売買に関する判例 - 売買に関する判例
該当件数 件
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No. | 判決日 | 概要 | 事件番号 | RETIO |
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1 | R3.1.22 |
土地の売買契約の買主が売主に対し債務の履行を求めるための訴訟の提起等に係る弁護士報酬を債務不履行に基づく損害賠償として請求することはできないとされた事例 |
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2 | H26.10.9 |
労働大臣が石綿製品の製造等を行う工場又は作業場における石綿関連疾患の発生防止のために労働基準法に基づく省令制定権限を行使しなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法であるとはいえないとした原審の判断に違法があるとされた事例 |
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3 | H25.4.9 |
建物地下1階店舗の賃借人が、建物の前所有者の承諾を得て、営業のため建物1階部分の外壁・床面に看板等を設置していたところ、建物の譲受人が看板等の撤去を求めた事案において、当該撤去請求が権利の濫用に当たるとされた事例 |
RETIO 90-140 |
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4 | H25.3.26 |
一級建築士により構造計算書に偽装が行われていた建築物の計画についての建築主事による建築確認が、国家賠償法1条1項の適用上違法となるとはいえないとされた事例 |
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5 | H25.3.22 |
土地区画整理事業の施行地区内の土地について、売買当時、賦課金を課される可能性が存在していたことをもって、民法570 条にいう瑕疵があるとはいえないとされた事例 |
RETIO 117-090 |
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6 | H24.10.15 |
売買代金が時価相当額であったとしても、土地の売買による換金の利益が賄賂に当たるとされた事例 |
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7 | H23.6.3 |
土地を時効取得したと主張する者が、当該土地は所有者が不明であるから国庫に帰属していたとして、国に対し当該土地の所有権を有することの確認を求める訴えにつき、確認の利益を欠くとされた事例 |
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8 | H22.12.16 |
不動産の所有権が、元の所有者から中間者、現在の所有者に、順次移転したにもかかわらず、登記名義が元の所有者に残っている場合において、現在の所有者が元の所有者に対して直接、真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を請求することは許されないとした事例 |
RETIO 81-070 |
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9 | H22.6.17 |
新築建物を購入した買主らが、当該建物には構造耐力上の安全性を欠くなどの瑕疵があると主張して、その設計、工事の施工等を行った業者らに対し、不法行為に基づく損害賠償等を求めた事案において、購入した新築建物自体が社会経済的価値を有しない場合には、買主から工事施工者等に対する建替え費用相当額の損害賠償請求においてその居住利益を損害額から控除することはできないとされた事例(控訴審 H21.6.4 名古屋高裁 RETIO78-106) |
RETIO 114-074 |
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10 | H22.6.1 |
売買契約の目的物である土地の土壌に、売買契約締結後に法令に基づく規制の対象となったふっ素が基準値を超えて含まれていたことから、このことが民法570条の瑕疵担保にあたると主張して、瑕疵担保による損害賠償を求めた事案において、瑕疵が認められないとした事例 (控訴審 H20.9.25 東京高裁 RETIO74-126) |
RETIO 80-136 |
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11 | H20.12.16 |
いわゆるフルペイアウト方式によるファイナンス・リース契約中の、ユーザーについて民事再生手続開始の申立てがあったことを契約の解除事由とする旨の特約は、無効であるとされた事例 |
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12 | H18.6.12 |
建築後に土地の一部を売却すると、容積率制限を越える違法建築物となり、また当該土地購入者も敷地の二重使用となり建築確認申請の支障となる敷地について、その一部売却が困難である点を説明しなかった建築会社に説明義務違反があるとされ、銀行にも説明すべき信義則上の義務を肯認する余地があるとされた事例 |
RETIO 65-074 |
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13 | H17.12.16 |
公有水面埋立法に基づく埋立免許を受けて埋立工事が完成した後竣工認可がされていない埋立地につき、黙示的に公用が廃止されたものとして取得時効の成立が認められるとされた事例 |
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14 | H17.9.16 |
マンションの売買において、防火戸が作動しない状態で引き渡されたことにつき、売買の目的物に隠れた瑕疵があったとして損害賠償を請求した事案において、売主から委託を受けてマンション販売に関する一切の事務を行っていた宅建業者に、防火扉の操作方法等につき、買主に対して説明すべき信義則上の義務があるとされた事例 (差戻後控訴審 H18.8.30 東京高裁 取判41) |
RETIO 67-070 |
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15 | H16.11.18 |
公団住宅の建替事業において、分譲住宅の売主(公団)が団地の賃借人で建替え後の住宅を購入する買主に対し、買主の意思決定の上で重要な価格の適否に関する事実について説明をしなかったことに対する買主の慰謝料請求が認められた事例 |
RETIO 62-040 |
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16 | H15.11.7 |
金融機関の従業員が顧客に対し融資を受けて宅地を購入するように勧誘する際に、当該宅地が接道要件を具備していないことを説明しなかったことが、当該宅地を購入した顧客に対する不法行為を構成するとはいえないとされた事例 |
RETIO 59-052 |
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17 | H15.10.10 |
耐震性の高い建物とするため主柱に特に太い鉄骨を使用することが重要な内容である建物建築工事の請負契約において、建物請負業者が注文主に無断で約定の太さの鉄骨を使用しなかったことは、使用された鉄骨が、構造計算上居住用建物としての安全性を備えていたとしても、当該主柱工事は瑕疵にあたるとされた事例 |
RETIO 58-052 |
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18 | H14.9.24 |
建物の建築請負工事に基づいて建築された建物に重大な瑕疵があるために、これを建替えざるを得ないとして、請負人に対して建物の建替えに要する費用相当額の損害賠償を命じた事例 |
RETIO 57-138 |
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19 | H14.6.10 |
特定の遺産を「相続させる」旨の遺言により特定の不動産を取得した者は、登記なしにその取得を他の相続人及び他の相続人から当該不動産に関する権利の移転・設定を受けた第三者に対抗できるとされた事例 |
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20 | H13.11.27 |
土地のいわゆる実測売買において、測量会社の過誤により契約書に表示された面積より実際の面積が過大であった場合、売主の買主に対する民法565条の類推適用による代金の増額請求は認められないとされた事例 |
RETIO 52-061 |
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21 | H13.11.27 |
購入土地の一部について道路位置指定がなされていたことは瑕疵にあたるとして、買主が売主に対し損害賠償を請求した事案において、瑕疵担保による損害賠償請求権の消滅時効は買主が売買の目的物の引渡しを受けた時から進行するとして、10年経過による消滅時効により買主の請求を棄却した事例 |
RETIO 52-018 |
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22 | H13.11.22 |
公簿面積を表示した売買契約により土地を購入した買主が、目的物件の実測面積が公簿面積に満たなかったとして、売主に対して売買代金の減額を求めた事案において、本件契約の代金額に関する交渉経緯等から民法565条にいう数量指示売買に当たるとして、買主の減額請求を認容した事例 |
RETIO 52-059 |
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23 | H13.11.21 |
裁判所は、借地借家法20条に基づく許可の裁判をする場合において、同条1項後段の付随的裁判として、相当な額の敷金を差し入れるべき旨を定め、その交付を命ずることができるとした事例 |
RETIO 52-082 |
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24 | H13.10.26 |
農地転用許可を停止条件とする土地売買につき、転用許可手続未了であっても、代金を支払い、引渡しを受けた時点で自主占有が開始されたものとした事例 |
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25 | H13.2.22 |
民法564条規定の、売主の担保責任の除斥期間の起算点である「事実を知った時」とは、買主が売主に対し民法563条又は565条規定の担保責任を追及し得る程度に確実な事実関係を認識した時をいうとした事例 |
RETIO 50-080 |
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26 | H11.6.29 |
事業団融資を条件として売買契約を締結し、手付金を約束手形で交付したが、同融資が拒絶された場合において、買主が故意に解除条件の成就を作出したかについて判断をしていない遺脱があるとして、ローン特約による解除を認めた原審判決を破棄差戻しとした事例 |
RETIO 44-076 |
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27 | H11.3.25 |
売買により賃貸建物の所有権を買主に移転した場合は、特段の事情のない限り、建物賃貸人の地位、建物賃借人の敷金に関する権利義務は、買主に移転、承継され、建物前所有者と新所有者間の賃貸人の地位留保の合意があったとしても、同合意は当事者間においてのみ有効でそれを知らない賃借人には対抗できないとして、建物賃借人の新所有者への敷金返還請求が認められた事例 |
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28 | H11.3.11 |
月一回元利金を返済する消費貸借契約において、返済期日を単に「毎月X日」と定め、その日が日曜日などの休日に当たる場合の取扱いを定めていなかった場合には、特段の事情がない限り、契約当事者間にX日が休日であるときはその翌営業日を返済期日とする旨の黙示の合意があったと推認されるとされた事例 |
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29 | H11.3.10 |
廃棄物処理法における「不要物」とは、自ら利用し又は他人に有償で譲渡することができないために事業者にとって不要となった物をいい、これに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び事業者の意思等を総合的に勘案して決するとした事例 |
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30 | H10.4.24 |
土地の売買において買主の仮登記が付されたが、売買から20年以上経過した後に、売主が買主の仮登記を抹消した上で第三者に売却したため、買主が売主に対し債務不履行による損害賠償を求め、売主が消滅時効を主張し争った事案において、契約に基づく債務不履行による損害賠償請求権の消滅時効は、売買契約締結時から進行するとされた事例 |
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31 | H10.3.24 |
建物の賃料債権の差押えの効力が発生した後に、建物が譲渡され賃貸人の地位が譲受人に移転したとしても、譲受人は、建物の賃料債権を取得したことを差押債権者に対抗することができないとされた事例 |
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32 | H9.7.15 |
執行官の山林の現況調査において、目的不動産の現況をできる限り正確に調査すべき注意義務に違反したものと認められた事例 |
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33 | H9.2.25 |
不動産売買契約において、「債務不履行時における手付金相当額の損害賠償の予定」の定めのほか、「特別な損失を受けた当事者は損害賠償請求できる」旨の約定の意義について、債務不履行により手付金額を超える損害を被った債権者は、通常生ずべき損害であると特別の事情によって生じた損害であるとを問わず、損害全額の賠償を請求することができる旨を定めたものと解されるとした事例 |
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34 | H8.11.12 |
リゾートマンションの売買契約とそれと同時に締結されたスポーツクラブ会員契約に関して、屋内プールの完成遅延を理由として売買契約を解除することができるとされた事例 |
RETIO 36-044 |
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35 | H8.11.8 |
買換えにあたり、買主の売却希望価額が高過ぎて決済日までに売却できず、利用した買換つなぎローンも返済できなくなったため、買主が媒介業者に対し損害賠償を求めた事案において、買取りの約束又は第三者売却の約束があったとは認められず、また、買換特約を設けなかったことに違法はないとされた事例 |
判例集未登載 |
RETIO 38-038 |
36 | H8.10.29 |
所有者甲から乙が不動産を買い受け、その登記が未了の間に、甲から丙が当該不動産を二重に買い受け、更に丙から転得者丁が買い受けて登記を完了した場合に、丙が背信的悪意者に当たるとしても、丁は、乙に対する関係で丁自身が背信的悪意者と評価されるのでない限り、当該不動産の所有権取得をもって乙に対抗することができるとした事例 |
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37 | H8.6.4 |
代金手取額のほか売主に課される譲渡所得税相当分を買主が負担する条件にて不動産売買契約を締結し、買主が用意した譲渡所得税相当分の金額を売主が信用金庫に預金したが、買主がその預金をすぐ引き出したため、売主が買主及び信用金庫等に対し損害賠償を請求した事案について、売買代金額は譲渡所得税相当額を含めた額で、払戻請求権は特段の事情のない限り売主に帰属するとされた事例 |
平7(オ)21号(裁判所HP未登載) |
RETIO 38-051 |
38 | H8.5.28 |
違法な申立てにより仮差押え登記を行った債権者の、当該差し押さえにより締結していた転売契約が違約解除となった売主に対する損害賠償について、債権者が知っていた売主の転売利益のほか、同契約の解除に伴う買主への違約金支払い額も予見することができたとして認められた事例 |
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39 | H7.12.15 |
登記簿上の所有名義人に対して所有権移転登記手続を求めないなどの土地占有者の態度が他主占有と解される事情として十分であるとはいえないとされた事例 |
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40 | H7.12.5 |
単独名義で相続登記した共同相続人の一人から不動産を譲り受けた者は、その譲渡人が本来の相続持分を超える部分が他の共同相続人に属することを知っていた等の事由により、他の共同相続人に対して相続回復請求権の消滅時効を援用することができない場合には、その譲受人も消滅時効を援用できないとされた事例 |
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41 | H7.10.26 |
国土法に基づく土地売買の届出書について知事の不勧告通知を受けたが、売主が第三者に売却したことから買主不動産業者が、売主に対し損害賠償を求めた事案において、売買予約の成立、信義則違反の事実は認められないとしてこれを棄却した事例 |
判例集未登載 |
RETIO 35-033 |
42 | H7.6.9 |
遺留分権利者が減殺請求により取得した不動産の所有権又は共有持分権に基づく登記請求権は、時効によって消滅することはないとされた事例 |
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43 | H6.9.27 |
甲の乙に対する売買契約に基づく所有権移転登記手続請求訴訟において、丙が、乙に対して所有権移転請求権保全の仮登記に基づく本登記手続を、甲に対して本登記手続の承諾を求めてした参加の申出は、(旧)民訴法71条による参加の申出に当たらないとされた事例 |
