該当件数 件
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No. | 判決日 | 裁判所名 | 概要 | RETIO |
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1 | H29.7.18 | 東京地裁 |
宅建業者である買主には売主が抵当権抹消できるかどうか確認する義務がある、などとしたマンションの売主の主張を採用せず、買主宅建業者の売買契約の解除及び売主に対する違約金請求を認めた事例 |
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2 | H29.5.19 | 東京地裁 |
土地の買主が、引渡を受けた後の調査によって土壌汚染が判明したため、その調査・浄化費用や逸失利益の支払いを、売主法人を吸収合併した法人に対して求めた事案において、売買契約に売主の瑕疵担保責任を免責する定めがあり、買主の主張には理由がないとして請求を棄却した事例 |
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3 | H26.9.24 | 東京地裁 |
被後見人の居住用不動産の売却について、被後見人が、契約締結当時の後見監督人と仲介業者に対し、両者の注意義務違反等により当該不動産が低廉な価格で売却されたとして、損害賠償の支払を請求した事案において、その売却代金は不法行為を構成させるほどの低廉な価格とはいえず、また仲介業者の媒介行為に関し注意義務違反は認められないとして、被後見人の請求が棄却された事例 |
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4 | H25.2.26 | 最高裁 |
通行地役権者らが、担保不動産競売による承役地の取得者に対し、通行地役権の確認を求めた事案において、承役地の取得者が、地役権設定登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有する第三者に当たるか否かは、担保不動産競売による土地の売却時における事情ではなく、最先順位の抵当権の設定時の事情によるとした事例 |
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5 | H24.9.4 | 最高裁 |
賃料債権の差押債権者が、第三債務者である賃借人に対し、差押債務者である賃貸人との間の賃貸借契約に基づく賃料債権につき、その支払いを求めた事案において、賃貸人が賃借人に賃貸借契約の目的である建物を譲渡したことにより賃貸借契約が終了した以上は、その終了が賃料債権の差押えの効力発生後であっても、特段の事情がない限り、差押債権者は、当該譲渡後に支払期の到来する賃料債権を取り立てることはできないとされた事例 |
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6 | H24.4.17 | 東京高裁 |
土地の買主に購入資金を貸し付けた金融業者が、土地の前々所有者による不正登記防止の申出等により根抵当権設定登記申請が却下されたのは、当該登記申請手続きを委任した司法書士の職務上の過失によるものであるとして損害賠償を求めたところ、原審で棄却されたことから控訴した事案において、委任契約の内容として、司法書士に土地の前々所有者である訴外人の登記意思を確認する義務があったとはいえないとして棄却した事例から控訴した事案において、委任契約の内容として、司法書士に土地の前々所有者である訴外人の登記意思を確認する義務があったとはいえないとして棄却した事例 |
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7 | H24.3.16 | 最高裁 |
土地の取得時効完成後、所有権移転登記前に、第三者が当該土地に抵当権を設定し、その設定登記からさらに10年以上経過した後に競売を申し立てたところ、時効取得者である同土地の占有者が、競売の不許を申し立てた事案において、占有者が抵当権の存在を容認していたなどの特段の事情がない限り、抵当権の設定登記の日を起算点として、当該土地は占有者が時効取得し、結果として、設定された抵当権は消滅するとされた事例 |
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8 | H23.11.16 | 東京高裁 |
競売手続により区分所有建物を買い受け、前所有者が滞納した管理費等を支払った買受人が、破産手続を経て免責許可決定を受けた前所有者に対し、前記管理費等の求償を請求した事案において、破産管財人が破産手続中に区分建物を放棄した場合、放棄後に生ずる管理費等については、破産法や民事執行法に特別の手当がないため、買受人が代位弁済した管理費等を求償請求した場合、前所有者は、これを支払うべき義務を負うとした事例 |
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9 | H23.1.21 | 最高裁 |
公売により不動産の所有権を取得した者が、当該不動産上に建物を所有する賃借人に対し、当該不動産を明け渡すよう求めた事案において、賃借権者は、抵当権設定登記後に賃借権の時効取得に必要な期間当該不動産を継続的に用益したとしても、競売又は公売による買受人に賃借権の時効取得を対抗できないとして賃借人の上告を棄却した事例 |
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10 | H22.1.29 | 名古屋高裁 |
競売物件について売却許可決定を受けた買受人が、当該物件内で腐乱死体が発見されたことから、当該物件には「心理的瑕疵」が発生しており、これは民事執行法75条1項の「損傷」に当たるとして、本件売却許可決定の取消しを申立てたところ、原決定が同申立て却下したことから、執行抗告をした事案において、本件物件の交換価値は低下したと認められ、死因が自殺、病死又は自然死のいずれかに拘らず、民事執行法75条1項の「損傷」に当たるとして、原決定を取消し、売却許可決定が取消された事例 |
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11 | H21.12.16 | 東京高裁 |
民法395条の改正施行日(平成16年4月1日)より前に賃貸借契約を締結し占有・使用していた抗告人に対し発令された引渡命令に対して執行抗告した事案において、改正法の附則第5条により改正前の規定が適用され、抵当権者に対抗できなくなったとしても、改正後の建物引渡猶予制度の適用を受けることはできないとして抗告を棄却した事例 |
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12 | H21.7.3 | 最高裁 |
①担保不動産収益執行の開始決定の効力が生じた場合における担保不動産の収益に係る給付を求める権利は担保不動産の所有者に帰属し、②抵当不動産の賃借人が、担保不動産収益執行の開始決定の効力が生じた後に、抵当権設定登記の前に取得した賃貸人に対する債権を自働債権とし賃料債権を受働債権とする相殺をもって管理人に対抗することができるとされた事例 |
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13 | H21.3.10 | 最高裁 |
動産購入代金の立替金債務の担保として動産の所有権を留保した者は、当該動産が第三者の土地上に存してその土地所有権行使の妨害となった場合、被担保債権の残債務弁済期の経過後は、留保所有権が担保権としての性質を有するからといって撤去義務・損害賠償責任を免れることはないとした事例 |
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14 | H21.2.19 | 名古屋高裁 |
