該当件数 件
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No. | 判決日 | 裁判所名 | 概要 | RETIO |
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1 | R4.12.8 | 東京高裁 |
売主が建築した新築マンションを分譲目的で購入した買主代表が、販売先の顧客から受領した手付金の保全措置を講ずることなく、自らのために費消した上で破産手続開始決定を受けて、連帯保証人の売主に求償債務を負担させる損害を与えた行為は、破産法上の「破産者が悪意で加えた不法行為」であり、売主の買主代表に対する損害賠償請求権は非免責債権に該当するとして、売主の請求を認容した事例 |
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2 | R4.6.16 | 東京地裁 |
区分所有ビルの共有者の一人が、賃貸借契約を結んでいる借主に対し、同契約に基づき、賃料及び共益費のうち自分に帰属する4分の1相当額の支払等を求めた事案において、賃貸借契約における借主からの賃料受領等の権限を共有者代表者に委任する旨の共有者間の合意成立が認められるため、委任内容の一部を、共有者の一人が、自己に有利な内容に変更することはみとめられないとして棄却した事案 |
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3 | R4.1.13 | 東京地裁 |
雇用契約上の非違行為を理由に懲戒解雇した元従業員に対する雇用主の競業避止義務違反行為、信用棄損行為等により生じた損害に対する賠償請求が認められた事例 |
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4 | R3.11.17 | 東京高裁 |
分譲マンションの売買契約が締結された後、建築確認処分が取消されて建築工事が中止され、引渡しができなくなったことを受けて、売主業者が解決金を支払って契約を解除したことから、買主が売主業者に対して、引渡義務を怠った、建築確認処分取消の審査状況の詳細な説明を怠った等として、逸失利益等の賠償を求め、棄却された事例 |
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5 | R3.9.17 | 東京地裁 |
売主側仲介業者が買主の代理人と過去トラブルになったことがある為、仲介業者が売主に対し仲介を行うことは難しいと伝えたことで、代理人が名誉及び人格を毀損されたと主張し慰謝料等請求の控訴審で棄却された事例 |
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6 | R3.6.29 | 最高裁 |
宅地建物取引業の免許を受けない者が、宅地建物取引業を営むために宅地建物取引業者からその名義を借り、当該名義を借りてされた取引による利益を両者で分配する旨の合意は、宅地建物取引業12条1項及び13条1項の趣旨に反するものとして、公序良俗に反し、無効であるとされた事例。 |
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7 | R3.3.30 | 名古屋地裁 |
宗教法人の前住職らが宗教法人法及び規則に定める手続を経ずに所有地を売却し、売却代金を着服した事案に関し、媒介をした媒介業者に当該売却手続の適法性を確認する義務違反があったとして、当該宗教法人が被った因果関係のある損害について、媒介業者の賠償責任が認められた事例。 |
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8 | R2.12.24 | 東京地裁 |
トイレ兼浴室内の排水口から汚水が逆流して溢れる事故が発生したにもかかわらず、賃貸人が部屋のクリーニングを怠ったなど、適切な対応をしないため、転居を余儀なくされた賃借人が、転居に要した経費や転居先の家賃の差額等を賃貸人に求めた事案において、賃貸人としての債務不履行責任を認め、その請求の一部が認められた事例。 |
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9 | R2.12.10 | 東京地裁 |
日本に非居住の売主から不動産を購入した買主が、売買代金を源泉徴収せずに売主に支払い、本来売主が負担すべき所得税額を負担したため、売主には同額の不当な利得が生じているとして、同額の支払いを求めるとともに、売主が同額の不当利得を買主に返還しないという債務不履行により、買主が加算税等の支払いを余儀なくされたとして、加算税等と同額の支払を求めた事案において、所得税相当額の請求は認容されたが、売主には所得税の納税義務があったとして加算税等の請求は棄却された事例。 |
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10 | R2.10.21 | 東京地裁 |
自動更新時及び法定更新時には更新料を支払うとする更新料条項のある建物賃貸借において、借主債務の保証会社が更新料を代位弁済したとして事後求償権に基づく支払を借主に求めた事案において、自動更新特約条項を有効と認め借主にその支払いを命じた事例。 |
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11 | R2.7.7 | 東京地裁 |
隣接敷地の所有者で共有されている私道部分について、共有者が共有物分割により単独所有とすることを請求した事案において、共有されている私道部分が平等な立場での通路利用を保障するものであるとして、共有物分割請求を棄却した事例。 |
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12 | R2.6.23 | 東京地裁 |
不動産の購入を断念した買主が、預託した申込証拠金の返還を売主宅建業者に求めた事案において、売買契約書が作成されていないこと、重要事項説明書や業法37条書面を交付した形跡がないこと等から、売主が主張する売買契約の成立は認められないとして、買主の請求が認められた事例。 |
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13 | R2.5.19 | 東京地裁 |
築後60年以上経過した木造平屋建賃貸住宅(本件建物)が老朽化しており、耐震診断を含めた現況調査を行う必要があるとした、貸主の立入り要請に関し、借主は、民法第606条2項に基づき、かかる現況調査を行うことをを妨害してはならないことの請求が認められた事例。 |
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14 | R2.3.26 | 東京地裁 |
マンションの地下に設置されていた駐車場及び倉庫を借りていた賃借人が、豪雨により駐車していた外国製自動車、倉庫に保管していた時計や骨とう品等が浸水被害を受けたとして、賃貸人に対し、損害賠償を請求した事案において、賃貸人は過去の豪雨により浸水事故防止措置を講じており、また、過去に例のない降雨により発生したもので、賃貸人の義務違反による不法行為及び債務不履行に当たるものではないとして、その請求が棄却された事例。 |
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15 | R2.3.9 | 東京地裁 |
詐欺被害に遭った個人(複数)が、詐欺行為を行った法人、その代表者、その営業部長、及びその法人が賃借し、本店として使用していた建物の転貸人、その代表者、その取締役(建物所有者)らに対して、共同不法行為責任等に基づく損害賠償を求め、建物賃貸人らに対する請求は棄却された事例。 |
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16 | R2.2.27 | 東京地裁 |
マンション1階の集合郵便受に、チラシ1枚が投函されたことについて、1階部分への立入禁止の表示及びチラシ投函拒否の表示に反する行為であって、不法行為を構成するとして、慰謝料10万円等の支払いを求めた事案において、その訴えを棄却した事例。 |
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17 | R2.1.16 | 東京地裁 |
共有持分1/2を所有する賃貸人が、賃借人の不払賃料全額を保証会社に請求したところ、保証会社は、賃貸人が契約解除を請求しなかったことは保証の免責条項にあたるとして、支払いをしなかったため、賃貸人が提訴し、原審では不払賃料全額の1/2のみの請求を認容したため、保証会社、賃貸人とも控訴した事案において、免責事由の発生前に生じた保証まで免責とすることは信義則に反する一方、賃料債権は分割債権であるとして、原判決が相当とされた事例。 |
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18 | R1.12.25 | 東京地裁 |
建売住宅の買主が、ガス会社と締結したLPガス供給契約を解除したため、ガス会社が、主位的に、ガス設備の売買予約契約が成立したとして、ガス設備の代金支払いを、予備的に、利益調整合意に基づく残存価値分の支払い等を求めた事案において、売買予約契約は無効である等として、ガス会社の請求が全て棄却された事例。 |
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19 | R1.11.27 | 東京地裁 |
賃借人が、入居前に行った害虫防除工事等により、目や喉に痛みを感じる健康被害を受け、居住することができず、転居を余儀なくされたとして、契約時に支払った初期費用等及び仲介手数料を媒介業者に対し請求した事案において、借主主張の症状が防虫工事等に起因するとの証拠がないなどとして、その請求が棄却された事例。 |
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20 | R1.10.30 | 東京高裁 |
代物弁済により温泉権を取得したとする原告が、温泉が湧出する土地の所有者に対して、温泉権を有することの確認及び使用料相当額の損害金を求めた事案において、現代の高度な掘削技術をもって新たに湧出させた温泉については、原則として、慣習法上の温泉権を掘削地の所有権とは別の物権として成立することはないとして棄却した事例。 |
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21 | R1.9.19 | 東京高裁 |
媒介業者から賃貸マンション建築を前提とした賃貸収支等の提案を受け、土地を購入したが、提案の建物が建築できず、利回りが下落したことで、媒介業者が買主に和解金を支払う合意があったとして、買主が媒介業者にその支払いを求めた事案において、和解契約の成立及びその支払請求を認めた事例 |
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22 | R1.8.30 | 名古屋高裁 |
土地の売主が、買主の残代金不払いにより契約を解除したとして、買主に違約金の支払いを求めた一方、特約に定められた隣地所有者の立会を得て作成された確定測量図が交付されていないことから契約を白紙解除したとして、買主が売主に支払済手付金の返還を求めて反訴した事案において、買主の手付金返還請求が認められ、売主の請求は棄却された事例。 |
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23 | R1.7.18 | 東京地裁 |
土地を購入した買主が、その土地の境界線上に設置された所有者不明の境界塀のうち越境部分の建替え工事を行うため、隣地所有者に対し、土地の一部使用及び工事の妨害禁止を請求した事案において、越境部分を含む境界塀が隣地所有者との共有物と認定され、隣地所有者の合意がない限り、工事をすることはできないとして、買主の請求が棄却された事例。 |
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24 | R1.7.18 | 東京地裁 |
賃貸不動産の売買において、テナントとの賃貸借契約では賃貸借期間満了時に保証金を償却するとしているのに、保証金のうち償却分相当額を除いた残額しか引き渡さなかったとして、買主が、売主業者と売主側媒介業者に償却分相当額の支払い等を求めた事案において、売主と買主間で、償却分相当額控除後の保証金を引き継ぐとした合意があることから、買主の主張は失当であるとして、その請求を棄却した事例 |
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25 | R1.7.16 | 東京地裁 |
原野商法の被害者が、宅地建物取引士に対し、宅建業者と共謀して、詐欺行為を行ったなどとして、共同不法行為に基づき、損害金の支払を求めた事案において、宅地建物取引士に詐欺行為への関与は認められないが、名義貸しにより宅建業者の詐欺行為を幇助したとして、その請求を認めた事例。 |
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26 | R1.6.25 | 東京地裁 |
媒介業者が破産したため、当該媒介業者に賃貸借の敷金を預託していた貸主が、同社を会員とする保証協会に対して、宅建業法64条の8第2項に基づき認証申出をしたところ、同協会がこれを拒否したため、借主が認証を求めて提訴した事案において、当該敷金交付請求権は、宅地建物取引業に関する取引により生じた債権には該当しないとしてその請求が棄却された事例 |
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27 | R1.5.29 | 東京地裁 |
原野商法を行った会社へ名目上の代表取締役等を紹介して同社から報酬を得ていた不動産業者の代表取締役に対し、原野商法の被害者が、損害賠償を求めた事案において、その斡旋行為は不法行為の幇助に当たるとして損害賠償請求の一部が認められた事例。 |
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28 | H31.3.5 | 最高裁 |
専有部分の電気料金削減を目的とする一括受電方式への変更のために、各区分所有者等にその専有部分の既存の電気受給契約を解約することを義務付ける決議が管理組合でなされた場合であっても、一部の区分所有者がこれに従わないことが、他の区分所有者に対する不法行為を構成するものではないとされた事例 |
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29 | H31.2.13 | 東京地裁 |
マンション1階のビルトイン型駐車場について、貸主が駐車場契約を解除し借主に明渡しを求めた事案において、①当該駐車場は借地借家法の建物に該当する、②駐車場契約は居室と不可分一体の契約であるとした借主の主張を棄却し、貸主の請求を認めた事例 |
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30 | H31.2.6 | 東京地裁 |
賃貸借契約直後に大規模修繕工事の予定があることを知り、賃借建物を退去した借主が、当該説明がなかったことを理由に、貸主に家賃の一部、引越費用、慰謝料等を求め、他方、貸主が借主に建物明渡遅延損害金等を求め反訴した事案において、貸主の当該工事の説明義務違反を認め、借主の慰謝料請求の一部は認めたが、錯誤無効の主張は棄却し、貸主請求の建物明渡遅延損害金等を認めた事例 |
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31 | H31.1.31 | 東京地裁 |
投資用マンションの売買契約を締結した買主が、売主に対し、消費者契約法の不実告知、不利益事実の不告知に基づく取消し、詐欺取消し、錯誤無効等を主張したが、棄却された事例 |
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32 | H31.1.11 | 東京地裁 |
LPガス会社とガス供給契約を締結した賃貸共同住宅の所有者が、契約期間中に供給契約を他のLPガス会社へ変更したことにつき、LPガス会社が供給契約に基づき、ガス設備の買取を求めた事案において、LPガス会社の請求が認められた事例。 |
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33 | H31.1.11 | 東京地裁 |
投資用マンションの売主が、買主の契約違反により売買契約が解除されたとして、買主に売買代金の20%相当の違約金を請求し、買主が消費者契約法に基づく契約の取消し等を主張した事案において、買主は消費者には当たらないが、違約金を約定どおり負担させることは公平性を損なうなどとして、違約金の額が代金の10%相当に減額されて認容された事例 |
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34 | H30.12.4 | 東京地裁 |
家庭菜園目的に売主業者の分譲地を購入したが、造成は一部しかされず、そもそも土地の造成が規制された土地であったことから、買主が売買契約の詐欺取消しを主張した事案において、売主には買主に対する欺罔行為があり、買主の売買契約の詐欺取消しは有効として、売主に売買代金及び諸費用の買主への返還を命じた事例 |
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35 | H30.11.30 | 東京地裁 |
宅建業者の原野商法により山林を購入させられた買主が、当該宅建業者を社員とする宅地建物取引業保証協会に対して、弁済業務保証金から弁済を受ける権利の認証を求めた事案において、取引の対象となった山林は宅地建物取引業法の「宅地」に該当しないとして、その請求が棄却された事例 |
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36 | H30.6.6 | 東京地裁 |
土地建物の売主が、媒介業者が本件建物の消費税相当額を含めて売買代金を検討させるべき善管注意義務に違反したため、消費税相当額を含めない売買代金で買主に売却することとなり、買主から得べかりし本件建物の消費税相当額の損害を被ったと主張し、媒介業者に対し、媒介契約の債務不履行に基づき、消費税相当額等の損害金支払いを求めたが、その請求が棄却された事例 |
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37 | H30.5.25 | 東京地裁 |
高齢者が、所有している自宅マンションを、被る不利益を十分に理解していないことに乗じて著しく低廉な価格で売却させられたことは、公序良俗に反し無効であるとして、買主に対し、所有権移転登記の抹消と弁護士費用及び慰謝料を求めた事案において、所有権移転登記の抹消と弁護士費用一部の支払が認められた事例 |
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38 | H30.2.23 | 東京地裁 |
土地の売買契約を締結した買主が、売主は完全な土壌汚染除去工事を行う義務を怠ったとして、一方、売主も、買主は残代金を支払わないとして、相互に債務不履行に基づく契約解除及び違約金の支払いを求めた事案において、売主は土壌汚染を完全に除去する義務を負っているとは認められないとして、買主の請求を棄却し、売主の請求を認容した事例 |
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39 | H30.1.31 | 東京地裁 |
私道上の電柱移設を希望する私道持分所有者が、移設に反対する私道持分所有者に対し、民法251条または252条に基づき、移設に協力をする、または、移設に同意する信義則上の義務があるとして、移設に応じない行為は継続的不法行為を構成するとして、移設と慰謝料等の支払いを求めた事案において、どちらの義務も認められないとして請求が棄却された事例。 |
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40 | H29.12.21 | 東京地裁 |
建築基準法上の接道要件を満たしていない土地所有者らが、隣地所有者との間で将来的にセットバックする旨の合意が成立していたにもかかわらず、隣地の相続人がセットバックせず、同土地を第三者に売却したとして、土地所有者らが相続人に、接道要件を満せなくなったことに伴う所有地の減価額相当の損害金等の支払を求めた事案において、隣地所有者が将来的に必ずセットバックする債務を負うとする合意が成立したと認めるに足りないとして、請求が棄却された事例 |
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41 | H29.12.13 | 京都地裁 |
共同住宅の一室で賃借人が自殺をした3カ月後、心理的瑕疵が生じたために当該建物とその敷地を、通常の価格の約5割減額して第三者に売却したとして、賃借人の保証人等に対して、当該減額相当額の損害賠償と原状回復費用、賃料の逸失利益を請求した事案において、当該減額相当額の損害賠償請求は排斥し、逸失利益の一部、及び原状回復費用を認容した事例。 |
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42 | H29.10.11 | 東京高裁 |
破産した会社の元代表者を売主代理人とする土地売買契約を締結した買主が、売主の契約不履行を理由に、契約の解除、手付金の返還及び違約金の支払いを請求したが、原審が全て棄却したことから、手付金の返還のみに請求を凝縮して控訴した事案において、売買契約当時、売主代理人は売主会社の代表権も代理権も有しておらず、売買契約は成立していないとした原判決は相当としてその請求を棄却した事例 |
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43 | H29.10.3 | 東京地裁 |
土地及び土地の借地権を更地渡しの約定で購入した買主が、地下室や解体ガラが地中に残置されていたとして、売主及び解体工事請負業者に対して、その撤去・処分費用の支払いを求め、認められた事例。 |
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44 | H29.9.29 | 東京地裁 |
買主が、所有権を取得できなくなる可能性が極めて高いことを秘して売却したとして、主位的に、売主と元売主に詐欺による共同不法行為に基づく売買代金相当額等の支払いを求めるとともに、予備的に、元売主に信義則上の告知義務違反による共同不法行為等に基づく売買代金相当額等の支払を求めた事案において、買主の請求が認容された事例 |
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45 | H29.9.14 | 東京地裁 |
特例容積率適用地区内の容積利用権を譲渡した土地所有者が、土地課税台帳の登録価格を不服とした審査申出が棄却されたことから、当該審査決定の取消しを求めた事案において、容積利用権譲渡による減価要因を考慮していない価格は固定資産評価基準によって決定された価格とはいえないとして、その請求を認容した事例 |
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46 | H29.9.4 | 東京地裁 |
外国人が代表者である不動産投資会社が、不動産の購入に際し、媒介業者が合意した法人設立登記の手配、契約関係書類の翻訳・提供等を行なわなかったとして損害賠償を請求した事案において、媒介業者の対応に合意違反は認められないとしてその請求を棄却し、媒介報酬を求める媒介業者の反訴請求を認めた事例 |
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47 | H29.6.28 | 東京高裁 |
所有者に成りすました者に不動産の売買代金を騙し取られた買主が、売主の誤った本人確認情報を提供した弁護士に対して損害賠償を請求した事案の控訴審において、その弁護士に所有者の成りすましを疑うに足る事情はなかったとして、買主の請求を一部認容した原審判決を変更し、その請求を全て棄却した事例 |
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48 | H29.3.13 | 札幌地裁 |
飲食店店舗の外壁に設置された突出看板から支柱が落下し、これに衝突して歩行者が全治不能の傷害を負った事故につき、店舗の責任者に業務上過失傷害罪を認定し、罰金40万円を言い渡した事例 |
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49 | H29.2.27 | 東京地裁 |
建築中の分譲マンションにおける免震ゴムの欠陥判明により、契約済住戸の買主に違約金を支払い売買契約を解除した売主が、免震ゴムの製造会社に違約金の賠償を求めたことに対し、製造会社は手付解除を執りえた売主が違約解除としたことは損害軽減義務違反であると主張した事案において、買主の住宅ローン・オプション工事の申込み等は履行の着手に当らないが、売主が違約解除としたことに不合理でない事情が認められるとしてその請求を認めた事例 |
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50 | H29.2.21 | 東京地裁 |
賃貸保証会社が賃貸借契約解除の通知及び家財等の撤去の通知を行うことなく、借主が賃借していた物件内の家財等を撤去及び処分したことにより、家財類の価額相当の損害を被り、精神的苦痛を受けたとして、借主が賃貸保証会社に対し、不法行為に基づき慰謝料等の損害賠償を請求した事案において、賃貸保証会社の違法性はなく、借主の請求を棄却した事例。 |