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44 | H6.4.21 |
当事者が損害賠償の額を予定した場合においても、債務不履行に関し債権者に過失があったときは、特段の事情のない限り、裁判所は、損害賠償の責任及びその金額を定めるにつき、これを斟酌すべきであるとした事例 |
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45 | H6.3.22 |
売主が手付倍額償還による売買契約の解除をする際には、買主がその受領をあらかじめ拒絶している場合であっても口頭の提供では足りず、現実の提供をする必要があるとした事例 |
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46 | H5.4.23 |
不動産の買主が、敷地の二重使用により建築確認が遅延したとして、売主及び仲介業者に損害賠償を請求した事案において、敷地の二重使用状態を自ら作出し買主の購入目的を知る売主は、信義則上その事実及び建築確認手続遅延の可能性につき説明義務があるとした事例 |
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47 | H5.3.16 |
売主が居宅買替えのため決済日を契約後1年9か月先とした事情のある不動産売買契約において、買主による履行期1年以上前における土地の測量及び代金の提供は「履行の着手」にはあたらないとして、売主の手付倍返しによる解除が認められた事例 |
RETIO 29-017 |
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48 | H4.10.20 |
・民法566条3項にいう一年の期間は、除斥期間であるとした事例 |
RETIO 128-114 |
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49 | H4.3.19 |
売買予約に基づく所有権移転請求権保全の仮登記のされた不動産の第三取得者は、予約完結権の消滅によって直接利益を受ける者に当たり、その消滅時効を援用することができるとした事例 |
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50 | H4.2.27 |
共同抵当の目的とされた数個の不動産の全部又は一部の売買契約が詐害行為に該当する場合において、当該詐害行為の後に弁済によって抵当権が消滅したときは、売買の目的とされた不動産の価額から不動産が負担すべき抵当権の被担保債権の額を控除した残額の限度で売買契約を取り消し、その価格による賠償を命ずるべきであり、一部の不動産自体の回復を認めるべきものではないとした事例 |
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51 | H3.7.18 |
同一の建物に二重の表示登記がされた場合において、先行の表示登記に基づく所有権保存登記の名義人等が、その地位に基づいて、後行の表示登記ないしその登記に基づく所有権保存登記の抹消を求めることはできないとされた事例 |
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52 | H3.4.2 |
購入した借地権付建物につき、土地の擁壁が崩落する危険がある等の欠陥があったことから売主に対し契約解除等を請求した事案において、土地欠缺は土地貸主に修繕請求等すべきものであり、借地権の権利の瑕疵ではないとしてその請求を棄却した事例 |
RETIO 20-024 |
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53 | H1.12.22 |
民法187条1項(占有の承継)は、権利能力なき社団等の占有する不動産を、法人格を取得した以後当該法人が引き継いで占有している場合にも適用されるとした事例 |
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54 | H1.3.28 |
乙の土地所有権に基づく甲が占有する部分の明渡し請求が境界確定訴訟と併合審理されており、判決において、甲占有部分の乙の所有権が否定され、甲に対する明渡請求が棄却されたときは、たとえ、これと同時に乙主張とおりの土地の境界が確定されたとしても、占有部分については所有権に関する取得時効中断の効力は生じないとされた事例 |
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55 | S63.11.25 |
不動産売買契約が解除された場合の損害賠償額の予定に関する約定は、賠償額算定の争いを避けるためにされたものであり、解除の有無によって買主の請求しうる額に差異がない等判示の事情のもとにおいては、買主が契約を解除することなく本来の給付に代わる填補賠償を請求する場合にも適用されるとした事例 |
RETIO 12-022 |
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56 | S63.9.8 |
土地賃貸人の借地権無断譲渡を理由とした借地契約の解除請求に対し、借地人が買主との売買契約は、借地権譲渡について土地所有者の承諾が得られることを停止条件としており借地権譲渡の効力は生じていないと主張した事案において、本件契約と同時に買主に建物が引き渡されているなどの事情などから、売買契約と同時に借地権譲渡がなされたものと判断された事例 |
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57 | S63.2.25 |
不動産の引渡命令の発付を受けた買受人が当該不動産を第三者に譲渡したとしても、引渡命令の相手方は、買受人に対して提起する引渡命令に対する請求異議の訴えにおいて、譲渡の事実をもって異議の事由とすることはできないとされた事例 |
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58 | S62.11.12 |
不動産が譲渡担保の目的とされ、設定者甲から譲渡担保権者乙への所有権移転登記が経由された場合において、被担保債務の弁済等により譲渡担保権が消滅した後に乙から目的不動産を譲り受けた丙は、民法177条にいう第三者に当たるとした事例 |
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59 | S62.2.26 |
土地区画整理事業において、公簿地積を基準地積としてなされた換地処分は、特に希望する者に限り実測地積により得る途が開いてあれば、憲法29条に違反しないとされた事例 |
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60 | S62.2.13 |
売買代金債務を目的とする準消費貸借契約が締結された場合であつても、売主が自己の所有権移転登記手続債務につき売買契約に基づいて有していた同時履行の抗弁権を失わないとされた事例 |
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61 | S61.12.16 |
海は、いわゆる公共用物であって、国の直接の公法的支配管理に服し、特定人による排他的支配の許されないものであり、過去において国が一定範囲を区画してこれを私人の所有に帰属させた場合を除き、所有権の客体たる土地に当たらないとした事例 |
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62 | S61.7.17 |
従前の土地の所有者は、仮換地の不法占拠者に対し、将来の賃料相当損害金の請求を認容する確定判決を得た場合においても、その事実審口頭弁論終結後に、公租公課の増大、土地の価格の高騰等により、認容額が不相当となったときは、新訴により、認容額と適正賃料額との差額に相当する損害金の支払を求めることができるとした事例 |
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63 | S61.3.17 |
・時効による債権消滅の効果は、時効期間の経過とともに確定的に生ずるものではなく、時効が援用されたときにはじめて確定的に生ずるとした事例 |
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64 | S61.2.27 |
一筆の土地が現地においてA部分とB部分とに明確に区分され、A部分は甲に、B部分は乙にそれぞれ賃貸された後において、甲が売買の目的物を一筆の土地と表示して契約を締結したとしても、B部分を含める旨の明示的な合意がされている等の特段の事情のない限り、一筆の土地全部が売買の対象とされたものと認めることは経験則に反するとされた事例 |
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65 | S60.12.20 |
債務者が代物弁済に供した不動産をその登記未了の間に第三者に譲渡したがその後代物弁済契約が遡って失効した場合において、債権者に対する不法行為責任がないとされた事例 |
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66 | S60.11.26 |
仮登記担保権が設定された不動産の譲渡を受けた第三者は、当該仮登記担保権の被担保債権の消滅時効を援用することができるとした事例 |
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67 | S60.3.28 |
残代金を約定期限までに支払わないときは契約は当然に解除されたものとする旨の解除条件が付された土地の売買契約において、代金の一部を支払わなかった買主が、契約時より民法162条の自主占有があったとした20年の取得時効の主張が認められた事例 |
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68 | S59.9.20 |
売買に基づく所有権移転登記手続請求権を被保全権利とする処分禁止の仮処分が、その後完成した取得時効に基づく所有権移転登記手続請求権について効力を有するとされた事例 |
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69 | S59.9.18 |
買受希望者の希望により設計変更等を行ったが、買受希望者の一方的事情により売買が不成立になったとした、マンション売主の買受希望者に対する契約準備段階における信義則上の注意義務違反を理由とした損害賠償請求が認められた事例 |
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70 | S58.12.6 |
市の道路用地買収において、市が買収済の特定の残地を他に優先者のない限り払い下げる旨の説明を受け買収に応じた道路買収協力者の、当該残地が払い下げられたことを理由とする市に対する不法行為に基づく損害賠償請求が棄却された事例 |
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71 | S58.10.28 |
土地区画整理法100条の2の規定により、施行者が管理する土地について、第三者が権原なく同土地を不法に占有する場合には、施行者はこれに対し物権的支配権に基づき土地の明渡を求めることができるとした事例 |
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72 | S58.7.5 |
第一売買の買主より不動産を購入し中間省略登記によって仮登記を受けた第二売買の買主に対して、第一売買の売主が、第一売買の合意解除による仮登記の抹消を請求した事案において、第二売買の買主は民法545条1項但書にいう「第三者」に該当しないとしてその請求が認められた事例 |
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73 | S58.4.19 |
土地の売却交渉において、売買条件の全てを諒承し、売買契約公正証書の作成の日まで取り決めながら、契約締結に応じないで土地を他に売却した売主につき、契約締結上の過失に基づく債務不履行責任を認めた事例 |
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74 | S58.3.25 |
民法576条但書の「売主が相当の担保を供したとき」とは、売主が買主との合意に基づいて担保物権を設定したか、又は保証契約を締結したなどの場合をいい、担保の提供について買主の承諾を伴わない場合はこれにあたらないとした事例 |
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75 | S58.3.24 |
民法186条1項の所有の意思の推定は、占有者がその性質上所有の意思のないものとされる権原に基づき占有を取得した事実が証明されるか、又は、占有中真の所有者であれば通常はとらない態度を示し、若しくは所有者であれば当然とるべき行動に出なかつたなど、外形的客観的に占有者が他人の所有権を排斥して占有する意思を有していなかったと解される事情が証明されるときは、覆されるとされた事例 |
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76 | S57.10.19 |
土地所有者が、土地賃借人との土地賃貸借契約を合意解除し、不法占有となった者の所有する地上建物を自力救済により違法に取り壊した場合において、土地所有者は土地の不法占有を理由とする建物所有者に対する損害賠償請求ができるとされた事例 |
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77 | S57.7.1 |
競売手続中の他人所有の不動産を目的物とする売買につき、買主が売主の履行遅滞による売買契約の解除及び損害賠償の請求を求めた事案において、売主の履行遅滞は競落許可決定に対し即時抗告の申立がされたこと等の売主の責に帰することのできない事由によるものとして、その請求を棄却した事例 |
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78 | S57.6.17 |
公有水面を埋め立てるため投入された土砂は、その投入によって直ちに公有水面の地盤に附合して国の所有となることはなく、原則として、埋立工事の竣功認可の時に埋立権者の取得する埋立地に附合するものであって、その時までは、独立した動産としての存在を失わないとした事例 |
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79 | S57.6.17 |
・一筆の土地の一部分の売買契約において、対象土地部分が具体的に特定していないとされた事例 |
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80 | S57.6.17 |
農地の売買において、買主が約定の履行期後売主に対し再三にわたり売買契約の履行を催告し、その間常に残代金の支払の準備をし、農地法3条所定の認可がされ次第残代金の支払いができる状態にあったときは、現実に残代金を提供しなくても、民法557条1項の「契約の履行に着手」したものと認められた事例 |
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81 | S57.6.8 |
土地の仮装譲受人が土地上に建物を建築してこれを他人に賃貸した場合、建物賃借人は、仮装譲渡された土地については法律上の利害関係を有するものとは認められないから、民法94条2項所定の第三者にはあたらないとして、土地所有者(仮想譲渡人)の建物賃借人に対する建物明渡請求が認められた事例 |
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82 | S57.3.25 |
所有権移転請求権保全の仮登記の名義人は、登記上利害関係を有する第三者の承諾書等がないため、仮登記とは無関係に所有権移転登記を経由した場合であっても、特段の事情のない限り、仮登記義務者に対して仮登記の本登記手続を請求する権利を失わず、右仮登記の本登記を承諾すべき第三者の義務も消滅しないとした事例 |
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83 | S57.2.18 |
未登記不動産にも民法177条の適用があり、時効取得者は登記を備えなければ、時効完成後に不動産を取得し登記を備えた第三者に対し対抗できないとした事例 |
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84 | S57.1.21 |
土地の売買契約において、土地の面積が表示された場合でも、その表示が代金額決定の基礎とされたにとどまり契約の目的を達成する上で特段の意味を持つものでないときは、当該土地が表示どおりの面積を有したとすれば買主が得たであろう利益について、売主は損害賠償責任を負わないとした事例 |
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85 | S56.11.24 |
不動産につき取得時効が完成したときは、同不動産についての取得時効期間の進行中に締結され、所有権移転請求権仮登記により保全された売買予約上の買主の地位は消滅し、時効取得者は、その所有権の取得を登記なくして仮登記権利者に対抗することができるとした事例 |
||
86 | S56.10.30 |
共有不動産につき、単独相続したとして登記を得て売買した売主が、当該不動産につき自己が取得した持分をこえる部分の所有権が無効であると主張して、買主および買主よりの転取得者に対し、所有権移転の無効及び抹消(更正)登記手続を請求することは信義則に照らして許されないとした事例 |
||
87 | S56.10.13 |
民法467条1項所定の通知又は承諾は、債権の譲受人が債務者に対して債権を行使するための積極的な要件ではなく、債務者において通知又は承諾の欠けていることを主張して譲受人の債権行使を阻止することができるにすぎないとして、貸主の地位を承継した建物賃貸人の、賃借人に対する前貸主との未払賃料、損害金等の請求を容認した事例 |
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88 | S56.9.8 |
宅地造成を目的とした山林の売買において、保安林指定があったことにつき、売主の瑕疵担保責任を認めた事例 |
||
89 | S56.6.16 |
土地の売買予約契約の成立後、売主買主双方が予想せずその責に帰することのできない事情により価額が高騰した後になされた、買主の予約完結権の行使が信義則に反しないとされた事例 |
