担保権等に関する判例 - 担保権等に関する判例
該当件数 件
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No. | 判決日 | 概要 | 事件番号 | RETIO |
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1 | R3.6.21 |
担保不動産競売の債務者が免責許可の決定を受け、同競売の基礎となった担保権の被担保債権が上記決定の効力を受ける場合、当該債務者の相続人は、民事執行法188条において準用する同法68条にいう「債務者」に当たらないとされた事例 |
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2 | R2.9.18 |
不動産競売手続において区分所有法所定の先取特権を有する債権者の配当要求により、配当要求債権に消滅時効の中断の効力が生ずるためには、民事執行法181条1項各号に掲げる文書により債権者が先取特権を有することが不動産競売手続において証明されれば足りるとされた事例 |
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3 | R2.9.11 |
請負契約に基づく請負代金債権と同契約の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権の一方を本訴請求債権とし、他方を反訴請求債権とする本訴及び反訴の係属中における、本訴請求債権を自働債権とし反訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁を主張することは許されるとされた事例 |
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4 | R2.9.8 |
請負人である破産者の支払の停止の前に締結された請負契約に基づく注文者の破産者に対する違約金債権の取得が、破産法72条2項2号にいう「前に生じた原因」に基づく場合に当たり,違約金債権を自働債権とする相殺が許されるとされた事例 |
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5 | R2.9.2 |
担保不動産競売の手続において最高価買受申出人が受けた売却許可決定に対し他の買受申出人が民事執行法188条において準用する同法71条4号イに掲げる売却不許可事由を主張して執行抗告をすることはできないとされた事例 |
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6 | H30.4.17 |
抵当権者に対抗することができない賃借権が設定された建物が担保不動産競売により売却された場合において、その競売手続の開始前から当該賃借権により建物の使用又は収益をする者は、当該賃借権が滞納処分による差押えがされた後に設定されたときであっても、民法395条1項1号に掲げる「競売手続の開始前から使用又は収益をする者」に当たるとされた事例 |
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7 | H30.2.23 |
抵当権の被担保債権が免責許可の決定の効力を受ける場合における当該抵当権自体の消滅時効は、民法167条2項所定の20年の消滅時効にかかるとされた事例 |
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8 | H29.12.14 |
不動産は、商法521条が商人間の留置権の目的物として定める「物」に当たるとされた事例 |
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9 | H28.12.1 |
地上建物に仮差押えがされ、その後、当該仮差押えが本執行に移行してされた強制競売手続における売却により買受人がその所有権を取得した場合において、土地及び地上建物が当該仮差押えの時点で同一の所有者に属していたときは、その後に土地が第三者に譲渡された結果、当該強制競売手続における差押えの時点では土地及び地上建物が同一の所有者に属していなかったとしても、法定地上権が成立するとされた事例 |
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10 | H28.4.28 |
破産手続開始前に成立した第三者のためにする生命保険契約に基づき破産者である死亡保険金受取人が有する死亡保険金請求権は、破産法34条2項にいう「破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権」に該当するものとして、死亡保険金受取人の破産財団に属するとした事例 |
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11 | H28.3.29 |
信託契約の受託者が所有する複数の不動産の固定資産税に係る滞納処分としてされた、信託財産である土地とその上の家屋に係る賃料債権に対する差押えが適法とされた事例 |
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12 | H27.6.1 |
債務者が異議をとどめないで指名債権譲渡の承諾をした場合において、譲渡人に対抗することができた事由の存在を譲受人が知らなかったとしても、このことについて譲受人に過失があるときには、債務者は、当該事由をもって譲受人に対抗することができるとした事例 |
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13 | H27.2.17 |
事前求償権を被保全債権とする仮差押えは、事後求償権の消滅時効をも中断する効力を有するとした事例 |
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14 | H26.11.4 |
不動産強制競売事件の期間入札において、執行官が無効な入札をした者を最高価買受申出人と定めたとして売却不許可決定がされ、これが確定した場合に、当初の入札までの手続を前提に再度の開札期日を開くこととした執行裁判所の判断に違法がないとされた事例 |
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15 | H25.7.12 |
滞納者と他の者との共有に係る不動産につき、滞納者の持分が国税徴収法47条1項に基づいて差し押さえられた場合における他の共有者は、その差押処分の取消訴訟の原告適格を有するとした事例 |
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16 | H25.2.28 |
・既に弁済期にある自働債権と弁済期の定めのある受働債権とが相殺適状にあるというためには、受働債権につき、期限の利益を放棄することができるというだけではなく、期限の利益の放棄又は喪失等により、その弁済期が現実に到来していることを要するとされた事例 |
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17 | H25.2.26 |
通行地役権者らが、担保不動産競売による承役地の取得者に対し、通行地役権の確認を求めた事案において、承役地の取得者が、地役権設定登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有する第三者に当たるか否かは、担保不動産競売による土地の売却時における事情ではなく、最先順位の抵当権の設定時の事情によるとした事例 |
RETIO 90-156 |
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18 | H24.9.4 |
賃料債権差押えの効力発生後に賃貸借契約が終了した場合、差押債権者は、その後に支払期の到来する賃料債権を取り立てることができないとされた事例 |
RETIO 88-110 |
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19 | H24.3.16 |
取得時効完成後、所有権移転登記前に第三者により設定された抵当権は、特段の事情がない限り、再度の取得時効により消滅するとされた事例 |
RETIO 86-096 |
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20 | H23.2.9 |
権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を有する債権者が、当該社団の構成員全員に総有的に帰属し、当該社団のために第三者がその登記名義人とされている不動産に対して仮差押えをする場合における申立ての方法について判断された事例 |
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21 | H23.1.21 |
抵当権設定登記後に賃借権の時効取得に必要な期間、当該不動産を継続的に用益したとしても、賃借人は公売による買受人に対し賃借権の時効取得を主張できないとした事例 |
RETIO 82-182 |
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22 | H22.9.9 |
土地の賃貸人及び転貸人が、転借人所有の地上建物の根抵当権者に対し、借地権が消滅するおそれが生じたときはその事実を通知をする旨の条項を含む念書を差し入れた場合において、同通知の不履行を理由とした損害賠償請求が認められた事例 |
RETIO 80-146 |
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23 | H22.8.25 |
担保不動産競売事件の期間入札において、自らが最高の価額で買受けの申出をしたにもかかわらず、執行官の誤りにより当該入札が無効と判断されて他の者が最高価買受申出人と定められたため買受人となることができなかったことを主張する入札人は、この者が受けた売却許可決定に対し執行抗告をすることができるとした事例 |
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24 | H22.6.29 |
権利能力のない社団を債務者とする債務名義を有する債権者が、第三者が登記名義人となっている構成員の総有不動産に対して強制執行をする場合においては、強制執行の申立書に社団を債務者とする執行文の付された債務名義のほか、不動産が社団の構成員全員の総有に属する確認の確定判決その他これに準ずる文書を添付して当該社団を債務者とする強制執行の申立てをすべきとした事例 |
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25 | H21.7.3 |
担保不動産の収益に係る給付を求める権利は所有者に帰属し、賃借人は抵当権設定登記前に取得した賃貸人に対する債権を自働債権とし賃料債権を受働債権とする相殺をもって管理人に対抗できるとされた事例 |
RETIO 78-130 |
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26 | H21.3.26 |
他人所有の建物を預かり保管していた者が、金銭的利益を得ようとして、同建物の電磁的記録である登記記録に不実の抵当権設定仮登記を了したことにつき、電磁的公正証書原本不実記録罪及び同供用罪とともに横領罪が成立するとされた事例 |
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27 | H21.3.10 |
動産購入代金の立替金債務の担保として動産の所有権を留保した者は、当該動産が第三者の土地上に存してその土地所有権行使の妨害となった場合、被担保債権の残債務弁済期の経過後は、撤去義務・損害賠償責任を免れることはないとした事例 |
RETIO 76-092 |
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28 | H19.7.6 |
土地を目的とする先順位の甲抵当権と後順位の乙抵当権が設定された後、甲抵当権が設定契約の解除により消滅し、その後、乙抵当権の実行により土地と地上建物の所有者を異にするに至った場合において、当該土地と建物が、甲抵当権の設定時には同一の所有者に属していなかったとしても、乙抵当権の設定時に同一の所有者に属していたときは、法定地上権が成立するとされた事例 |
RETIO 70-088 |
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29 | H18.12.21 |
質権者の優先弁済権が害されたとして、損害賠償等を求めた事案において、破産管財人が、破産宣告後の未払い賃料債務と質権が設定された敷金返還請求債権を相殺したことが破産管財人の担保価値保全義務に反するとした上で、破産管財人の善管注意義務違反を否定し、破産管財人に対する不当利得返還請求が認められた事例 (第一審 H16.1.29 横浜地裁 RETIO59-82) |
RETIO 68-072 |
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30 | H18.11.14 |
代位弁済をした保証人が、原債権及びその担保権を代位行使し、担保不動産の差押債権者の地位承継を執行裁判所に申し出た場合には、承継申出の主債務者への通知がなくても求償権の消滅時効が不動産競売手続完了までの間中断するとされた事例 |
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31 | H18.10.20 |
不動産を目的とする譲渡担保において、被担保債権の弁済期後に譲渡担保権者の債権者が目的不動産を差し押さえ、その旨の登記がされたときは、設定者は、差押登記後に債務の全額を弁済しても、第三者異議の訴えにより強制執行の不許を求めることはできないとした事例 |
RETIO 69-054 |
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32 | H18.7.20 |
重複して譲渡担保が設定された動産について、後順位譲渡担保権者による私的実行の可否について争われた事案において、先行する譲渡担保権者に優先権を行使する機会が与えられない後順位譲渡担保権者による私的実行は認めることはできないとされた事例 |
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33 | H18.2.7 |
目的不動産の占有の移転が伴わない買戻特約付売買契約は、特段の事情のない限り、譲渡担保の目的で締結されたものと推認され、その性質は譲渡担保契約と解するのが相当であるとされた事例 |
RETIO 66-050 |
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34 | H17.11.24 |
強制執行の申立書に「被担保債権及び請求債権」として記載された金額の解釈につき、申立書に被担保債権の一部につき根抵当権の実行を求める趣旨の明示の記載がないことから、配当請求額の上限を示す趣旨であるとされた事例 |
