I 土地やマンション・一戸建てなどの売買に関するもの
【その4 宅建業者や媒介報酬(手数料)等に関するもの】
【その4 宅建業者や媒介報酬(手数料)等に関するもの】
Q1 先日、マンションの売買契約を締結し、手付金を支払いましたが、自己都合により手付放棄による解約をしました。ところが、媒介(仲介)業者から媒介手数料の残金半額を請求されています。業者には契約を締結しただけで媒介手数料全額を請求する権利があるのでしょうか。
A1 売買契約が成立した場合には、その後、専ら契約の当事者間の問題でその契約が解約になったとしても、媒介(仲介)業者の報酬請求権は失われないと解されています。したがって、媒介(仲介)業者は、媒介手数料の残額を請求することができることになりますが、媒介報酬の請求について争いになると、裁判所は、手付解除により契約が解除されたことで、当初予定していた取引が完了せず、媒介(仲介)業者の媒介業務の量が軽減されたこと等を理由として報酬全額の請求までは認めないこともあるようです。まず、媒介(仲介)業者と話し合ってみましょう。
Q2 媒介(仲介)業者に土地の売却をお願いして専任媒介契約を交わしました。しかし、売りに出してから3か月になりますが、売出価格では売れそうもありませんので、一旦売却を中止することにしました。媒介(仲介)業者に専任媒介契約の更新はしないことを伝えたところ、それまでかかった広告費用や物件調査費用を請求するといわれました。支払う必要があるのでしょうか。
A2 依頼者が、媒介(仲介)業者に(1)特別に依頼した広告の料金(2)遠隔地への出張旅費がある場合には、依頼者の負担となり、依頼者は媒介(仲介)業者の請求に基づいて、その実費を支払わなければなりません。それ以外の情報登録料、通常の広告、物件の調査等のための費用は、依頼を受けた媒介(仲介)業者の負担になります。したがって、事前にあなたが依頼した(1)、(2)の費用がないのであれば、支払う必要はありません。
Q3 中古住宅を媒介(仲介)業者の媒介(仲介)で契約が成立し売却することができましたが、売買契約時に媒介報酬全額を請求されました。全額払ってしまうと最後の引渡しまで面倒見てくれるか不安です、どのようにしたらよいでしょうか。
A3 報酬請求権の発生する時期は、当該媒介に係る売買契約が成立したときとされていますので、媒介(仲介)業者には報酬請求権はあります。しかし、媒介報酬は、宅地建物の売買、賃貸及び交換の契約が成立した際に半額、代理又は媒介の責任を完了したときに残額を受領するよう求める、国土交通省(建設省)による指導(昭和27年通牒)もあります。媒介(仲介)業者の引渡し業務を完全に履行させる趣旨です。媒介(仲介)業者と話をしてみてはどうでしょうか。