||
90 | S56.1.27 |
土地の買主が売買契約に基づいて目的土地の占有を取得した場合には、他人物売買であるため土地の所有権を直ちに取得するものでないことを買主が知っているときであっても、特段の事情のない限り、買主の占有は所有の意思をもってするものとすべきであるとされた事例 |
||
91 | S55.9.30 |
土地の一部を目的物とする売買契約において、分筆の催告に売主が応じなかったため、買主が測量により目的物を定め売主に通知した事案において、民法406条以下の規定により売買の範囲が特定し、その所有権が売買契約の効力発生時に遡って買主に帰属したとされた事例 |
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92 | S55.7.10 |
土地区画整理組合が、原則として公簿地積を基準地積とし例外的に実測地積による方法で土地区画整理事業を施行する場合において、定款には単に原則的な基準のみを記載し、例外的な措置の詳細については、別に定款の委任により執行機関の制定する執行細則等における定めにこれを委ねることも許されるとした事例 |
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93 | S55.6.5 |
宅地造成を目的とする山林の売買において、登記簿上に保安林の表示がなく現地にも保安林の標識がなかったとしても、媒介を行う宅地建物取引業者には、目的たる山林について保安林指定の有無を調査すべき注意義務があるとされた事例 |
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94 | S55.3.6 |
土地区画整理事業施行地内の土地の売買につき、従前地につきそれが別の特定の土地に換地されることを前提として締結された売買契約は、換地処分等に無効などの瑕疵があるとしても、予定通りの換地がされないことが確定しない限り効力を有するとした事例 |
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95 | S55.2.29 |
農地の売買における買主の売主に対する許可申請協力請求権の消滅時効は、売主が他人から当該農地の所有権を取得した時から進行し、10年の経過により消滅するとした事例 |
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96 | S54.9.11 |
所有権移転仮登記に後れて目的物件につき権原を取得し占有を開始した第三者は、仮登記権利者あるいは仮登記に基づき本登記を行った所有権者に対し、本登記がなされる以前の物件占有について、不法占有者としての損害賠償責任は負わないとした事例 |
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97 | S54.9.6 |
違約手付金の約定が契約関係を清算する趣旨でなされた場合、手付金の受領者は、相手方に違約があったときは、契約解除の手続を経ることなく手付金流しとしてこれを自己に帰属させることができるとともに、相手方に対しその旨を告知したときは、これによって契約関係も当然に終了するとした事例 |
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98 | S54.7.31 |
占有者の占有が自主占有にあたらないことを理由に取得時効の成立を争う者は、占有が他主占有にあたることについての立証責任を負うとした事例 |
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99 | S54.3.15 |
土地地積更正登記につき、当該土地の隣接地の所有者は、その取消を求める法律上の利益を有しないとした事例 |
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100 | S54.2.22 |
共同相続人全員の合意によって遺産分割前に遺産を構成する特定不動産を売却した場合の売却代金は、特別の事情のない限り、相続財産には加えられず、共同相続人が各持分に応じて個々にこれを分割取得するとした事例 |
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101 | S53.9.7 |
農地につき売買契約が二重に締結され、各買主が所有権移転の仮登記を経由した後、第二買主が農地法の手続を行い売買契約の効力を発生させた上農地を宅地としたときは、売主と第一の買主間の売買契約はその効力を生じ、第一の買主は第二の買主に対し仮登記に基づく本登記の承諾を求めることができるとした事例 |
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102 | S53.3.6 |
不動産の占有主体に変更があって承継された二個以上の占有が併せて主張された場合、民法162条2項にいう占有者の善意・無過失は、その主張にかかる最初の占有者につきその占有開始の時点において判定すれば足りるとされた事例 |
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103 | S52.12.8 |
民法上の組合所有の不動産を理事名義に登記することを承諾した組合員が、組合から不動産を譲り受けた後も理事名義のままにしていたが、その後理事より第三者が譲渡を受け所有権移転登記を経由した場合、組合員は理事の所有権取得の無効をもって善意無過失の第三者に対抗することができないとされた事例 |
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104 | S52.4.4 |
農地の売買契約について、知事の許可を受ける前であつても、買主が残代金全額を支払いのため提供したときは、契約の履行の着手があったと解されるとした事例 |
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105 | S52.2.17 |
農地を目的とする売買契約締結後に買主が農地を宅地化した事案において、売買契約が知事の許可なしに効力を生ずるとされた事例 |
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106 | S51.12.20 |
仲介人に売主への本件土地建物の引渡し等の催告を依頼し、また所有権移転登記手続請求の訴訟を提起するとともに、売主に代金の受け取りを求めたこと等により、買主の契約の履行の著手を認めた事例 |
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107 | S51.12.2 |
双務契約の当事者の一方が、相手方の債務と同時履行の関係にある自らの反対給付の提供をすることなしに、相手方の履行遅滞を理由としてした契約解除は、相手方の履行遅滞があれば催告を要することなく契約を解除しうる旨の特約がある場合においても、その効力を生じないとされた事例 |
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108 | S51.11.5 |
不動産の譲渡による所有権移転登記請求権は、譲渡によって生じた所有権移転の事実が存する限り独立して消滅時効にかからないとした事例 |
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109 | S51.10.12 |
不動産取得税の5年の消滅時効の起算日は、登記又は申告等の日を基準とすべきでなく、実際に取得した日であるとした事例 |
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110 | S51.6.21 |
転貸借の目的となっている土地の賃借権の譲渡を受けた者は、賃借権の譲渡人から転借人に対する譲渡の通知又は譲渡についての転借人の承諾がない以上、転借人に対し、その転貸人としての地位を主張することができないとされた事例 |
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111 | S51.4.23 |
財団法人が寄附行為の目的の範囲外の事業を行うためにした不動産の売却につき、本件売買の時から7年10か月余を経た後に訴を提起し、売買の無効を主張して売買物件の返還又は返還に代わる損害賠償を請求することは、信義則上許されないとした事例 |
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112 | S51.3.4 |
建物の貸室の賃貸借契約に際し賃借人から建物所有者である賃貸人に差し入れられた保証金がいわゆる建設協力金であり、他に敷金も差し入れられているなどの判示の事実関係のもとでは、建物の所有権を譲り受けた新賃貸人は、旧賃貸人の保証金返還債務を承継しないとした事例 |
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113 | S51.2.13 |
売買契約に基づき目的物の引渡を受けていた買主は、民法561条(他人の権利の売買における売主の担保責任)により契約を解除した場合でも、原状回復義務の内容として、解除までの間目的物を使用したことによる利益を売主に返還しなければならないとされた事例 |
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114 | S50.12.25 |
土地区画整理法による土地区画整理のための換地予定地を不法に占有する者がある場合、従前の土地所有者は、これに対し所有権に基づく物上請求権と同様の権利を行使することができるとされた事例 |
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115 | S50.7.14 |
建物につき改造が施され、物理的変化が生じた場合、新旧の建物の同一性が失われたか否かは、新旧の建物の材料、構造、規模等の異同に基づき社会観念に照らして判断すべきであり、建物の物理的変化の程度によつては、新旧の建物の同一性が失われることもあり得るとした事例 |
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116 | S50.6.27 |
売買契約の買主が口頭で代金の受領を求める旨の催告を売主の同居する家族で通常人の理解能力を有する者に対してした場合には、右催告は、売主本人に到達したものと解すべきであるとされた事例 |
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117 | S50.3.6 |
土地の売主の共同相続人の一部の者が登記手続義務の履行を拒絶しているため、買主が代金支払いを拒絶している場合に、他の相続人は履行を拒絶している相続人に対し、買主に代位して買主の所有権移転登記手続請求権を行使することができるとした事例 |
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118 | S49.11.22 |
建物が売買により順次占有が承継され、当初建物占有者の占有開始から20年の経過により、現建物所有者につき取得時効が完成した旨の主張は、仮にその占有の間に占有承継人として別の者が介在することが証拠上認められるならば、その者の占有を取得時効の期間として主張する趣旨を含むと解されるとした事例 |
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119 | S49.10.24 |
土地所有権に基づく物上請求権の訴訟においては、現実に家屋を所有してその土地を占拠し、土地所有権を侵害している者を相手方とすべきであるとし、家屋収去土地明渡請求の確定判決の効力は、事実審口頭弁論終結前に家屋を譲り受けた第三者に対し及ばないとされた事例 |
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120 | S49.3.19 |
賃貸中の宅地を譲り受けた者は、その所有権の移転につき登記を経由しないかぎり、賃貸人たる地位の取得を賃借人に対抗できないとした事例 |
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121 | S48.12.11 |
農地の売買契約締結後、その現況が宅地となった場合には、特段の事情のないかぎり、売買契約は知事の許可なしに効力を生ずるとされた事例 |
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122 | S48.10.12 |
農地売買につき、売主が買主と協力して農地法五条の許可申請をしたが手続上の不備で受理を拒まれたときは、許可申請をしたことをもって売主の買主に対する売買契約上の許可申請義務を果たしたとはいえないとされた事例 |
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123 | S48.7.12 |
数量の不足又は一部滅失の場合における売主の瑕疵担保責任の除斥期間は、善意の買主が、売買目的物の数量不足を知ったが、その責に帰さない事由により売主を知ることができなかった場合には、売主を知った時から起算されるとした事例 |
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124 | S48.6.28 |
未登記建物の所有者は、その建物が固定資産課税台帳上他人の所有名義で登録されていることを知りながら、これを明示または黙示に承認していた場合には、民法94条2項の類推適用により、名義人が所有権を有しないことを善意の第三者に対抗することができないとした事例 |
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125 | S48.6.21 |
通謀による虚偽の登記名義を真正なものに回復するための所有権移転登記手続請求訴訟における被告敗訴の確定判決は、口頭弁論終結後被告から善意で当該不動産を譲り受けた第三者に対してその効力を有しないとされた事例 |
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126 | S48.4.6 |
入札売買において第三者が買受希望者に対し売主の処分権を否定する虚偽の表示をした場合において、その行為が第三者の権利保全の目的から出たもので、その表示事実を真実と信じ、、かつ、その表示が社会的に相当な方法でなされたときは、不法行為は成立しないとされた事例 |
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127 | S48.2.2 |
・家屋賃貸借における敷金は、賃貸借終了後家屋明渡義務履行までに生ずる、賃貸人の賃借人に対する一切の債権を担保するものであり、敷金返還請求権は、賃貸借終了後家屋明渡完了の時において、それまでに生じた被担保債権を控除しなお残額がある場合に発生するとした事例 |
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128 | S47.11.28 |
甲が、乙と相通じ、仮装の所有権移転請求権保全の仮登記手続をする意思で、乙の提示した所有権移転登記手続に必要な書類に、これを仮登記手続に必要な書類と誤解して署名押印したところ、乙がほしいままに書類を用いて所有権移転登記手続をしたときは、甲は、乙の所有権取得の無効をもって善意・無過失の第三者に対抗することができないとされた事例 |
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129 | S47.11.28 |
代金を5年間の分割払いとしてその完済後売主が所有権移転登記をするとし、その支払期間中の公租公課は買主が負担するとした土地売買契約において、買主の公租公課負担義務の不履行を理由とする売主の契約解除を認めた事例 |
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130 | S47.11.21 |
法人における民法192条(即時取得)の善意・無過失は、その法人の代表者について決するが、代理人が取引行為をしたときは、その代理人について決すべきであるとされた事例 |
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131 | S47.11.16 |
甲の所有建物を買受けた乙が、売買代金を支払わないままこれを丙に譲渡した場合には、甲は、丙からの物の引渡請求に対して、末払代金債権を被担保債権とする留置権の抗弁権を主張することができるとした事例 |
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132 | S47.9.7 |
売買契約が詐欺を理由として取り消された場合における当事者双方の原状回復義務は、同時履行の関係にあるとした事例 |
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133 | S47.7.18 |
・生前相続による不動産所有権の取得は、登記を経なければ第三者に対抗できないとされた事例 |
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134 | S47.6.15 |
賃貸家屋の一部の無断転貸を理由に賃貸借契約が解除された後、建物所有者より家屋を譲り受けた転借人の賃借人に対する明渡請求が、信義則違反または権利の濫用にあたるとして棄却された事例 |
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135 | S47.5.30 |
伐採を目的とする山林立木の売買契約における売主の履行義務は、立木の引渡をもって完了するものではなく、売主は、立木の伐採、造材、搬出に必要な相当の期間、買主を山林敷地を使用させる義務を負うとされた事例 |
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136 | S47.4.20 |
売買不動産の価格が売主の所有権移転義務の履行不能後も騰貴を続けており、かつ、履行不能の際に売主がその事情を知っていた等の特別な事情がある場合において、購入目的が自己使用である買主の売主に対する騰貴後の不動産の現在価格を基準とした損害賠償請求が認められた事例 |
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137 | S47.4.20 |
不動産の貸借人が賃貸人から当該不動産を譲り受けたが所有権移転登記をしない間に、第三者が不動産を譲り受け所有権移転登記をしたため、賃借人が不動産の所有権取得を第三者に対抗できなくなった場合、いったん混同により消滅した賃借人の賃借権は、第三者が所有権を取得すると同時に、同人に対する関係では消滅しなかったことになるとした事例 |