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35 | H17.11.11 |
根抵当権者が競売の申立ての際に提出した登記事項証明書に、当該根抵当権の登記のほかに譲渡担保を原因とする同人への所有権移転登記が記載されていても、同登記事項証明書は、民事執行法(平成16年法律第124号による改正前のもの)181条1項3号の文書に当たるとされた事例 |
RETIO 66-048 |
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36 | H17.3.10 |
抵当権に基づく妨害排除請求権の行使に当たり、抵当不動産の所有者において抵当権に対する侵害が生じないように抵当不動産に適切に維持管理することが期待できない場合には、抵当権者は、占有者に対し、直接自己への抵当不動産の明渡しを求めることができると判示した事例 (控訴審 H13.1.30 東京高裁 RETIO54-64) |
RETIO 62-044 |
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37 | H17.2.22 |
動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後においては、目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することはできないとした事例 |
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38 | H17.1.27 |
不動産を目的とする1個の抵当権が数個の債権を担保し、そのうちの1個の債権のみについての保証人が当該債権に係る残債務全額につき代位弁済した場合において、当該抵当不動産の換価による売却代金が被担保債権のすべてを消滅させるに足りないときには、特段の合意がない限り、売却代金につき債権者が有する残債権額と保証人が代位によって取得した債権額に応じて案分して弁済を受けるとされた事例 |
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39 | H16.7.7 |
根抵当権放棄の対価が、根抵当権者が相当と認めた金額であっても、当該支払いは根抵当権目的不動産の第三者への正規売却に伴うものとの誤信がなければ、根抵当権の放棄に応じなかったにもかかわらず、根抵当権設定者が、真実は自己の支配会社への売却であることを秘し、根抵当権者を欺き誤信させ、根抵当権を放棄させてその抹消登記を了した場合には、刑法246条2項の詐欺罪が成立するとした事例 |
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40 | H15.11.11 |
不動産競売手続きにおいて、入札書の入札価額欄の一の位が空欄となっている場合において、一の位の数字が何であっても他の入札書の入札価額より高額となる場合であっても、当該入札は無効とすべきものとされた事例 |
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41 | H15.10.31 |
不動産の時効取得を原因とする所有権移転登記前に、前所有者によって設定された抵当権に対抗するため、起算点を後にずらして抵当権設定登記後の時効取得を主張・援用することができないとされた事例 |
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42 | H15.7.3 |
配当異議の訴えにおいて、競売申立書における被担保債権の記載が錯誤、誤記等に基づくものであること及び真実の被担保債権の額が立証されたときは、真実の権利関係に即した配当表への変更を求めることができるとした事例 |
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43 | H15.4.23 |
委託を受けて他人の不動産を占有する者がほしいままに売却等による所有権移転行為を行った場合に、先行の抵当権設定行為が存在することは、後行の所有権移転行為について横領罪が成立することを妨げないとされた事例 |
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44 | H14.10.25 |
民事訴訟法113条の類推適用により、競売開始決定の公示送達による送達が、被担保債権の時効中断事由である差押えの通知としての効力を有するとされた事例 |
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45 | H14.10.22 |
共同抵当の不動産の価額を同時に配当する場合に、同順位の抵当権者がいる不動産があるときは、まずそれぞれの被担保債権額に応じて、同順位の抵当権者がいる不動産の価額を按分し、按分後の各不動産の価額に応じて申立人の被担保債権を割り付けるべきものとされた事例 |
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46 | H14.9.12 |
借入金を所定の期日までに返済しない場合には債務者所有の土地を債権者名義に変更し、第三者に売り渡すことを承諾する旨の契約が譲渡担保契約であるとされた事例 |
平13(受)1461号(裁判所HP未登載) |
RETIO 54-082 |
47 | H14.6.13 |
抵当権に基づく物上代位権の行使としてされた債権差押命令に対する執行抗告においては、被差押債権の不存在又は消滅を理由とすることはできないとした事例 |
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48 | H14.6.7 |
債権に対する仮差押えの執行後に本執行がされた場合において、仮差押命令及びその執行の申立てが取り下げられたときは、第三債務者は、仮差押えの執行後本執行前にした被差押債権の弁済をもって差押債権者に対抗することができるとした事例 |
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49 | H14.3.28 |
抵当不動産について敷金の授受された賃貸借(転貸借)契約が締結されていたが、抵当権者が物上代位権を行使して転貸賃料債権を差押え、取立権に基づき転借人に対しその支払を求めた事案において、当該転貸借契約が終了して目的物が明け渡された後は、賃料債権は敷金の充当によりその限度で消滅するとした事例 |
RETIO 53-072 |
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50 | H14.3.12 |
抵当権の物上代位の目的となる債権に対する転付命令は、これが第三債務者に送達される時までに抵当権者により当該債権の差押えがされなかったときは、その効力を妨げられないとした事例 |
RETIO 53-074 |
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51 | H14.1.22 |
差押えの登記前に登記された先取特権者の優先弁済権は、工事により生じた増価額が、不動産競売手続における評価人の評価又は最低売却価額に反映されているか否かにより影響を受けるものでないとされた事例 |
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52 | H13.11.27 |
指名債権譲渡の予約につき確定日付のある証書により債務者に対する通知又は承諾がされても、債務者は、これにより予約完結権の行使により当該債権の帰属が将来変更される可能性を了知するに止まり、指名債権譲渡の予約の完結による債権譲渡の効力は、当該予約の通知又は承諾をもって、第三者に対抗することはできないとされた事例 |
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53 | H13.11.21 |
裁判所は、借地借家法20条に基づく許可の裁判をする場合において、同条1項後段の付随的裁判として、相当な額の敷金を差し入れるべき旨を定め、その交付を命ずることができるとした事例 |
RETIO 52-082 |
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54 | H13.10.25 |
抵当権に基づき物上代位権を行使する債権者は、他の債権者による債権差押事件に配当要求をすることによって優先弁済を受けることはできないとした事例 |
RETIO 53-076 |
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55 | H13.4.13 |
不動産競売において、抵当権の不存在又は消滅を理由として売却許可決定に対する執行抗告をすることはできないとされた事例 |
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56 | H13.3.13 |
抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権の差押えをした後は、抵当不動産の賃借人は、抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権を自働債権とする賃料債権との相殺をもって、抵当権者に対抗することはできないとした事例 |
RETIO 49-071 |
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57 | H13.1.25 |
最先順位の抵当権者に対抗できる賃借権者は、その者の債務を担保する抵当権に基づく競売開始決定がなされた場合を除き、民事執行法83条に基づく引渡命令の対象とならないとされた事例 |
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58 | H12.12.19 |
建物に抵当権を設定した者がその敷地の賃借権を有しない場合、競売による建物の買受人は、民法94条第2項、第110条により建物の所有権を取得するときでも、敷地の賃借権自体について同法理により保護される事情等がない限り、建物の所有権とともに敷地の賃借権を取得するものではないとした事例 |
RETIO 50-056 |
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59 | H12.4.14 |
抵当権者は、抵当不動産の賃借人と所有者とを同視できる場合を除き、賃借人が取得する転貸賃料債権について物上代位を行使することはできないとされた事例 |
RETIO 47-028 |
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60 | H12.3.16 |
抵当権の実行としての競売のための差押えに先行して設定された短期賃借権であっても、その設定が国税徴収法に基づく滞納処分による差押えの後の場合には、賃借人は競売による買受人に対し賃借権を対抗できないとされた事例 |
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61 | H11.11.30 |
買戻権の行使による抵当権の遡及的消滅は売買当事者間でのみ効果を有するに過ぎず、目的不動産の抵当権者は、買主の買戻代金債権に対し、物上代位権を行使することができるとされた事例 |
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62 | H11.11.24 |
抵当権者が権利の目的である建物の所有者の不法占有者に対する妨害排除請求権を代位行使して、直接抵当権者に建物を明け渡すよう求めることができるとされた事例 |
RETIO 45-043 |
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63 | H11.10.26 |
強制競売の対象となった土地上に件外建物が存在する場合でも、特段の事情がない限り、裁判所は当該土地の全部について引渡命令を発することができるとされた事例 |
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64 | H11.10.21 |
後順位抵当権者は、先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することはできないとされた事例 |
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65 | H11.9.9 |
・極度額を超える金額の被担保債権を請求債権とする根抵当権の実行がされた場合、被担保債権の消滅時効中断の効力は、当該極度額の範囲にとどまらず、請求債権として表示された当該被担保債権の全部について生じるとした事例 |
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66 | H11.4.27 |
不動産競売手続きにおいて債務名義の正本を有する債権者がする配当要求は、配当要求に係る債権の消滅時効を中断する効力があるとされた事例 |
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67 | H11.2.26 |
譲渡担保権者から被担保債権の弁済期後に譲渡担保権の目的物を譲り受けた第三者は、譲渡担保権設定者が譲渡担保権者に対して有する清算金支払請求権につき、消滅時効を援用することができるとした事例 |
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68 | H11.1.21 |
相続債権者は、被相続人から抵当権の設定を受けていても、被相続人の死亡前に仮登記がされていた場合を除き、相続財産人に対して抵当権設定登記手続を請求することができず、限定承認がされた場合における限定承認者に対する設定登記手続請求も、これと同様であるとした事例 |
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69 | H10.11.24 |
・仮差押えによる時効中断の効力は、仮差押えの執行保全の効力が存続する間は継続するとした事例 |
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70 | H10.11.4 |
不動産の競売における入札により最高価買受申出人となった者に対し、威力を用いてその入札に基づく不動産の取得を断念するよう要求したときは、競売入札妨害罪が成立するとした事例 |
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71 | H10.7.14 |
不動産競売の開始決定がされた不動産について、その売却の公正な実施を阻止するため、所有者との間で決定より前に短期賃貸借契約が締結されていた旨の内容虚偽の賃貸借契約書を裁判所に提出したときは、偽計による競売入札妨害罪が成立するとした事例 |
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72 | H10.7.3 |