土地の所有(共有)名義人に対する真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続請求訴訟の確定勝訴判決を得た者が同手続未了の間は、抹消予告登記が残存し、所有名義人は外観上も真の権利者であるとは言えないから、同名義人から根抵当権設定登記を受けた者は、勝訴権利者に対し、外観を信頼した者を保護するための民法94条2項の類推適用を主張できないとされた事例 |
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15 | H21.1.30 | さいたま地裁 |
家屋の直近の占有者が自殺した競売物件につき、現況調査を担当した執行官が自殺の事実を調査しなかったことに過失があるとはいえないとして、買受人の国家賠償法に基づく損害賠償の請求が認められなかった事例 |
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16 | H20.4.25 | 東京高裁 |
抵当不動産の賃借人が明渡猶予制度の保護を受ける場合に、賃借人との間の使用貸借契約に基づき当該不動産を占有している転使用借人に対して、競売による当該不動産の買受人が引渡命令の申立てを行い、原裁判所で申立てが棄却され、抗告審で差戻しがなされた事例 |
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17 | H20.2.28 | 東京高裁 |
根抵当権が設定された建物の屋上に、その後建築されたプレハブ式建物に経由された第三者名義の所有権保存登記について、建物の根抵当権者が保存登記の抹消手続請求権を保全するため、プレハブ式建物について処分禁止仮処分命令を申し立てた事案につき、原審で却下され、抗告審で認容された事例 |
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18 | H19.9.6 | 千葉地裁 |
不動産に対する担保権の実行としての担保競売事件につき、競売対象不動産の所有権の帰属を審理対象として配当異議を訴えた事案において、民事執行法が許容しない訴えであるとして却下された事例 |
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19 | H19.8.29 | 京都地裁 |
敷地の一部に建物が建つ土地について、2回の競売後、競落者から購入した者が、建物名義人に対し、建物の収去、土地の明渡し及び不法占拠期間の賃料相当損害金の支払を求めた事案において、競売の物件明細書に建物の存在が記載されていたことにかかわらず、法定地上権は成立せず、建物解体明渡し及び月額1万5560円の割合による賃料相当損害金の支払を容認した事例 |
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20 | H19.7.6 | 最高裁 |
土地を目的とする先順位の甲抵当権と後順位の乙抵当権が設定された後、甲抵当権が設定契約の解除により消滅し、その後、乙抵当権の実行により土地と地上建物の所有者を異にするに至った場合において、当該土地と建物が、甲抵当権の設定時には同一の所有者に属していなかったとしても、乙抵当権の設定時に同一の所有者に属していたときは、法定地上権が成立するとされた事例 |
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21 | H19.3.27 | 福岡高裁 |
土地を競売により取得した者が、土地上に建物を所有して同土地を占有している者に対し、建物収去及び土地明渡し並びに賃料相当損害金の支払いを求めた事案において、法定地上権が認められる場合ではなく、また、土地共有者らが法定地上権を予め容認していたとは認められないとされた事例 |
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22 | H18.12.21 | 最高裁 |
質権者の優先弁済権が害されたとして、損害賠償等を求めた事案において、破産管財人が、破産宣告後の未払い賃料債務と質権が設定された敷金返還請求債権を相殺したことが破産管財人の担保価値保全義務に反するとした上で、破産管財人の善管注意義務違反を否定し、破産管財人に対する不当利得返還請求が認められた事例 |
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23 | H18.11.14 | 最高裁 |
代位弁済をした保証人が、原債権及びその担保権を代位行使し、担保不動産の差押債権者の地位承継を執行裁判所に申し出た場合には、承継申出の主債務者への通知がなくても、求償権の消滅時効が不動産競売手続完了までの間中断するとされた事例 |
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24 | H18.10.23 | 高松高裁 |
複数の不動産の明渡執行において、引渡義務を負う者が不動産ごとに異なり、かつ、一部の不動産について引渡義務を負う者が複数いる場合における執行費用額の算定方法について、債務者の範囲に関する一般的基準を示した上で、執行費用該当性及び債務者間の負担割合について個別具体的に判断した事例 |
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25 | H18.10.20 | 最高裁 |
譲渡担保権者の債権者が、被担保債権の弁済期経過後に、目的不動産の競売手続開始決定を得て、差押登記を経由した後は、譲渡担保設定者は受戻権行使による目的不動産の所有権回復を債権者に対抗できないとされた事例 |
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26 | H18.9.11 | 東京高裁 |
競売による不動産の買受人が、土地建物の占有者に対して明渡しを求めたが応じないことから不動産引渡命令の申立を行い、一審裁判所は申立を認容し、引渡し命令を発令したが、占有者が引渡命令を不服として執行抗告した事案において、当該占有者は事件の記録上、不動産引渡命令を発令する対象とはならないとして申立を却下した事例 |
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27 | H18.2.24 | 名古屋地裁 |
不動産を競落取得し第三者へ売却した者が、当該不動産の不当な仮差押えによって売買契約を履行できず契約を解除され損害を被ったと主張し、仮差押債権者に対して損害賠償を請求した事案において、仮差押債務者の主張する売買契約が通謀虚偽表示で無効であり損害が発生していないとして請求が棄却された事例 |
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28 | H18.2.7 | 最高裁 |
貸金債権を有する原告会社が、被告会社との間で、被告会社の所有する土地建物について買戻特約付売買契約を締結し、その買戻期間が経過したとして、被告会社に対し、所有権に基づく建物明渡しを求める事案において、目的不動産の占有の移転が伴わない買戻特約付売買契約は、特段の事情のない限り、譲渡担保の目的で締結されたものと推認され、その性質は譲渡担保契約と解するのが相当であるとされた事例 |
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29 | H17.12.22 | 宇都宮地裁 |
不動産競売において、鉱泉地等を買受けた原告が、土地から温泉が湧出せず、執行官の現況調査及び裁判官の最低売却価格の決定に違法があったとして国家賠償を求めたが、執行官及び裁判官の職務行為に違法性は認められないとして請求が棄却された事例 |
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30 | H17.11.24 | 最高裁 |