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138 | S47.3.9 |
借地上の建物売買契約を締結した場合、特別の事情のないかぎり、売主は買主に対しその敷地の賃借権をも譲渡したものであり、特約または慣行がなくても、建物の売主は買主に対しその敷地の賃借権譲渡につき賃貸人の承諾を得る義務を負うとした事例 |
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139 | S47.3.2 |
私人と国との間の土地売買契約において、目的土地の利用方法に関する特約は当事者にとって極めて重要な特約であるから、予算決算等に基づき契約書が作成された以上、かかる特約の趣旨は通常契約書に記載されるものであり、これに記載されていないときはかかる特約は存在しないとされた事例 |
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140 | S46.12.16 |
不動産の二重売買において、所有権移転登記未了の間に、他の買主のために売買予約を原因とする所有権移転請求権保全の仮登記がなされたというだけでは、売買契約上の義務が履行不能になったとして違約解除することはできないとした事例 |
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141 | S46.12.3 |
貸家の譲受人は、所有権移転登記を経由していないときは、賃借人に対し賃貸人の地位承継を主張できないが、賃借人がこの事実を認め、譲受人に対して承継後の賃料を支払う場合には、その支払が仮に承認前に遡つて賃料を支払う場合においても、債権者に対する弁済として有効であり、譲渡人は賃借人に対し賃料の支払を妨げることができないとした事例 |
||
142 | S46.11.30 |
甲乙丙三者間において中間省略登記の合意が成立した場合においても、中間者乙は、当然には甲に対する移転登記請求権を失うものではないとした事例 |
||
143 | S46.11.25 |
不動産の売主が売買契約の効力の発生を争うとともに仮定的にその取得時効を援用した場合に、売買契約の効力につき判断することなく、売主のため取得時効の完成を認めることを妨げないとした事例 |
||
144 | S46.11.11 |
民法162条2項の10年の取得時効を主張するものは、その不動産を自己の所有と信じたことにつき無過失であったことの立証責任を負うとした事例 |
||
145 | S46.11.5 |
不動産の二重譲渡において、登記未経由のまま占有していた買主が時効取得を主張する場合の起算点は、占有開始の時点であるとした事例 |
||
146 | S46.6.11 |
農地の売主と買主の地位の譲受人との間における知事の許可申請手続等に関する合意が有効とされた事例 |
||
147 | S46.4.23 |
土地の賃貸借契約における賃貸人の地位の譲渡において、新所有者が旧所有者の賃貸人としての権利義務を承継するには、特段の事情のないかぎり賃借人の承諾を必要とせず、旧所有者と新所有者間の契約をもってこれをなすことができるとした事例 |
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148 | S46.4.8 |
不動産が甲から乙丙丁と順次譲渡され所有権移転登記は、甲が同意しないのに甲から直接丁に対し経由された場合において甲が登記を無効としてその抹消を求めることが許されないとされた事例 |
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149 | S46.4.6 |
農地の買主が目的農地を転売した場合に、転買人が当初の売主に対して直接農地法五条所定の知事に対する許可申請手続を求めることは許されないとした事例 |
||
150 | S46.3.9 |
購入土地の一部につき、買受人が農業委員会作成の図面または法務局備付の図面を閲覧し、実地調査をすれば、当該土地が売買に含まないことを容易に知り得たにもかかわらず、この調査をせず自己の所有に属するとして開始した占有には、自己の所有と信じたことに過失があるとされた事例 |
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151 | S46.2.19 |
建物の賃借人が有益費を支出した後、建物の所有権譲渡により賃貸人が交替したときは、特段の事情のないかぎり、新賃貸人が有益費の償還義務を承継し旧賃貸人は償還義務を負わないとされた事例 |
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152 | S45.12.18 |
仮換地の指定後に、従前の土地を所有する意思をもって当該仮換地の占有を始めた者は、換地処分の公告の日までに民法162条所定の要件を満たしたときは、取得により従前の土地の所有権を取得するとされた事例 |
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153 | S45.12.11 |
土地賃借権の無断譲渡が背信行為にあたらない場合、譲受人のみが賃借人となり、譲渡人たる前賃借人は、賃貸借契約関係から離脱し、賃貸人に対して契約上の債務を負わないとされた事例 |
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154 | S45.12.10 |
乙が甲から所有権移転登記を経た不動産について、甲より登記原因の無効を理由とする予告登記がなされた後、乙より丙に所有権移転登記がされ、ついで甲勝訴の判決が確定した場合において、甲の丙に対する所有権移転登記抹消請求の訴えを排訴することは、予告登記の効力により妨げられるものではないとされた事例 |
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155 | S45.11.26 |
農地の売買契約において、本件土地が宅地化されるに至った原因およびその経緯に鑑み、宅地化により本件各売買契約は、農地法所定の許可を経ることなくその効力を生ずるに至ったとされた事例 |
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156 | S45.11.24 |
地主の承諾を得て土地賃借権の譲渡を受け、土地上の所有建物につき登記を経由して第三者に対する対抗力を備えた者は、土地の一部についての賃借権の二重譲渡を受け、これに建物を建てその占有をなす者に対し、直接その建物の収去明渡請求をすることができるとされた事例 |
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157 | S45.11.19 |
不動産の買主が、売主に対する貸金を債権とした抵当権設定登記および所有権移転請求権保全の仮登記を経た場合において、売主より不動産を買い受け所有権登記を経た善意の第三者に対して、買主は自己の登記が実体上の権利関係と相違し仮登記を経由した所有権者であると主張することはできないとした事例 |
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158 | S45.11.5 |
売買代金に関し宅地のみの価額は別に定めず行われた土地建物の売買契約において、宅地につきいわゆる数量指示売買に該当しないとされた事例 |
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159 | S45.10.29 |
占有における所有の意思の有無は、占有取得の原因たる事実によって客観的に定められるべきものであるから、所有権譲受を内容とする交換契約に基づき開始した占有は、所有の意思をもってする占有であるとされた事例 |
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160 | S45.9.22 |
不実の所有権移転登記が所有者の承認のもとに存続せしめられていたものとして、民法94条2項を類推適用すべきものとされた事例 |
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161 | S45.7.16 |
現存する建物の所有者が、その建物の所在地上に以前存在していた旧建物の所有名義人に対し、旧建物の滅失登記手続を訴求する利益はないとされた事例 |
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162 | S45.6.2 |
甲が融資を受けるため、乙と通謀して不動産の売買を仮装して乙に所有権移転登記をし、乙がさらに丙に融資の斡旋を依頼して不動産の登記手続に必要な登記済証等を預け、丙がこれらの書類により乙よりの所有権移転登記を経たときは、甲は丙の所有権取得の無効をもって善意無過失の第三者に対抗できないとした事例 |
||
163 | S45.4.16 |
未登記建物の所有者が、その建物につき家屋台帳上他人の所有名義で登録されていることを知りながら、これを明示または黙示に承認した場合には、その所有者は台帳上の名義人から権利の設定を受けた善意の第三者に対し、民法94条2項の類推適用により対抗することができないとされた事例 |
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164 | S45.4.10 |
・仮換地の土地一部分の売買契約において、売主は所有権移転登記に関し、仮換地全体に対する目的土地の地積に応じた従前地の持分権の移転登記手続を履行する義務を負い、買主が売主に対し仮換地指定変更申請に協力しないことが、同義務に影響を及ぼすものではないとした事例 |
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165 | S45.3.26 |
契約を解除した当事者が第三者の登記の欠缺を主張することが信義則上許されないとされた事例 |
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166 | S45.1.23 |
不動産の二重譲渡において双方の買主がそれぞれ売主に対して処分禁止の仮処分を執行した後、第一次仮処分債権者が本案の勝訴判決に基づいて所有権移転登記を経由した場合、その買主は第二次仮処分債権者に対し自己の所有権を対抗できるとした事例 |
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167 | S44.12.19 |
不動産の買主が売主に対して処分禁止の仮処分をした場合に、不動産の他の買主が同一不動産について第二次の処分禁止の仮処分をすることは妨げられないが、第一次仮処分の債権者が、被保全権利の実現として、売買契約に基づく所有権移転登記を経由したときは、第二次仮処分の債権者は、自己の仮処分の効力を主張して所有権の取得を否定することはできないとした事例 |
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168 | S44.12.18 |
・民法761条は、夫婦が相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定しているものと解すべきとした事例 |
||
169 | S44.12.18 |
不動産を買い受け所有権に基づいてこれを占有する買主は、売主との関係においても、自己の占有を理由として不動産につき時効による所有権の取得を主張することができるとした事例 |
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170 | S44.12.11 |
所有権に基づいて不動産を占有するものについて、所有権の取得時効の適用があるとした事例 |
||
171 | S44.11.21 |
土地の買受人が、地上に自己の親族が賃借人として建物を所有し営業していることを知って、賃借権付評価額以下の価額で土地を取得しながら、賃借権の対抗力の欠如を奇貨として、賃借人に対しその損失を意に介さず建物収去土地明渡請求をすることは権利の濫用にあたるとした事例 |
||
172 | S44.11.6 |
不特定物の売買においては、特段の事情のないかぎり、その目的物が特定すると同時に、当然にその目的物の所有権は売主から買主に移転するとした事例 |
||
173 | S44.10.31 |
農地を目的とする売買契約締結後に、買主がこれに地盛りをし売主の承諾のもと建物を建築するなどしたため、土地が完全に宅地に変じた場合には、売買契約は知事の許可なしに効力を生ずるとした事例 |
||
174 | S44.10.30 |
土地を占有していた被相続人が死亡し相続が開始した場合には、特別の事情のないかぎり、被相続人の土地に対する占有は相続人によつて相続されるとした事例 |
||
175 | S44.8.29 |
商人間の土地の売買において、当事者の意思表示により、一定の日時または一定の期間内に履行をなさなければ、契約をした目的を達することができないときは、その売買は確定期売買であるとされた事例 |
||
176 | S44.7.17 |
建物賃貸借契約において、当該建物の所有権移転に伴い賃貸人たる地位に承継があった場合には、旧賃貸人に差し入れられた敷金は、未払賃料債務があればこれに当然充当され、残額についてのみその権利義務関係が新賃貸人に承継されるとした事例 |
||
177 | S44.6.24 |
所有権に基づく登記請求を認容した確定判決は、その理由において所有権の存否を確認している場合であっても、所有権の存否について既判力およびこれに類似する効力(いわゆる争点効)を有するものではないとされた事例 |
||
178 | S44.6.12 |
特定地域の土地が、甲乙間において、甲所有の丙地に含まれるか、乙所有の丁地に含まれるかが争われている場合には、甲がその主張の丙地について所有権取得登記を経由していなくても、乙はこの一事によつて甲の土地に対する土地所有権取得を否定することはできないとされた事例 |
||
179 | S44.6.3 |
賃貸建物につき売買契約に基づく所有権移転請求権保全の仮登記が経由された後に、仮登記義務者が賃料債権を第三者に譲渡しても、賃料債権譲渡は仮登記に基づく所有権移転の本登記が経由されたことによって、その効力を否定されるものではないとされた事例 |
||
180 | S44.5.30 |
従来母屋に接続する簡単なバラック建付属建物であった部分を拡げて店舗に改造し、母屋との間に板壁による間仕切りをし、母屋と全く別個に使用できるようにした場合においては、柱および板壁を共通とし、建物が屋根続きで外観上は一体の建物の観を呈していても、改造部分につき区分所有権が成立するとした事例 |
||
181 | S44.5.27 |
甲が乙の承諾のもとに乙名義で不動産を競落し、丙が善意で乙からこれを譲り受けた場合において、甲は丙に対し登記の欠缺を主張して不動産の所有権の取得を否定することはできないとした事例 |
||
182 | S44.5.27 |
農地の二重売買につき、第一の買主が売主の履行不能を理由とする損害賠償を求めた事案において、第二買主の所有権移転請求権保全の仮登記を経由をもって売主の履行不能が確定したとはいえないし、同仮登記により農地法の許可が得られない証拠もないとして、その請求を棄却した事案 |
||
183 | S44.5.2 |
中間省略登記が中間取得者の同意なしにされた場合においても、中間取得者でない者は、登記の無効を主張してその抹消登記手続を求めることはできないとされた事例 |
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184 | S44.4.17 |
不動産について、被相続人との間に締結された契約上の義務の履行として、所有権移転登記手続を求める訴訟は、その相続人が数人いるときでも、必要的共同訴訟ではないとした事例 |
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185 | S44.3.27 |
共有不動産につき共有者の一人が持分権を放棄した場合、他の共有者は放棄にかかる持分権の移転登記手続を求めるべきであって、放棄者の持分権取得登記の抹消登記手続を求めることは許されないとされた事例 |
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186 | S44.3.25 |
改築後の新建物が旧建物と同じく木造平屋建一棟の居宅であって、旧建物を支えていた柱も相当数のものが残って新建物の支柱となり、旧建物の残存部分が新建物の主たる構成部分をなしているなどの事実関係のもとにおいては、新・旧両建物は社会通念上同一性を有するとした事例 |
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187 | S43.12.24 |
民法162条2項の占有者の善意・無過失とは、自己に所有権があるものと信じ、かつ、そのように信ずるにつき過失のないことをいい、占有者において、占有の目的不動産に抵当権が設定されていることを知り、または、不注意により知らなかった場合でも、善意・無過失の占有者ということを妨げないとした事例 |
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188 | S43.12.20 |
民法第565条にいういわゆる数量指示売買とは、当事者において目的物の実際に有する数量を確保するため、その一定の面積・容積・重量・員数または尺度のあることを売主が契約において表示し、かつ、この数量を基礎として代金額が定められた売買を指称するものであるとされた事例 |
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189 | S43.11.21 |
不動産の二重売買において、第二の買主の所有権移転登記がされた場合、第一の買主は、第二の買主の明渡請求に対し、売買契約不履行に基づく損害賠償債権をもって、留置権を主張することはできないとされた事例 |
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190 | S43.11.19 |
不動産の譲受人が登記を経ないうちに、不動産について、第三者から譲渡人を仮処分債務者とする処分禁止の仮処分が執行された場合においても、譲受人が登記なく仮処分債権者に権利取得を対抗しうる地位にあったときは、譲受人は仮処分執行後も仮処分債権者に対し所有権の取得を対抗できるとした事例 |
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191 | S43.11.15 |
甲の乙に対する山林の贈与に関し、立会人として示談交渉に関与した丙につき、いわゆる背信的悪意者として、乙の所有権登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者にあたらないとされた事例 |
