該当件数 件
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No. | 判決日 | 裁判所名 | 概要 | RETIO |
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1 | R5.2.14 | 東京高裁 |
住宅建築販売を目的とする買主業者が、私道について自動車通行可能と説明を受けて土地を購入したところ、私道所有者から一般車両の通行は承諾していないとされたことから、売主並びに私道所有者と私道通行に関する承諾書のやり取りをしていた媒介業者、その担当者に損害賠償を求めた事案において、売主の責任は否定し、媒介業者らの賠償責任を認めた事例 |
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2 | R4.3.29 | 東京地裁 |
賃貸マンションの買主が、附属設備である機械式駐車場の劣化の程度について、売主及び媒介業者が説明を怠ったとして、損害賠償を請求したが、説明義務違反はなかったとして棄却された事例 |
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3 | R4.3.25 | 東京地裁 |
建築条件付き土地売買契約において、周辺の道路状況の制約により、販売チラシの建築プランに記載されたクラスの車両が車庫に入出庫できないとして、媒介業者の説明義務違反を主張した買主の損害賠償請求が棄却された事例 |
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4 | R4.3.23 | 東京高裁 |
区分所有建物の買主が、引渡しを受けた後に、売主が管理組合に対する債務を負った状態で引渡しがなされたことが判明したことから、これは媒介契約において「引渡しの事務の補助」を行う義務を負っていた媒介業者がその精算手続きを怠ったことによるものであるとして、係る債務の履行に要する費用の支払いを媒介業者に求めた事案において、その請求が棄却された事例 |
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5 | R4.3.22 | 宮崎地裁 |
媒介業者から土地を購入して賃貸する提案を受けて土地を購入した買主が、媒介業者から当初説明された期日を過ぎても地代収入を得られる見通しが立たなかったため、媒介業者の未払い報酬請求を拒んだところ、媒介業者がその支払いを求める訴訟を提起したことから、買主が媒介業者の誤った説明による損害の賠償を媒介業者に求めて反訴した事案において、媒介業者の請求を棄却し、買主の請求を一部認容した事例 |
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6 | R4.2.1 | 東京地裁 |
内見をせずに分譲マンション一室の賃貸借契約を締結した借主が、隣室がゴミ屋敷状態であったことなどから入居することなく契約を解約し、媒介業者に対して契約に要した費用等の損害賠償を求めた事案において、現地調査を行うことなく媒介を行った媒介業者に不法行為責任があるとして、その請求を認めた事例。 |
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7 | R4.1.28 | 東京地裁 |
投資用ワンルームマンション3室を購入した買主が、購入価格が実勢価格を大幅に上回るもので、営業担当者には価格に関する正確な情報を提供しなかった説明義務違反があったと主張して、損害賠償金の支払を求め、営業担当者には、投資に係る重要な事項の説明義務違反があったとして、損害賠償金の支払いを命じた事例 |
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8 | R3.11.30 | 東京地裁 |
買主は、購入した建物内に雨漏りが発見されたのは、媒介業者の仲介業務の調査・説明義務違反等と主張して、売主・買主両方の媒介業者に修繕費用等を支払うよう求めた事案において、損害賠償請求を行うも却下された事例 |
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9 | R3.9.29 | 東京地裁 |
区分所有建物の売買に際し、修繕積立金、管理規約等に関し誤った説明をした、売主業者、媒介業者らに共同不法行為責任があるとして、買主の売買契約及び媒介契約の錯誤無効、並びに契約費用等の損害賠償請求が認められた事例。 |
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10 | R3.8.25 | 東京地裁 |
接道義務を満たさず再建築不可とされた物件を購入した買主が、「柱一本残せば建替えられる」と媒介業者から説明を受けたと主張して、売主業者及び媒介業者に契約無効による売買代金返還や損害賠償を請求した事案において、そのような説明があったという証拠はなく、再建築不可物件であるとの重要事項説明が正しくなされているとしてその請求を棄却した事例 |
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11 | R3.6.18 | 東京地裁 |
媒介業者が購入した土地の一部に未登記の地役権が設定されている説明を怠ったため、その土地上に建築したガレージを撤去せざるを得なくなったとして、買主が媒介業者にガレージの撤去費用等の損害賠償を求めた事案において、媒介業者は私道の範囲や建築等に利用ができないことの説明をしていたとして、その請求が棄却された事例。 |
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12 | R2.11.19 | 東京地裁 |
売買対象物件の土地の一部が都市計画道路予定地に指定され、同予定地内において建物の建築時に必要となる都市計画法53条1項の許可に関し、分離することができるように設計上の配慮をする規定があるにもかかわらず、仲介者が規定を説明しなかったため、買主が想定していた本件土地の利用が不可能となったとして、売主及び仲介会社に対して、契約の解除、損害賠償請求等を求めたが、全て棄却された事例。 |
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13 | R2.11.16 | 東京地裁 |
買主が残代金支払期限直前に土壌汚染調査実施による支払期限の延長を求めたが、売主がこれを拒否し、契約解除のうえ約定の違約金を請求した事案において、業者間売買である本件売買契約には有効な瑕疵担保責任免責特約があるとして、約定通りの違約金請求を認めた事例。 |
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14 | R2.10.23 | 東京地裁 |
投資用収益物件としてマンション1棟を購入した買主が、売主及び売主側媒介業者に対し、建築基準法上の用途制限に抵触するために1階部分を倉庫として第三者に賃貸することができないとして損害賠償を求めた事案において、説明や資料提供が尽されていた等として買主の訴えが棄却された事例。 |
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15 | R2.9.24 | 東京地裁 |
土地を購入した買主が、建築有効面積が説明より少ないことが不実告知や隠れた瑕疵に当たるとして、売主業者や媒介業者に対して売買契約の解除や損害賠償を求めた事案において、建築有効面積について断定的な説明がなされたとは認められないとして、その訴えが棄却された事例。 |
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16 | R2.2.18 | 東京地裁 |
収益物件の買主が、媒介業者に対し、賃貸借契約や建物の状況の正確な情報を調査、説明をしなかったとして損害賠償を求めた事案において、媒介業者の不完全履行による買主の損害として、説明賃料と実際賃料の差額約11ヵ月分および支払済媒介手数料の半額を認めた事例。 |
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17 | R2.2.13 | 東京地裁 |
土地建物の売買契約を締結した買主業者が売主業者に対し、重要事項説明において建物が違法建築物である説明をしなかったとして、手付金の返還および違約金等の支払いを求めた事案において、売主は建物の容積率超過や遵法性に問題があることの説明をしており、買主が主張する説明義務違反、告知義務違反は認められないとして、その請求を棄却した事例。 |
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18 | R2.1.29 | 東京地裁 |
建築中の新築マンションを購入契約した買主が、引渡し後、サービスバルコニー前の電柱の存在について説明を受けていないとして、売主業者に対して損害賠償を求めた事案において、売主にその責任は認められないとして請求が棄却された事例。 |
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19 | R1.12.26 | 東京地裁 |
中古分譲マンションの買主が、購入の約3年後に発生した専有部分内での天井崩落事故に関して、その原因と見られる漏水について、売主はこれを認識していたものの告げずに売却したため売買契約を解除した、媒介業者はその調査説明を怠ったとして、売主及び媒介業者に売買代金相当額の支払いを求めた事案において、売買契約締結当時、係る漏水が発生していた証拠はないとして、請求が棄却された事例。 |
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20 | R1.11.20 | 東京地裁 |
媒介業者が、検査済証がないことを説明して中古戸建の売買仲介を行ったが、買主が建物に建築基準法違反があることの説明義務違反があったなどとして報酬を支払わないことから、買主に対し媒介報酬の支払を求めた事案において、買主が主張する事項は、特段の事情がない限り、媒介業者に説明義務はないとして、媒介報酬の請求が認められた事例。 |
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21 | R1.10.31 | 東京地裁 |
マンションの1室を賃借した借主が、当該マンションにおいて外壁改修工事が行われたいたことの調査説明を、媒介業者が怠ったとして、既払の家賃等の損害賠償を求めた事案において、媒介業者は重要事項説明書に記載し、実際に説明をしていたとして、その訴えを棄却した事例。 |
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22 | R1.10.25 | 東京地裁 |
賃借人が原賃貸借契約の定めに反し、店舗建物を転借人に無断転貸したとして、賃貸人が原賃貸借契約を解除したことにより、改めて賃貸人と賃貸借契約を締結することとなった転借人が、転貸人と媒介業者は、原賃貸借契約に無断転貸禁止等の定めがあることについて転借人への説明を怠ったとして、転貸人に差入れていた保証金等と、新たに賃貸人と締結した賃貸借契約に基づき賃貸人に差入れた保証金等の支払いを両者に求めた事案において、転貸人に差入れていた保証金の支払いについての請求が認められた事例。 |
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23 | R1.10.23 | 東京地裁 |
買主に賃貸用共同住宅の転売物件の紹介と物権説明を行い、売主債務を重畳的に引き受けた事実上の売主(宅建業者)に対し、レントロール記載の共用部電力使用料金の説明が事実と異なっていたことから、買主が損害賠償を求めた事案において、調査が不十分であり、説明義務違反はあったとして、損害賠償請求の一部が認められた事例。 |
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24 | R1.8.29 | 東京地裁 |
築約27年の賃貸物件の買主が、躯体への浸水等の瑕疵があったとして、売主業者及び管理業者に対し、主位的に、これらについての調査説明義務違反もしくは瑕疵担保責任に基づき、契約を解除したとして支払済み売買代金等の支払いを、予備的に、これらの補修費用の支払いを両者に求めた事案において、買主の主張する瑕疵の存在は認められないとして請求が棄却された事例。 |
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25 | R1.8.9 | 東京地裁 |
売買土地の廃材等の地中埋設物の瑕疵により、買主に和解金を支払った売主が、媒介業者には、同土地に廃材等の埋設可能性について、売主又は同土地の廃棄物処理を行った業者に確認する義務があったとして損害賠償を求めた事案において、媒介業者に埋設物の存在を疑うべき事情はなかったとしてその請求を棄却した事例 |
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26 | R1.7.5 | 東京地裁 |
2区画(3筆)の土地を一括して売却した売主が、媒介業者に対し、本来一括売却であれば必要のない減額査定をされたため安価で売却せざるを得ない状況に陥らされたとして、債務不履行に基づく損害賠償請求をした事案において、媒介業者の査定に不要な減額がされていたなどの事情は認められないとして棄却された事例。 |
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27 | R1.7.4 | 東京地裁 |
福祉施設開設目的で共同住宅の1室を賃借した事業者が、消防法上必要となる自動火災報知設備の設置を賃貸人に求めたが拒否されたため、契約を解除し、賃貸人及びその代理人の宅建業者に損害賠償を請求した事案において、契約内容から、貸主にはその設置義務はなく、消防法の規制についても宅建業者は容易に知り得なかったとしてその請求を棄却した事例 |
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28 | R1.6.25 | 東京地裁 |
媒介手数料の支払いを求めた媒介業者に対し、買主が、隣地建物の越境に関して事実に反する説明をしたとして、媒介業者の債務不履行に基づく損害賠償請求権をもって、媒介手数料との相殺を主張した事案において、媒介業者が、軒以外に越境していない旨を説明した事実は推認できないとして、媒介業者の請求を認容した事例 |
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29 | H31.4.24 | 東京地裁 |
土地建物を購入した買主が、その建物について建築確認申請がされていない違法建築である旨の説明をしなかったことは、重要事項の説明(告知)義務違反に当たると主張し、売主及び媒介業者に対し、転売の際値引きせざるを得ない損害を負ったとして、その損害賠償を請求した事案において、取引時に行われた重要事項説明書で検査済証は取得していない旨の説明をしており、買主は複数の投資用不動産を所有しているなどの属性に照らせば、売主及び媒介業者は説明義務を果たしたとして、買主の請求を棄却した事例 |
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30 | H30.12.14 | 東京地裁 |
「貸事務所、スタジオに最適」との広告を見て、借主が、芸能事務所として建物の一室を賃借したが、ダンススタジオへの使用を建物の自治会に認められなかったことから、貸主・仲介業者の虚偽の説明により無用の賃貸借契約を締結させられたとして損害賠償を求めた事案において、貸主らは借主の目的使用を知らなかったとしてその請求を棄却した事例。 |
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31 | H30.12.12 | 東京地裁 |
ピアノ教室による騒音被害を理由に退去した賃貸マンションの借主が、貸主は楽器使用不可の物件を賃貸すべき義務を怠った、媒介業者は建物全体が楽器使用不可か調査すべき義務を怠ったとして損害賠償を求めたが、貸主らに借主が主張する義務はなかったとして棄却された事例。 |
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32 | H30.11.29 | 東京地裁 |
土地建物売買の媒介業者が、当該媒介業者を排除して第三者のためにする契約を行った売主と買主及びその関連会社(最終買主)に対し、停止条件付媒介契約の条件成就を妨害したとして、媒介契約に基づく媒介報酬の支払いないし不法行為に基づく損害賠償の支払を請求し、その請求が認められた事例。 |
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33 | H30.11.27 | 東京地裁 |
永住権を有さず、日本語が理解できない不動産の買主が、売主に対して、主位的に、売買契約の約定(融資特約)に基づく手付金の返還又は売買契約の錯誤無効に基づく不当利得返還を、予備的に、売買契約に関する債務不履行による損害賠償を求め、提訴した事案において、融資特約は有効であり、買主の意思表示に錯誤もない等として、買主の請求が棄却された事例 |
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34 | H30.11.13 | 東京地裁 |
買主がフラット35の融資を利用する予定を知りながら、融資特約を設定・助言する義務を怠った等として、買主が媒介業者に対して媒介契約の債務不履行による損害賠償を求めた事案において、媒介業者に義務違反は認められないとして買主の訴えが棄却された事例 |
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35 | H30.10.24 | 東京地裁 |
投資物件を媒介した媒介業者が、買主に媒介報酬を請求したのに対し、買主が、媒介業者には転借人の賃料の説明を怠った又は不実の告知をした義務違反があるとして、媒介契約の解除及び損害賠償を求め反訴した事案において、媒介業者の媒介報酬の請求は認められたが、買主の損害賠償請求も一部認められた事例 |
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36 | H30.10.1 | 東京地裁 |
中古マンションの買主が、高齢な両親に死を連想させる墓地等の嫌悪施設が周辺に存在しないこと等を購入条件として売主及び媒介業者に伝えていたにもかかわらず、売買契約締結後、周辺に遺体一時保管施設や同施設に反対するのぼりや看板等が存在することが判明したとして損害賠償を求めた事案において、売主及び媒介業者の不法行為や説明義務違反はなかったとして買主の請求を棄却した事例 |
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37 | H30.9.27 | 東京地裁 |
土地売買の媒介をした宅建業者が、買主業者に媒介報酬の支払を求め、一方、買主業者が、既存擁壁を取り壊す必要がないとする誤った説明により損害を受けたとして反訴した事案において、媒介業者の報酬請求は棄却され、買主業者に生じた損害額が認められた事例 |
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38 | H30.9.26 | 東京地裁 |
買主が、建物の基礎及び躯体が隣地との間に設置された擁壁と一体構造となっており、実質的に建物の建替えが不可能であったにもかかわらず、売主及び媒介業者が、契約締結に際し、その旨を説明する義務を怠ったとして、両者に対し、債務不履行又は不法行為に基づき、損害金の支払を求めた事案において、建物の建替えが不可能であると認めることはできないとして、買主の請求が棄却された事例 |
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39 | H30.9.21 | 東京地裁 |
約20年前から賃貸中の土地・建物を購入した買主が、媒介をした媒介業者に対し、建物に建築基準法違反があることの説明を怠った義務違反があるとして損害賠償を請求した事案において、媒介業者の説明義務違反は認められたが、買主主張の損害との間に相当因果関係は認められないとして、その請求を棄却した事例。 |
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40 | H30.7.11 | 東京地裁 |
買主が、駐車場2台付きの賃貸収益物件であるとの広告を見て仲介業者の媒介により売主(宅建業者)から新築アパートを購入したところ、駐車場の一台分が窓先空地規制により賃貸できなかったことから、売主および仲介会社に対し、虚偽の広告により新築アパートを売ったとして、損害賠償を求めた事案において、慰謝料のみを認めた事例。 |
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41 | H30.6.6 | 東京地裁 |
土地建物の売主が、媒介業者が本件建物の消費税相当額を含めて売買代金を検討させるべき善管注意義務に違反したため、消費税相当額を含めない売買代金で買主に売却することとなり、買主から得べかりし本件建物の消費税相当額の損害を被ったと主張し、媒介業者に対し、媒介契約の債務不履行に基づき、消費税相当額等の損害金支払いを求めたが、その請求が棄却された事例 |