強制執行の申立書に「被担保債権及び請求債権」として記載された金額の解釈につき、申立書に被担保債権の一部につき根抵当権の実行を求める趣旨の明示の記載がないことから、配当請求額の上限を示す趣旨であるとされた事例 |
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31 | H17.11.11 | 最高裁 |
根抵当権の実行としての不動産競売申立てを却下された、根抵当権者であり譲渡担保権者でもある抗告人が、執行抗告を棄却した原決定について許可抗告の申立てを行った事案において、この申立てが認められた事例 |
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32 | H17.11.11 | 最高裁 |
根抵当権者が競売申立て手続において提出した登記事項証明書に、譲渡担保を原因とする同人への所有権移転登記が記載されていたことから、提出した登記事項証明書が法定文書に当たらないとして競売申立が却下され、執行抗告も棄却決定された事案において、本件登記事項証明書は法定文書に当たるとして、原決定が破棄され、申立てを却下した原々審の決定も取り消された事例 |
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33 | H17.10.20 | 大阪地裁 |
商業ビルの賃貸借契約に伴って差し入れられた賃料の55ヶ月分の金員全額について敷金であると認定し、賃貸人の地位を継承したビルの競落人が敷金全額の返還債務を承継するとされた事例 |
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34 | H17.9.13 | 福岡地裁 |
競落人が、競落したマンションがいわゆる自殺物件であったのに、執行官および評価人が必要な調査義務を尽くさず、現況調査報告書および評価書に記載しなかったため、自殺物件とは知らずに購入し損害を被ったとして損害賠償請求をした事案において、執行官および評価人に調査義務違反があったとはいえないとして損害賠償請求が棄却された事例 |
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35 | H17.8.23 | 東京高裁 |
競売対象建物の関係者の中に暴力団幹部がいることを執行裁判所が把握しながらその点を物件明細書や現況調査報告書に記載しなかった事案において、執行裁判所に物件明細書の作成及び売却手続きに重大な誤りがあるとして、抗告審において、執行裁判所による売却許可決定を取り消した上、売却不許可決定がされた事例 |
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36 | H17.6.29 | 東京高裁 |
借地権設定者が、借地上の建物の競落人に対し、借地権譲渡の承諾がないことに基づき借地の明渡し等を求めたところ、競落人が、口頭又は黙示の借地権譲渡の承諾の存在を主張するとともに、本件建物の買取請求権を行使した事案において、裁判所が、借地権譲渡の承諾がなかったとして、競落人に対し、借地権設定者による本件建物の買取と引換えに、本件建物の明渡し等を命じた事例 |
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37 | H17.6.14 | 福岡高裁 |
不動産競売の対象建物に入居して暴力団事務所として使用し、かつ同建物の敷地の一部を取得したことが、競売を妨害し、競売対象不動産の担保権者に対する不法行為となるとされた事例 |
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38 | H17.4.27 | 東京地裁 |
強制競売手続によって借地権付き建物を買い受けた競落人に対し、土地所有者が建物の収去と土地の明渡しを求めた事案において、競落人が不変期間内に賃借権譲渡許可の申立てをしなかったことを重視し、信頼関係の破壊を認め、土地所有者の請求が認容された事例 |
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39 | H17.4.19 | 千葉地裁 |
競売建物の一部が件外土地にはみだしていたが、件外土地の面積、位置、形状から見て、競売建物の敷地として利用される以外に件外土地の独立した用途がないことから、そのはみ出している事実のみを現況調査報告書、評価書に記載・反映させれば足りるとされた事例 |
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40 | H17.3.10 | 最高裁 |
抵当権に基づく妨害排除請求権の行使に当たり、抵当不動産の所有者において抵当権に対する侵害が生じないように抵当不動産に適切に維持管理することが期待できない場合には、抵当権者は、占有者に対し、直接自己への抵当不動産の明渡しを求めることができると判示した事例 |
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41 | H17.1.27 | 最高裁 |
不動産を目的とする1個の抵当権が数個の債権を担保し、その1個の債権について保証人が代位弁済した場合において、担保不動産の売却代金は、債権者の残債権額と、保証人が代位によって取得した債権額に応じて按分して、債権者及び保証人がそれぞれ弁済を受けるべきものとされた事例 |
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42 | H17.1.19 | 名古屋簡裁 |
抵当権(仮登記)付き建物の賃料債権の差押債権者が、第三債務者である当該建物の賃借人に対し賃料請求した事案において、当該建物に抵当権(仮登記)が設定された後、賃料債権の差押えがなされ、その効力が発生した後に、所有者が当該建物を他に譲渡し賃貸人の地位が譲受人に移転した場合に、譲受人は建物の賃料債権を取得したことを差押債権者に対抗することができないとして、差押債権者の請求を認容した事例 |
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43 | H16.12.7 | 名古屋高裁 |
競売手続の二重開始決定の事案で、後行事件によって優先債権者が配当を受けることができる見通しがあれば、劣後債権者の申立てによる先行事件を無剰余により取り消すことはできないとされた事例 |
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44 | H16.11.1 | 大阪地裁 |
主たる建物の相当部分が抵当地上に築造されているが、一部が抵当地以外の土地上にまたがって築造されている場合において、抵当地以外の土地上に築造された部分のみでは建物としての経済的効用を維持できないときは、抵当地上に建物が築造された場合に該当するものとして、当該建物全体について民法389条の規定が適用された事例 |
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45 | H16.9.15 | 東京高裁 |
敷金が授受された賃貸借契約に係る賃料債権に対し差押えがされた場合において、当該賃貸借契約が終了し目的物が明け渡されたときは、賃料債権は敷金の充当によりその限度で消滅するとされた事例 |
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46 | H16.9.10 | 東京地裁 |
競売手続で競売の対象として取り扱われていた目的建物の付属建物(未登記)について、所有者が、競売手続開始直後に所有権保存登記を経由して第三者に所有権移転登記したことから、買受人が真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を請求した事案において、第三者への登記手続を執行妨害行為と認定し、買受人の請求を認容した事例 |