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51 | H29.1.12 | 東京地裁 |
売主によりシェアハウス用途に改装され、賃貸中であった建物を購入し、購入後の管理を売主に委託した買主が、売主の瑕疵担保責任および管理委託契約の債務不履行に基づく損害等の賠償を売主に請求した事案において、買主の請求が全て棄却された事例 |
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52 | H28.12.27 | 東京地裁 |
ビルの区分所有者らが、管理業務の一環として電気料金の計算・請求を行っていた管理会社に対し、その請求内容に誤りがあり過大な電気料金を支払ったとして、過払金相当額の支払いを求めたものの、その請求が全て棄却された事例 |
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53 | H28.12.14 | 東京地裁 |
相続により不動産を取得した相続人らが、遺言執行者に指定された信託銀行より紹介を受けた媒介業者の媒介により、当該不動産の売買を行ったところ、売却価格が不当に低額であったとして、信託銀行、媒介業者、買主に対し、共謀による虚偽の情報提供等の不法行為に基づく損害賠償を請求した事案において、売却価格は取引価格としての妥当性ないし正当性を有すると認定できるとして訴えが棄却された事例 |
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54 | H28.11.29 | 東京地裁 |
不動産所有者に成りすました者に、買主が売買代金を騙し取られた事案において、所有権移転登記手続に際し、売主側から依頼を受けた弁護士が、買主に対し、売主に係る誤った本人確認情報を提供したことについて、過失相殺を4割とした不法行為責任が認められた事例 |
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55 | H28.10.21 | 東京地裁 |
底地を購入した底地人が、購入する10年以上前の無断改築を理由に、借地人に対して借地契約の解除及び建物収去・土地明渡を求めた事案において、底地人の請求を棄却するとともに、事実的、法律的根拠を欠く底地人の本訴提起は、裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠き、不法行為に該当するとして、借地人に対する慰謝料11万円を認めた事例 |
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56 | H28.10.18 | 最高裁第三小 |
弁護士法23条の2第2項に基づく照会をした弁護士会が、同報告を拒絶した紹介先に対し、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、同照会に対する報告を拒絶する行為が、照会をした弁護士会の法律上保護される利益を侵害するものとして当該弁護士会に対する不法行為を構成することはないとして、弁護士会の賠償請求を棄却した事例 |
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57 | H28.10.14 | 東京地裁 |
賃貸マンションの建て主が、建物建築請負契約及び建築後の管理委託契約を締結した会社に対して、同社は、虚偽・不当な勧誘を行い、説明義務も怠ったなどとして、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、同社が、建物建築請負契約の締結に先立ち、賃貸事業に係る事業収支、特に修繕費について不正確な説明を行ったことは、信義則上の義務に違反し不法行為を構成するとして、その請求が一部認められた事例 |
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58 | H28.10.7 | 東京地裁 |
建築条件付土地売買契約に基づき、売主に依頼し建築された住宅において、排水管が開口状態で放置されていた瑕疵により、悪臭や鼠の被害に悩まされ健康被害を被ったとして、買主が求めた売主及び同工事を施工した下請建築業者に対する慰謝料等の請求が一部認められた事例 |
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59 | H28.10.4 | 大阪高裁 |
仲介に際して、売主の依頼により売買物件の居住者との立退き交渉、貸金問題解決等のコンサルティングを行った、とした媒介業者の報酬収受につき、当該業務は弁護士法72条に違反し不法行為にあたるとして、不動産業者、同代表者、並びに協働した個人業者(宅地建物取引士)に対する、売主の損害賠償請求を認めた事例 |
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60 | H28.5.19 | 東京地裁 |
個人売主から不動産を購入した買主が、売主は非居住者に該当しないと判断して所得税の源泉徴収を行わずに譲渡代金を支払ったところ、税務当局から源泉所得税の告知処分を受けたため、これを不服として当該処分の取消しを求めた事案において、売主が非居住者に該当し、これに該当しないとした買主の判断に注意義務が尽くされていないとして、その請求が棄却された事例 |
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61 | H28.3.31 | 最高裁第一小 |
消滅時効は完成していないとして、元宅建業者の営業保証金の取戻請求につき、原審判決を取消し請求を認めた事例 |
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62 | H28.3.28 | 東京地裁 |
室内リフォーム済中古マンションを購入した買主(個人)が、入居前にリフォーム工事を実施した売主(宅建業者)に対し、その工事によって浴室とトイレの位置を入れ替えたことで浴室から発生する音が、隣室住人に騒音被害を生じさせたとして、浴室の原状回復工事費用等の支払を求めた事案において、隣人への騒音被害は、社会生活上の受忍限度を超えているとまではいえないと判断され、買主の請求が棄却された事例 |
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63 | H27.9.28 | 東京地裁 |
貸主が、連帯保証人に対し、借主の自殺によって被った損害の支払を求めた事案において、貸主の請求した原状回復費は逸失利益において評価されるべきとして、また、賃貸物件の用途・立地等考慮すれば、逸失利益は当初の1年を賃貸不能期間、2・3年は賃料の半額でなければ賃貸できない期間とみるのが相当であるとして、請求額が大幅に減額されたうえで、認容された事例 |
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64 | H27.6.16 | 東京地裁 |
相続により土地を取得した所有者が、亡父から売買により土地の所有権移転登記を経由した会社及び同社から所有権移転登記を経由した買主、並びに当該買主を債務者とする抵当権設定登記を経由した保証会社に対し、亡父との間の売買契約は成立していないとして、所有権移転登記及び抵当権設定登記の各抹消登記手続を求めた事案において、登記申請書類等は亡父になりすました第三者が作成したものであり、売買契約書等も亡父が作成したものではないと認められるなどとして、その請求が認容された事例 |
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65 | H27.4.10 | 東京地裁 |
買主が、購入建物の傾斜は建物を建築した際、敷地の埋戻しを適切に行わなかったためであるとして、建築業者に対して不法行為による損害賠償を、また、売主に対して瑕疵担保責任、告知義務違反を理由とした損害賠償を請求した事案において、買主の建築業者への請求を一部減額のうえ認容された事例 |
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66 | H27.4.8 | 東京地裁 |
購入した建売住宅の賃貸を依頼したところ、客付側媒介業者の従業員が、誤って排水ポンプの電源を落としたため生じた地下室の浸水事故に伴う買主の損害につき、当該事故は建物の瑕疵によるものとして建物施工業者 の不法行為責任、浸水事故の直接原因を作出 した媒介業者の不法行為責任を認め、売主宅建業者については、除斥期間の経過により瑕疵担保責任、及び不法行為責任を否定した事例。 |
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67 | H27.3.30 | 東京地裁 |
賃貸管理業者の元従業員が在職中に競業会社を設立し、同社の顧客を奪取したこと等につき、社会通念上自由競争の範囲を逸脱した違法な競業行為であるとして、管理業者の元従業員に対する管理委託費用相当額の逸失利益の賠償請求を認容した事例 |
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68 | H27.1.29 | 東京地裁 |
宅建業免許の有効期間が満了した宅建業者が、同法に基づき供託した営業保証金を、供託原因消滅を取戻事由として法務局に取戻請求をしたところ、消滅時効が完成していることを理由に同請求を却下されたことから、宅建業者が国に対し、却下の取消しと供託金払渡しを求めた事案において、消滅時効は取戻公告期間の翌日から進行しており、消滅時効は成立しているとして、宅建業者の請求が棄却された事例。 |
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69 | H27.1.19 | 東京地裁 |
ビル6階の居酒屋店の窓から転落して死亡した酔客の相続人が、本件事故は店舗の内装工事により相対的に本件窓の位置が低くなった瑕疵によるものとして、同店の経営者等に対し損害賠償を求めた事案において、何らかの原因で転落する危険を有する本件窓は、手すり等の転落防止措置がとられていない以上設置保存の瑕疵があるとして、工作物責任に基づく損害賠償を7割の過失相殺の上認めた事例 |
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70 | H26.11.27 | 東京地裁 |
マンション一室の賃貸借契約につき、貸主が鍵を取替えた行為が自力救済にあたり、鍵交換以降賃借人は賃料支払義務を負わないとして、賃料保証会社が借主の未払賃料の保証履行を拒絶した事案において、同行為は警察の要請により行われたものであり、かつ賃借 人がいつでも使用できるよう配慮されていることから、自力救済には当たらないとして、貸主の保証債務履行請求を認めた事例。 |
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71 | H26.11.17 | 東京地裁 |
所有権移転登記手続きを委任された司法書士が、当該売主が真の所有者でないことを見抜けず、買主に注意喚起する義務を怠ったことで損害を被ったとして、買主が司法書士に対し損害賠償を請求した事案において、書類に関し明白な疑義があり、その一部は司法書士会等から注意喚起されていたことを踏まえ、司法書士の委任契約上の債務不履行責任を認めた一方で、本来相手方の本人確認を行うのは買主の責務であるにもかかわらず買主はこれを怠っていたとして、認定された損害額の7割を過失相殺した上で買主の請求を認容した事例 |
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72 | H26.10.30 | 東京地裁 |
婚活サイトで知り合った者からの悪質な勧誘により投資用マンションを購入した買主が、投資勧誘した者に対し不法行為に基づく損害の賠償を求め、融資をした金融機関に対しては、金銭消費貸借契約に基づく返還債務の不存在の確認を求めた事案において、勧誘行為者の不法行為責任は認めたが、金銭消費貸借契約の取消し及び無効主張は否認した事例 |
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73 | H26.10.30 | 東京地裁 |
賃貸借契約締結にあたり、賃借人との間で保証委託契約を締結した保証会社が、賃貸人に対して滞納賃料及び原状回復費を代位弁済したとして、賃借人に対し、代位弁済した滞納賃料及び原状回復費の支払を求めたことに対し、保証会社には損害軽減義務違反ないし保証債務の拡大防止義務違反があるなどと賃借人が主張した事案において、法的手続に則って本件建物の明渡しを求めることは正当であって、損害軽減義務や保証債務の拡大防止義務に違反するとはいえないとして、その請求を認めた事例 |
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74 | H26.8.26 | 東京地裁 |
所有する区分所有建物の一室について、売買契約に基づき買主への所有権移転登記を完了した売主が、本件移転登記に先立ち競売開始決定を原因とする差押登記がされていたことから、本件所有権移転登記を抹消し所有権を復帰させたところ、自己を納税義務者とする納税通知書が送付されてきたことから、処分行政庁に対し、不動産取得税賦課決定処分の取消しを求めた事案において、本件不動産の所有権は、本件売買契約の合意解除によって取得したものであり地方税法にいう「不動産の取得」に該当するとした事例 |
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75 | H26.8.5 | 東京地裁 |
賃借中の建物内で、賃借人の妻が自殺したために、賃料を減額しなければ新規に賃貸することができなくなったとして、賃借人に対しては、債務不履行に基づく損害賠償として賃料減額分相当額及び慰謝料並びに弁護士費用等を求め、賃料保証会社に対しては、連帯保証契約に基づき同額の保証債務の履行を求めた事案において、賃借人に対する損害賠償請求の一部を認め、賃料保証会社への請求を棄却した事例 |
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76 | H26.6.16 | 東京地裁 |
居住用賃貸マンションの貸主が、借主において火災によりマンションの室内を全焼させたとして、借主に対しては賃貸借契約の債務不履行に基づく損害賠償として、連帯保証人に対しては連帯保証契約に基づいて、原状復旧工事費用等の損害賠償を請求した事案において、借主の損害賠償責任が認定され損害賠償請求の一部が認容された事例 |
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77 | H26.6.13 | 東京地裁 |
宅地建物取引業者の従業員が、建物所有者の依頼により、建物を占有する第三者と交渉し任意退去させたところ、建物所有者が、弁護士資格を持たない同従業員の法的紛争事案の介入により損害を負ったとして、宅建業者及び同従業員に対し損害賠償を請求した事案において、同従業員の退去交渉において、弁護士法抵触の要件たる「報酬を得る目的」及び「業とする」は認められず、また、高齢である建物所有者の意思能力欠如に乗じ無断で行ったものとも認められないとして、その請求を棄却した事例 |
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78 | H26.5.13 | 東京地裁 |
所有する建物の共用部分で、賃借人が自殺したため、本件建物の貸室及び近接貸室を第三者へ賃貸することが著しく困難となったとして、賃貸人らが連帯保証人に対し、?主位的に賃貸借契約に基づく債務不履行責任に基づき、?予備的に共有持分権侵害を内容とする不法行為に基づき、賃料収入減少分を損害賠償請求した事案において、賃貸人らの主張が減額の上で認容された事例 |
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79 | H26.5.12 | 東京地裁 |
賃貸人が、所有する建物及び駐車場の賃貸借契約において、法定更新後も、賃貸保証会社が賃貸借契約に基づく賃借人の賃料債務等を連帯保証したとして、保証債務履行請求権に基づき、滞納賃料等の支払いを求めた請求において、更新後の賃借人の債務についても保証の責めを負うことについて反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情がなかったとして、認容された事案 |
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80 | H26.3.11 | 東京地裁 |
土地区画整理事業地内の土地を敷地とするマンションの買主等が、同事業における賦課金を課されたため、分譲業者に対し瑕疵担保責任又は説明義務違反の不法行為責任による損害賠償を求めた事案において、分譲時に賦課金が課される可能性が具体性を帯びていたといえないことから、瑕疵担保責任・不法行為責任いずれとも理由がないとして、請求が棄却された事例 |
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81 | H25.12.25 | 横浜地裁 |
購入土地の登記申請を司法書士に依頼した買主が、所有者の名をかたった無権利者の売主に売買代金相当額を騙し取られたとして、損害賠償を求めた事案において、売主側と面談して真の所有者か否かを確認するよう買主から委任されたとは認められないし、果たすべき義務を果たした司法書士が結果として自称売主が土地所有者本人でないことを看過したとしても、注意義務違反があったとは認められないとして請求が棄却された事例 |
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82 | H25.12.11 | 東京地裁 |
建物所有者との間で賃貸借契約を締結し、元の賃借人との間で転貸借契約を締結した転貸人が、転貸借契約は原賃貸借契約を引き継いだうえで、新たに転貸人を貸主とするために締結したもので、実質的には契約内容の変更であり契約の解除ではないから、賃貸借契約における連帯保証人の連帯保証債務は消滅せず、転貸借契約に引き継がれるとして、転借人の賃料等の滞納について、連帯保証人の相続人に支払い等の履行請求を求めたが、請求が全て棄却された事例 |
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83 | H25.11.22 | 大阪高裁 |
賃貸人が賃料滞納をしている賃借人に対し、契約の解除と建物の明渡しを求め、賃料を代位弁済した賃料保証会社が代位弁済額及び保証事務手数料の支払を求めた事案において、保証委託契約に基づく保証会社の支払は代位弁済であって、賃借人による賃料の支払ではないとして、賃貸人の建物明渡し及び賃料保証会社の請求を認容した事例 |
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84 | H25.9.3 | 東京地裁 |
破産管財人が、借地権者(破産者A)と宅建業者との間で締結された「不動産コンサルティング業務契約」は、実質は媒介契約であるところ、その約定報酬額は暴利であり、暴利行為又は不公正な取引行為等で無効であるとして、宅建業者に対し、借地権等の売却で支払った報酬のうち、報酬告示で定められた上限額を超える部分の返還を求めた事案において、本件コンサルティング契約は、実質的には弁護士法違反の行為を中心的業務とし、それに対する対価の支払を合意するもので、その額は暴利を得るものであるから、全体として無効であるとして、不当利得返還請求を認容した事例 |
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85 | H25.8.23 | 東京地裁 |
免震構造のマンションの1階住戸を購入した買主が、地震が発生し免震機能が作動した場合専用庭でテラスが移動し怪我をする危険があり、この点十分な危険防止策を伴わない設計・施工をした為、上記危険性を巡って販売会社との訴訟に巻き込まれたとして、設計施工会社に対し慰謝料の請求をした事案において、現状の対策については、人が負傷する危険性があることは否定できないが、事故の発生頻度は必ずしも高いとはいえず、さらに、これ以上の対策をとるかどうかは設計者の裁量の範囲であるとして、買主の請求が棄却された事例 |
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86 | H25.8.19 | 東京地裁 |
建物賃貸借契約の借主の債務不履行により契約を解除した貸主が、特約による原状回復費用、未払賃料等及び使用損害金等の損害賠償を求めた事案において、貸主の損害賠償請求のうち原状回復費用請求については、通常損耗補修特約の合意は否認され、特別損耗に係る請求のみが認容された事例 |
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87 | H25.7.31 | 東京地裁 |
賃借建物の一部を転貸していた者が、転借人の転借料不払いにより転貸借契約を解除したとして、明渡しを求め、転借人及び連帯保証人に未払転借料・使用料相当損害金の支払いを求めた裁判の控訴審において、転貸人による転貸借契約の解除が有効であるとして、控訴を棄却して転借人及び連帯保証人に転借料及び使用料相当損害金の支払いを命じた事例 |
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88 | H25.7.17 | 東京地裁 |
賃貸借契約締結の際、賃借人の都合で、賃貸人が署名した契約書を、連帯保証人に署名させる為賃借人に預けたが、半年経過しても賃借人が連帯保証人署名済の契約書を提出せず、また、入居申込書の内容に虚偽があったことから、賃貸人が契約不成立(予備的に債務不履行による契約解除)を主張し、建物明渡しを請求した事案において、本件賃貸借契約は、連帯保証人の署名がなくとも成立しているが、賃借人は、本件で重要な要因となる連帯保証人を立てる為の真摯な努力を怠ったことで信頼関係は破壊されたと判断し、賃貸借契約解除の通知を有効と認め、建物明渡請求を認容した事例 |
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89 | H25.6.25 | 東京地裁 |
3か月間のフリーレントがある定期建物賃貸借契約を締結した賃貸人が、賃料等を支払わない賃借人に対し、契約の解除を通知し約定の違約金等を請求したが、賃借人が敷金償却特約、違約金特約等は公序良俗に反し無効であると主張して争われた事案において、違約金等に関する合意を不合理ということはできず、公序良俗に反するとはいえないとして、賃貸人の請求を認めた事例 |
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90 | H25.6.14 | 東京地裁 |
賃借人が賃料の滞納を続けた為、賃貸人が連帯保証人に滞納賃料の支払を請求した事案において、賃料不払が長期間継続していたにもかかわらず、賃貸人は賃貸借契約解除等の手続きを講じることなく、7年以上にわたり漫然と滞納賃料を増加させたことを踏まえ、当初の賃貸借期間(3年間)の賃料相当額を超える請求は信義則に反するとし、賃貸人の請求を限定して認容した事例 |
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91 | H25.3.28 | 東京高裁 |
不動産賃貸事業者が使用する契約書に記載されている、更新料支払条項及び契約終了後に明渡しが遅滞した場合の損害賠償の予定を定めた条項は、消費者契約法9条1号及び10条により無効であるとして、適格消費者団体が、契約の申込み又は承諾の意思表示の停止及び契約書用紙の破棄等を求めた事案の控訴審において、原審を相当とし、各条項は無効であると認めることはできないとして、控訴を棄却した事例。 |
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92 | H25.3.22 | 最高裁 |
土地区画整理事業の施行地区内の土地を売主らから売買により取得した買主らが、売買後に土地区画整理組合から賦課金を課されたため損害を被ったと主張して、売主らに対し、瑕疵担保責任に基づく賦課金相当額の損害賠償等を求めた事案において、各売買の当時、保留地の分譲はまだ開始されておらず、賦課金を課される可能性は一般的・抽象的なものにとどまっていたことは明らかであり、買主らが賦課金を課される可能性が存在していたことをもって、各土地が各売買において予定されていた品質・性能を欠いていたということはできず、各土地に民法570条にいう瑕疵があるということはできないとした事例 |
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93 | H25.3.14 | 東京地裁 |
売買代金の着金が確認できないながら所有権移転登記を承諾した売主が、買主の売買代金不払を理由として、買主に対し同登記抹消と損害賠償を、譲渡担保設定者に対し所有権移転登記の抹消を求めた事案において、売買代金支払前の所有権移転の合意はなく、また、譲渡担保設定者には民法94条2項の類推適用はあたらないとして、請求が全部認容された事例 |
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94 | H24.11.6 | 東京地裁 |
建築工事残代金の支払請求を受けた工事の発注者が、建築を請け負った工務店の現場所長が建物建築中に工事現場において自殺したことにより損害を被ったとして、請負残代金支払義務と損害賠償請求権とを対当額で相殺するとして争った事案において、本件事故による工務店の瑕疵担保責任を認め、建物について30%の減価が生じているとした事例 |