所有者が土地及び建物に共同抵当権を設定した後、建物が取り壊され、土地上に新たに建物が建築された場合には、新建物の所有者が土地の所有者と同一であり、かつ、新建物が建築された時点での土地の抵当権者が新建物について土地の抵当権と同順位の共同抵当権の設定を受けたなどの特段の事情のない限り、新建物のために法定地上権は成立しないとした事例 |
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73 | H10.6.12 |
債権譲渡の通知は、詐害行為取消権行使の対象とすることができないとされた事例 |
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74 | H10.3.26 |
債権について一般債権者の差押えと抵当権者の物上代位権に基づく差押えが競合した場合には、両者の優劣は、一般債権者の申立てによる差押命令の第三債務者への送達と抵当権設定登記の先後によって決すべきであるとされた事例 |
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75 | H10.3.24 |
建物の賃料債権の差押えの効力が発生した後に、建物が譲渡され賃貸人の地位が譲受人に移転したとしても、譲受人は、建物の賃料債権を取得したことを差押債権者に対抗することができないとされた事例 |
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76 | H10.2.10 |
抵当権者は、物上代位の目的債権が譲渡され第三者に対する対抗要件が備えられた後においても、自ら目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができるとされた事例 |
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77 | H10.1.30 |
抵当権者は、物上代位の目的債権が譲渡され第三者に対する対抗要件が備えられた後においても、自ら目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができるとした事例 |
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78 | H9.12.18 |
買主が転売先から取り戻した動産を売主に対する売買代金債務の代物弁済に供した行為は、破産法72条4号による否認の対象になるとした事例 |
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79 | H9.12.18 |
担保権の設定された物件が弁済までの間に共同相続により共有となった場合、民法501条5号にいう「頭数」は、弁済の時における物件の共有持分権者をそれぞれ一名として頭数を数えるべきものと解されるとした事例 |
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80 | H9.7.17 |
建物に譲渡担保権が設定され、譲渡担保権者が建物の引渡しを受け使用又は収益をしたときは、譲渡担保権が実行されておらず、譲渡担保権設定者による受戻権の行使が可能であるとしても、建物の敷地について民法612条にいう賃借権の譲渡又は転貸がされたものと解され、特段の事情のない限り、賃貸人は同条2項により土地賃貸借契約を解除することができるとした事例 |
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81 | H9.7.15 |
執行官の山林の現況調査において、目的不動産の現況をできる限り正確に調査すべき注意義務に違反したものと認められた事例 |
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82 | H9.7.3 |
留置物の所有権が譲渡等により第三者に移転した場合において、対抗要件を具備するよりも前に留置権者が民法298条2項の留置物の使用又は賃貸について承諾を受けていたときには、留置権者は承諾の効果を新所有者に対し対抗することができるとした事例 |
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83 | H9.6.5 |
譲渡禁止特約のある指名債権について、譲受人が特約の存在を知り、又は重大な過失により特約の存在を知らないでこれを譲り受けた場合でも、その後、債務者が債権の譲渡について承諾を与えたときは、債権譲渡は譲渡の時にさかのぼって有効となるが、民法116条の法意に照らし、第三者の権利を害することはできないとされた事例 |
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84 | H9.6.5 |
所有者が、土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後、建物を取り壊し土地上に新たに建物を建築し、新建物について土地の抵当権と同順位の共同抵当権を設定した場合であっても、新建物についての抵当権の被担保債権に優先する国税について執行裁判所に対し交付要求がされたときには、新建物のために法定地上権は成立しないとした事例 |
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85 | H9.6.5 |
一個の不動産の全体を目的とする抵当権が設定されている場合において、抵当不動産の共有持分を取得した第三者が抵当権の滌除をすることは許されないとした事例 |
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86 | H9.4.11 |
譲渡担保権設定者は、譲渡担保権の実行として譲渡された不動産を取得した者からの明渡請求に対し、譲渡担保権者に対する清算金支払請求権を被担保債権とする留置権を主張することができるとした事例 |
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87 | H9.2.25 |
同一の債権につき、甲の強制執行による差押えと乙の物上代位権の行使としての差押えとが競合した場合に、甲乙に対し二重に弁済をした第三債務者は、甲に対し不当利得として弁済金の返還を請求することができるとした事例 |
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88 | H9.2.14 |
所有者が土地及び建物に共同抵当権を設定した後、建物が取り壊され、土地上に新たな建物を建築した場合、新建物の所有者が土地の所有者と同一であり、かつ、新建物が建築された時点での土地の抵当権者が新建物について土地の抵当権と同順位の共同抵当権の設定を受けたとき等特段の事情のない限り、新建物のために法定地上権は成立しないとした事例 |
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89 | H8.11.22 |
譲渡担保権設定者は、譲渡担保権者が清算金の支払又は提供をせず、清算金がない旨の通知もしない間に譲渡担保の目的物の受戻権を放棄しても、譲渡担保権者に対して清算金の支払を請求することはできないとした事例 |
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90 | H8.9.27 |
連帯保証債務の物上保証人に対する抵当権の実行は、主債務の消滅時効の中断にならないとした事例 (控訴審H7.5.31 東京高裁 RETIO32-30) |
RETIO 36-046 |
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91 | H8.7.12 |
物上保証人に対する不動産競売において、被担保債権の時効中断の効力は、競売開始決定正本が債務者に送達された時に生ずるとされた事例 |
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92 | H8.6.18 |
敷金の返還請求権を目的とする質権設定に関し、第三債務者が敷金から控除される金額の割合を定めた特約が存在することにつき錯誤し異議をとどめない承諾をした場合において、同錯誤は要素の錯誤に当たるとされた事例 |
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93 | H8.3.28 |
不動産競売手続きにおいて、抵当権者が債権の一部に対する配当を受けたことをもって、残額について時効の中断の効力を有するものではないとされた事例 |
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94 | H8.1.26 |
強制競売の手続において、借地権付建物であるとして評価及び最低売却価額の決定がされ売却が実施されたが、実際には買受人の代金納付時点において借地権が存在しなかった場合、買受人が建物買受けの目的を達することができず、かつ債務者が無資力であるときは、強制競売による建物の売買契約を解除した上、売却代金の配当を受けた債権者に対しその代金の返還を請求することができるとされた事例 |
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95 | H7.11.10 |
譲渡担保権者は、担保権を実行して確定的に抵当不動産の所有権を取得しない限り、民法378条所定の滌除権者たる第三取得者には該当せず、抵当権を滌除することができないとした事例 |
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96 | H7.9.5 |
物上保証人に対する不動産競売において、開始決定の債務者への送達が付郵便送達によりされた場合、決定正本が郵便に付して発送されたことによっては被担保債権の消滅時効の中断の効力を生ぜず、正本の到達によって初めて時効中断の効力を生ずるとした事例 |
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97 | H7.6.23 |
債権者が物上保証人に対して担保保存義務免除特約の効力を主張することが信義則に違反せず権利の濫用にも当たらないとされた事例 |
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98 | H6.12.20 |
地上建物の共有者の一人にすぎない土地共有者の債務を担保するため土地共有者の全員が各持分に共同して抵当権を設定した場合に法定地上権が成立しないとされた事例 |
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99 | H6.9.27 |
甲の乙に対する売買契約に基づく所有権移転登記手続請求訴訟において、丙が、乙に対して所有権移転請求権保全の仮登記に基づく本登記手続を、甲に対して本登記手続の承諾を求めてした参加の申出は、(旧)民訴法71条による参加の申出に当たらないとされた事例 |
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100 | H6.7.14 |
工場抵当法三条に規定する物件につき抵当権の効力を第三者に対抗するには、同物件が同条の目録に記載されていることを要するとした事例 |
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101 | H6.4.7 |
土地及び建物が甲・乙の共有に属する場合において、土地についての甲の持分が強制競売により売却され、丙がその持分を取得しても、民事執行法81条の規定による法定地上権は成立しないとした事例 |
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102 | H6.2.22 |
譲渡担保権者が被担保債権の弁済期後に目的不動産を譲渡した場合には、譲渡担保を設定した債務者は、譲受人がいわゆる背信的悪意者に当たるときであると否とにかかわらず、債務を弁済して目的不動産を受け戻すことができないとした事例 |
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103 | H6.1.25 |
甲、乙二棟の建物が、その間の隔壁を除去する等の工事により一棟の丙建物となった場合においても、これをもって、甲建物あるいは乙建物を目的として設定されていた抵当権が消滅することはなく、抵当権は、丙建物のうちの甲建物又は乙建物の価格の割合に応じた持分を目的とするものとして存続するとした事例 |
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104 | H5.2.26 |
・譲渡担保権者及び譲渡担保設定者は、いずれも譲渡担保の目的不動産について被保険利益を有するとした事例 |
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105 | H4.11.6 |
抵当権の被担保債権が弁済によって消滅した後に譲渡され、債務者が異議をとどめないで債権譲渡を承諾した場合であっても、弁済前の第三取得者に対する関係において、抵当権は復活しないとされた事例 |
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106 | H4.11.6 |
共同抵当権の目的たる甲・乙不動産が同一の物上保証人の所有に属する場合において、甲不動産の代価のみを配当するときは、甲不動産の後順位抵当権者は、民法392条2項後段の規定に基づき、先順位の共同抵当権者に代位して乙不動産に対する抵当権を行使することができるとされた事例 |
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107 | H4.3.19 |
売買予約に基づく所有権移転請求権保全の仮登記のされた不動産の第三取得者は、予約完結権の消滅によって直接利益を受ける者に当たり、その消滅時効を援用することができるとした事例 |
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108 | H3.10.1 |
民法388条による競売の結果、建物所有を目的とする法定地上権が成立した場合において、法定地上権の成立後に建物の所有権を取得した者は、建物所有権取得後の地代支払の義務を負担するが、前建物所有者の未払地代については、債務の引受けをした場合でない限り、これを当然には負担しないとした事例 |
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109 | H3.9.13 |
抵当権の実行に基づく土地の買受人が当該土地の短期賃貸借の賃借人に対してした将来の明渡しを求める訴えが適法とされた事例 |
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110 | H3.9.3 |
債務者所有の甲不動産と第三者所有の乙不動産とが共同抵当の関係にある場合において、債権者が甲不動産に設定された抵当権を放棄するなど故意又は懈怠によりその担保を喪失又は減少したときは、その後の乙不動産の譲受人も債権者に対して民法504条に規定する免責の効果を主張することができるとされた事例 |