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42 | H30.3.30 | 東京地裁 |
賃貸借委託契約の受託者が賃貸借契約書の倒産解除条項が無効であること等について貸主(委託者)に助言を行わなかったため、貸主が別件の建物明渡請求訴訟の提起を余儀なくされたとして、受託者に対し損害賠償を求めたが、受託者の助言義務違反が認められず、貸主の請求が棄却された事例 |
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43 | H30.3.29 | 東京地裁 |
売主に成りすました者と売買契約を締結し、手付金を詐取された買主が、媒介業者に対して、媒介契約上の善管注意義務違反を理由に損害賠償を請求した事案において、その請求が一部過失相殺の上認められた事例 |
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44 | H30.3.29 | 東京地裁 |
土地を購入して4年経過後に目的とする自宅建物を建築しようとしたところ、建築の障害となる地中障害物等が発見されたため、買主がその除去及び地盤改良費用等の支払いを売主及び媒介業者に求めた事案において、地中障害物の存在を把握していた売主の賠償責任を認め、売主より敷地内残存物がないと説明を受けていた媒介業者の調査義務は否定した事例 |
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45 | H30.3.28 | 東京地裁 |
転売利益を得られるとした媒介業者の勧誘により、未完成マンション一棟の売買契約を締結したが、残金決済日までに転売の目処がたたず、契約を手付解除した買主が、媒介業者に対して、放棄した手付金、支払った媒介手数料相当額の損害賠償を求めた事案において、その請求を過失相殺により一部減額して認めた事例 |
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46 | H30.3.28 | 東京地裁 |
不動産媒介業者から紹介を受けたビルに関し、書類の交付確認、雨漏り調査及び特約の説明において、調査・告知義務等の違反により損害を被ったと主張する買主が、媒介業者に対して損害賠償を請求したが、調査・告知義務等の違反はなかったとされ、請求が棄却された事例。 |
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47 | H30.3.27 | 東京地裁 |
賃借人の退去を前提とする土地・建物の売買契約を締結した売主が、媒介業者に対して、建物の賃借人に定期借家契約が有効でないとされ、その退去に解決金の支払いを要したことについて、定期借家契約の有効性に疑義があること、賃借人が退去しなかった場合に売主は違約金を支払わなければならないことの説明をしなかった注意義務違反があるとして損害賠償を請求した事案において、売主が支払った解決金及び弁護士費用相当額を認容した事例 |
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48 | H30.3.19 | 東京地裁 |
築約27年の賃貸物件の買主が、引渡しの約5か月後にエレベーターが故障し使用不能になったとして、売主宅建業者に対し、瑕疵担保責任もしくは説明義務違反に基づく損害賠償(補修工事費用支払)を求めた事案において、引渡時点では問題なく稼働していたうえ、契約上相応の経年劣化は想定されており、売主が資料開示を怠ったとも認められない、としてその請求が棄却された事例 |
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49 | H30.3.6 | 東京地裁 |
マンションの一室を賃借したが、目的とするエステサロンの営業ができなかったとして借主が媒介業者に損害賠償を請求した事案において、媒介業者は住居専用であることを説明したとして、その請求を棄却した事例 |
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50 | H30.2.28 | 東京地裁 |
事務所ビルの媒介報酬を媒介業者が買主に請求したのに対し、エレベーターの不具合にかかる調査説明義務違反を理由に買主が媒介業者に損害賠償を求め反訴した事案において、買主の反訴請求を棄却し、媒介業者の請求を認めた事例 |
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51 | H30.2.16 | 東京地裁 |
土地の買主が、不動産業者である売主に対し、売買契約時の合意又は売買契約に付随する信義則上の義務として、売主が埋設された既存杭の位置の告知義務を負い、また既存杭等が隠れた瑕疵に当たるとして、債務不履行又は瑕疵担保責任に基づき、地中障害に伴う工事費用等の損害金等の支払いを求めたが、いずれの請求も棄却された事例 |
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52 | H30.1.31 | 東京地裁 |
土地の買主が、売主側媒介業者が被越境事実を説明しなかった、契約の締結を不当に引き延ばしたために競合する買主が現れて売買代金を引き上げざるを得なくなった、暴言を吐いた、などとして損害賠償を請求した事案において、5万円の慰謝料のみを認めた事例。 |
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53 | H30.1.19 | 東京地裁 |
マンションの一室の賃貸借契約を締結した賃借人が、媒介業者の瑕疵ある媒介によって損害を被ったなどとして、媒介業者に対して損害金等の支払いを求めた事案において、賃借人の請求には理由がないとして、その請求が棄却された事例。 |
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54 | H29.12.25 | 東京地裁 |
中古戸建を購入した買主が、売主や媒介業者が、契約の際に虚偽の説明をするなどしたため、騒音や振動にさらされることになったとして、両者に対して不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、売主は騒音や振動に悩まされていたとは認められず、虚偽の説明をしたとは認めることはできないとして、買主の請求が棄却された事例 |
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55 | H29.12.7 | 東京地裁 |
店舗付共同住宅を購入した買主が、売買対象とされた土地の一部が国有地であり、建物がその国有地上に越境して建築されていることについて売主業者や媒介業者は説明を怠り、その国有地の買取りを余儀なくされたうえ、売買契約は国有地の反対側の公道に接道していることを前提とした価格で締結したものであった等として、国有地の買取り費用・既往使用料、過払の購入代金の支払いを売主業者と媒介業者に求めた事案において、国有地の買取り等に要した金額のみ請求が認められた事例 |
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56 | H29.11.27 | 東京地裁 |
借主が、説明を受けていない条例により、予定していた「飲食店営業」を行えず、「喫茶店営業」を強いられていると主張して、共同不法行為により、貸主、借主の両宅建業者と貸主に対し、予備的に債務不履行又は瑕疵担保責任により、借主側宅建業者と貸主に対し、損害賠償を求めた事案において、宅建業者の注意義務違反と相当因果関係のある損害は認められないとして、請求は棄却されたものの、条例の内容を説明しないことは、宅建業者の注意義務違反であるとされた事例 |
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57 | H29.11.15 | 東京地裁 |
買主が媒介業者に対して、雨漏り修理の内容等について誤信させる説明を行ったため、購入後に雨漏りによる修繕費用が必要となり、また、引き渡しが遅延したことにより損害を負った等として、損害賠償を求めた事案において、契約締結時点で雨漏りがあったとは認められず、媒介業者の説明義務違反は認められないなどとして、その請求がすべて棄却された事例。 |
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58 | H29.11.8 | 東京地裁 |
借地権付き建物を購入した買主が、当該建物を宿泊施設等として利用するための用途変更ができずに売買契約を解除せざるを得なかったのは、媒介業者の説明義務違反が原因であるとして、媒介業者に対して、既払の媒介報酬の返還及び売主に没収された手付金相当額の支払を求めたのに対し、媒介業者が、買主に媒介報酬の残金の支払を求めて反訴した事案において、買主の請求が棄却され、媒介業者の反訴請求が認められた事例 |
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59 | H29.10.20 | 東京地裁 |
老人ホーム建設用地として造成地を取得した買主が、地中に多数の転石があったとして、売主に対して工事費増額分とこれらの処分費等の支払いを求めた事案において、売主からの重要事項説明書の記載からもこれらの存在の可能性は明らかであるとして、請求が棄却された事例。 |
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60 | H29.9.12 | 東京地裁 |
買主が、購入物件の敷地に係る擁壁のひび及びスラブの老朽化の隠れた瑕疵が存在したとして、主位的には、売主と仲介業者に、瑕疵に係る説明義務違反を内容とする共同不法行為に基づき、予備的には、売主に、瑕疵担保責任に基づき、諸費用を含む購入代金と転売価格との差額の支払を求めた事案において、買主は瑕疵が存する蓋然性について、十分な説明を受けたものと認められるとして、請求が棄却された事例 |
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61 | H29.9.4 | 東京地裁 |
外国人が代表者である不動産投資会社が、不動産の購入に際し、媒介業者が合意した法人設立登記の手配、契約関係書類の翻訳・提供等を行なわなかったとして損害賠償を請求した事案において、媒介業者の対応に合意違反は認められないとしてその請求を棄却し、媒介報酬を求める媒介業者の反訴請求を認めた事例 |
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62 | H29.6.22 | 東京地裁 |
賃貸店舗の借主が、共用部分に設置した看板が管理規約に違反するとして管理組合から撤去を求められたため、有効な集客が図れず、営業を断念することになったとして、貸主及び媒介業者に説明義務違反等による損害賠償を求めたが、借主は設置規制があることを知っていたとして棄却された事例。 |
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63 | H29.3.28 | 東京地裁 |
原野商法詐欺を行った者に対し、業務提携として、商号使用を許諾し、実印及び印鑑証明書を預託していた、宅地建物取引業者及びその代表者の名義貸し責任による、原野商法詐欺被害者に対する損害賠償責任が、認められた事例 |
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64 | H29.3.24 | 東京地裁 |
新築マンションの買主が、リビング・ダイニングの一部にパンフレットに記載されている床暖房の設置がなかったとして、債務不履行又は不法行為を主張して、売主業者に設置費用相当額、慰謝料等を請求したところ、売主業者の説明義務違反は認められたが、損害額については大幅に縮減されて認められた事例。 |
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65 | H29.2.22 | 東京地裁 |
分譲マンションの地下駐車場区画を購入する契約を締結した買主が、目的とする時間貸駐車場としての利用が不能であったこと、消防用設備に多額の費用を要する改修が必要であったこと等の説明義務違反を理由に、売主及び媒介業者に損害賠償を求めた事案において、両者に説明義務違反は認められないとして買主の請求が棄却され、売主が買主の債務不履行により契約を解除したとして違約金の支払いを求めた反訴請求が認められた事例 |
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66 | H29.2.7 | 東京地裁 |
戸建住宅を購入した買主が、引渡し後に地下駐車場への浸水事故があったことから、売主業者と媒介業者が過去の浸水事故の調査説明義務を怠ったとして、止水版設置費用や浸水事故があったことによる不動産価格減価分等の支払を両社に求め、請求の一部が認められた事例 |
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67 | H29.1.17 | 東京地裁 |
買主が、借地権付建物を購入するに当たり、仲介業者が、売買契約前の賃借権譲渡承諾に関する調査を怠り、また、他買主との同建物売買を仲介したという誠実義務違反によって損害を被ったとして、仲介業者に債務不履行及び不法行為に基づき、損害賠償を請求した事案において、賃借権譲渡承諾の審査は売買契約後とされていたこと、また、特約に基づく売買契約解除により、当然、媒介契約も終了したとして、請求が棄却された事例 |
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68 | H29.1.16 | 東京地裁 |
売主(新築分譲マンション業者)からマンションを購入した買主(個人)が、売買契約の締結に当たり室内の下り天井の高さについての信義則上尽くすべき説明義務を怠ったとして、売主に不法行為に基づき損害賠償を求めた事案において、売主は、買主の意思決定に必要な説明義務を果たしていたとして、買主の請求を棄却した事例 |
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69 | H28.12.20 | 名古屋地裁 |
買主が、売主の不実告知又は不利益事実の不告知により、耐震補強をしていると誤認し売買契約を締結したとして、売主に消費者契約法に基づく売買契約の取消しと、売主、媒介業者に損害賠償を求めた事案において、媒介業者への請求は棄却されたが、売主に対する売買契約の取消しと損害賠償請求が認容された事例 |
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70 | H28.12.8 | 東京地裁 |
購入建物において排水機能の瑕疵により浸水が生じ賃借人が退去するなどの損害を負ったとして、買主が売主に損害賠償を請求した事案につき、売主は重要事項説明において過去浸水被害が発生した事等を説明しており、隠れたる瑕疵にはあたらないとしてその請求を棄却した事例 |
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71 | H28.11.29 | 東京地裁 |
購入した中古マンションにつき、建築後16mの高さ制限が付され、既存不適格建築物であることを重要事項説明書に記載していないことは告知義務違反等にあたるとして、買主が売主及び媒介業者に損害賠償を求めた事案において、口頭にて高さ制限の説明はされていることから告知義務は果たされているとして買主の請求を棄却した事例 |
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72 | H28.11.18 | 東京地裁 |
中古住宅を購入した買主が、本件物件の性状の瑕疵や法令違反についての説明を怠ったと主張して、売主・買主双方の仲介業者並びに売主に対して、共同不法行為による損害賠償を請求した事案において、がけ条例に関する仲介業者の説明義務違反による擁壁築造費用等の請求が認められた事例 |
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73 | H28.10.28 | 東京地裁 |
中古住宅を、媒介業者の仲介にて買主業者に売却した売主が、その後、買主業者が第三者に転売したところ、媒介業者及び買主業者に対し、共謀して実勢価格を欺罔して売買契約を締結させたとして損害賠償を請求した事案において、その請求が棄却された事例 |
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74 | H28.8.30 | 東京地裁 |
宅地建物取引業者である売主から中古マンションを購入した買主が、管理組合の財政上の問題及び建物に瑕疵があることを説明しなかったことなどから売買契約の解除を求めた事案において、その主張に理由がないとして、全て棄却された事例。 |
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75 | H28.8.30 | 東京地裁 |
マンションを購入した買主が、宅建業者である売主に対し、容積率違反等の瑕疵が存する、修繕積立金に関する説明を怠ったなどと主張し、契約解除を求めた事案において、契約目的を達せられない瑕疵とは認められず、説明義務違反もないとして、買主の請求が棄却された事例 |
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76 | H28.8.23 | 東京地裁 |
買主が売主及び本件ビルの管理を行っていた媒介業者に対して、過去の雨漏りを知りながら、その事実を秘匿して過去の雨漏り事故はなかった旨説明し、買主を誤信させ、本件ビルを購入させたとして、購入後に発生した雨漏り工事の施工費等の損害賠償を不法行為に基づき求めた事案において、売買契約時において雨漏りが発生しており、売主及び媒介業者が認識していたとする証拠はないとして、その請求がすべて棄却された事例 |
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77 | H28.7.12 | 東京地裁 |
賃貸借物件に関し、賃借申込みを行った法人が、仲介業者から虚偽の説明を受け、その結果、計画をしていた物販店の開店が間に合わず損害等3億円余が発生したとし、仲介業者の不法行為に基づき、当該損害金の一部200万円の支払いを仲介業者に求めた事案において、賃借申込者が主張する虚偽説明は認めるに足りる証拠はないとし、賃借申込者の請求が棄却された事例 |
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78 | H28.5.24 | 東京地裁 |
買主が、売主並びに媒介業者が耐震診断はない、大規模修繕工事は予定されていないなどと客観的事実と異なる説明・記載をしたことは、説明義務等に反するとして、売主又は媒介業者に対し、債務不履行又は不法行為に基づき損害賠償を求めた事案において、買主の耐震性能及び耐震改修工事についての認識可能性や売主・媒介業者がした情報提供の内容等から、さらに詳細な事情を説明等すべき法的義務があるとは認められないとして、請求が棄却された事例 |
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79 | H28.4.21 | 東京地裁 |
売主が、不動産売却に関する業務を委託した売主の元従業員、並びに同従業員が役員である不動産会社に対し、共同不法行為等に基づく損害賠償を求めた事案において、売主に虚偽の事実を告げ誤信させ売却させたとして、一部の請求が認容された事例 |
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80 | H28.3.18 | 東京地裁 |
買主が、仲介業者の従業員が建物検査済証を備えていない旨を説明すべき義務を怠ったため、転売できると信じて購入したが、転売のためには建物を一旦解体した上で再建築せざるを得なくなったとして、仲介業者に対し、説明義務違反を理由とする損害賠償を請求した事案において、居住用としか聞いていない仲介業者は、居住目的の購入に照らしては必要かつ十分な説明をしたとして、その請求が棄却された事例 |
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81 | H28.3.10 | 東京地裁 |
介護施設としての利用を目的に建物を賃借したところ、検査済証が未交付であったこと等から、用途変更確認申請ができず、施設を開設できなかったことから、賃借人が、賃貸人には使用収益させる義務違反、媒介業者らには調査説明義務違反がそれぞれあったとして、賃貸人と媒介業者に支払済賃料・工事代金等の支払いを求めた事案において、検査済証がないことを理由に、同一目的の賃借希望者が賃借を見送っていたことを知る媒介業者には、その旨を賃借人に説明する義務があったとして、その請求の一部を認めた事例 |
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82 | H28.2.16 | 東京地裁 |