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47 | H16.7.22 | 東京地裁 |
建物賃貸人が賃借人に対して、共益費や消費税等の未払いにより建物賃貸借契約を解除したとして、賃貸借契約終了に基づき建物の返還を求めるとともに、未払いの共益費及び消費税の支払いを求めた事案において、金銭の請求については認容されたが、その後建物賃貸人は競売により所有権を失ったことから建物の明渡請求は棄却された事例 |
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48 | H16.7.14 | 仙台高裁 |
同一の債権者に対して連帯保証人兼物上保証人、連帯保証人、物上保証人と3とおりの資格の者がいる場合における優先弁済負担額の割付は、二重資格者の頭数を1として、先ず頭数割りによる割付を行い、連帯保証人に割付けられた負担額の残額を、残りの者で不動産価額に応じて割り付けるべきものとされた事例 |
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49 | H16.6.30 | 東京地裁 |
賃貸に供せられていた建物を競売により取得し賃貸人の地位を承継した新所有者が、賃借人に対し、賃料不払いを理由として賃貸借契約を解除したと主張して、本件建物の明渡及び賃料相当損害金の支払を求め、他方、賃借人は保証金返還債権と賃料支払債務との相殺を主張した事案において、賃貸人の地位を承継した競落人は本件保証金返還債務は承継しないとした事例 |
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50 | H16.4.28 | 東京地裁 |
敷金が授受された賃貸借契約にかかる賃料債権に対し差押えがされた場合において、当該賃貸借契約が終了し目的物が明け渡されたときは、賃料債権は敷金の充当によりその限度で消滅するとされた事例 |
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51 | H16.1.29 | 横浜地裁 |
敷金返還請求権につき権利質を設定した者が、賃貸借契約を忠実に実行し、質権者に損害を生じさせない旨約したにかかわらず、その破産管財人が賃料等を支払わずにこれに敷金を充当する旨の合意をして賃料等の支払を免れたときは、その破産管財人は質権者に対し、右敷金の中から回収予定であった相当額につき、不当利得として返還すべきであるとされた事例 |
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52 | H15.11.11 | 最高裁 |
入札書の入札価額欄の一の位が空欄となっている場合において、一の位の数字が何であっても他の入札書の入札価額より高額となる場合であっても、当該入札は無効とすべきものとされた事例 |
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53 | H15.10.31 | 最高裁 |
不動産の時効取得を原因とする所有権移転登記前に、前所有者によって設定された抵当権に対抗するため、起算点を後にずらして抵当権設定登記後の時効取得を主張・援用することができないとされた事例 |
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54 | H15.8.7 | 神戸地裁 |
土地及び建物の所有者がこれらの不動産に共同抵当権を設定した後、建物が倒壊・滅失し、同土地上に新たに建物を建築した場合に、滅失理由がたとえ震災によるものであっても、新建物のために法定地上権は成立しないとした事例 |
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55 | H15.7.31 | 東京高裁 |
売買契約の合意解除による売買代金返還請求権及び違約金請求権は、売買契約の目的物に関して生じた債権ではないから、その目的物に対する留置権は認められないとされた事例 |
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56 | H15.6.25 | 東京地裁 |
土地の所有者から地上建物の建築工事を請け負い、これを完成して同建物を原始取得した建設業者に対して、当該土地の買受人が同建物を収去して土地の明渡しを請求した事案において、同建物は、その地上にあった旧建物を再築された建物のために、その土地に法定地上権の成立が認められる特段の事情がある場合ではないとして、買受人の請求を認容した事例 |
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57 | H15.5.23 | 東京地裁 |
根抵当権が設定された不動産について売買契約が締結され、その売主が当該根抵当権等の負担を解消できなかったため、既に目的物件の引渡しを受けていた買主が当該売買契約を解除した場合、解除した買主は、その後当該根抵当権に基づいて開始された競売手続において買受人となった者に対し、買受人の取得した引渡命令に対する請求異議事由として、売主に対する売買代金返還請求権および違約金請求権を被担保債権とする留置権を主張することはできないとされた事例 |
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58 | H15.4.23 | 最高裁 |
委託を受けて他人の不動産を占有する者がほしいままに売却等による所有権移転行為を行った場合に、先行の抵当権設定行為が存在することは、後行の所有権移転行為について横領罪が成立することを妨げないとされた事例 |
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59 | H15.3.25 | 東京高裁 |
主たる建物につき登記された根抵当権の効果は従物たる付属建物に及び、抵当権登記後に付属建物が独立の不動産として第三取得者への所有権移転登記がなされても、競売手続による買受人は付属建物の所有権取得を第三取得者に対抗できるとされた事例 |
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60 | H15.1.29 | 東京高裁 |
競売手続で土地を取得した買受人が、競売手続における評価人の評価は当該土地についての公法上の規制が存することを看過したものであるとして、配当を受けた債権者に対して、代金の一部の返還を求めた事案において、その減額請求が認められた事例 |
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61 | H14.12.25 | 東京地裁 |
整理回収機構が取得した根抵当権につき、抵当債務者から抵当債権者あてに振り出された手形が貸付金の見返りとして振り出されたものと認めることができず、被担保債権の実体がないとして、根抵当権の抹消登記手続請求が認められた事例 |
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62 | H14.12.5 | 東京地裁 |
スポーツセンターの建物の貸主に更生手続開始決定がされ、更生会社になった場合に、賃借人が差し入れていた敷金の返還請求権について、更生管財人が、会社更生法上の更生債権(更生手続に参加し、更生計画の定めに従って分配等を受ける権利)とし、共益債権(更生手続において関係人の共同の利益のためのものとして、更生債権及び更生担保権に先立って優先的に弁済を受ける権利)であると認めなかったため、借主が共益債権であることの確認を求めた裁判で、請求が棄却された事例 |
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63 | H14.11.8 | 東京高裁 |