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111 | H3.7.16 |
宅地造成工事の請負人は、造成工事の完了した宅地部分を注文者に引き渡した場合でも、特段の事情がない限り、債権の全部の弁済を受けるまでは残余の土地について留置権を行使することができるとされた事例 |
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112 | H2.6.5 |
売買予約に基づく所有権移転請求権保全仮登記の経由された不動産につき抵当権の設定を受け、その登記を経由した者は、予約完結権の消滅によって直接利益を受ける者に当たり、その消滅時効を援用することができるとした事例 |
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113 | H2.4.19 |
ガソリンスタンドの店舗用建物に設定された抵当権の効力が、その設定当時建物の従物であった地下タンク、ノンスペース型計量器、洗車機などの諸施設に及ぶとされた事例 |
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114 | H2.1.22 |
土地を目的とする一番抵当権設定当時、土地と地上建物の所有者が異なり、法定地上権成立の要件が充足されていなかつた場合には、土地と建物が同一人の所有に帰した後に後順位抵当権が設定されたとしても、抵当権の実行により一番抵当権が消滅するときは、法定地上権は成立しないとした事例 |
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115 | H1.10.27 |
抵当権の目的不動産が賃貸された場合においては、抵当権者は、民法372条、304条の規定の趣旨に従い、目的不動産の賃借人が供託した賃料の還付請求権についても抵当権を行使することができるとした事例 |
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116 | H1.10.13 |
不動産強制競売手続において催告を受けた抵当権者がする債権の届出は、その届出に係る債権に関する裁判上の請求、破産手続参加又はこれらに準ずる時効中断事由に該当しないとされた事例 |
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117 | H1.2.7 |
借地上の建物につき代物弁済を原因とする所有権移転登記がされた場合、その登記が債権担保の趣旨でされた場合であっても、その後土地を取得した第三者に対し土地賃借権を対抗することができないとした事例 |
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118 | S63.12.1 |
先に登記を経由した抵当権者に対抗することができないために競売手続において抹消された所有権に関する仮登記の権利者は、仮登記の後に登記を経由した抵当権者に対して、不当利得を理由として、その者が交付を受けた代価の返還を請求することはできないとした事例 |
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119 | S63.10.6 |
民事執行法による不動産競売事件における引渡命令は、公開の法廷における口頭弁論を経ないで引渡命令及びこれに対する執行抗告を棄却する決定をしても、これをもって憲法32条又は82条に違反するものではないとした事例 |
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120 | S63.7.19 |
抵当権の設定されている不動産について当該抵当権者以外の者との間にされた代物弁済予約及び譲渡担保契約が詐害行為に該当する場合において、不動産が不可分のものであり、詐害行為の後に弁済等によって抵当権設定登記が抹消されたときは、その取消による原状回復は、不動産の価額から抵当権の被担保債権額を控除した残額の限度で価格賠償の方法によるとされた事例 |
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121 | S63.7.1 |
債権者が第三者所有の不動産の上に設定を受けた抵当権が不存在であるにもかかわらず、抵当権の実行により第三者が不動産の所有権を喪失したときは、第三者は、売却代金から弁済金の交付を受けた債権者に対し不当利得返還請求権を有するとした事例 |
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122 | S63.4.8 |
物上保証人からされた被担保債権の将来の弁済を原因とする抵当権設定登記又はいわゆる仮登記担保権の仮登記の抹消登記手続を求める請求は、将来物上保証人が被担保債権を弁済することを条件としても、認容することができるとした事例 |
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123 | S63.2.25 |
不動産の引渡命令の発付を受けた買受人が当該不動産を第三者に譲渡したとしても、引渡命令の相手方は、買受人に対して提起する引渡命令に対する請求異議の訴えにおいて、譲渡の事実をもって異議の事由とすることはできないとされた事例 |
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124 | S62.12.18 |
不動産競売手続における配当金が同一担保権者の有する数個の被担保債権のすべてを消滅させるに足りない場合には、弁済充当の指定に関する特約があっても、その配当金は、民法489条ないし491条の規定に従って数個の債権に充当されるとした事例 |
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125 | S62.11.12 |
不動産が譲渡担保の目的とされ、設定者甲から譲渡担保権者乙への所有権移転登記が経由された場合において、被担保債務の弁済等により譲渡担保権が消滅した後に乙から目的不動産を譲り受けた丙は、民法177条にいう第三者に当たるとした事例 |
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126 | S62.2.12 |
帰属清算型の譲渡担保において、債権者の支払うべき清算金の有無及びその額は、債権者が債務者に対し清算金の支払若しくはその提供をした時若しくは目的不動産の適正評価額が債務額を上回らない旨の通知をした時、又は債権者において目的不動産を第三者に売却等をした時を基準として確定されるとした事例 |
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127 | S61.11.18 |
登記上の所有者を真実の所有者と信じて抵当権を設定し、その後競売にて自ら競落したXが、真実の所有者Aより建物を賃借していたYに対し賃借権の不存在等を求めた事案において、Xが建物の真実の所有者がAであること及びA・Y間の賃貸借契約締結の事実を知らなかったとしても、Yは賃借権をもってXに対抗することができ、Yに対する関係で民法94条2項を適用ないし類推適用する余地はないとした事例 |
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128 | S61.7.15 |
譲渡担保権者が設定された先順位の抵当権又は根抵当権の被担保債権を代位弁済したことにより取得する求償債権は、譲渡担保設定契約に特段の定めのない限り、譲渡担保権によって担保されるべき債権の範囲に含まれないとされた事例 |
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129 | S61.4.11 |
仮登記担保権者は、仮登記担保契約に関する法律2条1項所定の債務者又は第三者に対する通知をし、その到達の日から2月の清算期間を経過したのちであっても、同法5条1項所定の通知をしていない後順位担保権者に対しては仮登記に基づく本登記の承諾請求をすることはできないとした事例 |
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130 | S61.4.11 |
債務の弁済と当該債務の担保のために経由された仮登記担保権設定の仮登記の抹消登記手続ないし抹消登記手続に代わる移転登記手続とは、前者が後者に対し先履行の関係にあるものであって、同時履行の関係に立つものではないとした事例 |
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131 | S60.11.26 |
仮登記担保権が設定された不動産の譲渡を受けた第三者は、当該仮登記担保権の被担保債権の消滅時効を援用することができるとした事例 |
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132 | S59.12.20 |
他人名義で根抵当権設定登記を有する債権者は、抵当不動産の譲渡後に開始された不動産競売事件において配当を受けることはできないとされた事例 |
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133 | S59.4.24 |
動産執行による金銭債権の消滅時効中断の効力は、債権者が執行官に対しその執行の申立をした時に生ずるとされた事例 |
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134 | S59.3.9 |
不動産の仮差押による時効中断の効力は、第三者の申立による強制競売により不動産が競落されて仮差押の登記が抹消されても失われず、その抹消の時まで中断事由が存続したとされた事例 |
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135 | S59.3.6 |
不動産競売についての予納金及び登録免許税の納付による支出は、所得税法上の必要経費にあたらないとされた事例 |
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136 | S59.2.14 |
順位を異にする複数の抵当権が設定されている不動産について後順位の抵当権の実行がされた場合において、最先順位の抵当権設定後、後順位抵当権設定前に不動産を賃借した者は、最先順位の抵当権設定当時存在していた賃借権が競売手続中に消滅したときであっても、賃借権をもって不動産の競落人に対抗することができないとした事例 |
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137 | S58.6.30 |
敷金返還請求権に質権が設定された事案において、指名債権に対する質権設定を第三者に対抗しうる要件としての第三債務者に対する通知又はその承諾は、具体的に特定された者に対する質権設定についてされることを要するとされた事例 |
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138 | S58.3.31 |
代物弁済予約のなされた不動産につき、清算金の支払いがなされないまま第三者が仮登記担保権者から不動産の所有権を取得した場合、債務者は第三者からの不動産の明渡請求に対し、仮登記担保権者に対する清算金支払請求権を被担保債権とする留置権の抗弁権を主張することができるとした事例 |
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139 | S57.9.28 |
土地所有者の建物収去土地明渡請求に対し、建物所有者が「土地所有者は、譲渡担保設定による所有権移転登記により、明渡請求の基礎となる土地所有権を喪失した」と主張した事案において、土地所有者の譲渡担保設定における所有権移転の効力は、債権担保の目的を達するのに必要な範囲内に限られるとして、その主張を否定した事例 |
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140 | S57.6.4 |
不動産を目的とする代物弁済契約の意思表示がされたときは、これにより当該不動産の所有権移転の効果が生ずるとした事例 |
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141 | S57.4.9 |
後順位担保権者の申し立てによる不動産競売手続が開始されている場合において、仮登記担保権者によって提起された仮登記に基づく本登記手続の承諾請求及び本登記を条件とする不動産の明渡請求が認められた事例 |
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142 | S57.3.12 |
工場抵当法2条の規定により工場に属する土地又は建物とともに抵当権の目的とされた動産が、抵当権者の同意を得ないで、備え付けられた工場から搬出された場合、第三者において即時取得をしない限りは、抵当権者は搬出された目的動産をもとの備付場所である工場に戻すことを求めることができるとした事例 |
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143 | S57.1.29 |
執行力のある債務名義又は終局判決を有しない破産債権者の届出債権に対する債権調査期日における破産管財人又は他の債権者の異議は、破産債権届出の時効中断の効力に影響を及ぼすものではないとされた事例 |
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144 | S57.1.22 |
譲渡担保を設定した債務者の受戻の請求において、債務の弁済と弁済に伴う目的不動産の返還請求権とを合体して、一個の形成権たる受戻権であるとの法律構成をする余地はなく、これに民法167条2項(消滅時効)の規定を適用することはできないとした事例 |
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145 | S57.1.19 |
抵当債務は、抵当権設定登記の抹消登記手続より先に履行すべきもので、後者とは同時履行の関係に立たないとした事例 |
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146 | S56.12.17 |
譲渡担保権者は、特段の事情がないかぎり、譲渡担保権者たる地位に基づいて目的物件に対し譲渡担保権設定者の一般債権者がした強制執行の排除を求めることができるとした事例 |
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147 | S56.10.30 |
将来発生する求償債権を既発生の貸金債権と表示してされた抵当権設定仮登記について、その効力が認められた事例 |
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148 | S56.2.24 |
債務者が甲であるのに、誤って債務者が乙であるとして、乙所有の不動産になされた抵当権設定登記の効力があらそわれた事案において、債務者の表示の不一致は更正登記により訂正することができ、抵当権設定登記は有効であるされた事例 |