購入の際、隣地建物の一部が私道に越境していることに係る合意がないと説明された買主が、引き渡し後、将来の改築まで越境容認する確認書が隣地所有者と売主らで締結されていたことを知り、不当に高価での土地建物の購入、隣地建物の私道越境部分の撤去費用負担等を強いられたとして、仲介業者および売主に対し、欺罔行為及び説明義務違反の不法行為に基づき損害賠償請求をした事案において、欺罔行為には当たらず、損害も生じていないとして、その請求が棄却された事例 |
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83 | H28.1.22 | 東京地裁 |
新築マンションを購入した買主が、売主が売買契約の締結について勧誘するに際し、不実の告知などがあったとして、契約の解除と支払済みの手付金の返還を求めた事案において、売主に不実告知等があったとはいえないとして、買主の請求が棄却された事例 |
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84 | H28.1.21 | 東京地裁 |
売主業者から中古戸建住宅を購入する際に、重要事項説明書において実際には2m幅員の接面道路を幅員4mとの説明を受けた買主が、建物再建築において建築基準法43条1項但書による許可が必要であったことは隠れた瑕疵にあたるとして売買契約の解除と解除に伴う損害賠償の支払いを求めた事案において、重要事項説明書記載の幅員は、別案件の書類を上書きして作成した際に必要な訂正がされなかったために記載を誤ったもので、不動産業者として極めて大きな不手際で落ち度と言わざるを得ないが、契約前に必要な説明はされているとして、買主の請求を棄却した 事例。 |
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85 | H28.1.21 | 東京地裁 |
借地権付建物を購入した買主が、仲介業者から適切な説明を受けるなどしなかったため極めて高額で購入させられたなどとして、同社と同社取締役に対し、仲介手数料及び相当な価格との差額を連帯して支払うよう求めた事案において、説明がなかった任意売却物件であること等は重要事項の説明対象となるとは認められないとして請求が棄却された事例 |
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86 | H27.12.25 | 東京地裁 |
戸建住宅の買主が、売主不動産業者および媒介業者に対し、近くに高圧送電線が存在し、購入物件がその振れ幅に一部掛かることの説明がされなかったとして、瑕疵担保責任、説明義務違反等に基づき、主位的に契約解除を、予備的に損害賠償等を求めた事案において、契約解除は認められなかったが、説明義務違反について慰謝料の請求が認められた事例 |
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87 | H27.11.27 | 名古屋高裁 |
開発道路等の陥没事故により、土地の一部が崩れ建物に居住できなくなったとした買主が、開発を許可し道路を管理する市に対して国家賠償法に基づき、土地の分譲業者に対して当該地域が磨き砂採掘跡地である旨の説明義務違反により、損害賠償等を請求した事案の控訴審において、市は本件陥没事故発生の予見、回避をし得なかったとして、一審判決を変更して市の損害賠償責任を否定し、分譲業者に対する損害賠償請求については賠償額を減額変更して認容した事例 |
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88 | H27.11.26 | 東京地裁 |
購入目的とした会社用建物の建築が不可能であったため、土地の売買契約を手付解除した買主が、媒介業者及びその担当者に対して、用途制限・建築制限に関する適切な説明をしなかった説明義務違反があるとして損害賠償請求をした事案において、媒介業者らは買主の購入目的を、投資用アパートの建築と聞いており、買主が媒介業者らに対し、会社用建物を建築する目的であることを具体的に告げた事実は認められないとして、その請求を棄却した事例。 |
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89 | H27.10.29 | 東京地裁 |
中古住宅の買主が、仲介を行った媒介業者に対し、建物の延長保証に関する調査・説明義務を怠ったことにより、メンテナンス工事費用等相当額の損害を被ったとして、損害賠償を求めた事案において、買主から明確に調査を依頼されない限り、媒介業者は延長保証について正確に調査・説明する義務を負うものではないとして、買主の請求を棄却した事例 |
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90 | H27.10.15 | 東京地裁 |
学生寮としての使用を目的とする賃貸借契約を締結、引渡しを受け外国人留学生を住まわした借主が、本件建物の耐震機能や衛生上の問題について、仲介業者は説明する義務を負っていたのにこれを怠ったために損害を被ったとして、債務不履行に基づく損害賠償請求として52万円余の支払いと、当該業者の債務不履行を理由として仲介契約を解除したとして不当利得に基づき仲介報酬として支払った20万円の支払いを仲介業者に求めた事案において、借主主張の問題は本件建物には存在するとは認められないとし、借主の請求が棄却された事例 |
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91 | H27.9.1 | 東京地裁 |
インターネット販売を営んでいた借主が、賃借していた事務所の住所が「振り込め詐欺」の金員送付先として警察庁等のホームページに公表されていることが判明し、同事務所から退去した。借主は、これは「隠れた瑕疵」にあたり、貸主及び仲介業者は説明・告知すべきであったのにこれを怠ったなどと主張し、貸主及び仲介業者の瑕疵担保責任、不法行為ないし債務不履行に基づき539万円余の損害賠償を求めた事案において、「隠れた瑕疵」があるとは認められず、貸主及び仲介業者の不法行為ないし債務不履行もないとして、借主の請求が棄却された事例。 |
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92 | H27.7.16 | 東京地裁 |
賃借した建物に瑕疵があったとした、借主の紹介者に対する損害賠償請求が棄却された事例 |
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93 | H27.6.23 | 東京地裁 |
商業ビルの売買において、媒介業者が電気設備及び消防設備の定期点検報告書の不備事項について説明をしなかったとして、買主が媒介報酬の支払を拒んだ事例において、媒介業者に説明義務違反はなかったとして媒介報酬の支払を命じた事例 |
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94 | H27.6.16 | 東京地裁 |
中古住宅の買主が、建物に建築基準法違反があったとして、売主に対しては瑕疵担保責任により、媒介業者に対しては調査義務違反等により、損害賠償を請求した事案において、売主の瑕疵担保責任は売買契約の特約により免責されているとし、また、媒介業者は調査説明義務を果しているとして、その請求が棄却された事例 |
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95 | H27.5.28 | 東京地裁 |
賃貸借開始後の条件変更は仲介業者の調査説明義務違反が原因だとした貸主の損害賠償請求が棄却された事例 |
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96 | H27.2.10 | 東京地裁 |
中古住宅の買主が、検査済証未取得の地下車庫上に建物が建てられないことを理由に、売主に対して錯誤による契約の無効を、媒介業者に対して調査説明義務違反による損害賠償を請求した事案において、買主に要素の錯誤はなく、その地下車庫上に建物が建てられないことは媒介業者の調査説明すべき事項とまではいえないとして、買主の請求を棄却した事例 |
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97 | H27.1.7 | 東京地裁 |
転売された土地を取得した買主が、第1売買の売主から所有権移転登記抹消手続を求める訴訟を提起され敗訴したことから、仲介業者や立会人等として取引に関与した者に対し、権利者の真偽について確認を怠った注意義務違反があるとして、債務不履行責任、不法行為責任等に基づき損害賠償を求めた事案において、仲介担当者及び仲介業者の不法行為責任等が認容された事例 |
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98 | H26.12.16 | 東京地裁 |
店舗の賃貸借契約ができなかった賃借希望者が、交渉過程において、仲介業者が、確実に賃借できると誤信させたために、賃借できると信じて開店準備費用を支出し、あるいは開店準備を取りやめる機会を逸したとして、業者に対して不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、訴えには理由がないとして請求が棄却された事例 |
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99 | H26.11.28 | 東京地裁 |
売主に対する媒介報酬請求は権利の濫用に当たらないとして、媒介業者の請求が認容された事例 |
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100 | H26.10.31 | 東京地裁 |
東日本大震災により液状化被害を受けた分譲住宅の買主らが分譲会社に対して、分譲地の地盤改良工事を行わなかった義務違反、危険があることの説明義務違反による不法行為責任等に基づく損害賠償を求めた事案において、分譲会社は当時の技術的知見に基づく液状化対策実施していたなどとして、買主らの請求を棄却した事例 |
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101 | H26.8.7 | 東京地裁 |
土地購入者が、購入した土地上にあった建物で17年前に焼死者を出した火災事故があったことは土地の隠れた瑕疵に該当し、その事実について調査、説明をしなかった売主と媒介業者に対し損害賠償の支払いを求めた事案において、本件火災事故等の事実は土地の隠れた瑕疵に該当しないとして買主の請求が棄却された事例 |
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102 | H26.7.25 | 東京地裁 |
特定目的会社から信託受益権を購入し、最終的に不動産の所有権を取得した法人が、建物の非常用電源設備には著しい整備不良があり、取得後交換を余儀なくされたとして、売主には瑕疵担保責任又は説明義務違反に基づき、媒介業者には説明義務違反に基づき、交換費用相当額の損害賠償を請求した事案において、買主の請求がすべて棄却された事例 |
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103 | H26.7.15 | 東京地裁 |
建物賃貸借契約を締結した賃借人が、当アパートでは水道・電気料金が、賃貸人が一括して各供給事業者に支払った後に、各賃借人に対し使用量に基づく実費と基本料金を各戸割りした金額を請求するようになっていたことについて説明がなかったとして、調査説明義務違反を理由に、媒介業者に対し損害賠償を請求した原審で請求が棄却されたため控訴した事案において、賃借人の控訴請求が棄却された事例 |
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104 | H26.7.8 | 東京地裁 |
本件は、宅建業者が媒介契約に基づき買主に未払仲介手数料の支払を求めた本訴に対し、買主は、宅建業者が買換特約の存在を説明、助言する義務及び同特約を売買契約に盛り込む義務、建物の買換えにあたり購入時のリスクを具体的に説明する義務等を履行しなかったため違約金の請求を受けたとして、違約金相当の損害金と媒介契約解除による支払済仲介手数料の支払を求めた反訴において、買主の請求は棄却され、宅建業者の請求が認容された事例 |
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105 | H26.6.19 | 高松高裁 |
土地売買契約の買主が、当該土地上の建物(取壊済)で20年以上前に自殺があったことについて説明がなかったとして仲介業者に対し調査説明義務違反を理由として損害賠償を請求した事案。仲介業者は、当該事実を知らなかったこと、及び当時の建物も取壊され自殺後20年以上経過しており、当該自殺は重要な事項に当たらない旨主張したが、当該自殺がこれに先立って発生した当建物住人による殺人事件と関連付けられて近隣住民の記憶に残っており、取引に重要な影響を及ぼす要因と判断されるとしたうえで、仲介業者は契約締結後決済前に自殺の事実を認識しながらこれを買主に伝えなかった為、買主は代金決済や引き渡しを受けずに売主と交渉等を行う機会を失ったとして、仲介者の不法行為を認め、買主の請求を大幅に減額(約1割)の上認容した事例 |
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106 | H26.4.28 | 東京地裁 |
自社ビル用地を購入し引渡しを受けた後に、近隣のビルに暴力団関係団体が入居していることを知った買主が、媒介業者に対し調査説明義務違反を理由に、主位的には売買代金相当額を、予備的に価値の減価分相当の損害賠償を請求した事案において、媒介業者が暴力団関係団体の事務所の存在を認識していたとは認められないとして、買主の請求が棄却された事例 |
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107 | H26.4.15 | 東京地裁 |
中古住宅の買主が、媒介業者は、土地が液状化危険度マップにおいて地震が発生した際に液状化の危険性が極めて高いことを説明していないとして、媒介契約の解除と支払済の手数料の返還等を求め、売主に対しては、支払済の手付金の返還等を求めた事案において、本件マップの客観的正確性には限界があり、本件土地に地盤沈下の危険性があるわけではないなどとして説明義務違反を否認した事例 |
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108 | H26.3.11 | 東京地裁 |
土地区画整理事業地内の土地を敷地とするマンションの買主等が、同事業における賦課金を課されたため、分譲業者に対し瑕疵担保責任又は説明義務違反の不法行為責任による損害賠償を求めた事案において、分譲時に賦課金が課される可能性が具体性を帯びていたといえないことから、瑕疵担保責任・不法行為責任いずれとも理由がないとして、請求が棄却された事例 |
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109 | H26.3.6 | 津地裁 |
道路陥没事故により所有建物に居住できなくなった原告が、開発許可をするなどした被告市及び本件土地の宅地造成を行い原告に売却した被告売主業者に対し、損害賠償を求めた事案において、被告市は、本件道路の安全確認が不十分なまま漫然と開発許可手続等をしており、通常有すべき安全性を欠いた本件道路の管理について瑕疵があったと認められるとして、陥没を予見できなかったとする被告市の主張を退けた上、被告売主業者には宅地建物取引業者として本件開発許可条件の内容についての説明義務違反が認められるとして、請求を一部認容した事例 |
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110 | H26.2.25 | 東京地裁 |
買主(法人)は本件不動産を購入後、本件建物は建築基準法所定の容積率の制限を超過した違法建築物であったとして、仲介業者に対し調査説明義務違反に基づく損害賠償を請求した事案において、重説には敷地面積、建物延床面積及び容積率が正確に記載されており、買主は契約締結時までには容積率違反について認識することができたとし、買主の請求を棄却した事例 |
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111 | H26.2.20 | 東京地裁 |
土地付建物を購入した買主が、建物に漏水の原因となる瑕疵及びネズミやゴキブリがいる事実を告知しなかったことを理由に、売主に対しては、詐欺による取消もしくは錯誤による無効、仲介業者に対しては、説明義務違反による損害賠償を請求した事案において、買主の請求がいずれも棄却された事例 |
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112 | H26.2.7 | 東京地裁 |
ビルを購入した買主が、建築基準法上の是正が必要な隠れた瑕疵があり、仲介業者からその売買目的物の瑕疵の有無についての調査・報告がなかったことにより損害を被ったとして、売主には主位的に瑕疵担保責任に基づき、予備的に不法行為又は不当利得に基づき、仲介業者には調査報告義務の債務不履行に基づき、工事費用相当額および遅延損害金の支払を求めた事案において、買主の主張には理由がないとして、請求が全て棄却された事例 |
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113 | H26.2.3 | 東京地裁 |
賃貸中の土地建物を購入した買主が、購入対象と認識していた土地に区有地が含まれていたにも拘わらず十分な調査を行わずこれを見落とし事実と異なる誤った説明をしたとして、媒介業者に対し債務不履行に基づく損害賠償及び不当利得の返還を求めた事案において、媒介業者の説明義務違反を認め、請求額の一部を認容した事例 |
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114 | H26.1.23 | 東京地裁 |
戸建住宅の売買契約において、買主が、売主側仲介業者の担当者から、変更合意書へ実印押印を強要されたこと、残金の振込手数料を負担させられたこと、売買契約締結時点で測量結果を秘匿されたことが、不法行為にあたるとして損害賠償を請求した事案において、買主の請求が棄却された事例 |
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115 | H26.1.23 | 大阪高裁 |
分譲マンションの住民らが、当マンションを分譲した分譲業者らが新たに南側の土地で始めたマンション建築に関し、日照阻害を理由とする建築工事差止めと、日照阻害又は分譲時の説明義務違反を理由とする慰謝料請求をした原審で、分譲業者らの説明義務違反を理由に慰謝料請求の一部が認められたため、これを不服とした分譲業者らが控訴した事案において、控訴審も原判決を支持し分譲業者らの控訴を棄却した事例 |
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116 | H26.1.15 | 東京地裁 |
築38年を超えるマンションの一室を購入した買主が、暴風雨の折、サッシや建物躯体のひび割れから水が浸水し、寝具等に被害が生じたとして、売主には、浸水の可能性を認識していたのに告知しなかったとして、債務不履行、不法行為、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求を、媒介業者には、調査説明不足に起因する債務不履行に基づく損害賠償請求を、さらに買主が売主従業員に渡した被害状況を撮影したSDカード(記憶媒体)を返還するよう求めたが、いずれの請求も棄却された事例 |
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117 | H25.12.27 | 東京地裁 |
分譲マンションを購入した買主が、住戸に付設された駐車場について、販売担当が屋内駐車場であるかのような説明をしたとして、主位的に、消費者契約法の重要事項の不実告知若しくは不利益事実の不告知又は民法の錯誤を理由として、売買契約の取消し又は無効に基づく手付金の返還を求め、予備的に、信義則上の情報提供義務違反の不法行為に基づき手付金の賠償を求めた事案において、買主の請求はいずれも理由がないとして、全て棄却された事例 |
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118 | H25.11.28 | 東京地裁 |
土地付建売住宅を購入した買主が、購入土地の東側隣接地より越境されたコンクリート構築物が購入後自由に処分できると不実の説明をされたこと及び購入土地の地盤が軟弱であった事実を故意に告げられなかったとして、売主に対し、消費者契約法4条に基づく契約取消、錯誤無効又は詐欺取消、瑕疵担保責任に基づく契約解除を理由に原状回復費用の請求及び説明義務違反に基づく損害賠償(弁護士費用含む)の支払を求めた事案において、買主の請求のうちコンクリート構築物の説明義務違反に基づく損害賠償請求の一部が認容された事例 |
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119 | H25.10.22 | 東京地裁 |
