物賃貸借契約における保証金返還請求権を目的とする第1質権の譲受人が、その後さらに質権(第2質権)を取得したとする者に対し、第1質権を有することの確認を求めた事案において、第1質権者が、質権設定者から賃貸借契約書および保証金預り証の各原本の交付を受けていないので、第1質権は成立していないとして、請求が棄却された事例 |
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1368 | H13.1.31 | 神戸地裁 |
阪神・淡路大震災により損傷したマンションの建替え決議において、決議のための区分所有者数について、複数の区分所有権を有する者を複数人として数えられて決議されており、区分所有法62条に規定する区分所有者の5分の4以上の賛成が得られていないため、建替え決議の要件を満たしていないとして、決議を無効とした事例 |
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1369 | H13.1.30 | 東京高裁 |
建設会社が、建設工事請負代金債権を担保するために抵当権を設定した建物を、建物所有者が賃貸し、さらに賃借人が転貸していたが、建物所有者が建設工事請負代金を支払わなかったため、建設会社が抵当権を実行するとともに建物の明渡し等を求めて提訴した事案において、当該賃貸借(転貸借)は抵当権侵害に当たるとして、所有者及び貸借(転借)人に対し明渡し請求等が認められた事例 |
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1370 | H13.1.30 | 東京高裁 |
固定資産税の大幅な増額があったことを理由に、賃貸用建物を所有する借地人に対し土地所有者から地代の増額が求められた事案において、固定資産税額の上昇をそのまま賃借人に転嫁することは許されないとし、借地人の賃貸収入を基礎として相当地代を算定した結果、既に合意されている地代は少額に過ぎることはないとしてその増額請求が認められなかった事例 |
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1371 | H13.1.30 | 東京高裁 |
マンションの分譲業者が、マンションに設定していた無償の専用使用権について、マンションの管理組合が、その専用使用権の一部を消滅させ、残りを有償化する決議をし、その履行を求めて提訴した事案において、専用使用権の消滅決議については棄却し、有償化決議については、社会通念上相当な額と認めることができるときは、有償化を受忍すべきとして、その使用料の額を判断した事例 |
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1372 | H13.1.29 | 東京地裁 |
中古マンションの購入者が、「雨漏り」が止まらないことから、売買契約の目的を達することができないとして、錯誤による契約の無効、瑕疵担保を理由とする売買契約の解除、併せて債務不履行ないしは不法行為による損害賠償を求めた事案において、錯誤無効及び瑕疵担保責任は認めなかったが、売主業者の調査に過失があったとして、債務不履行による損害賠償責任を認めた事例 |
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1373 | H13.1.29 | 東京地裁 |
欠陥のある住宅を購入した買主が、販売代理業者も契約の当事者であったとして、売主業者と販売代理業者とのそれぞれに売買代金の返還と損害賠償を求めて争った事案において、売主業者に対しては、瑕疵担保責任を理由とする契約の解除に基づく原状回復と損害賠償を命じ、販売代理業者に対しては、契約当事者であるとは認められないが、売買契約締結過程における関与の態様に照らすと、その販売行為は、専門業者として尽くすべき義務を怠ったものであるとして、不法行為責任に基づく損害賠償を命じた事例 |
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1374 | H13.1.29 | 福岡地裁 |
旧住宅・都市整備公団からマンションの分譲を受けた買主が、その後、マンションが売れ残り住戸を値下げ販売をしたことにより損害又は損失を被ったとして提起した損害賠償請求について、値下げ率は社会通念上見過ごし得ないほどの不当性があるとはいえない等として棄却された事例 |
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1375 | H13.1.25 | 最高裁 |
最先順位の抵当権者に対抗できる賃借権者は、その者の債務を担保する抵当権に基づく競売開始決定がなされた場合を除き、民事執行法第83条に基づく引渡命令の対象とならないとされた事例 |
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1376 | H13.1.17 | 東京地裁 |
分筆及び遺贈によって袋地となった土地に隣接する位置指定道路について、囲繞地通行権は認めなかったものの、人格権に基づき、自動車通行を含む通行権を認めるとともに、右通行権に基づく妨害排除・予防請求を認めた事例 |
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1377 | H12.12.27 | 東京高裁 |
新築のオフィスビルの賃貸借契約の終了に伴い、賃借人が、保証金から約定の償却費、未払賃料等のほか原状回復費用相当額を控除した残額の返還を求めたところ、賃貸人が、償却費、未払賃料等及び原状回復費用の合計額は保証金の額を大幅に上回るとしてその不足額の支払を求めて反訴した事案において、賃貸借契約に付された原状回復条項に基づき、賃借人には、賃借当時の状態にまで原状回復して返還する義務があるとされた事例 |
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1378 | H12.12.26 | 仙台高裁 |
司法書士には、後順位の抵当権との関係における、条件付所有権移転仮登記と担保仮登記との効力の相違につき具体的に説明するまでの義務はないとされた事例 |
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1379 | H12.12.22 | 東京高裁 |
不動産販売会社のマンション建築・分譲計画において、建築確認取得後に市の条例が改正・施行され、高さ20メートルを超える建築物の建築が禁止された事案において、根切り工事・山留め工事は、建築基準法の「現に建築の工事中」の段階に至っておらず、改正後の条例の適用を受けるとして、高さ20メートルを超える部分は建築基準法に適合しない建築物になるとした事例 |
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1380 | H12.12.20 | 東京地裁 |
長期間の賃料保証を行うだけの財務的状態になかったにもかかわらず、保証をメリットに掲げてホテル、マンションの区分所有権を販売した行為が詐欺的なものであるとして、売主の不法行為責任が認められた事例 |
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1381 | H12.12.19 | 最高裁 |
建物に抵当権を設定した者がその敷地の賃借権を有しない場合、競売による建物の買受人は、民法第94条第2項、第110条により建物の所有権を取得するときでも、敷地の賃借権自体について同法理により保護される事情等がない限り、建物の所有権とともに敷地の賃借権を取得するものではない |
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1382 | H12.12.18 | 東京地裁 |
建物賃貸借契約について、賃貸人と賃借人との間で、建物明渡し時に、賃借人が畳表の取替、襖の張替、クロスの張替、ハウスクリーニングの費用を負担する旨合意したが、賃借人がこの特約条項は公序良俗に違反し無効であるとして、敷金の返還を求めて提訴した事案において、1審(簡裁)は賃借人の請求を一部認容したが、控訴審はこれらの特約は公序良俗に違反せず有効であるとして棄却した事例 |
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1383 | H12.12.15 | 最高裁 |
使用貸借における用法違反が、土地所有者の意思に反して占有の態様を質的に変化させ、その占有を新たに排除したとして不動産侵奪罪の成立が認められた事例 |
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1384 | H12.12.15 | 大阪高裁 |
マンションを購入した買主が、階下のポンプ室からの騒音に悩まされ、瑕疵担保責任に基づく契約解除、錯誤無効、詐欺取消を理由に売買代金の返還を求めた事案において、買主は、通常の静けさを享受できる住戸として購入する旨の動機を表示し、騒音により通常の静けさの住環境にあるとはいえない状況であったのだから、法律行為の要素に錯誤があったとして、売買契約の無効を認めた事例 |
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1385 | H12.12.14 | 東京高裁 |
区分所有法上の管理者たる管理会社が区分所有者から徴収する管理費等は、支払いの相手方が区分所有者の団体であり、管理会社名義で預金されても預金債権は区分所有者の団体に帰属するとされた事例 |
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1386 | H12.12.7 | 東京高裁 |
宅地建物取引業保証協会の認証を受けた者が、先順位の認証申出があったことを理由とする保証協会の認証の撤回(取消し)は無効であるとして、弁済業務保証金の支払を求めた事案において、保証協会の行う認証は、公共的業務としての弁済業務に関して法によって特に付与された権限であり、無効、取消しが認められるためには、認証に法律行為としての無効、取消原因の存在することが必要である等として、撤回(取消し)を認めることはできないとした事例 |
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1387 | H12.11.30 | 千葉地裁 |
業者の媒介により土地を購入したが、当該土地は偽造された印鑑証明書などを用いて売主の前所有者に登記を移転したものであったため、所有権移転登記を抹消され紛争となった事案において、媒介業者に対しては、疑問を抱かせるような事情があったのに、売買の危険性について助言すべき義務を怠ったとして、また、国に対しては、登記事務の執行につき過失があったとして、損害賠償を命じた事例 |
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1388 | H12.11.30 | 水戸地裁 |
戸建住宅の購入資金のための年金住宅融資に伴い、住宅ローン保証保険契約を締結した保険会社が、実際の購入金額より水増しして作成された契約書により、保険金の支払いを余儀なくされたとして、それらを作成した媒介業者に対する損害賠償請求が認められた事例 |
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1389 | H12.11.30 | 千葉地裁 |
所有権移転登記手続申請に添付された偽造の印鑑証明書を看過して、登記申請を受理した登記官に過失があったとして、国の国家賠償責任が認められた事例 |
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1390 | H12.11.27 | 東京地裁 |
多重債務者等に対し、虚偽のマンション売買契約により、住宅ローン融資を受けさせていた媒介業者等の、融資保証会社に対する不法行為に基づく損害賠償責任が認められた事例 |
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1391 | H12.11.27 | 松江地裁 |
仮換地が指定され、換地処分がなされる前に土地が売買された場合の換地精算金請求権が売主に帰属するとされた事例 |
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1392 | H12.11.14 | 東京地裁 |
抵当権者は、民法395条ただし書きを準用して、裁判所に対して、民法602条所定の期間を超える、いわゆる長期賃貸借の解除を請求することができ、右解除判決が確定したときは、抵当権の妨害排除請求権に基づき、抵当不動産の明渡しを請求することができるとされた事例 |
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1393 | H12.11.8 | 東京地裁 |
不動産会社が、建売分譲のため取得する土地について、国道工事事務所の担当者に都市計画道路の照会をしたところ、2カ月近く前の変更前の都市計画図を示され同土地には多少かかると説明を受けたが、実際には、変更後の都市計画道路は同土地のほぼ全域にわたるものであったとして、国に対する損害賠償が認められた事例 |
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1394 | H12.11.8 | 東京地裁 |
別荘地売買契約と同時に締結された温泉供給契約の当初期間が到来した場合において、当事者間の協議により更新できる旨の条項が存在するときは、温泉の供給を受ける側が更新権を有し、温泉の供給を行う側は特段の事情のない限り更新を拒絶できないとされ、かつ、特段の事情がないとして温泉給湯義務の存在が確認された事例 |
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1395 | H12.11.7 | 東京高裁 |
競売された土地建物と同一敷地にあり、競売手続においては件外建物とされた車庫につき、競売建物の従物であり土地の一部でもあるとして、抵当権の効力が及び、土地建物の買受人による所有権取得が認められた事例 |
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1396 | H12.10.27 | 東京高裁 |
借地権付建物の競売手続による買受人が、その持分の一部を第三者に譲渡した後は、借地借家法第20条に基づく借地権譲渡の許可の申立てをすることができないとされた事例 |
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1397 | H12.10.26 | 東京高裁 |
土地(がけ地を含む。)の購入に際して、媒介業者が法令等に適合しない擁壁設計案を示したため、目的どおりの建物が建築できなかったとして、買主が媒介業者に損害賠償を求めて争った事案において、媒介業者には土地利用の制限や工事の必要性について具体的な説明をせず、誤解を与えるような概算見積書を交付したなど、媒介契約(仲介契約)に基づく善管注意義務に違反する行為があったとして、媒介業者の損害賠償責任を認めたが、買主にも過失があったとして6割の過失相殺をした事例 |
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1398 | H12.10.26 | 東京地裁 |
高額の金員が敷金名目で差し入れられている賃貸借契約の目的物件の競落人が、当該金員の一定額を超える部分について返還債務がないことの確認を求めて提訴したところ、当該金員は敷金と権利金の性質を併有するが、賃貸借契約で全額の返還義務が明確に合意されているから、競落人は、全額の返還債務を承継することになるとされた事例 |
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1399 | H12.10.25 | 仙台高裁 |
分譲宅地の買主が、購入後発生した地震により、宅地及び住居に被害を受けたのは、宅地の瑕疵によるものであるとして、売主(地方公共団体)に対し、損害賠償を請求した事案において、一審は、買主の請求を棄却したが、控訴審は、売主の瑕疵担保責任を認め、損害賠償を命じた事例 |
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1400 | H12.10.19 | 東京高裁 |
宅建業者Xに短期間転職していた歩合給社員Aが、宅建業者Yに復職した際に、Xで取り扱っていた案件をYの業務として成約させて、Yが手数料を得たために争いとなった事案において、Aは、Xの仲介手数料に対する期待権を違法に侵害しており、Yは、AがXの下で仲介業務に従事していたことを容易に知り得る立場にありながら、仲介者として手数料を取得した過失があるとして、Yに損害賠償を命じた事例 |
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1401 | H12.10.16 | 京都地裁 |
造成地の土地及び地上建物を購入したところ、建物が傾いたり壁に亀裂が入ったり雨漏りがするなどの欠陥が生じたとして、売主及び建物の建築業者に対する土地建物の瑕疵等を理由とする債務不履行、不法行為、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求が認められた事例 |
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1402 | H12.10.11 | 宮崎地裁 |
市街化調整区域内に所在する土地付建物の媒介において、媒介業者が市街化調整区域の具体的な制限の内容についての説明をせず、住宅の建替えが可能であるとの虚偽の説明を行った事案において、業者に説明義務違反があったとして、媒介業者及びその担当従業員に損害賠償の支払いを命じた事例 |
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1403 | H12.9.29 | 大阪高裁 |
中古マンションの売買において、容易に除去できないイエヒメアリの被害を隠れた瑕疵として売買契約の解除を認めた原審判決を取消し、売買契約解除当時のアリ被害の状況はアリの異常発生に伴う特異な状況であるとし、同マンションに多数の住人が居住していることからも、住居として不適当といえるような瑕疵は認められないとして、売買契約の解除を否定した事例 |
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1404 | H12.9.28 | 大阪高裁 |
建築後約30年を経過したマンションの建替え決議が5分の4以上の圧倒的多数の賛成により成立したが、建替えに異を唱える非参加者らが建替え決議の無効を求め、他方、買受指定者が、非参加者らに対して売渡し請求に係る登記手続及び建物の明渡しを求めた事案において、決議は区分所有法62条1項所定の実体的決議有効要件を具備しているとして、建替え決議を有効であるとした事例 |
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1405 | H12.9.28 | 東京高裁 |
他のマンション業者の登録商標に類似する商標を使用してマンションを販売する行為が、商標法上商標権の侵害とみなされる「指定役務についての類似商標の使用」に該当するとされた事例 |
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1406 | H12.9.27 | 大阪地裁 |
新築3階建て建売住宅を購入した買主が、本件建物は、構造性能及び防火性能の点で建築基準法に違反し、安全性を欠いているとして、売主業者に対しては、瑕疵担保責任に基づく売買契約の解除及び売買代金の返還と損害賠償を、また、売主業者の代表者兼建築主、施工業者及び工事監理者(2級建築士)に対しては、共同不法行為に基づく損害賠償を訴求した事案において、売主業者及びその代表者に対しては、本件建物には重大な欠陥(瑕疵)が存在し、住居として使用するという本件売買契約の目的を達成することが不可能と判断して、契約解除及び代金返還と損害賠償を認めたが、施工業者及び工事監理者には不法行為責任はないとされた事例 |
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1407 | H12.9.7 | 東京高裁 |
抵当不動産の転賃料債権について、賃借人と所有者とを同視すべき特段の事由があり、抵当権に基づく物上代位権の行使が許されるとされた事例 |
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1408 | H12.9.6 | 横浜地裁 |
宅建業者が建築基準法等に違反することなく、一つの宅地を3分割して建売住宅を建築、販売しようとしたところ、近隣住民らが宅地の分割に反対して紛争となった事案において、分割案の変更が事実上不可能となった建売住宅完成後も分割に反対する看板類を設置し続けたのは、社会的に認められる行為の範囲を逸脱しているとして、住民側に賠償を命じた事例 |
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1409 | H12.9.6 | 横浜地裁 |
区分所有法第60条に基づく引渡請求の要件としての「占有者の行為の共同利益背反性」の有無は、行為の物理的影響だけでなく、他の区分所有者に対する心理的影響も考慮すべきものとされた事例 |
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1410 | H12.8.30 | 東京地裁 |
公団住宅の値下げ販売について、値下げ販売以前に購入した原告らによる、契約履行請求権、債務不履行による損害賠償請求権、不法行為による損害賠償請求権等に基づく請求がいずれも棄却された事例 |
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1411 | H12.8.29 | 東京地裁 |
海外不動産に対する投資商品に投資し損害を被ったとして、出資者がこの商品への投資を勧誘した会社に対し説明義務違反等があるとして求めた損害賠償請求が棄却された事例 |
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1412 | H12.8.22 | 大阪高裁 |
賃貸借契約終了時に、通常の使用による損耗(通常損耗)までも借主が修復する旨の特約が存するとして、貸主が敷金を返還せず、さらに不足する費用の支払を賃借人に請求したため、賃借人は通常損耗に対する修復義務はないとして、敷金の返還を求めて提訴した事案において、1審(簡裁)、2審(地裁)はいずれも賃借人の請求を棄却したが、上告審(高裁)は逆に賃貸人の主張する特約を否認し、原判決を棄却、差戻した事例 |
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1413 | H12.7.27 | 東京高裁 |
債務者が従前登記名義人であって、差押えを逃れるために名義を変更した不動産について、詐害行為取消権を行使して処分禁止の仮処分の登記を経由した一般債権者が、真の所有者との関係で民法第94条第2項の善意の第三者として保護されるべき、当該不動産につき法律上の利害関係を有するに至った者とはいえないとされた事例 |