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149 | S54.2.22 |
仮登記担保関係において、債権者が履行遅滞を理由に目的不動産につき、予め交付を受けていた登記手続に必要な書類を利用して所有権移転登記を完了したとしても、仮登記担保権行使による所有権の取得に清算金の支払いが必要な場合においては、債権者が債務者に対し清算金の提供をするまでは、債務者は債務を弁済して仮登記担保関係を消滅させることができるとした事例 |
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150 | S54.1.25 |
譲渡担保契約が抵当権者への詐害行為に該当する場合において、譲渡担保権者が当該抵当権者以外の債権者であり、土地の価額から抵当権の被担保債権の額を控除した額が詐害行為取消権の債権額を下回っているときは、譲渡担保契約の全部を取り消し土地自体の原状回復をすることが認められるとした事例 |
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151 | S54.1.25 |
破産宣告当時、破産者所有の不動産につき対抗力ある賃借権の負担が存在する場合において、破産宣告後に不動産が転貸されたとしても、特段の事情のない限り、転借人の転借権取得は破産法54条1項所定の破産者の法律行為によらない権利の取得には該当しないとした事例 |
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152 | S53.12.22 |
債務の弁済供託により譲渡担保権が消滅した場合にも、民法496条2項が類推適用され、譲渡担保権が被担保債権の弁済供託により消滅した場合は、弁済者は供託物を取り戻すことができず、また、供託物を取り戻したときであっても譲渡担保権は復活しないとした事例 |
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153 | S53.9.29 |
土地及びその地上建物の所有者が建物につき抵当権を設定したときは、土地の所有権移転登記を経由していなくても、法定地上権の成立を妨げないとした事例 |
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154 | S53.7.4 |
債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とを共同抵当の目的として順位を異にする数個の抵当権が設定されている場合において、物上保証人所有の不動産について先に競売がされ、その競落代金の交付により一番抵当権者が弁済を受けたときは、後順位抵当権者は、物上保証人に移転した債務者所有の不動産に対する一番抵当権から優先して弁済を受けることができるとされた事例 |
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155 | S53.6.29 |
賃貸中の不動産に対する競売開始決定の差押の効力発生後賃貸人のした賃借権譲渡の承諾は、特段の事情のない限り、右差押の効力によつて禁止される処分行為にあたらず、譲受人は、賃借権の取得をもって競落人に対抗することができるとされた事例 |
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156 | S53.5.25 |
自称代理人が目的不動産の登記済権利証、所有者の白紙委任状、印鑑証明書等を所持し行った譲渡担保契約の締結及び金銭の借入につき、その取引の相手方が、自称代理人の代理権の有無について直接所有者に問い合わせるなどの調査をせず代理権限があると信じたことが、民法110条の「正当な理由」に該当しないとされた事例 |
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157 | S52.10.11 |
土地及びその地上の非堅固建物の所有者が土地につき抵当権を設定したのち地上建物を取り壊して堅固建物を建築した場合に、堅固建物の所有を目的とする法定地上権が成立するとされた事例 |
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158 | S52.9.27 |
土地の賃借人は、所有建物につき債権担保のため債権者名義に所有権移転登記をした場合、その後に土地の所有権を譲り受けた第三者に対し、建物保護に関する法律第1条による土地賃借権を対抗することができないとした事例 |
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159 | S52.3.11 |
土地の賃借人が地上に所有する建物に抵当権を設定しその登記を経たのちに賃貸人の承諾を得て賃借人から土地の賃借権のみを譲り受けた者は、抵当権の実行により競落人が建物の所有権とともに土地の賃借権を取得したときに競落人との関係において賃借権を失い、競落人が右賃借権の取得につき賃貸人の承諾を得たときに賃貸人との関係においても賃借人の地位を失うとした事例 |
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160 | S51.10.8 |
民法388条により抵当権設定者が法定地上権を設定したとみなされるためには、抵当権設定当時に土地とその地上建物が同一の所有者に属することを要し、これらが別個の所有者に属するときには法定地上権を設定したとみなすことはできず、この理は両所有者の間に親子・夫婦の関係があるときでも同様であるとした事例 |
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161 | S51.9.21 |
譲渡担保の目的不動産に先順位根抵当権が設定された場合には、特別の事情がない限り、目的不動産の適正な評価額から根抵当権の極度額を控除した残余価額と当該譲渡担保の被担保債権額とを比較して、清算金債務の有無及び数額を確定すべきとされた事例 |
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162 | S51.9.21 |
譲渡担保の目的とされた借地上の建物を債権者が帰属清算の方法により取得する場合において、土地賃借権の譲渡につき賃貸人の承諾が不可能又は著しく困難と認められるときは、債権者は建物買取請求権を行使する場合の対価をもって、当該建物の適正評価額として清算金額を算定することができるとした事例 |
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163 | S51.6.17 |
農地買収・売渡処分が買収計画取消判決の確定により失効した場合、被売渡人から土地を買い受けた者が、土地返還請求訴訟提起後に買収処分の無効に帰すべきことを疑わずに有益費を支出したとしても、有益費償還請求権に基づく土地留置権を行使することはできないとした事例 |
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164 | S51.3.19 |
同一不動産を目的とする後順位仮登記担保権者は、債務者のために先順位仮登記担保権者の被担保債権を弁済するにつき民法500条(法定代位)にいう「正当の利益」を有するとされた事例 |
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165 | S51.2.27 |
土地に対する抵当権設定当時、その地上に建物が存在しなかったときは、たとえ抵当権者において建物の築造をあらかじめ承認した事実があっても、民法388条(法定地上権)の適用がないとされた事例 |
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166 | S51.2.17 |
不動産の強制競売において、競落許可決定が確定して競落人がその代金を全額支払い競落不動産の所有権を取得したときは、その後、執行債権が消滅したことを理由に強制競売手続開始決定が取り消され、競売申立が却下されても、競落の効果に影響を及ぼさないとされた事例 |
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167 | S50.12.1 |
不動産の譲渡が詐害行為であるとして取り消され、受益者が現物返還に代わる価格賠償をすべきときの価格は、特別の事情がないかぎり、当該詐害行為取消訴訟の事実審口頭弁論終結時を基準として算定されるとした事例 |
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168 | S50.11.28 |
仮登記担保権者が、目的不動産を自己の所有とすると意思表示をしただけで清算をせず、仮登記のまま目的不動産を第三者に譲渡し、第三者が本登記を経た場合において、本登記が債務者の意思に基づかずにされたときは、債務者は第三者に対して本登記の抹消登記手続を請求することができるとした事例 |
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169 | S50.11.21 |
物上保証人に対する抵当権の実行により、競売裁判所が競売開始決定をし、これを債務者に告知した場合には、被担保債権についての消滅時効は中断するとされた事例 |
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170 | S50.10.14 |
第三者の売買予約に基づく所有権移転請求権保全の仮登記が存在する建物の競落人は、後日売買予約の完結により仮登記の本登記がなされ、目的物件の所有権を喪失した場合には、当該建物の売買(競落)を解除することができるとした事例 |
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171 | S50.9.9 |
仮登記担保権者は、目的不動産につき後順位権利者があるときは、債務者に対する被担保債権以外の金銭債権をもって自己の負担する清算金支払債務と相殺することができないとされた事例 |
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172 | S50.7.17 |
仮登記担保権を有する債権者が予約完結権を行使した場合において、債権者が清算金を支払う必要があり、債務者はその支払があるまで目的不動産の本登記手続の履行を拒みうるときは、目的不動産の所有権は、予約完結権の行使により直ちに債権者に移転するものではないとした事例 |
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173 | S50.5.27 |
それぞれ登記がされている隣接する二棟の建物につき、2階の隔壁の一部を除去し連絡したという事実のみで、両建物がそれぞれの建物としての独立性を失い一棟の建物になつたものと判断することはできないとした事例 |
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174 | S50.4.10 |
いわゆる仮登記担保契約は、被担保債権額と目的不動産の価額との間に著しい較差がある場合であっても、特段の事情のないかぎり、暴利行為として公序良俗に反するものということはできないとした事例 |
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175 | S50.2.25 |
いわゆる仮登記担保権者は、目的不動産の換価処分前においては、自己が不動産を使用収益することができる旨の約定がある等特段の事情のないかぎり、仮登記に遅れて不動産を賃借し占有する第三者に対し、賃料相当の損害金の賠償を請求することができないとされた事例 |
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176 | S49.12.24 |
債権担保のため、債務者の不動産に所有権移転の仮登記に代えて、他の債権者の所有権移転の仮登記が被担保債権の消滅にかかわらず残存しているのを利用して新債権者への請求権移転の附記登記をした場合、附記登記後に不動産につき利害関係を有するに至った第三者は、流用による登記の無効を主張することができないとされた事例 |
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177 | S49.12.20 |
不動産競売手続において再競売が実施された場合には、再競売の競落期日の終りに至るまで配当要求をすることができるとされた事例 |
||
178 | S49.12.6 |
抵当権の実行による不動産競売手続において配当表が作成された場合、配当期日に出頭した債務者又は抵当不動産の所有者が債権者の債権に対し異議を申し立て期日に異議が完結しなかつたときは、債務者又は所有者は、配当表に対する異議の訴を提起することができるとした事例 |
||
179 | S49.11.5 |
信用保証協会が債務者及び保証人と、協会の代位弁済による求償債権の損害金につき法定利息と異なる約定をしても、協会は約定を第三者に対抗することはできないとされた事例 |
||
180 | S49.10.23 |
金銭債権担保のため不動産について代物弁済予約又は売買予約等の形式をとる契約が締結され、所有権移転請求権保全等の仮登記がされた場合における右契約の性質及び内容 |
||
181 | S49.9.4 |
他人の権利の売主が死亡し、その権利者において売主を相続した場合、権利者は相続により売主の売買契約上の義務ないし地位を承継するが、相続前と同様その権利の移転につき諾否の自由を保有し、特別の事情のないかぎり、売買契約上の売主としての履行義務を拒否することができるとした事例 |
||
182 | S49.9.2 |
家屋の賃貸借終了に伴う賃借人の家屋明渡債務と賃貸人の敷金返還債務とは、特別の約定のないかぎり、同時履行の関係には立たないとした事例 |
||
183 | S49.3.7 |
・指名債権が二重に譲渡された場合、譲受人相互の問の優劣は、確定日付ある通知が債務者に到達した日時又は確定日付ある債務者の承諾の日時の先後によって決するとした事例 |
||
184 | S48.12.14 |
抵当不動産の譲渡を受けた第三者は、抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができるとした事例 |
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185 | S48.11.22 |
破産者がした債務の弁済が破産管財人により否認され、その給付したものが破産財団に復帰したときは、さきにいったん消滅した連帯保証債務は、当然復活するとされた事例 |
||
186 | S48.11.16 |
昭和36年法律第74号による改正前の地方税法のもとにおいても、譲渡担保による不動産の取得は、同法73条の2第1項にいう「不動産の取得」にあたるとして、不動産取得税の課税が容認された事例 |
||
187 | S48.10.5 |
抵当権の設定されている建物の買主は、抵当権の実行により建物が他に競落されたのち、不法占有中に建物に支出した費用に関し留置権を主張することはできないとした事例 |
||
188 | S48.10.4 |
