その他 - 取得時効

該当件数

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No. 判決日 概要 事件番号 RETIO
1 H24.3.16

取得時効完成後、所有権移転登記前に第三者により設定された抵当権は、特段の事情がない限り、再度の取得時効により消滅するとされた事例

平22(受)336号

RETIO 86-096

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2 H23.6.3

土地を時効取得したと主張する者が、当該土地は所有者が不明であるから国庫に帰属していたとして、国に対し当該土地の所有権を有することの確認を求める訴えにつき、確認の利益を欠くとされた事例

平22(受)285号

3 H23.1.21

抵当権設定登記後に賃借権の時効取得に必要な期間、当該不動産を継続的に用益したとしても、賃借人は公売による買受人に対し賃借権の時効取得を主張できないとした事例

平21(受)729号

RETIO 82-182

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4 H18.1.17

通路部分の時効取得の成否が争われた事案について、不動産の取得時効完成後に当該不動産の譲渡を受けて所有権移転登記を了した者が背信的悪意者に当たるためには、時効取得者が多年にわたり当該不動産を占有している事実を認識することが必要であるとされた事例

平17(受)144号

RETIO 65-050

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5 H17.12.16

公有水面埋立法に基づく埋立免許を受けて埋立工事が完成した後竣工認可がされていない埋立地につき、黙示的に公用が廃止されたものとして取得時効の成立が認められるとされた事例

平15(受)1980号

6 H16.7.13

農地所有者が、その土地を耕作して占有する者に行った明渡し請求に対し、占有者が、本件土地は先代が賃借権を時効取得したものを相続したものであるとした事案において、農地の賃借権の時効取得については、農地法3条の規定の適用はなく、知事等の許可がなくても時効取得が認められるとされた事例

平14(受)1459号

RETIO 61-072

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7 H15.10.31

不動産の時効取得を原因とする所有権移転登記前に、前所有者によって設定された抵当権に対抗するため、起算点を後にずらして抵当権設定登記後の時効取得を主張・援用することができないとされた事例

平12(受)1589号

8 H13.10.26

農地転用許可を停止条件とする土地売買につき、転用許可手続未了であっても、代金を支払い、引渡しを受けた時点で自主占有が開始されたものとした事例

平13(受)94号

9 H13.7.10

被相続人の占有により取得時効が完成した場合において、その共同相続人の1人は、自己の相続分の限度においてのみ取得時効を援用することができるとした事例

平11(受)223号

10 H11.6.24

遺留分減殺の対象としての要件を満たす贈与を受けた者が、取得時効を援用したとしても、贈与に対する減殺請求による遺留分権利者への目的物についての権利の帰属は妨げられないとした事例

平8(オ)2292号

11 H8.11.12

他主占有者の相続人が独自の占有に基づく取得時効の成立を主張する場合において、占有が所有の意思に基づくものであるといい得るためには、占有者である当該相続人において、その事実的支配が外形的客観的にみて独自の所有の意思に基づくものと解される事情を自ら証明する必要があるとした事例

平7(オ)228号

12 H7.12.15

登記簿上の所有名義人に対して所有権移転登記手続を求めないなどの土地占有者の態度が他主占有と解される事情として十分であるとはいえないとされた事例

平6(オ)1905号

13 H7.3.7

公簿上特定の地番により表示される甲乙両地が相隣接する場合に、乙地の所有者が甲地のうち境界の全部に接続する部分を時効取得したとしても、甲乙両地の各所有者は、境界確定の訴えの当事者適格を失わないとした事例

平6(オ)1728号

14 H6.12.16

要役地の所有者が、自己所有地を提供したり費用を負担したりして、道路の拡幅、維持管理を行うとともに、通路として使用していたときには、要役地の所有者によって通路が開設されたものと認められるとし、その後20年以上通路として使用していたことにより通行地役権の時効取得が認められるとした事例

平6(オ)414号

15 H1.12.22

民法187条1項(占有の承継)は、権利能力なき社団等の占有する不動産を、法人格を取得した以後当該法人が引き継いで占有している場合にも適用されるとした事例

平元(オ)1382号

16 H1.3.28

乙の土地所有権に基づく甲が占有する部分の明渡し請求が境界確定訴訟と併合審理されており、判決において、甲占有部分の乙の所有権が否定され、甲に対する明渡請求が棄却されたときは、たとえ、これと同時に乙主張とおりの土地の境界が確定されたとしても、占有部分については所有権に関する取得時効中断の効力は生じないとされた事例