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1414 | H12.7.26 | 神戸地裁 |
購入する土地の建物敷地部分への公道からの進入路の幅員について売主が説明義務違反を負うとしつつ、売買契約前に実地検分をしたこと及び物件説明書を読んだことにより買主が確認可能であったとして、売主の説明義務違反が認められなかった事例 |
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1415 | H12.7.21 | 東京地裁 |
地下2階付10階建マンションの区分所有者らが、当該マンションの分譲業者に対して、地下2階に位置する部分及び公道から同部分に進入するスロープ部分は、区分所有者全員の共用に属する建物部分であると主張して、その確認を求めた事案において、当該部分は、利用上の独立性を欠いているとして、区分所有者らの請求を認容した事例 |
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1416 | H12.7.19 | 東京高裁 |
親の所有地に、子が配偶者と共に親からの承諾を得て建物を建築した場合に、子の死亡後、親が子の配偶者に対して建物の収去と土地の明渡しを求めて提訴した事案において、親と子との間及び親と子の配偶者との間に、土地の使用貸借契約が成立していたと推認し、建物収去土地明渡請求を棄却した事例 |
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1417 | H12.7.18 | 福岡高裁 |
抵当権設定登記後にその目的不動産について賃借権が設定された場合で、抵当権者による物上代位権の行使としての賃貸人(抵当権設定者)の賃料債権の差押えと、賃借人による保証金返還請求債権による賃料債権との相殺との優劣関係を争った事案において、抵当権者による差押えが賃借人による相殺に優先すると判断された事例 |
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1418 | H12.7.5 | 東京高裁 |
買戻特約付で締結された土地売買契約において、その買戻しに際して買主が売主に違約金を支払うべき旨の賠償額の予定がある場合においても、買い戻しに至る経緯などの事情を検討し、当事者間の衡平を図るため、信義則により違約金を減額した事例 |
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1419 | H12.6.2 | 大阪高裁 |
媒介業者が、専任媒介契約の下で、指定流通機構への登録を怠ったことについて、専任媒介契約上の債務不履行と物件を売主が指定する価格で売却できなくなったこととの因果関係を否定し、精神的損害に対する慰謝料の支払いが命じられた事例 |
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1420 | H12.5.30 | 最高裁 |
共同相続人の一部の者が、遺留分減殺請求権の行使により受贈者から取得すべき持分を超える持分を有償で受贈者から取得した場合において、その持分取得に係る登記は相続登記の更正登記の手続により行うことはできないとされた事例 |
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1421 | H12.5.29 | 大阪地裁 |
賃貸人が破産宣告を受けた場合でも、未だ賃貸借契約が終了していない段階では、賃借人は、敷金返還請求権を自働債権とし、賃料債権を受働債権として相殺することは許されないとされた事例 |
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1422 | H12.5.25 | 東京地裁 |
マンションの区分所有者が、その敷地に隣接しマンションの建築確認を受ける際に敷地の一部として申請された自己所有地に、建て売り住宅を建築するために建築確認を受ける行為は、マンション自体の存立を危うくするものであって、他の区分所有者に対する不法行為を構成するとした事例 |
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1423 | H12.5.19 | 大阪高裁 |
媒介業者の媒介により成立した土地売買契約及び建築工事請負契約に、ローン特約が明定されていなかったためにトラブルになった事案において、買主が媒介業者に資金計画を詳細に告げており、媒介業者が買主のローンが下りなければその契約が白紙になることを十分認識していたときは、媒介業者は、買主のために当該契約にローン特約を付すとの黙示の合意があるとされた事例 |
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1424 | H12.5.8 | 東京地裁 |
市交付の道路建設計画書の誤記載を信頼して高層ビル用地を購入した者による、亮主の瑕疵担保責任に基づく契約解除、損害賠償請求及び市に対する国家賠償請求が認められた事例 |
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1425 | H12.4.27 | 名古屋高裁 |
建物の賃貸借において、賃借人が倒産し、破産管財人が賃貸借の解約を申入れた場合、特約による違約金請求権と敷金及び建設協力金返還債務との相殺は、相殺できることへの合理的な期待の範囲内で認められるべきであり、その範囲を超える相殺は、破産債権者全体の公平を害し、権利の濫用として許されないとした事例 |
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1426 | H12.4.26 | 東京高裁 |
建物(作業所・居宅)の賃貸借において、借主がその敷地に無断で建物を建築し使用していたことにつき、相当の期間経過後に貸主が借主に対し、敷地に無断で建物を建築したのは借主の義務に違反し信頼関係を破壊したとして、建物賃貸借契約の解除と建物・本件土地の明渡し及び賃料相当の損害金を求めた事案において、土地の賃貸借契約の成立は認めなかったが、建物及び構築物の所有を目的とする黙示の使用貸借の成立を認め、明渡請求を棄却した事例 |
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1427 | H12.4.25 | 郡覇地裁 |
建物の売買契約を締結した際に、当事者間で消費税の負担についての明確な合意がされなかった事案において、売買代金に消費税が含まれていると解するのが相当であるとし、売主は買主に対して別途消費税を請求できるとの主張が排斥された事例 |
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1428 | H12.4.18 | 東京地裁 |
不動産競売により土地・建物を買い受け、代金納付を完了した買主が、土地の実測面積が登記簿の表示より69.18㎡不足する299.55㎡しかなかったとして、数量指示売買による瑕疵担保責任に基づき配当を受けた共同債権買取機構に対し売買代金の一部の返還を求めた事案において、本件買受けはいわゆる数量指示売買に該当しないとされた事例 |
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1429 | H12.4.14 | 最高裁 |
抵当権者は、抵当不動産の賃借人と所有者とを同視できる場合を除き、賃借人が取得する転貸賃料債権について物上代位を行使することはできないとされた事例 |
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1430 | H12.4.10 | 名古屋地裁 |
所有権移転登記及び根抵当権設定登記手続の委任を受けた司法書士が、登記義務者の登記済権利書に代わる保証書を作成する際に、身分証明書の提出を求める等、登記義務者の本人確認を怠ったことが善管注意義務違反にあたるとされた事例 |
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1431 | H12.4.7 | 最高裁 |
共有地を一部の共有者が他の共有者を排除して占有している場合において、排除された共有者は、当該一部の共有者に対し明渡請求をすることはできないが、共有持分に応じた地代相当額の不当利得返還請求又は損害賠償請求ができるとされた事例 |
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1432 | H12.3.29 | 福岡地裁 |
マンション購入者で構成される管理組合が、売主に対し、駐車場の維持管理についての説明義務違反等による損害賠償、未分譲建物の組合費等の支払を請求した事案において、売主に説明義務違反等はなく、未分譲建物の所有者(売主)も区分所有法65条の団地関係にあるが、建物工事の完了から分譲するまでに必要な合理的期間内は、売主は、組合費等の支払義務を負うことはないとして、管理組合の請求を棄却した事例 |
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1433 | H12.3.24 | 京都地裁 |
「全戸南向き」と表示して分譲したマンションが62度西を向いていた事案について、マンションの向きは買主の意思決定に重要な意義を持つ事項であるから、売主業者にはマンションの向きについて不正確な表示、説明をしてはならない信義則上の附随義務があるとして、買主の損害賠償請求を一部容認した事例 |
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1434 | H12.3.23 | 神戸地裁 |
市街化調整区域指定後大規模な工事と地積更正登記を行い、土地全部が宅地であるかのような外観が創出されたため、県知事が調査を怠り、事実を誤認して、既存宅地の確認処分を行った場合、日照阻害等生活利益の侵害を受ける者に対して、賠償責任を負うとされた事例 |
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1435 | H12.3.23 | 東京高裁 |
築後40年を経過した共同住宅の、建て替え等を理由とする賃貸借の解約申し入れにおける立退料の額を巡って争われた事案において、いわゆる借家権価格によって算出することは相当ではなく、引越料その他の移転実費と転居後の賃料と現賃料との差額の1、2年分の範囲内の額が移転資金の一部を補填するものとして認められるべきであるとされた事例 |
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1436 | H12.3.22 | 東京高裁 |
土地付建物(住宅)の買主が、20年余居住後に建物を建て替えようとしたところ、当該建物が隣地にはみ出していることが判明し、隣地所有者と交渉したがまとまらなかったため、買主が当該敷地について所有権移転登記を求めて提訴し、裁判上で取得時効を援用した事案において、一審は買主の請求を棄却したが、控訴審は、当該敷地の時効取得を認め、隣地所有者に対し所有権移転登記を命じた事例 |
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1437 | H12.3.21 | 最高裁 |
マンションの特定の区分所有者の専用に供される排水管の枝管が、その階下の区分所有建物の天井裏に設置されている場合に、排水管の機能、管理及び建物全体の排水との関連などを総合判断して、共用部分にあたるとされた事例 |
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1438 | H12.3.16 | 最高裁 |
抵当権の実行としての競売のための差押えに先行して設定された短期賃借権であっても、その設定が国税徴収法に基づく滞納処分による差押えの後の場合には、賃借人は競売による買受人に対し賃借権を対抗できないとされた事例 |
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1439 | H12.3.16 | 神戸地裁 | 業者の媒介により土地を購入した買主が、媒介業者に隣人とのトラブル等を説明しなかった説明義務違反があるとして、損害賠償を求めた事案において、隣人とのトラブルは前所有者が草刈り等をしなかったためであり、媒介業者に説明義務はないとして、その請求を棄却した事例 |
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1440 | H12.3.15 | 東京高裁 |
新築住宅の建築工事請負契約において、布基礎の厚さ不足は、不同沈下が現に生じていなくても、不同沈下等の危険を包蔵しており、建物の瑕疵であるとして、ジャッキアップ費用の支払いを請負業者に命じた事例 |
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1441 | H12.2.14 | 東京地裁 |
マンションからの眺望が販売時の説明と相違していることを理由とする売主業者及び販売代理業者に対する損害賠償請求が認められなかった事例 |
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1442 | H12.1.28 | 福岡高裁 |
業者の媒介により中古マンションを購入した買主が、媒介業者に対して、給排水施設の老朽化についての説明を怠ったと主張して、修理代金等の損害賠償を求めて争った事案において、契約までの交渉過程等の事実関係の下では、媒介業者に「施設の老朽化の程度」について説明する義務があったとはいえず、買主の請求には理由がないとした事例 |
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1443 | H12.1.27 | 最高裁 |
建築基準法42条2項規定の道路に接する土地の所有者が、道路の所有者が道路内に設置した自動車通行を妨害する金属製ポールの撤去を求めた事案において、専ら徒歩または二輪車による通行に供されていた未舗装の道路であること等から請求者の通行地役権は自動車通行を目的とするものではないとして、その請求を棄却した事例 |
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1444 | H12.1.27 | 最高裁 |
共同相続された不動産につき、被相続人から相続人以外の第三者に直接所有権移転登記が経由された場合につき、共同相続人の1人が自己の持分の登記名義を回復するには、更正登記手続によることはできす、真正な登記名義の回復の手続によるべきものとされた事例 |
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1445 | H12.1.25 | 東京高裁 |
サブリース契約で、賃借人(サブリース事業者)が賃料相場の大幅な下落を理由に賃料の減額を求めたのに対して、賃貸人が当初約定通りの賃料の自動増額を求めた場合において、当該契約の実質は事業委託的無名契約であるとして借地借家法32条(借賃増減請求権)の通用は制限されるとされた事例 |
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1446 | H11.12.24 | 東京地裁 |
団地内の建物所有者を構成員とする町会が区分所有法第65条の「団地建物所有者の団体」に該当し、管理費に関するその決定は建物所有者を当然に拘束するとされた事例 |
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1447 | H11.12.24 | 札幌地裁 |
賃貸マンションの管理会社が、賃借人の賃料不払に対抗して、賃貸借契約中の自力救済条項を根拠に、管理会社の従業員をして、本件居室内に侵入させたり、本件居室の錠を取り替えたりさせたことが、賃借人に対する不法行為にあたるとして損害賠償を命じた事例 |
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1448 | H11.12.24 | 大阪地裁 |
中高層建物が既に相当数建築されている地域において、約33m先のマンション建設により眺望が阻害される損害を負ったとする住民の損害賠償請求が棄却された事例 |
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1449 | H11.12.22 | 東京高裁 |
路地状の土地のみで公道に通ずる土地を袋地と同視して、公道に支障なく通ずるのに必要最小限の範囲で隣地につき囲繞地通行権が認められた事例 |
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1450 | H11.12.21 | 東京高裁 |
いわゆるサブリース契約において、原賃貸借契約が賃借人(サブリース事業者)の債務不履行を理由に解除されたとしても、契約終了時に賃貸人が転貸人の地位を承継する旨の特約があり、当該特約はサブリース事業の継続を図るために設けられた趣旨のものであるときは、賃貸人は、転貸人の地位を承継するとして、転借人(テナント)が差し入れた転貸借保証金の返還を命じられた事例 |
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1451 | H11.12.20 | 東京地裁 |
住環境悪化を招来する道路計画を告知しなかった売主業者に対する売買の錯誤無効、不法行為等の主張が認められなかった事例 |
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1452 | H11.12.20 | 東京地裁 |
住宅を購入した買主が、近隣に道路計画のあることを売主業者らが説明しなかったのは、錯誤無効、詐欺取消、不法行為にあたるとして、売買代金の返還を求めた事案において、売主業者らが道路計画を知っていたとは認められず、道路の周辺環境への影響はその後対策が講じられたから、買主に悪影響はないとして、請求を棄却した事例 |
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1453 | H11.12.16 | 東京高裁 |
当初2.2メートルしか幅員がなかった私道(建築基準法42条2項道路)について、不動産会社がした戸建住宅の分譲により3.3メートルに拡幅された後、自動車での通行を始めた私道に隣接する者の自動車通行権が否定された事例 |
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1454 | H11.12.16 | 最高裁 |
いわゆる「相続させる」遺言について、特定の不動産の所有権移転登記を指定された相続人に取得されることが、遺言執行人の職務権限に属するとされた事例 |
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1455 | H11.12.15 | 浦和地裁 |
旧住・都公団の団地建替事業を理由とする建物賃貸借契約の更新拒絶に旧借家法所定の正当事由が認められた事例 |
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1456 | H11.12.13 | 大阪地裁 |
所有する広大な土地にマンション分譲業者が18棟のマンションを建築分譲した場合において、北側マンションの購入者に対して眺望に関する説明義務違反はなかったとされた事例 |
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1457 | H11.12.9 | 最高裁 |
建物賃借人が土地に産業廃棄物を大量に廃棄・堆積した行為が、土地所有者に対する不動産侵奪罪を構成するとされた事例 |
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1458 | H11.11.30 | 最高裁 |
買戻権の行使による抵当権の遡及的消滅は売買当事者間でのみ効果を有するに過ぎず、目的不動産の抵当権者は、買主の買戻代金債権に対し、物上代位権を行使することができるとされた事例 |
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1459 | H11.11.29 | 東京高裁 |
ホテルの売買代金の一部について連帯保証をし、その履行を求められた者が、担保価格下落時期に債権者が仮登記担保権を実行しなかったのは担保保存義務に違反すると主張した事案において、本件債権者は民法504条の担保保存義務を負わず、仮に負っているとしても同義務に違反したとは認められないとして、その抗弁を斥けた事例 |
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1460 | H11.11.26 | 東京高裁 |
建物収去土地明渡判決が確定した場合において、物件明細書の本文に「借地権付建物」と記載し、最低売却価額において10%の借地権価格を加算してなされた売却許可決定は、民事執行法71条6号の売却不許可事由があるとして、原決定を取り消した事例 |
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1461 | H11.11.24 | 東京高裁 |
固定資産税の課税庁は、価格調査基準日から賦課期日までの価格変動を予測して、賦課期日における適正な時価を算定し、登録価格とすべきものとされた事例 |
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1462 | H11.11.24 | 最高裁 |
抵当権者が権利の目的である建物の所有者の不法占有者に対する妨害排除請求権を代位行使して、直接抵当権者に建物を明け渡すよう求めることができるとされた事例 |
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1463 | H11.11.9 | 最高裁 |
隣地所有者とともに、共有者のうち境界確定の訴えの提起に同調しない者を被告として、他の共有者が境界確認の訴えを提起できるとされた事例 |
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1464 | H11.10.26 | 最高裁 |
強制競売の対象となった土地上に件外建物が存在する場合でも、特段の事情がない限り、裁判所は当該土地の全部について引渡命令を発することができるとされた事例 |
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1465 | H11.10.26 | 神戸地裁 |
準工業地域における鉄筋コンクリート造り10階建てマンションの建設に関して、隣接地のマンション住民からなされた建築工事差止の仮処分が、日照阻害の点については地域性を考慮して受忍限度を超えていないとされたものの、著しい圧迫感・閉塞感を生じているとして一部容認された事例 |
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1466 | H11.10.21 | 東京地裁 |
分譲マンションの販売にあたり付した標章が、「建物の販売」を指定役務とする登録商標に類似し、その商標の使用が商標法37条1号に該当するとして、マンション分譲業者に対し、標章の使用の差止めと損害賠償を命じた事例 |
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1467 | H11.10.20 | 福岡地裁 |