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95 | H24.8.30 | 東京地裁 |
建築士事務所が、不動産会社に対し、技術的な意見書を作成する業務及び、建物状況調査業務の業務委託契約が締結されたと主張して、同契約に基づく報酬の支払を求めた事案において、業務委託契約の成立は認めたが、時効の中断は無かったとして、不動産会社の時効の援用を認め、建築士事務所の請求を棄却した事例 |
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96 | H24.5.31 | 名古屋地裁 |
保証会社と建物賃貸人との間の連帯保証契約に基づく責任について、保証会社が契約上の免責事由(賃貸人が一定期間内に賃借人による賃料滞納を通知しなかった場合には保証会社は免責される)の適用を主張した事案において、保証会社が賃貸人に免責事由の存在や内容を説明していなかったことなどから、信義則ないし衡平の観念に基づき、免責の範囲を4割に限定した事例 |
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97 | H24.4.26 | 東京地裁 |
リゾートホテルの建設・転売を予定していたデベロッパーが、隣地における会員制ホテル建設が市条例に定める利害関係者への説明会の開催通知等もなく進められたことにより、日照や海への眺望が妨げられることになったため、同ホテルの建設を断念せざるを得なくなり、かつ土地の資産価値も大幅に下落する財産的損害を被ったとして、同隣地事業者の不法行為を理由に、同隣地事業者に対し損害賠償請求をした事案において、当該デベロッパーは、同隣地の建築計画を知っていたと認められるとして、その請求が棄却された事例 |
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98 | H24.4.17 | 東京高裁 |
土地の買主に購入資金を貸し付けた金融業者が、土地の前々所有者による不正登記防止の申出等により根抵当権設定登記申請が却下されたのは、当該登記申請手続きを委任した司法書士の職務上の過失によるものであるとして損害賠償を求めたところ、原審で棄却されたことから控訴した事案において、委任契約の内容として、司法書士に土地の前々所有者である訴外人の登記意思を確認する義務があったとはいえないとして棄却した事例から控訴した事案において、委任契約の内容として、司法書士に土地の前々所有者である訴外人の登記意思を確認する義務があったとはいえないとして棄却した事例 |
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99 | H24.4.12 | 東京地裁 |
土地の購入者が、測量会社が作成した測量図を信じて購入したところ、隣地との境界について訴訟を起こされ、測量図に記載された境界が否定されて損害を被ったと主張し、測量会社及びその代表者である土地家屋調査士の共同不法行為(民法709条、719条)に基づく損害賠償を求めた事案において、損害賠償請求が棄却された事例 |
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100 | H24.3.27 | 東京地裁 |
不動産投資を勧められて2件の不動産を購入した原告が、重要事項の不告知、断定的判断の提供等をされたと主張し、売買契約取消しなどを求めた事案において、被告は、客観的な市場価格を提示しておらず、非現実的なシミュレーションを提示し、月々の返済が小遣い程度で賄えると誤信させるなど、消費者契約法にいう重要事項について不利益となる事実を故意に告げなかったため、そのような事実が存在しないと誤認し、契約を締結したものであるから、同法4条による取消しが認められるとした事例 |
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101 | H24.3.19 | 東京高裁 |
東北地方太平洋沖地震直後、マンション専用部分に設置されていた電気温水器に亀裂が生じ、階下に水漏れが及んだとして階下住人が保険会社に対して請求した損害賠償が地震免責条項は適用されないとして一部認容されたため、保険会社が控訴した事案において、地震と相当因果関係にある損害は全て地震免責条項が適用されるとして1審判決が取消され保険金請求が棄却された事例 |
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102 | H24.3.16 | 東京地裁 |
宅建業者が、その元従業員に対し、元従業員が在職中に個人として複数の案件の不動産の仲介等を行ったが、これは就業規則に定める競業避止義務に違反する行為であり、この行為により媒介手数料等を失う損害を被ったとして、債務不履行又は不法行為による損害賠償を求めた事案において、その請求の一部が認容された事例 |
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103 | H23.12.16 | 最高裁 |
建築基準法等の法令の規定に適合しない建物の建築を目的とする請負契約を締結した請負人と注文者が、互いに本訴・反訴を提起して工事代金支払いや損害賠償等を求めて争った事案において、違法建物を建築する本工事の請負契約が公序良俗に反し無効とされた一方で、本工事の施工が開始された後に施工された追加変更工事の施工の合意が公序良俗に反しないとされた事例 |
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104 | H23.11.18 | 東京地裁 |
別荘地の管理業務を引継いだ更生会社が、更生会社の前身となる開発分譲会社が被告らに売却した別荘地について、管理委託契約を包括承継して別荘地を管理してきたとして、更生会社管財人による被告らへの滞納管理費請求が認容された事例 |
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105 | H23.10.20 | 東京地裁 |
東北地方太平洋沖地震直後、所有するマンション専有部分に設置されていた電気温水器に亀裂が生じ、階下住人のマンション専有部分にまで水漏れが及んだとして、階下住人が、上階マンション所有者に対し、民法717条に基づく損害賠償を、また、上階マンション所有者と個人財産総合保険契約を締結していた保険会社に対し、保険金の支払いを求めた事案において、電気温水器の設置又は保存につき瑕疵があったとして上階マンション所有者の工作物責任を認めて、損害賠償請求の一部を認容し、保険については、地震免責条項の適用を否定し、保険約款による損害額を限度に、保険会社に対する請求も一部認容した事例 |
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106 | H23.9.30 | 東京地裁 |
マンションの管理組合が、分譲業者に対し、標準仕様書等の図書につき、これらがマンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則102条に規定する図書であるとして、その交付を求めた事案において、標準仕様書のみが規定の図書に該当し、その余の図書は該当しないとして、管理組合の請求を一部認容した事例 |
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107 | H23.8.2 | 西宮簡裁 |
建物賃貸借契約において、敷金50万円の内40万円を敷引する旨の特約は消費者契約法10条に反するとして争われた事案において、賃料の3カ月を超える部分については消費者契約法10条により無効とした事例 |
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108 | H23.7.21 | 最高裁 |
建物の建築主から、当該建物を購入した買主等が、建物にはひび割れや鉄筋の耐力低下等の瑕疵があると主張して、その設計・工事監理業者及び建築工事施工業者に対し、不法行為に基づく損害賠償を請求した事案において、「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」には、建物の瑕疵が、居住者等の生命、身体又は財産に対する現実的な危険をもたらしている場合に限らず、放置するといずれは居住者等の生命、身体又は財産に対する危険が現実化することになる瑕疵も含まれるとされた事例 |
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109 | H23.7.15 | 最高裁 |
賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法10条により無効ということはできないとされた事例 |
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110 | H23.7.12 | 最高裁 |
敷引特約が、契約書に敷引金は賃借人に返還されないことが明確に読み取れる条項が置かれており、敷引金の額は月額賃料の3.5倍程度で高額に過ぎるとはいい難い等として、消費者契約法10条により無効であるということはできないとされた事例 |
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111 | H23.6.10 | 大阪高裁 |
賃料等を滞納した賃借人が、管理会社の実力行使による鍵交換と家財道具の貸室外への排出について、賃貸人及び管理会社に対し、損害賠償を請求した事案において、管理会社が家賃等を滞納した賃借人の住まいを暴力的に奪った行為は、不法行為が成立するとして、慰謝料や動産の損害など165万円の賠償を命じるとともに、賃貸人についても、管理会社に賃貸物件の管理のための包括的権限を与え、自身も管理会社の取締役を務めるなどの事情のもとでは、共同不法行為が成立するとして、連帯しての賠償責任を認めた事例 |
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112 | H23.4.27 | 名古屋地裁 |
賃借人が、賃借人の債務の保証委託契約に関して、保証会社に対し、不当利得の返還や不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、賃借人が1回でも賃料を滞納した場合、保証委託契約が無催告で自動的に解除された上で更新され、その際に1万円の解除更新料を支払うなどとされた賃借人と保証会社との保証委託契約における特約が消費者契約法10条により無効とされるとともに、保証会社が根拠のない不当な請求や退去の勧告を組織的に行っていたことが社会通念上許容される限度を超えたもので不法行為に該当するとされた事例 |
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113 | H23.4.22 | 最高裁 |
契約の一方当事者が、当該契約の締結に先立ち、信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に提供しなかった場合には、一方当事者は、相手方が当該契約を締結したことにより被った損害につき、不法行為による賠償責任を負うことがあるのは格別、当該契約上の債務の不履行による賠償責任を負うことはないというべきであるとされた事例 |
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114 | H23.4.20 | 東京地裁 |
宅建業者である売主から買主らが、崖条例の存在につき重要事項説明書で説明を受けなかったことから、民法570条の隠れた瑕疵に当たるなどとして、売主に対し、売主との間の売買契約の解除ないし損害賠償の支払を求め、請負業者に対し請負契約は上記売買契約と不可分一体であるなどとして、同請負契約の解除等を求めた事案において、売主の説明義務違反、瑕疵担保責任を認めて売買契約の解除は認めたが、請負契約の効力は失われないとして同契約の解除を認めず、原告の請求を一部認容した事例 |
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115 | H23.4.7 | 広島高裁 |
区画整理事業地内の土地の売買において、買主が、売主業者は賦課金の発生可能性についての説明を怠った、などと主張して損害賠償請求を行った事案において、原審では時効により請求が棄却されたが、控訴審においては消滅時効の起算点は引渡し時ではなく賦課金通知書が到達した時点であるとして、賦課金相当額が損害賠償として認められた事例 |
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116 | H23.3.24 | 最高裁 |
居住用建物の賃借人が、賃貸人に対し、保証金のうち返還を受けていない21万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案において、 |
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117 | H23.3.18 | 大阪簡裁 |
建物賃貸借契約の礼金の支払義務を課す条項(礼金特約)は消費者契約法10条により無効であるとして、支払った礼金の返還を求めた事案において、契約期間経過前退去の場合に前払分賃料相当額が返還されないとする部分について消費者の利益を一方的に害するものとして一部無効とした事例 |
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118 | H23.3.15 | 東京地裁 |
宅建業者が、宅地建物取引業保証協会に対して、同保証協会が十分な調査を行わず、同宅建業者に仲介取引に関する業務上の義務違反があるとして宅建業法64条の8第2項に基づく認証行為を行ったとして、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、宅建業者の請求が棄却された事例 |
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119 | H23.2.22 | 最高裁 |
遺産を特定の推定相続人に単独で「相続させる旨」の遺言は、当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には、遺言者が、当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り、その効力を生ずることはないとして、代襲者の上告を棄却した事例 |
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120 | H23.2.21 | 東京地裁 |
マンションの一室を賃借した原告が、家賃を滞納したことを契機に仕事先の同僚で家賃保証をした被告保証人により荷物が搬出され強制退去させられたことから、保証人、仲介業者、家賃保証会社及び貸主会社に対し、損害賠償を請求した事案において、保証人が原告の制止を無視して家財道具等を搬出・処分して強制退去を行った行為は不法行為を構成すること、強制退去の際に保証人が振るった暴力は過剰防衛に当たるとして、保証人に対する請求を一部認容した事 |
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121 | H23.1.14 | 福岡高裁 |
土地区画整理地内に土地所有者が、土地区画整理組合の行った換地処分が,照応の原則・公平の原則に違反しており違法であるなどとして、本件換地処分の取消を求めたところ,原審で,本件換地処分は各原則に反していないとされ、請求を棄却されたため、控訴した事案において、原判決の事実認定を維持した上、照応及び公平の各原則違反はないなどとして、所有者の主張を排斥し,控訴を棄却した事例 |
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122 | H22.12.21 | 東京地裁 |
賃貸借契約に基づく借主の賃料支払債務を保証することを業とする賃料保証会社が、借主に対する求償債務を連帯保証した保証人に対し、立替払いした未払賃料等の支払を求めた事案において、保証委託契約書等の記載から読み取れる契約当事者の意思は、保証委託料が入金されない場合まで委託契約等が当然に更新されるものではないというものであると解し、委託契約等は更新されず保証期間満了により終了したと認定して、賃料保証会社の請求を棄却した事例 |
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123 | H22.12.16 | 最高裁 |
土地の所有権が、贈与、相続により順次移転している場合に、真正な登記名義の回復を原因として、直接元所有者に持分移転登記手続を請求することは許されないとした事例 |
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124 | H22.11.29 | 東京地裁 |
戦時中に旧日本軍が造った地下壕が崩れ、住宅が住めなくなった等として、住宅の所有者が国に対し家の修理費等を請求した事案において、国の責任を認め、原告住民らの請求が一部認容された事例 |
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125 | H22.10.21 | 大阪高裁 |
内縁の夫と内縁の妻との間で、両名が同居していた内縁の夫所有の建物について、内縁の妻が死亡するまで同人に無償で使用させる旨の使用貸借契約が黙示的に成立していたとして、内縁の夫を相続した子供からの前記建物の明渡請求等が棄却された事例 |
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126 | H22.10.18 | 東京地裁 |
宅建業者の媒介で外国法人からマンションを購入した買主が、媒介契約に基づく重要事項説明違反および税理士の税務指導契約に基づく適切な税務指導義務や信義則上の注意喚起義務違反により、過大な税負担をした等として、債務不履行や不法行為による損害賠償請求をした事案において、税理士に支払われた報酬金は売買契約の情報提供に対する紹介料や謝礼金だから税務指導契約は成立せず、宅建業者や税理士に源泉徴収義務を指摘すべき信義則上の義務はないとした事例 |
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127 | H22.9.9 | 最高裁 |
土地の賃貸人及び転貸人が、転借人所有の地上建物の根抵当権者に対し、借地権の消滅を来すおそれのある事実が生じたときは通知をする旨の条項を含む念書を差し入れた場合に,上記通知の不履行を理由に損害賠償責任を負うとされた事例 |
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128 | H22.9.2 | 東京地裁 |
賃借人が賃借した居室を無断で第三者に転貸ないし占有させたところ、当該第三者が居室内で自殺したことにより、居室の原状回復に費用を要するとともに、新規賃借人入居のために賃料を減額せざるを得なかったとして、賃貸人が賃借人に対して債務不履行に基づき損害賠償を請求し、連帯保証人に対しては保証債務の履行を求めた事案において、賃貸人の請求が一部認容された事例 |
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129 | H22.8.31 | 大阪高裁 |
5年間で償却する約定で600万円の入居金を支払って被控訴人の高齢者用介護サービス付賃貸マンションに母親を入居させていた控訴人が、賃貸借契約の終了に伴い、入居金の返還を求めた事案の控訴審において、入居金の法的性格は、居室への入居の対価及び入居後の医師・看護師らによるサービスの対価としての性格を併有するところ、被控訴人が対価に相当するサービスを提供しておらず、本件約定は消費者契約法10条により無効であるとして、控訴人の入居金返還請求を認めた事例 |
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130 | H22.8.25 | 東京地裁 |
訴外A社から不動産を購入する契約をした買主Xが、A社の媒介業者Y1の担当者Y2に対し融資利用の特約に基づき売買契約を解除する旨通知したにも拘らず、Y2がA社にそれを伝えなかったためA社に交付済みの手付金の返還を受けられなくなったとして、Y2に対しては不法行為に基づき、Y1に対してはその使用者責任に基づき、手付金相当額の損害賠償を求めた事案において、Y2にはXがX側媒介業者を通じて行った解除の意思表示をA社に伝えるのを怠った任務懈怠行為は無かったとしてY2の不法行為を認めず、Y1の使用者責任も生じないとして、Xの請求を棄却した事例 |
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131 | H22.7.20 | 最高裁 |
本件は、土地家屋の売買業等を営むY1(法人)の代表取締役Y2らが、Y1の業務に関し、Y2らが弁護士でなく、Y1が弁護士法人でもないのに、報酬を得る目的で、業として、A社から委託を受けて、A社の所有するビルの賃借人らと立退交渉を行い、賃貸借契約の合意解除契約を締結するなどして明渡を受けたという弁護士法72条(非弁護士の法律事務の取り扱い等の禁止)違反の事案である。1・2審ともに同条違反の罪の成立を認めたため、Y1らが上告したが棄却された事例 |
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132 | H22.7.15 | 東京高裁 |
同一建物に居住し、その敷地を共有する者の間で、土地建物を分割し、一方が分割取得した建物部分を取り壊し、その敷地部分を第三者に譲渡した場合において、租税特別措置法35条1項の要件を満たすとして、原判決を取り消し、控訴人の請求を認容した事例 |
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133 | H22.6.29 | 東京地裁 |
土地売買契約の買主が、土壌に鉛が検出される等瑕疵が存在するため、瑕疵担保責任を理由として売買契約を解除し、売主に対し代金等の返還等求めた。一方、売主(法人)は、売買契約において、瑕疵担保責任の追及は引渡日から3か月以内にしなければならないとする特約があり、買主の瑕疵担保責任の追及が3か月経過後であったため、買主の請求は認められないとして争ったが、同瑕疵免責特約は、消費者契約法10条に違反する無効なものであるなどとして、買主の鉛等の除却費用の請求を一部認容した事例 |
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134 | H22.6.11 | 東京地裁 |
賃借人である原告が、敷金の返還、原状回復工事代金の償還、支払った違約金の返還等を求めた事案において、賃借人の原状回復義務はないとし、賃借人の行った補修工事について事務管理として費用償還を認め、また違約金条項が消費者契約法10条により無効であるとした事例 |
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135 | H22.5.28 | 大阪地裁 |
家賃を滞納していた借家人である原告が、家賃保証会社である被告の従業員から違法な取立行為等を受けたなどとして、損害賠償を求めた事案において、従業員は、「督促状」という表題だけを見えるようにした書面を原告の居室の玄関ドアに貼り付けたことなどが認められ、社会通念上相当とされる限度を超える違法な取立行為であるなどとして、請求を一部認容した事例 |
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136 | H22.3.24 | 東京地裁 |
別荘地の開発分譲業者より団地内の私道等共益施設を譲り受け、管理業務を引き継ぎ行っている管理業者が、共益管理契約の締結を拒否している団地内の別荘地所有者に対し管理費の支払いを求めた事案において、別荘地所有者と開発分譲業者、または管理業者との間に管理費の負担に関する契約や規約等に基づく法律関係の成立は認められないとしてその請求を棄却した事例 |
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137 | H22.3.9 | 東京地裁 |
いわゆる公図混乱地域における土地を購入した買主が公図上の土地所有者から土地明渡しを求められたことから、売主及び仲介業者に対し契約解除、損害賠償等を求めた事案において、将来所有権をめぐる紛争が生じる可能性が存することは瑕疵であるとして、仲介業者に対する説明義務違反を理由とする損害賠償請求の一部を認め、売主に対する契約解除及び損害賠償請求等は、当該瑕疵は売買目的を達成できない程ではなく、また損害賠償請求権は除斥期間経過により消滅しているとしてその請求を棄却した事例 |
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138 | H22.2.22 | 東京地裁 |
建物の賃貸借契約において2年ごとの更新の際に賃料の1か月分の更新料を支払うとする更新料特約が消費者契約法10条に反せず有効とされた事例 |
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139 | H22.1.28 | 東京地裁 |
原告Xが、建物賃貸借契約上の連帯保証人の相続人である被告Yに対し、連帯保証債務履行請求権を行使した事案において、賃料の未払が保証人の死亡後に発生したとしてもYが連帯保証契約に係る債務を承継するとし、請求を全部認容した事例 |