昭58(オ)216号

17 S62.6.5

無権限者から土地を賃借し、平穏公然に土地を継続使用し賃料を支払ってきた土地の賃借人について、使用開始後20年の経過により、土地所有者に対する土地の賃借権の取得時効が成立したとされた事例

昭60(オ)615号

18 S60.3.28

残代金を約定期限までに支払わないときは契約は当然に解除されたものとする旨の解除条件が付された土地の売買契約において、代金の一部を支払わなかった買主が、契約時より民法162条の自主占有があったとした20年の取得時効の主張が認められた事例

昭56(オ)292号

19 S59.9.20

売買に基づく所有権移転登記手続請求権を被保全権利とする処分禁止の仮処分が、その後完成した取得時効に基づく所有権移転登記手続請求権について効力を有するとされた事例

昭53(オ)1119号

20 S59.5.25

農地の譲受人が、当該譲渡について必要な農地調整法(昭和24年法律第215号による改正前のもの)4条1項所定の知事の許可を受けていないときは、特段の事情のない限り、農地を占有するに当たってこれを自己の所有と信じても、無過失であったとはいえないとされた事例

昭58(オ)1064号

21 S58.3.24

民法186条1項の所有の意思の推定は、占有者がその性質上所有の意思のないものとされる権原に基づき占有を取得した事実が証明されるか、又は、占有中真の所有者であれば通常はとらない態度を示し、若しくは所有者であれば当然とるべき行動に出なかつたなど、外形的客観的に占有者が他人の所有権を排斥して占有する意思を有していなかったと解される事情が証明されるときは、覆されるとされた事例

昭57(オ)548号

22 S57.2.18

未登記不動産にも民法177条の適用があり、時効取得者は登記を備えなければ、時効完成後に不動産を取得し登記を備えた第三者に対し対抗できないとした事例

昭56(オ)986号

23 S56.11.24

不動産につき取得時効が完成したときは、同不動産についての取得時効期間の進行中に締結され、所有権移転請求権仮登記により保全された売買予約上の買主の地位は消滅し、時効取得者は、その所有権の取得を登記なくして仮登記権利者に対抗することができるとした事例

昭56(オ)782号

24 S56.6.4

・一区画の仮換地の一部を所有の意思をもって所要の期間継続して占有した者は、従前の土地につき当該占有部分に対応する部分が特定されていないときは、時効により従前の土地に対する共有持分権を取得するとともに、当該占有部分につき、共有持分権者の一人が現に排他的な使用収益権能を取得している場合と同様の使用収益権能を取得するとした事例
・所有の意思をもって甲土地に対する仮換地の占有を継続した者がこれを乙土地に対する仮換地と誤信していた場合であっても、その者による甲土地についての時効取得が成立するとした事例

昭53(オ)204号

25 S56.1.27

土地の買主が売買契約に基づいて目的土地の占有を取得した場合には、他人物売買であるため土地の所有権を直ちに取得するものでないことを買主が知っているときであっても、特段の事情のない限り、買主の占有は所有の意思をもってするものとすべきであるとされた事例

昭53(オ)1350号

26 S54.9.7

土地改良法に基づく農用地の交換分合の前後を通じ、特定の所有者の失うべき土地と取得すべき土地とについて自主占有が継続しているときは、取得時効の成否に関しては両土地の占有期間を通算することができるとされた事例

昭54(オ)24

27 S54.7.31

占有者の占有が自主占有にあたらないことを理由に取得時効の成立を争う者は、占有が他主占有にあたることについての立証責任を負うとした事例

昭54(オ)19号

28 S53.12.14

土地賃借権の無断譲受人による土地の使用が賃借意思に基づくものではないとして、賃借権の時効取得が否定された事例

昭53(オ)719号

29 S53.3.6

不動産の占有主体に変更があって承継された二個以上の占有が併せて主張された場合、民法162条2項にいう占有者の善意・無過失は、その主張にかかる最初の占有者につきその占有開始の時点において判定すれば足りるとされた事例

昭52(オ)658号

30 S52.9.29

土地の管理権を与えられ他に賃貸する権限を有していると称する者との間で締結された賃貸借契約に基づき、賃借人が平穏公然に土地の継続的な用益をしていた事案において、賃借人の土地賃借権の時効取得を認めた事例

昭51(オ)996号

31 S52.4.28

道路について、黙示的に公用が廃止されたものとして取得時効の成立が認められた事例

昭52(オ)135号

32 S52.3.3

農地の賃借人が所有者から農地を買い受けたときは、農地調整法4条所定の都道府県知事の許可又は市町村農地委員会の承認を得なかったとしても、買主は、売買契約が締結されその代金が支払われた時に、民法185条にいう新権原により所有の意思をもって農地の占有を始めたものというべきであるとされた事例