建築業者と建物の新築工事に関する請負契約を結び、完成した建物の引渡しを受けたが、その後、建物が沈下し、建物の基礎にひび割れが発生したのは、地盤を調査して十分な強度を確保する基礎構造にすべき義務を怠ったものとして、建築業者の不法行為による損害賠償費任が認められた事例 |
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1468 | H11.10.20 | 東京高裁 |
マンション業者が銀行に事業資金の融資申込みをし、一部の融資を受けたが、残額について保証会社の保証を取り付けられず、銀行の融資を拒否された事案において、事業資金全額の融資契約は成立していないとして、マンション業者の損害賠償請求を棄却した事例 |
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1469 | H11.10.13 | 東京高裁 |
不動産会社社長が銀行の勧めにより購入資金のほとんど全額の融資を受けてマンションを購入したが、バブル崩壊によりマンション価格が下落し、返済不能となった場合において、銀行が融資金の返済を求めることが権利濫用となるものではないとして、銀行の貸し手責任が否定された事例 |
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1470 | H11.10.4 | 横浜地裁 |
第一種低層住居専用地域内の傾斜地に、地上3階地下4階建の共同住宅の建設を目的とする開発行為の許可に対して、近隣住民が、予定建築物は7階建ての共同住宅であり、予定建築物の用途が用途地域の規制に適合してなく違法である等として、開発許可の取消しを求めた事案において、原告らは、本件開発許可を争う原告適格を有しないとして、近隣住民の請求を却下した事例 |
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1471 | H11.10.1 | 福岡地裁 |
競落人に無断で、自らの債務を担保するために、競落不動産に根抵当権を設定した競落・転売事務受託者に対する競落人の損害賠償請求が認められた事例 |
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1472 | H11.9.30 | 大阪高裁 |
購入した建売住宅が、2戸1棟の長屋住宅として建築確認がとられた違法なものであり、建築基準法上の接道義務を満たしていないとして、売主業者及び媒介業者に対し損害賠償を請求した事案について、隣接する購入者との合意書によって通路としての提供が合意されていたとしても、売主業者や媒介業者は、接道義務違反や適法な建築確認を取得していないことについての説明義務違反による損害賠償責任は免れ得ないとした事例 |
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1473 | H11.9.29 | 福岡地裁 |
土地の売買契約について、買主業者が、売主である高齢者の無知、無思慮に乗じ、かつ、買主業者への信頼を奇貨として、給付と対価の均衡を苦しく欠く過当な利益を獲得した暴利行為であり、公序良俗に違反し無効であるとして、買主業者等に建物収去、土地明渡、登記の抹消を命じた事例 |
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1474 | H11.9.22 | 横浜地裁 |
高速道路建設に伴う用地買収において、借家人に代替地を払い下げた事案において、同払下げが賄賂の供与により行われたものであるから、公序良俗に反し、無効であるとして、オンブズマンの住民訴訟による請求を認容し、原状回復を命じた事例 |
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1475 | H11.9.22 | 東京高裁 |
業者が市等に宅地開発協力金を支払った後、銀行融資を受けられないため宅地開発事業を廃止した場合、業者が協力金の返還を求めることは信義則に反し許されず、また、協力金の根拠等については、業者が調査すべきで、市等に説明義務はないとした事例 |
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1476 | H11.9.20 | 神戸地裁 |
阪神・淡路大震災により中古賃貸マンションの1階が押しつぶされ、借主が死亡した事案において、建物(築31年)に設計施工上の欠陥があって通常有すべき安全性を有しておらず、設置の瑕疵があるとして、築16年後に建物を取得した貸主の土地工作物責任を認めたが、媒介業者については、「軽量鉄骨コンクリートブロック造」を「鉄筋コンクリート造」と説明した誤りがあっても、相当因果関係がないとして、その責任を否定した事例 |
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1477 | H11.9.17 | 大阪高裁 |
青田売りのマンションの売買契約において、居室からの眺望がマンションの完成前に受けた説明と違っていたために争いになった事案において、購入希望者は現物を見ることができないから、売主はその実物を見聞きできたのと同程度にまで説明する義務があるとして、売主業者らに手付金の返還と損害賠償を命じた事例 |
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1478 | H11.9.8 | 東京高裁 |
分譲マンションの買主が、日照・通風等に関する情報を売主業者が正確に説明する信義則上の義務を怠ったことにより損害を被ったとした債務不履行に基づく損害賠償請求が認められた事例 |
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1479 | H11.9.7 | 東京地裁 |
住宅金融専門会社が実行した融資が回収不能になったのは、提携関係にある宅建業者が物件の権利関係の調査を怠ったためであるとして、住宅金融専門会社から債権を譲り受けた整理回収機構が損害賠償を求めた事案において、当該宅建業者は必要最小限の調査を怠り、本来取り次ぐべきでない不適切な融資案件を取り次いだ重大な過失があるとして、業務提携契約に基づく損害賠償責任を認めた事例 |
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1480 | H11.8.31 | 東京高裁 |
マンションの管理会社が、マンションの区分所有者から管理費等の管理の委託を受け、その剰余金を自己名義で定期預金した場合において、原資の内容、管理業者の取扱いの実情等の諸事情を勘案して、マンション管理組合が預金者であるとされた事例 |
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1481 | H11.8.31 | 福岡高裁 |
「ローン借入れ不可能な場合には、売主は受領した金員を買主に返還して売買契約を解除するものとする」旨のローン特約付の不動産売買において、買主が遅滞なく必要書類等を提出してローンの申込をしたにもかかわらず、期限内にローンが実行されない場合には、改めて期限の猶予等の合意がされない限り、期限をもって当然に売買契約が解除になるとし、売主及び買主からの債務不履行に基づく損害賠償請求をいずれも棄却した事例 |
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1482 | H11.8.5 | 横浜地裁 |
土地建物の売買において、設計施工の過失により土地が不同沈下し、建物に亀裂が生じた事案において、売主業者に瑕疵担保責任、施工業者に保証債務の不履行、設計者に不法行為責任があるとし、検査済証等で確認していた媒介業者については注意義務違反はないとした事例 |
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1483 | H11.7.30 | 神戸地裁 |
蝙蝠(こうもり)が多数棲息する中古住宅は、建物の価格に見合った快適さを備えていないとして、売主については、瑕疵担保責任を認め、補修・駆除費用等の支払いを命じたが、媒介業者については、特段の事情のない限り調査義務違反はないとして、買主の請求を棄却した事例 |
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1484 | H11.7.29 | 岡山地裁 |
土地購入資金及び建物請負代金のつなぎ融資をローン会社から借り入れた場合において、建築業者が破産し、借主が期限の利益を喪失したため、ローン会社が返済を求めた事案において、ローン会社はつなぎ融資の目的に反する事態の招来を回避すべき義務を負担しているとして、その請求権の行使を一部制限した事例 |
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1485 | H11.7.27 | 東京地裁 |
公道に接する土地の共有物分割により袋地となった土地の囲繞地通行権の範囲(幅員)について争われた事案において、建築基準法令上建物建築に必要な範囲(幅員)の囲繞地通行権を認めると共に、右部分の妨害排除としての建物の一部取壊しと通行妨害禁止を命じた事例 |
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1486 | H11.7.27 | 東京高裁 |
分譲時の管理規約により、専用使用権を有する区分所有者が、その対価を支払わなかった場合において、その専用使用権を消滅させる旨の規約変更は有効であるとした事例 |
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1487 | H11.7.16 | 千葉地裁 |
ログハウスの建売りついて、売買引渡後8年で雨漏等により住めなくなったのは、立地に適合しない欠陥住宅であり、売主業者が販売につき、立地に適合した十分な耐久性を有する建物を販売すべき注意義務を怠ったとして、不法行為責任を認め、建物代金相当額、取壊・擁壁再築費用等1億円余の損害賠償を命じた事例 |
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1488 | H11.7.14 | 東京地裁 |
区教育委員会の要請により埋蔵文化財の発掘調査を行ったため、基準日において特定施設(駐車場)の用に供する土地として利用されていなくても、都税条例施行規則35条2項2号の減免要件にあたるとして、都税事務所長の行った減免不許可決定を取り消した事例 |
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1489 | H11.7.13 | 最高裁 |
公道に1.45m接する土地の上に建築基準法施行前から存在した建物を取り壊した場合において、同土地所有者が建築基準法の接道義務の基準を充たすために隣地に幅員0.55mの囲繞地通行権が存するとの主張は認められないとされた事例 |
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1490 | H11.6.29 | 最高裁 |
事業団融資を条件として売買契約を締結し、手付金を約束手形で交付したが、同融資が拒絶された場合において、買主が故意に解除条件の成就を作出したかについて判断をしていない遺脱があるとして、ローン特約による解除を認め、約束手形の支払いを裏書により保証した裏書人に対する支払いを求めた売主の請求を棄却した原審判決を破棄差戻とした事例 |
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1491 | H11.6.29 | 福岡高裁 |
不動産の所有者が、知人より、地上げ屋から守るために売買を装い、一時的に所有権を移転することを持ちかけられ、虚偽の所有権移転登記を行なったが、その後転売され、金融機関の根抵当権設定を受けた事案において、当該所有者が錯誤無効を理由に、根抵当権の抹消を請求したが、民法94条2項ないしその類推適用により、善意の第三者である根抵当権者は保護されるとし、その請求が棄却された事例 |
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1492 | H11.6.25 | 大阪高裁 |
処分禁止の仮処分が、後日、本案訴訟で被保全権利が存在しないと確定した場合において、同仮処分により土地を売却できず、地価が下落したとして損害賠償を求めた事案について、平成5年以降の地価下落による損害が特別損害ではないとして、その下落額の賠償を命じた事例 |
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1493 | H11.6.25 | 東京地裁 |
隣地の土地の掘削及び山留工事に起因し不同沈下が生じたとして、建物の傾斜矯正工事費用の損害賠償を求めた事案において、設計事務所、工務店に対して損害賠償の一部を認容した事例 |
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1494 | H11.6.23 | 横浜地裁 |
マンション説明会の報告書のうち、個人の氏名、建築主側の出席者の氏名等は、鋭い対立状況にあって、生活の平穏を害される蓋然性が高いから、個人情報として非公開とするのが相当であり、補償、価格等に関する情報は、事業活動情報として非公開とするのが相当であるとされた事例 |
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1495 | H11.6.21 | 東京高裁 |
実質的に補足金付交換契約であっても、当事者が売買契約と代金相殺の法形式をとる場合、課税庁が交換契約として課税することは、租税法律主義の下においては許されないとして、課税処分を取り消した事例 |
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1496 | H11.6.21 | 神戸地裁 |
区分所有法62条1項所定の建替え決議の要件である「建物の価額その他の事情に照らし、建物がその効用を維持し、又は回復するのに過分の費用を要するに至った」に該当すること、すなわち「過分の費用」の判断基準、同法63条4項の売渡請求権を行使した場合の「時価」の意義等を明らかにした事例 |
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1497 | H11.6.15 | 東京地裁 |
居宅目的で土地を購入した買主が、真向かいの建物が暴力団事務所である事実が判明したことから、売主及び仲介業者に対し契約解除、損害賠償等を請求した事案において、暴力団事務所の存在は瑕疵にあたるとしたが、売主及び仲介業者はその事実を知らず外観上も明らかでなかったとして、売主に対する瑕疵担保責任に基づく売買金額の9%相当額の損害賠償を認め、媒介業者に対してはその責任を否定した事例 |
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1498 | H11.6.7 | 東京地裁 |
土地所有者が、土地賃借人(建物所有者)との間の賃貸借契約の解除に基づき、土地賃借人の建物の賃借人に建物部分からの退去及び土地の明渡しを求めたのに対し、建物の賃借人が、本件土地賃借人に対する商事債権を有するとして、商法521条の商事留置権に基づき本件建物部分の引渡しを拒絶した事案において、不動産は商法521条所定の商人間の留置権の対象とならないとして建物賃借人の引渡し拒絶が否認された事例 |
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1499 | H11.5.28 | 神戸地裁 |
ローン解除期限を1カ月延長し、延長期限当日に買主がローン解約の申出をせず、残代金支払期日の延期が合意された場合において、その3日後に買主がローン解約の主張をすることは、認められず、買主に残代金支払義務の債務不履行があるとして、違約金の残額の支払いを命じた事例 |
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1500 | H11.5.18 | 東京地裁 |
借地権譲渡につき地主から書面による承諾を得ることを停止条件とする借地権付建物の売買契約において、買主が右書面に地主の実印の押捺と印鑑証明書の添付を要請し、地主がこれを拒否したために、売買の効力が発生しなかった事案において、当該請求は約旨に添うもので、買主が故意に停止条件の成就を妨げたとはいえないとして、媒介業者に対し、受け取った報酬金(仲介手数料)の内金(前渡金)の返還を命じた事例 |
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1501 | H11.5.18 | 大阪高裁 |
債権保全のための債務者の不動産に対する仮差押えは、社会的に相当な方法、態様で行うことを要し、これを超えて債務者に必要以上の損害を被らせたときは不法行為を構成するとして、信用金庫支店長が債務者のマンション売却による債務返済の協力依頼を受けたのに、具体的な返済計画の内容を確かめることなく、仮差押手続をとったことが不法行為を構成するとした事例 |
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1502 | H11.4.28 | 大阪高裁 |
建売住宅の買主が、販売代理業者に住宅ローンの水増し融資を依頼して、虚偽の契約書により住宅保証保険契約を締結し、その返済を怠ったため、保険会社が保険金を支払った事案において、保険会社は申込者の申告を信頼して事務処理をすれば足り、また、違法な欺罔行為に加担した者が過失相殺を主張することは信義則上許されないとして、販売代理業者の不法行為責任を認めた事例 |
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1503 | H11.4.27 | 長野地裁 |
リゾートマンションのサービスを委託していた会社の経営破綻に伴い、同マンション管理組合の理事長らが新会社を設立して、管理組合の管理費から出資しようとしたところ、同支出は、管理費は通常の管理に要する費用にのみ使用し得るとする同マンション管理規約に違反するとして、同理事長らの職務執行を停止する仮処分が認容された事例 |
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1504 | H11.4.23 | 神戸地裁 |
中古マンションの売買において、イエヒメアリの被害により日常生活に著しい支障を受け、その駆除が極めて困難であるとして、瑕疵担保責任による売買契約の解除を求めるとともに、引渡後2カ月以内に制限する特約について、瑕疵を発見したときから2か月以内に限定する限度で有効であるとした事例 |
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1505 | H11.3.30 | 東京高裁 |
夫婦が第三者名義で定期預金をした場合において、連結先を夫とし、農協が夫を預金者として認識し、妻も異議を述べなかった場合、当該定期預金の預金者は夫であるとされた事例 |
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1506 | H11.3.30 | 神戸地裁 |
マンションの建築に際し、隣接マンションの居住者らが、新築マンションの廊下及び屋外階段等の開放部分からのぞき見され、プライバシーが侵害されるとして、建築主及び建築請負業者に対し、開放部分への目隠しの設置を求める仮処分を申立てたが、のぞき見されることがあるとしても、それは受忍限度の範囲内にあるとして、申立てを却下した事例 |
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1507 | H11.3.29 | 水戸地裁 |
連帯保証人が、主債務者の行方不明により一部代位弁済したが、連帯保証契約締結当時、既に債務者の支払能力がなかったのに、銀行担当者が債務者の信用状態について大丈夫と答え、錯誤無効があったとして、その返還を求めた事案において、その請求を認容した事例 |
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1508 | H11.3.26 | 東京簡裁 |
アパートの賃貸借契約において、借主が礼金として賃料2カ月分を支払い、内1か月分を媒介業者が管理費として取得した事案において、貸主と媒介業者の間に管理費支払いの合意はなく、また、礼金2か月分のうち1か月分については無権代理ないし要素の錯誤により無効であるとして、媒介業者に対し、同1か月分を借主に返還するよう命じた事例 |
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1509 | H11.3.24 | 大阪高裁 |
マンションの建設により鉄道騒音、道路騒音が反射して増大したとして、近隣住民がマンション分譲業者に損害賠償を請求した事案において、騒音の増加は僅かをもので、受忍の限度内であるとして、第1審判決を取り消し、請求を棄却した事例 |
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1510 | H11.3.24 | 大阪地裁 |
不動産小口化投資商品に投資し損害を被ったとして、購入者がこの商品への投資を勧誘した会社に対し説明義務違反等があるとして求めた損害賠償請求が棄却された事例 |
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1511 | H11.3.15 | 東京簡裁 |
賃借人のアパート退去の際に負う原状回復義務は、通常の使用による損耗、汚損等を超える損耗、汚損等であるとして、畳表1枚の一部焦げ跡と冷蔵庫の下のさび跡の修繕費用を賃借人の負担と認め、敷金からこれを控除した金員の返還を賃貸人に命じた事例 |
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1512 | H11.3.12 | 大阪地裁 |
売主が、第三者を売主として契約書に記載し、自らは仲介業者として関与した売買において、売主から当該第三者への名義使用料の支払いなどの諸事実を詳細に認定して、契約書上は仲介業者とされている者が真の売主であると認定した事例 |
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1513 | H11.2.26 | 大阪地裁 |
分譲マンションの建設工事に反対する近隣住民の建設工事妨害行為が違法なものであるとまでいえないとして、分譲会社の近隣住民に対する損害賠償請求が否認された事例 |
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1514 | H11.2.25 | 東京地裁 |
新築マンションの買主が、売主業者が隣接地に建物建築計画のあることを知っていながら秘匿して販売し、日照阻害による精神的苦痛を被ったとして、売主業者に対し、売買代金の1割の損害賠償を請求した事案において、2%の支払いを命じた事例 |
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1515 | H11.2.23 | 東京高裁 |