同一所有者に属する2戸の区分所有建物から構成される一棟の建物(1階と2階の階層型)と敷地に共同抵当を有していた者が、2階部分の区分所有建物のみを対象として不動産保存の先取特権者により申し立てられた競売における売却許可決定に対し執行抗告を申し立てた事案において、当該区分所有建物の存在のために必要な法定地上権の成立を前提に最低売却価格の決定がされていないのは、手続に重大な誤りがあるとして当該売却許可決定が取り消された事例 |
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64 | H14.11.7 | 東京高裁 |
商業ビルの店舗及び倉庫の競落人が、その賃借人の差し入れた敷金及び保証金には、競売の最低売却価額を定めるにあたり減価された金額を超える部分について、返還債務を負担しないことの確認を求めた事案において、競落人が返還債務を承継するのは、被担保債権として予定されていた本来の敷金の性格を有する範囲であるとされた事例 |
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65 | H14.10.25 | 最高裁 |
民事訴訟法第113条の類推適用により、競売開始決定の公示送達による送達が、被担保債権の時効中断事由である差押えの通知としての効力を有するとされた事例 |
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66 | H14.10.22 | 最高裁 |
共同抵当の不動産の価額を同時に配当する場合に、同順位の抵当権者がいる不動産があるときは、まずそれぞれの被担保債権額に応じて、同順位の抵当権者がいる不動産の価額を按分し、按分後の各不動産の価額に応じて申立人の被担保債権を割り付けるべきものとされた事例 |
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67 | H14.9.19 | 東京高裁 |
賃貸建物が差押さえられた後、賃借人が、敷金を増額するとして賃貸人に金銭を支払った事実があり、かつ、賃貸建物の競売における買受人に対してその賃借権を対抗できる場合でも、敷金増額の合理的な理由がないときは、賃借人が支払った金額は、敷金に名を借りた貸金その他の金銭であると認められ、敷金として買受人に承継されないとされた事例 |
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68 | H14.9.12 | 最高裁 |
借入金を所定の期日までに返済しない場合には債務者所有の土地を債権者名義に変更し、第三者に売り渡すことを承諾する旨の契約が譲渡担保契約であるとされた事例 |
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69 | H14.4.22 | 東京地裁 |
競売により建物を取得した者が、執行裁判所の引渡命令を経ずに、建物内に残地されていた前所有者の動産類を廃棄したことが不法行為にあたるとされた事例 |
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70 | H14.4.17 | 大阪高裁 |
建物賃貸借に伴い貸借人から賃貸人に支払われた保証金について、国が、賃借人の滞納した物品税を徴収するために貸借人が有する本件保証金返還請求権を差押え、賃貸人に対し保証金返還の本訴請求に及んだところ、賃貸人からは本件保証金は敷金としての性質を有するものとして賃貸借契約の解約に伴い貸借人の債務に充当されると主張した事案について、本件保証金は敷金としての性質を有するものとは認められないと判示した事例 |
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71 | H14.3.29 | 東京高裁 |
競売申立てに先立つ抵当不動産の第三取得者への通知は、不動産登記簿上の住所に送達すれば足り、第三取得者に現に到達することを要しないとされた事例 |
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72 | H14.3.28 | 最高裁 |
抵当不動産について敷金の授受された賃貸借(転貸借)契約が締結されていたが、抵当権者が物上代位権を行使して転貸賃料債権を差押え、取立権に基づき転借人に対しその支払を求めた事案において、当該転貸借契約が終了して目的物が明け渡された後は、賃料債権は敷金の充当によりその限度で消滅するとして、請求が棄却された事例 |
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73 | H14.3.12 | 最高裁 |
抵当権の物上代位の目的となる債権に対する転付命令は、これが第三債務者に送達される時までに抵当権者により当該債権の差押えがされなかったときは、その効力を妨げられないとした事例 |
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74 | H14.2.5 | 東京高裁 |
マンションの建築を請け負った業者が、建築したマンションの一部の室を、建築代金の支払を担保するために、施主から鍵の交付を受けて留置していたところ、当該各室の3本の鍵のうち各1本を、施主に交付したため、施主から販売代理権を与えられた業者が各室を一般の顧客に販売し、その顧客らが各室の占有を取得した場合、建築業者は、信義則上、当該顧客に対して占有回収の請求をすることは許されないとされた事例 |
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75 | H14.1.22 | 最高裁 |
差押えの登記前に登記された先取特権者の優先弁済権は、不動産工事により生じた増価額が、不動産競売手続における評価人の評価又は最低売却価額に反映されているか否かにより影響を受けるものでないとされた事例 |
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76 | H13.12.21 | 東京地裁 |
競売手続において、評価人が、競売の対象でない敷地権を競売の対象に含まれると誤認して評価書を作成し、執行裁判所もその評価に基づいて最低売却価格を決定したために、買請人が、本来支払う必要のない費用を支払うことを余儀なくされたとして、国に対して損害賠償を求めた事案において、執行裁判所自らその処分を是正する特別の事情がある場合に該当しないとして損害賠償請求を否認した事例 |
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77 | H13.12.20 | 大阪地裁 |
抵当権者が物上代位権に基づき抵当不動産の賃料債権の差押えをした後は、抵当不動産の賃借人が、抵当権設定登記後に賃貸人に対して取得した債権が敷金返還請求権であっても、賃料債権に対する抵当権の物上代位と賃借人の相殺の優劣は、抵当権設定登記と賃借人の自働債権取得時期の先後によって決するとして、賃借人の相殺を認容しなかった事例 |
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78 | H13.11.22 | 東京高裁 |
賃借不動産につき自己の債務担保のため抵当権設定を受けた賃借人が債務不履行の状態にあるときは、他の債権者のために対象不動産につき開始された競売手続により賃借不動産を買い受けた者に賃借権を対抗できないとされた事例 |
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79 | H13.11.21 | 最高裁 |
借地上の建物を競売により取得し、借地権設定者の承諾に代わる許可を求める申立てをした借地非訟事件において、借地借家法20条1項後段の付随的裁判として、旧賃借人が交付していた敷金の額、第三者(取得者)の経済的信用、敷金に関する地域的な相場等の一切の事情を考慮した上で、事案に応じた相当な額の敷金を差し入れるべき旨を定め、第三者に対してその交付を命ずることができると判示した事例 |