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140 | H21.11.10 | 東京地裁 |
原告(会社)の代表取締役が認知症により事理弁識能力を欠く常況にあったことを利用して、借地権がないものとして建物を売却し、借地権相当額の損害を与えたとして、被告に対し、不法行為に基づき損害賠償を求めた事案において、当該代表取締役は本件売買契約当時、事理弁識能力に低下はあったものの、それを欠く常況にはなかったとして、損害賠償請求が棄却された事例 |
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141 | H21.11.4 | 東京地裁 |
居住用家屋の一部を取り壊して、当該部分に係る敷地を譲渡した場合、取壊しが譲渡に必要な限度のものであり、かつ、取壊しによって残存部分が居住の用に供し得なくなったときには、租税特別措置法35条1項による居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除を受けることができるとしつつ、取壊し後も残存家屋部分を居住の用に供することができていること等を理由に、その適用を認めなかった事例 |
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142 | H21.10.29 | 東京地裁 |
認知症に罹患していたXから土地・建物を購入したY1およびY1から転売を受けたY2に対し、X(成年後見人Z)から、X-Y1間の売買は無効であり、よってY1とY2間の売買契約も無効であるとして、所有権移転登記の抹消を求め認められた事例 |
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143 | H21.10.29 | 大阪高裁 |
建物賃貸借契約における更新料特約の約定は消費者契約法10条又は民法90条に反し無効と主張し、過去に支払った更新料の返還を求めた事案において、本件更新料特約は消費者契約法10条に反せず有効とした事例 |
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144 | H21.10.29 | 東京高裁 |
貸主が、借主に対し、定期建物賃貸借契約の債務不履行による解除を理由として、建物の明渡しを求めるとともに、未払賃料並びに約定に係る賃貸借期間満了までの賃料相当額の損害賠償等を求めるなどした事案の控訴審において、雨漏りの理由により賃料の支払い義務はないとし、貸主の解除は許されないとした借主の主張を認めず、貸主からの契約解除による建物明渡し、未払賃料請求についてはほぼ原審どおり認容したが、約定の違約金については、建物明渡し完了後6か月分を上回る期間満了までの賃料相当分の損害金請求を暴利行為として否定し、原判決を変更した事例 |
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145 | H21.9.30 | 京都地裁 |
適格消費者団体(原告)が、不動産賃貸業及び不動産管理業を目的とする事業者(被告)に対し、いわゆる「定額補修分担金条項」が消費者契約法10条に反して無効であるとして、消費者団体訴訟制度に基づき提起した訴訟において、1)定額補修分担金条項は、信義則に反して消費者の利益を一方的に害する、2)その額を問わず一律に当該条項自体の使用を差し止めるのが相当である、とされた事例 |
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146 | H21.9.18 | 東京地裁 |
住宅の賃貸借契約においてハウスクリーニング費用及び鍵交換費用を賃借人が負担する旨の特約が、有効に成立しており、消費者契約法10条に規定する条項にも該当しないとして、有効とされた事例 |
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147 | H21.8.27 | 大阪高裁 |
建物賃貸借契約における更新料特約の約定は消費者契約法10条又は民法90条に反し無効と主張し、過去に支払った更新料の返還を求めた事案において、原判決は賃借人の訴えを棄却したが、本件更新料特約は消費者契約法10条に反し無効とした事例 |
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148 | H21.7.23 | 京都地裁 |
居住用建物の賃貸借契約における保証金の敷引特約(保証金35万円に対し敷引金30万円)及び更新料特約(契約期間2年に対し賃料2カ月分)が、消費者契約法10条により無効であるとされた事例 |
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149 | H21.7.16 | 最高裁 |
相手方らが立入禁止等と記載した看板を被告人方建物に取り付けようとすることによって被告人らの上記建物に対する共有持分権、賃借権等や業務、名誉に対する急迫不正の侵害に及んだのに対し、上記権利等を防衛するために被告人が相手方の胸部等を両手で突いた暴行が刑法36条1項にいう「やむを得ずにした行為」に当たるとされた事例 |
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150 | H21.3.6 | 東京地裁 |
不動産業者間で土地建物売買を行い、買主が土壌調査を行ったところ鉛によって汚染されていることが判明し、隠れた瑕疵に該当するとして売主に損害賠償を求めたが、売主から、引渡し後6か月を経過しており、商人である買主は商法526条により瑕疵担保の請求をすることができないとして請求を拒否された事案において、商法526条は不動産取引にも適用され、同条3項は売主の悪意を定めたもので売主に重過失があることを含めていない、また、宅地建物取引業法40条は瑕疵担保責任の特約がない場合には適用されないとして、買主の請求を棄却した事例 |
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151 | H21.3.2 | 東京地裁 |
宅建業者売主から土地区画整理事業の施行区域内にある仮換地指定がされた土地を購入したところ、土地区画整理組合の総会決議に基づく賦課金の納付を余儀なくされたため、売主は売買契約の締結に際して説明義務を怠った等と主張して、債務不履行又は不法行為に基づき、賦課金相当額の損害賠償を求めた事案につき、売主には賦課金について具体的に説明すべき義務があったのにこれを怠った債務不履行があるなどとして、請求が一部認容された事例 |
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152 | H21.2.19 | 名古屋高裁 |
土地の所有(共有)名義人に対する真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続請求訴訟の確定勝訴判決を得た者が同手続未了の間は、抹消予告登記が残存し、所有名義人は外観上も真の権利者であるとは言えないから、同名義人から根抵当権設定登記を受けた者は、勝訴権利者に対し、外観を信頼した者を保護するための民法94条2項の類推適用を主張できないとされた事例 |
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153 | H20.12.26 | 東京地裁 |
私道の境界に争いがあり、位置指定道路の幅員が認定どおり4m確保されるかが不明の状態となっていることは重要な瑕疵であり、物件引渡しまでに当該瑕疵を解消しなかったのは債務不履行であるとして、宅建業者売主に対し買主がなした契約解除及び売買契約に基づく違約金の支払い請求が認容された事例 |
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154 | H20.12.24 | 東京地裁 |
90歳の高齢者が所有不動産に関し著しく不利な条件で締結した売買契約について、契約を締結したことはなく、売却代金も受け取っていない、仮に締結していたとしても、契約当時意思能力を欠いていたから無効であると主張して、所有権移転登記と根抵当権設定登記等の抹消登記手続を求めた事案において、契約の締結については認定の上、売主は契約当時意思能力を欠いていたとして売買契約を無効とし、意思能力を欠いていた売主が買主名義の所有権移転登記の作出に積極的に関与したと評価するのは相当でないとして、民法94条2項の類推適用を否定し、所有権移転登記及び根抵当権設定登記等の抹消登記手続を認めた事例 |
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155 | H20.12.17 | 東京高裁 |
建売住宅にあらかじめLPガス設備等を設置したLPガス供給業者が、建売住宅購入者との間で締結した当該設備等に関する貸与契約に基づき中途解約による補償費の支払いを求めた事案において、補償費全額が消費者契約法9条1項に反し無効とされた事例 |
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156 | H20.12.11 | 最高裁 |
遺産分割調停調書に、相続人が遺産取得の代償としてその所有する建物を他の相続人に譲渡する旨の条項がある場合において、上記調書を添付してされた上記建物の所有権移転登記申請につき、登記原因証明情報の提供を欠くことを理由に却下した処分が違法とされた事例 |
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157 | H20.11.27 | 東京地裁 |
土地売買の所有権移転手続において、権利証がなかったことから、本人確認情報提供制度に基づき、司法書士が運転免許証により本人確認を行ったが、その免許証の外観、形状の確認が不十分なものであり、偽造運転免許証であることを発見できなかった過失があるとして、不法行為責任が認められた事例 |
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158 | H20.10.22 | 東京地裁 |
弁護士資格を有しない者らが、所有者から所有権及び賃貸人たる地位を取得したように仮装し、不動産の立ち退き交渉等を業として行った案件について弁護士法違反(非弁行為)に該当するとされた事例。また、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律により、業務委託料等名目で交付された金額より費消された立ち退き料等経費控除後の報酬等が犯罪収益として没収・追徴された事例 |
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159 | H20.10.15 | 東京地裁 |
別荘地を購入した買主が宅建業者売主に対し、売買契約の際に、別荘地隣接地域に産業廃棄物の最終処分場等の建設計画があることの説明を受けなかったことが消費者契約法上の不利益事実の不告知に該当し、不法行為にも該当するとして、売買契約の取消と損害賠償等を請求した事案において、買主の請求が認められた事例 |
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160 | H20.9.30 | 京都地裁 |
賃借人が、賃貸人に対して礼金18万円の返還を求めた事案において、礼金約定が信義則に反して消費者の利益を一方的に害するような事実は認められないから、礼金特約が消費者契約法10条に反し無効であるということはできないとされた事例 |
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161 | H20.6.11 | 和歌山地裁 |
港湾の埋立てにより開発された造成地に木造住宅を建築するにあたり、地盤の状況を確認せず、本来杭基礎を用いるべきところに漫然とベタ基礎を採用して不同沈下した事案において、取り壊して建て替えるほかに相当な修理方法がないとして、設計施工業者、その代表取締役及び担当建築士に対し新築代金を大幅に上回る額の損害賠償が認められた事例 |
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162 | H20.4.30 | 京都地裁 |
定額補修分担金特約が消費者契約法第10条に該当し無効であるとして、同特約に基づき支払われた金員の返還請求が認容された事例(控訴審 H20.11.28 大阪高裁 控訴棄却) |
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163 | H20.4.14 | 最高裁 |
集落住民の入会権につき、財産管理を目的とする区が明治期に成立した以後は、共有としての性質を喪失し、地役権としての性質を有するものとして存続した後、入会地の使用収益をする者の消滅に伴い、時効により消滅したと認定された事例 |
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164 | H20.4.11 | 最高裁 |
公務員宿舎である集合住宅の1階出入口から各室玄関前までの部分及び門塀等の囲障を設置したその敷地が刑法130条(邸宅侵入罪)の客体に当たり、各室玄関ドアの新聞受けに政治ビラを投函する目的で立入った行為を同条の罪に問うことができ、そのことは憲法21条(表現の自由)に違反しないとされた事例 |
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165 | H20.3.28 | 福岡高裁 |
マンションの一室の購入者が残代金を約定期日に支払わなかったとして、マンション分譲業者が、売買契約の違約金特約に基づき違約金の支払いを求めたところ、当該違約金特約は、消費者契約法は適用されないが、違約金額728万円は本件売主に生じる損害に比して不当に過大であり、信義則に照らして違約金額は400万円と認めるのが相当であるとされた事例 |
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166 | H20.3.14 | 東京地裁 |
共同住宅を建築するための建築確認申請に対し指定確認検査機関が建築確認処分を行ったところ、近隣住民らが、接道義務を満たすための道路と容積率の基準となる道路は同一でなければならないにも拘らず、異なる道路によって判断した建築確認処分は違法であるとして取消を求めた事案において、接道義務を満たす道路と容積率の基準となる道路は同一である必要はないとされた事例 |
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167 | H20.2.21 | 広島地裁 |
市営住宅の管理者が、賃料不払いを理由に賃貸契約を解除のうえ、賃貸借契約上の連帯保証人に対し、約10年分の未払い賃料等の支払いを求めた事案において、その請求は権利の濫用であるとして棄却された事例 |
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168 | H20.1.30 | 京都地裁 |
家賃4万5,000円、1年契約、更新時に10万円の更新料を支払うとする居住用の建物に関する賃貸借契約について、更新料支払いの約定は、民法90条又は消費者契約法10条に反し無効であると主張し、借主が、既払いの更新料50万円の返還を求めた事案において、当該約定が無効であるとはいえないと判断された事例 |
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169 | H20.1.25 | 東京地裁 |
自宅新築工事に関する設計監理契約を締結した建築主が、設計会社の作成した設計図書及び工事監理に不備があったことにより、建物に重大な瑕疵が発生し、その補修費等の損害を被ったとして、損害賠償を求めた事案において、設計監理者の不法行為責任を一部認容した事例 |
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170 | H19.12.11 | 東京高裁 |
民間分譲マンションの各住戸ドアポストに政治ビラを投函する目的でマンションの共用部分に立ち入った行為が、住居侵入罪に該当するとされた事例 |
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171 | H19.11.7 | 京都地裁 |
マンションの建設に反対する周辺住民らが、工事が完了し検査済証が交付されたマンションの建築確認の取消し、建築物の一部除去命令等を求めた事案において、訴えの利益を欠くなどとして請求が却下された事例 |
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172 | H19.10.10 | 東京地裁 |
木造・一部鉄筋コンクリート造の住宅用建物を新築した注文者が、入居後シックハウス症候群に罹患したことについて、建築請負業者に安全配慮義務違反等があるとして損害賠償を求めた事案において、建築請負業者に債務不履行や不法行為に当る事実があると認めることはできないとして請求を棄却した事例 |
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173 | H19.9.27 | 大阪高裁 |
敷地に容積率上限に近い建物を建築した後に、その敷地の一部を売却して返済資金を調達する計画を提案した建築会社の担当者に、建築基準法に係わる問題についての説明義務違反があり、建築会社を紹介し、共同提案していた銀行の担当者にも同様の説明義務違反があるとされた事例 |
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174 | H19.9.26 | さいたま地裁 |
パチンコ遊技店を経営する法人が、市農業委員会に行った農地転用許可申請を必要書類の不足を理由に受理されなかったことから、県知事に対し、主位的請求として不受理処分の取消を、予備的請求として申請に対し相当期間内に処分しなかったとして不作為の違法確認を求めた事案において、農業委員会は知事の一機構ではなく、農業委員会から知事に申請書が送付されていないため知事の処分は存しない等として、不受理処分の取消が認められなかった事例 |
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175 | H19.9.21 | 名古屋地裁 |
建築請負契約の目的物に工事途中でも瑕疵がある場合には、注文者は、瑕疵の程度や各契約当事者の交渉態度等に鑑み信義則に反すると認められるときを除き、その瑕疵への対応が適切になされるまでは、履行期が到来した報酬についてもその支払を拒むことができ、これについての履行遅滞の責任を負わないとされた事例 |
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176 | H19.8.29 | さいたま地裁 |
資材置場として利用している土地の所有者に対する土地区画整理組合が行った仮換地処分が、照応の原則や公平原則等に違反するとして、処分の取り消しを求めた事案において、照応の原則には違反しないとされた事例 |
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177 | H19.8.10 | 東京地裁 |
賃貸アパート内において自殺した賃借人の相続人及び連帯保証人に対して、賃貸人が賃貸借契約の債務不履行及び連帯保証契約に基づき損害賠償を請求した事案において、自殺は借主の善管注意義務違反にあたるとして当該貸室に関する損害賠償を一部認めたが、賃室以外の部屋の逸失利益については否定した事例 |
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178 | H19.7.25 | 東京地裁 |
宅建業者が、営業保証金として国債を供託していたところ、東京都知事から、当該国債の時効消滅により営業保証金が不足したとの通知があったため、主位的には、供託は消滅時効の進行を妨げるので時効消滅していないと主張し、予備的に、知事は営業保証金として供託された有価証券の時効管理義務を負うべきと主張したが、いずれも認められなかった事例 |
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179 | H19.7.18 | さいたま地裁 |
不動産売買に基づく所有権移転登記手続について、売主より嘱託を受けた司法書士に、売主の所有権移転登記意思の確認を怠った過失がある場合に、買主に対し不法行為に基づく損害賠償責任があるとされた事例 |
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180 | H19.7.6 | 最高裁 |
建物所有者が、当該建物の設計者、施工者及び工事監理者に対して、ひび割れ等の瑕疵があるとして、不法行為に基づく損害賠償を請求した事案において、設計者らは建物としての基本的な安全性が欠けることがないように配慮すべき注意義務を負い、これを怠ったために瑕疵があり、それにより居住者等の生命、身体又は財産を侵害した場合には、その損害について賠償責任を負うとされた事例 |
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181 | H19.6.15 | 東京地裁 |
中間省略登記申請について、申請情報と登記原因証明情報の不一致を理由として申請を却下した登記官の処分が適用とされた事例 |
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182 | H19.4.26 | 東京地裁 |
相続等による共有物について、単独所有後は第三者に売却することを希望する共有者と、その土地に建物を建てて居住することを希望する共有者の間で、それぞれが全面的価格賠償の方法による分割を求めた事案において、全面的価格賠償の方法により共有物を分割することを認めた上で、第三者に売却し換金することを希望する共有者よりも、先代の遺産でありその土地を残したいとする共有者の単独所有とすることを優先させるのが相当と判断した事例 |
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183 | H19.4.26 | 東京高裁 |
競売物件の情報提供を業とする事業者が、その会員となって競売物件を買い受けた者との間で、競売物件の占有者の退去、共有物分割訴訟の準備等に関して締結した請負契約が弁護士法第72条に違反し、民法第90条により無効とされた事例 |
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184 | H19.4.20 | 京都地裁 |
賃貸借契約に敷金の一部を返還しない旨のいわゆる敷引特約が付されており、敷金の85%余りを返還されなかった借主から、敷引特約が消費者契約法10条により全部無効であるとして、賃貸人に対し、敷引金の返還を求めた事案において、敷引特約は消費者契約法10条により無効とされた事例 |
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185 | H19.3.30 | 大阪地裁 |
居住用建物賃貸借において、賃貸人の代表者が貸室のクーラーを修理するために賃借人に無断立入りしたことについて、賃借人が賃貸借契約を解除するとともに無断立入りが債務不履行ないし不法行為に当たるとして慰謝料等を請求し、併せて保証金40万に対し敷引金25万円は消費者契約法10条により無効であるとしてその返還を求めた事案において、賃借人による契約解除は否定され、慰謝料請求の一部及び敷金返還請求の一部が認められた事例 |
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186 | H19.3.30 | 名古屋地裁 |
建築工事の請負業者が、基礎工事のやり直しを拒否したことから、請負契約の解除に至ったため、施主が、請負業者に対して、原状回復と損害賠償を求めた事案において、建築工事請負契約の仕事完成義務の履行不能に基づき同契約を解除することができると解するのが相当と判断し、原状回復請求および損害賠償請求の一部が認容された事例 |
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187 | H19.3.7 | 岐阜地裁 |
農地転用届出受理処分は、農地所有者に無断でなされた届出に基づいて行われたもので違法であるとして、その取消しを求めた事案において、農地所有者の意思に基づかないでなされた無効な届出であり、これを受けてなされた受理処分は違法であると判断し、農地転用届出を受理した処分の取消し請求が認容された事例 |
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188 | H19.2.22 | 東京地裁 |
建築基準法42条2項道路(いわゆる「みなし道路」)の所有者が、近隣土地所有者等が自己所有の私道の通行権を有しないことの確認(通行権不存在確認)及び通行の禁止を求めた事案において、通行禁止を求めることは、特段の事情のない限り、権利の濫用であって許されないとして棄却した事例 |
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189 | H19.2.15 | 大阪地裁 |
開発許可等の処分を行った市に対し、対象開発区域の周辺居住者らが、開発行為が都市計画法に反すると主張して、違反是正命令を出すことを求めた行政事件訴訟が、周辺居住者らに重大な損害が生ずるおそれがあるとはいえないとして却下された事例 |
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190 | H19.2.9 | さいたま地裁 |