昭51(オ)1060号

33 S51.12.24

公共用財産が、長年事実上公の目的に供用されることなく放置され、公共用財産としての形態、機能を全く喪失した場合には、公共用財産について黙示的に公用が廃止されたものとして、その物を平穏かつ公然に占有した者の取得時効の成立を認めた事例

昭51(オ)46号

34 S50.9.25

時効による農地所有権の取得については、農地法三条の適用はないとされた事例

昭49(オ)398号

35 S50.4.22

賃借地の一部に属するものと信じて賃貸人以外の第三者所有の隣地を占有していた者が、国に物納された右賃借地の払下を受け、以後所有の意思をもって第三者の所有地を占有するに至ったというだけでは、これを自己の所有と信ずるにつき過失がなかったとはいえないとされた事例

昭49(オ)528号

36 S49.11.22

建物が売買により順次占有が承継され、当初建物占有者の占有開始から20年の経過により、現建物所有者につき取得時効が完成した旨の主張は、仮にその占有の間に占有承継人として別の者が介在することが証拠上認められるならば、その者の占有を取得時効の期間として主張する趣旨を含むと解されるとした事例

昭49(オ)660号

37 S48.10.5

入会部落の総有に属する土地の譲渡を受けた同部落の構成員は、譲渡前にこれを時効取得した者に対する関係において、民法177条にいう第三者にあたるとされた事例

昭47(オ)1188号

38 S48.4.13

土地に対する使用貸借上の借主の権利の時効取得が成立するためには、土地の継続的な使用収益という外形的事実が存在し、かつ、その使用収益が土地の借主としての権利の行使の意思に基づくものであることが客観的に表現されていることを必要とするとした事例

昭47(オ)1191号

39 S48.1.26

不動産の交換契約の当事者甲が、契約に基づき相手方乙の提供した不動産の占有を開始しても、甲が契約の締結に際し詐欺を行ない、そのため契約が乙の錯誤により無効と認められるときは、甲の占有は所有の意思をもって善意・無過失で開始されたと認めるべきではないとした事例

昭45(オ)55号

40 S47.11.21

法人における民法192条(即時取得)の善意・無過失は、その法人の代表者について決するが、代理人が取引行為をしたときは、その代理人について決すべきであるとされた事例

昭45(オ)84号

41 S47.9.8

共同相続人の一人が相続財産につき単独所有者としての自主占有を取得したと認められた事例

昭45(オ)265号

42 S46.11.30

相続人が、被相続人の死亡により、相続財産の占有を承継したばかりでなく、新たに相続財産を事実上支配し、所有の意思を持って占有を開始した場合においては、被相続人の占有が所有の意思のないものであったときでも、相続人は民法185条にいう「新権原」により所有の意思をもって占有を始めたものであるとした事例

昭44(オ)1270号

43 S46.11.26

地上権の時効取得が成立するためには、土地の継続的な使用という外形的事実が存在するほかに、その使用が地上権行使の意思に基づくものであることが客観的に表現されていることを要するとした事例

昭45(オ)788号

44 S46.11.25

土地所有権の取得時効の要件として無過失と認められた事例

昭46(オ)808号

45 S46.11.25

不動産の売主が売買契約の効力の発生を争うとともに仮定的にその取得時効を援用した場合に、売買契約の効力につき判断することなく、売主のため取得時効の完成を認めることを妨げないとした事例

昭42(オ)1055号

46 S46.11.11

民法162条2項の10年の取得時効を主張するものは、その不動産を自己の所有と信じたことにつき無過失であったことの立証責任を負うとした事例

昭46(オ)660号

47 S46.11.5

不動産の二重譲渡において、登記未経由のまま占有していた買主が時効取得を主張する場合の起算点は、占有開始の時点であるとした事例

昭42(オ)468号

48 S46.3.9

購入土地の一部につき、買受人が農業委員会作成の図面または法務局備付の図面を閲覧し、実地調査をすれば、当該土地が売買に含まないことを容易に知り得たにもかかわらず、この調査をせず自己の所有に属するとして開始した占有には、自己の所有と信じたことに過失があるとされた事例

昭45(オ)740号

49 S45.12.18

仮換地の指定後に、従前の土地を所有する意思をもって当該仮換地の占有を始めた者は、換地処分の公告の日までに民法162条所定の要件を満たしたときは、取得により従前の土地の所有権を取得するとされた事例