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80 | H13.10.31 | 東京地裁 |
賃貸目的物の所有権移転に伴う賃貸人の地位の移転があった場合において、賃借人が前賃貸人に預託した保証金は、敷金と同じく賃貸借契約の発生、存続、終了に際して密接不可分に関連しており、これを離れて独立に存在しないものとして新所有者に承継されるとした事例 |
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81 | H13.10.29 | 東京地裁 |
新築店舗の契約時に賃借人が支払った保証金は、競売事件においても、全額が競落人に承継されるべきであるとの主張に対して、競落人は保証金は建設協力金と敷金との性質を併せ有するとして、月額賃料の10か月分は認めるが、それを超える部分についての承継は認めないとして「保証金返還債務の存在しないことの確認を求める。」訴えを提起し、ほぼ認容された事例 |
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82 | H13.10.25 | 最高裁 |
建物に抵当権を有していた銀行が、物上代位権の行使として、同建物の賃料債権を差押えたのに対し、同建物に抵当権を有していた別の銀行が、差押えの方法によらずに、物上代位権の行使として、配当要求することはできないとして差押え行使した銀行が提訴した事案において、一審は配当要求できるとして同銀行の請求を棄却したが、控訴審及び上告審では、同銀行の請求を認容し配当要求できないとした事例 |
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83 | H13.10.23 | 東京地裁 |
不動産の知識に乏しい高齢者が、自己の唯一の財産である不動産につき、長女の債務を担保するため第一順位抵当権を設定したのち、第三者の債務を担保するため第二順位の抵当権を設定した場合に、被担保債権につき錯誤があったとして、第二順位の抵当権設定契約が無効であるとされた事例 |
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84 | H13.7.31 | 東京高裁 |
平成12年1月1日時点で抵当不動産の所有名義人であった者が、不動産競売手続により当該不動産を取得した者に対して、同年度分の固定資産税及び都市計画税相当額について不当利得返還請求をした事案において、その請求が棄却された事例 |
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85 | H13.7.18 | 東京高裁 |
実質的には当事者間の金銭消費貸借契約上の債務を担保するため、代物弁済を原因として債権者への所有権移転登記が経由された場合に、仮登記担保契約に関する法律所定の手続を経なければ債権者は当該不動産の所有権を取得しないとされた事例 |
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86 | H13.6.22 | 東京高裁 |
不動産競売手続における目的建物の買受入が、抵当権の設定登記がされた後に、期間を5年として建物賃貸借契約が締結され、その後の法定更新により期間の定めのないものとなった建物賃貸借契約に基づく賃借人に対して、引渡命令の申立てをした事案において、当該賃貸借契約は民法395条の短期賃貸借であると認めた事例 |
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87 | H13.4.13 | 最高裁 |
不動産競売において、抵当権の不存在又は消滅を理由として亮却許可決定に対する執行抗告をすることはできないとされた事例 |
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88 | H13.3.13 | 最高裁 |
抵当権者が物上代位により抵当不動産の賃料債権の差押えをした後は、抵当不動産の賃借人が、抵当権設定登記後に賃貸人(債務者)に対して取得した債権を反対債権として賃料債権と相殺しても、それを抵当権者に対抗することはできないとして、抵当権者の物上代位に基づく賃料債権の取立てが認容された事例 |
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89 | H13.2.9 | 東京地裁 |
抵当権の設定された賃貸物件において、競売開始決定後に物件所有者と貸借人の間でなされた賃料減額の合意に対し、競落人が当該合意は合理性がないとして従前の賃料と減額後の賃料の差額の支払を求めて提訴した事案において、当該減額合意は、適正賃料に至るまでの部分について合理的理由があり、競落人に対抗できるとされた事例 |
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90 | H13.1.31 | 東京高裁 |
建物賃貸借契約における保証金返還請求権を目的とする第1質権の譲受人が、その後さらに質権(第2質権)を取得したとする者に対し、第1質権を有することの確認を求めた事案において、第1質権者が、質権設定者から賃貸借契約書および保証金預り証の各原本の交付を受けていないので、第1質権は成立していないとして、請求が棄却された事例 |
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91 | H13.1.30 | 東京高裁 |
建設会社が、建設工事請負代金債権を担保するために抵当権を設定した建物を、建物所有者が賃貸し、さらに賃借人が転貸していたが、建物所有者が建設工事請負代金を支払わなかったため、建設会社が抵当権を実行するとともに建物の明渡し等を求めて提訴した事案において、当該賃貸借(転貸借)は抵当権侵害に当たるとして、所有者及び貸借(転借)人に対し明渡し請求等が認められた事例 |
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92 | H13.1.25 | 最高裁 |
最先順位の抵当権者に対抗できる賃借権者は、その者の債務を担保する抵当権に基づく競売開始決定がなされた場合を除き、民事執行法第83条に基づく引渡命令の対象とならないとされた事例 |
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93 | H12.12.26 | 仙台高裁 |
司法書士には、後順位の抵当権との関係における、条件付所有権移転仮登記と担保仮登記との効力の相違につき具体的に説明するまでの義務はないとされた事例 |
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94 | H12.12.19 | 最高裁 |
建物に抵当権を設定した者がその敷地の賃借権を有しない場合、競売による建物の買受人は、民法第94条第2項、第110条により建物の所有権を取得するときでも、敷地の賃借権自体について同法理により保護される事情等がない限り、建物の所有権とともに敷地の賃借権を取得するものではない |
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95 | H12.11.14 | 東京地裁 |
抵当権者は、民法395条ただし書きを準用して、裁判所に対して、民法602条所定の期間を超える、いわゆる長期賃貸借の解除を請求することができ、右解除判決が確定したときは、抵当権の妨害排除請求権に基づき、抵当不動産の明渡しを請求することができるとされた事例 |
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96 | H12.11.7 | 東京高裁 |
