建物賃貸借に関する紛争 - (1)契約 - その他 該当件数 件
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No. | 判決日 | 裁判所名 | 概要 | RETIO |
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1 | R3.12.23 | 東京高裁 |
飲食店舗の賃借人が、賃借した建物の排気の容量が不足しており、目的としていた用途での使用ができなかったことから、賃貸人には使用収益させる義務の違反が、媒介業者には賃借人の使用目的に合致する物件の紹介義務や説明義務の違反が、それぞれあったとして、既払い賃料や賃借に要した費用や逸失利益等の支払いを両者に求めたが、いずれも棄却された事例。 |
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2 | R3.8.25 | 東京地裁 |
マンション管理組合より、焼肉店営業は管理規約で禁止されているとして、賃借店舗の内装工事を差し止められた借主が、賃貸借契約を解除し内装費用等の損害賠償を仲介業者及び貸主に求めた事案において、仲介業者らに説明義務違反があり不法行為責任を負うとしてその請求を認めた事例。 |
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3 | R2.3.10 | 東京地裁 |
契約面積が約35坪と記載された賃貸借契約につき、実際の面積約28坪を超える部分の賃料差額について錯誤無効による不当利得返還請求及び説明義務違反による損害賠償を求めた事案において、面積の広狭が賃貸借契約締結の主要部分ではなかったとして、請求が棄却された事例。 |
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4 | R2.2.18 | 東京地裁 |
賃借人が逮捕され、連絡が取れなくなった賃貸人が、緊急連絡先である賃借人の実母に連絡し、居室内の動産の扱いについて相談を行い、賃貸人側で処分して欲しいとの依頼を受けて動産処分を行ったが、賃借人が実母に、非常時の事務処理を委任していた事実や、賃借人本人の承諾があったとは認められないとして、賃借人の慰謝料請求を一部認容した事例。 |
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5 | R1.10.9 | 東京地裁 |
建物の賃借を断られた外国人借主が、貸主と媒介業者に対して、賃貸借契約の成立等を主張した事案において、賃貸借契約の成立は否定されたが、媒介業者の「A国人には仲介しない」との説明が差別的であるとして、慰謝料10万円が認められた事例 |
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6 | R1.7.17 | 東京高裁 |
賃貸人が連帯保証人に滞納賃料等の支払いを請求した原審において、連帯保証人からの黙示の意思表示による連帯保証契約の解除が認められ、解除日以降の未払賃料等の支払い義務が否定され、また、解除日以降の支払請求は権利濫用として許されないと判示されたため、不服として提起された控訴において、連帯保証人の黙示の意思表示による連帯保証契約の解除は斥けられたが、賃貸人の連帯保証人に対する未払賃料の支払い請求の一部が権利濫用にあたるとして棄却された事例 |
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7 | H30.7.11 | 東京地裁 |
飲食店を営むために建物を賃借したところ、賃借部分の過半が飲食店として使用不可能であったとして、賃借人が賃借するのに要した費用等の賠償を賃貸人に求めた事案において、賃借人の請求が認められた事例 |
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8 | H29.7.20 | 東京地裁 |
賃借したアパートの隣室からの騒音を放置したことは賃主の義務違反であり、また、当該騒音対策の実施と賃料の支払義務は同時履行の関係があるとして、借主が慰謝料等の損害賠償の請求及び賃料債務不存在の確認を求めた事案において、借主主張の騒音は受忍限度を超えているとは認められないとしてその請求が全て棄却された事例 |
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9 | H29.5.31 | 東京地裁 |
1階スナック店舗の経営者が2階住人に対し、カラオケ騒音の警察や区役所への度重なる通報や苦情申入れにより営業妨害を受けたとして、営業損害等の損害賠償を求めた本訴に対して、住人が、平穏な生活が妨害され睡眠障害を患ったとして治療費等を求める反訴をした事案において、住人の行動は違法な営業妨害には当たらないとして本訴を棄却し、反訴については住人の騒音被害を認めて請求を一部認容した事例 |
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10 | H29.3.31 | 東京地裁 |
マンション管理組合の管理者が、当該マンションの外壁及び正面玄関庇に取り付けられた石材について、建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵があると主張して、施工した建築業者に対し、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、建築業者には建物としての基本的な安全性が欠けることのないように配慮すべき注意義務違反があるとして、請求の一部が認められた事例 |
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11 | H26.12.11 | 東京地裁 |
居住用建物の転貸借関係において、転借人の同居人が当該建物で自殺したため、契約解除後の入居者募集に支障が生じているとして、賃貸人が1年分の賃料と2年分の賃料減額分(50%)の損害賠償を、また転貸人が3年分の利ザヤ相当額をそれぞれ転借人に請求した事案において、転借人の善管注意義務違反を認め、賃貸人及び転貸人の請求を一部認容した事例 |