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192 | S43.11.13 |
所有権に基づく登記手続請求の訴訟において、被告が自己に所有権があることを主張して請求棄却の判決を求めることは、原告のための取得時効を中断する効力を生ずるとした事例 |
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193 | S43.11.5 |
「数量指示売買」とは目的物が実際に有する数量を確保するため、その一定の面積、容積、重量、員数または尺度あることを売主が契約において表示し、かつ、この数量を基礎として代金額が定められた売買をいうとした事例 |
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194 | S43.10.31 |
賃借権の譲渡転貸許容の特約がされその旨の登記がされている土地賃貸借において、賃借権の消滅を第三者に対抗するためにはその旨の登記を経由する必要があるとした事例 |
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195 | S43.10.29 |
借地法10条に基づく買取請求権の行使により、借地上建物の所有権が移転した場合においても、建物の賃借人は借家法1条によつて賃借権を対抗できるとした事例 |
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196 | S43.10.17 |
不動産の売買予約を仮装して所有権移転請求権保全の仮登記手続をした場合において、外観上の仮登記権利者が仮登記に基づき所有権移転の本登記手続をしたときは、外観上の仮登記義務者は本登記の無効をもって善意無過失の第三者に対抗できないとした事例 |
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197 | S43.9.20 | ・売買代金の支払時期について不確定な期限を定めたものと認められた事例 |
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198 | S43.9.6 |
・買収農地の売渡を受けて農業用施設として占有している者は、その売渡処分が当然無効であっても、その占有の始めに善意・無過失というべきであるとした事例 |
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199 | S43.9.6 | 建物収去土地明渡の強制執行が権利の濫用にあたるとされた事例 |
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200 | S43.9.3 |
対抗力を具備しない土地賃借権者に対し建物収去土地明渡を求めることが権利濫用となる場合においても、土地所有権の取得者が賃借権者に対し、違法に土地を占有するものであることを理由に損害の賠償を請求することは許されるとした事例 |
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201 | S43.8.20 |
・数量指示売買とは、当事者において目的物の実際に有する数量を確保するため、その一定の面積、容積、重量、員数または尺度あることを売主が契約において表示し、かつ、この数量を基礎として代金額が定められた売買をいうとした事例 |
||
202 | S43.8.2 |
甲から山林を購入した乙が23年間これを占有していたところ、丙がその事実を知りながら、乙の未登記に乗じて乙に高値で売却する目的で、甲から当該山林を購入し登記を経たという事情の下では、丙は、いわゆる背信的悪意者として、乙の登記がないことを主張する正当の利益を有する第三者に当たらないとされた事例 |
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203 | S43.7.18 |
建物保護法による対抗力を有しない賃借人の土地賃借権が、賃貸人の土地譲渡により消滅に帰したとしても、賃貸人の賃借人に対する不法行為が成立するものではないとした事例 |
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204 | S43.6.21 |
私文書の作成名義人の印影が名義人の印章によつて顕出されたことが認められたときは、反証のないかぎり同印影は、名義人の意思に基づいて顕出されたものと推定され、その私文書は真正に成立したものと推定されるとした事例 |
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205 | S43.6.21 |
売主および買主が連署のうえ農地法5条による許可申請書を知事あてに提出したときは、特約その他特別の事情のないかぎり、民法557条1項にいう「契約の履行に著手」したと解されるとした事例 |
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206 | S43.5.30 |
売買代金を分割払いとする土地の売買において、買主が所有権を取得し引渡しを受けた後に、売主が、買主不知の間に、第三者のため売買土地に根抵当権・地上権の設定登記を行った事情のもと、売主催告の残代金を買主が支払わなかったことを理由とする契約解除は、信義則に反し無効であるとした事例 |
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207 | S43.4.4 |
共有者の一人が、権限なく、共有物を自己の単独所有に属するものとして他に売り渡した場合でも、売買契約は有効に成立し、自己の持分をこえる部分については、他人の権利の売買としての法律関係を生ずるとともに、自己の持分の範囲内においては、約旨に従った履行義務を負うとした事例 |
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208 | S43.3.1 |
相続人が登記簿に基づき実地に調査すれば、相続した土地の範囲に甲地を含まないことを容易に知ることができたにもかかわらず、この調査をしなかったために、甲地が相続した土地に含まれると信じて占有をはじめたときは、相続人は占有のはじめにおいて無過失ではないとした事例 |
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209 | S43.2.23 |
土地の売買契約において、所有権移転登記手続は代金完済と同時とし、代金完済までは買主は土地の上に建物等を築造しない旨の付随的約款に違反したとした、契約解除が認められた事例 |
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210 | S42.12.14 |
賃貸家屋の所有権および未払賃料債権の譲受人が所有権の取得登記前にした賃料の支払の催告について、賃貸借契約の解除の前提としての催告の効力を認めた事例 |
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211 | S42.10.31 |
甲が乙に不動産を仮装譲渡し、丙が善意で乙からこれを譲り受けた場合であっても、丙が所有権取得登記をする前に、甲からの譲受人丁が乙を債務者とし不動産について処分禁止の仮処分登記を経ていたときは、丙はその所有権取得を丁に対抗することができないとした事例 |
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212 | S42.10.31 |
乙ほか5名共有の土地が一方甲に譲渡され、他方丙を経て乙に譲渡された場合、乙が所有権取得登記を経由しても、甲は登記なくして乙に対し土地の所有権取得を対抗することができるとした事例 |
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213 | S42.10.27 |
農地を目的とする売買契約締結後に、売主が目的物上に土盛りをし、その上に建物が建築され、そのため農地が恒久的に宅地となった等買主の責に帰すべからざる事情により農地でなくなった場合には、売買契約は知事の許可なしに効力を生ずるとした事例 |
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214 | S42.8.25 |
売主の支払停止前になされた農地の売買について、知事の許可がなかったため、買主は支払停止後破産申立前に所有権移転請求権保全の仮登記を経たが、破産宣告が仮登記後1年を超えてなされたときは、仮登記についてもはや破産法第74条第1項による否認をしえなくなり、買主は仮登記に基づき破産管財人に対し、知事の許可を条件とする本登記を求めることができるとした事例 |
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215 | S42.7.21 |
不動産の取得時効完成前に原所有者から所有権を取得し時効完成後に移転登記を経由した者に対し、時効取得者は、登記なくして所有権を対抗することができるとした事例 |
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216 | S42.7.21 |
耕地整理施行中の未登記の残地を買い受けた者が、耕地整理組合について調査することなく、売主の所有地であるとの言を信じてその占有を始めたとしても、売主が真の所有者の実父でこれを管理していた等の事実の下においては、買主がその所有権を取得したと信じたことにつき過失がないとされた事例 |
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217 | S42.7.21 |
所有権に基づいて不動産を占有する者についても、民法162条(取得時効)の適用があるとした事例 |
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218 | S42.6.20 |
津波によって土地が流出した後に住宅適地造成組合によって造成された土地の所有権の取得時効につき、相続による占有者が土地登記簿を調査しなかったことをもって占有のはじめに過失があったとはいえないとした事例 |
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219 | S42.6.6 |
不動産の所有権が順次甲、乙、丙と譲渡された場合に、甲が乙に対し所有権移転登記をする意思で、登記申請書類を交付していたときは、丙が同書類を利用して甲から丙に直接所有権移転登記をしても同登記は無効になるものではないとした事例 |
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220 | S42.5.2 |
甲から乙へ家屋の所有権が譲渡移転された後、甲から家屋を賃借して引渡を受けた丙は、その後に所有権移転登記を受けた乙に対し、賃借権をもって対抗することができるとした事例 |
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221 | S42.4.6 |
宅地転用を目的とした農地の売買契約がなされた場合において、売主が知事に対する許可申請手続に必要な書類を買主に交付したのに、買主が特段の事情もなく許可申請手続をしないときには、売主はこれを理由に売買契約を解除することができるとした事例 |
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222 | S42.1.20 |
県知事の許可がないかぎり、農地の買戻は効力を発生しないから、売戻人の目的物の明渡義務も発生しないとした事例 |
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223 | S41.11.22 |
不動産の時効取得者は、取得時効の進行中に原権利者から当該不動産の譲渡を受けその旨の移転登記を経由した者に対しては、登記がなくても、時効による所有権の取得を主張することができるとした事例 |
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224 | S41.10.7 |
15才位に達した者は、特段の事情のないかぎり、不動産について、所有権の取得時効の要件である自主占有をすることができるとした事例 |
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225 | S41.9.8 |
他人の権利を目的とする売買の売主が、当該権利を取得してこれを買主に移転することができない場合、買主は売主に対し、民法第561条但書により担保責任の損害賠償の請求ができないときでも、なお債務不履行一般の規定に従って損害賠償を請求することができるとした事例 |
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226 | S41.6.2 |
不動産の買主甲が売主乙に対し、所有権移転登記手続履行の請求訴訟を起こし勝訴判決得た場合において、乙から同一不動産の二重譲渡を受けた丙が、訴の事実審の口頭弁論終結後にその所有権移転登記を経たとしても、丙は前示確定判決について、民訴法第201条第1項の承継人にあたらないとした事例 |
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227 | S41.5.19 |
共有物の持分の価格が過半数をこえる者は、共有物を単独で占有する他の共有者に対し、当然には、その占有する共有物の明渡を請求することができないとした事例 |
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228 | S41.4.15 |
民法第162条第2項にいう平穏の占有とは、占有の取得・保持について、暴行強迫などの違法な行為を用いていない占有をいい、不動産所有者その他占有の不法を主張する者から異議をうけ、不動産の返還、占有者名義の所有権移転登記の抹消請求があっても、その占有が平穏でなくなるものではないとした事例 |
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229 | S41.4.14 |
住宅建築を目的とした土地売買において、土地の8割にあたる部分が十数年前に公示された都市計画街路内に存することが、民法570条の売買の目的物に隠れたる瑕疵にあたるとした、買主の契約解除が認められた事例 |
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230 | S41.3.22 |
双務契約の当事者の一方が自己の債務の履行をしない意思を明確にした場合には、相手方が自己の債務の弁済の提供をしなくても、当事者の一方は、自己の債務不履行について、同時履行の抗弁権を主張することはできないとした事例 |
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231 | S41.3.18 |
未登記の建物の所有者甲が、所有権を移転する意思がないのに、建物について、乙の承諾を得て乙名義の所有権保存登記を経由したときは、民法第94条第2項を類推適用して、甲は、乙が建物の所有権を有していないことをもって善意の第三者に対抗することができないとした事例 |
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232 | S41.3.3 |
建物の売買契約解除後、不法に建物を占有する買主が、同建物につき必要費有益費を支出したとしても、買主は民法第295条第2項の類推適用により、当該費用の償還請求権に基づく建物の留置権は主張できないとした事例 |
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233 | S41.3.1 |
抵当権の設定登記後に当該不動産について所有権移転請求権保全の仮登記を経由した者は、その後に登記された抵当権の実行による競落人に対し、その権利を対抗することができないとされた事例 |
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234 | S41.1.21 |
履行期の約定がある場合であっても、当事者が債務の履行期前には履行に着手しない旨合意している等格別の事情のないかぎり、履行期前に民法557条1項にいう履行の着手が生じ得ないものではないとした事例 |
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235 | S41.1.13 |
不動産の贈与を予定して、登記権利者たる受贈者の関与なく不動産の所有権取得登記がなされた場合でも、後日不動産の贈与が行われたときは、受贈者は不動産所有権の取得をもって第三者に対抗することができるとした事例 |
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236 | S40.12.21 |
不動産の賃借人が賃貸人から不動産を譲り受けたが、不動産を二重に譲り受けた第三者が先に所有権移転登記をしたため、賃借人が不動産の所有権を第三者に対抗できなくなった事案において、いったん混同により消滅した賃借権が、第三者の所有権取得により同人に対する関係では消滅しなかったことになるとされた事例 |
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237 | S40.11.24 |
・民法557条1項にいう履行の着手とは、債務の内容たる給付の実行に着手すること、すなわち、客観的に外部から認識し得るような形で履行行為の一部をなし又は履行の提供をするために欠くことのできない前提行為をした場合を指すものとした事例 |
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238 | S40.11.19 |
売主が第三者所有の特定物を売り渡した後、物件の所有権を取得した場合には、買主への所有権移転の時期・方法について特段の約定がないかぎり、物件の所有権はなんらの意思表示がなくても、売主の所有権取得と同時に買主に移転するとした事例 |
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239 | S40.10.8 |
売主が、その兄の買主に対する借金債務を引き受け、これと売買代金の一部とを相殺することを目的として、その旨特約して不動産売買契約を締結したが、買主が既に第三者に債権を譲渡していた場合において、当該売買契約の要素につき売主に錯誤があったというべきであるとした事例 |
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240 | S40.9.21 |