昭43(オ)925号

50 S45.12.15

寺院境内地についての土地賃借権の時効取得が認められた事例

昭41(オ)1176号

51 S45.10.29

占有における所有の意思の有無は、占有取得の原因たる事実によって客観的に定められるべきものであるから、所有権譲受を内容とする交換契約に基づき開始した占有は、所有の意思をもってする占有であるとされた事例

昭45(オ)357号

52 S45.6.18

占有における所有の意思の有無は、占有取得の原因たる事実によって外形的客観的に定められるべきものであるから、賃貸借が法律上効力を生じない場合にあっても、賃貸借により取得した占有は他主占有というべきであるとされた事例

昭45(オ)315号

53 S45.5.28

地上権の時効取得が成立するためには、土地の継続的な使用という外形的事実が存在するほかに、その使用が地上権行使の意思に基づくものであることが、客観的に表現されていることを要するとされた事例

昭45(オ)60号

54 S44.12.18

不動産を買い受け所有権に基づいてこれを占有する買主は、売主との関係においても、自己の占有を理由として不動産につき時効による所有権の取得を主張することができるとした事例

昭40(オ)353号

55 S44.12.11

所有権に基づいて不動産を占有するものについて、所有権の取得時効の適用があるとした事例

昭44(オ)147号

56 S44.10.30

土地を占有していた被相続人が死亡し相続が開始した場合には、特別の事情のないかぎり、被相続人の土地に対する占有は相続人によつて相続されるとした事例

昭44(オ)265号

57 S44.7.15

建物賃借人は、建物賃貸人による敷地所有権の取得時効を援用することはできないとされた事例

昭42(オ)1398号

58 S44.7.8

他人の土地の用益がその他人の承諾のない転貸借に基づくものである場合において、土地の継続的な用益という外形的事実が存在し、かつ、その用益が賃借の意思に基づくものであることが客観的に表現されているときは、その土地の賃借権ないし転借権を時効により取得することができる

昭41(オ)991号

59 S44.5.22

都市計画において公園とされている市有地について、民法162条による取得時効の成立が認められた事例

昭43(オ)924号

60 S43.12.24

民法162条2項の占有者の善意・無過失とは、自己に所有権があるものと信じ、かつ、そのように信ずるにつき過失のないことをいい、占有者において、占有の目的不動産に抵当権が設定されていることを知り、または、不注意により知らなかった場合でも、善意・無過失の占有者ということを妨げないとした事例

昭41(オ)837号

61 S43.11.13

所有権に基づく登記手続請求の訴訟において、被告が自己に所有権があることを主張して請求棄却の判決を求めることは、原告のための取得時効を中断する効力を生ずるとした事例

昭41(オ)984

62 S43.10.8

土地の継続的な用益という外形的事実が存在し、かつ、それが賃借の意思に基づくことが客観的に表現されているときは、土地賃借権を時効により取得することができるとした事例

昭42(オ)954号

63 S43.9.6

・買収農地の売渡を受けて農業用施設として占有している者は、その売渡処分が当然無効であっても、その占有の始めに善意・無過失というべきであるとした事例
・民法第162条の適用には、他人の所有に属することを必要としないとした事例

昭42(行ツ)1号

64 S43.3.1

相続人が登記簿に基づき実地に調査すれば、相続した土地の範囲に甲地を含まないことを容易に知ることができたにもかかわらず、この調査をしなかったために、甲地が相続した土地に含まれると信じて占有をはじめたときは、相続人は占有のはじめにおいて無過失ではないとした事例

昭42(オ)597号

65 S43.2.22

取得時効の成否は、境界確定の訴えにおける境界確定とは関係がないとした事例

昭42(オ)718号

66 S42.7.21

所有権に基づいて不動産を占有する者についても、民法162条(取得時効)の適用があるとした事例

昭40(オ)1265号

67 S42.7.21

耕地整理施行中の未登記の残地を買い受けた者が、耕地整理組合について調査することなく、売主の所有地であるとの言を信じてその占有を始めたとしても、売主が真の所有者の実父でこれを管理していた等の事実の下においては、買主がその所有権を取得したと信じたことにつき過失がないとされた事例

昭40(オ)766号

68 S42.7.21

不動産の取得時効完成前に原所有者から所有権を取得し時効完成後に移転登記を経由した者に対し、時効取得者は、登記なくして所有権を対抗することができるとした事例

昭41(オ)629号

69 S42.6.20

津波によって土地が流出した後に住宅適地造成組合によって造成された土地の所有権の取得時効につき、相続による占有者が土地登記簿を調査しなかったことをもって占有のはじめに過失があったとはいえないとした事例