競売された土地建物と同一敷地にあり、競売手続においては件外建物とされた車庫につき、競売建物の従物であり土地の一部でもあるとして、抵当権の効力が及び、土地建物の買受人による所有権取得が認められた事例 |
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97 | H12.10.27 | 東京高裁 |
借地権付建物の競売手続による買受人が、その持分の一部を第三者に譲渡した後は、借地借家法第20条に基づく借地権譲渡の許可の申立てをすることができないとされた事例 |
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98 | H12.10.26 | 東京地裁 |
高額の金員が敷金名目で差し入れられている賃貸借契約の目的物件の競落人が、当該金員の一定額を超える部分について返還債務がないことの確認を求めて提訴したところ、当該金員は敷金と権利金の性質を併有するが、賃貸借契約で全額の返還義務が明確に合意されているから、競落人は、全額の返還債務を承継することになるとされた事例 |
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99 | H12.9.7 | 東京高裁 |
抵当不動産の転賃料債権について、賃借人と所有者とを同視すべき特段の事由があり、抵当権に基づく物上代位権の行使が許されるとされた事例 |
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100 | H12.7.18 | 福岡高裁 |
抵当権設定登記後にその目的不動産について賃借権が設定された場合で、抵当権者による物上代位権の行使としての賃貸人(抵当権設定者)の賃料債権の差押えと、賃借人による保証金返還請求債権による賃料債権との相殺との優劣関係を争った事案において、抵当権者による差押えが賃借人による相殺に優先すると判断された事例 |
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101 | H12.5.29 | 大阪地裁 |
賃貸人が破産宣告を受けた場合でも、未だ賃貸借契約が終了していない段階では、賃借人は、敷金返還請求権を自働債権とし、賃料債権を受働債権として相殺することは許されないとされた事例 |
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102 | H12.4.27 | 名古屋高裁 |
建物の賃貸借において、賃借人が倒産し、破産管財人が賃貸借の解約を申入れた場合、特約による違約金請求権と敷金及び建設協力金返還債務との相殺は、相殺できることへの合理的な期待の範囲内で認められるべきであり、その範囲を超える相殺は、破産債権者全体の公平を害し、権利の濫用として許されないとした事例 |
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103 | H12.4.18 | 東京地裁 |
不動産競売により土地・建物を買い受け、代金納付を完了した買主が、土地の実測面積が登記簿の表示より69.18㎡不足する299.55㎡しかなかったとして、数量指示売買による瑕疵担保責任に基づき配当を受けた共同債権買取機構に対し売買代金の一部の返還を求めた事案において、本件買受けはいわゆる数量指示売買に該当しないとされた事例 |
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104 | H12.4.14 | 最高裁 |
抵当権者は、抵当不動産の賃借人と所有者とを同視できる場合を除き、賃借人が取得する転貸賃料債権について物上代位を行使することはできないとされた事例 |
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105 | H12.3.16 | 最高裁 |
抵当権の実行としての競売のための差押えに先行して設定された短期賃借権であっても、その設定が国税徴収法に基づく滞納処分による差押えの後の場合には、賃借人は競売による買受人に対し賃借権を対抗できないとされた事例 |
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106 | H11.11.30 | 最高裁 |
買戻権の行使による抵当権の遡及的消滅は売買当事者間でのみ効果を有するに過ぎず、目的不動産の抵当権者は、買主の買戻代金債権に対し、物上代位権を行使することができるとされた事例 |
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107 | H11.11.29 | 東京高裁 |
ホテルの売買代金の一部について連帯保証をし、その履行を求められた者が、担保価格下落時期に債権者が仮登記担保権を実行しなかったのは担保保存義務に違反すると主張した事案において、本件債権者は民法504条の担保保存義務を負わず、仮に負っているとしても同義務に違反したとは認められないとして、その抗弁を斥けた事例 |
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108 | H11.11.26 | 東京高裁 |
建物収去土地明渡判決が確定した場合において、物件明細書の本文に「借地権付建物」と記載し、最低売却価額において10%の借地権価格を加算してなされた売却許可決定は、民事執行法71条6号の売却不許可事由があるとして、原決定を取り消した事例 |
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109 | H11.11.24 | 最高裁 |
抵当権者が権利の目的である建物の所有者の不法占有者に対する妨害排除請求権を代位行使して、直接抵当権者に建物を明け渡すよう求めることができるとされた事例 |
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110 | H11.10.26 | 最高裁 |
強制競売の対象となった土地上に件外建物が存在する場合でも、特段の事情がない限り、裁判所は当該土地の全部について引渡命令を発することができるとされた事例 |
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111 | H11.10.1 | 福岡地裁 |
競落人に無断で、自らの債務を担保するために、競落不動産に根抵当権を設定した競落・転売事務受託者に対する競落人の損害賠償請求が認められた事例 |
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112 | H11.6.29 | 福岡高裁 |
不動産の所有者が、知人より、地上げ屋から守るために売買を装い、一時的に所有権を移転することを持ちかけられ、虚偽の所有権移転登記を行なったが、その後転売され、金融機関の根抵当権設定を受けた事案において、当該所有者が錯誤無効を理由に、根抵当権の抹消を請求したが、民法94条2項ないしその類推適用により、善意の第三者である根抵当権者は保護されるとし、その請求が棄却された事例 |
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113 | H11.5.18 | 大阪高裁 |
債権保全のための債務者の不動産に対する仮差押えは、社会的に相当な方法、態様で行うことを要し、これを超えて債務者に必要以上の損害を被らせたときは不法行為を構成するとして、信用金庫支店長が債務者のマンション売却による債務返済の協力依頼を受けたのに、具体的な返済計画の内容を確かめることなく、仮差押手続をとったことが不法行為を構成するとした事例 |
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114 | H11.1.22 | 東京高裁 |