根抵当権者は、後順位担保権者など配当をうけることのできる第三者がなく、競売代金に余剰が生じた場合においても、極度額を越える部分について、当該競売手続においては、その交付をうけることができないとされた事例 |
||
189 | S48.9.18 |
土地およびその地上建物の所有者が建物の取得原因である譲受につき、所有権移転登記を経由しないまま土地に対し抵当権を設定した場合であっても、法定地上権は成立するとした事例 |
||
190 | S48.7.12 |
抵当不動産の第三取得者が、民法391条にもとづく優先償還請求権を有しているにもかかわらず、抵当不動産の競売代金が抵当権者に交付されたため優先償還を受けられなかつたときは、第三取得者は、抵当権者に対し不当利得返還請求権を有するとされた事例 |
||
191 | S47.12.19 |
契約の一部が要素の錯誤により無効であっても、他の部分の効力には影響がないとされた事例 |
||
192 | S47.11.16 |
甲の所有建物を買受けた乙が、売買代金を支払わないままこれを丙に譲渡した場合には、甲は、丙からの物の引渡請求に対して、末払代金債権を被担保債権とする留置権の抗弁権を主張することができるとした事例 |
||
193 | S47.11.2 |
土地の抵当権設定当時その土地が更地であつた場合には、その後に地上に建物が建築されることを抵当権者が承認した事実があっても、土地の競売により建物のため法定地上権が成立するものではないとされた事例 |
||
194 | S47.10.26 |
代物弁済予約形式の債権担保契約を締結した債権者が、その担保目的を実現するにあたって、後順位債権者に優先して弁済を受けうる利息・損害金については、民法374条(抵当権の順位の変更)の規定は準用されないとされた事例 |
||
195 | S47.7.18 |
借地上の建物の所有権が第三者に移転する場合には、それが任意売買・強制競売によるを問わず、特別の事情がないかぎり、その敷地の借地権は、建物の所有権とともに当然に第三者に移転するとした事例 |
||
196 | S47.7.6 |
登記簿上後順位の抵当権者または仮登記担保権者であった者でも、先順位の仮登記担保権者から本登記手続承諾請求を受けた当時、既に他にその登記につき附記登記による権利移転の登記を経由した者は、仮登記担保権者に対して清算金を受けるべき地位にあることを主張できないとされた事例 |
||
197 | S47.6.30 |
不動産の任意競売の申立人は、被担保債権につき、申立書に表示した債権の額に制限されないで、競売代金から配当を受けることができるとされた事例 |
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198 | S47.4.7 |
仮差押登記がなされた土地上に存する土地所有者の所有建物について抵当権が設定された場合には、抵当権の実行による建物の競落人は、法定地上権を取得するが、仮差押が本執行に移行してなされた強制競売手続により土地を競落取得した者に対しては、法定地上権をもって対抗することはできないとされた事例 |
||
199 | S47.3.30 |
建物の従前の賃借人が、賃借中支出した費用の償還を請求するためその建物につき留置権を行使した場合には、賃借中と同一の態様をもって建物の占有・使用を継続することは、特段の事情のないかぎり、留置権に基づく適法な行為であるとされた事例 |
||
200 | S47.3.24 |
建物の占有者は、他人に対する債務名義に基づく建物収去土地明渡の強制執行に対しては、占有の侵害を受忍すべき理由のないかぎり、対抗しうる本権の有無を問わず、占有権に基づき第三者異議の訴を提起し執行の不許を求めることができるとされた事例 |
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201 | S47.3.21 |
債権者のする破産宣告の申立は、債権の消滅時効の中断事由たる裁判上の請求にあたるとした事例 |
||
202 | S47.3.7 |
土地の賃貸人の地代未払による土地賃貸借の合意解約がなされた後に、地上建物の抵当権が実行されたとして、賃貸人は同解約をもって競落人に対抗することができるとされた事例 |
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203 | S47.2.24 |
登記簿の記載から賃借権の消滅を信頼した建物の競落人について、民法94条2項(通謀虚偽表示)の類推適用がないとされた事例 |
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204 | S46.12.21 |
建物の共有者の一人がその敷地を所有する場合において、土地に設定された抵当権が実行され、第三者がこれを競落したときは、土地につき建物共有者全員のために法定地上権が成立するとされた事例 |
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205 | S46.10.14 |
所有権と賃借権とが同一人に帰属した場合であっても、その賃借権が対抗要件を具備し、かつ、その対抗要件を具備した後に土地に抵当権が設定されていたときは民法179条1項但書(混同)の準用により、賃借権は消滅しないとされた事例 |
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206 | S46.7.16 |
建物の賃借人が、債務不履行により賃貸借契約を解除された後、権原のないことを知りながら建物を不法に占有する間に有益費を支出しても、民法295条2項の類推適用により、費用の償還請求権に基づいて建物に留置権を行使することはできないとされた事例 |
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207 | S46.5.25 |
売買一方の予約において予約完結権を行使するには、買戻の場合と異なり、代金を提供する必要はないとした事例 |
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208 | S46.5.20 |
停止条件付代物弁済契約において、債権につき清算がされていない場合でも、債権者が代物弁済を受け目的物の所有権を取得したとして、善意の第三者に譲渡し所有権移転登記がされた後は、債務者は第三者から目的物を取り戻すことはできず、債権者に対して清算金を請求するほかに方法がないとした事例 |
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209 | S46.3.30 |
不動産の競買手続開始前に締結され対抗要件を経由した建物の賃借権であっても、これに優先する抵当権に対抗しえない場合には、競落により抵当権とともに消滅するとされた事例 |
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210 | S46.3.25 |
不動産譲渡担保による金銭賃貸借契約において、債務者が弁済期に債務の弁済をしない場合においては、債権者は目的不動産を換価処分し、またはこれを適正に評価した価額から、債権額を差し引き、なお残額があるときは、これに相当する金銭を清算金として債務者に支払うことを要するとした事例 |
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211 | S46.2.25 |
競売開始決定が所有者に対して送達されていなかった競売手続の瑕疵を理由とする競落許可決定の無効主張は許されないとした事例 |
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212 | S45.12.24 |
無権代理人甲が乙の代理人と称して丙と締結した抵当権設定契約を乙が追認したのち、甲が乙の代理人と称して丁と抵当権設定契約を締結した場合において、丁が甲に乙を代理して抵当権設定契約をする権限があると信ずべき正当の事由を有するときは、乙は民法110条および112条の類推適用により、甲の抵当権設定契約につき責任を負うとされた事例 |
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213 | S45.12.24 |
清算型代物弁済予約の予約権者が、登記上利害関係を有する後順位債権者に本登記の承諾を求める場合においては、予約権者は、清算金をそれらの者に対し、その債権額および優先順位に応じて交付すべきであり、後順位債権者とは、その支払と引換えにのみ承諾義務の履行をすべき旨を主張しうるとした事例 |
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214 | S45.9.24 |
数個の不動産上に代物弁済予約形式の債権担保契約を締結し、これを原因とする所有権移転請求権保全の仮登記を経由した債権者は、債務者が弁済期に債務の弁済をしないため予約完結権を行使して担保目的の実現をはかるため同一訴訟手続で本登記手続を求めた場合に、債務者が清算金の支払と引換えに履行する旨の主張をしたときは、特段の事情のないかぎり、各不動産の価額に準じて債権者の有する債権額を按分したうえで、債務者への清算金の額を算定して、その清算金の支払と引換えに右請求を認容すべきであるとされた事例 |
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215 | S45.8.20 |
代物弁済予約形式の債権担保契約における債権者の清算義務と後順位抵当権者および第三取得者の地位 |
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216 | S45.7.16 |
抵当権者が被担保債権を被保全債権として抵当不動産の仮差押をした場合において、仮差押債務者が仮差押解放金を供託して仮差押執行の取消を得たときには、抵当権の効力は、物上代位の規定の趣旨により、仮差押解放金の取戻請求権に及ぶとされた事例 |
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217 | S45.7.16 |
土地に対する抵当権の設定当時地上建物が存在しなかった場合、抵当権と同一債権の担保を目的として重ねて土地に停止条件付代物弁済契約が結ばれた当時には地上に債務者所有の建物が存在したときでも、代物弁済契約の条件成就後の法律関係につき、法定地上権の成立を認めることはできないとした事例 |
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218 | S45.7.16 |
不動産譲渡担保契約において、債権者が予約完結権を行使し不動産を譲り受け、登記上利害関係を有する第三者にその承諾を求める場合、債権者は目的不動産の適正な評価額のうち、自己の債権額超過部分の金銭を第三者に支払うことを要し、第三者は金銭の支払と引換えにのみ承諾義務の履行をなすべき旨を主張できるとした事例 |
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219 | S45.6.16 |
期間の定めのない建物所有を目的とする土地の賃貸借は、民法395条により抵当権者に対抗しうべき賃貸借に当たらないとされた事例 |
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220 | S45.5.29 |
抵当権設定契約が錯誤により無効であっても、これを締結する前提として同時に約定された準消費貸借契約に要素の錯誤がないとされた事例 |
||
221 | S45.3.26 |
土地について締結された停止条件付代物弁済契約につき、公序良俗違反による無効が主張された事案において、債権者において清算義務を負担する担保契約であり、また、契約締結時に先順位の担保権者が存在するなどの事情を検討し公序良俗違反とはいえないと判断された事例 |
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222 | S45.2.24 |
登記の欠缺を主張することができない、いわゆる背信的悪意者にあたるとされた事例 |
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223 | S44.12.19 |
譲渡担保の設定が詐害行為にならないとされた事例 |
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224 | S44.12.11 |
抵当権設定後競売開始決定までの間に設定された短期賃貸借は、民法602条所定の期間後は当然に効力を失い法定更新されないとした事例 |
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225 | S44.11.27 |
債務者兼抵当権設定者が債務の不存在を理由として提起した抵当権設定登記抹消登記手続請求訴訟において、債権者兼抵当権者が請求棄却の判決を求め被担保債権の存在を主張したときは、その主張は裁判上の請求に準ずるものとして、被担保債権につき消滅時効中断の効力を生ずるとした事例 |
||
226 | S44.11.20 |
無効な二重保存登記を基礎として設定登記がされている抵当権について競売手続がされても、これに基づく競落はその効力を生ぜず、これによって有効な保存登記を基礎として設定登記がされている抵当権が当然消滅するいわれはないとした事例 |
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227 | S44.11.6 |
借地上の家屋に関する費用償還請求権は、その家屋の敷地自体に関して生じた債権でもなければ、その敷地の所有者に対して取得した債権でもないから、請求権を有する者であっても、その家屋の敷地を留置する権利は有しないとした事例 |
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228 | S44.11.4 |
従前の土地の所有者の所有する仮換地上の建物が抵当権の実行により競落されたときは、従前の土地について法定地上権が成立し、競落人は、法定地上権に基づいて仮換地の使用収益が許されるとされた事例 |
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229 | S44.10.16 |
不動産に関する代物弁済の予約につき請求権保全の仮登記が経由されている場合においては、不動産の所有権が第三者に移転したときであっても、代物弁済予約権者は、予約の相手方に対して予約完結の意思表示をすべきであるとした事例 |
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230 | S44.7.3 |
甲乙不動産の先順位共同抵当権者が、甲不動産に次順位の抵当権が設定されているのに、乙不動産の抵当権を放棄し、甲不動産の抵当権を実行した場合であっても、乙不動産が物上保証人の所有であるときは、先順位抵当権者は、甲不動産の代価から自己の債権の全額について満足を受けることができるとした事例 |
||
231 | S44.4.22 |