(1) 数筆の水田の盛土工事に起因する隣地建物の不同沈下について、盛土工事の発注者である各水田所有者らの共同不法行為責任が認められた事例。 |
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191 | H19.1.25 | 福岡高裁 |
共用通路のみを使用して公道への出入りを行っている共有者の一方が、他の経路でも公道への出入りを行っている共有者の他方に対し、通路に関する共有物の分割を求めた事案において、一審で請求が認容され二審で否認された事例 |
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192 | H18.11.28 | 東京高裁 |
土地賃借人が、同じく隣接地を賃借している賃借人に対し、賃借権の確認と建物の一部収去・土地明渡しを求めた事案において、係争地の一部についての時効取得を認容した事例 |
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193 | H18.11.14 | 最高裁 |
代位弁済をした保証人が、原債権及びその担保権を代位行使し、担保不動産の差押債権者の地位承継を執行裁判所に申し出た場合には、承継申出の主債務者への通知がなくても、求償権の消滅時効が不動産競売手続完了までの間中断するとされた事例 |
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194 | H18.11.8 | 京都地裁 |
住宅賃貸借契約における敷引特約が消費者契約法第10条に照らし無効とならないためには、敷引の目的、敷引金の性質、敷引率が合理的であり、かつ賃借人がこれを十分に理解・認識した上で敷引特約を合意したことが必要であるが、それにはあたらないとされた事例 |
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195 | H18.9.15 | 名古屋地裁 |
建物の設計及び施工を請け負った者が、請負契約に付随する債務の履行を怠ったことが注文者に対する信頼関係を破壊するとして請負契約の解除が認められた事例 |
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196 | H18.9.14 | 最高裁 |
賃借人から建物明渡しに関する交渉の依頼を受けた弁護士が、賃貸人から受け取った造作買取代金、追加金を依頼者に報告しなかったことが弁護士法所定の「品位を失うべき非行」に該当するとされた事例 |
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197 | H18.9.5 | 福岡高裁 |
建築業者が占有している土地は、神社の土地として購入した自分の土地の一部であるとし明け渡しを求めたところ、時効取得等を理由に拒否された事案において、第三者との和解により本件係争地の一部を購入しているので背信的悪意者ではないと判断された事例 |
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198 | H18.9.4 | 最高裁 |
建設大臣が都市計画公園とする決定に、隣接する国有地でなく民有地を区域に定めた行為が裁量権の範囲を逸脱・濫用に当たらないとした判断に違法性があるとされ差し戻された事例 |
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199 | H18.8.29 | 大阪高裁 |
不動産の贈与を受けた者は、その旨の所有権移転登記を経なければ、包括遺贈により当該不動産を取得した者に対して所有権取得を対抗できないとされた事例 |
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200 | H18.7.19 | 東京高裁 |
抵当証券交付申請書に添付することを目的とするゴルフ場の鑑定評価につき、ゴルフ場に収益還元法を適用する上で実務的な困難が指摘されていたこと、収益還元法自体が実務に定着していなかったことを認定して、原価法のみによる鑑定評価を行ったことに違法性がないとされた事例 |
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201 | H18.6.28 | 千葉地裁 |
共有物を分割する際に全面的価格賠償方式を採用するには現物分割が不可能なことは必ずしも必要なく、裁判所は、もろもろの要素を総合的に考慮して現物分割方式と全面的価格賠償方式のいずれを採用するかを裁量的に決定することができるとされた事例 |
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202 | H18.6.14 | 東京高裁 |
宅建業者が買主のために土地を一旦買取り、当該買取った土地をいわゆる建築条件付土地として買主に転売することを内容とした「新築希望土地買取依頼契約」について、買主の契約の撤回に対する宅建業者の損害賠償請求が争われた事案において、当該「新築希望土地買取依頼契約」は請負契約であり、売買契約とはいえないから宅地建物取引業法の適用はないとされた事例 |
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203 | H18.6.12 | 最高裁 |
建築後に土地の一部を売却すると容積率制限を越える違法建築物となり、また当該土地購入者も敷地の二重使用となって建築確認取得に支障が出る敷地について、その一部を売却することがもともと困難である点を説明しなかった建築会社及び銀行が「説明義務」違反を理由に不法行為または債務不履行に基づく損害賠償を請求された事案において、建築会社には説明義務違反があるとされ、銀行にも説明すべき信義則上の義務を肯認する余地があるとされた事例 |
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204 | H18.5.30 | 大阪地裁 |
資産の流動化に関する法律に基づく特定目的会社(SPC)に対し、売主が不動産を売却したのに同社の資金調達ができず契約解除になった事案において、売主が同社の取締役の任務懈怠を主張したが、これを否定した事例 |
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205 | H18.4.18 | 東京高裁 |
傾斜地を利用したいわゆる「地下室マンション」に対してした建築確認処分の取消しを請求した事案において、一審は取消を認めたが、二審は「建物は完成済であり建築確認の取消しの訴えの利益は失われる」として請求を棄却した事例 |
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206 | H18.2.27 | 東京地裁 |
納豆製造販売会社が、原子力発電関連施設の臨界事故により、実際の商品に汚染等はなかったが、新聞報道等による風評被害により、売上が減少する損害が生じたとして損害賠償を請求した事案において、事故と原告の営業損害との間に一定限度で因果関係が認められるとして、その請求を一部認容した事例 |
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207 | H18.2.23 | 最高裁 |
不実の所有権移転登記がされたことにつき、所有者が当該移転登記の抹消を請求した事案において、不動産の権利証を預け、売買の意思がないのに売買契約書に署名押印するなど所有者にも重い帰責性があるとして、民法94条2項、110条を類推適用すべきものとされた事例 |
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208 | H18.2.2 | 福岡地裁 |
マンションの売買につき、眺望に関する説明が事実と異なるとして売買契約の解除を求めた事案において、売主業者の説明義務違反を理由に売買契約の解除が認められた事例 |
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209 | H18.1.27 | 甲府地裁 |
建物建築工事の下請人が、みずから材料を提供して建築した建物について、その所有権を主張し、注文者等に対して所有権確認等の訴えを提起した事案について、注文者はすでに請負代金全額を元請人に支払っており、建物の所有権は注文者に帰属するとして請求が棄却された事例 |
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210 | H17.12.28 | 東京地裁 |
設計・監理契約を締結した建築設計事務所に、建築士の有資格者が存在せず、建築士事務所としての登録が欠けていたため、建築設計事務所に対して不法行為に基づく損害賠償を請求した事案において、資格を有する者の監理を受ける機会を逸したことによる精神的損害についての損害賠償請求が認容された事例 |
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211 | H17.12.21 | 大阪地裁 |
司法書士である被告人が、依頼者と共謀して痴呆状態にある土地の所有者に無断で、所有権移転登記を経由するため、本人名義の委任状や「登記原因証明情報」を偽造・行使し、登記官に虚偽の「本人確認情報」を提供した事案において、専門家としての司法書士の職業倫理に甚だしく背き、不動産登記法の改正により新設された制度を早くも悪用したなどと指摘して、懲役1年3カ月の実刑判決が言い渡された事例 |
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212 | H17.12.15 | 最高裁 |
相続を原因として共同相続人の1人に対してなされた所有権移転登記が、実体関係に符合しないとして他の相続人が是正を求める方法として、更正登記手続の方法によることはできず、当該登記の全部抹消登記手続によるべきものとされた事例 |
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213 | H17.12.5 | 東京地裁 |
マンションの売買契約において、建物の本来備えるべき品質として環境物質対策基準に適合していることが含まれるとされ、厚生省(当時)指針値を超えるホルムアルデヒド濃度の建物につき、売主の瑕疵担保責任が肯定された事例 |
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214 | H17.12.5 | 大阪地裁 |
登記官には登記済証の受付日に使用されていた登記済印の印影と登記済証上の登記済印の印影との同一性を確認する注意義務があり、司法書士には、特段の事情がない限り、登記済印の印影の真正さを確認する注意義務はないとされた事例 |
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215 | H17.11.29 | 東京地裁 |
抹消された抵当権が、抵当権抹消登記回復登記手続の承諾請求訴訟の結果、回復登記され、根抵当権設定登記が後順位となり、その後の競売による配当が少額になったことから、抵当権の抹消手続の依頼者が、抵当権の抹消手続申請に際し、司法書士事務所の職員が登記済証の真否、登記意思の確認を怠った過失があったとして、司法書士に対して損害の賠償を求めた事案において、司法書士の不法行為責任が認められた事例 |
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216 | H17.11.29 | 東京簡裁 |
貸室明け渡しの際、自然損耗等についての原状回復義務を、借主が負担する旨の合意は、消費者契約法10条に該当し無効とした事例 |
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217 | H17.10.28 | 札幌地裁 |
賃貸マンションに施工上の瑕疵があるとして、工事の建設会社並びにその代表者及び設計監理者の連帯責任を認容したが、建築主に建設会社を紹介した取引主任者の責任までは認めなかった事例 |
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218 | H17.10.20 | 東京高裁 |
都市計画道路を11mから17mに拡幅するという都市計画の変更決定が、都市計画に関する基礎調査の結果自体が客観性、実証性を欠くものであり、不合理な現状の認識及び将来の見通しに依拠して為されたものであることから、都市計画法(平成9年法律第50号による改正前のもの)第13条第1項第14号、第6号の趣旨に反して違法であるとして、同法第53条第1項に基づき上記変更決定による都市計画道路の区域内に建築物を建築することの許可を申請した者に対して為された建築不許可処分が取り消された事例 |
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219 | H17.10.20 | 広島高裁 |
集落住民の入会権につき、財産管理を目的とする区が明治期に成立した以後は、共有としての性質を喪失し、地役権としての性質を有するものとして存続した後、入会地の使用収益をする者の消滅に伴い、時効により消滅したと認定された事例 |
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220 | H17.10.5 | 神戸地裁 |
他人の債務の連帯保証人がその財産を配偶者に移転した行為が、離婚を前提とした財産分与として相当なものと認められること、主たる債務者の財産によって債権全額を弁済することが可能であると連帯保証人が考えることが不合理でないことをもって、詐害行為取消権の対象とならないとされた事例 |
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221 | H17.9.28 | 名古屋地裁 |
建築請負契約の締結に際し仲裁契約がなされた事案において、建設工事紛争審査会による仲裁が訴訟に比較して消費者保護に欠けることはないとして、不法行為又は請負人の瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求の訴えを却下した事例 |
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222 | H17.9.21 | 東京高裁 |
不動産業者が分譲宅地を造成中に、原子力関連施設の臨界事故により周辺土地相場が下がったため、宅地の販売価格を下げせざるを得なくなったとして、原子力損害の賠償に関する法律第3条1項または不法行為に基づき損害賠償を請求した事案において、事故と宅地の価格下落との間に相当因果関係が認められないとして、その請求が棄却された事例 |
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223 | H17.9.8 | 最高裁 |
共同相続された不動産から生ずる賃料債権は、各共同相続人の持分に応じて分割単独債権として帰属し、その帰属は遺産分割の結果による影響を受けないとされた事例 |
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224 | H17.8.23 | 東京地裁 |
住宅の床下の除湿効果があると信じて締結された床下換気システムの設置工事契約について、動機の錯誤を認めるとともに、設置工事の際の床下の根がらみ(床束の転倒やぐらつきを防ぐために、床束相互間を結束する横木)切断、基礎部分の損傷に対する施工注意義務違反が認められ、契約無効に基づく代金返還請求と工事施工に当たっての注意義務違反による不法行為による修理代金相当損害金が認められた事例 |
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225 | H17.7.26 | 東京地裁 |
ビルの隣接地で大型開発プロジェクトを計画する建設会社が、近隣建物調査を実施するまで工事を開始しない旨合意したとして、当該ビルを所有する不動産会社がその合意の履行を求めた事案において、工事不着工の合意は成立していないとされた事例 |
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226 | H17.7.20 | さいたま地裁 |
宅建業者が、所有者の所有農地についての相続税につき、当該農地を用途転用した場合に納税猶予の特例制度の適用が打切られることを所有者に説明すべき義務がないとされた事例 |
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227 | H17.7.14 | 神戸地裁 |
建物明け渡しの際、保証金30万円より損傷の有無にかかわらず敷引金として25万円を差し引く「敷引」特約について、消費者契約法10条により無効とされた事例 |
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228 | H17.6.24 | 最高裁 |
指定確認検査機関による建築基準法6条の2第1項の確認に係る建築物について、同法6条1項の確認をする権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体は、指定確認検査機関の当該確認につき行政事件訴訟法21条1項所定の「当該処分又は裁決に係る事務の帰属する国又は公共団体」に当たると判示した事例 |
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229 | H17.6.9 | 大阪高裁 |
実質的な夫婦共有財産である不動産について、別居している夫が提起した代金分割の方法による共有物分割詰求が、その不動産に居住している妻、長女を苦境に陥れることにつながる等の理由により、権利濫用として認められなかった事例 |
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230 | H17.6.8 | さいたま地裁 |
売買により土地を取得した者が、当該土地に隣接する国の法定外公共財産及び県の普通財産について、取得時効を原因として所有権の確認を求めた事案において、取得時効は成立しないとされた事例 |
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231 | H17.5.30 | 名古屋高裁 |
分譲住宅地内の既存道路(建築基準法第42条第1項第3号道路)の所有者が、市が何らの権原もなしに自己の所有地に水道配水管を埋設させているとして、不法行為を原因とする損害賠償を求めた事案において、損害賠償請求は権利の濫用にあたるとして棄却された事例 |
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232 | H17.5.27 | 大阪地裁 |
指定確認検査機関に対する国土交通省近畿地方整備局長の建築基準法に基づく業務停止処分、監督命令処分は、建築基準法の解釈を誤ってされたものであり違法であるなどとして争われた事案において、いずれの処分も適法とされた事例 |
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233 | H17.5.10 | 青森地裁 |
原子力発電所予定地内の共有地につき、全面的価格賠償による共有地分割請求が認容された事例 |
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234 | H17.4.22 | 名古屋地裁 |
建築請負契約に基づき引き渡された建物に、地下鉄の騒音及び振動を伝搬する欠陥が存在するとして、債務不履行責任、不法行為責任及び瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求した事案において、一般的建築基準に違反するとはいえず、瑕疵があるとは認められないとして、損害賠償請求の訴えを棄却した事例 |
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235 | H17.4.20 | 大阪地裁 |
敷金特約について、通常損耗の修繕費用に充てられるものであり、控除される金額が相当で、これを考慮した上で賃料額が適正に抑えられている限り、必ずしも不当とはいえないとしながら、控除される割合が保証金額の80%に及ぶこと、入居期間の長短にかかわらず一律に定められていること、同水準の居室の通常損耗の修繕費用等と比較して、これを超える部分については、敷引特約の趣旨を逸脱したものであり、消費者契約法10条に違反して無効であるとされた事例 |
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236 | H17.3.31 | 東京高裁 |
昭和63年税制改正前の相続税対策(借入により取得した不動産の相続税評価額と借入金との差額分に対応する相続税額を負担しなくて済む。)を採用し、不動産物件を選定し、売買価格を決定し融資規模も決定するなど、融資拡大のために関与し働きかけた銀行担当者は、融資契約締結までの間に、本件税制改正により、被相続人が不動産取得後3年以内に死亡すれば、相続税対策としての効果がないことを説明すべき信義則上の義務があったのにこれを怠った為、銀行はその損害を賠償する義務があるとされた事例 |
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237 | H17.2.23 | 横浜地裁 |
建築主事が、マンションの建築計画について、建築基準法6条1項に基づき建築確認処分及び2度の計画変更の各確認処分をしたところ、建築予定地の周辺に居住する住民らが、同建築計画は開発行為を伴うので、これについて都市計画法29条1項に基づく開発行為の許可を受ける必要があるのにこれを受けていないから、各確認処分は違法であるとして、各確認処分の取消しを求め、裁判所がこれを認容した事例 |
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238 | H17.2.17 | 堺簡裁 |
建物賃貸借契約における敷引特約が一般に広く行われている状況の下で、賃借人が敷引条項の有無を選択して賃貸借契約を締結することが事実上極めて困難であったことも考慮し、敷引特約が消費者契約法第10条に照らし無効であるとされた事例 |
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239 | H17.1.28 | 大阪高裁 |
建物賃貸借契約において、自然損耗分の原状回復費用を賃貸人が負担するのは、民法第601条に規定する、賃貸人が賃借人に賃貸物を使用収益させる義務に含まれるとした上で、それを賃借人に負担させる特約が消費者契約法第10条に照らし無効とされた事例 (原審 H16.6.11 京都地裁 取判171) |
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240 | H17.1.27 | 福岡高裁 |
建物に不同沈下が生じたのは、建物の建築請負人が、建物敷地に地盤対策を行うことなく基礎を築いたためであるとして、注文者が請負人に対して、不法行為に基づく損害賠償および瑕疵修補に代わる損害賠償を求めた事案において、注文者に4割の過失があるとされた事例 |
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241 | H17.1.26 | 大阪地裁 |
建築工事が注文者の責めによらず中断された場合、既施工部分が続行工事に利用されても、注文者の既支払額と続行工事の請負代金額が当初の請負代金額を上回っている場合には、注文者は既施工部分利用による利益を受けていないとして、既施工部分に見合う請負報酬請求権が発生しないとされた事例 |
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242 | H16.12.17 | 大阪高裁 |
消費者契約法施行前に締結された建物賃貸借契約が、同法施行後に当事者の合意により更新された場合、更新後の賃貸借契約には消費者契約法の適用があるとされ、建物賃貸借契約に付された自然損耗及び通常の使用による損耗について賃借人に原状回復義務を負担させる特約は消費者契約法10条により無効であるとされた事例(第一審 H16.3.16 京都地裁 RETIO59-84) |
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243 | H16.11.17 | 大阪高裁 |
不動産所有者に無断で持分移転登記がなされていることを知りながら、所有者が破産宣告を受けた際にその持分を破産管財人に申告していなかったことをもって、所有者が不実の外観を承諾していたことが認められるとして、民法第94条第2項の類推適用により善意の第三者が保護された事例 |
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244 | H16.9.22 | 福岡地裁 |
売主業者が、マンションを販売する際、ペットの飼育に関して不適切な説明を行い、同マンションでのペットの飼育が可能であると誤信させてその売買契約を締結させたとして、同マンションの買主が損害賠償または不当利得の返還を請求したが棄却された事例 |
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245 | H16.9.15 | 大阪地裁 |
抵当証券の交付申請に際し、不動産鑑定士が行ったゴルフ場の鑑定評価について、その評価手法に不動産鑑定士の専門的裁量の範囲を超えた違法性があり、抵当証券の購入者に対する不法行為責任を免れないとされた事例 |