競売不動産につき、宅地造成工事の完了検査を受けていないため、改めて建築確認を受けるためには1200万円の擁壁構築工事の必要があることは、民事執行法75条1項にいう「損傷」にあたるとした、売却許可決定を受けた買受入の売却許可決定の取消請求が認められた事例 |
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115 | H10.12.2 | 東京高裁 |
不動産競売事件で、執行抗告申立て後火災が発生し、買受人が、上申書をもって火災による本件建物の損傷の事実を追加的に原決定の取消事由として主張した事案において、民事執行法75条にいう買受人の責めに帰すことができない事由により不動産が損傷した場合に当たり、かつ、その損傷が軽微であるとはいえないとして、売却許可決定の取消しを認めた事例 |
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116 | H10.9.24 | 東京地裁 |
借地権の存在を前提として借地上の建物の競売が行われた場合に、借地契約が地代滞納により解除され、買受人が代金を納付した時点において借地権が存在しないときは、買受人は、債務者に対して代金減額請求をすることができ、債務者が無資力であるときは、売却代金の配当を受けた債権者に対して同減額分の返還を請求することができるとした事例 |
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117 | H10.8.27 | 札幌地裁 |
競落許可決定後、競売物件の対象となった居宅において、その所有者の夫が1年前に自殺していたことが判明し、その事実が最低売却価額の決定及び物件明細書の記載に考慮されておらず、かつ、買受申出人が買受申出前に知らないときは、民事執行法75条1項が類推適用されるとして、売却許可決定を取り消した事例 |
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118 | H10.8.25 | 仙台高裁 |
高速道路用地としての高額の買収が確実であることを看過してなされた最低売却価額の決定と、これに基づく売却許可決定は、民事執行法71条6号に照らし違法であるとされた事例 |
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119 | H10.7.16 | 東京高裁 |
抵当権を不法に抹消された後、当該不動産の所有権を取得し、登記を移転しても、抵当権設定者がその外形を作出し、又は放置容認していた場合でなければ、民法94条2項を類推適用する余地はないとされた事例 |
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120 | H10.7.8 | 東京高裁 |
競売手続による買受入が代金納付前に元所有者に売り渡し、引き続き占有させた後、元所有者の代金不払により売買契約を解除した場合、買受入は新たな占有状態を作出したのであるから、民事執行法に基づく不動産引渡命令を申し立てることはできないとした事例 |
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121 | H10.1.29 | 東京地裁 |
根抵当権の実行により建物所有権を取得した者が、賃借人に対し、その外形はあるものの、真実は経済的利益を得る目的で、外観を作出したに過ぎない背信的悪意の第三者であるとして、賃借権不存在の確認を請求した事案において、これを認容した事例 |
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122 | H9.12.26 | 東京高裁 |
買受入に対抗できる賃借権が一部不存在であるにもかかわらず、存在するとして最低売却価額の決定等がなされたとして、建物所有者が売却許可決定の取消しを求めた事案において、最低売却価額の決定に誤りがあったとしても、実際に定められた最低売却価額がその後の地価の下落により本来定められるべき額よりも高額の時は、売却許可決定の取消事由にならないとされた事例 |
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123 | H9.12.8 | 東京地裁 |
マンションの売主が、売買契約を締結し、買主のための公庫融資の抵当権設定がなされたが、当該売買契約は詐欺によるものであるとして、これを取り消し、抵当権の抹消を求めた事案において、売買の詐欺取消を認めたが、公庫は民法96条3項の善意の第三者にあたるとされた事例 |
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124 | H9.12.5 | 東京地裁 |
不動産の公売手続における売却価額が不当に低廉であるとして、仮差押債権者である住宅金融債権管理機構が換価手続の続行停止申し立てた事案において、これを認容した事例 |
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125 | H9.10.22 | 東京地裁 |
債務者が、銀行からマンション建設資金の融資を受けるに際し、保証会社(関連会社)と締結した保証委託契約による抵当権設定契約に基づいて、同保証会社が、抵当権設定手続を求めた事案において、債務者の抗弁は理由がないとして、同請求を認容した事例 |
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126 | H8.8.7 | 東京高裁 |
競売手続において、買受人が代金納付後に競売建物において自殺があったとして売却許可決定の取消しを申し立てた事案において、民事執行法53条の「不動産の減失」に比肩すべき重大な事由があるとはいえないとして、却下された事例 |
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127 | H8.7.19 | 東京高裁 |
不動産競売事件における土地建物の買受人が、本件建物は都市計画法違反の物件で、増改築等ができないのに、その事実を知らないまま買受けの申出をしたとして、民事執行法75条1項に基づき売却許可決定の取消しを求めた事案において、同条の類推通用を認め、同決定を取消した事例 |
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128 | H8.5.29 | 東京地裁 |
競売開始決定後の不動産の任意売買契約と同時に締結された競売代金剰余金請求権の譲渡契約は、本件不動産売買契約とは相いれない競売の実行を前提としたものであって、本件不動産売買契約の従たる契約ではなく、本件不動産売買契約が解除条件成就により消滅したことを停止条件とした別個の契約であり、本件債権譲渡契約は有効であるとされた事例 |
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129 | H8.3.5 | 仙台高裁 |
競売物件共有者の本物件200~300m先の山林での自殺は、民事執行法71条1項を類推による売却許可決定の取消事由とすることはできないとされた事例 |
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130 | H7.10.9 | 大阪高裁 |
担保権設定者から不動産を買い受けて、手付金を支払い、引渡しを受けて、占有している者は、未登記でも引渡命令の対象となり、手付金返還請求権を被担保債権として留置権を行使することはできないとされた事例 |
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131 | H7.7.31 | 東京高裁 |
住宅展示場として使用されている土地において、展示用建物につき法定地上権は発生しないとされた事例 |
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