甲所有不動産について、乙のためにされた抵当権設定登記および所有権移転請求権保全の仮登記につき、それぞれ丙に権利移転の附記登記が経由された場合において、甲が、抵当債務の弁済、代物弁済契約の無効を理由に登記の抹消請求をするには、丙のみを被告とすれば足り、乙を被告とすることを要しないとした事例 |
||
232 | S44.3.28 |
宅地に対する抵当権の効力は、特段の事情のないかぎり、抵当権設定当時宅地の従物であつた石灯篭および庭石にも及び、抵当権の設定登記による対抗力は従物についても生ずるとした事例 |
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233 | S44.3.25 |
改築後の新建物が旧建物と同じく木造平屋建一棟の居宅であって、旧建物を支えていた柱も相当数のものが残って新建物の支柱となり、旧建物の残存部分が新建物の主たる構成部分をなしているなどの事実関係のもとにおいては、新・旧両建物は社会通念上同一性を有するとした事例 |
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234 | S44.2.27 |
土地に抵当権を設定した当時、土地上に建物がなく、その後建物が土地上に建築された場合においては、土地建物が同一の所有者に属するときでも、民法388条(法定地上権)の規定は適用されないとした事例 |
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235 | S44.2.14 |
抵当権設定当時土地および建物の所有者が異なる場合においては、その土地または建物に対する抵当権の実行による競落の際、土地および建物が同一人の所有に帰していても、法定地上権は適用または準用されないとした事例 |
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236 | S43.12.24 |
不動産所有権譲渡をもって代物弁済をする旨の契約は、債務の弁済が代物弁済による所有権移転の意思表示の後にされても、その所有権移転登記手続の完了前にされたときは、その意思表示は弁済による既存債務の消滅によってその効力を失うとした事例 |
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237 | S43.12.4 |
仮登記が仮登記権利者不知の間に不法に抹消された場合には、登記上利害の関係を有する第三者は、その善意、悪意または回復登記により受ける損害の有無、程度にかかわらず、仮登記権利者の回復登記手続に必要な承諾を与えなければならないとされた事例 |
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238 | S43.11.21 |
不動産の二重売買において、第二の買主の所有権移転登記がされた場合、第一の買主は、第二の買主の明渡請求に対し、売買契約不履行に基づく損害賠償債権をもって、留置権を主張することはできないとされた事例 |
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239 | S43.11.19 |
不動産所有権の譲渡をもって代物弁済をする場合に、債権者が不動産の所有権移転登記手続に必要な一切の書類を債務者から受領しただけで直ちに代物弁済による債務消滅の効力が生ずる特約が存するときには、債権者が債務者から書類を受領した時に代物弁済による債務消滅の効力が生ずるとした事例 |
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240 | S43.10.18 |
譲渡担保が暴利行為により公序良俗に違反するかどうかの判断に当っては、その契約により担保される債権の額とその譲渡担保の対象となつた全物件の価格を比較すべきであるとした事例 |
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241 | S43.10.8 |
・抵当権の設定契約が無効のときには、その抵当権に基づく競売により、抵当物件が競落されても、競落人はその所有権を取得することができないとした事例 |
||
242 | S43.7.9 |
民事訴訟法の剰余の見込なき場合の競売取消等の規定に違反してされた競売につき、債務者から同法の不遵守を理由に損害賠償の請求をすることはできないとした事例 |
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243 | S43.3.8 |
工場備付の機械を目的物とする処分清算型の譲渡担保権者が、優先弁済権の実行のため目的物を工場から搬出する行為は、同人の権利を実行するための必須の行為であって不法行為とはいえないとした事例 |
||
244 | S43.3.7 |
甲不動産につき抵当権設定契約および代物弁済予約形式の合意がされるとともに乙不動産につき同一債権の担保を目的とする所有名義移転の合意がされた場合において、債権者は両不動産を換価処分して得た金員から元利金の弁済を受けることができるにとどまるとされた事例 |
||
245 | S43.2.29 |
抵当権の設定と同時に代物弁済予約が締結された不動産において、抵当権の実行による競売手続が開始したときは、競売手続が競売申立の取下その他の事由により終了しないかぎり、債権者が代物弁済の予約の完結権を行使することは許されないとした事例 |
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246 | S43.2.23 |
法定地上権の地代確定訴訟の係属中、法定地上権が譲渡され、その後訴訟の判決が確定した場合、その譲受人は、判決によって譲渡人と地主との間で確定された譲受当時の地代を譲受の時に遡って支払う義務を負うとした事例 |
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247 | S43.2.16 |
抵当権の設定契約が無効であるときは、抵当権が実行され不動産が競落されても、競落人は不動産の所有権を取得することができないとした事例 |
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248 | S43.1.30 |
甲所有不動産につき、売買予約に基づく乙の所有権移転仮登記がされた後、所有権が乙へ、さらに丙へ移転したが、丙に対し売買予約の権利譲渡を原因として、仮登記につき所有権移転請求権移転の附記登記がされた場合、丙が甲に対して仮登記の附記登記に基づく所有権移転登記手続を請求することは許されないとした事例 |
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249 | S42.10.27 |
・他人の債務のため自己の所有物をいわゆる弱い譲渡担保に供した者は、右債務の消滅時効を援用することができるとされた事例 |
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250 | S42.9.1 |
抵当権者から委任をうけた者の過誤による申請によって、抵当権設定登記が抹消された場合、抵当権の対抗力は消滅するとした事例 |
||
251 | S42.4.7 |
甲が、共同相続により持分を取得した不動産につき、単独相続したとして所有権登記を経由し、乙と不動産について抵当権設定契約を締結し登記を経由したときは、甲は、乙に対し、自己の持分を超える部分について抵当権が無効であると主張しその抹消(更正)登記手続を請求することは、信義則に照らし許されないとした事例 |
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252 | S42.1.20 |
相続人が、相続の放棄をした場合には相続開始時にさかのぼって相続開始がなかったと同じ地位に立ち、当該相続放棄の効力は、登記等の有無を問わず、何人に対してもその効力を生ずるとされた事例 |
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253 | S42.1.20 |
建物賃借人は、建物賃貸借契約解除後占有中の当該建物を修繕しても、その修繕費償還請求権をもって当該建物につき留置権を行使することはできないとした事例 |
||
254 | S41.5.27 |
債務者が、被担保債権額以下の実価を有する抵当不動産を相当な価格で売却し、その代金を当該債務の弁済に充てて抵当権の消滅をはかる場合には、同不動産売却行為は詐害行為にはあたらないとした事例 |
||
255 | S41.3.3 |
建物の売買契約解除後、不法に建物を占有する買主が、同建物につき必要費有益費を支出したとしても、買主は民法第295条第2項の類推適用により、当該費用の償還請求権に基づく建物の留置権は主張できないとした事例 |
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256 | S41.3.1 |
抵当権の設定登記後に当該不動産について所有権移転請求権保全の仮登記を経由した者は、その後に登記された抵当権の実行による競落人に対し、その権利を対抗することができないとされた事例 |
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257 | S41.1.21 |
所有権移転請求権保全の仮登記のなされた土地の仮換地の上に存する土地所有者の所有建物について抵当権が設定された場合には、建物の競落人は、法定地上権を取得するが、仮登記に基づいて所有権移転の本登記を経た者に対しては、法定地上権をもって対抗することができないとした事例 |
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258 | S40.12.17 |
賃借地上の建物が買戻特約売買により第三者に売り渡されたのは無断譲渡にあたるとして、土地賃貸人が契約解除を求めた事案において、建物の敷地について賃借権の譲渡または転貸はなされなかったとして、その請求を棄却した事例 |
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259 | S40.12.3 |
代物弁済の予約をした債権者が、その妻名義で所有権移転請求権保全の仮登記をした事案において、その仮登記は実体関係に符合しないことから第三者に対して順位保全の効力を有しないとした事例 |
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260 | S40.9.24 |
第三者の債務の担保に供された抵当不動産が競売に付せられ競落代金が納付された場合には、求償権が事実上取立不能であっても譲渡所得は成立するとした事例 |
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261 | S40.6.25 |
代物弁済契約の目的物の価値について、要素の錯誤があるとされた事例 |
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262 | S40.5.4 |
土地賃借人が土地上の所有建物について抵当権を設定した場合には、抵当権の効力は当該土地の賃借権に及び、建物の競落人と賃借人との関係においては、建物の所有権とともに土地の賃借権も競落人に移転するとした事例 |
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263 | S40.5.4 |
滅失建物の登記を、その跡地に新築された建物の所有権保存登記に流用することは許されないとした事例 |
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264 | S40.4.30 |
不動産所有権の譲渡をもって代物弁済をする場合の債務消滅の効力は、原則として、単に所有権移転の意思表示のみでは足らず、所有権移転登記手続の完了によって生ずるとした事例 |
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265 | S40.4.6 |
土地を目的とする代物弁済予約に基づく完結権を行使しうる時から約15年後に完結の意思表示がなされた場合でも、予約による所有権移転請求権保全の仮登記が経由されているときは、いわゆる権利失効の原則により権利が失われることなく、完結権の行使は有効であるとした事例 |
||
266 | S40.3.19 |
法定地上権の地代確定訴訟における第一審判決の言渡後、その確定前にその地代債権に対して発せられた転付命令は、第一審判決において認められた地代の額の範囲内においては無効とはいえないとした事例 |
||
267 | S40.3.11 |
不動産を目的とする代物弁済の予約完結の意思表示がなされたときは、これにより当該不動産の所有権移転の効果が生ずるとされた事例 |
||
268 | S40.2.23 |
処分禁止の仮処分の登記後に仮処分債務者から第三者に対し所有権の移転登記がされた場合において、仮処分債権者は債務者との訴訟にて実体法上の権利の確定をしないかぎり、第三者に対し権利を主張し、所有権の移転登記の抹消登記を請求することはできないとした事例 |
||
269 | S40.2.4 |
債権の一部を被保全債権として仮差押のなされた不動産の譲渡を受けた第三者は、仮差押が本差押に移行した場合においても、被保全債権の弁済をすることにより不動産の所有権を取得し、仮差押債権の不動産に対する強制執行は、債務者以外の第三者の所有物件についてなされたこととなり許されないとした事例 |
||
270 | S39.12.25 |
抵当権設定登記をする前に被担保債権の一部が弁済されても、債権者はその債権全額について登記手続を請求することができるとした事例 |
||
271 | S39.11.26 |
代物弁済において、債務者のなす他の給付が不動産所有権の移転である場合には、その意思表示がなされただけでは足りず、登記その他の引渡行為が完了しなければ代物弁済は成立しないとされた事例 |
||
272 | S38.10.30 |
留置権の抗弁は、被担保債権の債務者が原告である訴訟において提出された場合には、当該債権について消滅時効中断の効力があり、かつ、その効力は抗弁の撤回されないかぎり、その訴訟係属中存続するとした事例 |
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273 | S38.10.10 |
売買一方の予約に基づいて売買本契約が成立した場合は、売買予約締結当時を基準として詐害行為の要件の具備の有無を判断すべきとした事例 |
||
274 | S38.10.8 |
建物所有権移転請求権保全の仮登記権利は、本登記をなすに必要な要件を具備した場合でも、本登記を経由しないかぎり、登記の欠缺を主張しうる第三者に対し建物の明渡を求めることは許されないとした事例 |
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275 | S38.10.1 |
抵当権の設定されていない同一所有者に属する土地及びその地上建物のうち、土地のみを公売によって競落した場合、法定地上権は成立しないとした事例 |
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276 | S38.3.28 |