不動産の所有権が甲乙丙と順次移転したのに、登記名義は依然として甲にある場合には、丙が甲に対し直接自己に移転登記を請求することは、甲および乙の同意がないかぎり許されないとした事例 |
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241 | S40.9.10 |
民法第545条第2項の利息債務は、実質は不当利得返還の法理より生ずるもので、同法第546条第533条所定の同時履行の抗弁権にかかわりなく発生し、ただその債務の履行が抗弁権の作用をこうむるにすぎないとされた事例 |
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242 | S40.9.8 |
・売買代金債権は、法律上これを行使することができるようになったときに、所得税法第10条第1項後段にいう「収入すべき金額」となるとした事例 |
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243 | S40.6.30 |
特定物の売買契約における売主のための保証人は、特に反対の意思表示のないかぎり、売主の債務不履行により契約が解除された場合における原状回復義務についても、保証責任を負うとした事例 |
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244 | S40.5.20 |
土地の共有者は、その土地の一部が自己の所有に属すると主張する第三者に対し、各自単独で、係争地が自己の共有持分権に属することの確認を訴求することができるとした事例 |
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245 | S40.3.11 |
不動産を目的とする代物弁済の予約完結の意思表示がなされたときは、これにより当該不動産の所有権移転の効果が生ずるとされた事例 |
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246 | S40.3.2 |
従前の土地の地積は土地台帳の地積による旨の土地区画整理施行規程の規定に基づき、土地台帳の地積によってした換地予定地指定処分は、憲法第29条に違反しないとした事例 |
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247 | S39.10.30 |
いわゆる法定条件についても、民法128条(条件の成否未定の間における相手方の利益の侵害の禁止)が類推適用されるとした事例 |
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248 | S39.10.8 |
売買契約書上一筆の山林を表示しているが、契約締結当時の諸事情に照らして観察すれば、売買は山林を構成する地盤の一部を指定し、これを譲渡するという趣旨の契約にほかならないときは、所有権移転の効力は山林部分についてのみ生ずるとした事例 |
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249 | S39.9.8 |
農地の買主は、その必要があるかぎり、売主に対し知事の許可を条件として、農地所有権移転登記手続請求をすることができるとした事例 |
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250 | S39.8.28 |
賃貸中の家屋の所有権を第三者に移転した場合には、特段の事情のないかぎり、賃貸人の地位もこれにともない第三者に移転するとした事例 |
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251 | S39.7.24 |
甲の所有権保存登記がなされた甲所有の建物について、二重に乙名義の所有権保存登記がされ、次いで甲名義の登記が不法に抹消された後に、丙が乙名義の登記に基づき建物の所有権取得登記を経由した場合、丙は、甲名義の登記の抹消回復登記につき「登記上利害の関係を有する第三者」に当らないとした事例 |
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252 | S39.6.26 |
家屋賃貸借における賃料の取立債務の約定は、賃借人と前賃貸人との間の特殊事情に基づいて成立したものであっても、新所有者たる賃貸人に承継されるとした事例 |
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253 | S39.5.12 |
私文書の作成名義人の印影が当該名義人の印章によって顕出されたものであるときは、反証のないかぎり、民事訴訟法326条により、当該文書が真正に成立したものと推定されるとした事例 |
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254 | S39.2.13 |
単に土地を譲渡した前所有者であるにすぎないものは、譲受人から権利を譲受けたた後者に対して登記の欠缺を主張するにつき正当の利益を有する民法177条の第三者に該当しないとした事例 |
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255 | S39.1.30 |
甲乙両名が共同相続した不動産につき、乙が勝手に単独所有権取得の登記をし、さらに第三取得者丙が乙から移転登記をうけた場合、甲は乙丙に対し自己の持分を登記なくして対抗できるとした事例 |
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256 | S38.12.27 |
売主およびその相続人の共有不動産が売買の目的とされた場合、当該相続人は当該売買契約における売主の義務の履行を拒むことはできないとした事例 |
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257 | S38.12.13 |
他人の所有する土地に権原によらずして自己所有の樹木を植え付け、その時から立木のみにつき所有の意思をもって平穏かつ公然に20年間占有した者は、時効により立木の所有権を取得するとした事例 |
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258 | S38.10.29 |
建物の賃借部分の改築により、借家人のため区分所有権が成立したとされた事例 |
||
259 | S38.10.15 |
登記簿上の所有者名義人は、前所有名義人から不動産所有権を取得したと主張する場合には、前所有名義に対し登記の推定力を援用し得ないとした事例 |
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260 | S38.10.4 |
共同相続した不動産につき、共同相続人の一人が勝手に単独の所有権登記を行い、この者から第三者が移転登記を受けた場合、他の共同相続人は第三者に対し自己の持分を登記なくして対抗できるとし事例 |
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261 | S38.10.1 |
農地の売買において、売主の相続人らが買主に対して負う、知事に対する許可申請手続協力義務は不可分債務であるとされた事例 |
||
262 | S38.9.26 |
賃貸借の目的たる家屋の所有権を取得して賃貸人となった者は、旧所有者と賃借人との間に存した転貸許容の特約をも承継するとした事例 |
||
263 | S38.9.5 |
違約手付の特約に契約関係清算のための損害賠償額の予定を含む場合においては、違約手付を交付した者が相手方の違約を理由として手付金倍額償還を請求するには、あらかじめ契約解除の手続を経ることを要しないとした事例 |
||
264 | S38.8.8 |
第三者の詐欺による売買により目的物件の所有権を喪失した売主は、買主に対し代金請求権を有していても、第三者に対する不法行為に基づく損害賠償請求権がないとはいえないとされた事例 |
||
265 | S38.3.28 |
・甲が登記簿上乙の所有名義となっている甲所有建物を丙に譲渡した後、丙の所有権登記前に、甲の債権者丁が建物になした、乙より甲への代位による所有権移転登記ならびに甲を債務者とする仮差押登記はいずれも有効であるとした事例 |
||
266 | S38.1.18 |
建物の賃借人は、賃料前払の効果を賃借建物につき所有権を取得した新賃貸人に主張できるとした事例 |
||
267 | S37.12.26 |
土地区画整理中の土地の売買において、なんらの特約をしなかった場合、清算交付金は売主に帰属するとした事例 |
||
268 | S37.11.27 |
山林の売買契約において、売主が開通すると説明した北側道路が実際には存しなかった場合において、当該北側道路の存在は売買契約の要素であるとして、買主の錯誤による契約無効の主張を容認した事例 |
||
269 | S37.11.16 |
債務の履行不能後目的物の価格が値上りした場合に、 履行不能となった際債務者がその事情を知りまたは知りえたときは、債務者が口頭弁論終結時の価格まで値上りする以前に目的物を他に処分したであろうと予想された場合でないかぎり、債権者は終結時の価格による損害の賠償を請求しうるとした事例 |
||
270 | S37.9.21 |
金銭債務の弁済のため、銀行の自己宛振出小切手を提供したときは、特段の事情のないかぎり、債務の本旨に従った弁済の提供があったものとされた事例 |
||
271 | S37.6.26 |
第三者のためにする契約は、契約当時に存在していなくても将来出現するであろうと予期された者を第三者とした場合でも有効に成立するとした事例 |
||
272 | S37.6.8 |
仮処分命令により売買その他の処分行為を禁止された不動産の所有者は、絶対にその物件の処分権を失うものではなく、仮処分債権者に対する関係においてこれを処分することができないにすぎないとした事例 |
||
273 | S37.5.18 |
同一不動産について再度なされた売買契約の解釈は、、前の売買契約を確認し、その約定を附加訂正したものと解するのが相当であるとした事例 |
||
274 | S36.12.15 |
不特定物の売買において、特段の事情が存しない限り、買主は、取替ないし追完の方法による完全履行の請求権を有し、また、その不完全な給付が売主の責に帰すべき事由に基づくときは、債務不履行の一場合として、損害賠償請求権および契約解除権をも有するとされた事例 |
||
275 | S36.12.15 |
共同相続財産たる不動産の売却による売主らの所有権移転登記義務は、不可分債務に当たるとされた事例 |
||
276 | S36.11.24 |
甲が乙から宅地を買受けその旨の所有権取得登記を経由したのち、乙の債務不履行を原因として売買契約が解除された場合、甲は乙に対し登記の抹消手続を求めることができるとした事例 |
||
277 | S36.11.21 |
売買契約において、売買契約の目的達成に必須でない付随義務違反(租税債務負担)をもって、主たる契約である売買契約の解除することはできないとされた事例 |
||
278 | S36.7.20 |
不動産の取得時効が完成しても登記を経なければ、その後に所有権登記を経由した第三者に対し時効による権利の取得を対抗できないが、第三者の登記後に占有者がなお引続き時効取得に要する期間占有を継続した場合には、その第三者に対し登記を経由しなくとも時効取得をもって対抗しうるとした事例 |
||
279 | S36.6.22 |
双務契約上の債務が同時履行の関係に立つ場合、契約を解除しようとする当事者の債務の履行の提供は、催告に指定された履行期日にこれをすれば足りるとした事例 |
||
280 | S36.5.30 |
買主が買戻の特約を登記した不動産を第三者に転売しその登記を経由した場合は、最初の売主は転得者に対し買戻権を行使すべきであるとした事例 |
||
281 | S36.5.26 |
・知事の許可を得ることを条件として農地の売買契約をしたとしても、いわゆる停止条件を附したものということはできないとした事例 |
||
282 | S36.5.26 |
宅地建物取引業者は、直接の委託関係はなくても、業者の介入に信頼して取引するに至った第三者に対して、信義誠実を旨とし、権利者の真偽につき格別に注意する等の業務上の一般的注意義務があるとした事例 |
||
283 | S36.5.4 |
物件変動の対抗要件としての明認方法は、第三者が利害関係を取得した当時にも存在するものでなければ、これをもつて当該第三者に対抗することはできないとした事例 |
||
284 | S36.4.28 |
不動産につき甲、乙、丙と順次所有権が移転したものとして順次所有権移転登記がなされた場合において、各所有権移転行為が無効であるとき、乙は丙に対し抹消登記請求権を有するとした事例 |
||
285 | S36.3.16 |
建物が二重に譲渡された場合において、無効な登記を有するにすぎない譲受人は、建物所有者としてその建物を目的とする火災保険契約を締結するについて、被保険利益を有しないとした事例 |
||
286 | S36.1.17 |
妻が別居中の夫の所有土地家屋を代理として売却した場合において、妻に代理権があると信じさせる事情が存するも、「夫が病気で別居し、仕送りがないので借金ができ、その整理のため売る」旨告げられながら、直接夫に確かめなかった買主に、民法第110条の正当な理由は認められないとされた事例 |
||
287 | S35.11.29 |
不動産売買契約に基づき買主に所有権移転登記がなされた後、契約解除により、不動産の所有権が売主に復帰した場合において、売主はその旨の登記をしなければ、契約解除後に買主から不動産を取得した第三者に対しては、第三者が善意であると否と、不動産に予告登記の有無にかかわらず、所有権の取得を対抗できないとした事例 |
||
288 | S35.11.29 |
隣地から竹の根(地下茎)が本件土地へ入ってきて、それから生えた竹である場合、同竹材は本件土地の果実であるとされた事例 |
||
289 | S35.10.27 |
・契約解除の前提としての催告が有効であるためには、少くとも催告と同時に相手方が遅滞に付されることを要するとした事例 |
||
290 | S35.10.4 |
土地および温泉使用権を療養所のための敷地および鉱泉として寄附するにあたり、将来用途を廃止したときは無償で返還を受ける旨の特約があった場合、療養所を廃止し国立病院のため使用されているときは、特約にいう用途廃止という条件は既に成就したものと認めるとした事例 |
||
291 | S35.10.4 |
民法208条所定の区分所有権は、その部分が独立の建物と同一の経済上の効力を全うすることを得る場合に限って成立し、その部分が他の部分と併合するのでなければ建物としての効力を生ずることができない場合には、民法242条により不動産の所有者は附合物の所有権を取得するとした事例 |
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292 | S35.9.29 |
他人の不動産を占有する正権原があるとの主張については、その主張をする者に立証責任があるとした事例 |
||
293 | S35.9.2 |
民法160条(相続財産に関する時効の停止)は、相続財産の管理人の選任前、相続財産たる土地を、所有の意思をもって、平穏、公然、善意無過失で10年間占有した場合にもその適用があるとされた事例 |
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294 | S35.6.24 |
不特定物の売買においては、特段の事情のないかぎり、目的物が特定した時に買主に所有権が移転するとした事例 |
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295 | S35.4.21 |
不動産の二重売買の場合において、売主の一方の買主に対する債務は、特段の事情のないかぎり、他の買主に対する所有権移転登記が完了した時に履行不能になるものと解されるとした事例 |
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296 | S35.4.21 |
・二重売買における他買主に対する対抗力は、登記がいわゆる中間省略登記であっても、その効力に異なるものはないとした事例 |
||
297 | S35.3.1 |
他人の不動産を占有する正権原があるとの主張については、その主張をする者に立証責任があるとした事例 |
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298 | S35.3.1 |
地盤所有権の取得につき未登記のままその地盤上に植栽した立木の所有権を第三者に対抗するには、公示方法を必要とするとした事例 |
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299 | S35.1.22 |
乙名義で不動産を競落した甲から所有権を取得した丙は、乙に対して移転登記の請求をすることができるとした事例 |
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300 | S34.11.26 |
土地共有持分の一部の譲受人が、他の共有者との間において、その土地の一部を分割し譲受人の単独所有として使用しうること及び分筆登記が可能となったときは直ちにその登記をなすことを約した場合は、その後同土地につき共有持分の譲受人に対して契約上の債権を行うことができるとした事例 |
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301 | S34.9.17 |
・賃借権の譲渡人は譲受人に対し、譲渡につき遅滞なく賃貸人の承諾をえる義務を負うものとされた事例 |
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302 | S34.8.7 |
立木の所有権を留保して地盤である土地のみの所有権を譲渡した場合は、立木について公示方法を講じなければ、その地盤である土地の権利を取得した第三者に対抗できないとした事例 |
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303 | S34.6.25 |
同時履行の関係にある反対給付の提供の有無につき審理不尽ありとされた事例 |
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304 | S34.2.12 |
真正なる不動産の所有者は、所有権に基き、登記簿上の所有名義人に対し、所有権移転登記を請求することができるとした事例 |
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305 | S34.2.5 |