賃貸マンションの売買契約において、融資が得られず、結果手付金の放棄及び解決金の支払いを余儀なくされた買主が、媒介業者に融資特約を付すべき義務違反等があった等として損害賠償等を請求した事案において、買主は融資利用特約がないことを媒介業者より説明を受け、了承し売買契約を締結したと認められるとして、買主の請求を棄却した事例 |
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120 | H25.8.20 | 東京地裁 |
賃貸人から、定期建物賃貸借契約の特約に基づく中途解約の申入れを受けた賃借人が、賃貸人は立退料等の金銭支払いの条件提示をするなど誠実に対応すべきであるのにこれをせず、仲介業者は紛争の契機となった契約書及び特約を作成し、その後も十分な仲介をしなかったとして、賃貸人及び仲介業者に対して不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、仲介業者に対する請求のみが一部認容された事例 |
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121 | H25.7.30 | 東京地裁 |
建物の瑕疵を主張し調停を申し立てた買主が、調停不調となったことから、売主業者に対し、説明義務違反による不法行為責任、建物の瑕疵担保責任に基づく損害賠償等を求めた事案において、売主の不法行為責任を否定し、建物の瑕疵の一部について瑕疵担保責任を認めた事例 |
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122 | H25.7.22 | 東京地裁 |
事務所ビルの賃貸借契約の契約・引渡し後、同ビル地下1階のライブハウスからの騒音に気付いた借主が、賃借目的である試験会場としての使用に支障があるとして、賃貸借契約を解約し、仲介業者(借主側・貸主側)・貸主に対して、説明義務違反に基づく損害賠償として203万円余の支払を求めた事案において、借主より確認、調査要請がないのに、仲介業者・貸主らには進んで確認、調査を行いその結果を説明すべき注意義務はないとして、借主の請求が棄却された事例 |
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123 | H25.7.3 | 東京地裁 |
一棟売賃貸マンションの買主が、一室で自殺があった事実を説明しなかったとして、売主には、債務不履行あるいは瑕疵担保責任に基づき、媒介業者には、債務不履行あるいは不法行為に基づき、損害賠償請求を求めた事案において、売主らは決済までに自殺の存在を知っていたとは認められず、また、知らなかったことが調査義務の懈怠によるとも認められないとして瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求以外は棄却された事例。 |
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124 | H25.6.25 | 東京地裁 |
店舗の賃貸借契約を締結した賃借人が、業者が行った重要事項の説明の誤りにより多大な金銭的、精神的損害を被ったとして損害賠償を求めた事案において、重要事項説明書の内容に不備ないし誤りがあると認められるものの、賃借することを決断したことに重要事項説明書等は何ら関与していないから、重要事項説明書の不備等と賃借との間に因果関係はなく、賃借人が仲介業者の欺罔行為により賃貸借契約を締結させられたとはいえないなどとして、仲介業者の債務不履行ないし不法行為を否定し、請求を棄却した事例 |
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125 | H25.3.27 | 大阪高裁 |
建売住宅を購入した買主が、建物には建替えを必要とする重大な瑕疵があるなどとして、販売会社に対しては、瑕疵担保責任等に基づき、販売会社及び仲介会社の代表者に対しては、不法行為責任等に基づき損害賠償を求めた事案において、原判決を変更し、販売会社の瑕疵担保責任、不法行為責任とともに、代表者らの不法行為責任を認容した事例 |
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126 | H25.3.27 | 東京地裁 |
購入した建物が違法建築であったことが理由で、仮契約締結までしていたテナントとの賃貸借契約が成立しなかったとして、賃貸人が、賃貸借契約交渉時の賃借人側の媒介業者(=物件購入時の媒介業者)に対し、宅建業者として契約締結するよう媒介行為を行うべき義務を怠ったとして、損害賠償を求めた事案において、賃貸借取引においては賃借人側の媒介業者に賃貸人に対して重要事項の説明義務はないことから、重要事項説明の相手方に対して発生する信義則上の説明義務が生じる余地はなく、また、上記賃貸借契約不成立の帰責事由は賃貸人にあるとして賃貸人の請求を全て棄却した事例 |
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127 | H25.3.22 | 東京地裁 |
中古住宅を購入した買主が、引渡し後まもなく地盤が不安定であり建物に傾きやひび割れ等が生じているとして、売主及び媒介業者に対し調査説明義務違反による不法行為ないし債務不履行による損害賠償請求、また、売主に対し、売買契約の錯誤無効を理由とする既払売買代金の不当利得返還請求、予備的に売主に対し、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求を行った事案において、本件傾き等を瑕疵としたが、その程度は建替えを要するほどのものではないとして錯誤による無効は認めず、売主及び媒介業者の信義則上の調査説明義務違反を認め、請求額の一部を認容した事例 |
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128 | H25.3.18 | 東京地裁 |
中古マンションを内装工事後引渡しの条件で購入した買主が、建物の瑕疵により損害を被ったと主張し、売主には、主位的に、売買契約における説明義務違反による不法行為ないしは債務不履行として、予備的に、内装工事に関する債務不履行ないしは瑕疵担保責任として損害賠償を求め、一方、媒介業者には、調査説明義務違反による不法行為ないしは債務不履行として損害賠償を求め、請求の一部分が認容された事例 |
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129 | H25.3.7 | 東京地裁 |
買主が、購入した土地に接する位置指定道路の使用方法について売主業者と隣地所有者の間で一定の合意をしていた事実を隠したという情報提供義務違反があること、及び当該私道には通行権がないという瑕疵があるとして、売主業者に対して不法行為又は瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求した事案において、売主業者に情報提供義務違反があるとして、買主の損害賠償請求が認容された事例 |
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130 | H25.3.6 | 東京地裁 |
本件は、賃貸借目的で建物を購入した買主が、建物の容積率および建ぺい率が建築基準法に違反する状態であったとの説明がなかったとして、売主の説明義務違反、仲介業者の債務不履行あるいは不法行為に基づく損害賠償の支払いを求めた事案において、媒介業者の重要事項説明時の説明は、容積率違反の可能性を認識するに十分であり、建ぺい率違反については、違反の有無を明らかにするまでの調査義務を負っていないとして、請求が棄却された事例 |
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131 | H25.1.31 | 東京地裁 |
中古住宅とその敷地を購入した買主が、敷地の擁壁の耐久性が欠けていた上、囲障であるブロック塀が隣地に越境している等の瑕疵があったとして、売主及び仲介業者に対して、損害賠償を求めた事案において、売主の瑕疵担保責任及び仲介業者の債務不履行責任を認め、買主の請求の一部を認容した事例 |
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132 | H25.1.16 | 東京地裁 |
中古戸建住宅の買主が、売買契約締結後、残代金決済までに発生した東日本大震災により建物が傾いたにもかかわらず、売主の虚偽告知により、手付解約することができなかったとして、売主に対し損害賠償を求める一方で、媒介業者に対して、媒介契約上の義務違反による債務不履行または不法行為を理由に損害賠償請求を求めた事案において、売主への請求については虚偽告知があったと認められないとして、また、媒介業者に対しては、媒介契約上の義務は認められないとして、各々に対する買主の請求を棄却した事例 |
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133 | H24.12.21 | 東京地裁 |
マンション購入者らが、マンションに容積率超過等の瑕疵があったとして、売主に対し瑕疵担保ないし不法行為に基づき、代理・仲介業者らに対し債務不履行ないし不法行為に基づき、各室の売買代金額と客観的価値との差額等の損害賠償を求めた事案において、購入者の主張する事実は瑕疵にあたらず、売主らの説明義務違反により購入者の主張する損害は生じないとして、請求を棄却した事例 |
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134 | H24.12.10 | 東京地裁 |
賃借人は、グループ会社の事務所移転のための賃貸借契約の仲介を宅建業者に依頼し、賃貸人との間で、本件ビルの貸室につき定期建物賃貸借契約を締結したが、仲介業者らが説明義務を怠り、賃借人をして本件貸室を2年以上借り続けることが可能であると誤信させて契約を締結させたと主張して、仲介業者らに対し、損害賠償を求めた事案において、仲介業者らに賃借人主張に係る説明義務違反があったとはいえないと判断して、請求を棄却した事例 |
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135 | H24.11.13 | 東京地裁 |
土地の買主が、購入した土地を転売後、コンクリート造の地中障害物が発見され、その撤去費用等を、媒介業者に対し説明義務違反に基づく損害賠償として請求した事案において、買主は、媒介業者が本件土地については問題ない旨の発言をしたこと、および重要事項説明書に地中障害物については不明であるとの記載がなかったことを根拠としたが、媒介業者が、本件土地に関し問題ないと説明したとは認められない、また、地中障害物の存否に関して不明であるとの説明は口頭でされていたと認められる以上、重要事項説明書に不明である旨の記載をする義務まで負っていないとして、買主の請求が棄却された事例 |
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136 | H24.11.7 | 東京地裁 |
住宅ローンの借入れが拒絶され、売買代金を支払うことが出来ず、売主から売買契約を解除されて違約金等を支払った買主が、媒介業者に対しては債務不履行に基づき、金融機関に対しては不法行為に基づいて損害賠償を請求した事案において、媒介業者に対する損害賠償請求が認容された事例 |
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137 | H24.11.7 | 東京地裁 |
中古マンションの買主が、専有部分内の電気温水器からの水漏れに関し、売主は説明義務、媒介業者は調査・説明義務を怠ったとして、債務不履行による損害賠償を求めた事案において、その請求の一部が認容された事例 |
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138 | H24.10.17 | 東京地裁 |
飲食店開業を目的として、貸店舗の紹介を申し入れた者が、貸主から契約の締結を断られたことから、仲介業者に対し、貸店舗を紹介する際,宅地建物取引業法に基づき、貸店舗において飲食店開業が可能であるか否か、また、貸主が飲食店開業を承諾しているか否かを事前に調査及び確認する義務があったにもかかわらずこれを怠ったため、損害を被ったとして債務不履行に基づく損害賠償を求めた事案において、仲介業者が5月21日までにかかる調査をしなかったことが前記義務に違反するとまではいえないとして、請求を棄却した事例 |
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139 | H24.8.29 | 東京地裁 |
土地の買主が、売主(宅建業者)及び仲介業者に対し、かつて存在した共同住宅で発生した殺人事件について、知っていたにもかかわらず告げなかったことが不法行為を構成するとして損害賠償を求めた事案において、殺人事件について知っていたと認めることはできず、仲介業者に調査義務を負わせる特段の事情は見当たらないとして,買主の請求が棄却された事例 |
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140 | H24.5.31 | 東京地裁 |
建物(5階建)を購入した買主が、当該建物には瑕疵があるとして、売主に対しては瑕疵担保責任ないしは不法行為による損害賠償請求権に基づき、媒介業者に対しては調査報告義務違反などによる債務不履行ないしは不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害賠償請求を行った事案において、買主の請求がいずれも棄却された事例 |
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141 | H24.5.31 | 東京地裁 |
媒介業者の仲介により売主業者から土地を購入した買主が、がけ条例の適用の調査・説明を怠ったとして両業者に不法行為による損害賠償を、また軟弱地盤であったとして売主業者に瑕疵担保責任に基づく損害賠償を求めた事案において、いずれの損害賠償も一部が認容された事例 |
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142 | H24.4.18 | 東京地裁 |
被告仲介業者の媒介により土地を買受けた買主が、公簿面積どおりの実測面積がなかったとして、売主に対し、数量指示売買における担保責任を根拠に契約を解除し、売買代金返還及び慰謝料を求め、予備的に、代金減額、被告及び仲介業者に対し説明義務違反を理由に損害賠償を求めた事案において、売買契約は実測面積と異なる可能性の予定されている公簿売買であることなどからすると、数量指示売買とはいえず、仲介業者に説明義務違反があるとする主張も採用できないとして請求を棄却した事例 |
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143 | H24.3.27 | 東京地裁 |
不動産投資を勧められて2件の不動産を購入した原告が、重要事項の不告知、断定的判断の提供等をされたと主張し、売買契約取消しなどを求めた事案において、被告は、客観的な市場価格を提示しておらず、非現実的なシミュレーションを提示し、月々の返済が小遣い程度で賄えると誤信させるなど、消費者契約法にいう重要事項について不利益となる事実を故意に告げなかったため、そのような事実が存在しないと誤認し、契約を締結したものであるから、同法4条による取消しが認められるとした事例 |
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144 | H24.3.27 | 大阪地裁 |
新築マンションに隣接する既存マンションの居住者らが、新築マンションの建築によって眺望権又は圧迫感を受けずに生活する権利を侵害されているとして新築マンションの販売会社と建設会社に損害賠償を求め、予備的に両マンションの販売を手がけた販売会社に売買契約の付随義務違反、眺望に関する説明義務違反があったとして損害賠償を求めたが、いずれも棄却された事例 |
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145 | H23.10.3 | 東京地裁 |
賃借人が賃借物件で店舗営業を始めたところ、下水管の点検孔から異臭が漏出する状況となり店舗を閉鎖せざるを得なくなったとして、賃貸人及び仲介業者に対して、不法行為、債務不履行などに基づく損害賠償を請求した事案において、情報提供義務違反及び債務不履行責任に係る主張事実を裏付ける証拠はないとして棄却された事例 |
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146 | H23.9.6 | 東京地裁 |
融資特約のある契約において、融資特約の解除の合意をさせたのは欺罔行為あるいは錯誤によるものであるとして媒介報酬の請求に応じなかった媒介依頼者に対し、媒介報酬の支払いを命じた事例 |
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147 | H23.6.29 | 東京地裁 |
土地付中古建物を宅建業者の仲介により購入した買主が、本件建物に重大な瑕疵があったとして、売主に対しては瑕疵担保責任及び債務不履行に基づき、媒介業者に対しては債務不履行に基づき、損害賠償請求をした事案において、本件建物に認められる基礎のひび割れ、亀裂などの瑕疵は、契約上、担保責任の対象外とされているところ、売主がこれらの瑕疵の存在を知っていたとは認められないなどとして売主に対する請求を棄却し、また、媒介業者は床の傾斜の説明に加え、これが建物の構造上の欠陥によることを説明する義務は負わないとして、媒介業者に対する請求も棄却した事例 |
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148 | H23.5.31 | 岡山地裁 |
売主業者との間で土地売買契約及び建物請負契約を締結した買主が、当該土地に土壌汚染があったとして損害賠償を求めた事案において、売主が当該土地を販売したことが不法行為にあたることはないが、売主は、安全性、快適性に関する情報の説明義務を怠ったといえるから、同義務違反の不法行為該当性が認められるとして、売買及び工事代金の5割相当の損害が認められた事例 |
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149 | H23.5.19 | 東京地裁 |
居室を賃借した借主が、隣家が飼育する犬の鳴き声による騒音のため生活環境に重大な過失があるなどと主張して,仲介業者に対しては仲介契約の債務不履行解除による原状回復請求権に基づく支払い済み仲介手数料の返還を、貸主に対しては民法611条1項の類推適用に基づく賃料減額を、それぞれ求めた事案において、賃借人主張の犬の鳴き声は社会生活上受忍すべき限度を超えたとは言えず、本件居室に瑕疵があるとも言えないとして、賃借人の請求をいずれも棄却した事例 |
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150 | H23.4.20 | 東京地裁 |
宅建業者である売主から買主らが、崖条例の存在につき重要事項説明書で説明を受けなかったことから、民法570条の隠れた瑕疵に当たるなどとして、売主に対し、売主との間の売買契約の解除ないし損害賠償の支払を求め、請負業者に対し請負契約は上記売買契約と不可分一体であるなどとして、同請負契約の解除等を求めた事案において、売主の説明義務違反、瑕疵担保責任を認めて売買契約の解除は認めたが、請負契約の効力は失われないとして同契約の解除を認めず、原告の請求を一部認容した事例 |
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151 | H23.3.8 | 福岡高裁 |
売買されたマンションが前入居者によって相当長期間にわたり性風俗特殊営業に使用されていたことは瑕疵にあたるとされ、売主について瑕疵担保責任に基づく損害賠償責任、仲介業者について説明義務等違反による損害賠償責任が認められた事例 |
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152 | H23.2.17 | 千葉地裁 |
宅建業者から、中古住宅を買い受けた者が、当該不動産が接道義務を満たしていないとして、購入から約16年後に、売主並びに売主側業者に対し不法行為に基づく損害賠償を請求したところ、不法行為責任が是認され、請求が一部認容された事例 |
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153 | H22.10.18 | 東京地裁 |
宅建業者の媒介で外国法人からマンションを購入した買主が、媒介契約に基づく重要事項説明違反および税理士の税務指導契約に基づく適切な税務指導義務や信義則上の注意喚起義務違反により、過大な税負担をした等として、債務不履行や不法行為による損害賠償請求をした事案において、税理士に支払われた報酬金は売買契約の情報提供に対する紹介料や謝礼金だから税務指導契約は成立せず、宅建業者や税理士に源泉徴収義務を指摘すべき信義則上の義務はないとした事例 |