アメリカのアパートの共有持分権を日本の大手不動産業者から、投資に有利ということで購入したが、その思惑がはずれたことから、日本の裁判所に訴えを提起し、売却時における売主業者らの説明に虚偽があった等として購入契約の取消し、無効による損害賠償等を求めたが、請求を棄却された事例 |
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1516 | H11.2.18 | 大阪地裁 |
土地付中古住宅を、取り壊して新築分譲住宅を建設する目的で購入した買主業者が、建物を取り壊した後、同建物内で2年前に売主の母親が首吊り自殺をしたことを知って、契約を解除し、損害賠償を求めた事案において、嫌悪すべき心理的欠陥の対象がもはや特定できない一空間内のものに変容しているから、隠れたる瑕疵に該当しないとして、請求を棄却した事例 |
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1517 | H11.2.16 | 東京高裁 |
媒介業者に対し損害賠償請求訴訟を提起し、勝訴判決を得たが、その間に媒介業者が免許取消処分を受けて、債務超過の状態となり、唯一の資産である賃料債権を密接な関係のある会社に譲渡した場合において、同債権譲渡は詐害行為であるとして、その取消しを認めた事例 |
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1518 | H11.2.9 | 大阪地裁 |
マンションの買主が、近隣の公衆浴場の煙突の存在と排煙の流入について売主業者が説明しなかったのは、債務不履行であるとして、売主業者に対し、損害賠償を求めた事案において、通常一般人が購入を断念するほどの重要な事実とは認められず、説明義務はないとして、請求を棄却した事例 |
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1519 | H11.2.4 | 東京地裁 |
旅館事業を計画する者が、銀行に口頭で同事業資金の融資申込みを行い、銀行との間で融資の約束があったとし、計画を進めていたが融資の実行を求めたところ、拒絶された事案において、客観的な状況から判断すると、銀行との間で融資の約束は成立していなかったとし、銀行の債務不履行であるとする主張を斥け、銀行の損害賠償責任を否定した事例 |
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1520 | H11.1.29 | 東京地裁 |
株式会社の実質的オーナーは、取締役に選任されておらず、その旨の登記がないとしても、民法44条1項にいう「理事その他の代理人」に該当するとして、その詐欺行為について、民法44条1項を類推適用し、株式会社の損害賠償責任を認めた事例 |
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1521 | H11.1.28 | 神戸地裁 |
マンション建設業者が、マンション建設工事に伴う水道工事負担金の徴収は違法であるとして、水道事業者に対し損害賠償を請求した事案において、マンション建設による給水経費をマンション建設業者から徴収することは新旧利用者間の公平を図る方法として合理的であり、同負担金の納付を求めたことに何ら違法はないとして、その請求を棄却した事例 |
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1522 | H11.1.25 | 東京地裁 |
準工業地域内のマンションの売買において、売主業者が、500m離れた道路建設計画(原案がまとまったが、環境アセスメント及び計画決定は未だなされていないもの)について、買主にその説明をしなくても、契約の要素の錯誤があったとはいえず、また、売主業者に告知義務違反があったとはいえないとした事例 |
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1523 | H11.1.25 | 東京地裁 |
後見人がブローカーの言を信じて低廉な価額で土地を売却するとともに、不要なマンション新築工事を発注して違約金を支払わざるを得なくなった事案について、後見人に善管注意義務違反があるとした事例 |
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1524 | H11.1.22 | 最高裁 |
都市計画法43条1項6号ロにいう「市街化調整区域に関する都市計画が決定され…た際すでに宅地であった土地」とは、市街化調整区域指定時に宅地であり、かつ、それ以降継続して宅地であることを要するとされた事例 |
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1525 | H11.1.22 | 東京高裁 |
競売不動産につき、宅地造成工事の完了検査を受けていないため、改めて建築確認を受けるためには1200万円の擁壁構築工事の必要があることは、民事執行法75条1項にいう「損傷」にあたるとした、売却許可決定を受けた買受入の売却許可決定の取消請求が認められた事例 |
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1526 | H11.1.21 | 札幌地裁 |
売れ行き不振の分譲マンションの販売促進のためにする実質値引きに相当するサービスを一律に提供すべき義務はないとされた事例 |
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1527 | H10.12.25 | 東京地裁 |
市街化調整区域内の農地を公団が大規模開発目的で買い受け、売主が代金全額を受領し、土地を引き渡したが、開発目的が未だ達成されていないときに、売主が農地転用許可申請協力請求権の消滅時効を援用することは、権利の濫用に当たるとされた事例 |
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1528 | H10.12.21 | 東京地裁 |
マンションの分譲会社が、分譲後に設立されたマンションの管理組合に対し、管理事務室及び管理人室は分譲会社の専有部分であるとしてその所有権の確認等を求めた事案において、管理人室等は利用上の独立性を有しないため分譲会社の専有部分に属さないとしてその請求を棄却した事例 |
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1529 | H10.12.9 | 名古屋地裁 |
土地買収にあたり、根抵当権の事前解除について根抵当権者と振込指定の合意をした場合、土地買収代金の振込みについて根抵当権者の利益を侵害しないようにすべき注意義務があるとして、同合意に反して、土地所有者の求めに応じ土地買収代金を指定口座以外の口座に振り込んだ市に対し、不法行為責任を認めた事例 |
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1530 | H10.12.2 | 東京高裁 |
不動産競売事件で、執行抗告申立て後火災が発生し、買受人が、上申書をもって火災による本件建物の損傷の事実を追加的に原決定の取消事由として主張した事案において、民事執行法75条にいう買受人の責めに帰すことができない事由により不動産が損傷した場合に当たり、かつ、その損傷が軽微であるとはいえないとして、売却許可決定の取消しを認めた事例 |
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1531 | H10.11.30 | 水戸地裁 |
残代金の支払いを「融資実行日所有権移転登記手続完了時」に行うとした土地売買契約したが、売主が登記済権利証を紛失したため保証書より登記を移転しようとした事案において、その履行期は保証書による移転登記の確認のためのはがきが法務局に返送された時であるとされた事例 |
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1532 | H10.11.30 | 東京高裁 |
「新たな建物が完成するまでの間」住居として使用するためになされた使用貸借において、新たな建物が完成していなくても、契約締結時から5年近く経過したときは、返還時期は既に到来しているとして、貸主からの建物の明渡請求を認容した事例 |
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1533 | H10.11.27 | 東京地裁 |
前所有者から土地を賃借し、建物を建てて占有している者に対しては、当該建物の所在地番の表示が誤って登記されたとしても、建物の同一性を認識できるような軽微なもので更正登記が容易であれば、前所有者から競売により土地の所有権を取得し、建物の収去と土地の明渡しを求めた者に対して、借地借家法10条1項に基づき賃借権を対抗できるとした事例 |
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1534 | H10.11.26 | 大阪地裁 |
土地の売買において、租税特別措置法の優遇措置を受けられないのに、業者が誤解して受けられると説明したため、売主がこれを信じて売却したところ、追加納税を余儀なくされた事案において、業者に契約締結上の過失があり、不法行為に基づく損害賠償を認めた事例 |
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1535 | H10.11.26 | 東京地裁 |
中高層マンション建築用地として土地の売買契約が締結された場合において、マンション建築の支障となる地中障害物が存在したときは、隠れたる瑕疵があるとして、売主に対し、同障害物の撤去費用相当額の支払いを命じた事例 |
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1536 | H10.11.25 | 最高裁 |
相互銀行の役員らが、土地の購入資金及び開発資金等の融資をするにあたり、担保が大幅に不足し、回収困難に陥るおそれが明らかであり、当該融資の必要性、緊急性が認められず、第三者の利益を図る目的があったとして、特別背任罪の成立を認めた事例 |
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1537 | H10.11.20 | 最高裁 |
一部区分所有者のマンション駐車場の無償の専用使用権につき、当該利害関係者の同意を得ずに行った、当該専用使用権を消滅させる集会決議は無効とされ、無償の専用使用権を有償化する集会決議は有効であるとして、その負担額につき審議を差し戻した事例 |
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1538 | H10.11.20 | 秋田地裁 |
売主業者が地下に堆積したごみの存在を知りながら、これを除去することなく、宅地に造成して、分譲し、不等沈下が生じた事案について、売主業者に不法行為責任があるとしたが、県知事の工事完了検査等については、過失がないとして、その責任を否定した事例 |
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1539 | H10.11.16 | 横浜地裁 |
マンションの売主業者が、近隣住民らに対し、設置した反対看板等の撤去及びビラ配布等の禁止を求める仮処分命令の申立てをした事案において、掲示物の内容は客観的な事実あるいは近隣住民の主張を記載したものであり、売主業者の人格権を侵害するものではないとして、申立てを却下した事例 |
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1540 | H10.11.6 | 大阪高裁 |
マンションの建築により眺望が阻害されたことを理由とする住民の損害賠償請求について、原審では一部容認されたが控訴審では生活環境の受忍限度を越える立証がないとして棄却された事例 |
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1541 | H10.10.26 | 東京地裁 |
マンション建設用地売買の基本協定締結後、買主業者が市況の冷え込みを理由に売買契約の締結を拒絶した場合、買主業者の契約締結上の準備段階における信義則上の義務違反があるが、売主の損害の立証がないとして、売主の請求を棄却した事例 |
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1542 | H10.10.5 | 東京地裁 |
売買の対象となった土地の地中にコンクリート塊等の産業廃棄物のあったことが隠れた瑕疵に当たるか否か、買主が商法526条の目的物検査及び通知の義務を履行したか否か争われた事案において、当該産業廃棄物のあったことは隠れた瑕疵に当たり、買主は通知義務を履行しているとして、買主の損害賠償請求を認容した事例 |
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1543 | H10.9.30 | 東京高裁 |
媒介業者が紹介した購入希望者が売主の希望する条件を満たさなかったために不成立となった売買契約が、その後別の業者の媒介により同じ当事者間で成約した事案において、売主は故意に当初の媒介による契約を妨害しておらず、また、当初の媒介業者は報酬を支払うに値する程度に成約に寄与していないとして、媒介契約上の特約に基づく報酬請求権もないとした事例 |
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1544 | H10.9.24 | 大阪高裁 |
公庫融資賃貸住宅の敷金の返還をめぐり、住宅金融公庫法35条に違反する設備協力負担金支払いの約定の私法上の効力が争われた事案において、同法に違反しても直ちに無効となるものではないが、その逸脱が著しく、社会的に容認しがたいものであるときは、その限度において無効になるとされた事例 |
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1545 | H10.9.24 | 東京地裁 |
借地権の存在を前提として借地上の建物の競売が行われた場合に、借地契約が地代滞納により解除され、買受人が代金を納付した時点において借地権が存在しないときは、買受人は、債務者に対して代金減額請求をすることができ、債務者が無資力であるときは、売却代金の配当を受けた債権者に対して同減額分の返還を請求することができるとした事例 |
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1546 | H10.9.16 | 東京地裁 |
中古マンションの買主が、購入の際、売主業者及び媒介業者が同マンション所有者の同意がなければ隣地に建物が建築されることはないと説明したのに、隣地に建築物が建築され、日照が大幅に阻害されたとして、売買代金を上回る損害賠償を請求した事案において、その請求を認容した事例 |
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1547 | H10.9.3 | 最高裁 |
居住用の家屋の賃貸借においていわゆる敷引特約がされた場合において、災害により賃借家屋が滅失し、賃貸借契約が終了したときは、特段の事情がない限り敷引特約を適用することはできず、賃貸人は賃借人に対し敷引金を返還すべきとされた事例 |
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1548 | H10.8.31 | 東京地裁 |
不動産競売の売却許可決定を得ていた者が、銀行に融資申込みをし、その手続きを進めていたところ、代金納付期限9日前になって、既に説明済みの事実を理由に融資の実行を拒絶され、代金納付ができなくなった事案において、銀行の支店長代理が上司に報告しないまま融資手続きを進め、融資拒絶の時期を遅延させた過失があるとして、銀行の使用者責任を認めた事例 |
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1549 | H10.8.28 | 東京地裁 |
サブリース契約において、賃借人(サブリース業者)は大手不動産会社であり、社会的弱者としての賃借人保護の要請は働かないとして、借地借家法32条の適用はなく、当事者間の賃料自動増額特約を有効とした事例 |
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1550 | H10.8.27 | 東京地裁 |
マンション販売委託契約において、買取保証特約を定め、買取を求めたところ、これに応じないので、他に転売し、買取保証額との差額の損害賠償を請求した事案において、委託業者に販売不振打開について受託業者に協力しない等信義則違反があったとはいえないとして、委託業者の請求を認容した事例 |
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1551 | H10.8.27 | 札幌地裁 |
競落許可決定後、競売物件の対象となった居宅において、その所有者の夫が1年前に自殺していたことが判明し、その事実が最低売却価額の決定及び物件明細書の記載に考慮されておらず、かつ、買受申出人が買受申出前に知らないときは、民事執行法75条1項が類推適用されるとして、売却許可決定を取り消した事例 |
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1552 | H10.8.25 | 大阪地裁 |
震災により損壊した区分所有建物につき、建物の区分所有等に関する法律61条5項に定める決議がなされ、この決議に反対した所有者が決議に賛成した所有者に対し、建物の買取を求め、同法の定める「時価」の意義等につき争った事例 |
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1553 | H10.8.25 | 仙台高裁 |
高速道路用地としての高額の買収が確実であることを看過してなされた最低売却価額の決定と、これに基づく売却許可決定は、民事執行法71条6号に照らし違法であるとされた事例 |
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1554 | H10.7.29 | 大阪地裁 |
建売住宅を購入した買主が、擁壁及び建物に瑕疵があるとして、売主業者に対し債務不履行ないし不法行為責任を、また、建設会社及び建築士に対し不法行為責任を訴求した事案において、建設会社及び建築士の責任を認めたが、売主業者については、検査済証の交付を確認しているから、調査義務を尽しており、責任はないとした事例 |
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1555 | H10.7.29 | 東京高裁 |
建売住宅建築目的での農用地区域内の農地の条件付売買契約について、その後工場地区とされたことに伴い、条件不成就が確定したとして、売主に登記の抹消と引換えに売買代金の返還を命じた事例 |
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1556 | H10.7.29 | 東京高裁 |
マンション売買契約とケアサービス契約、ケアホテル会員契約を締結した場合において、ケアホテル会員契約はマンション売買契約と密接関連性があるとはいえず、ケアサービス契約は密接関連性を有するが、同契約上の債務不履行はないとして、マンション売買契約の解除を認めなかった事例 |
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1557 | H10.7.29 | 東京高裁 |
高齢者向けマンション売買契約とライフケアサービス契約は一体のもので、一方の解除事由をもって両方の解除をなし得るが、ケアホテル契約とは一体性はないとして、マンション売買契約の解除を否定した事例 |
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1558 | H10.7.21 | 福岡高裁 |
媒介契約合意解約後、買主が、媒介業者が斡旋した売主と直接売買契約を締結したため、業者が買主に報酬を請求したところ、一審判決では、媒介契約の合意解約後の売買契約であるから、業者に報酬請求権はないとしたが、控訴審では、売買契約の成立に相当因果関係があるとして、報酬請求権の一部を認めた事例 |
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1559 | H10.7.16 | 東京高裁 |
抵当権を不法に抹消された後、当該不動産の所有権を取得し、登記を移転しても、抵当権設定者がその外形を作出し、又は放置容認していた場合でなければ、民法94条2項を類推適用する余地はないとされた事例 |
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1560 | H10.7.16 | 東京地裁 |
宅建業無免許業者が、依頼により土地売買の媒介をしたとして、準委任契約又は商法512条に基づき報酬を求めた事案において、商事報酬請求権はあるものの無免許営業による報酬支払債務は自然債務にとどまるとしてその請求を棄却した事例。 |
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1561 | H10.7.14 | 東京地裁 |
宅地建物取引業法25条に基づく営業保証金として供託された割引国債証券が時効消滅したのは、時効完成前に問い合わせを受けた法務局職員が適切な指導を行わなかったためであるとする国家賠償請求が認められなかった事例 |
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1562 | H10.7.13 | 東京地裁 |
媒介業者の勧誘に応じて、米国内のモーテルを投資目的で購入したところ、同モーテルの経営不振により、抵当権が実行され、買主が所有権を失った事案において、媒介業者に投資物件の収益性に関する説明義務違反及び管理に開し社員の現地常駐約束違反があったとして、媒介業者及びその役員に314万円の支払いを命じた事例 |
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1563 | H10.7.8 | 東京高裁 |
競売手続による買受入が代金納付前に元所有者に売り渡し、引き続き占有させた後、元所有者の代金不払により売買契約を解除した場合、買受入は新たな占有状態を作出したのであるから、民事執行法に基づく不動産引渡命令を申し立てることはできないとした事例 |
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1564 | H10.7.1 | 東京高裁 |
法人税の課税について、不動産の販売による売上げの計上は、不動産の引渡しがあった日の属する事業年度の益金の額に算入すべきであり、その判断は、諸事情を考慮し、現実の支配が移転した時期をもって行うべきであるとした事例 |
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1565 | H10.6.30 | 水戸地裁 |
建物収去土地明渡請求訴訟において敗訴した者が、書留郵便に付して送達された判決正本を受け取った後控訴したところ、控訴期間経過を理由とする控訴却下の決定がなされた場合において、原裁判所の書留郵便に付する送達は違法な手続であったとして、原決定を取り消し、控訴を適法と認めた事例 |