二階建アパートの一画の区分所有権者が、賃貸目的で改造するため取りこわし、柱および基礎工事等を残すだけの工作物とした上で、これを賃借人の負担で改造する約束で賃貸し、賃借人が建物として完成させた場合、賃借人の工事により附加された物の附合により、建物は工作物所有者の所有に帰したものとされた事例 |
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306 | S34.1.8 |
登記簿上の所有名義人は、反証のない限り、不動産を所有するものと推定すべきとした事例 |
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307 | S33.10.14 |
被相続人が不動産の譲渡をした場合、その相続人から同一不動産の譲渡を受けた者は、民法第177条にいう第三者に該当するとした事例 |
||
308 | S33.9.18 |
借家法第1条による賃貸借の承継の場合、その承継につき、賃貸人から賃借人に承継の通知をすることは必要でないとした事例 |
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309 | S33.8.28 |
時効により不動産の所有権を取得しても、その登記がないときは、時効完成後旧所有者から所有権を取得し登記を経た第三者に対し、その善意であると否とを問わず、所有権の取得を対抗できないとした事例 |
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310 | S33.7.29 |
立木法の適用を受けない立木の買受人においてこれに明認方法を施さないうちに立木が伐採された場合、買受人は当然伐木の所有者となるけれども、立木当時既に明認方法の欠缺を主張し得べき正当の利益を有した第三者に対する関係においては、伐木所有権をもってこれに対抗し得ないとされた事例 |
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311 | S33.6.20 |
売主所有の特定物を目的とする売買においては、特にその所有権の移転が将来なされるべき約旨に出たものでないかぎり、買主に対し直ちに所有権移転の効力を生ずるものと解するを相当とするとした事例 |
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312 | S33.6.14 |
甲乙間になされた甲所有不動産の売買が契約時に遡って合意解除された場合、すでに乙からこれを買い受けていたが、未だ所有権移転登記を得ていなかった丙は、合意解除が信義則に反する等特段の事情がないかぎり、乙に代位して、甲に対し所有権移転登記を請求することはできないとした事例 |
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313 | S33.6.14 |
契約の要素に錯誤があって無効であるときは、民法第570条の瑕疵担保の規定の適用は排除されるとされた事例 |
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314 | S33.6.5 |
・知事の許可を停止条件として締結された農地の売買契約は、無効ではないとした事例 |
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315 | S33.1.30 |
不動産の登記名義人および同人から根抵当権設定登記を得た者を共同被告として所有権の確認を求める訴は、訴訟の目的が共同訴訟人の全員につき合一にのみ確定すべき場合にあたらないとした事例 |
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316 | S32.12.27 |
占有改定により占有を取得したに止まるときは、民法第192条(即時取得)の適用はないとした事例 |
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317 | S32.12.24 |
買主が、売主の債務不履行を理由として土地売買契約の法定解除を主張し、民法545条(解除の効果)により前渡金の返還を請求した事案において、法定解除が認められなかった場合は、例え買主が否認する合意解除の事実が認められても、買主の前渡金返還請求は認められないとした事例 |
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318 | S32.12.6 |
不動産所有権確認の訴において原告の請求を棄却する旨の判決が確定しても、これによりその不動産が被告の所有であることを確定するものではないとした事例 |
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319 | S32.9.27 |
処分禁止の仮処分登記の移記が遺脱されたまま、売買により甲に所有権移転登記がなされ、次いで甲より乙がが不動産を買受けた場合であったても、乙はその所有権の取得をもって仮処分債権者に対抗できないとされた事例 |
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320 | S32.9.19 |
不動産の譲渡後登記前に同不動産につき処分禁止の仮処分があったことをもって、譲渡人の登記義務が履行不能になったとはいえないとした事例 |
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321 | S32.6.27 |
期間を定めて登記と引換に代金債務の履行を催告した場合に、債務者において催告期間の末日に代金を持参して登記所に出頭したときは、適法な弁済の提供をしたものと認められ、その提供に先立ちあらかじめその日時を債権者に通知することは必要ではないとした事例 |
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322 | S32.6.7 |
甲所有の不動産につき、乙のため所有権移転請求権保全の仮登記がなされた後に、甲が不動産を丙に譲渡し移転登記をした場合に、乙は、丙の登記を抹消することなくして、甲に対し所有権移転登記を請求することができるとした事例 |
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323 | S32.6.7 |
甲所有の不動産につき、一旦国税滞納処分による公売により落札者乙に所有権登記がなされた後、公売の取消処分があった結果、甲に所有権が復帰した場合であっても、その登記がないときは、甲は乙から公売取消後その不動産を譲り受けた丙に対し、所有権の復帰を対抗できないとした事例 |
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324 | S32.5.30 |
不動産の所有権者でない者が所有権保存登記手続をして登記簿上所有名義人となったときは、真正の所有権者は、名義人に対し移転登記手続を求めることができるとした事例 |
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325 | S32.3.26 |
山林に生立する立木の売買において、直接売主から指示を受けず、世話人の指示を信じたため、対象となる山林の範囲につき錯誤があったとして、買主が売買契約の無効を主張した事案につき、買主に重大な過失があったものとはいえないとして錯誤無効を認めた事例 |
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326 | S32.1.31 |
買主の債務不履行を理由とする契約解除を無効とした判断に、審理不尽・理由不備があるとされた一事例 |
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327 | S31.9.28 |
売買により不動産の所有権登記を得た者、および、同人から抵当権設定登記と代物弁済契約による所有権移転請求権保全の仮登記を得た者を共同被告として、不動産の所有者として売買の不存在を主張する者からの登記抹消を求める訴は、必要的共同訴訟にあたらないとされた事例 |
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328 | S31.7.20 |
換地予定地指定の通知を受けた土地所有者は、従前の土地について賃借権を有する者として第三者に対してなされた換地予定地指定の通知の取消を求める法律上の利益を有するとした事例 |
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329 | S31.7.20 |
木造瓦葺2階建工場(建坪12.22坪、二階同)が、工事により木造瓦葺2階建店舗(建坪11.78坪、二階同)、木造瓦葺平屋便所(建坪1坪)、木造亜鉛葺平屋居宅(2.94坪)となった事案において、建物の同一性は失われていないとされた事例 |
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330 | S31.6.26 |
甲が所有不動産を第三者に売却したが、未だ所有権移転登記を了しない場合において、乙がその事情を知りながら甲に対する債権の代物弁済として不動産の所有権を取得しその旨の登記をしたとしても、乙は適法に所有権を取得したものであるから、甲の不動産横領罪の共犯とはならないとした事例 |
||
331 | S31.6.19 |
播かれた種から生育した苗の所有権は、播種が土地使用の権原のない者によってなされた場合は、土地所有者に属するとした事例 |
||
332 | S31.6.5 |
未登記建物の譲受人は、判決を得て自己の所有権を証明し単独に保存登記をなすことを得るが、譲渡人に対し保存登記をした上で移転登記をすることを請求することもできるとした事例 |
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333 | S31.5.25 |
代物弁済の予約成立後、物価の高騰した後になされた予約完結の意思表示が信義公平に反しないと認められた一事例 |
||
334 | S31.4.6 |
鉱業権の売買契約において、買主が排水探鉱の結果品質良好と認めたときは代金を支払い、品質不良と認めたときは代金を支払わない旨を約しても、売買契約は民法134条にいわゆる条件が単に債務者の意思のみにかかる停止条件付法律行為とはいえないとした事例 |
||
335 | S30.12.26 |
家屋借主の退去を条件とする家屋の売買において、家屋引き渡しがあればいつでも支払えるよう買主が残金を用意し、売主が買主と建物借主に物明渡を求めたときは、買主、売主双方において契約の履行に著手したものであるとされた事例 |
||
336 | S30.12.1 |
民法416条第2項に基く損害賠償請求がなされた場合に、債務者において、債権者と第三者が売買契約を締結し手付金を授受したことを知っていたときは、債務者の債務不履行により債権者と第三者間の契約が手付の倍額償還により解除されるかも知れぬことを予見していたものと解されるとした事例 |
||
337 | S30.10.4 |
土地及び家屋(店舗・附属工場)の売買を行ったが、後日土地(一筆全部で77.05坪)について測量をしたところ、売主の土蔵が存していたとして買主がその撤去を求めた事案において、取引の事情等から、同売買において、土蔵の敷地(20.42坪)は、売買の目的から除外する暗黙の意思表示があったとされた事例 |
||
338 | S30.9.23 |
立木とその土地が同一所有者に属するときは、立木の所有権は土地の所有権に包含され一個の土地所有権となるものであるから、土地を立木とともに買い受けた者が、土地の所有権取得登記をしたときは、例えその後立木につき前所有者のため保存登記がなされても、この登記は無効であるとされた事例 |
||
339 | S30.7.5 |
不動産の登記簿上の所有名義人は真正の所有者に対しその所有権の公示に協力すべき義務を有するものであるから、真正の所有者は所有権に基き所有名義人に対し、所有権移転登記の請求ができるとした事例 |
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340 | S30.6.28 |
不法な手段により抹消された所有権移転請求権保全の仮登記につき、その抹消登記を真実と信じ登記を得た善意無過失の第三者は、特段の事情がない限り、回復登記手続を承諾する義務はないとした事例 |
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341 | S30.6.24 |
1筆の土地を区分した「土地の一部」を売買の目的とすることは可能であり、「土地の一部」が、売買の当事者間において具体的に特定している限りは、分筆手続未了前においても買主は売買によりその「土地の一部」につき所有権を取得することができるとした事例 |
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342 | S30.5.31 |
不動産の二重売買において、登記を受けた第二売買の買主は、第一売買について知っていたとしても、それだけで第一売買の買主に対する不法行為責任を負うものではないとされた事例 |
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343 | S30.3.23 |
4月1日に始まる年度の固定資産税につき、その納期において土地所有権を有するか否かにかかわらず、土地台帳もしくは土地補充課税台帳にその年の1月1日に所有者として登録されている者が納税義務を負う地方税法は、憲法に違反しないとした事例 |
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344 | S29.12.24 |
相続が発生した不動産について、相続登記をせず相続後の日付にて、直接被相続人から買主宛に行われた所有権移転登記は有効であるとした事例 |
||
345 | S29.12.21 |
債務者が履行遅滞に陥った時は、債権者が期間を定めずに催告した場合でも、その催告から相当の期間を経過すれば解除できるとした事例 |
||
346 | S29.7.27 |
双方の給付が同時履行の関係にある場合、反対給付の提供をしないでした催告にもとづく契約解除は効力を生じないとした事例 |
||
347 | S29.1.28 |
建物の売買契約の成立当時、売主は他に居住家屋を所有し、売買建物を必要としなかったところ、その後焼失によって居住のため本件建物を必要とするというだけでは、事情変更による解除権の発生は認められないとした事例 |
||
348 | S29.1.28 |
仮装の売買契約に基づき所有権移転登記を受けた者が、その後真実の売買契約により所有権を取得し、登記が現在の実体的権利状態と合致した時は、以後その所有権の取得を第三者に対抗することができるとした事例 |
||
349 | S29.1.21 |
売買の当事者間で手付が授受された場合においては、特別の意思表示がない限り、民法557条に定めるいわゆる解約手付と認められるとした事例 |
||
350 | S28.9.17 |
賃借人の所有する未登記建物があることを知りながら土地を購入した者が、賃借人の土地賃借権を否認しても権利の濫用とはいえないとされた事例 |
||
351 | S28.1.23 |
民法242条は、不動産の付合物が、取引上当該不動産と別個の所有権の対象となるものであっても、当該不動産の所有権が当然付合物に及ぶことを規定するものであって、付合物に対する所有権が当該不動産の所有権の外に独立して存することまでを定めているものではないとした事例 |
||
352 | S27.9.30 |
借地権及び建物の登記がなければ、土地を買い受けた第三者に対しては、たとえ第三者が買受当時借地権及び建物の存在を知っていたとしても、それだけでは借地権をもって対抗することはできないとした事例 |
||
353 | S26.12.21 |
「契約違反においては、手付金の没収もしくは倍額償還とし、本契約は当然解除せられたるものとする。」との文言は、違約者において、いつでも手付等解除が可能との趣旨ではないと解しても違法ではないとした事例 |
||
354 | S26.11.15 |
家屋の買主が、約定の明渡期限後売主にしばしば明渡しを求め、かつ、売主が明渡しをすればいつでも約定残代金の支払ができる状態にあったときは、現実の代金の提供をしなくても、「契約の履行に著手」したものと認められるとした事例 |
||
355 | S26.2.6 |
売主の履行遅滞中に売買の目的物の価格が著しく騰貴した場合において、売主は事情変更を理由として契約を解除することはできないとした事例 |
||
356 | S25.10.26 |
他人物売買において、売主がその権利を取得してこれを買主に移転することができないときは、その履行の不能が、原始的であるか後発的であるかを問わず、また、売主の責に帰すべき事由によるものか否かを問わず、買主はただそれだけの事由に基づき契約の解除をすることができるとした事例 |
||
357 | S24.10.4 |
売買契約書に「違約の場合は手付金を没収しまたは倍返しする」という条項があることだけで、手付金が民法557条の解除手付に該当しないということはできないとした事例 |
||
358 | S23.2.10 |
取引の経緯により、売買契約書は作成されていなかったが、不動産の売買契約の成立が認められた事例 |
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359 | S17.10.2 |
他人物売買において、売主が他人の権利を取得し買主に引き渡すことが可能であったにもかかわらず、買主自らが他人よりその権利を取得し売主の取得を不能とさせた場合においては、買主は民法561条の他人の権利の売買における売主の担保責任の解除権を有しないとした事例 |
昭17(オ)550号(大審院) |
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360 | S15.11.27 |
買主が将来契約を解除すべき旨を予め売主に通知しても、現実に手付の倍額を提供して解除の意思表示をする前に、売主において契約の履行に着手したときは、買主は民法557条の解除権を失うとした事例 |
昭15(オ)694号(大審院) |
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361 | S15.9.18 |
地方慣習法により排他的支配権が認められる温泉使用権は、第三者がその権利の変動を明認できる公示方法を構じなければ、当該権利変動を第三者に対抗できないとした事例 |
昭14(オ)1701号(大審院) |
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362 | S14.12.1 |