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154 | H22.9.9 | 東京地裁 |
ローン特約について、買主が売主に対する錯誤無効による手付金の返還と仲介会社に対する説明義務違反による損害賠償を求めた事案において、売買契約及び重要事項説明書からは、特定の銀行をローン特約の対象とすることが売買契約の内容になっていたとは認められず錯誤に当たらないと認定し、仲介会社に説明義務違反があったとも認められない等判断し、買主の請求を棄却した事例 |
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155 | H22.8.30 | 東京地裁 |
地中に放置された基礎は説明と異なる、埋戻し部分は転圧が十分でなく軟弱地盤であるなどとして、売主に瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求するとともに、代理業者に説明義務違反に基づく損害賠償の請求を求めた事案において、基礎杭の残置は明らかにされており、埋戻し部分の支持力にも問題ないとして瑕疵の存在を否定し、代理業者の説明義務違反も否定した事例 |
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156 | H22.6.17 | 最高裁 |
新築建物を購入した買主らが、当該建物には構造耐力上の安全性を欠くなどの瑕疵があると主張して、その設計、工事の施工等を行った業者らに対し、不法行為に基づく損害賠償等を求めた事案において、購入した新築建物自体が社会経済的価値を有しない場合には、買主から工事施工者等に対する建替え費用相当額の損害賠償請求においてその居住利益を損害額から控除することはできないとされた事例(控訴審 H21.6.4 名古屋高裁 RETIO78-106) |
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157 | H22.4.8 | 東京地裁 |
宅建業者から購入した建売住宅の地中にコンクリート製の構造物が埋設されているとして、買主が売主に対し、主位的には瑕疵担保責任に基づき、予備的に説明義務違反に基づき損害賠償請求した事案について、構造物の埋設により居住用建物の敷地としての一般的な利用が大きく妨げられているとはいえず、増改築や建替えの必要性は、直ちに現実化することのない不確定なものであるから、瑕疵にもあたらないとし、売主が積極的に調査探知すべき義務を負っていたともいえないとして、買主の請求を全部棄却した事例 |
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158 | H22.3.10 | 東京地裁 |
中古住宅の買主が、建物に修復困難なシロアリ被害等が発見されたとして、売主に対し信義則上の義務違反による違約解除を求め、仲介業者に対し債務不履行等に基づく損害賠償を請求したのに対し、売主が買主の契約不履行(残代金不払い)による違約解除を求め反訴した事案において、シロアリ被害はあるものの建物が無価値と評される被害は認められないとして売主の反訴違約解除が認められた事例 |
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159 | H22.3.9 | 東京地裁 |
いわゆる公図混乱地域における土地を購入した買主が公図上の土地所有者から土地明渡しを求められたことから、売主及び仲介業者に対し契約解除、損害賠償等を求めた事案において、将来所有権をめぐる紛争が生じる可能性が存することは瑕疵であるとして、仲介業者に対する説明義務違反を理由とする損害賠償請求の一部を認め、売主に対する契約解除及び損害賠償請求等は、当該瑕疵は売買目的を達成できない程ではなく、また損害賠償請求権は除斥期間経過により消滅しているとしてその請求を棄却した事例 |
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160 | H22.3.3 | 大阪地裁 |
購入した建物に消防法違反があったため補修工事を余儀なくされたとして、買主が売主及び仲介業者に対し補修費用相当額の損害賠償を求めた事案において、消防署による消防法違反の指摘を受けながら是正していなかったことは瑕疵に当たるとして、売主の瑕疵担保責任に基づく損害賠償を容認した一方で、仲介業者については、本事案において消防法違反を想定し調査する責任があったとまではいえないとして、仲介業者に対する善管注意義務違反による損害賠償請求を棄却した事例 |
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161 | H22.1.26 | 東京地裁 |
新築戸建住宅を購入した買主が、都市計画道路がかかっていることの説明を怠った売主および販売代理業者に対し、主位的に契約解除と違約金や損害金等の支払いを、予備的に従業員の不法行為を原因として損害金等の支払いを求めた事案において、土地の一部に都市計画道路が存在することの説明がなかったことが、売買契約の目的達成に重大な影響を与えるまでとは認定し難いとして、売買契約の解除はできないとしたが、土地の減価額等を損害と認定する等、予備的請求を一部認容した事例 |
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162 | H22.1.20 | 名古屋高裁 |
売主から本件土地を購入した買主らが、本件土地の地盤が軟弱で、建物建築に適さず、地盤改良工事が必要であったとして、本件地盤の軟弱性等に関する説明義務違反又は瑕疵担保責任に基づき、売主に対し、土地改良工事費用及び遅延損害金を請求した事案につき、地盤が軟弱であって、土地の隠れた瑕疵に当たるとして、請求の全部を認容した事例 |
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163 | H21.12.28 | 東京地裁 |
収益物件の売買において、買主が賃貸の可能性が全くないという隠れた瑕疵があるとして売主業者に対し損害賠償を求めた事案において、売買の前提となった賃料収入は全く得られていないことから、建物の価値に関して隠れた瑕疵があったとした事例 |
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164 | H21.12.25 | 東京地裁 |
土地建物を購入した買主が、媒介した宅建業者は、建物の雨漏り、受水槽の水漏れ、敷金の返還債務の引受義務についての説明を怠り、これにより損害を被ったとして、媒介した宅建業者に対し損害賠償の支払を求めた事案につき、買主の請求が一部認められた事例 |
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165 | H21.11.12 | 東京地裁 |
建築基準法に基づく制限等を十分に説明しないのは、宅建業法第35条の重要事項説明違反であるとして仲介業者に損害賠償の支払いを求めた事案において、仲介業者は買主から建て替えの話は聞いておらず、実際に申請しないと判明しない建築基準法の制限の結論までの説明義務はない等として、買主の請求を棄却した事例 |
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166 | H21.10.9 | 東京地裁 |
土地建物を購入した買主が、購入した土地建物が法令に適合していないことを仲介業者が説明する義務を怠ったとして、上記仲介契約には債務不履行があると主張し、仲介業者に対して仲介手数料相当額及び調査に要した支出額の支払いを求めた事案において、不動産の一部には法令違反があり、これは買主が売買契約を締結するかどうかの判断において重要な事項であるが、その判断は建築に関する専門的知識を要するものであって、宅地建物取引業者において認識し得るものではないとして、仲介業者の説明義務が否定された事例 |
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167 | H21.9.30 | 東京高裁 |
温泉付きマンションの一室を購入した買主が、その住戸には居住に耐えられない異常な瑕疵があり、売買契約を解除し、売主には代金の返還及び瑕疵担保責任に基づく損害賠償を求めると共に、仲介業者には本件瑕疵の調査義務及び説明義務違反があるとして損害賠償を求めた原審で、各請求が棄却されたため、これを不服として提起された控訴審において、売主が異常な湿気とかびの発生を知りながら買主に告げなかった事実は認められないなど本件事情によれば、売主が瑕疵担保責任を負うことは無く、仲介業者も調査義務及び説明義務の懈怠は無いとして控訴が棄却された事例 |
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168 | H21.8.31 | 東京地裁 |
おにぎり販売店として店舗を賃借したが、建物に防火シャッターが作動しない欠陥により営業ができない状態であったにもかかわらず、貸主らから当初説明がなくまた補修もしなかったとして、借主が貸主に対し債務不履行解除に基づく原状回復請求又は錯誤無効を理由として支払済の賃料等の返還等を求め、仲介業者に対し債務不履行に基づく損害賠償請求を求めた事案について錯誤無効、仲介業者への請求等は棄却されたが、貸主への礼金等の返還請求が認容された事例 |
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169 | H21.8.27 | 東京地裁 |
買主が、仲介業者に対して「全室南に面したマンション」の購入希望を伝えて、未完成物件であったマンションを訴外会社Aから買い受けたところ、同マンションは、媒介業者が完成図面を取り違えて買主に説明していたことにより、買主が希望する物件とは異なるものであることが判明し、Aは売買契約を手付倍返しにより解除したが、買主は,仲介業者に対して、仲介報酬の一部として支払った60万円の返還を請求した事案において、買主の請求が認容された事例 |
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170 | H21.7.21 | 東京地裁 |
公簿取引で土地を購入した買主が、実測面積が小さかったのは、仲介契約上の善管注意義務違反の債務不履行ないし不法行為に当たるとして、不足する面積分の土地代金相当額の損害賠償及び慰謝料並びに遅延損害金を請求した事案において、仲介者は本件契約がいわゆる公簿売買であることを説明し、買主もこれを了承したうえで本件契約の締結に至ったことが認められるとして、買主の請求を棄却した事例 |
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171 | H21.6.26 | 東京地裁 |
売主から土地及び建物を2億2千万円で購入した買主が、購入後、建物内で自殺をした者がいることが判明したため、隠れた瑕疵が存在する又は、事前に売主から何の説明もなかったとして、売主に対して4400万円の損害賠償を請求した事案において、売買金額の1%にあたる220万円の損害額が認められた事例 |
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172 | H21.6.4 | 名古屋高裁 |
新築建物を購入した買主らが、当該建物には構造耐力上の安全性を欠くなどの瑕疵があると主張して、その設計、工事の施工等を行った業者らに対し、不法行為に基づく損害賠償等を求めた事案において、購入した新築建物自体が社会経済的価値を有しない場合には、買主から工事施工者等に対する建替え費用相当額の損害賠償請求においてその居住利益を損害額から控除することはできないとされた事例 |
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173 | H21.5.15 | 東京地裁 |
相当の部分がキャバレー・バー等へ賃貸されている事務所店舗ビルの売買において、キャバレー・バー等への賃貸に関し建物に建築基準法施行令違反が存していたことは瑕疵であるとして、宅建業者である買主が宅建業者である売主に対し、瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求した事案において、売主に実際の用途における建築基準法の適合性についてまでの調査説明義務はないとしてその請求が棄却された事例 |
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174 | H21.5.14 | 東京高裁 |
区の主要生活道路計画(現時点では法的拘束力はない)が購入した新築戸建住宅物件にかかっており、もし事業化されれば土地の一部が収用され建物の一部も取り壊す必要がある等の具体的説明を買主にしなかったのは、売主(宅建業者)及び仲介業者の説明義務違反であるとして買主が損害賠償を求めた事案において、実現するかどうか未定であっても土地収用の可能性があることは重要な事実として説明されるべき瑕疵であるとして、道路計画が存することによる評価損及び弁護士費用相当額の損害賠償を認めた事例 |
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175 | H21.4.30 | 東京地裁 |
店舗の賃貸借契約において、借主が建物にアスベストが存在するため建物を全く使用収益することができなかったとして、賃貸借契約を解除し支払った賃料等の返還を求めた事案において、事前の交渉経過等からアスベスト処理を賃借人の負担で行う合意があったとし、賃貸人の説明義務違反による債務不履行ないし不法行為、使用収益させる義務あるいは修繕義務を怠った債務不履行による責任を否定するとともに、仲介業者の調査義務、説明義務違反を否定した事例 |
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176 | H21.4.16 | 東京地裁 |
看板設置を巡る賃貸人との紛争によって、事業用店舗の賃貸借契約を解除するに至った賃借人が、賃貸借契約を媒介した宅建業者に対し、媒介契約の債務不履行を理由に損賠賠償を請求した事案において、媒介契約の債務不履行は認めたが賃借人の損害と因果関係はないとしてその請求を棄却した事例 |
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177 | H21.4.13 | 東京地裁 |
延100㎡の工房兼住宅を建築する目的で土地を購入したが、第2種高度地区及び建ぺい率の制限により延100㎡の建築が不可能であったことから、買主が仲介業者及び売主に対して告知義務違反による損害賠償を求めた事案において、仲介業者に購入目的を具体的に告げていた事情の下では、仲介業者は買主が目的とする建物を建築することができないことを説明する義務があり、また、宅建業者である売主も、仲介業者の説明の場に立ち会い自らも十分な説明をする義務があったとして、買主の請求を一部認容した事例 |
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178 | H21.3.24 | 東京地裁 |
不動産売却の媒介契約締結時において、仲介業者が媒介金額の算定根拠及び売主が負う瑕疵担保責任の内容を告知する義務があったにもかかわらず告知しなかったため、不適正な価格で不動産を売却する損害を負ったとして、売主が仲介業者とその従業員に対し損害賠償を求めた事案において、仲介業者が行ったレインズの成約事例等の提示による意見の告知は当該義務を満たすものであるとし、また瑕疵担保責任は媒介契約締結時において説明する義務はなく売買契約締結時までに瑕疵担保責任の内容を告知すればよいとして、売主の請求を棄却した事例 |
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179 | H21.3.2 | 東京地裁 |
宅建業者売主から土地区画整理事業の施行区域内にある仮換地指定がされた土地を購入したところ、土地区画整理組合の総会決議に基づく賦課金の納付を余儀なくされたため、売主は売買契約の締結に際して説明義務を怠った等と主張して、債務不履行又は不法行為に基づき、賦課金相当額の損害賠償を求めた事案につき、売主には賦課金について具体的に説明すべき義務があったのにこれを怠った債務不履行があるなどとして、請求が一部認容された事例 |
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180 | H21.2.20 | 東京地裁 |
売主業者から、媒介業者を介して、中古マンションを購入した買主が、当該マンションには建ぺい率超過の瑕疵が存在し、建替えの際に制限を受けることについての説明義務違反があったとして、売買代金の返還及び損害賠償を求めた事案において、建物建築当時において建築基準法に違反していたものと認めるに足る証拠はなく、また、業者側は、重要事項説明書等を全て読み上げて説明したことから説明義務違反はないとして、買主の請求が棄却された事例 |
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181 | H21.2.6 | 東京地裁 |
宅建業者が、宅地として土地を買い受けて転売したところ、地中に井戸が存在することが判明し、経済的損害を被ったとして、瑕疵担保責任に基づき損害賠償を請求した事案において、一般人を基準とした場合はもとより、宅建業者を基準としても予見することは困難であり、井戸の存在は売買契約締結当時隠れた瑕疵に当たるとして、損害賠償請求の一部が認められた事例 |
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182 | H21.2.5 | 東京地裁 |
宅建業者の媒介によって土地建物を購入した買主が、建物に雨漏り等があったとして、売主に対しては瑕疵担保責任に基づく損害賠償を、媒介業者に対しては不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償をそれぞれ請求した事案において、売主及び媒介業者に対する請求が一部認められた事例 |
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183 | H20.12.26 | 東京地裁 |
私道の境界に争いがあり、位置指定道路の幅員が認定どおり4m確保されるかが不明の状態となっていることは重要な瑕疵であり、物件引渡しまでに当該瑕疵を解消しなかったのは債務不履行であるとして、宅建業者売主に対し買主がなした契約解除及び売買契約に基づく違約金の支払い請求が認容された事例 |
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184 | H20.10.15 | 東京地裁 |
別荘地を購入した買主が宅建業者売主に対し、売買契約の際に、別荘地隣接地域に産業廃棄物の最終処分場等の建設計画があることの説明を受けなかったことが消費者契約法上の不利益事実の不告知に該当し、不法行為にも該当するとして、売買契約の取消と損害賠償等を請求した事案において、買主の請求が認められた事例 |
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185 | H20.6.25 | 大阪地裁 |
超高層マンションの高層階を購入した住民らが、購入後、分譲業者が近隣に別のマンションを建築した結果、眺望等を害されたとして、債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、住民らの眺望権が認められなかった事例 |
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186 | H20.6.4 | 東京地裁 |
築後12年の中古木造建物に生じた雨漏りによる腐食及びシロアリによる侵食被害のうちシロアリの侵食が進んだ一部の箇所が隠れた瑕疵に該当するとして、売主に対し建物の減価相当額の損害賠償を命じ、仲介した宅建業者に対する損害賠償請求を否認した事例 |
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187 | H20.5.29 | 東京高裁 |
宅地の買主が、住宅を建築しようとしたところ、暴力団関係者の可能性のある隣人から脅迫的な言辞をもって設計変更を求められたため、そのような住人が隣家に居住していることは隠れた瑕疵に当たるとして、売主に対し、契約解除と損害賠償を求めた事案において、契約の目的を達することができないとはいえないとして、解除は認められないが、隠れた瑕疵に当たることを認め、損害賠償の請求を一部認容した事例 |
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188 | H20.5.20 | 大阪地裁 |
居住目的による土地・建物の売買契約において売主を仲介する宅地建物取引業者は、雨漏りによる腐食、シロアリ被害といった建物の物理的瑕疵によって居住目的が実現できない可能性があることを示唆する情報を認識している場合、買主に対し積極的にその旨を告知すべき注意義務があるとされ、これを尽くさなかったことに不法行為責任が認められた事例 |