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12 | H26.9.18 | 大阪高裁 |
居住目的で賃貸借契約を締結した賃借人が、賃貸人は1年数か月前に建物内で自殺があった事実を故意に告げずに契約を締結したとして、賃貸人に対して、不法行為に基づく損害賠償を求め、原審がこれを認容したため、賃貸人が控訴した事案において、自殺の事実は契約の目的を達成し得ない瑕疵にあたり、その不告知は不法行為にあたる、また、賃貸人による賃料相当損害金の請求は権利の濫用にあたり認められないとして、控訴を棄却した事例 |
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13 | H26.6.16 | 東京地裁 |
居住用賃貸マンションの貸主が、借主において火災によりマンションの室内を全焼させたとして、借主に対しては賃貸借契約の債務不履行に基づく損害賠償として、連帯保証人に対しては連帯保証契約に基づいて、原状復旧工事費用等の損害賠償を請求した事案において、借主の損害賠償責任が認定され損害賠償請求の一部が認容された事例 |
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14 | H26.5.13 | 東京地裁 |
所有する建物の共用部分で、賃借人が自殺したため、本件建物の貸室及び近接貸室を第三者へ賃貸することが著しく困難となったとして、賃貸人らが連帯保証人に対し、?主位的に賃貸借契約に基づく債務不履行責任に基づき、?予備的に共有持分権侵害を内容とする不法行為に基づき、賃料収入減少分を損害賠償請求した事案において、賃貸人らの主張が減額の上で認容された事例 |
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15 | H26.4.22 | 東京地裁 |
建物賃借人が賃貸人に対し、建物の不具合箇所の修繕を請求した事案において、賃借人の主張する不具合箇所については現状を明らかにする証拠がなく補修が必要であると認められず、破損の経緯も明らかにしていないことから賃借人の使用収益が不能ないし困難な状態に達しているとはいえないとして、賃借人の請求が棄却された事例 |
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16 | H25.10.17 | 大阪高裁 |
適格消費者団体が、不動産賃貸事業者に対し、事業者の使用する賃貸借契約書の解除条項等は、消費者契約法(以下「法」という。)9条各号又は10条に該当するとして、法12条3項に基づき、同契約書による意思表示の差止め、契約書用紙の廃棄並びに差止め及び契約書用紙廃棄のための従業員への指示を求め、原審が解除条項の一部のみ意思表示の差止め及び契約書用紙廃棄を認めたため、控訴した事案において、解除条項は法10条に当たるとして、原判決を変更し同条項に係る意思表示の差止め及び契約書廃棄を認めた事例 |
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17 | H25.6.25 | 東京地裁 |
3か月間のフリーレントがある定期建物賃貸借契約を締結した賃貸人が、賃料等を支払わない賃借人に対し、契約の解除を通知し約定の違約金等を請求したが、賃借人が敷金償却特約、違約金特約等は公序良俗に反し無効であると主張して争われた事案において、違約金等に関する合意を不合理ということはできず、公序良俗に反するとはいえないとして、賃貸人の請求を認めた事例 |
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18 | H25.6.24 | 東京地裁 |
建物賃貸借契約の貸主が中途解約をした借主に対して約定解約金の支払いを求めたことに対し、借主が解約の意思表示をしたのは貸主が安全に賃貸建物を使用収益させるべき義務に違反したことを理由としたもので約定違約金は発生しないとして敷金の返還を求めた事案において、貸主の約定違約金請求が認容された事例 |
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19 | H24.11.12 | 大阪地裁 |
適格消費者団体が、不動産賃貸事業者が使用する賃貸借契約条項の使用差止め等を求めた事案において、賃借人に対する後見開始又は保佐開始の審判や申立てがあったときに契約を解除できる旨の条項について、消費者契約法10条に該当するとして、同法12条3項に基づき、同趣旨の意思表示の差止め、当該意思表示が記載された契約書ひな形が印刷された契約書用紙の廃棄は認められたが、従業員への指示を求める請求やその余の請求は棄却された事例 |
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20 | H23.4.27 | 名古屋地裁 |
賃借人が、賃借人の債務の保証委託契約に関して、保証会社に対し、不当利得の返還や不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、賃借人が1回でも賃料を滞納した場合、保証委託契約が無催告で自動的に解除された上で更新され、その際に1万円の解除更新料を支払うなどとされた賃借人と保証会社との保証委託契約における特約が消費者契約法10条により無効とされるとともに、保証会社が根拠のない不当な請求や退去の勧告を組織的に行っていたことが社会通念上許容される限度を超えたもので不法行為に該当するとされた事例 |
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21 | H23.3.18 | 大阪簡裁 |
建物賃貸借契約の礼金の支払義務を課す条項(礼金特約)は消費者契約法10条により無効であるとして、支払った礼金の返還を求めた事案において、契約期間経過前退去の場合に前払分賃料相当額が返還されないとする部分について消費者の利益を一方的に害するものとして一部無効とした事例 |