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1566 | H10.6.30 | 東京地裁 |
自宅の買換えにあたり、物件の購入を先行したところ、旧宅の売却ができず、安値で売却せざるを得なくなった買主が、媒介業者に対し一定額の売却保証があったとして、損害賠償を求めた事案において、同保証はなかったとされた事例 |
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1567 | H10.6.26 | 東京地裁 |
共同住宅の一室の借主が、貸室内に極めて多量のゴミをかなりの高さにまで積み上げたままにしていた事案について、契約条件に反する2年以上の長期にわたる非常識な行為で、衛生面の問題、火災発生の危険性があり、賃貸借契約の解除事由になるとされた事例 |
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1568 | H10.6.26 | 仙台高裁 |
民事訴訟に関連して詐欺・業法違反の容疑で告訴、書類送検された業者が、新聞報道により名誉を毀損されたとして損害賠償を求めた事案において、同報道は容疑濃厚の印象を与えるところ、取材を尽しておらず、新聞社に不法行為責任があるとして、60万円の支払いを命じた事例 |
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1569 | H10.6.17 | 大阪高裁 |
建築基準法42条2項の道路を一括指定する処分は、個別具体の道路を指定するものではなく、一般的・抽象的な基準を定めるに過ぎないから、処分性を認めることはできないとして、指定処分の不存在確認を認容した第一審判決を取り消し、訴えを却下した事例 |
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1570 | H10.5.28 | 東京地裁 |
Y1、Y2が共同で不動産を購入し、Y1が住宅ローンを申し込んだところ、Y2が連帯保証を拒み、かつ、Y1の高血圧のため団体信用生命保険が否決された場合に、ローンが実行されなかったのは、買主側の責めに帰すべき事由によるとして、ローン解約が認められなかった事例 |
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1571 | H10.5.27 | 大阪地裁 |
媒介業者から物件の斡旋を受けた買主が、売買代金額の折合いがつかず、媒介契約を解約した直後に、売主側と直接交渉して売買契約を成立させた場合において、当初の媒介業者は売買契約に相当程度寄与したとして、その報酬請求権を認めた事例 |
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1572 | H10.5.13 | 東京地裁 |
修理不能な雨漏りのあるマンションを、その事実を秘して買主に購入を勧め、契約を締結させた、媒介業者、銀行、税理士に、重要事項告知義務違反があるとして、不法行為責任を認め、損害賠償を命じた事例 |
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1573 | H10.5.12 | 東京地裁 |
マンションの賃借人が、隣室の住人らに対し受忍限度超える騒音が発生していないのに発生しているとして嫌がらせ行為を続け、隣人の立退きを余儀なくさせたことは賃貸借契約の信頼関係の破壊にあたるとして、賃貸人の契約解除、建物明渡し請求を認容した事例 |
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1574 | H10.5.11 | 松山地裁 |
土地の売買において、隣地高架道路建設計画を知悉しながら買主に告知しなかった売主業者には、重大な義務違反があり、また、媒介業者には、調査すれば同計画を容易に知り得たのにこれを怠った過失があるとして、損害賠償を命じた事例 |
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1575 | H10.4.27 | 横浜地裁 |
土地建物の売買価格を路線価の70%相当額として7,000万円と定めた場合において、実際の路線価の70%相当額が1億2,900万円であるときは、その売買価格は合理性を失するほどに低額であるとして、要素の錯誤を認めた事例 |
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1576 | H10.4.22 | 東京高裁 |
マンション建設業者が等価交換方式によるマンション建設の課税について誤った説明をし、これを信じて契約を締結したところ、多額の納税を余儀なくされたとして、買主が損害賠償を請求した事案において、建設業者の契約締結上の過失責任を認めた事例 |
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1577 | H10.4.22 | 大阪地裁 |
新築ワンルームマンションの売買において、2年後までに少なくとも売買代金額で買い戻す旨の合意があり、再売買の効力が発生したとして、契約8年後に、売主業者に当初代金額での買戻しを命じた事例 |
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1578 | H10.4.22 | 東京地裁 |
地上げ共同事業の業務提携契約が解消された場合において、合意書にその取扱いが規定されていないときは、契約の趣旨に照らし、公平の原則の見地から当事者の意思を推し量って解釈すべきであるとして、本件拠出金は業務提携関係維持管理のコストであり、その返還を求めることはできないとした事例 |
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1579 | H10.4.16 | 大阪地裁 |
マンションの建築により住居からの眺望が阻害されたことを理由とする慰謝料の請求が認容された事例 |
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1580 | H10.3.31 | 東京地裁 |
媒介業者がホテル売却の媒介を進め、実質的に売買契約が成立していたと認められる場合において、当事者が媒介業者を排除して新たな媒介業者による法人売買の形式をとったとき、両当事者には条件成就妨害による報酬支払義務が、また、新たな媒介業者には不法行為による損害賠償義務があるとされた事例 |
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1581 | H10.3.30 | 東京地裁 |
土地の売買契約等を締結する前に、売主(宅建業者)へ支払われた預り金の返還請求権は、宅地建物取引業保証協会の弁済業務の対象債権でないとされた事例 |
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1582 | H10.3.27 | 千葉地裁 |
建売住宅の売買において、盛土造成工事、基礎工事、建物の構造躯体の施工に売買契約の目的を達することができない重大な瑕疵があり、売員契約は要素の錯誤により無効であるとした買主主張が認められた事例 |
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1583 | H10.3.24 | 大阪高裁 |
契約書上は土地売買契約と建物建築請負契約が締結されたが、実質は土地付戸建住宅の売買契約であると認定され、土地売買契約のローン条項により、一体の契約のローン解約が認められ、売主及び媒介業者に受領済の金員の返還を命じるとともに、媒介業者に重要事項説明義務違反があるとして売主の返還債務について連帯責任を認めた事例 |
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1584 | H10.3.12 | 広島地裁 |
中古マンションの売買に際し、媒介業者が、買主と結託して代金を水増しした虚偽の契約書を作成した結果、住宅ローン保証保険金を支払わされたとして、損害保険会社が、媒介業者に不法行為による損害賠償を求めたのに対し、媒介業者に支払済みの保険金全額の賠償を命じた事例 |
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1585 | H10.3.11 | 富山地裁 |
ゴルフ場用地買収の取りまとめ等の業務を受託し、同業務を進行中、県の指導により、同計画を縮小したところ、委託業者が同契約を解除した事案について、本件事業の中止は委託業者の経営状態の悪化によるもので、委託業者の責めに帰すべき事由によって履行不能となったとして、報酬金の支払いを命じた事例 |
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1586 | H10.3.10 | 上野簡裁 |
白蟻駆除工事において、油剤を使用しないものは不完全工事であり、白蟻業者の残代金支払請求は認められないとされた事例 |
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1587 | H10.3.4 | 福岡地裁 |
オウム真理教の進出に伴う紛争において、オウム真理教がその所有する不動産を村に贈与して撤退し、村がこれに伴う損失保証に関し和解金を支払うことを約した和解は、公序良俗に反しないとして、村民の村長に対する住民訴訟を棄却した事例 |
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1588 | H10.3.2 | 仙台高裁 |
売主の一方的理由で売買を中止した場合に違約金を支払うとの合意が、合意成立に至る事情からして、民法90条に違反し、宅建業法の報酬制限を潜脱するためになされたものではないとされた事例 |
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1589 | H10.2.26 | 東京高裁 |
白蟻駆除業者の発行した「白蟻駆除予防の日より5年間白蟻発生に関し保証する」との保証書は、白蟻予防の施工と関係のない、裏の体育館からの飛来による食害についてまで保証する趣旨ではないとして、白蟻駆除業者の責任を否定した事例 |
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1590 | H10.2.26 | 東京地裁 |
租税特別措置法41条の住宅取得控除の適用については、対象床面積の計算方法は内法計算法によるのが合理的であり、税務署の更正処分に違法はないとした事例 |
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1591 | H10.2.25 | 横浜地裁 |
新築賃貸住宅の賃借人が新建材の刺激臭により化学物質過敏症に罹患し、退去せざるを得なくなったとして、賃貸人に損害賭償を請求した事案において、賃貸人に過失はなかったとして、その請求が棄却された事例 |
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1592 | H10.2.19 | 大阪地裁 |
住宅ローン融資の際に加入した団体信用生命保険に、債務者の告知義務違反があったが、保険会社が、自らの過失により、告知事項があることを知り得なかったものであるとして、保険契約の解除が認められなかった事例 |
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1593 | H10.2.3 | 東京地裁 |
他人物を売却した売主が所有権を取得できず、契約が解除された場合に、買主業者が媒介業者の調査義務違反により手付金等の損害を受けたとして、保証協会に対し、弁済業務保証金による弁済の対象となる債権の認証を申し出た事案において、権利関係の調査確認は第一義的には媒介業者が負うもので、買主業者が行わなかったとしても過失はないとして、その請求を認容した事例 |
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1594 | H10.1.30 | 東京地裁 |
マンション駐車場の専用使用権の譲渡を管理組合が否定し、使用料の値上げを求めた事案について、同専用使用権は債権的利用権であって、その譲渡は可能であり、これを消滅させるには、専用使用権者の承諾を必要とし、また、維持管理費を値上げするについては、総会の出席者の3分の2以上の同意による決議を要するとして、管理組合の主張を斥けた事例 |
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1595 | H10.1.30 | 大阪高裁 |
人家密集地域の建築については、隣地所有者の生活利益を侵害しないように配慮すべき義務があり、境界線からの距離保持に関し、合理的な理由がなく、隣地所有者との交渉に応じないことは、誠実交渉義務に違反し、不法行為責任を負うとされた事例 |
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1596 | H10.1.30 | 京都地裁 |
売主が買主業者の違約により取得した違約金債権について、保証協会から認証を拒否されたとして、同協会に対しその認証を求めた事案において、違約金債権は法64条の8第1項にいう「取引により生じた債権」に該当するとして、協会に認証を命じた事例 |
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1597 | H10.1.29 | 東京地裁 |
根抵当権の実行により建物所有権を取得した者が、賃借人に対し、その外形はあるものの、真実は経済的利益を得る目的で、外観を作出したに過ぎない背信的悪意の第三者であるとして、賃借権不存在の確認を請求した事案において、これを認容した事例 |
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1598 | H10.1.23 | 東京地裁 |
ハワイの物件を媒介する業者は、買主がハワイの不動産について知識がなく、売主の希望価額が著しく不当な場合、現地価額等を説明する義務があり、鑑定評価額の2倍を超えるときは、その説明をしなければならないとされた事例 |
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1599 | H10.1.23 | 東京地裁 |
マンション管理会社が破産した場合、区分所有者が管理会社の口座に送金した管理費等は、破産会社に帰属し、管理組合に返還請求権はないとされた事例 |
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1600 | H10.1.20 | 東京地裁 |
借地権付建物購入資金1億2,000万円の融資を受けて同建物を購入した不動産業者が、ビル新築資金2億6,000万円の融資約束もあったと主張したのに対し、同融資約束は成立していないとされた事例 |
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1601 | H9.12.26 | 東京高裁 |
買受入に対抗できる賃借権が一部不存在であるにもかかわらず、存在するとして最低売却価額の決定等がなされたとして、建物所有者が売却許可決定の取消しを求めた事案において、最低売却価額の決定に誤りがあったとしても、実際に定められた最低売却価額がその後の地価の下落により本来定められるべき額よりも高額の時は、売却許可決定の取消事由にならないとされた事例 |
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1602 | H9.12.26 | 横浜地裁 |
建築確認申請に対し、約1年半の行政指導がなされたため、工事費が急騰したとしても、申請人が同指導に任意に従い、同申請に接道要件、開発許可の要否、擁壁等の問題がある場合、同期間は社会通念上合理的な期間といえ、同行政指導には違法がないとされた事例 |
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1603 | H9.12.26 | 大阪地裁 |
マンション建設業者の意見書に対する、情報公開条例に基づく住民の開示請求について、町が非開示事由にあたるとして拒否したのは、違法であるとして、町に国家賠償を命じた事例 |
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1604 | H9.12.25 | 東京地裁 |
区画整理地内の接面道路のない物件の買主が、地下車庫築造可能等の条件が満たされず、通路協定が不成立である等として、売買契約を解除し、売主及び媒介業者の責任を追及した事案において、地下車庫築造可能等の条件はなく、建築基準法43条1項但書の適用を受けることができる等として、買主の請求を棄却した事例 |
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1605 | H9.12.19 | 名古屋地裁 |
定期借地権設定契約の解約に伴い、既払金の返還に代えて先日付の小切手を振り出した場合、振出日以前に呈示しない旨の書面の差入れを断っているときは、同合意の存在を認めることはできないとした事例 |
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1606 | H9.12.19 | 東京地裁 |
弁護士報酬の支払いに関し、依頼者がその総額を支払方法をメモに記載し、保管していた場合、同メモの作成により、5億円の弁護士報酬支払いの合意があると認定された事例 |
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1607 | H9.12.8 | 東京地裁 |
マンションの売主が、売買契約を締結し、買主のための公庫融資の抵当権設定がなされたが、当該売買契約は詐欺によるものであるとして、これを取り消し、抵当権の抹消を求めた事案において、売買の詐欺取消を認めたが、公庫は民法96条3項の善意の第三者にあたるとされた事例 |
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1608 | H9.12.5 | 東京地裁 |
不動産の公売手続における売却価額が不当に低廉であるとして、仮差押債権者である住宅金融債権管理機構が換価手続の続行停止申し立てた事案において、これを認容した事例 |
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1609 | H9.11.13 | 最高裁 |
建物賃貸借において、更新後の未払賃料等にも保証人の責任は及ぶとされた事例 |
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1610 | H9.11.12 | 横浜地裁 |
賃貸駐車場の管理をしている取引主任者が、借主の本籍が記載された住民票の交付を請求した事案について、請求事由の明示がなく、請求理由が不当であるとして、交付を拒否した市役所の処分が妥当とされた事例 |
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1611 | H9.10.24 | 東京地裁 |
譲渡所得の申告手続を依頼された税理士は、依頼者にとって有利な方法を選択すべき義務があり、一括修正申告手続をしなかったために、依頼者が軽減措置を受けられなくなったときは、その損害賠償を負うとされた事例 |
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1612 | H9.10.22 | 東京地裁 |
債務者が、銀行からマンション建設資金の融資を受けるに際し、保証会社(関連会社)と締結した保証委託契約による抵当権設定契約に基づいて、同保証会社が、抵当権設定手続を求めた事案において、債務者の抗弁は理由がないとして、同請求を認容した事例 |
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1613 | H9.10.20 | 東京地裁 |
賃貸中の中古マンションの買主が、売買契約の際賃借人が暴力団員であることの説明がなかったとして、売主及び媒介業者に損害賠償等を求めた事案において、賃借人が暴力団員であるだけでは売買契約の錯誤無効は認められないとし、また、媒介業者は入居申込書等で確認しているから調査説明義務違反はないとして、買主の請求を棄却した事例 |
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1614 | H9.10.17 | 東京地裁 |
売買した土地に水資源開発公団の導水管があったため、買主が、同公団と地上権設定契約を締結し、導水管の存在は隠れたる瑕疵である等として売主業者に対し損害賠償を求めた事案において、導水管の存在は隠れたる瑕疵であるが損害の立証がないとし、また、他の土地からの下水管の存在は瑕疵にあたらないとして、買主の売主業者に対する損害賠償請求が棄却された事例 |
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1615 | H9.10.15 | 東京地裁 |
マンション全体の買収を目指した買主と、マンション他室の買収単価により増額し得るとの特約付きで、代金3億円でマンション一室を昭和61年に売却した売主が、平成7年に2億4千万円余の差額の支払いを求めた事案において、消滅時効は成立しておらず、事情変更の適用はないとして、その請求を認容された事例 |
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1616 | H9.10.15 | 東京地裁 |
マンションの居室改装工事にダイヤモンドカッターを使用して、受忍限度を超える騒音を発生したとして、施工業者等に対し、階下居住者に慰謝料の支払いを命じたが、山荘、ホテルへの避難経費の請求は、因果関係がないとして棄却した事例 |
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1617 | H9.9.25 | 浦和地裁 |
基地周辺の航空機騒音の著しい地域の建売住宅を購入した買主が、売主業者に対し、航空機騒音の告知義務を怠ったとして損害賠償を求めた事案において、売主業者には特段の事情のない限り航空機騒音の告知義務はないとして、買主の請求を棄却した事例 |
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1618 | H9.9.18 | 東京地裁 |
買主が住宅ローンを申し込んだが、融資基準を満していないため、融資を受けられず、ローン特約に基づき解約をした事案について、ローン申込みに媒介業者の関与がなく、かつ、75才までのローンの申込みをしていなくても、買主は真摯な努力義務を尽しているとして、売買の解約を認め、売主業者に手付金の返還を命じた事例 |
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1619 | H9.9.8 | 神戸地裁 |
土地付建物の売買において、地下室の二重壁を設けなかったために浸水現象が生じたとして、買主が、売主業者に対し瑕疵担保責任に基づく契約の解除を、また、建築業者に対し不法行為責任を訴求した事案において、売主業者の瑕疵担保責任を認めたが、建築業者の不法行為責任を否定した事例 |