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189 | H20.4.28 | 東京地裁 |
マンションを購入・転売した不動産業者に、当該物件で飛び降り自殺があったことを告知、説明すべき義務があるとされ、上記義務違反によって転売の購入者が被った損害は、性質上、損害額を立証することが極めて困難であると認められるとして、民事訴訟法248条の趣旨を援用して、慰謝料名目の損害賠償を命じた事例 |
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190 | H20.3.25 | 横浜地裁 |
町営廃棄物焼却場及び最終処分場の近隣住民が、施設や運営方法に問題があり、有害物質による健康被害及び生活被害を受けたとして、県に対して法律上の監督、規制権限を行使しないという不作為の違法があったとして慰謝料を求め、また売主不動産業者に対して、汚染により居住用土地としての価値を失ったので隠れた瑕疵があったとして損害賠償を求めた事案において、環境や人体に影響を及ぼすほどの有害物質や受忍限度を超える悪臭、騒音等は認められず、大気を媒介にしてダイオキシン類等が飛来することがあったとしても土地の瑕疵と認めることはできないとして請求を棄却した事例 |
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191 | H20.3.13 | 東京地裁 |
建物賃貸借にあたり、建築基準法上借主の目的とする工場として使用することができないことを告知しなかったため損害を負ったとして、借主が、貸主側仲介業者に対し損害賠償を請求した事案において、貸主側仲介業者は借主の使用目的を知悉していたのであるから、直接の委託関係はなくても不動産仲介業者として業務上の一般的注意義務があるとして、借主の損害賠償請求の一部を認容した事例 |
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192 | H19.6.5 | 東京地裁 |
借主が、仲介業者の取引主任者から貸主の資力信用に関する誤った説明又は不適切な説明を受けたために、建物について根抵当権の実行を受ける可能性があった貸主と建物賃貸借契約を締結し、その後貸主の破綻により預託した手付金等が回収できないなどの損害を負ったとして、取引主任者に対して不法行為責任を、仲介業者に対して使用者責任に基づき損害賠償を請求した事案において、取引主任者に重要事項の説明義務違反はなく、また、貸主と担保権利者らとの交渉状況について調査・説明する義務があるとはいえないとして、借主の請求を棄却した事例 |
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193 | H19.4.26 | 福岡地裁 |
借主要望に従って建物を増改築し契約期間9年の賃貸借契約(建て貸し)を締結したが、借主が中途解約したため損害を被ったのは、依頼した仲介業者が賃貸借契約に中途解約を制限する条項を盛り込まなかったためであるとして、貸主が仲介業者に対し損害賠償を請求した事案において、貸主はその契約内容を認識して締結したと認められるものの、建て貸しという賃貸案件においては、仲介業者には信義則上特別な説明義務が要求されるとしてその請求の一部を容認した事例 |
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194 | H19.4.13 | 大阪高裁 |
住宅供給公社が、マンションの売れ残り住戸を、約4年後に、値下げして再販売した事案において、当該再販売価格は当時の市場価格の下限を10%以上も下回る著しく適正を欠くものであり、その行為には過失があるとし、既購入者の精神的苦痛に対する慰謝料の支払いが命じられた事例 |
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195 | H19.3.26 | 東京地裁 |
宅建業者らの媒介によって土地を購入したところ、地中障害物が発見されたことに関し、説明義務違反等に基づき地中障害物の撤去費用等の損害賠償を求めた事案において、業者らの注意義務違反があるとはいえないなどとして、買主の請求を棄却した事例 |
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196 | H19.1.25 | 東京地裁 |
土地及び建物の売買契約を仲介した宅建業者に対して浸水に関する説明義務違反等の債務不履行があるとして買主が損害賠償を請求をした事案において、宅建業法35条に列挙された事項に該当しないから説明義務違反はないとされた事例 |
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197 | H18.12.8 | 東京地裁 |
隅田川の花火を観望できるマンションを購入した者が、入居から一年経たないうちに同じ分譲業者が近隣に花火の観望を妨げる別のマンション建設に着工し、それによって花火の眺望が失われたことに対し、分譲業者に慰謝料等の支払いを求めた事案において、分譲業者は、信義則上の義務に違反しているとして、損害賠償を一部容認した事例 |
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198 | H18.8.30 | 東京高裁 |
マンション火災時の防火扉の不作動による損害拡大に関し、防火扉の性能瑕疵、売主及び販売代理業者が防火扉の操作方法等を買主に説明する義務違反及び不作動と被害拡大との因果関係が認められた事例 |
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199 | H18.6.12 | 最高裁 |
建築後に土地の一部を売却すると容積率制限を越える違法建築物となり、また当該土地購入者も敷地の二重使用となって建築確認取得に支障が出る敷地について、その一部を売却することがもともと困難である点を説明しなかった建築会社及び銀行が「説明義務」違反を理由に不法行為または債務不履行に基づく損害賠償を請求された事案において、建築会社には説明義務違反があるとされ、銀行にも説明すべき信義則上の義務を肯認する余地があるとされた事例 |
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200 | H18.2.2 | 福岡地裁 |
マンションの売買につき、眺望に関する説明が事実と異なるとして売買契約の解除を求めた事案において、売主業者の説明義務違反を理由に売買契約の解除が認められた事例 |
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201 | H18.1.20 | 東京地裁 |
中古建物の売買において、買主が建物に白ありの侵食被害があるとして、売主業者、代理業者、媒介業者に対して損害賠償を求めた事案において、売主業者の瑕疵担保責任は認めたが、代理業者、媒介業者の不法行為、債務不履行は否定した事例 |
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202 | H17.9.16 | 最高裁 |
マンションの売買において、防火戸が作動しない状態で引き渡されたことにつき、売買の目的物に隠れた瑕疵があったとして損害賠償を請求した事案において、売主から委託を受けてマンション販売に関する一切の事務を行っていた宅建業者に、防火扉の操作方法等につき、買主に対して説明すべき信義則上の義務があるとされた事例 |
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203 | H17.7.21 | 大阪地裁 |
不動産の管理・処分信託契約により損害を被った委託者が、受託者の信託銀行に対して、断定的判断の提供、元本保証、信託不動産の管理・公平義務違反があるとして提訴した損害賠償請求が棄却された事例 |
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204 | H17.7.20 | さいたま地裁 |
宅建業者が、所有者の所有農地についての相続税につき、当該農地を用途転用した場合に納税猶予の特例制度の適用が打切られることを所有者に説明すべき義務がないとされた事例 |
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205 | H17.1.20 | 大阪高裁 |
市街化調整区域の既存宅地において連棟式建物(長屋建住宅)として建築確認を受けながら、8戸の戸建住宅を建築・分譲した売主不動産業者に対し、戸建住宅を購入した買主が不法行為に基づく損害賠償請求をした事案について、売却や再築が困難であることを知らないで行った意思表示には法律行為の要素に錯誤が存し、売買契約は民法95条により無効であるとし、売買代金、諸経費、ローン利息等について売主業者の損害賠償責任が認められた事例 |
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206 | H16.12.15 | 東京簡裁 |
中古建物の買主が、売買に際し飲料水供給のための加圧ポンプの一台が故障していることを調査説明しなかったことは債務不履行(調査義務違反)であるとして媒介業者に対し損賠賠償を請求した事案において、売主が物件への立入りを拒むことについて理由のある状況の下、媒介業者が当該故障を覚知せず買主に報告できなかったことはやむを得なかったことであり、媒介業者の責めに帰すべき事由があったとまではいえないとしてその請求を棄却した事例 |
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207 | H16.12.2 | 大阪高裁 |
媒介業者の媒介により売主から居住目的に土地建物を買受けた買主が、隣人とのトラブルにより同建物に居住できなかったとして、売主及び媒介業者に対し、説明義務違反、不法行為による損害賠償を請求した事案について、売主及び媒介業者に説明義務違反があるとされ、不動産価値の減少分として売買価格の20%相当額の支払が命じられた事例 |
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208 | H16.11.18 | 最高裁 |
公団住宅の建替事業において、分譲住宅の売主(公団)が団地の賃借人で建替え後の住宅を購入する買主に対し、買主の意思決定の上で重要な価格の適否に関する事実について説明をしなかったことに対する買主の慰謝料請求が認められた事例 |
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209 | H16.11.2 | 東京地裁 |
投資家が購入した不動産小口化持分を信託銀行に信託する投資スキームにおいて、地価下落により、信託期間中の配当と信託終了後の売却分配金が小口化持分の購入価格を大幅に下回った場合に、信託銀行の責任が認められなかった事例 |
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210 | H16.9.16 | 大阪高裁 |
区分所有建物(タウンハウス)の買主が、売主に対し本件建物には屋根・壁の老朽化、床鳴り等の「隠れた瑕疵」が存在しているとして、瑕疵担保責任及び補修の必要性についての不実告知等による債務不履行責任に基づく損害賠償責任を主張し、媒介業者に対しては調査・説明義務違反があるとして不法行為による損害賠償責任を主張した事案において、築後19年の中古住宅が通常有すべき品質・性能を欠くと認めるに足りる証拠はないとして売主の責任を否定し、また、媒介業者は屋根及び外壁の瑕疵について調査・告知すべき義務を負っていたとは認められないとして買主の請求を棄却した事例 |
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211 | H16.8.27 | 東京地裁 |
不動産小口化商品について、特定の委託者にのみ信託期間中の受益権譲渡を認めたことが他の委託者の権利行使に相当な影響を及ぼす取扱いの変更に該当せず、また、節税効果及びキャピタルゲインの確保は信託契約の目的外であるとされ、いずれも受託者の責任が否定された事例 |
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212 | H16.4.23 | 東京地裁 |
土地建物の買主が、売買契約時に、当該土地建物において過去に火災が発生したことがある旨の説明がなかったとして、売主に瑕疵担保ないし不法行為に基づく損害賠償を、媒介業者に媒介契約上の債務不履行を原因として損害賠償を請求したのに対し、火災による焼損等が隠れた瑕疵に当たるとされ、売主と媒介業者に損害賠償責任があるとされた事例 |
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213 | H16.3.31 | 札幌地裁 |
分譲業者が建築し販売した15階建てマンションの高層階の購入者が、売主らが新たに同マンション南側に近接して15階建てマンションを建築したのは、信義則上眺望を害さないよう配慮すべき義務に違反するなどと主張して、売主らに対し提起した損害賠償請求の一部が認容された事例 |
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214 | H16.2.27 | 京都地裁 |
売買された建物が、建築基準法の要求する最低限度の安全性を充足していないという理由で瑕疵担保責任による契約解除が認められ、かつ、当該売買が商行為として行われたものであっても、商法所定の5年の短期消滅時効の適用がないとされた事例 |
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215 | H15.9.25 | 東京高裁 |
大雨のとき容易に冠水し宅地として使用することができないことは隠れたる瑕疵にあたる、また、売買契約の際売主業者がその説明を怠ったことは債務不履行(説明義務違反)に当たる等と主張して、建売住宅の購入者が売主に対し損害賠償を請求した事案において、冠水しやすいという宅地の性状は民法第570条の隠れたる瑕疵に当たらず、また、売主たる宅建業者の説明義務の対象とはならないとしてその請求を棄却した事例 |
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216 | H15.9.3 | 京都地裁 |
建物建築前に締結された土地売買契約において、建築業者は、法令上の安全性を備えた建物を建築する義務を負い、売主も建物がそのようになるよう配慮する義務を負うとして、建物の瑕疵について売主及び建築業者の不法行為責任が認められた事例 |
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217 | H15.7.16 | 東京高裁 |
県住宅供給公社が行った値下げ販売が、先行分譲者に対する暴利行為、適正価格設定義務違反、譲渡価格維持義務違反、値下げ販売に関する虚偽説明回避義務違反に当たらないとされた事例 |
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218 | H15.6.26 | 神戸地裁 |
阪神淡路大震災によって全部滅失したマンション敷地上に再建されたマンションの再建組合員以外の新規購入者が、売主業者に対し、売買契約締結に際して、本件マンションの管理組合が借り入れた再建事業費(建築費)の返済に伴い購入者個々人に負担が生じることの説明義務を怠り、付随業務の債務不履行があったとして、損害賠償の支払を求めた事案において、売主には、説明義務違反によって生じた損害を賠償する責任があると認め、新規購入者の精神的苦痛に対する慰謝料の支払を命じた事例 |
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219 | H15.3.31 | 釧路地裁 |
土地付建物売買で、重要事項説明書上公道とされている道路が公道でなく、排水性能の問題により冠水、床下浸水被害が発生し、建物不同沈下も見られる場合に、売主業者の瑕疵担保責任及び不法行為責任、建築士の不法行為責任が認められた事例 |
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220 | H14.6.17 | 東京地裁 |
建物の強度不足及び耐火性能の欠如につき、売主業者の瑕疵担保責任に加え、建築業者が、建築した建物が他に販売されることを知りながら、注文者の注文により敢えて建築基準関係法令に違反する建物を建築した場合には、当該建物の購入者に対する不法行為責任を負うとされた事例 |
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221 | H14.3.29 | 東京高裁 |
土地区画整理事業の施行区域内の土地の売買について、事業計画決定の告示前の段階では、媒介業者は買主に対し、購入する不動産につき、換地が行われ、曳家が必要となる可能性があることを告げれば、足りるとされた事例 |
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222 | H14.1.30 | 東京地裁 |
不動産投資商品につき、信託法の原則に反し、委託者からの信託契約解除を制限する規定が置かれることも含め、契約のリスク面の説明を十分に行わなかったとして、売主の不法行為責任が認められた事例 |
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223 | H14.1.10 | 千葉地裁 |
環境の良い所に転居したいとして媒介を依頼し、建売住宅を購入したところ、転居後間もなく、間近に高さ5mの擁壁が建築されたため、精神的圧迫を免れるために自宅の改造を余儀なくされた等として、売主業者及び媒介業者に対して損害賠償が請求された事案において、媒介業者に対して説明義務を尽くしていないとして損害賠償が命じられた事例 |
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224 | H13.12.26 | 東京高裁 |
土地付建売住宅の売買契約において、軟弱地盤に由来する地盤沈下が「隠れた瑕疵」にあたるとされるとともに、買主が売買契約を締結するか否かを決定づける重要な事実を媒介業者が説明しなかったことは、告知、説明義務違反にあたるとされた事例 |
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225 | H13.12.19 | 東京高裁 |
旧住・都公団の値下げ販売について、旧住・都公団の業務が民間による分譲住宅供給を主体とする市場で行われること及び当時の不動産市況に照らし、買主の期待権侵害、信義則上の義務違反にあたらないとされた事例(原審 H12.8.30 東京地裁 RETIO48-84) |
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226 | H13.11.14 | 東京地裁 |
マンションを購入した買主が、トイレの壁、押入れ等に生じた雨漏りは隠れた瑕疵にあたるとして、売主に対し瑕疵担保責任等に基づく損害賠償を求め、媒介業者に対しては媒介契約上の債務不履行等に基づく損害賠償を求めた事案において、本件漏水の原因はマンション共用部分の瑕疵によるものであり売買物件(マンション専有部分)の瑕疵に該当しない等として、売主及び媒介業者の責任を否認した事例 |
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227 | H13.11.8 | 東京地裁 |
「南側土地に現状以上の建物は建築されない」との説明を受けマンションを購入したが、その後2階建ての建物が建築され、日照、通風等が著しく阻害されとして、買主が、売主業者、売主の販売代理業者及び建設業者に対し不法行為責任等による損害賠償を求めた事案で、買主の請求がほぼ認容された事例 |
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228 | H13.8.20 | 京都地裁 |
建売住宅が構造耐力及び防火性に関する建築基準法所定の最低限度の基準を満たさない場合に、売主、媒介業者、建築主は共同不法行為責任を負うが、買主が建売住宅から退去して建替えなければならない具体的な危険が生じていない場合、慰謝料の損害賠償のみが認められるとされた事例 |
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229 | H13.6.27 | 東京地裁 |
建売住宅の買主が、購入後まもなく不等沈下により建物が傾き、居住困難になったとして、売主業者と媒介業者に対し、損害賠償を求めて争った事案において、売主業者に対しては瑕疵担保責任による契約解除に基づく売買代金の返還及び損害賠償を、媒介業者に対しては軟弱地盤についての告知義務違反を理由とする不法行為責任に基づく損害賠償を命じた事例 |
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230 | H13.5.29 | 神戸地裁 |