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22 | H22.10.21 | 大阪高裁 |
内縁の夫と内縁の妻との間で、両名が同居していた内縁の夫所有の建物について、内縁の妻が死亡するまで同人に無償で使用させる旨の使用貸借契約が黙示的に成立していたとして、内縁の夫を相続した子供からの前記建物の明渡請求等が棄却された事例 |
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23 | H22.1.28 | 東京地裁 |
原告Xが、建物賃貸借契約上の連帯保証人の相続人である被告Yに対し、連帯保証債務履行請求権を行使した事案において、賃料の未払が保証人の死亡後に発生したとしてもYが連帯保証契約に係る債務を承継するとし、請求を全部認容した事例 |
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24 | H22.1.25 | 東京簡裁 |
賃貸マンションの借主が、貸室の退去にあたり自身が設置した一般家庭用エアコンについて、賃貸借契約書に造作買取を排除する特約がないことを根拠に、貸主に造作買取請求した事案において、本件エアコンは取り外しが比較的容易であること等を理由に、建物に附加した造作と認めることは難しく、造作買取請求の対象とはならないとして、借主の請求を棄却した事例 |
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25 | H21.4.16 | 東京地裁 |
看板設置を巡る賃貸人との紛争によって、事業用店舗の賃貸借契約を解除するに至った賃借人が、賃貸借契約を媒介した宅建業者に対し、媒介契約の債務不履行を理由に損賠賠償を請求した事案において、媒介契約の債務不履行は認めたが賃借人の損害と因果関係はないとしてその請求を棄却した事例 |
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26 | H20.3.13 | 東京地裁 |
建物賃貸借にあたり、建築基準法上借主の目的とする工場として使用することができないことを告知しなかったため損害を負ったとして、借主が、貸主側仲介業者に対し損害賠償を請求した事案において、貸主側仲介業者は借主の使用目的を知悉していたのであるから、直接の委託関係はなくても不動産仲介業者として業務上の一般的注意義務があるとして、借主の損害賠償請求の一部を認容した事例 |
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27 | H19.7.24 | 福岡高裁 |
賃貸人が賃借人のために店舗用建物を建築して賃貸する、いわゆる建て貸し契約において、賃借人が建物の瑕疵を理由に中途解約した場合に、賃貸人が蒙る損害について、賃借人に違約金支払いを認めた事例 |
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28 | H19.6.5 | 東京地裁 |
借主が、仲介業者の取引主任者から貸主の資力信用に関する誤った説明又は不適切な説明を受けたために、建物について根抵当権の実行を受ける可能性があった貸主と建物賃貸借契約を締結し、その後貸主の破綻により預託した手付金等が回収できないなどの損害を負ったとして、取引主任者に対して不法行為責任を、仲介業者に対して使用者責任に基づき損害賠償を請求した事案において、取引主任者に重要事項の説明義務違反はなく、また、貸主と担保権利者らとの交渉状況について調査・説明する義務があるとはいえないとして、借主の請求を棄却した事例 |
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29 | H19.4.26 | 福岡地裁 |
借主要望に従って建物を増改築し契約期間9年の賃貸借契約(建て貸し)を締結したが、借主が中途解約したため損害を被ったのは、依頼した仲介業者が賃貸借契約に中途解約を制限する条項を盛り込まなかったためであるとして、貸主が仲介業者に対し損害賠償を請求した事案において、貸主はその契約内容を認識して締結したと認められるものの、建て貸しという賃貸案件においては、仲介業者には信義則上特別な説明義務が要求されるとしてその請求の一部を容認した事例 |
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30 | H17.7.20 | さいたま地裁 |
宅建業者が、所有者の所有農地についての相続税につき、当該農地を用途転用した場合に納税猶予の特例制度の適用が打切られることを所有者に説明すべき義務がないとされた事例 |
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31 | H13.3.6 | 東京地裁 |
賃貸建物の土地の利用権が一時使用の賃借権である事実を十分説明せず、建物賃貸借契約を仲介した宅地建物取引業者に、土地の一時使用終了により立ち退かざるを得なくなった賃借人の損害につき、委任契約の債務不履行を理由による損害賠償を命じた事例 |
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32 | H11.3.26 | 東京簡裁 |
アパートの賃貸借契約において、借主が礼金として賃料2カ月分を支払い、内1か月分を媒介業者が管理費として取得した事案において、貸主と媒介業者の間に管理費支払いの合意はなく、また、礼金2か月分のうち1か月分については無権代理ないし要素の錯誤により無効であるとして、媒介業者に対し、同1か月分を借主に返還するよう命じた事例 |
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33 | H8.9.4 | 熊本地裁 |
賃貸借契約の媒介において、媒介業者が登記簿謄本の調査を怠って、差押登記の存在を看過したため、後日借主が建物明渡しを余儀なくされた事案において、媒介業者は差押登記の有無を確認する注意義務を怠ったとして、敷金、礼金、引越費用の支払いを命じた事例 |
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