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1620 | H9.8.29 | 東京地裁 |
マンションの管理費は、会計年度ごとに決定、賦課されるものであるから、月払いとされていても、民法169条の定期給付債権に当たらず、その消滅時効は10年であるとされた事例 |
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1621 | H9.8.27 | 大阪地裁 |
土地の売主が隣地所有者に境界確認書への判付料として和解金320万円を支払ったが、同和解金の支払いは売主の窮状に乗じた暴利行為であるとして、和解金全額の返還を求めた事案において、同和解金のうち20万円を超える部分については公序良俗に反し無効であるとして、300万円の返還を命じた事例 |
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1622 | H9.8.26 | 東京地裁 |
土地建物の売買において、土地の一部が市有地であることが転売後、上告審において確定し、買主が転買人と和解して、14年後に売主に代金減額請求をした事案において、代金減額請求権は、買主が売主の一部履行不能の確定の事実を知ったときから1年内に行使すればよく、10年の消滅時効期間の制限には服しないとした事例 |
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1623 | H9.8.21 | 大津地裁 |
マンションの建設により電車の反射騒音が増大する被害を受けたとした近隣住民の分譲業者に損害賠償請求が一部認められた事例 |
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1624 | H9.8.19 | 浦和地裁 |
建物価額を加味しないで売買価額が定められ、建物の瑕疵担保責任の免責特約がある場合でも、同物件で縊首自殺のあったときは、売主は瑕疵担保責任を負うとされた事例 |
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1625 | H9.7.29 | 東京地裁 |
温泉付マンションの分譲業者が温泉の安定的な供給をしないとして、同マンション管理組合が、分譲業者及び販売代理業者に損害賠償等を求めた事案において、同請求権は個々の区分所有者に帰属し、管理組合には当事者適格がないとされた事例 |
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1626 | H9.7.25 | 名古屋地裁 |
手形所持人が手形引受人に対しその支払いを求めた事案において、引受人は、土地の買主から税金対策のために必要な書類だといわれ、内容を十分確認することなく、為替手形の引受欄に署名、押印したものであり、引受けの行為はなかったとして、手形所持人の請求を棄却した事例 |
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1627 | H9.7.9 | 東京地裁 |
マンション販売業者が、マンション建設にあたり、周辺住民に対して8回の説明会を開き、工事協定書を取り交わしたにもかかわらず、独り販売業者を誹謗、中傷する虚偽の事実を記載したビラや看板を掲示し続けた者がおり、業務を妨害されたとして、その者に対して、その撤去と損害賠償を求めた事案において、同掲示は違法なものであるとして、その撤去と100万円の支払いが命じられた事例 |
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1628 | H9.6.26 | 津地裁 |
産業廃棄物処理業者が、ニュータウンの近くで、建設廃棄物を大量に野焼きし、その悪臭、煤煙により、付近住民に健康被害が生じたとして、慰謝料の支払いを命じた事例 |
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1629 | H9.6.26 | 大阪地裁 |
営業保証金を国債で供託し、償還期限到来後10年を経過した場合、消滅時効が完成し、供託者は償還請求をすることができないとされた事例 |
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1630 | H9.6.25 | 津地裁 |
市街化調整区域内の土地について、媒介業者は建築不可である旨を明確に説明すべき注意義務を負っているにもかかわらず、これを怠り、いかにも建築できるかのように誤信させたとして、1,300万円の支払いを命じた事例 |
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1631 | H9.6.11 | 東京高裁 |
土地交換契約及び建物持分移転契約について、契約当時すでに中等度の痴呆症(認知症)状態にあり、意思能力を欠いていたとして、契約相手方に対する所有権ないし持分全部移転登記の抹消、及び根抵当権を設定した銀行に対する抹消登記手続の承諾を命じた事例 |
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1632 | H9.6.10 | 東京地裁 |
サブリース契約の賃貸人が賃料増額特約に基づき増額請求をした事案において、同特約はその後事情変更があるから効力を有さず、賃借人は賃料減額請求をすることができるとした事例 |
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1633 | H9.5.29 | 東京地裁 |
マンション用地の業者間売買において、引渡し後に発見された地下室を伴う基礎が、売買契約時に当事者間で合意された地中障害に関する担保責任免除特約には該当しないとして、その損害賠償が、売買代金額から瑕疵ある目的物の客観的取引価格を控除した残額の範囲で認められた事例 |
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1634 | H9.5.29 | 大阪地裁 |
節税を目的として、海外不動産小口化投資商品に投資することとし、融資を受けたところ、市場の悪化と為替の変動により大幅に価格が下落した場合において、借主は本件融資の基本的枠組みを理解していたから、細部についての理解がなくても、錯誤無効は認められないとして、借入金の返済を命じた事例 |
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1635 | H9.5.26 | 横浜地裁 |
違法木造増築部分のある中古マンションの買主が、売主及び媒介業者に対して、錯誤無効、詐欺取消、不法行為による損害賠償を求めた事案において、客付業者に告知義務違反があるとして慰謝料の支払いを認めた事例 |
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1636 | H9.5.15 | 東京高裁 |
マンションの特定の区分所有者の専用に供される排水管の枝管が、その階下の区分所有建物の天井裏に設置されている場合に、排水管の機能、管理及び建物全体の排水との関連などを総合判断して、共用部分にあたるとされた事例 |
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1637 | H9.5.14 | 東京地裁 |
等価交換方式のマンション建築について、基本合意書が作成され、報酬額の覚書も交換された後、共同事業者が一方的に中止した場合、契約締結には至っていないから、仲介報酬は請求できないが、業務協力報酬は履行の割合に応じて請求できるとした事例 |
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1638 | H9.5.13 | 岡山地裁 |
中小企業等協同組合法の組合員が、組合員の従業員のための土地建物分譲を行った場合、当該不動産の所有権は、組合員に移転した後、従業員に移転したとして、組合員も「不動産の取得者」にあたるとされた事例 |
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1639 | H9.5.9 | 静岡地裁 |
中古マンションの買主が、犬(チャウチャウ、体長1m)を飼育できると信じて購入したところ、近隣の同意がとれず、飼育できなくなったとして、売主に対し、瑕疵担保責任、錯誤無効による代金の返還を求めた事案において、買主が犬の種類、体長等の説明を尽していなかったとして、その請求を棄却した事例 |
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1640 | H9.4.23 | 横浜地裁 |
マンションの販売に際し、売主業者が駐車場について的確な説明をしなかったため、買主らの締結した駐車場賃貸借契約が、その後貸主から更新を断られる事態になった等として、買主らが損害賠償を求めた事案において、売主業者に説明義務違反があるとして、慰謝料の支払いが命じられた事例 |
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1641 | H9.4.17 | 東京地裁 |
深夜ゴルフパター練習騒音を発生させたと、管理組合の総会等で指摘されたが、事実無根であり、名誉を毀損されたとして、上階の住民が階下の住民に対して損害賠償等を求めた事案において、慰謝料50万円の支払いが命じられた事例 |
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1642 | H9.4.16 | 千葉地裁 |
市街化調整区域内の土地建物について、既存宅地の確認を受け、建築確認が下りているとの説明を受けて購入したが、その後これらの事実がないことが判明し、行政庁から是正措置を求められた事案について、買主の契約解除を認め、売主業者及び媒介業者に売買代金及び違約金の支払を認じた事例 |
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1643 | H9.3.26 | 熊本地裁 |
多額の保険金を不正に取得する目的で締結された保険契約は、公序良俗に違反し、無効であるとされた事例 |
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1644 | H9.3.25 | 大阪高裁 |
水道のない土地を買った買主が、媒介業者と売主に対し、損害賠償を請求した事案において、第1審は、媒介業者と売主の責任を認めたが、控訴審において、売主については「水道はなし」と開示しているから、告知義務違反はないとされた事例 |
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1645 | H9.3.24 | 東京地裁 |
農地について売買契約が成立した後、当該農地が市街化調整区域に指定された場合、農地の買主の売主に対する転用許可申請協力請求権の消滅時効は、市街化調整区域に指定されている間は進行しないとされた事例 |
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1646 | H9.3.19 | 東京地裁 |
海外不動産(ホテル)買収のコンサルティング契約について、買収価額が不当に高過ぎる等注意義務を怠ったと争われた事案において、現地鑑定業者の鑑定が合理性を欠くとはいえない等として、債務不履行責任はないとされた事例 |
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1647 | H9.3.7 | 大津地裁 |
自宅の買換えにおいて、つなぎ融資を受け新居を購入し、旧宅の売却を依頼したところ、地価の下落により成約に至らず大幅な安値で売却せざるを得なくなったのは、不動産媒介業者、金融機関、保証会社らに債務不履行責任ないし不法行為責任があるとした損害賠償請求が棄却された事例 |
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1648 | H9.2.28 | 大阪地裁 |
住宅金融専門会社が経営危機に陥りながら、損を覚悟で大口融資先所有の不動産を高値買いし、不良債権隠しをしていた旨の新聞報道により、同大口融資先の不動産会社が著しく名誉を毀損されたとして記事を掲載した新聞社に対し名誉毀損に基づく損害賠償を求めた事案において、同報道は公共の利害に関する事案を報道し、専ら公益を図る目的に出たもので、同報道は真実性を有するとして、請求を棄却した事例 |
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1649 | H9.2.25 | 福岡高裁 |
住宅購入のための多額の借入行為は、破産者の免責不許可事由の「浪費」にあたるとしたが、行為の違法性及び債務者としての不誠実性が顕著とは言い難いとして、裁量による免責を認めた事例 |
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1650 | H9.1.28 | 東京地裁 |
建替目的で連棟式住宅(長屋建住宅)の売買契約を締結した買主が、宅地細分化防止指導要綱の説明がなかったとして、債務不履行を理由に売買契約を解除し、売主に手付金の返還及び違約金の支払いを、また、媒介業者に手数料相当額の損害賠償を求めた事案において、売主の説明義務は契約上の附随義務であるとして、買主の請求を認容した事例 |
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1651 | H9.1.17 | 横浜地裁 |
公道に面していない土地の借地権の売主が、業者の媒介により本物件を売却したが、その土地と公道との間にある借地権及び両地の底地権売買価格に比べて、不当に廉価に売却されたとして、媒介業者に対し損害賠償を求めた事案で、本件売買価格は総売買価格及び借地権売却価格とも相当であり、また、媒介業者に他の借地権売買価格等についてまで説明する義務はないとして、請求を棄却した事例 |
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1652 | H8.12.26 | 東京地裁 |
土地付リゾートマンションの売買に関する基本協定締結後、売主が開発許可及び建築確認を得たのに、買主が国土法の届出手続に協力せず、売買契約に至らなかったため、売主が買主に対し損害賠償を求めた事案において、買主には、契約準備段階にある当事者として信義則上の義務違反行為があり、不法行為による損害賠償責任を負うとされた事例 |
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1653 | H8.12.26 | 東京地裁 |
土地所有者の知らない間に委任状が変造されて、登記が移転し、さらに転売された場合において、同登記は原因を欠く無効の登記であり、かつ、権利者には帰責性がなく、転買人には過失があるから、民法94条2項の類推適用は認められないとして、権利者の真正な登記名義の回復を原因とする移転登記請求が認容された事例 |
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1654 | H8.12.25 | 東京地裁 |
ハワイのコンドミニアム事業の開発資金の融資において、融資銀行が保証会社に対し、事業の危険性について説明をしなかった詐欺があり、事業の進行状況の報告を怠った報告義務違反があるとして、保証契約の取消しと解除を求めたが、いずれも認められなかった事例 |
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1655 | H8.12.24 | 東京高裁 |
ローンを利用してワンルームマンションを購入した買主が、売買契約締結の際売主が値上がり保証をしたのに転売損を生じ、売買契約が無効又は取消し得べきものであるから、ローン保証会社との契約には抗弁権の接続があるとして、保証会社に不当利得の返還を求めた事案において、売買契約に無効、取消事由はなく、抗弁権の接続は認められないとして、請求を棄却した事例 |
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1656 | H8.12.20 | 東京地裁 |
売買契約締結の6年前になされた間取り変更等の改修工事について、その事実だけを伝え、改修内容が説明されず媒介により取引きされた中古一戸建で、入居後、強度不足などにより補修を余儀無くされた事案において、瑕疵の内容は重大であるが専門家でなければ認識困難として、売主の瑕疵担保責任をみとめ、媒介業者の調査義務に係わる不法行為責任を否定した事 |
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1657 | H8.12.20 | 東京地裁 |
売買契約締結の6年前になされた間取り変更等の改修工事について、その事実だけを伝え、改修内容が説明されず媒介により取引きされた中古一戸建で、入居後、強度不足などにより補修を余儀無くされた事案において、瑕疵の内容は重大であるが専門家でなければ認識困難として、売主の瑕疵担保責任をみとめ、媒介業者の調査義務に係わる不法行為責任を否定した事 |
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1658 | H8.12.19 | 福岡高裁 |
偽造印鑑の印鑑登録証明書を持参した者を、真の土地所有者と誤信して土地を買い受け、代金の一部を支払ったところ、真の所有者からの提訴により敗訴したため、同印鑑登録証明書を発行した市に対し、損害賠償を求めた事案において、同事務担当者に国家賠償法一条一項の過失はなかったとして、請求を棄却した事例 |
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1659 | H8.12.17 | 東京地裁 |
土地の売買契約が、節税目的のために仮装されたものであり、通謀虚偽表示により無効であるとして、買主の違約金等の請求を棄却した事例 |
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1660 | H8.12.10 | 大阪高裁 |
売主業者の宅地造成工事が遅延し、履行遅滞があったとして、買主業者が違約金の支払いを求めた事案において、履行期における宅地造成工事の進捗状況から受忍期間内の完成はできなかったとして、買主業者の請求を認容した事例 |
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1661 | H8.11.27 | 東京地裁 |
痴呆症(認知症)の売主の相続人が、売主がした代理権授与は意思能力を欠く無効なもので、これに基づく売買契約が無効であるとして、所有権移転登記の抹消を求めた事案において、代理権授与の際に意思能力を喪失しておらず、代理権授与は有効であり、売買契約もまた有効であるとした事例 |
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1662 | H8.11.21 | 名古屋地裁 |
産業廃棄物処分場建設目的で買収した土地について、処分場が建設できないのは媒介業者が農業振興地域指定の調査説明を怠ったためであるとして損害賠償を求めた事案において、処分場の建設が遅れているのは周辺住民の同意がとれないからであるとして、その請求を棄却した事例 |
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1663 | H8.11.12 | 最高裁 |
リゾートマンションの売買契約とそれと同時に締結されたスポーツクラブ会員契約に関して、屋内プールの完成遅延を理由として売買契約を解除することができるとされた事例 |
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1664 | H8.11.8 | 最高裁 |
買換えにあたり、買主の売却希望価額が高過ぎて、決済日までに売却できず、買換つなぎローンを借り入れたが、同ローンの返済もできなくなったため、買主が媒介業者に対して損害賠償を求めた事案において、買取りの約束又は第三者売却の約束があったとは認められず、また、買換特約を設けなかったことに違法はないとされた事例 |
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1665 | H8.10.28 | 東京地裁 |
バブル期に締結されたテナントビルのサブリース契約に対し、不動産賃貸市況低迷を背景になされた賃料減額請求訴訟において、借地借家法32条の適用による賃料減額が認められた事案 |
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1666 | H8.10.17 | 東京高裁 |
宅建業法64条の8第1項にいう「取引により生じた債権」とは、宅地建物取引業に関する取引を原因とし、これと因果関係を有する債権を意味し、具体的には宅地建物取引に関する契約、その解消及びこれらの不法行為等により生じた債権を指すものと解されるから、保証協会の内部規約により、「取引により生じた債権」の内容及び範囲に制限を加えることは許されず、よって契約により約定された違約金もこれに含まれると判示した事例 |
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1667 | H8.10.15 | 大津地裁 |
建築請負業者が一般消費者を注文者として建物建築請負契約を締結する場合、自主的な建築制限協定でも、その違反が建築工事中止になる危険性があるときは、調査・説明義務があるとし、損害賠償責任を認めた事例 |
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1668 | H8.10.7 | 浦和地裁 |
私道利用のため、ブロック塀敷地を開発業者が取得したのを知って、これを阻止するため二重譲渡を受け、登記した者に対し、開発業者が背信的悪意者を理由に登記の抹消を請求した事案において、これまでの経緯からすれば、背信的であるとはいえないとして、請求を棄却した事例 |
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1669 | H8.9.27 | 最高裁 |
連帯保証債務の物上保証人に対する抵当権の実行は、主債務の消滅時効の中断にならないとした事例 |
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1670 | H8.9.27 | 横浜地裁 |
自宅前の公道上をゴミ集積場と指定された者が当該集積場を利用する他の住人に対し、その位置を輪番制にすることを提案し、これに最後まで反対した一部住人を相手取り提訴した一般廃棄物排出禁止請求が認容された事例 |
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1671 | H8.9.25 | 大阪高裁 |
マンション分譲会社の従業員が転売利益を得られると勧誘したところ、勧誘どおりの転売がなされず、逆に損害を被った購入者が、同分譲会社を相手に提訴した使用者責任に基づく損害賠償請求訴訟において、同分譲会社の使用者責任が認められた上で、購入者にも取引上の過失などで7割の過失があるとされた事例 |