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246 | H16.9.7 | 東京高裁 |
遺言による相続分の指定に対し、遺留分減殺請求権が行使された場合において、まず遺言による相続分の指定に符合する登記を経由した後、遺留分減殺請求権の行使によって取得された持分につき一部持分移転登記手続をすべきものとされた事例 |
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247 | H16.8.31 | 東京高裁 |
都市計画法40条に基づき宅地開発区域内の公園用地が地方公共団体に帰属しているにもかかわらず、地方公共団体への所有権移転登記が経由されていないのに乗じて、開発業者の債権者らがこれを買い受け、所有権移転登記等を取得した事案において、このような買受人等は、背信的悪意者に該当し、地方公共団体の登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者に当たらないとされた事例 |
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248 | H16.8.6 | 東京地裁 |
所有者の名を騙った無権利者の売主から不動産を購入した買主が、司法書士に対して、登記済証及び印鑑登録証明書等が偽造文書であったにもかかわらず、それを看過して売主の本人確認を怠ったとして、債務不履行ないし不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、過失相殺を8割5分とする損害賠償請求が認められた事例 |
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249 | H16.7.13 | 最高裁 |
農地所有者が、その土地を耕作して占有する者に行った明渡し請求に対し、占有者が、本件土地は先代が賃借権を時効取得したものを相続したものであるとした事案において、農地の賃借権の時効取得については、農地法3条の規定の適用はなく、都道府県知事等の許可がなくても時効取得が認められるとされた事例 |
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250 | H16.7.6 | 大阪高裁 |
不動産が甲→乙→丙と転売された場合に、甲の登記名義回復請求に対し、丙は売買代金未返還を理由とする同時履行の抗弁権を主張できるとした事例 |
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251 | H16.7.5 | 東京簡裁 |
アパートの賃貸借契約に際し貸主が約束した補修義務を果たさないため、賃借人が契約を解除するとともに敷金等の返還を求めたのに対し、貸主は一旦授受された家賃等は返還を要しない契約特約があるとしてこれを争った事案において、当該特約条項は消費者契約法第10条に違反し無効である等として賃借人の請求が認められた事例 |
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252 | H16.7.2 | 東京地裁 |
マンション販売業者が、マンションの広告宣伝活動に当たり、ファッション雑誌標章と類似した標章を使用したことに対し、ファッション雑誌社等が不正競争防止法に違反するとして標章の使用差し止め及び損害賠償を請求した事案において、不正競争防止法違反の主張が認められた事例 |
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253 | H16.6.11 | 京都地裁 |
自然損耗分を含めた原状回復義務を賃借人負担とする特約が、原状回復義務の発生要件及びその具体的内容について客観性、公平性及び明確性を欠き、信義則に反する程度に消費者の利益を一方的に害するとして、消費者契約法第10条に照らして無効とされた事例 (控訴審 H17.1.28 大阪高裁 控訴棄却 取判173) |
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254 | H16.6.8 | 最高裁 |
土地売買契約の当事者双方から所有権移転登記手続についての代理を嘱託された司法書士が、本件土地について実体的所有関係を確定することができない等と述べて嘱託を拒んだことにつき、正当な事由がないとして、土地売主の司法書士に対する損害賠償請求が一部容認された事例 |
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255 | H16.4.23 | 最高裁 |
マンション管理組合が組合員である区分所有者に対して前所有者の延滞していた管理費及び特別修繕費を請求したのに対し、管理費等に係る債権が5年間の短期消滅時効を定める民法169条所定の定期給付債権に当たり、5年を経過した部分は時効により消滅しているとの区分所有者の主張が認容された事例 |
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256 | H16.4.22 | 神戸地裁 |
不動産媒介業者が、買主に対し不動産売買契約の媒介による媒介手数料の支払を求めたのに対し、買主が媒介業者による融資承認の段取りの悪さによって融資承認が遅れた等として媒介契約の解除を主張しこれを争った事案の控訴審につき、媒介契約が無催告解除される背信性の強い義務違反は認められないとして買主の控訴を棄却した事例 |
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257 | H16.3.16 | 京都地裁 |
消費者契約法施行前に締結された建物賃貸借契約が、同法施行後に当事者の合意により更新された場合、更新後の賃貸借契約には消費者契約法の適用があるとされ、建物賃貸借契約に付された自然損耗及び通常の使用による損耗について賃借人に原状回復義務を負担させる特約は消費者契約法10条により無効であるとされた事例(控訴審 H16.12.17 大阪高裁 控訴棄却 RETIO61-84) |
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258 | H16.1.23 | 前橋地裁 |
建物等の建築工事の注文者が、工事の請負人に対して、建築された建物には重大な瑕疵があるとして、請負人の瑕疵担保責任又は債務不履行責任に基づき、①建物の解体、再建築に要する費用相当額の賠償又は、②建物の瑕疵の修補に要する費用相当額の賠償を求めた事案において、請負人の瑕疵担保責任に基づき、①の賠償請求の一部を認容した事例 |
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259 | H15.12.11 | 神戸地裁 |
建築請負契約を締結した建築会社が、注文主が契約を一方的に破棄したと主張して、債務不履行に基づく損害の賠償を求めたのに対し、注文主の父が、建築会社に対して、本件請負契約は都市計画法上の開発・建築許可を得ておらず違法であること等により無効であり、内金その他の損害を被ったと主張して、不法行為に基づく損害の賠償を求める事案において、建築会社の損害賠償請求を認容し、注文主側の請求を棄却した事例 |
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260 | H15.11.14 | 最高裁 |
建築確認申請書に自己が工事監理を行う旨の実体に沿わない記載をした一級建築士が建築主に工事監理者の変更の届出をさせる等の適切な措置を執らずに放置した行為が、当該建築主から瑕疵のある建物を購入した者に対する不法行為になるとされた事例 |
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261 | H15.11.7 | 最高裁 |
金融機関の従業員が顧客に対し融資を受けて宅地を購入するように勧誘する際に、当該宅地が接道要件を具備していないことを説明しなかったことが、当該宅地を購入した顧客に対する不法行為を構成するとはいえないとされた事例 |
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262 | H15.10.31 | 最高裁 |
不動産の時効取得を原因とする所有権移転登記前に、前所有者によって設定された抵当権に対抗するため、起算点を後にずらして抵当権設定登記後の時効取得を主張・援用することができないとされた事例 |
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263 | H15.10.30 | 東京高裁 |
市が市道敷地を国の機関(道路法施行前)又は国の占有代理人(道路法施行後)として占有したことにより、国による時効取得が成立したこと及びその時効取得を市が援用することが認められた事例 |
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264 | H15.10.30 | 仙台地裁 |
マンションの建築予定地の近隣住民らが、当該計画が県条例の接道義務規定等に違反するなどとして、建築確認の取消しを求めて争ったが、一部の原告については原告適格が認められないとして訴えを却下した上、請求については、建築基準法又は県条例に違反しないとして棄却した事例 |
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265 | H15.10.28 | 東京地裁 |
金融業者が、貸付の担保として根抵当権設定仮登記等を設定することになっていた土地の所有者になりすました者に、貸付金を詐取されたことにつき、司法書士に担保権設定者が当該不動産の所有者本人であることを確認すべき義務を怠った過失があるとして求めた、不法行為に基づく損害賠償請求が棄却された事例 |
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266 | H15.10.16 | 大阪簡裁 |
定期建物賃貸借契約における敷引特約について、重要事項説明書において、敷引金額が記載されているだけで、その趣旨や内容が明示されず、転勤などやむを得ない事情で契約が中途で解除された場合にも、保証金(40万円)の75%(30万円)の敷引を行うという条項は、民法、借地借家法等の関連法規の適用による場合に比し、消費者の権限を制限し、義務を加重する条項であり、信義則に反して消費者の利益を一方的に害する条項であるとして、消費者契約法10条を適用し無効とされた事例 |
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267 | H15.10.10 | 最高裁 |
建物建築工事の請負契約において、耐震性の面でより安全性の高い建物にするため、主柱には特に太い鉄骨を使用することが約定され、これが契約の重要な内容になっていたにもかかわらず、建物請負業者が、注文主に無断で、請負契約の約定に反し、主柱工事に約定の太さの鉄骨を使用しなかったことから、使用された鉄骨が、構造計算上、居住用建物としての安全性を備えていたとしても、当該主柱の工事は、瑕疵にあたるとされた事例 |
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268 | H15.7.11 | 最高裁 |
不動産の共有者の1人は、共有不動産について実体上の権利を有しないのに持分移転登記を経由している者に対し、単独でその持分移転登記の抹消登記手続を請求することができるとされた事例 |
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269 | H15.6.24 | 大阪高裁 |
里道を代替地として提供され、その敷地を長年建物の敷地として使用占有し、里道としての形態が全く失われ使用されていることが明らかであることから、いわゆる公図上の国有里道について黙示の公用廃止を認め、取得時効の成立が認められた事例 |
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270 | H15.6.13 | 最高裁 |
不動産の所有者から交付を受けた登記済証、白紙委任状等を利用して不実の所有権移転登記がされた場合において、所有者が虚偽の外観の作出に関与しておらず、放置していたとも言えないとして、所有者に対し所有権が移転したことを善意無過失の第三者が対抗し得ないとされた事例 |
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271 | H15.4.21 | 神戸地裁 |
建物建築の注文者が、建築工事には多数の瑕疵があり、工事代金の支払義務はないとして建築会社からの支払請求を拒否した事案について、注文者が主張する瑕疵はいずれも認められないとし、建築会社からの工事代金支払請求が全額認められた事例 |
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272 | H15.3.28 | 福岡高裁 |
代理人が本人名義の不動産を勝手に自己名義にしたうえ、これを第三者に売却した場合に、民法110条(権限外の行為の表見代理)を類推適用することができるとされた事例 |
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273 | H15.1.29 | 東京地裁 |
不動産売買契約の特約における、長期譲渡所得の課税の軽減措置を受けるための協力義務違反により、売主が買主業者より賠償金を受領したところ、当該賠償金が税法上一時所得に当たるとして課税されたことから、売主が買主に対し当該課税相当額、弁護士費用等の損害賠償を請求した事案につき、課税相当額については請求が認容され、弁護士費用等については請求が棄却された事例 |
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274 | H15.1.15 | 横浜地裁 |
市の建築主事が建設会社に対して行った共同住宅の建築確認処分について、近隣住民らが高さ制限違反、容積率違反等を理由として、建築主事に取消しと国家賠償法に基づく損害賠償を市に求めた事案において、建築確認は、法的効果を付与されているにすぎず、当該工事が完了した場合においては、建築確認処分の取消しを求める訴えの利益は失われたとして却下され、本件処分には違法がないとして、損害賠償請求が棄却された事例 |
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275 | H14.11.25 | 東京地裁 |
業務用賃貸ビルの共有持分権者(持分4分の1)が、他の持分権者(持分4分の3)と賃借人との間で直接締結した賃貸借契約は、同人(4分の1の持分権者)の同意を得ていないので無効であると主張して、賃借人に対して賃料相当損害金の支払を求めた事案において、共有持分権の過半数によって決することが不相当とはいえない事情がある場合は、建物の共有持分権の過半数によって締結された賃貸借契約は有効であるとされた事例 |
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276 | H14.10.25 | 最高裁 |
民事訴訟法第113条の類推適用により、競売開始決定の公示送達による送達が、被担保債権の時効中断事由である差押えの通知としての効力を有するとされた事例 |
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277 | H14.9.27 | 松山地裁 |
建築士が、設計者や工事監理者の名義を貸したに過ぎない場合でも、建築主以外の第三者が不測の損害を受けるおそれがあることを予見できる場合には、名義貸しをしてはならないか、少なくとも事後的に名義貸し状態を是正する注意義務があるとされた事例 |
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278 | H14.9.24 | 最高裁 |
建物の建築請負工事に基づいて建築された建物に重大な瑕疵があるために、これを建替えざるを得ないとして、請負人に対して建物の建替えに要する費用相当額の損害賠償を命じた事例 |
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279 | H14.7.16 | 東京地裁 |
サブリースとしての大規模共有建物の長期間の賃貸借契約において、賃貸人・賃借人間の合意によって賃料を減額する場合は、賃貸人である共有者の持分の過半数を有する者と賃借人の合意のみでは足りず、賃貸人である共有者全員の同意を得る必要があるものとした事例 |
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280 | H14.7.3 | 大阪高裁 |
土地所有者が建替えに必要な建築確認の申請後、近隣住民らと景観等の紛争で請願が提出されたとはいえ、確認処分まで約3か月間も要したことは違法であるとして、Y市に対して国家賠償法に基づき慰謝料等の損害賠償を請求した事案において、一審ではその請求が認容され、Y市が確認処分までの期間には正当な理由があるとして控訴したが棄却された事例 |
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281 | H14.6.10 | 最高裁 |
特定の遺産を「相続させる」旨の遺言により特定の不動産を取得した者は、登記なしに、その取得を、他の相続人及び他の相続人から当該不動産に関する権利の移転・設定を受けた第三者に対抗できるとされた事例 |
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282 | H14.3.20 | 東京高裁 |
課税の前提となる取引類型の選択は納税義務者に委ねられており、売買による収入として課税申告がなされた場合には、特段の事情がある場合を除き、法律上の根拠がなければ、その収入を交換による収入にあたるとして更正処分することはできないとされた事例 |
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283 | H14.2.5 | 東京高裁 |
マンションの建築を請け負った業者が、建築したマンションの一部の室を、建築代金の支払を担保するために、施主から鍵の交付を受けて留置していたところ、当該各室の3本の鍵のうち各1本を、施主に交付したため、施主から販売代理権を与えられた業者が各室を一般の顧客に販売し、その顧客らが各室の占有を取得した場合、建築業者は、信義則上、当該顧客に対して占有回収の請求をすることは許されないとされた事例 |
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284 | H13.12.19 | 東京地裁 |
不動産の買主が、売買契約上の違約金請求権につき弁済業務保証金から弁済を受けるための認証の申出をした場合、当該違約金請求権の債務者(売主)による時効の援用がなくても、宅地建物取引業保証協会は、消滅時効を援用して認証を拒否できるとした事例 |
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285 | H13.11.27 | 最高裁 |
弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効は、過失なくして債権者を確知することができないことを原因とする弁済供託の場合を含め、供託者が免責の効果を受ける必要が消滅した時から進行するとして、賃料債務についてされた弁済供託につき、賃料債務の弁済期の翌日から民法169条(定期給付債権の短期消滅時効)所定の5年間の時効期間が経過した時、さらにそれから10年が経過することによって消滅時効が完成すると判示した事例 |
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286 | H13.11.27 | 最高裁 |
購入土地の一部について道路位置指定がなされていたことは瑕疵にあたるとして、買主が売主に対し損害賠償を請求した事案において、瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用があり、この消滅時効は買主が売買の目的物の引渡しを受けた時から進行するとして、10年経過による消滅時効により買主の請求を棄却した事例 |
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287 | H13.11.7 | 大阪高裁 |
新築建売住宅の購入者が、同住宅は建築基準法に違反しているとして、売主に対して瑕疵担保責任を、建築主に不法行為責任を追及するほか、建物の施工者及び工事監理者(建築士)に対し、共同不法行為に基づく損害金の支払を求めた事案において、原審は施工者及び工事監理者の不法行為責任を否定したが、控訴審は、それぞれの不法行為責任を認容し、本件建物の建替費用等の全額について賠償を認めた事例 |
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288 | H13.10.31 | 東京高裁 |
マンションの一室を前所有者から購入した区分所有者が前所有者が管理費及び修繕費を滞納して支払わなかった分について、マンション管理組合が建物の区分所有法等に関する法律(区分所有法)8条及び管理規約26条に基づき区分所有者にその支払を求めたが、区分所有者は管理費等の請求債権は民法169条の定期給付債権に当たり、請求する管理費等のうち弁済期から5年を経過した分は時効消滅になるとして争った事案について、管理費等の支払請求権は民法169条にいう定期給付債権に当たらないとされた事例 |
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289 | H13.10.26 | 最高裁 |
農地転用許可を停止条件とする土地売買につき、転用許可手続未了であっても、代金を支払い、引渡しを受けた時点で自主占有が開始されたものとした事例 |
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290 | H13.7.31 | 東京高裁 |
平成12年1月1日時点で抵当不動産の所有名義人であった者が、不動産競売手続により当該不動産を取得した者に対して、同年度分の固定資産税及び都市計画税相当額について不当利得返還請求をした事案において、その請求が棄却された事例 |
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291 | H13.7.10 | 最高裁 |
各共同相続人は、各人の相続分の限度においてのみ、遺産分割前の相続財産の被相続人による時効取得を援用できるとされた事例 |
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292 | H13.5.10 | 東京地裁 |
自称土地所有者から土地を購入する契約を締結した買主宅建業者が、所有権移転登記申請手続を委任した司法書士に対し、登記済証の偽造等を看過したため代金を騙し取られたとして損害賠償を請求した事案において、司法書士に債務不履行責任として損害額の4割(過失相殺6割)の金額の支払が命じられた事例 |
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293 | H13.3.29 | 名古屋高裁 |
契約の履行に着手するまで又は所定期日までは手付解除できる旨の特約条項に基づいて買主が手付解除の意思表示をしたところ、売主は契約の履行に着手(農地転用の届出)していることを理由に手付解除は認められないとして、買主に対して違約金の支払を求めて提訴した事案において、原審は売主の請求を認容したが、控訴審は、当該特約を履行の着手後も所定期日までは手付解除できる旨の特約であり、買主の手付解除は有効であるとして、原判決を取消して売主の請求を棄却した事例 |
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294 | H13.2.22 | 最高裁 |
土地の買主が代金減額請求権を行使して、支払った代金の一部の返還を求めた事案において、民法564条所定の除斥期間の起算点である「事実ヲ知りタル時」とは、買主が売主に対し担保責任を追及し得る程度に確実な事実関係を認識した時をいうと判示された事例 |
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295 | H12.12.26 | 仙台高裁 |
司法書士には、後順位の抵当権との関係における、条件付所有権移転仮登記と担保仮登記との効力の相違につき具体的に説明するまでの義務はないとされた事例 |
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296 | H12.12.22 | 東京高裁 |
不動産販売会社のマンション建築・分譲計画において、建築確認取得後に市の条例が改正・施行され、高さ20メートルを超える建築物の建築が禁止された事案において、根切り工事・山留め工事は、建築基準法の「現に建築の工事中」の段階に至っておらず、改正後の条例の適用を受けるとして、高さ20メートルを超える部分は建築基準法に適合しない建築物になるとした事例 |
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297 | H12.11.30 | 千葉地裁 |