購入した土地建物の前面にゴミステーションが設置されていたことが、隠れたる瑕疵に当たる等と主張して、買主が売主に対し、瑕疵担保責任等に基づく損害賠償を、また、媒介業者に対し、告知義務違反等による損害賠償を求めた事案において、本件ゴミステーションは瑕疵には当たらず、また、媒介業者に告知義務違反等はないとして、買主の請求を棄却した事例 |
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231 | H13.5.28 | 札幌地裁 |
道住宅供給公社には後発購入者に対して値下げ、販売を行わないという信義則上の義務はないが、マンションの居住環境形成の特質にかんがみ、暴力団関係者や不法入居者への販売を回避するための方策を講ずる付随的義務があるとされた事例 |
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232 | H13.3.22 | 東京地裁 |
旧住・都公団が分譲住宅の後発購入者に対する値下げ販売を行ったことが、旧住・都公団法等の法令に違反せず、先行購入者の資産価値を毀損せず、先行購入者との関係で信義則違反にもあたらないとされた事例 |
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233 | H13.3.6 | 東京地裁 |
賃貸建物の土地の利用権が一時使用の賃借権である事実を十分説明せず、建物賃貸借契約を仲介した宅地建物取引業者に、土地の一時使用終了により立ち退かざるを得なくなった賃借人の損害につき、委任契約の債務不履行を理由による損害賠償を命じた事例 |
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234 | H13.2.8 | 名古屋地裁 |
マンション分譲業者が、5年後に購入者が希望すれば買戻すとの特約をして販売し、5年後に購入者が買戻しを求めたところ、業者がこれに応じず、争いになった事案において、買戻しの特約についての書面は作成されていないが、口頭による買戻しの合意があったとして、業者に買戻し代金の支払いを命じた事例 |
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235 | H13.1.29 | 東京地裁 |
中古マンションの購入者が、「雨漏り」が止まらないことから、売買契約の目的を達することができないとして、錯誤による契約の無効、瑕疵担保を理由とする売買契約の解除、併せて債務不履行ないしは不法行為による損害賠償を求めた事案において、錯誤無効及び瑕疵担保責任は認めなかったが、売主業者の調査に過失があったとして、債務不履行による損害賠償責任を認めた事例 |
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236 | H13.1.29 | 東京地裁 |
欠陥のある住宅を購入した買主が、販売代理業者も契約の当事者であったとして、売主業者と販売代理業者とのそれぞれに売買代金の返還と損害賠償を求めて争った事案において、売主業者に対しては、瑕疵担保責任を理由とする契約の解除に基づく原状回復と損害賠償を命じ、販売代理業者に対しては、契約当事者であるとは認められないが、売買契約締結過程における関与の態様に照らすと、その販売行為は、専門業者として尽くすべき義務を怠ったものであるとして、不法行為責任に基づく損害賠償を命じた事例 |
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237 | H13.1.29 | 福岡地裁 |
旧住宅・都市整備公団からマンションの分譲を受けた買主が、その後、マンションが売れ残り住戸を値下げ販売をしたことにより損害又は損失を被ったとして提起した損害賠償請求について、値下げ率は社会通念上見過ごし得ないほどの不当性があるとはいえない等として棄却された事例 |
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238 | H12.12.20 | 東京地裁 |
長期間の賃料保証を行うだけの財務的状態になかったにもかかわらず、保証をメリットに掲げてホテル、マンションの区分所有権を販売した行為が詐欺的なものであるとして、売主の不法行為責任が認められた事例 |
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239 | H12.12.15 | 大阪高裁 |
マンションを購入した買主が、階下のポンプ室からの騒音に悩まされ、瑕疵担保責任に基づく契約解除、錯誤無効、詐欺取消を理由に売買代金の返還を求めた事案において、買主は、通常の静けさを享受できる住戸として購入する旨の動機を表示し、騒音により通常の静けさの住環境にあるとはいえない状況であったのだから、法律行為の要素に錯誤があったとして、売買契約の無効を認めた事例 |
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240 | H12.11.30 | 千葉地裁 |
業者の媒介により土地を購入したが、当該土地は偽造された印鑑証明書などを用いて売主の前所有者に登記を移転したものであったため、所有権移転登記を抹消され紛争となった事案において、媒介業者に対しては、疑問を抱かせるような事情があったのに、売買の危険性について助言すべき義務を怠ったとして、また、国に対しては、登記事務の執行につき過失があったとして、損害賠償を命じた事例 |
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241 | H12.10.26 | 東京高裁 |
土地(がけ地を含む。)の購入に際して、媒介業者が法令等に適合しない擁壁設計案を示したため、目的どおりの建物が建築できなかったとして、買主が媒介業者に損害賠償を求めて争った事案において、媒介業者には土地利用の制限や工事の必要性について具体的な説明をせず、誤解を与えるような概算見積書を交付したなど、媒介契約(仲介契約)に基づく善管注意義務に違反する行為があったとして、媒介業者の損害賠償責任を認めたが、買主にも過失があったとして6割の過失相殺をした事例 |
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242 | H12.10.11 | 宮崎地裁 |
市街化調整区域内に所在する土地付建物の媒介において、媒介業者が市街化調整区域の具体的な制限の内容についての説明をせず、住宅の建替えが可能であるとの虚偽の説明を行った事案において、業者に説明義務違反があったとして、媒介業者及びその担当従業員に損害賠償の支払いを命じた事例 |
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243 | H12.9.29 | 大阪高裁 |
中古マンションの売買において、容易に除去できないイエヒメアリの被害を隠れた瑕疵として売買契約の解除を認めた原審判決を取消し、売買契約解除当時のアリ被害の状況はアリの異常発生に伴う特異な状況であるとし、同マンションに多数の住人が居住していることからも、住居として不適当といえるような瑕疵は認められないとして、売買契約の解除を否定した事例 |
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244 | H12.8.30 | 東京地裁 |
公団住宅の値下げ販売について、値下げ販売以前に購入した原告らによる、契約履行請求権、債務不履行による損害賠償請求権、不法行為による損害賠償請求権等に基づく請求がいずれも棄却された事例 |
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245 | H12.8.29 | 東京地裁 |
海外不動産に対する投資商品に投資し損害を被ったとして、出資者がこの商品への投資を勧誘した会社に対し説明義務違反等があるとして求めた損害賠償請求が棄却された事例 |
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246 | H12.7.26 | 神戸地裁 |
購入する土地の建物敷地部分への公道からの進入路の幅員について売主が説明義務違反を負うとしつつ、売買契約前に実地検分をしたこと及び物件説明書を読んだことにより買主が確認可能であったとして、売主の説明義務違反が認められなかった事例 |
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247 | H12.5.19 | 大阪高裁 |
媒介業者の媒介により成立した土地売買契約及び建築工事請負契約に、ローン特約が明定されていなかったためにトラブルになった事案において、買主が媒介業者に資金計画を詳細に告げており、媒介業者が買主のローンが下りなければその契約が白紙になることを十分認識していたときは、媒介業者は、買主のために当該契約にローン特約を付すとの黙示の合意があるとされた事例 |
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248 | H12.5.8 | 東京地裁 |
市交付の道路建設計画書の誤記載を信頼して高層ビル用地を購入した者による、亮主の瑕疵担保責任に基づく契約解除、損害賠償請求及び市に対する国家賠償請求が認められた事例 |
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249 | H12.3.24 | 京都地裁 |
「全戸南向き」と表示して分譲したマンションが62度西を向いていた事案について、マンションの向きは買主の意思決定に重要な意義を持つ事項であるから、売主業者にはマンションの向きについて不正確な表示、説明をしてはならない信義則上の附随義務があるとして、買主の損害賠償請求を一部容認した事例 |
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250 | H12.3.16 | 神戸地裁 | 業者の媒介により土地を購入した買主が、媒介業者に隣人とのトラブル等を説明しなかった説明義務違反があるとして、損害賠償を求めた事案において、隣人とのトラブルは前所有者が草刈り等をしなかったためであり、媒介業者に説明義務はないとして、その請求を棄却した事例 |
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251 | H12.2.14 | 東京地裁 |
マンションからの眺望が販売時の説明と相違していることを理由とする売主業者及び販売代理業者に対する損害賠償請求が認められなかった事例 |
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252 | H12.1.28 | 福岡高裁 |
業者の媒介により中古マンションを購入した買主が、媒介業者に対して、給排水施設の老朽化についての説明を怠ったと主張して、修理代金等の損害賠償を求めて争った事案において、契約までの交渉過程等の事実関係の下では、媒介業者に「施設の老朽化の程度」について説明する義務があったとはいえず、買主の請求には理由がないとした事例 |
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253 | H11.12.20 | 東京地裁 |
住環境悪化を招来する道路計画を告知しなかった売主業者に対する売買の錯誤無効、不法行為等の主張が認められなかった事例 |
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254 | H11.12.20 | 東京地裁 |
住宅を購入した買主が、近隣に道路計画のあることを売主業者らが説明しなかったのは、錯誤無効、詐欺取消、不法行為にあたるとして、売買代金の返還を求めた事案において、売主業者らが道路計画を知っていたとは認められず、道路の周辺環境への影響はその後対策が講じられたから、買主に悪影響はないとして、請求を棄却した事例 |
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255 | H11.12.13 | 大阪地裁 |
所有する広大な土地にマンション分譲業者が18棟のマンションを建築分譲した場合において、北側マンションの購入者に対して眺望に関する説明義務違反はなかったとされた事例 |
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256 | H11.9.30 | 大阪高裁 |
購入した建売住宅が、2戸1棟の長屋住宅として建築確認がとられた違法なものであり、建築基準法上の接道義務を満たしていないとして、売主業者及び媒介業者に対し損害賠償を請求した事案について、隣接する購入者との合意書によって通路としての提供が合意されていたとしても、売主業者や媒介業者は、接道義務違反や適法な建築確認を取得していないことについての説明義務違反による損害賠償責任は免れ得ないとした事例 |
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257 | H11.9.20 | 神戸地裁 |
阪神・淡路大震災により中古賃貸マンションの1階が押しつぶされ、借主が死亡した事案において、建物(築31年)に設計施工上の欠陥があって通常有すべき安全性を有しておらず、設置の瑕疵があるとして、築16年後に建物を取得した貸主の土地工作物責任を認めたが、媒介業者については、「軽量鉄骨コンクリートブロック造」を「鉄筋コンクリート造」と説明した誤りがあっても、相当因果関係がないとして、その責任を否定した事例 |
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258 | H11.9.17 | 大阪高裁 |
青田売りのマンションの売買契約において、居室からの眺望がマンションの完成前に受けた説明と違っていたために争いになった事案において、購入希望者は現物を見ることができないから、売主はその実物を見聞きできたのと同程度にまで説明する義務があるとして、売主業者らに手付金の返還と損害賠償を命じた事例 |
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259 | H11.9.8 | 東京高裁 |
分譲マンションの買主が、日照・通風等に関する情報を売主業者が正確に説明する信義則上の義務を怠ったことにより損害を被ったとした債務不履行に基づく損害賠償請求が認められた事例 |
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260 | H11.9.7 | 東京地裁 |
住宅金融専門会社が実行した融資が回収不能になったのは、提携関係にある宅建業者が物件の権利関係の調査を怠ったためであるとして、住宅金融専門会社から債権を譲り受けた整理回収機構が損害賠償を求めた事案において、当該宅建業者は必要最小限の調査を怠り、本来取り次ぐべきでない不適切な融資案件を取り次いだ重大な過失があるとして、業務提携契約に基づく損害賠償責任を認めた事例 |
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261 | H11.8.5 | 横浜地裁 |
土地建物の売買において、設計施工の過失により土地が不同沈下し、建物に亀裂が生じた事案において、売主業者に瑕疵担保責任、施工業者に保証債務の不履行、設計者に不法行為責任があるとし、検査済証等で確認していた媒介業者については注意義務違反はないとした事例 |
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262 | H11.7.30 | 神戸地裁 |
蝙蝠(こうもり)が多数棲息する中古住宅は、建物の価格に見合った快適さを備えていないとして、売主については、瑕疵担保責任を認め、補修・駆除費用等の支払いを命じたが、媒介業者については、特段の事情のない限り調査義務違反はないとして、買主の請求を棄却した事例 |
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263 | H11.6.15 | 東京地裁 |
居宅目的で土地を購入した買主が、真向かいの建物が暴力団事務所である事実が判明したことから、売主及び仲介業者に対し契約解除、損害賠償等を請求した事案において、暴力団事務所の存在は瑕疵にあたるとしたが、売主及び仲介業者はその事実を知らず外観上も明らかでなかったとして、売主に対する瑕疵担保責任に基づく売買金額の9%相当額の損害賠償を認め、媒介業者に対してはその責任を否定した事例 |
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264 | H11.4.23 | 神戸地裁 |
中古マンションの売買において、イエヒメアリの被害により日常生活に著しい支障を受け、その駆除が極めて困難であるとして、瑕疵担保責任による売買契約の解除を求めるとともに、引渡後2カ月以内に制限する特約について、瑕疵を発見したときから2か月以内に限定する限度で有効であるとした事例 |
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265 | H11.3.24 | 大阪地裁 |
不動産小口化投資商品に投資し損害を被ったとして、購入者がこの商品への投資を勧誘した会社に対し説明義務違反等があるとして求めた損害賠償請求が棄却された事例 |
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266 | H11.2.25 | 東京地裁 |
新築マンションの買主が、売主業者が隣接地に建物建築計画のあることを知っていながら秘匿して販売し、日照阻害による精神的苦痛を被ったとして、売主業者に対し、売買代金の1割の損害賠償を請求した事案において、2%の支払いを命じた事例 |
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267 | H11.2.23 | 東京高裁 |
アメリカのアパートの共有持分権を日本の大手不動産業者から、投資に有利ということで購入したが、その思惑がはずれたことから、日本の裁判所に訴えを提起し、売却時における売主業者らの説明に虚偽があった等として購入契約の取消し、無効による損害賠償等を求めたが、請求を棄却された事例 |
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268 | H11.2.9 | 大阪地裁 |
マンションの買主が、近隣の公衆浴場の煙突の存在と排煙の流入について売主業者が説明しなかったのは、債務不履行であるとして、売主業者に対し、損害賠償を求めた事案において、通常一般人が購入を断念するほどの重要な事実とは認められず、説明義務はないとして、請求を棄却した事例 |
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269 | H11.1.25 | 東京地裁 |
準工業地域内のマンションの売買において、売主業者が、500m離れた道路建設計画(原案がまとまったが、環境アセスメント及び計画決定は未だなされていないもの)について、買主にその説明をしなくても、契約の要素の錯誤があったとはいえず、また、売主業者に告知義務違反があったとはいえないとした事例 |
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270 | H11.1.21 | 札幌地裁 |
売れ行き不振の分譲マンションの販売促進のためにする実質値引きに相当するサービスを一律に提供すべき義務はないとされた事例 |
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271 | H10.11.26 | 大阪地裁 |
土地の売買において、租税特別措置法の優遇措置を受けられないのに、業者が誤解して受けられると説明したため、売主がこれを信じて売却したところ、追加納税を余儀なくされた事案において、業者に契約締結上の過失があり、不法行為に基づく損害賠償を認めた事例 |
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272 | H10.9.16 | 東京地裁 |
中古マンションの買主が、購入の際、売主業者及び媒介業者が同マンション所有者の同意がなければ隣地に建物が建築されることはないと説明したのに、隣地に建築物が建築され、日照が大幅に阻害されたとして、売買代金を上回る損害賠償を請求した事案において、その請求を認容した事例 |
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273 | H10.7.29 | 大阪地裁 |
建売住宅を購入した買主が、擁壁及び建物に瑕疵があるとして、売主業者に対し債務不履行ないし不法行為責任を、また、建設会社及び建築士に対し不法行為責任を訴求した事案において、建設会社及び建築士の責任を認めたが、売主業者については、検査済証の交付を確認しているから、調査義務を尽しており、責任はないとした事例 |
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274 | H10.7.13 | 東京地裁 |
媒介業者の勧誘に応じて、米国内のモーテルを投資目的で購入したところ、同モーテルの経営不振により、抵当権が実行され、買主が所有権を失った事案において、媒介業者に投資物件の収益性に関する説明義務違反及び管理に開し社員の現地常駐約束違反があったとして、媒介業者及びその役員に314万円の支払いを命じた事例 |