昭39(オ)720号

70 S41.11.22

不動産の時効取得者は、取得時効の進行中に原権利者から当該不動産の譲渡を受けその旨の移転登記を経由した者に対しては、登記がなくても、時効による所有権の取得を主張することができるとした事例

昭38(オ)516号

71 S41.10.7

15才位に達した者は、特段の事情のないかぎり、不動産について、所有権の取得時効の要件である自主占有をすることができるとした事例

昭41(オ)2号

72 S41.6.9

民法第192条(即時取得)により動産の上に行使する権利を取得したことを主張する占有者は、同条にいう「過失なき」ことを立証する責任を負わないとした事例

昭39(オ)550号

73 S41.4.15

民法第162条第2項にいう平穏の占有とは、占有の取得・保持について、暴行強迫などの違法な行為を用いていない占有をいい、不動産所有者その他占有の不法を主張する者から異議をうけ、不動産の返還、占有者名義の所有権移転登記の抹消請求があっても、その占有が平穏でなくなるものではないとした事例

昭40(オ)944号

74 S40.4.6

土地を目的とする代物弁済予約に基づく完結権を行使しうる時から約15年後に完結の意思表示がなされた場合でも、予約による所有権移転請求権保全の仮登記が経由されているときは、いわゆる権利失効の原則により権利が失われることなく、完結権の行使は有効であるとした事例

昭38(オ)1108号

75 S38.12.13

他人の所有する土地に権原によらずして自己所有の樹木を植え付け、その時から立木のみにつき所有の意思をもって平穏かつ公然に20年間占有した者は、時効により立木の所有権を取得するとした事例

昭36(オ)208号

76 S38.1.18

係争地域が自己所有であるとの主張は前後変わることなく、ただ単に請求を境界確定から所有権確認に変更したにすぎない場合は、境界確定の訴え提起によって生じた時効中断の効力には影響がないとした事例

昭34(オ)1099号

77 S36.9.15

工場財団を組成する動産についても、民法192条(即時取得)の適用があるとした事例

昭33(オ)1073号

78 S36.7.20

不動産の取得時効が完成しても登記を経なければ、その後に所有権登記を経由した第三者に対し時効による権利の取得を対抗できないが、第三者の登記後に占有者がなお引続き時効取得に要する期間占有を継続した場合には、その第三者に対し登記を経由しなくとも時効取得をもって対抗しうるとした事例

昭34(オ)779号

79 S35.9.2

民法160条(相続財産に関する時効の停止)は、相続財産の管理人の選任前、相続財産たる土地を、所有の意思をもって、平穏、公然、善意無過失で10年間占有した場合にもその適用があるとされた事例

昭35(オ)348号

80 S35.7.27

時効期間は、時効の基礎たる事実の開始された時を起算点として計算すべきもので、時効援用者において起算点を選択し、時効完成の時期を早めたり遅らせたりすることはできないとした事例

昭32(オ)344号

81 S35.2.11

占有取得の方法が外観上の占有状態に変更を来たさない占有改定にとどまるときは、民法192条(即時取得)の適用はないとした事例

昭32(オ)1092号

82 S33.8.28

時効により不動産の所有権を取得しても、その登記がないときは、時効完成後旧所有者から所有権を取得し登記を経た第三者に対し、その善意であると否とを問わず、所有権の取得を対抗できないとした事例

昭30(オ)15号

83 S33.2.14

通行地役権の時効取得に関する「継続」の要件は、承役地たるべき他人所有の土地の上に通路の開設があっただけでは足りず、その開設は要役地所有者によってなされることを要するとした事例

昭31(オ)311号

84 S30.12.26

通行地役権の時効取得については、いわゆる「継続」の要件として、承役地たるべき他人所有の土地の上に通路の開設を要し、その開設は要役地所有者によってなされることを要するとされた事例

昭28(オ)1178号

85 S2.9.19

通路を設けないで一定の地上を通行しても、時効により地役権を取得することはできないとした事例

昭2(オ)456号(大審院)

86 T14.7.8

時効により不動産の所有権を取得したがその登記を受けなかった者は、時効完成後保存登記を受けた旧所有者より所有権を譲受け登記をした第三者に対して、所有権の取得を対抗することができないとした事例

大13(オ)482号(大審院)

87 T13.10.7

土地の一部は、分筆の手続がなされていなくても、時効による所有権取得の目的となるとした事例

大12(オ)672号(大審院)

88 T7.3.2

時効による不動産所有権の取得は、第三者に対抗するには登記を必要とするが、時効完成時における所有者に対しては登記を必要としないとした事例

大6(オ)888号(大審院)

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