業者の媒介により土地を購入したが、当該土地は偽造された印鑑証明書などを用いて売主の前所有者に登記を移転したものであったため、所有権移転登記を抹消され紛争となった事案において、媒介業者に対しては、疑問を抱かせるような事情があったのに、売買の危険性について助言すべき義務を怠ったとして、また、国に対しては、登記事務の執行につき過失があったとして、損害賠償を命じた事例 |
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298 | H12.11.30 | 水戸地裁 |
戸建住宅の購入資金のための年金住宅融資に伴い、住宅ローン保証保険契約を締結した保険会社が、実際の購入金額より水増しして作成された契約書により、保険金の支払いを余儀なくされたとして、それらを作成した媒介業者に対する損害賠償請求が認められた事例 |
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299 | H12.11.30 | 千葉地裁 |
所有権移転登記手続申請に添付された偽造の印鑑証明書を看過して、登記申請を受理した登記官に過失があったとして、国の国家賠償責任が認められた事例 |
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300 | H12.11.27 | 東京地裁 |
多重債務者等に対し、虚偽のマンション売買契約により、住宅ローン融資を受けさせていた媒介業者等の、融資保証会社に対する不法行為に基づく損害賠償責任が認められた事例 |
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301 | H12.11.27 | 松江地裁 |
仮換地が指定され、換地処分がなされる前に土地が売買された場合の換地精算金請求権が売主に帰属するとされた事例 |
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302 | H12.11.8 | 東京地裁 |
不動産会社が、建売分譲のため取得する土地について、国道工事事務所の担当者に都市計画道路の照会をしたところ、2カ月近く前の変更前の都市計画図を示され同土地には多少かかると説明を受けたが、実際には、変更後の都市計画道路は同土地のほぼ全域にわたるものであったとして、国に対する損害賠償が認められた事例 |
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303 | H12.11.8 | 東京地裁 |
別荘地売買契約と同時に締結された温泉供給契約の当初期間が到来した場合において、当事者間の協議により更新できる旨の条項が存在するときは、温泉の供給を受ける側が更新権を有し、温泉の供給を行う側は特段の事情のない限り更新を拒絶できないとされ、かつ、特段の事情がないとして温泉給湯義務の存在が確認された事例 |
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304 | H12.10.16 | 京都地裁 |
造成地の土地及び地上建物を購入したところ、建物が傾いたり壁に亀裂が入ったり雨漏りがするなどの欠陥が生じたとして、売主及び建物の建築業者に対する土地建物の瑕疵等を理由とする債務不履行、不法行為、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求が認められた事例 |
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305 | H12.9.28 | 東京高裁 |
他のマンション業者の登録商標に類似する商標を使用してマンションを販売する行為が、商標法上商標権の侵害とみなされる「指定役務についての類似商標の使用」に該当するとされた事例 |
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306 | H12.9.27 | 大阪地裁 |
新築3階建て建売住宅を購入した買主が、本件建物は、構造性能及び防火性能の点で建築基準法に違反し、安全性を欠いているとして、売主業者に対しては、瑕疵担保責任に基づく売買契約の解除及び売買代金の返還と損害賠償を、また、売主業者の代表者兼建築主、施工業者及び工事監理者(2級建築士)に対しては、共同不法行為に基づく損害賠償を訴求した事案において、売主業者及びその代表者に対しては、本件建物には重大な欠陥(瑕疵)が存在し、住居として使用するという本件売買契約の目的を達成することが不可能と判断して、契約解除及び代金返還と損害賠償を認めたが、施工業者及び工事監理者には不法行為責任はないとされた事例 |
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307 | H12.7.27 | 東京高裁 |
債務者が従前登記名義人であって、差押えを逃れるために名義を変更した不動産について、詐害行為取消権を行使して処分禁止の仮処分の登記を経由した一般債権者が、真の所有者との関係で民法第94条第2項の善意の第三者として保護されるべき、当該不動産につき法律上の利害関係を有するに至った者とはいえないとされた事例 |
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308 | H12.5.30 | 最高裁 |
共同相続人の一部の者が、遺留分減殺請求権の行使により受贈者から取得すべき持分を超える持分を有償で受贈者から取得した場合において、その持分取得に係る登記は相続登記の更正登記の手続により行うことはできないとされた事例 |
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309 | H12.5.8 | 東京地裁 |
市交付の道路建設計画書の誤記載を信頼して高層ビル用地を購入した者による、亮主の瑕疵担保責任に基づく契約解除、損害賠償請求及び市に対する国家賠償請求が認められた事例 |
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310 | H12.4.25 | 郡覇地裁 |
建物の売買契約を締結した際に、当事者間で消費税の負担についての明確な合意がされなかった事案において、売買代金に消費税が含まれていると解するのが相当であるとし、売主は買主に対して別途消費税を請求できるとの主張が排斥された事例 |
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311 | H12.4.10 | 名古屋地裁 |
所有権移転登記及び根抵当権設定登記手続の委任を受けた司法書士が、登記義務者の登記済権利書に代わる保証書を作成する際に、身分証明書の提出を求める等、登記義務者の本人確認を怠ったことが善管注意義務違反にあたるとされた事例 |
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312 | H12.4.7 | 最高裁 |
共有地を一部の共有者が他の共有者を排除して占有している場合において、排除された共有者は、当該一部の共有者に対し明渡請求をすることはできないが、共有持分に応じた地代相当額の不当利得返還請求又は損害賠償請求ができるとされた事例 |
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313 | H12.3.23 | 神戸地裁 |
市街化調整区域指定後大規模な工事と地積更正登記を行い、土地全部が宅地であるかのような外観が創出されたため、県知事が調査を怠り、事実を誤認して、既存宅地の確認処分を行った場合、日照阻害等生活利益の侵害を受ける者に対して、賠償責任を負うとされた事例 |
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314 | H12.3.22 | 東京高裁 |
土地付建物(住宅)の買主が、20年余居住後に建物を建て替えようとしたところ、当該建物が隣地にはみ出していることが判明し、隣地所有者と交渉したがまとまらなかったため、買主が当該敷地について所有権移転登記を求めて提訴し、裁判上で取得時効を援用した事案において、一審は買主の請求を棄却したが、控訴審は、当該敷地の時効取得を認め、隣地所有者に対し所有権移転登記を命じた事例 |
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315 | H12.3.15 | 東京高裁 |
新築住宅の建築工事請負契約において、布基礎の厚さ不足は、不同沈下が現に生じていなくても、不同沈下等の危険を包蔵しており、建物の瑕疵であるとして、ジャッキアップ費用の支払いを請負業者に命じた事例 |
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316 | H12.1.27 | 最高裁 |
共同相続された不動産につき、被相続人から相続人以外の第三者に直接所有権移転登記が経由された場合につき、共同相続人の1人が自己の持分の登記名義を回復するには、更正登記手続によることはできす、真正な登記名義の回復の手続によるべきものとされた事例 |
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317 | H11.12.16 | 最高裁 |
いわゆる「相続させる」遺言について、特定の不動産の所有権移転登記を指定された相続人に取得されることが、遺言執行人の職務権限に属するとされた事例 |
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318 | H11.11.24 | 東京高裁 |
固定資産税の課税庁は、価格調査基準日から賦課期日までの価格変動を予測して、賦課期日における適正な時価を算定し、登録価格とすべきものとされた事例 |
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319 | H11.11.9 | 最高裁 |
隣地所有者とともに、共有者のうち境界確定の訴えの提起に同調しない者を被告として、他の共有者が境界確認の訴えを提起できるとされた事例 |
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320 | H11.10.21 | 東京地裁 |
分譲マンションの販売にあたり付した標章が、「建物の販売」を指定役務とする登録商標に類似し、その商標の使用が商標法37条1号に該当するとして、マンション分譲業者に対し、標章の使用の差止めと損害賠償を命じた事例 |
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321 | H11.10.20 | 福岡地裁 |
建築業者と建物の新築工事に関する請負契約を結び、完成した建物の引渡しを受けたが、その後、建物が沈下し、建物の基礎にひび割れが発生したのは、地盤を調査して十分な強度を確保する基礎構造にすべき義務を怠ったものとして、建築業者の不法行為による損害賠償費任が認められた事例 |
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322 | H11.10.20 | 東京高裁 |
マンション業者が銀行に事業資金の融資申込みをし、一部の融資を受けたが、残額について保証会社の保証を取り付けられず、銀行の融資を拒否された事案において、事業資金全額の融資契約は成立していないとして、マンション業者の損害賠償請求を棄却した事例 |
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323 | H11.10.13 | 東京高裁 |
不動産会社社長が銀行の勧めにより購入資金のほとんど全額の融資を受けてマンションを購入したが、バブル崩壊によりマンション価格が下落し、返済不能となった場合において、銀行が融資金の返済を求めることが権利濫用となるものではないとして、銀行の貸し手責任が否定された事例 |
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324 | H11.10.4 | 横浜地裁 |
第一種低層住居専用地域内の傾斜地に、地上3階地下4階建の共同住宅の建設を目的とする開発行為の許可に対して、近隣住民が、予定建築物は7階建ての共同住宅であり、予定建築物の用途が用途地域の規制に適合してなく違法である等として、開発許可の取消しを求めた事案において、原告らは、本件開発許可を争う原告適格を有しないとして、近隣住民の請求を却下した事例 |
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325 | H11.9.22 | 横浜地裁 |
高速道路建設に伴う用地買収において、借家人に代替地を払い下げた事案において、同払下げが賄賂の供与により行われたものであるから、公序良俗に反し、無効であるとして、オンブズマンの住民訴訟による請求を認容し、原状回復を命じた事例 |
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326 | H11.9.22 | 東京高裁 |
業者が市等に宅地開発協力金を支払った後、銀行融資を受けられないため宅地開発事業を廃止した場合、業者が協力金の返還を求めることは信義則に反し許されず、また、協力金の根拠等については、業者が調査すべきで、市等に説明義務はないとした事例 |
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327 | H11.9.7 | 東京地裁 |
住宅金融専門会社が実行した融資が回収不能になったのは、提携関係にある宅建業者が物件の権利関係の調査を怠ったためであるとして、住宅金融専門会社から債権を譲り受けた整理回収機構が損害賠償を求めた事案において、当該宅建業者は必要最小限の調査を怠り、本来取り次ぐべきでない不適切な融資案件を取り次いだ重大な過失があるとして、業務提携契約に基づく損害賠償責任を認めた事例 |
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328 | H11.8.5 | 横浜地裁 |
土地建物の売買において、設計施工の過失により土地が不同沈下し、建物に亀裂が生じた事案において、売主業者に瑕疵担保責任、施工業者に保証債務の不履行、設計者に不法行為責任があるとし、検査済証等で確認していた媒介業者については注意義務違反はないとした事例 |
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329 | H11.7.29 | 岡山地裁 |
土地購入資金及び建物請負代金のつなぎ融資をローン会社から借り入れた場合において、建築業者が破産し、借主が期限の利益を喪失したため、ローン会社が返済を求めた事案において、ローン会社はつなぎ融資の目的に反する事態の招来を回避すべき義務を負担しているとして、その請求権の行使を一部制限した事例 |
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330 | H11.7.14 | 東京地裁 |
区教育委員会の要請により埋蔵文化財の発掘調査を行ったため、基準日において特定施設(駐車場)の用に供する土地として利用されていなくても、都税条例施行規則35条2項2号の減免要件にあたるとして、都税事務所長の行った減免不許可決定を取り消した事例 |
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331 | H11.6.25 | 大阪高裁 |
処分禁止の仮処分が、後日、本案訴訟で被保全権利が存在しないと確定した場合において、同仮処分により土地を売却できず、地価が下落したとして損害賠償を求めた事案について、平成5年以降の地価下落による損害が特別損害ではないとして、その下落額の賠償を命じた事例 |
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332 | H11.6.21 | 東京高裁 |
実質的に補足金付交換契約であっても、当事者が売買契約と代金相殺の法形式をとる場合、課税庁が交換契約として課税することは、租税法律主義の下においては許されないとして、課税処分を取り消した事例 |
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333 | H11.5.18 | 大阪高裁 |
債権保全のための債務者の不動産に対する仮差押えは、社会的に相当な方法、態様で行うことを要し、これを超えて債務者に必要以上の損害を被らせたときは不法行為を構成するとして、信用金庫支店長が債務者のマンション売却による債務返済の協力依頼を受けたのに、具体的な返済計画の内容を確かめることなく、仮差押手続をとったことが不法行為を構成するとした事例 |
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334 | H11.4.28 | 大阪高裁 |
建売住宅の買主が、販売代理業者に住宅ローンの水増し融資を依頼して、虚偽の契約書により住宅保証保険契約を締結し、その返済を怠ったため、保険会社が保険金を支払った事案において、保険会社は申込者の申告を信頼して事務処理をすれば足り、また、違法な欺罔行為に加担した者が過失相殺を主張することは信義則上許されないとして、販売代理業者の不法行為責任を認めた事例 |
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335 | H11.3.30 | 東京高裁 |
夫婦が第三者名義で定期預金をした場合において、連結先を夫とし、農協が夫を預金者として認識し、妻も異議を述べなかった場合、当該定期預金の預金者は夫であるとされた事例 |
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336 | H11.3.29 | 水戸地裁 |
連帯保証人が、主債務者の行方不明により一部代位弁済したが、連帯保証契約締結当時、既に債務者の支払能力がなかったのに、銀行担当者が債務者の信用状態について大丈夫と答え、錯誤無効があったとして、その返還を求めた事案において、その請求を認容した事例 |
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337 | H11.2.4 | 東京地裁 |
旅館事業を計画する者が、銀行に口頭で同事業資金の融資申込みを行い、銀行との間で融資の約束があったとし、計画を進めていたが融資の実行を求めたところ、拒絶された事案において、客観的な状況から判断すると、銀行との間で融資の約束は成立していなかったとし、銀行の債務不履行であるとする主張を斥け、銀行の損害賠償責任を否定した事例 |
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338 | H11.1.28 | 神戸地裁 |
マンション建設業者が、マンション建設工事に伴う水道工事負担金の徴収は違法であるとして、水道事業者に対し損害賠償を請求した事案において、マンション建設による給水経費をマンション建設業者から徴収することは新旧利用者間の公平を図る方法として合理的であり、同負担金の納付を求めたことに何ら違法はないとして、その請求を棄却した事例 |
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339 | H11.1.25 | 東京地裁 |
後見人がブローカーの言を信じて低廉な価額で土地を売却するとともに、不要なマンション新築工事を発注して違約金を支払わざるを得なくなった事案について、後見人に善管注意義務違反があるとした事例 |
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340 | H11.1.22 | 最高裁 |
都市計画法43条1項6号ロにいう「市街化調整区域に関する都市計画が決定され…た際すでに宅地であった土地」とは、市街化調整区域指定時に宅地であり、かつ、それ以降継続して宅地であることを要するとされた事例 |
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341 | H10.12.25 | 東京地裁 |
市街化調整区域内の農地を公団が大規模開発目的で買い受け、売主が代金全額を受領し、土地を引き渡したが、開発目的が未だ達成されていないときに、売主が農地転用許可申請協力請求権の消滅時効を援用することは、権利の濫用に当たるとされた事例 |
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342 | H10.12.9 | 名古屋地裁 |
土地買収にあたり、根抵当権の事前解除について根抵当権者と振込指定の合意をした場合、土地買収代金の振込みについて根抵当権者の利益を侵害しないようにすべき注意義務があるとして、同合意に反して、土地所有者の求めに応じ土地買収代金を指定口座以外の口座に振り込んだ市に対し、不法行為責任を認めた事例 |
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343 | H10.11.30 | 水戸地裁 |
残代金の支払いを「融資実行日所有権移転登記手続完了時」に行うとした土地売買契約したが、売主が登記済権利証を紛失したため保証書より登記を移転しようとした事案において、その履行期は保証書による移転登記の確認のためのはがきが法務局に返送された時であるとされた事例 |
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344 | H10.11.27 | 東京地裁 |
前所有者から土地を賃借し、建物を建てて占有している者に対しては、当該建物の所在地番の表示が誤って登記されたとしても、建物の同一性を認識できるような軽微なもので更正登記が容易であれば、前所有者から競売により土地の所有権を取得し、建物の収去と土地の明渡しを求めた者に対して、借地借家法10条1項に基づき賃借権を対抗できるとした事例 |
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345 | H10.11.26 | 大阪地裁 |
土地の売買において、租税特別措置法の優遇措置を受けられないのに、業者が誤解して受けられると説明したため、売主がこれを信じて売却したところ、追加納税を余儀なくされた事案において、業者に契約締結上の過失があり、不法行為に基づく損害賠償を認めた事例 |
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346 | H10.11.25 | 最高裁 |
相互銀行の役員らが、土地の購入資金及び開発資金等の融資をするにあたり、担保が大幅に不足し、回収困難に陥るおそれが明らかであり、当該融資の必要性、緊急性が認められず、第三者の利益を図る目的があったとして、特別背任罪の成立を認めた事例 |
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347 | H10.11.20 | 秋田地裁 |
売主業者が地下に堆積したごみの存在を知りながら、これを除去することなく、宅地に造成して、分譲し、不等沈下が生じた事案について、売主業者に不法行為責任があるとしたが、県知事の工事完了検査等については、過失がないとして、その責任を否定した事例 |
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348 | H10.8.31 | 東京地裁 |
不動産競売の売却許可決定を得ていた者が、銀行に融資申込みをし、その手続きを進めていたところ、代金納付期限9日前になって、既に説明済みの事実を理由に融資の実行を拒絶され、代金納付ができなくなった事案において、銀行の支店長代理が上司に報告しないまま融資手続きを進め、融資拒絶の時期を遅延させた過失があるとして、銀行の使用者責任を認めた事例 |
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349 | H10.7.29 | 大阪地裁 |
建売住宅を購入した買主が、擁壁及び建物に瑕疵があるとして、売主業者に対し債務不履行ないし不法行為責任を、また、建設会社及び建築士に対し不法行為責任を訴求した事案において、建設会社及び建築士の責任を認めたが、売主業者については、検査済証の交付を確認しているから、調査義務を尽しており、責任はないとした事例 |
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350 | H10.7.29 | 東京高裁 |
建売住宅建築目的での農用地区域内の農地の条件付売買契約について、その後工場地区とされたことに伴い、条件不成就が確定したとして、売主に登記の抹消と引換えに売買代金の返還を命じた事例 |
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351 | H10.7.16 | 東京高裁 |
抵当権を不法に抹消された後、当該不動産の所有権を取得し、登記を移転しても、抵当権設定者がその外形を作出し、又は放置容認していた場合でなければ、民法94条2項を類推適用する余地はないとされた事例 |
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352 | H10.7.14 | 東京地裁 |
宅地建物取引業法25条に基づく営業保証金として供託された割引国債証券が時効消滅したのは、時効完成前に問い合わせを受けた法務局職員が適切な指導を行わなかったためであるとする国家賠償請求が認められなかった事例 |
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353 | H10.7.1 | 東京高裁 |
