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不動産のQ&A 重要事項説明について

I 土地やマンション・一戸建てなどの売買に関するもの
【その1 物件の説明などに関するトラブル】

重要事項説明について

Q1 中古住宅を買う契約をしました。その時に、媒介(仲介)業者から重要事項説明を受けましたが、 どういうものか理解できませんでした。考え直してみたら気に入らない物件なので、契約を解除したいと思いますが。

A1 媒介(仲介)業者の重要事項説明の内容が十分理解できないまま契約したとしても、後で気に入らない点があるからといって、契約を解除するのであれば、原則として契約の定めに従う必要があります。媒介(仲介)業者の説明に不備があり重要事項説明が正しく行われていない場合等には、媒介(仲介)業者の責任を追及できますが、手付金を放棄する等して解除することになると思われます。重要事項説明の際には、わからない点については十分に確認することが必要です。その上で「買うか、買わないか」の判断を行い、契約を締結することが大切です。なお、契約の解除・取消しには1.法律の規定に基づいた解除(1)クーリング・オフ制度、(2)契約違反による解除、(3)契約不適合責任による解除、 (4)消費者契約法による契約の取消し、2.手付放棄による解除、3.話合いによる契約の解除(合意解除)、4.錯誤や詐欺による契約の取消し等があります。

Q2 新築マンションを買う契約をする時に、 売主の宅建業者から重要事項説明書を渡され読んでおくようにいわれただけで、説明はしてくれませんでした。 周辺の環境が悪く、宅建業者の責任を問いたいのですが。

A2 宅建業者が契約前に宅地建物取引士をして重要事項を説明することは業者の責務であり、これを行っていないことは、 宅建業法違反となります。宅建業者には「契約の締結の判断に影響を及ぼす事項」について、「重要な事項」として説明する義務がありますので、その環境に関する事項がこれに該当する場合は、説明をしなかった宅建業者に責任を追及できる可能性があります。

Q3 気に入った物件があったので購入を検討していますが、現在の自宅から媒介(仲介)業者や物件が遠距離のため、 出向く時間が取れません。重要事項説明書を郵送でやり取りしてはいけないのでしょうか。

A3 重要事項説明書を郵送で受け取るだけでは不十分です。宅建業者が宅地・建物の取引を行う場合には、宅地建物取引士をして、取引士証を提示させ、 重要事項説明書およびその添付資料により取引の相手方に説明すること等が義務づけられています(宅建業法35条)。宅地・建物の取得は価格も高額となることもあり、失敗は許されませんから、遠距離であっても、宅建業者と会うか、ITを活用し、説明を受けた上で、 契約を締結してください。