賃貸中の建物の所有権を譲受けて新たに賃貸人となった者が、敷金返還債務を引継がないものとにするには、賃借人と新旧賃貸人との三者間においてその旨の合意が必要であるとした事例 |
昭14(オ)1040号(大審院) |
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363 | S14.7.7 |
不動産売買契約により買主に所有権移転登記がなされた後に、当該契約が解除され原状に回復した場合においても、売主がその旨の登記をしなければ、契約解除後に買主から不動産所有権を取得した第三者に対して、自己の所有権を対抗することができないとした事例 |
昭13(オ)2179号(大審院) |
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364 | S14.4.15 |
売主が買主に対し民法578条の売主による代金の供託の請求により、代金の供託を請求したにかかわらず買主がこれに応じないときは、買主は民法578条による代金の支払拒絶権を行使することはできないとした事例 |
昭13(オ)1758号(大審院) |
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365 | S13.9.30 |
特約がないかぎり、附随的な義務の不履行によっては契約を解除することができないとした事例 |
昭13(オ)501号(大審院) |
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366 | S13.7.7 |
甲所有の一筆の土地の一部を買い受けた者が、当該土地の全部の移転登記を受け、更にその全部を自己の所有地として乙に売り渡し移転登記をしたとしても、乙は、甲より一筆の土地の他の一部を買い受けた丙に対し、その登記の欠缺を主張できる第三者に該当しないとされた事例 |
昭13(オ)485号(大審院) |
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367 | S13.6.27 |
民法575条(果実の帰属及び代金の利息の支払)の律意は、当事者の錯雑なる関係を避けるため、引渡しされていない目的物から生じた果実は常に売主に属するものとし、代金の利息は目的物の引渡しの日より、ただし目的物の引渡しの日以降に代金の支払期限が到来する場合はその到来後において、買主に請求できるとしたものであるとした事例 |
昭13(オ)500号(大審院) |
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368 | S12.5.7 |
賃貸借の目的土地の所有権を取得した者が、従来の賃貸借関係を承継するとともに、その承継前に生じた賃料債権を譲りうけたときは、その債務不履行を理由として賃貸借契約の解除をすることができるとした事例 |
昭11(オ)2538号(大審院) |
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369 | S12.2.26 |
不動産売買における民法575条の果実収取権の移転時期は、登記時点ではなく不動産引渡し時点であるとされた事例 |
昭11(オ)1218号(大審院) |
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370 | S10.11.9 |
売買した土地の一部が他人地であった場合の、買主の民法563条の権利の一部が他人に属する場合における売主の瑕疵担保責任による代金減額の請求は、裁判外で行っても有効であるとされた事例 |
昭10(オ)1858号(大審院) |
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371 | S9.7.18 |
建物保護に関する法律1条により、土地賃借人が賃借権を第三者に対抗しうる場合において、賃貸人たる土地所有者がその土地を譲渡したときは、旧所有者と賃借人との間の賃貸借関係は、法律上当然に新所有者と賃借人間に移転し、新所有者は旧所有者の賃貸借契約上の地位を承継するとした事例 |
昭9(オ)20号(大審院) |
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372 | S8.1.14 |
売主が目的物の性能の保証をしたかどうかにかかわらず、売主は瑕疵担保責任を負うとした事例 |
昭7(オ)815号(大審院) |
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373 | S8.1.14 |
・反証のない限り、契約の成立と同時に現実に授受されるもののみが手付であるとされた事例 |
昭7(オ)750号(大審院) |
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374 | S7.7.19 |
売買契約を締結するに当たり、買主が売主に手付を交付したときは、特別の意思表示がない限り、手付は解除権を留保する性質を有するとした事例 |
昭7(オ)441号(大審院) |
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375 | S6.5.29 |
同一不動産につき二重売買の行われた場合において、所有権の取得を登記した第二の買受人は、単に仮登記であっても、第一の買受人に対し登記欠缺を主張することができるとされた事例 |
昭5(オ)3300号(大審院) |
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376 | S5.7.9 |
賃貸中の建物の所有権を取得した者は、賃借人との関係において賃貸人としての地位を承継し、賃借人から旧所有者に差入れた敷金の関係も、敷金消滅の事情が存しない限り、当然に新所有者に移転するとした事例 |
昭4(オ)1557号(大審院) |
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377 | S3.3.30 |
売買の目的物に存する瑕疵の修繕が可能かどうかは、修繕費の多寡を斟酌して判断すべきとした事例 |
昭3(オ)1156号(大審院) |
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378 | S2.6.15 |
未登記建物の所有権を取得した者が、移転登記をしないで直ちに保存登記をし、その所有権を第三者に対抗することができるとした事例 |
昭2(オ)413号(大審院) |
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379 | S2.2.25 |
民法534条(債権者の危険負担)にいう「滅失」には、権利の消滅の意味を含まれる。 |
大15(オ)839号(大審院) |
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380 | T15.5.24 |
見本品による特定物の売買において、給付した物が見本品と異るときは、売主は瑕疵担保の責任を負うとした事例 |
大15(オ)58号(大審院) |
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381 | T15.2.28 |
買戻特約付の不動産売買契約において、売買代金及び契約費用のほか必要費有益費の支払いを買戻し特約の条件とした場合、特約のうち契約費用以外の支払いに関する部分は無効とするとした事例 |
大14(オ)875号(大審院) |
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382 | T14.7.8 |
時効により不動産の所有権を取得したがその登記を受けなかった者は、時効完成後保存登記を受けた旧所有者より所有権を譲受け登記をした第三者に対して、所有権の取得を対抗することができないとした事例 |
大13(オ)482号(大審院) |
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383 | T14.1.20 |
自己に所有権ありと信じて他人の所有家屋に居住していた者は、その居住により受けた利得を所有者に返還することを要しないとした事例 |
大13(オ)566号(大審院) |
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384 | T13.10.7 |
土地の一部は、分筆の手続がなされていなくても、時効による所有権取得の目的となるとした事例 |
大12(オ)672号(大審院) |
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385 | T13.10.7 |
土地の一部は、分筆手続をする以前でも所有者においてこれを譲渡することができるとした事例 |
大12(オ)664号(大審院) |
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386 | T13.9.24 |
買主は、代金の支払について履行遅滞となっても、目的物の引渡を受けるまでは、代金の利息を支払うことを要しないとした事例 |
大12(オ)442号(大審院) |
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387 | T13.6.23 |
「隠れたる」瑕疵とは、契約締結の当時買主が過失なくしてその存在を知らなかった瑕疵をいうとした事例 |
大13(オ)101号(大審院) |
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388 | T13.5.27 |
履行期を経過した双務契約は、以後期限の定めなきものとなり、民法541条(履行遅滞等による解除権)により、契約を解除することができるとした事例 |
大12(オ)829号(大審院) |
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389 | T13.2.29 |
売買の一方の予約における予約権利者の権利は、売買完結の意思表示前にあっては、債権譲渡の規定に従い、自由にこれを譲り渡すことができるとした事例 |
大12(オ)814号(大審院) |
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390 | T12.2.23 |
売主らの共有財産である立木の売買において、売主の買主に対する引渡し義務は不可分債務であるとされた事例 |
大11(オ)963号(大審院) |
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391 | T11.9.4 |
手付契約は、必ずしも主たる契約と同時に成立することを要しないとした事例 |
大11(オ)545号(大審院) |
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392 | T11.4.1 |
商人間の売買の目的物に関する瑕疵の通知は、単に瑕疵があることの通知だけでは足らず、瑕疵の種類及び大体の範囲を通知することを要するとした事例 |
大10(オ)990号(大審院) |
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393 | T10.11.3 |
民法557条の手付金の授受があっても、民法420条の損害賠償の予定を定めることはできるとした事例 |
大10(オ)773号(大審院) |
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394 | T10.6.21 |
売買金額に比べ手付金が些少であっても、当該手付は民法557条の解約手付であることを妨げないとされた事例 |
大10(オ)217号(大審院) |
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395 | T10.5.30 |
・建物保護に関する法律1条における「賃借権を第三者に対抗することを得」との趣旨は、民法605条における「その後不動産の物件を取得した者に対してもその効力を生じる」と同一趣旨であるとした事例 |
大10(オ)26号(大審院) |
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396 | T10.2.10 |
瑕疵のため買主が契約の目的を達することができない場合において、契約の解除と損害賠償とは、買主が自由に選択することができ、また、契約の目的が分割に適する場合は、その一部に対し契約を解除し、他の一部に対し損害賠償を請求することもできるとした事例 |
大9(オ)821号(大審院) |
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397 | T9.1.20 |
土地上に立木が生立する場合において、その土地と立木が同一人の所有であるときは、土地と立木とは一個の土地所有権の目的であって、別個に所有権が存在するものではないから、土地所有権につき移転登記がなされたときは、これにより土地のみならず立木に関しても所有権の移転を第三者に対抗するできるとされた事例 |
大8(オ)955号(大審院) |
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398 | T8.7.5 |
・自己の所有物と誤信して他人の不動産を売却した場合、民法560条(他人の権利の売買における売主の義務)により、その権利を取得して買主に移転する義務を負うとした事例 |
大8(オ)114号(大審院) |
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399 | T7.8.14 |
不動産売買において、実際の不動産の引渡しはなくとも、売主が約束の期日に登記申請に必要な書類を準備し登記所に赴いたことは履行の提供にあたるとした事例 |
大7(オ)596号(大審院) |
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400 | T7.3.2 |
時効による不動産所有権の取得は、第三者に対抗するには登記を必要とするが、時効完成時における所有者に対しては登記を必要としないとした事例 |
大6(オ)888号(大審院) |
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401 | T5.4.1 |
・売買による所有権登記は、買主への所有権移転を完全にするための必須の手続きであることから、登記請求権は独立して消滅時効にはかからないとした事例 |
大4(オ)879号(大審院) |
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402 | T4.12.21 |
・別途取り決めがない場合、民法575条(果実の帰属及び代金利息の支払)は、目的物の契約による引渡し期限前の引渡し、履行遅滞による引渡し期限後の引渡しにかかわらず適用されるとした事例 |
大4(オ)90号(大審院) |
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403 | T4.12.21 |
目的物に隠れたる瑕疵があったため契約の目的を達することができない場合において、買主が契約を解除するには、売主においてその目的を知ることを要しないとした事例 |
大4(オ)788号(大審院) |
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404 | T4.12.11 |
賃貸人が修繕義務を履行しなかったため、目的物が使用収益に適する状態になかった期間については、賃借人は賃料支払い義務を負わないとした事例 |
大4(オ)788号(大審院) |
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405 | T4.7.13 |
再売買の予約者の相手方が、売買完結の意思を表示し売買を成立せしめる権利は形成権であるとされた事例 |
大4(オ)78号(大審院) |
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406 | M44.12.25 |
二重売買において、第一の売買による登記がなされないうちに、第二の売買の買主が悪意で登記を行い、このため第一の売買の買主の利益を害したとしても、第二の売買の買主に不法行為の責任はないとされた事例 |
明44(オ)334号(大審院) |
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407 | M44.11.14 |
売主の買主に対する登記移転義務は、所有権移転義務に付随するものであり、登記義務の不履行は民法541条(履行遅滞による解除権)の債務不履行にあたるとした事例 |
明44(オ)359号(大審院) |
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408 | M43.7.6 |
甲より不動産を購入した乙の転売により不動産を購入した丙は、乙よりの所有権移転登記がなされない場合は、民法423条(債権者代位権)により、乙の甲に対する登記手続の請求権を行使することができるとした事例 |
明43(オ)152号(大審院) |
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409 | M41.12.15 |
民法177条(不動産に関する物件の対抗要件)の第三者とは、 当事者もしくはその包括承継人以外の者で、不動産物権の得失及び変更の登記欠缺を主張する正当の利益を有する者をいうとした事例 |
明41(オ)269号(大審院) |
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410 | M38.5.11 |
ある物件の所有名義人は、反証のない以上は以前もその所有者であったものと推定されるとした事例 |
明37(オ)556号(大審院) |
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411 | M38.4.22 |
買主が支払った手付金は、相殺によった場合においても売買契約解除の場合には返還請求ができるとした事例 |
明37(オ)588号(大審院) |
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412 | M35.1.27 |
定著物とは絶対にその自然の状態を毀損するのでなければ、これを分離しもしくは移動させることができない物のみに限らないとした事例 |
明34(オ)523号(大審院) |
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