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275 | H10.6.30 | 東京地裁 |
自宅の買換えにあたり、物件の購入を先行したところ、旧宅の売却ができず、安値で売却せざるを得なくなった買主が、媒介業者に対し一定額の売却保証があったとして、損害賠償を求めた事案において、同保証はなかったとされた事例 |
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276 | H10.5.13 | 東京地裁 |
修理不能な雨漏りのあるマンションを、その事実を秘して買主に購入を勧め、契約を締結させた、媒介業者、銀行、税理士に、重要事項告知義務違反があるとして、不法行為責任を認め、損害賠償を命じた事例 |
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277 | H10.5.11 | 松山地裁 |
土地の売買において、隣地高架道路建設計画を知悉しながら買主に告知しなかった売主業者には、重大な義務違反があり、また、媒介業者には、調査すれば同計画を容易に知り得たのにこれを怠った過失があるとして、損害賠償を命じた事例 |
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278 | H10.1.23 | 東京地裁 |
ハワイの物件を媒介する業者は、買主がハワイの不動産について知識がなく、売主の希望価額が著しく不当な場合、現地価額等を説明する義務があり、鑑定評価額の2倍を超えるときは、その説明をしなければならないとされた事例 |
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279 | H9.12.25 | 東京地裁 |
区画整理地内の接面道路のない物件の買主が、地下車庫築造可能等の条件が満たされず、通路協定が不成立である等として、売買契約を解除し、売主及び媒介業者の責任を追及した事案において、地下車庫築造可能等の条件はなく、建築基準法43条1項但書の適用を受けることができる等として、買主の請求を棄却した事例 |
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280 | H9.10.20 | 東京地裁 |
賃貸中の中古マンションの買主が、売買契約の際賃借人が暴力団員であることの説明がなかったとして、売主及び媒介業者に損害賠償等を求めた事案において、賃借人が暴力団員であるだけでは売買契約の錯誤無効は認められないとし、また、媒介業者は入居申込書等で確認しているから調査説明義務違反はないとして、買主の請求を棄却した事例 |
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281 | H9.10.17 | 東京地裁 |
売買した土地に水資源開発公団の導水管があったため、買主が、同公団と地上権設定契約を締結し、導水管の存在は隠れたる瑕疵である等として売主業者に対し損害賠償を求めた事案において、導水管の存在は隠れたる瑕疵であるが損害の立証がないとし、また、他の土地からの下水管の存在は瑕疵にあたらないとして、買主の売主業者に対する損害賠償請求が棄却された事例 |
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282 | H9.9.25 | 浦和地裁 |
基地周辺の航空機騒音の著しい地域の建売住宅を購入した買主が、売主業者に対し、航空機騒音の告知義務を怠ったとして損害賠償を求めた事案において、売主業者には特段の事情のない限り航空機騒音の告知義務はないとして、買主の請求を棄却した事例 |
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283 | H9.6.25 | 津地裁 |
市街化調整区域内の土地について、媒介業者は建築不可である旨を明確に説明すべき注意義務を負っているにもかかわらず、これを怠り、いかにも建築できるかのように誤信させたとして、1,300万円の支払いを命じた事例 |
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284 | H9.5.26 | 横浜地裁 |
違法木造増築部分のある中古マンションの買主が、売主及び媒介業者に対して、錯誤無効、詐欺取消、不法行為による損害賠償を求めた事案において、客付業者に告知義務違反があるとして慰謝料の支払いを認めた事例 |
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285 | H9.5.9 | 静岡地裁 |
中古マンションの買主が、犬(チャウチャウ、体長1m)を飼育できると信じて購入したところ、近隣の同意がとれず、飼育できなくなったとして、売主に対し、瑕疵担保責任、錯誤無効による代金の返還を求めた事案において、買主が犬の種類、体長等の説明を尽していなかったとして、その請求を棄却した事例 |
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286 | H9.4.23 | 横浜地裁 |
マンションの販売に際し、売主業者が駐車場について的確な説明をしなかったため、買主らの締結した駐車場賃貸借契約が、その後貸主から更新を断られる事態になった等として、買主らが損害賠償を求めた事案において、売主業者に説明義務違反があるとして、慰謝料の支払いが命じられた事例 |
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287 | H9.4.16 | 千葉地裁 |
市街化調整区域内の土地建物について、既存宅地の確認を受け、建築確認が下りているとの説明を受けて購入したが、その後これらの事実がないことが判明し、行政庁から是正措置を求められた事案について、買主の契約解除を認め、売主業者及び媒介業者に売買代金及び違約金の支払を認じた事例 |
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288 | H9.3.25 | 大阪高裁 |
水道のない土地を買った買主が、媒介業者と売主に対し、損害賠償を請求した事案において、第1審は、媒介業者と売主の責任を認めたが、控訴審において、売主については「水道はなし」と開示しているから、告知義務違反はないとされた事例 |
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289 | H9.3.7 | 大津地裁 |
自宅の買換えにおいて、つなぎ融資を受け新居を購入し、旧宅の売却を依頼したところ、地価の下落により成約に至らず大幅な安値で売却せざるを得なくなったのは、不動産媒介業者、金融機関、保証会社らに債務不履行責任ないし不法行為責任があるとした損害賠償請求が棄却された事例 |
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290 | H9.1.28 | 東京地裁 |
建替目的で連棟式住宅(長屋建住宅)の売買契約を締結した買主が、宅地細分化防止指導要綱の説明がなかったとして、債務不履行を理由に売買契約を解除し、売主に手付金の返還及び違約金の支払いを、また、媒介業者に手数料相当額の損害賠償を求めた事案において、売主の説明義務は契約上の附随義務であるとして、買主の請求を認容した事例 |
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291 | H9.1.17 | 横浜地裁 |
公道に面していない土地の借地権の売主が、業者の媒介により本物件を売却したが、その土地と公道との間にある借地権及び両地の底地権売買価格に比べて、不当に廉価に売却されたとして、媒介業者に対し損害賠償を求めた事案で、本件売買価格は総売買価格及び借地権売却価格とも相当であり、また、媒介業者に他の借地権売買価格等についてまで説明する義務はないとして、請求を棄却した事例 |
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292 | H8.12.24 | 東京高裁 |
ローンを利用してワンルームマンションを購入した買主が、売買契約締結の際売主が値上がり保証をしたのに転売損を生じ、売買契約が無効又は取消し得べきものであるから、ローン保証会社との契約には抗弁権の接続があるとして、保証会社に不当利得の返還を求めた事案において、売買契約に無効、取消事由はなく、抗弁権の接続は認められないとして、請求を棄却した事例 |
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293 | H8.12.20 | 東京地裁 |
売買契約締結の6年前になされた間取り変更等の改修工事について、その事実だけを伝え、改修内容が説明されず媒介により取引きされた中古一戸建で、入居後、強度不足などにより補修を余儀無くされた事案において、瑕疵の内容は重大であるが専門家でなければ認識困難として、売主の瑕疵担保責任をみとめ、媒介業者の調査義務に係わる不法行為責任を否定した事 |
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294 | H8.11.21 | 名古屋地裁 |
産業廃棄物処分場建設目的で買収した土地について、処分場が建設できないのは媒介業者が農業振興地域指定の調査説明を怠ったためであるとして損害賠償を求めた事案において、処分場の建設が遅れているのは周辺住民の同意がとれないからであるとして、その請求を棄却した事例 |
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295 | H8.11.8 | 最高裁 |
買換えにあたり、買主の売却希望価額が高過ぎて、決済日までに売却できず、買換つなぎローンを借り入れたが、同ローンの返済もできなくなったため、買主が媒介業者に対して損害賠償を求めた事案において、買取りの約束又は第三者売却の約束があったとは認められず、また、買換特約を設けなかったことに違法はないとされた事例 |
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296 | H8.9.4 | 熊本地裁 |
賃貸借契約の媒介において、媒介業者が登記簿謄本の調査を怠って、差押登記の存在を看過したため、後日借主が建物明渡しを余儀なくされた事案において、媒介業者は差押登記の有無を確認する注意義務を怠ったとして、敷金、礼金、引越費用の支払いを命じた事例 |
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297 | H8.8.30 | 東京地裁 |
中古マンションの売買契約において、買主が管理費の滞納額を明らかにすることとその清算を求めたのに対し、これを怠ったのは、売主及び媒介業者の債務不履行であるとして、売主に対し手付金相当の違約金の支払いを、また、媒介業者に対し手数料の返還を命じた事例 |
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298 | H8.8.30 | 東京地裁 |
転売を目的として土地を購入した買主が、重要事項説明においてマンション建築に関する都条例に関する説明がなかったため損害を受けたとして媒介業者に対し賠償を求めた事案において、買主がマンション建設の予定を伝えていなくても、立地条件等から予測可能のときは媒介業者に説明義務があるが、本件売買において当該説明義務違反により買主が損害を被ったとは認められないとしてその請求を棄却した事例 |
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299 | H8.7.12 | 東京地裁 |
土地売買契約締結後引渡前に売主業者が目的物件に根抵当権登記を付したのに、媒介業者が調査確認をしないまま、買主が残代金を支払って、売主業者がその後倒産し、買主が根抵当権の極度額の損害を受けた場合において、媒介業者に登記簿閲覧等の調査義務違反があるとされたが、買主にも過失があるとして、5割を相殺された事例 |
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300 | H8.5.27 | 札幌地裁 |
中古住宅の売主が、雨漏りのあることを知りながら、媒介業者及び買主にそのことを秘して売り渡した場合において、売主は特約による瑕疵担保責任期間を経過していてもその瑕疵担保責任を免れることができないとされ、媒介業者については、雨漏りの有無について特段の調査をしていなくても注意義務違反があるとはいえないとされた事例 |
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301 | H8.3.7 | 東京高裁 |
中古住宅の買主が、購入物件にガラス戸がひとりでに開閉する不具合があるとして、売主と媒介業者に対し損害賠償を求めたが、その不具合は日常生活に格別の支障を来す程度の瑕疵ではなく、かつ、売主は買主に内見の機会を与えたにもかかわらず、買主が自ら払うべき注意義務を尽くさなかったために発見できなかったものであるとして、請求を棄却した事例 |
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302 | H8.2.16 | 横浜地裁 |
眺望をセールスポイントにしてリゾートマンションを販売した売主業者及び販売代理業者に対して、その眺望を阻害するマンションを建設したことについて、共同不法行為を認めた事例 |
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303 | H7.11.24 | 浦和地裁 |
市街化調整区域内の農地を、河川改修事業用地の代替地として宅地転用及び建築確認取得を条件に交渉中、建築可能な物件として他に転売したところ、取得交渉が難航し、買主業者が売主業者の債務不履行を理由に契約を解除し、違約金を請求した事案において、買主業者も建築確認を得る手順及びその問題点については理解の上で契約を締結したものであるから、手付金の返還を求めることはできるが、違約金の請求はできないとした事例 |
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304 | H7.9.26 | 東京高裁 |
買主が、媒介業者から市道に接道していると説明を受けて、共同住宅建築目的で土地を買い受け、同業者のあっせんで建物建築請負契約を締結したところ、市道に接道していない袋地であった事案について、媒介業者に調査説明義務違反及び請負契約の高額の仲介手数料の取得についての使用者責任があるとし、損害賠償責任を認めた事例 |
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305 | H7.9.6 | 東京地裁 |
バブル期にハワイのホテルの一室を購入した買主が、転売利益が確実との説明を受けて購入したにかかわらず売却できなかったとして、錯誤無効、詐欺取消等を理由に、売買代金の返還等を求めたのに対して、転売利益が得られるとの断定的説明等はなかったとして、その請求を斥けた事例 |
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306 | H7.8.29 | 東京地裁 |
購入した土地の近隣に暴力団事務所が存することは隠れた瑕疵に当たるとして、買主が契約解除等を求めた事案において、契約解除等は認めなかったが売買金額の二割相当の損害賠償を認めた事例 |
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307 | H7.8.24 | 仙台地裁 |
眺望を売り物に9階建てマンションを分譲した業者が、その分譲後まもなく当該マンションの眺望及び日照を阻害する隣接マンションを建設することは信義則上の義務に違反するとして、当該マンション買主らが隣接マンションの工事差し止めを求めた事案において、隣接マンションの建築未着手部分について建築工事の差し止めを認めた事例 |
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308 | H6.9.21 | 東京地裁 |
不動産購入を不動産業者が委託されていた場合において、業者自らが所有する賃貸用マンションを買主に紹介し、買主が的確に判断できる情報を提供せず相場を上回る価格で購入させたことは債務不履行に当たるとして、買主の転売価格との差額相当額の賭償賠償を認めた事例 |
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309 | H6.8.25 | 千葉地裁 |
既存住宅の買主が、土地の不等沈下による建物の傾斜(70分の1)があるとして、売主業者、媒介業者のほか、当該開発をし、建物を建築した業者を相手として、損害賠償を求めた事案について、媒介業者及び建築業者の責任を否定し、売主業者について、建物価格を限度として瑕疵担保責任を認めた事例 |
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310 | H6.7.25 | 東京地裁 |
間口に隣地が含まれていることを見過ごして間口幅を買主に説明し、建築基準法上の接道義務を満たさない宅地の売買を行った売主業者及び仲介業者の買主に対する不法行為責任が認められた事例 |
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311 | H6.7.18 | 東京高裁 |
不動産仲介業者の用途地域の誤った説明を信じて戸建住宅を購入した、買主の錯誤による売買契約の無効主張を認めるとともに、誤った広告や重要事項説明をした媒介業者に不法行為責任を認めた事例 |
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312 | H6.3.25 | 名古屋地裁 |
中古マンションの売買において、公簿面積について、媒介業者が壁芯面積と取り違えて販売用パンフレットに誤記し、重要事項説明では正確に説明したが、後日買主が重要事項説明義務違反を主張して、損害賠償を請求した事案において、媒介業者に義務違反はないとした事例 |
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313 | H5.12.9 | 大阪地裁 |
分譲マンション業者が眺望をセールスポイントとしたマンションを分譲しながら隣地を第三者に売却し、結果当該マンションの眺望を阻害する建物が建築されたことについて、マンション分譲業者の買主に対する不法行為責任が認められた事例 |
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314 | H3.12.26 | 福岡地裁 |
マンション分譲業者の「遮音性、気密性に優れた高性能防音サッシを使用している」との説明と異なり、騒音被害等があるとしてマンション買主が損害賠償を請求した事案において、サッシの遮音性能は不十分なものであったとして買主の損害賠償請求が一部容認された事例 |
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315 | H3.2.28 | 東京地裁 |
アパート・マンション用地として購入した土地の一部に、河川拡張計画に基づく行政指導による建築制限があることを調査説明しなかったとした、買主(不動産業者)の仲介業者に対する不法行為に基づく損害賠償請求を一部容認した事例 |
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316 | H2.1.25 | 東京高裁 |
売主及び買主がともに宅建業者である土地売買において、売主が河川拡幅計画に基づく行政指導による建築制限についての説明義務違反があったとして契約解除及び約定違約金を求めた事案において、債務不履行を理由とする契約解除を認め、約定違約金についてはその一部を減額し認めた事例 |
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317 | H1.3.29 | 東京地裁 |
売買契約を解除した売主に対し不動産仲介業者が報酬の支払いを求めた事案において、仲介業者に取引価格の適切な調査・助言を行わなかった善管注意義務違反があり、当該要因により契約を解除した売主に対し不動産仲介業者が報酬を請求することは信義に反し権利の濫用にあたるとしてその請求を棄却した事例 |
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318 | S61.12.12 | 大阪地裁 |
隣地との協定により日照阻害を受ける建物は建築されないとの売主業者の説明を受け、マンションを購入した買主が、隣地に4階建て建物が建築されたことによって生じた日照阻害は瑕疵であるとして、売主業者に対し契約解除及び損害賠償を請求した事案において、契約解除は認められなかったが損害賠償が一部容認された事例 |
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