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1672 | H8.9.4 | 熊本地裁 |
賃貸借契約の媒介において、媒介業者が登記簿謄本の調査を怠って、差押登記の存在を看過したため、後日借主が建物明渡しを余儀なくされた事案において、媒介業者は差押登記の有無を確認する注意義務を怠ったとして、敷金、礼金、引越費用の支払いを命じた事例 |
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1673 | H8.8.30 | 東京地裁 |
中古マンションの売買契約において、買主が管理費の滞納額を明らかにすることとその清算を求めたのに対し、これを怠ったのは、売主及び媒介業者の債務不履行であるとして、売主に対し手付金相当の違約金の支払いを、また、媒介業者に対し手数料の返還を命じた事例 |
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1674 | H8.8.30 | 東京地裁 |
転売を目的として土地を購入した買主が、重要事項説明においてマンション建築に関する都条例に関する説明がなかったため損害を受けたとして媒介業者に対し賠償を求めた事案において、買主がマンション建設の予定を伝えていなくても、立地条件等から予測可能のときは媒介業者に説明義務があるが、本件売買において当該説明義務違反により買主が損害を被ったとは認められないとしてその請求を棄却した事例 |
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1675 | H8.8.28 | 東京高裁 |
子が無断で書類を作成して印鑑登録証明書の交付を受け、土地を無断処分したので、別訴においてその登記を抹消したが、印鑑登録をした市の過失により損害を受けたとして、市に対し訴訟費用の賠償を求めた事案において、市に過失はなかったとして請求を棄却した事例 |
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1676 | H8.8.23 | 東京地裁 |
ローン特約のある売買契約において、買主の住宅ローン申し込みが物件の物的事情を理由に否決されたため、売主に対しローン特約に基づく契約解除を申し入れ、支払済みの手付金等の返還を求めたが、売主はローン特約の適用は人的事情に限られるとして手付金等を返還せず、買主の債務不履行を理由に契約を解除し、違約金の支払いを求めた事案において、本件ローン特約は人的事情に限らず、物的事情にも適用されるとして、ローン特約に基づく契約解除を認めた事例 |
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1677 | H8.8.21 | 大阪地裁 |
阪神淡路大震災に伴い、賃借人が木造建物を軽量鉄骨プレハブ建物に建て替えようとしたところ、地主から用途違反であると争われた事案において、軽量鉄骨プレハブ建物は借地借家法上の堅固建物に該当しないとされた事例 |
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1678 | H8.8.7 | 東京高裁 |
競売手続において、買受人が代金納付後に競売建物において自殺があったとして売却許可決定の取消しを申し立てた事案において、民事執行法53条の「不動産の減失」に比肩すべき重大な事由があるとはいえないとして、却下された事例 |
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1679 | H8.7.30 | 東京地裁 |
マンションの居住者が、上階の居住者が床を絨毯張りからフローリングに張り替えたため、受忍限度を超える騒音被害、生活妨害を受けたとして、慰謝料の支払い及び復旧工事を求めた事案において、絨毯張りの床へ復する工事は認めなかったが、騒音被害は受忍限度を超えるとして慰謝料150万円の支払いを命じた事例 |
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1680 | H8.7.19 | 東京高裁 |
不動産競売事件における土地建物の買受人が、本件建物は都市計画法違反の物件で、増改築等ができないのに、その事実を知らないまま買受けの申出をしたとして、民事執行法75条1項に基づき売却許可決定の取消しを求めた事案において、同条の類推通用を認め、同決定を取消した事例 |
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1681 | H8.7.12 | 東京地裁 |
土地売買契約締結後引渡前に売主業者が目的物件に根抵当権登記を付したのに、媒介業者が調査確認をしないまま、買主が残代金を支払って、売主業者がその後倒産し、買主が根抵当権の極度額の損害を受けた場合において、媒介業者に登記簿閲覧等の調査義務違反があるとされたが、買主にも過失があるとして、5割を相殺された事例 |
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1682 | H8.6.25 | 東京地裁 |
不動産業者の従業員が権限がないのに架空の事業計画と土地買取りの話を持ちかけ、これを信用した融資会社につなぎ融資をさせた事案において、従業員の行為は会社の事業の執行につき行われたものであり、融資会社に悪意重過失はないとして、使用者責任を認めた事例 |
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1683 | H8.6.24 | 浦和地裁 |
税務課長が不実の宅地課税証明書を発行したことにより国家賠償請求訴訟に敗訴した町が、当該税務課長に対して求償金を請求した事案において、税務課長に8割、約1億円近い支払いを命じた事例 |
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1684 | H8.6.14 | 千葉地裁 |
土地所有者に虚言を用いて、印鑑証明書と委任状を入手し、無断で売買契約を締結して、登記を移転した事案において、売買契約は権限無き者によって締結された無効のものであるとして、買主等に対する土地所有者の登記抹消請求を認容した事例 |
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1685 | H8.6.11 | 仙台地裁 |
造成宅地の耐震性に関し、過去の経験から予測し得る震度5程度の地震には耐え得る強度を有し、造成宅地の技術水準に適合したものについては瑕疵は認められないとして、売主である市の瑕疵担保責任を否定した事例 |
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1686 | H8.6.5 | 東京地裁 |
オウム真理教の付属医院に入院中に、お布施として所有不動産をオウム真理教に贈与したが、これは同医院の医師らの温熱療法等による強迫によりなされたものであるとして、その取消しが認められた事例 |
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1687 | H8.6.4 | 最高裁 |
不動産売買において、代金手取額のほかに売主に課される譲渡所得税相当分を買主が負担することを条件として売買契約を締結し、買主が用意した譲渡所得税相当分の金額を売主側が信用金庫に預金したところ、買主がその預金をすぐ引き出したため、売主が買主及び信用金庫等に対して損害賠償を請求した事案について、売買代金額は譲渡所得税相当額を含めた額で、払戻請求権は特段の事情のない限り売主に帰属するとされた事例 |
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1688 | H8.5.29 | 東京地裁 |
競売開始決定後の不動産の任意売買契約と同時に締結された競売代金剰余金請求権の譲渡契約は、本件不動産売買契約とは相いれない競売の実行を前提としたものであって、本件不動産売買契約の従たる契約ではなく、本件不動産売買契約が解除条件成就により消滅したことを停止条件とした別個の契約であり、本件債権譲渡契約は有効であるとされた事例 |
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1689 | H8.5.27 | 札幌地裁 |
中古住宅の売主が、雨漏りのあることを知りながら、媒介業者及び買主にそのことを秘して売り渡した場合において、売主は特約による瑕疵担保責任期間を経過していてもその瑕疵担保責任を免れることができないとされ、媒介業者については、雨漏りの有無について特段の調査をしていなくても注意義務違反があるとはいえないとされた事例 |
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1690 | H8.5.9 | 京都地裁 |
賃貸マンションの貸主業者の賃料増額請求に対し、賃借人4人が地価と家賃相場の下落を理由に賃料減額請求訴訟を提起した事案において、うち3人については家賃を据置きとし1人については一部減額を認めた事例 |
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1691 | H8.4.25 | 福岡高裁 |
マンション分譲業者がマンション分譲に際し、区分所有者の共有となるべき敷地の一部に複数の駐車区画を設け、その専用使用権を駐車場の使用を希望する各購入者に有償で譲渡して対価を収受したことに対して、マンション管理組合が分譲業者の行為は不当利得にあたるとして不当利得返還請求と受け取った金員の引渡しを求めた事案において、マンション管理組合の請求が認容された事例 |
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1692 | H8.4.22 | 東京高裁 |
固定資産税課税台帳登録価格に基づき納付した登録免許税は不当であるとその一部取消しを求めた事案において、登録免許税の税額は登記のときに直接法令の規定によって具体的に確定し、登記官の認定処分は存在しないとされた事例 |
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1693 | H8.3.27 | 大阪高裁 |
買主不動産業者が、公道に至る一般通行可能ないわゆる「開拓道路」が確保されていると誤信して売買契約を締結したところ、その通路の一部が郵政省の管理通路であり、自動車による通行ができなかったことから錯誤により無効である旨主張した事案について、買主に重過失はなく要素の錯誤があったとしてその請求が認められた事例 |
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1694 | H8.3.18 | 東京地裁 |
分譲マンションの専有床売買に係る基本協定締結後に、不動産不況を理由に基本協定を破棄し契約締結を拒否したことが、信義則上の義務に反し不法行為に当たるとされた事例 |
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1695 | H8.3.13 | 広島高裁 |
県が嘱託した分筆登記の地積の記載の誤りを登記官が看過して過大な地積の分筆登記をし、これに伴う地積変更通知により市の固定資産課税台帳に過大な地積が記載されたため、固定資産税等および相続税について過剰納付したとして、損害賠償を求めた事案について、固定資産税等については市の責任を認め、相続税については国の責任を認めた事例 |
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1696 | H8.3.7 | 東京高裁 |
中古住宅の買主が、購入物件にガラス戸がひとりでに開閉する不具合があるとして、売主と媒介業者に対し損害賠償を求めたが、その不具合は日常生活に格別の支障を来す程度の瑕疵ではなく、かつ、売主は買主に内見の機会を与えたにもかかわらず、買主が自ら払うべき注意義務を尽くさなかったために発見できなかったものであるとして、請求を棄却した事例 |
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1697 | H8.3.5 | 仙台高裁 |
競売物件共有者の本物件200~300m先の山林での自殺は、民事執行法71条1項を類推による売却許可決定の取消事由とすることはできないとされた事例 |
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1698 | H8.2.28 | 東京高裁 |
分譲住宅地の購入者が自宅前に設置されたゴミ集積場について輪番制を求めたが、約5年にわたり実現しなかったためやむなく反対者のゴミ排出の差止めの訴えを提起した事案において、集積場の輪番制の実施は容易に可能であり、これを拒否し特定の者にのみ被害を受け続けさせるのは当該被害者にとって受忍限度を超えることになるとしてその請求を一部容認した事例 |
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1699 | H8.2.23 | 松山地裁 |
土地所有者が国土法の届出をしたところ、違法な行政指導を受けたため、売買契約を取りやめ、その後土地を低額な価格で売却せざるを得なくなったとして、県及び国に対し損害賠償を、また、土地の買主に対し錯誤無効による登記の抹消を請求した事案において、行政指導に違法はなく、また、錯誤も認められないとしてその請求を棄却した事例 |
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1700 | H8.2.16 | 横浜地裁 |
眺望をセールスポイントにしてリゾートマンションを販売した売主業者及び販売代理業者に対して、その眺望を阻害するマンションを建設したことについて、共同不法行為を認めた事例 |
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1701 | H7.12.26 | 東京地裁 |
商業ビル用地の買収を目的に行われた交換契約において、税務当局から法人税法50条および所得税法58条の適用が否定され、高額の課税負担が生じたことについて、交換契約の要素の錯誤による無効を認めた事例 |
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1702 | H7.12.20 | 大阪地裁 |
不動産売買契約締結後のバブル経済の崩壊による急速な対象不動産の経済価値の減少は危険負担条項の滅失毀損にあたるとして、買主が売主に対し手付金の返還を求めた事案において、当該条項の滅失毀損は売主の債務履行を不能とする事情でなければあたらないとしてその請求を棄却した事例 |
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1703 | H7.12.18 | 東京地裁 |
偽造の契約書による違法な仮差押登記がなされたことにより、著しい営業損害及び信用被害を受けたとして不法行為による損害賠償を求めた事案において、2億円の支払いが命じられた事例 |
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1704 | H7.12.8 | 東京地裁 |
代替地として買い受けた土地に松くい等の埋設物が存することは「隠れたる瑕疵」にあたるとして、買主が埋設物撤去費用の損害賠償を請求した事案において、当該埋設物は隠れたる瑕疵にあたるとしたが、本件契約中に瑕疵担保責任免除特約の合意の成立が認められるとして買主の請求を棄却した事案 |
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1705 | H7.11.24 | 浦和地裁 |
市街化調整区域内の農地を、河川改修事業用地の代替地として宅地転用及び建築確認取得を条件に交渉中、建築可能な物件として他に転売したところ、取得交渉が難航し、買主業者が売主業者の債務不履行を理由に契約を解除し、違約金を請求した事案において、買主業者も建築確認を得る手順及びその問題点については理解の上で契約を締結したものであるから、手付金の返還を求めることはできるが、違約金の請求はできないとした事例 |
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1706 | H7.11.9 | 東京地裁 |
虚偽の土地売買詐欺事件において、替え玉である売主の代理人となって売買契約を締結し、手付金等を受領した弁護士に過失があったとして、買主から弁護士に対する損害賠償請求が認められた事例 |
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1707 | H7.10.30 | 東京地裁 |
サブリース契約の借主業者が賃料水準の下落により賃料減額請求の調停の申立てをした事案について、同請求は権利濫用に当らないとして、民事調停法第17条の調停に代わる決定で、同請求の一部を認容した事例 |
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1708 | H7.10.26 | 最高裁 |
国土法に基づく土地売買の届出書について知事の不勧告通知を受けたが、売主が第三者に売却したことから買主(不動産業者)が、売主に対し損害賠償を求めた事案において、売買予約の成立、信義則違反の事実は認められないとしてこれを棄却した事例 |
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1709 | H7.10.25 | 大阪地裁 |
建物賃貸借契約における、「震災により賃貸借契約が終了する場合、貸主は保証金を返還しない」旨の特約は無効とされた事例 |
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1710 | H7.10.19 | 東京地裁 |
転売目的でマンションの売買契約を締結し、2年後、ローン特約に基づき解約をしたが、支払い済の金員を返還しないとして、売主、並びに媒介業者及び従業員に対し、不法行為に基づく損害賠償を請求した事案において、媒介をした従業員の不法行為責任を認めたが、売主については買主の不法行為による転売利益を喪失させた損害賠償債権との相殺を認め、会社の使用者責任を否定し、買主の請求を斥けた事例 |
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1711 | H7.10.9 | 大阪高裁 |
担保権設定者から不動産を買い受けて、手付金を支払い、引渡しを受けて、占有している者は、未登記でも引渡命令の対象となり、手付金返還請求権を被担保債権として留置権を行使することはできないとされた事例 |
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1712 | H7.9.26 | 東京高裁 |
買主が、媒介業者から市道に接道していると説明を受けて、共同住宅建築目的で土地を買い受け、同業者のあっせんで建物建築請負契約を締結したところ、市道に接道していない袋地であった事案について、媒介業者に調査説明義務違反及び請負契約の高額の仲介手数料の取得についての使用者責任があるとし、損害賠償責任を認めた事例 |
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1713 | H7.9.20 | 東京地裁 |
契約期間12年の転貸目的のオフィスビルの賃貸借について、賃料減額の了承が得られなかった借主からの正当事由による解約申入れが認められた事例 |
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1714 | H7.9.7 | 東京地裁 |
事業用オフィスビルを新築し、賃料の保証を行うとの事業受託契約締結に向けて、交渉がなされたが、未だ調印には至っていないとして契約の成立が否定され、また、その契約準備段階における信義則上の義務違反も認められないとされた事例 |
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1715 | H7.9.6 | 東京地裁 |
バブル期にハワイのホテルの一室を購入した買主が、転売利益が確実との説明を受けて購入したにかかわらず売却できなかったとして、錯誤無効、詐欺取消等を理由に、売買代金の返還等を求めたのに対して、転売利益が得られるとの断定的説明等はなかったとして、その請求を斥けた事例 |
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1716 | H7.8.29 | 東京地裁 |
購入した土地の近隣に暴力団事務所が存することは隠れた瑕疵に当たるとして、買主が契約解除等を求めた事案において、契約解除等は認めなかったが売買金額の二割相当の損害賠償を認めた事例 |
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1717 | H7.8.24 | 仙台地裁 |
眺望を売り物に9階建てマンションを分譲した業者が、その分譲後まもなく当該マンションの眺望及び日照を阻害する隣接マンションを建設することは信義則上の義務に違反するとして、当該マンション買主らが隣接マンションの工事差し止めを求めた事案において、隣接マンションの建築未着手部分について建築工事の差し止めを認めた事例 |
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1718 | H7.7.31 | 東京高裁 |
住宅展示場として使用されている土地において、展示用建物につき法定地上権は発生しないとされた事例 |
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1719 | H7.7.7 | 最高裁 |
住宅ローンの名義貸しを銀行の貸付担当者が知っていたときは、消費貸借契約上の貸主としての保護を受けるに値せず、民法93条但書の類推適用により、その返還を求めることができないとされた事例 |
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1720 | H7.6.29 | 福岡高裁 |
買主業者が売主業者に分譲マンション用地購入の申し入れをし、買付証明書、売渡承諾書を交換して、売買契約書の案文及び日取りも確定した段階で、本社の稟議決裁が下りないために買主業者が契約の締結を拒否した事案について、買主業者の契約締結上の過失を認めた事例 |
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1721 | H7.6.7 | 東京地裁 |
区分所有建物の敷地利用権が地上権である場合における土地所有者が、地代支払債務は不可分債務であるとして、専有部分の所有者に土地全体の地代の支払を求めた事案において、区分所有者はその所有する地上権の持分割合に対応する地代を支払えば足りる(分割債務)とした事例 |
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1722 | H7.5.31 | 東京高裁 |
連帯保証債務の物上保証人に対する抵当権の実行は、主債務の消滅時効の中断になるとされた事例 |