法人税の課税について、不動産の販売による売上げの計上は、不動産の引渡しがあった日の属する事業年度の益金の額に算入すべきであり、その判断は、諸事情を考慮し、現実の支配が移転した時期をもって行うべきであるとした事例 |
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354 | H10.6.26 | 仙台高裁 |
民事訴訟に関連して詐欺・業法違反の容疑で告訴、書類送検された業者が、新聞報道により名誉を毀損されたとして損害賠償を求めた事案において、同報道は容疑濃厚の印象を与えるところ、取材を尽しておらず、新聞社に不法行為責任があるとして、60万円の支払いを命じた事例 |
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355 | H10.5.13 | 東京地裁 |
修理不能な雨漏りのあるマンションを、その事実を秘して買主に購入を勧め、契約を締結させた、媒介業者、銀行、税理士に、重要事項告知義務違反があるとして、不法行為責任を認め、損害賠償を命じた事例 |
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356 | H10.4.22 | 東京高裁 |
マンション建設業者が等価交換方式によるマンション建設の課税について誤った説明をし、これを信じて契約を締結したところ、多額の納税を余儀なくされたとして、買主が損害賠償を請求した事案において、建設業者の契約締結上の過失責任を認めた事例 |
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357 | H10.4.22 | 東京地裁 |
地上げ共同事業の業務提携契約が解消された場合において、合意書にその取扱いが規定されていないときは、契約の趣旨に照らし、公平の原則の見地から当事者の意思を推し量って解釈すべきであるとして、本件拠出金は業務提携関係維持管理のコストであり、その返還を求めることはできないとした事例 |
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358 | H10.3.12 | 広島地裁 |
中古マンションの売買に際し、媒介業者が、買主と結託して代金を水増しした虚偽の契約書を作成した結果、住宅ローン保証保険金を支払わされたとして、損害保険会社が、媒介業者に不法行為による損害賠償を求めたのに対し、媒介業者に支払済みの保険金全額の賠償を命じた事例 |
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359 | H10.3.11 | 富山地裁 |
ゴルフ場用地買収の取りまとめ等の業務を受託し、同業務を進行中、県の指導により、同計画を縮小したところ、委託業者が同契約を解除した事案について、本件事業の中止は委託業者の経営状態の悪化によるもので、委託業者の責めに帰すべき事由によって履行不能となったとして、報酬金の支払いを命じた事例 |
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360 | H10.3.10 | 上野簡裁 |
白蟻駆除工事において、油剤を使用しないものは不完全工事であり、白蟻業者の残代金支払請求は認められないとされた事例 |
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361 | H10.3.4 | 福岡地裁 |
オウム真理教の進出に伴う紛争において、オウム真理教がその所有する不動産を村に贈与して撤退し、村がこれに伴う損失保証に関し和解金を支払うことを約した和解は、公序良俗に反しないとして、村民の村長に対する住民訴訟を棄却した事例 |
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362 | H10.2.26 | 東京高裁 |
白蟻駆除業者の発行した「白蟻駆除予防の日より5年間白蟻発生に関し保証する」との保証書は、白蟻予防の施工と関係のない、裏の体育館からの飛来による食害についてまで保証する趣旨ではないとして、白蟻駆除業者の責任を否定した事例 |
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363 | H10.2.26 | 東京地裁 |
租税特別措置法41条の住宅取得控除の適用については、対象床面積の計算方法は内法計算法によるのが合理的であり、税務署の更正処分に違法はないとした事例 |
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364 | H10.2.19 | 大阪地裁 |
住宅ローン融資の際に加入した団体信用生命保険に、債務者の告知義務違反があったが、保険会社が、自らの過失により、告知事項があることを知り得なかったものであるとして、保険契約の解除が認められなかった事例 |
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365 | H10.1.20 | 東京地裁 |
借地権付建物購入資金1億2,000万円の融資を受けて同建物を購入した不動産業者が、ビル新築資金2億6,000万円の融資約束もあったと主張したのに対し、同融資約束は成立していないとされた事例 |
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366 | H9.12.26 | 横浜地裁 |
建築確認申請に対し、約1年半の行政指導がなされたため、工事費が急騰したとしても、申請人が同指導に任意に従い、同申請に接道要件、開発許可の要否、擁壁等の問題がある場合、同期間は社会通念上合理的な期間といえ、同行政指導には違法がないとされた事例 |
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367 | H9.12.19 | 名古屋地裁 |
定期借地権設定契約の解約に伴い、既払金の返還に代えて先日付の小切手を振り出した場合、振出日以前に呈示しない旨の書面の差入れを断っているときは、同合意の存在を認めることはできないとした事例 |
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368 | H9.12.19 | 東京地裁 |
弁護士報酬の支払いに関し、依頼者がその総額を支払方法をメモに記載し、保管していた場合、同メモの作成により、5億円の弁護士報酬支払いの合意があると認定された事例 |
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369 | H9.12.8 | 東京地裁 |
マンションの売主が、売買契約を締結し、買主のための公庫融資の抵当権設定がなされたが、当該売買契約は詐欺によるものであるとして、これを取り消し、抵当権の抹消を求めた事案において、売買の詐欺取消を認めたが、公庫は民法96条3項の善意の第三者にあたるとされた事例 |
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370 | H9.11.13 | 最高裁 |
建物賃貸借において、更新後の未払賃料等にも保証人の責任は及ぶとされた事例 |
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371 | H9.11.12 | 横浜地裁 |
賃貸駐車場の管理をしている取引主任者が、借主の本籍が記載された住民票の交付を請求した事案について、請求事由の明示がなく、請求理由が不当であるとして、交付を拒否した市役所の処分が妥当とされた事例 |
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372 | H9.10.24 | 東京地裁 |
譲渡所得の申告手続を依頼された税理士は、依頼者にとって有利な方法を選択すべき義務があり、一括修正申告手続をしなかったために、依頼者が軽減措置を受けられなくなったときは、その損害賠償を負うとされた事例 |
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373 | H9.10.22 | 東京地裁 |
債務者が、銀行からマンション建設資金の融資を受けるに際し、保証会社(関連会社)と締結した保証委託契約による抵当権設定契約に基づいて、同保証会社が、抵当権設定手続を求めた事案において、債務者の抗弁は理由がないとして、同請求を認容した事例 |
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374 | H9.10.15 | 東京地裁 |
マンション全体の買収を目指した買主と、マンション他室の買収単価により増額し得るとの特約付きで、代金3億円でマンション一室を昭和61年に売却した売主が、平成7年に2億4千万円余の差額の支払いを求めた事案において、消滅時効は成立しておらず、事情変更の適用はないとして、その請求を認容された事例 |
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375 | H9.10.15 | 東京地裁 |
マンションの居室改装工事にダイヤモンドカッターを使用して、受忍限度を超える騒音を発生したとして、施工業者等に対し、階下居住者に慰謝料の支払いを命じたが、山荘、ホテルへの避難経費の請求は、因果関係がないとして棄却した事例 |
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376 | H9.9.8 | 神戸地裁 |
土地付建物の売買において、地下室の二重壁を設けなかったために浸水現象が生じたとして、買主が、売主業者に対し瑕疵担保責任に基づく契約の解除を、また、建築業者に対し不法行為責任を訴求した事案において、売主業者の瑕疵担保責任を認めたが、建築業者の不法行為責任を否定した事例 |
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377 | H9.8.29 | 東京地裁 |
マンションの管理費は、会計年度ごとに決定、賦課されるものであるから、月払いとされていても、民法169条の定期給付債権に当たらず、その消滅時効は10年であるとされた事例 |
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378 | H9.8.26 | 東京地裁 |
土地建物の売買において、土地の一部が市有地であることが転売後、上告審において確定し、買主が転買人と和解して、14年後に売主に代金減額請求をした事案において、代金減額請求権は、買主が売主の一部履行不能の確定の事実を知ったときから1年内に行使すればよく、10年の消滅時効期間の制限には服しないとした事例 |
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379 | H9.7.25 | 名古屋地裁 |
手形所持人が手形引受人に対しその支払いを求めた事案において、引受人は、土地の買主から税金対策のために必要な書類だといわれ、内容を十分確認することなく、為替手形の引受欄に署名、押印したものであり、引受けの行為はなかったとして、手形所持人の請求を棄却した事例 |
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380 | H9.6.26 | 大阪地裁 |
営業保証金を国債で供託し、償還期限到来後10年を経過した場合、消滅時効が完成し、供託者は償還請求をすることができないとされた事例 |
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381 | H9.5.29 | 大阪地裁 |
節税を目的として、海外不動産小口化投資商品に投資することとし、融資を受けたところ、市場の悪化と為替の変動により大幅に価格が下落した場合において、借主は本件融資の基本的枠組みを理解していたから、細部についての理解がなくても、錯誤無効は認められないとして、借入金の返済を命じた事例 |
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382 | H9.5.13 | 岡山地裁 |
中小企業等協同組合法の組合員が、組合員の従業員のための土地建物分譲を行った場合、当該不動産の所有権は、組合員に移転した後、従業員に移転したとして、組合員も「不動産の取得者」にあたるとされた事例 |
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383 | H9.3.26 | 熊本地裁 |
多額の保険金を不正に取得する目的で締結された保険契約は、公序良俗に違反し、無効であるとされた事例 |
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384 | H9.3.24 | 東京地裁 |
農地について売買契約が成立した後、当該農地が市街化調整区域に指定された場合、農地の買主の売主に対する転用許可申請協力請求権の消滅時効は、市街化調整区域に指定されている間は進行しないとされた事例 |
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385 | H9.3.19 | 東京地裁 |
海外不動産(ホテル)買収のコンサルティング契約について、買収価額が不当に高過ぎる等注意義務を怠ったと争われた事案において、現地鑑定業者の鑑定が合理性を欠くとはいえない等として、債務不履行責任はないとされた事例 |
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386 | H9.3.7 | 大津地裁 |
自宅の買換えにおいて、つなぎ融資を受け新居を購入し、旧宅の売却を依頼したところ、地価の下落により成約に至らず大幅な安値で売却せざるを得なくなったのは、不動産媒介業者、金融機関、保証会社らに債務不履行責任ないし不法行為責任があるとした損害賠償請求が棄却された事例 |
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387 | H9.2.28 | 大阪地裁 |
住宅金融専門会社が経営危機に陥りながら、損を覚悟で大口融資先所有の不動産を高値買いし、不良債権隠しをしていた旨の新聞報道により、同大口融資先の不動産会社が著しく名誉を毀損されたとして記事を掲載した新聞社に対し名誉毀損に基づく損害賠償を求めた事案において、同報道は公共の利害に関する事案を報道し、専ら公益を図る目的に出たもので、同報道は真実性を有するとして、請求を棄却した事例 |
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388 | H9.2.25 | 福岡高裁 |
住宅購入のための多額の借入行為は、破産者の免責不許可事由の「浪費」にあたるとしたが、行為の違法性及び債務者としての不誠実性が顕著とは言い難いとして、裁量による免責を認めた事例 |
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389 | H8.12.26 | 東京地裁 |
土地所有者の知らない間に委任状が変造されて、登記が移転し、さらに転売された場合において、同登記は原因を欠く無効の登記であり、かつ、権利者には帰責性がなく、転買人には過失があるから、民法94条2項の類推適用は認められないとして、権利者の真正な登記名義の回復を原因とする移転登記請求が認容された事例 |
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390 | H8.12.25 | 東京地裁 |
ハワイのコンドミニアム事業の開発資金の融資において、融資銀行が保証会社に対し、事業の危険性について説明をしなかった詐欺があり、事業の進行状況の報告を怠った報告義務違反があるとして、保証契約の取消しと解除を求めたが、いずれも認められなかった事例 |
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391 | H8.12.19 | 福岡高裁 |
偽造印鑑の印鑑登録証明書を持参した者を、真の土地所有者と誤信して土地を買い受け、代金の一部を支払ったところ、真の所有者からの提訴により敗訴したため、同印鑑登録証明書を発行した市に対し、損害賠償を求めた事案において、同事務担当者に国家賠償法一条一項の過失はなかったとして、請求を棄却した事例 |
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392 | H8.10.15 | 大津地裁 |
建築請負業者が一般消費者を注文者として建物建築請負契約を締結する場合、自主的な建築制限協定でも、その違反が建築工事中止になる危険性があるときは、調査・説明義務があるとし、損害賠償責任を認めた事例 |
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393 | H8.9.27 | 最高裁 |
連帯保証債務の物上保証人に対する抵当権の実行は、主債務の消滅時効の中断にならないとした事例 |
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394 | H8.9.4 | 熊本地裁 |
賃貸借契約の媒介において、媒介業者が登記簿謄本の調査を怠って、差押登記の存在を看過したため、後日借主が建物明渡しを余儀なくされた事案において、媒介業者は差押登記の有無を確認する注意義務を怠ったとして、敷金、礼金、引越費用の支払いを命じた事例 |
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395 | H8.8.28 | 東京高裁 |
子が無断で書類を作成して印鑑登録証明書の交付を受け、土地を無断処分したので、別訴においてその登記を抹消したが、印鑑登録をした市の過失により損害を受けたとして、市に対し訴訟費用の賠償を求めた事案において、市に過失はなかったとして請求を棄却した事例 |
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396 | H8.7.12 | 東京地裁 |
土地売買契約締結後引渡前に売主業者が目的物件に根抵当権登記を付したのに、媒介業者が調査確認をしないまま、買主が残代金を支払って、売主業者がその後倒産し、買主が根抵当権の極度額の損害を受けた場合において、媒介業者に登記簿閲覧等の調査義務違反があるとされたが、買主にも過失があるとして、5割を相殺された事例 |
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397 | H8.6.25 | 東京地裁 |
不動産業者の従業員が権限がないのに架空の事業計画と土地買取りの話を持ちかけ、これを信用した融資会社につなぎ融資をさせた事案において、従業員の行為は会社の事業の執行につき行われたものであり、融資会社に悪意重過失はないとして、使用者責任を認めた事例 |
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398 | H8.6.24 | 浦和地裁 |
税務課長が不実の宅地課税証明書を発行したことにより国家賠償請求訴訟に敗訴した町が、当該税務課長に対して求償金を請求した事案において、税務課長に8割、約1億円近い支払いを命じた事例 |
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399 | H8.6.5 | 東京地裁 |
オウム真理教の付属医院に入院中に、お布施として所有不動産をオウム真理教に贈与したが、これは同医院の医師らの温熱療法等による強迫によりなされたものであるとして、その取消しが認められた事例 |
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400 | H8.4.22 | 東京高裁 |
固定資産税課税台帳登録価格に基づき納付した登録免許税は不当であるとその一部取消しを求めた事案において、登録免許税の税額は登記のときに直接法令の規定によって具体的に確定し、登記官の認定処分は存在しないとされた事例 |
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401 | H8.3.13 | 広島高裁 |
県が嘱託した分筆登記の地積の記載の誤りを登記官が看過して過大な地積の分筆登記をし、これに伴う地積変更通知により市の固定資産課税台帳に過大な地積が記載されたため、固定資産税等および相続税について過剰納付したとして、損害賠償を求めた事案について、固定資産税等については市の責任を認め、相続税については国の責任を認めた事例 |
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402 | H7.12.26 | 東京地裁 |
商業ビル用地の買収を目的に行われた交換契約において、税務当局から法人税法50条および所得税法58条の適用が否定され、高額の課税負担が生じたことについて、交換契約の要素の錯誤による無効を認めた事例 |
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403 | H7.12.18 | 東京地裁 |
偽造の契約書による違法な仮差押登記がなされたことにより、著しい営業損害及び信用被害を受けたとして不法行為による損害賠償を求めた事案において、2億円の支払いが命じられた事例 |
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404 | H7.11.9 | 東京地裁 |
虚偽の土地売買詐欺事件において、替え玉である売主の代理人となって売買契約を締結し、手付金等を受領した弁護士に過失があったとして、買主から弁護士に対する損害賠償請求が認められた事例 |
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405 | H7.7.7 | 最高裁 |
住宅ローンの名義貸しを銀行の貸付担当者が知っていたときは、消費貸借契約上の貸主としての保護を受けるに値せず、民法93条但書の類推適用により、その返還を求めることができないとされた事例 |
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406 | H7.5.31 | 東京高裁 |
連帯保証債務の物上保証人に対する抵当権の実行は、主債務の消滅時効の中断になるとされた事例 |
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407 | H7.3.14 | 水戸地裁 |
買主の不動産売買契約のローン条項による解除について、客観的障害がないのに買主の随意の判断で融資を受けなかった場合は適用がないとして、仲介業者の買主に対する報酬請求が認められた事例 |
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408 | H7.1.11 | 東京地裁 |
オフィスビルの建築に際し、設計契約に付随して賃料保証契約が締結されたが、発注者の責に帰すべき事由により建築請負契約の準備行為が遅滞している場合において、請負人が賃料保証額の減額を申し入れ、催告を経ずに履行を拒絶したとき、請負人に賃料保証債務の不履行があり、その損害額は設計費用の3分の1であるとされた事例 |
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409 | H6.11.14 | 京都地裁 |
土地の売買契約における公租公課の分担の約定について、特別土地保有税が含まれるか否かにつき争われた事案において、公租公課には含まれないとされた事例 |
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410 | H5.11.30 | 東京地裁 |
マンションの借主が殺人・投身自殺を起こした事件について、借主には用法義務違反ないし善管注意義務違反があったとして、貸主の借主連帯保証人に対する損害賠償を一部認めた事例。 |
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411 | H1.5.17 | 名古屋高裁 |
金沢産の魚介類の仲買業者、運送業者らが、敦賀湾の原子力発電所の放射性物質漏出による海洋汚染による新聞報道等により、金沢産の魚介類についても売上が減少するなどの損害を負ったとして損害賠償を求めた事案につき、原告らの販売不振と事故との間には相当因果関係は認められないとしてその請求を棄却した事例 |
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412 | S62.8.31 | 東京高裁 |
公図は、作成当時の測量技術が未熟であることから不正確なものであり、その証拠価値は、他の物的、人的証拠の存在によってはじめて決まるものであるとされた事例 |
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413 | S42.6.20 | 最高裁 |
津波によって土地が流出した後に住宅適地造成組合によって造成された土地の所有権の取得時効につき、相続による占有者に土地登記簿を調査しなかつたことをもつて、過失があつたとはいえないとされた事例 |
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414 | S35.10.24 | 高松高裁 |
造船請負契約において、南海地震及び津波被害により、造船所の損傷、資材の流出及び物価の急騰等の事情変更を理由とする、請負人からの契約解除を認めた事例 |
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