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1723 | H7.5.31 | 東京地裁 |
農山村地帯の住宅の売買において、売主の前所有者が売買の約7年前に付属建物で自殺したことは隠れたる瑕疵に当たるとして、買主の契約解除が認められた事例 |
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1724 | H7.5.30 | 大阪高裁 |
原野商法により被害にあった買主の、原野商法業者に土地を売却または仲介した業者代表者に対する、原野商法を幇助した不法行為責任に基づく損害賠償請求が一部容認された事例 |
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1725 | H7.4.27 | 東京高裁 |
いわゆる「不動産小口化商品」においても、対象不動産の所有権の移転に伴い賃貸借契約上の賃貸人たる地位及び賃貸借契約に伴って差し入れられた保証金の返還債務が新所有者に移転するとされた事例 |
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1726 | H7.4.25 | 東京高裁 |
住宅ローンの利用を予定した不動産売買において、買主はローンが成立しない場合には、ローン特約の解除期限が定められていない場合でも、速やかにローン条項を適用して契約を解除するか、他の方法で資金を調達するかを選択すべきであり、相当期間経過後はローン条項による契約の解除権は消滅するとされた事例 |
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1727 | H7.4.25 | 東京地裁 |
ハワイの土地の売却について、代理権を与えられたにかかわらず売買契約締結の際排除されたとして、損害賠償を求めた事案について、売主米国法人については裁判管轄がないとして却下し、買主等については本件売却活動を行っていないとして棄却した事例 |
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1728 | H7.4.20 | 東京地裁 |
支店で土地と建物(マンション)との間の等価交換契約の成立を目的とする媒介契約を締結しながら、本店で土地所有者と直接交渉し当該等価交換を成立させたことが、媒介契約における条件成就を故意に妨げたことになるとして、支店の媒介に関与した媒介業者の報酬請求権が認められた事例 |
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1729 | H7.4.12 | 大阪地裁 |
土地建物の売買契約が約3年後の代金決済日において、地価の下落のため著しく等価性を失ったとして、買主(不動産業者)が売主(学校法人)に対し、公序良俗違反による契約の無効又は事情変更による契約の解除を主張した事案において、買主主張は失当であるとして棄却された事例 |
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1730 | H7.3.14 | 水戸地裁 |
買主の不動産売買契約のローン条項による解除について、客観的障害がないのに買主の随意の判断で融資を受けなかった場合は適用がないとして、仲介業者の買主に対する報酬請求が認められた事例 |
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1731 | H7.1.24 | 東京地裁 |
いわゆるバブル最盛期に賃料保証の約束の下にマンションを建設し一括賃貸したところ、借主のマンション業者がバブルが崩壊したとして、当初約束の賃料改定に応じないため貸主が借主にその支払いを求めた事案において、賃料保証特約を無効と評価することも借主の賃料減額請求も認められないとされた事例 |
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1732 | H7.1.23 | 東京地裁 |
賃料を転貸料の7割相当額とする賃料自動改定条項の付された建物賃貸借契約において、貸主の同条項は賃料減額の場合には適用されないとの主張が棄却された事例 |
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1733 | H7.1.11 | 東京地裁 |
オフィスビルの建築に際し、設計契約に付随して賃料保証契約が締結されたが、発注者の責に帰すべき事由により建築請負契約の準備行為が遅滞している場合において、請負人が賃料保証額の減額を申し入れ、催告を経ずに履行を拒絶したとき、請負人に賃料保証債務の不履行があり、その損害額は設計費用の3分の1であるとされた事例 |
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1734 | H6.12.6 | 東京地裁 |
宅地建物取引業法41条に基づく手付金等保証において、買主が無免許ではあるが宅地建物取引業者であると認定され、そのことを理由に指定保証機関の支払の免責を認めた事例 |
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1735 | H6.11.14 | 京都地裁 |
土地の売買契約における公租公課の分担の約定について、特別土地保有税が含まれるか否かにつき争われた事案において、公租公課には含まれないとされた事例 |
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1736 | H6.11.11 | 大阪高裁 |
媒介業者の中心的業務担当者が詐欺及び宅建業法違反の容疑で逮捕され、新聞報道されたが、その後詐欺については不起訴処分となり、宅建業法違反については無罪判決が確定したので、媒介業者等が行政庁及び新聞社に対し損害賠償を請求した事案において、違法性はなかったとしてその請求が棄却された事例 |
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1737 | H6.9.21 | 東京地裁 |
不動産購入を不動産業者が委託されていた場合において、業者自らが所有する賃貸用マンションを買主に紹介し、買主が的確に判断できる情報を提供せず相場を上回る価格で購入させたことは債務不履行に当たるとして、買主の転売価格との差額相当額の賭償賠償を認めた事例 |
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1738 | H6.8.25 | 千葉地裁 |
既存住宅の買主が、土地の不等沈下による建物の傾斜(70分の1)があるとして、売主業者、媒介業者のほか、当該開発をし、建物を建築した業者を相手として、損害賠償を求めた事案について、媒介業者及び建築業者の責任を否定し、売主業者について、建物価格を限度として瑕疵担保責任を認めた事例 |
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1739 | H6.7.25 | 東京地裁 |
間口に隣地が含まれていることを見過ごして間口幅を買主に説明し、建築基準法上の接道義務を満たさない宅地の売買を行った売主業者及び仲介業者の買主に対する不法行為責任が認められた事例 |
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1740 | H6.7.18 | 東京高裁 |
不動産仲介業者の用途地域の誤った説明を信じて戸建住宅を購入した、買主の錯誤による売買契約の無効主張を認めるとともに、誤った広告や重要事項説明をした媒介業者に不法行為責任を認めた事例 |
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1741 | H6.4.28 | 東京地裁 |
マンションの専有卸しに関して売買協定書等が締結されたが、買主業者が履行しないとして、売主業者が利益金の支払いを、媒介業者が媒介手数料の支払いを求めた事案において、売買協定書の締結では売買契約は成立しておらず、また、本件協定書等の締結は買主業者の営業所長が代理権の制限を超えて行ったものであるが、売主業者には重大な過失があり、善意の第三者とはいえないとして、請求を棄却した事例 |
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1742 | H6.4.25 | 東京地裁 |
借地権が存続しているにもかかわらず、それが消滅したものと誤信して更地価格を基準に代金額を決定された売買契約は要素の錯誤により無効であるされた事例 |
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1743 | H6.4.22 | 大阪地裁 |
原野商法業者に土地を供給した不動産業者について、原野商法を幇助したとして不法行為責任が認められた事例 |
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1744 | H6.3.25 | 名古屋地裁 |
中古マンションの売買において、公簿面積について、媒介業者が壁芯面積と取り違えて販売用パンフレットに誤記し、重要事項説明では正確に説明したが、後日買主が重要事項説明義務違反を主張して、損害賠償を請求した事案において、媒介業者に義務違反はないとした事例 |
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1745 | H6.2.25 | 東京地裁 |
売買取引に複数の媒介業者が介在した場合の報酬額について、一定の比率で配分した事例 |
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1746 | H6.2.24 | 東京高裁 |
分譲マンションの通気管の施工不良を原因とする建物内に湿気と異臭が強くこもる建物瑕疵について、分譲マンションを購入し賃貸していた買主の売主マンション業者に対する逸失賃料及び修理費用等の損害賠償請求を一部容認した事例 |
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1747 | H6.1.24 | 東京地裁 |
リゾートマンションの建築・売買を目的とする協定に基づき売主が建築確認を受けたにもかかわらず、買主が売買契約の締結を拒否した事案において、協定に基づく信義則上の義務違反により買主は売主の損害を賠償すべき責任を負うとされた事例 |
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1748 | H5.12.9 | 大阪地裁 |
分譲マンション業者が眺望をセールスポイントとしたマンションを分譲しながら隣地を第三者に売却し、結果当該マンションの眺望を阻害する建物が建築されたことについて、マンション分譲業者の買主に対する不法行為責任が認められた事例 |
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1749 | H5.11.30 | 東京地裁 |
マンションの借主が殺人・投身自殺を起こした事件について、借主には用法義務違反ないし善管注意義務違反があったとして、貸主の借主連帯保証人に対する損害賠償を一部認めた事例。 |
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1750 | H5.11.25 | 東京地裁 |
住宅金融公庫融資を受けて購入しようとした分譲マンションが融資要件を欠いていたことを理由とする、買主の要素の錯誤により売買契約が無効とされた事例 |
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1751 | H5.4.26 | 東京地裁 |
マンション分譲業者が売れ残り住戸を値引き販売したため、転売に際し損害を被ったとした、買主(不動産業者)のマンション分譲業者に対する損害賠償請求が認められなかった事例 |
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1752 | H5.4.21 | 大阪地裁 |
売れ残り住戸の値引き販売の差止の仮処分申請が却下された事例 |
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1753 | H5.3.16 | 最高裁 |
売主が居宅買替えのため決済日を契約後1年9か月先とした事情のある不動産売買契約において、買主による履行期1年以上前における土地の測量及び代金の提供は「履行の着手」にはあたらないとして、売主の手付倍返しによる解除が認められた事例 |
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1754 | H4.12.21 | 福岡高裁 |
買主(不動産業者)が、売買契約書定型書式記載の「融資利用の特約」により契約を白紙解除したと売主(個人)に主張した事案において、売買契約書に融資利用の有無、融資申込先等が記載されていない等の理由により融資特約合意はなかったとされた事例 |
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1755 | H4.1.30 | 福岡高裁 |
土地の売買金額や支払方法についてわずかな調整を残すばかりとなっていた段階で、依頼していた仲介業者を除外し、20日ほど後に売買金額を調整の上、直接売買契約を締結した媒介依頼者に対する、排除された媒介業者の報酬請求権を認めた事例 |
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1756 | H3.12.26 | 福岡地裁 |
マンション分譲業者の「遮音性、気密性に優れた高性能防音サッシを使用している」との説明と異なり、騒音被害等があるとしてマンション買主が損害賠償を請求した事案において、サッシの遮音性能は不十分なものであったとして買主の損害賠償請求が一部容認された事例 |
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1757 | H3.4.2 | 最高裁 |
購入した借地権付建物につき、土地の擁壁が崩落する危険がある等の欠陥があったことから売主に対し契約解除等を請求した事案において、土地欠缺は土地貸主に修繕請求等すべきものであり、借地権の権利の瑕疵ではないとしてその請求を棄却した事例 |
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1758 | H3.2.28 | 東京地裁 |
アパート・マンション用地として購入した土地の一部に、河川拡張計画に基づく行政指導による建築制限があることを調査説明しなかったとした、買主(不動産業者)の仲介業者に対する不法行為に基づく損害賠償請求を一部容認した事例 |
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1759 | H2.12.5 | 横浜地裁 |
宅地建物取引業免許取消処分の効力停止の申立における聴聞手続について、予め被処分者代理人に記録等の閲覧謄写が許されなくても聴聞手続の瑕疵には当たらないとされた事例 |
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1760 | H2.9.25 | 東京地裁 |
会社ぐるみで行った原野商法による一連の土地の売買について、仲介を行った不動産業者の幹部社員、重要事項説明を行った宅地建物取引主任者に不法行為による損害賠償責任を認めた事例 |
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1761 | H2.3.27 | 東京高裁 |
不動産業者が売主であるローン特約が付されていない中古住宅の売買契約において、買主が予定していた財形融資を受けられなかったことは要素の錯誤に当たるとして、買主の契約無効の主張が認められた事例 |
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1762 | H2.1.25 | 東京高裁 |
売主及び買主がともに宅建業者である土地売買において、売主が河川拡幅計画に基づく行政指導による建築制限についての説明義務違反があったとして契約解除及び約定違約金を求めた事案において、債務不履行を理由とする契約解除を認め、約定違約金についてはその一部を減額し認めた事例 |
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1763 | H1.9.19 | 最高裁 |
境界線より50cmの距離を置かないで建物建築を始めた隣地所有者に対して、境界線50cm以内に存する建物の収去を求めた事案において、建築基準法65条所定の建築物の建築には民法234条1項は適用されないとしてその請求が棄却された事例 |
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1764 | H1.9.7 | 横浜地裁 |
家族との居住目的で購入したマンションにおいて六年前に縊首自殺があつたことは瑕疵であるとして、買主の売主に対する売買契約の解除及び違約金条項に基づく損害賠償請求が認められた事例 |
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1765 | H1.7.28 | 東京地裁 |
売主及び買主において売買予定価格が合意され国土利用計画法の手続きを行ったが、その後契約不成立となった場合において、不動産仲介業者の報酬請求権を否定した事例 |
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1766 | H1.5.17 | 名古屋高裁 |
金沢産の魚介類の仲買業者、運送業者らが、敦賀湾の原子力発電所の放射性物質漏出による海洋汚染による新聞報道等により、金沢産の魚介類についても売上が減少するなどの損害を負ったとして損害賠償を求めた事案につき、原告らの販売不振と事故との間には相当因果関係は認められないとしてその請求を棄却した事例 |
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1767 | H1.3.29 | 東京地裁 |
売買契約を解除した売主に対し不動産仲介業者が報酬の支払いを求めた事案において、仲介業者に取引価格の適切な調査・助言を行わなかった善管注意義務違反があり、当該要因により契約を解除した売主に対し不動産仲介業者が報酬を請求することは信義に反し権利の濫用にあたるとしてその請求を棄却した事例 |
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1768 | S63.11.25 | 最高裁 |
不動産売買契約における違約解除の場合の損害賠償額の予定の趣旨には、契約を解除することなく本来の給付に代わる填補賠償を請求する場合も含まれるもとされた事例 |
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1769 | S62.8.31 | 東京高裁 |
公図は、作成当時の測量技術が未熟であることから不正確なものであり、その証拠価値は、他の物的、人的証拠の存在によってはじめて決まるものであるとされた事例 |
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1770 | S62.3.23 | 東京地裁 |
飲食店を経営する借地人に対する土地所有者の借地契約の更新拒絶について、1億8千万円の立退料の提供をもって更新拒絶を認めた事例 |
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1771 | S62.3.13 | 東京地裁 |
貸事務所・倉庫の賃借人の家賃延滞に対して、賃貸人が貸室に家賃の支払いや立退きを求めるはり紙をし、鍵を取り替え、賃借人の備品等を搬出した行為について、当該行為は違法なものとまでいうことはできないとして賃借人の損害賠償請求が棄却された事例 |
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1772 | S61.12.12 | 大阪地裁 |
隣地との協定により日照阻害を受ける建物は建築されないとの売主業者の説明を受け、マンションを購入した買主が、隣地に4階建て建物が建築されたことによって生じた日照阻害は瑕疵であるとして、売主業者に対し契約解除及び損害賠償を請求した事案において、契約解除は認められなかったが損害賠償が一部容認された事例 |
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1773 | S61.10.15 | 東京高裁 |
買主が業者仲介により海外の土地を購入した際支払った報酬額が、大臣告示による限度額を超えているとして返還を求めた事案において、海外不動産の売買に宅建業法は適用されないとされた事例 |
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1774 | S60.12.26 | 奈良地裁 |
不動産売買において、「買付証明書」の提出・「売渡承諾書」の交付のみをもって売買契約が成立したとは認めることはできないとされた事例 |
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1775 | S60.10.18 | 東京地裁 |
弁済業務保証金より弁済を受け得る債権は、「①不動産取引自体から発生した売買代金等の支払請求権、②その取引解消に伴う返還請求権、③その取引に付随して法律上通常生ずる利息、遅延損害金、違約金等の支払いないし返還請求権」を指すとされた事例 |
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1776 | S60.4.17 | 東京地裁 |
貸主が借家人の無断転貸を理由に借家契約の解除を求め、借主は無断転貸ではなく経営委託であると主張した事案において、経営委託契約書が締結されているが実態は転貸借であるとして貸主の契約解除が認められた事例 |
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1777 | S60.3.26 | 最高裁 |
宅地建物取引業法49条にいう「帳簿」とは、本人の意思、形式、記載内容、保管状況から判断して、宅地建物取引業者がその業務に関し同条所定の事項を記載することを予定して備え付けたと認められる帳簿をいうとされた事例 |
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1778 | S42.6.20 | 最高裁 |
津波によって土地が流出した後に住宅適地造成組合によって造成された土地の所有権の取得時効につき、相続による占有者に土地登記簿を調査しなかつたことをもつて、過失があつたとはいえないとされた事例 |
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1779 | S35.10.24 | 高松高裁 |
造船請負契約において、南海地震及び津波被害により、造船所の損傷、資材の流出及び物価の急騰等の事情変更を理由とする、請負人からの契約解除を認めた事例 |
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