・甲が登記簿上乙の所有名義となっている甲所有建物を丙に譲渡した後、丙の所有権登記前に、甲の債権者丁が建物になした、乙より甲への代位による所有権移転登記ならびに甲を債務者とする仮差押登記はいずれも有効であるとした事例 |
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277 | S38.1.18 |
譲渡担保契約に伴う代物弁済の約定部分を無効と解すべき場合でも、譲渡担保契約全体が無効となるとは限らないとされた事例 |
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278 | S37.10.2 |
親権者が自己の借入金債務につき、未成年の子の所有不動産に抵当権を設定する行為は、借入金を未成年の子の養育費にする意図であっても、民法第826条にいう「利益が相反する行為」にあたるとした事例 |
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279 | S36.9.15 |
工場財団を組成する動産についても、民法192条(即時取得)の適用があるとした事例 |
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280 | S35.11.24 |
不動産売買予約上の権利を仮登記により保全した場合に、予約上の権利の譲渡を予約義務者その他の第三者に対抗するためには、仮登記に権利移転の附記登記をすれば足り、債権譲渡の対抗要件を具備する心要はないとした事例 |
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281 | S35.10.14 |
賃貸中の家屋に対する強制競売開始決定が債務者に送達された後、債務者が賃借人と合理的理由なしに賃料を半額に減額する合意をしても、これをもって競落人に対抗できないとした事例 |
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282 | S35.10.4 |
民法208条所定の区分所有権は、その部分が独立の建物と同一の経済上の効力を全うすることを得る場合に限って成立し、その部分が他の部分と併合するのでなければ建物としての効力を生ずることができない場合には、民法242条により不動産の所有者は附合物の所有権を取得するとした事例 |
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283 | S35.6.28 |
債権及び根抵当権の譲渡が根抵当権者、譲受人及び債務者の合意によりなされたときは、債権及び根抵当権の譲渡ならびにこれに基いてなされた根抵当権取得登記を無効とすべき理由はないとした事例 |
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284 | S35.6.2 |
代物弁済の予約が公序良俗に反するとはいえないとされた事例 |
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285 | S35.4.26 |
・買戻特約の登記をしなかった場合、不動産買戻権は売主の地位と共にのみ譲渡ができるとした事例 |
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286 | S33.11.6 |
再売買の予約完結権の消滅時効は、権利の行使につき特に始期を定め、または停止条件を附したものでない限りは、予約完結権の成立した時から進行する |
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287 | S33.3.13 |
・借家法5条(造作買取請求)は、賃貸借が賃借人の債務不履行ないしその背信行為のため解除された場合には、その適用はないとされた事例 |
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288 | S33.1.30 |
不動産の登記名義人および同人から根抵当権設定登記を得た者を共同被告として所有権の確認を求める訴は、訴訟の目的が共同訴訟人の全員につき合一にのみ確定すべき場合にあたらないとした事例 |
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289 | S33.1.17 |
留置権者が留置物について必要費、有益費を支出しその償還請求権を有するときは、物の保存に必要な範囲を超えた使用に基く場合であったとしても、その償還請求権につき留置権の発生を妨げないとした事例 |
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290 | S32.12.27 |
工場抵当法第3条の抵当物件目録を提出する場合、軽微な附属物と認められない機械等は、具体的に記載することを要し、概括的に記載することはできないとした事例 |
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291 | S32.6.18 |
仮登記のなされた不動産につき第三者のための所有権取得の登記がなされたときにおいても、仮登記権利者は本登記をなすに必要な要件を具備する場合は、仮登記義務者に対しては本登記、第三者に対しては抹消登記の請求をなし得るとした事例 |
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292 | S32.6.7 |
甲所有の不動産につき、乙のため所有権移転請求権保全の仮登記がなされた後に、甲が不動産を丙に譲渡し移転登記をした場合に、乙は、丙の登記を抹消することなくして、甲に対し所有権移転登記を請求することができるとした事例 |
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293 | S32.6.7 |
甲所有の不動産につき、一旦国税滞納処分による公売により落札者乙に所有権登記がなされた後、公売の取消処分があった結果、甲に所有権が復帰した場合であっても、その登記がないときは、甲は乙から公売取消後その不動産を譲り受けた丙に対し、所有権の復帰を対抗できないとした事例 |
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294 | S32.2.15 |
代物弁済の予約が、暴利行為および相手方の窮迫に乗じて締結されたものであるとして、公序良俗に反し無効とされた事例 |
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295 | S32.1.24 |
・造作買取代金債権は、建物に関して生じた債権ではないから、これにより建物につき留置権を行使してその明渡を拒むことはできないとした事例 |
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296 | S31.9.28 |
売買により不動産の所有権登記を得た者、および、同人から抵当権設定登記と代物弁済契約による所有権移転請求権保全の仮登記を得た者を共同被告として、不動産の所有者として売買の不存在を主張する者からの登記抹消を求める訴は、必要的共同訴訟にあたらないとされた事例 |
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297 | S31.8.30 |
・不動産質権は、質物を留置することをうる効力も、登記なき限り第三者に対抗できないとした事例 |
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298 | S31.7.20 |
木造瓦葺2階建工場(建坪12.22坪、二階同)が、工事により木造瓦葺2階建店舗(建坪11.78坪、二階同)、木造瓦葺平屋便所(建坪1坪)、木造亜鉛葺平屋居宅(2.94坪)となった事案において、建物の同一性は失われていないとされた事例 |
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299 | S31.6.26 |
甲が所有不動産を第三者に売却したが、未だ所有権移転登記を了しない場合において、乙がその事情を知りながら甲に対する債権の代物弁済として不動産の所有権を取得しその旨の登記をしたとしても、乙は適法に所有権を取得したものであるから、甲の不動産横領罪の共犯とはならないとした事例 |
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300 | S31.5.25 |
代物弁済の予約成立後、物価の高騰した後になされた予約完結の意思表示が信義公平に反しないと認められた一事例 |
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301 | S30.11.25 |
国税徴収法に基づく滞納処分による差押登記の後になされた建物の賃貸借は、貸借人が建物の引渡を受けていても、公売処分により建物の所有権を取得した者に対抗できないとされた事例 |
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302 | S30.6.28 |
不法な手段により抹消された所有権移転請求権保全の仮登記につき、その抹消登記を真実と信じ登記を得た善意無過失の第三者は、特段の事情がない限り、回復登記手続を承諾する義務はないとした事例 |
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303 | S29.12.23 |
共有土地につき、地上権を設定したものと看做すべき事由が単に土地共有者の一人だけについて発生した場合、このために他の共有者の持分が、その意思如何に拘わらず無視さるべきいわれはないことから、法定地上権は成立しないとした事例 |
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304 | S29.7.22 |
借家法5条により造作の買取請求をした家屋の賃借人は、その代金の不払を理由として同家屋を留置し、または代金の提供がないことを理由として同時履行の抗弁により同家屋の明渡を拒むことはできないとした事例 |
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305 | S28.11.12 |
抵当権設定契約とともになされた停止条件付代物弁済契約は、特段の事由がないかぎり、代物弁済の予約と解されるとした事例 |
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306 | S28.3.17 |
借家法により第三者に対抗し得る賃借権は、建物の競売公告に記載してなくても対抗力が消滅するものではないとした事例 |
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307 | S27.12.4 |
抵当権設定登記において、消費貸借契約成立日の年月日が、実際の成立日より前の年月日として登記されていた事案において、同一の消費貸借を表示するものである以上登記は有効であるとされた事例 |
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308 | S27.11.20 |
金銭の貸主が借主の困窮に乗じて短期間の弁済期を定め、期限に弁済しないときは貸金額の数倍の価額を有する不動産を代物弁済とする代物弁済予約は、公序良俗に反し無効であるとした事例 |
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309 | S25.10.24 |
登記されない抵当権であつても、当事者間においては、権利実行の要件を備えるかぎり、競売法の規定するところに従い、抵当権の実行による競売手続を有効に行い得るとした事例 |
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310 | S18.9.2 |
競売により建物を取得した場合、建物の前所有者が敷地を占有すべき正当の権限を有しなかつたときには、その競落人は敷地を使用すべき権利を取得しないとした事例 |
昭18(オ)368号(大審院) |
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311 | S18.3.31 |
指名債権をもって質権の目的としたときは、指名債権譲渡の場合と同様、第三債務者が異議なく承諾した以上は質権の目的たる債権が一部分不成立の点があってもこれをもって質権者に対抗できないとした事例 |
昭17(オ)1010号(大審院) |
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312 | S15.11.26 |
抵当権は後順位抵当権者及抵当物件の第三取得者に対しては被担保債権と離れ単独に20年の消滅時効に因り消滅するとされた事例 |
昭15(オ)750号(大審院) |
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313 | S14.12.19 |
土地及び地上建物の所有者が土地のみを抵当とした時は、建物に保存登記がされていないとしても、競売の場合においてその競落人は法定地上権の設定を否定できないとした事例 |
昭14(オ)985号(大審院) |
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314 | S14.4.28 |
賃借人が賃借家屋につき必要費または有益費を支出したときは、賃貸中の建物の所有権を譲受けた新たな賃貸人に返還する場合においても、民法608条の賃借人よる費用の償還請求により、賃借人は新たな賃貸人にその費用を請求でき、また留置権を有するとした事例 |
昭13(オ)1739号(大審院) |
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315 | S13.12.17 |
有益費償還請求権に基づく家屋の留置権は、家屋の保存に必要となる使用を認めるのにとどまり、積極的に利益を享有することはできず、賃料相当額は不当利得として所有者に返還しなければならないとした事例 |
昭13(オ)287号(大審院) |
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316 | S13.4.22 |
不動産の買戻特約付売買において、予約権利者の有する予約上の権利につき請求権保全の仮登記をした場合でも、売買完結の意思表示は転得者に対してするべきではなく、予約義務者に対してするべきであるとした事例 |
昭11(オ)2636号(大審院) |
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317 | S13.4.16 |
家屋の占有が正当な権限に基づかなければ直ちに不法行為になるというものではなく、留置権が否定されるには、正当な権限がないことを知っていたか、知らないことにつき過失があったことを要するとした事例 |
昭12(オ)1918号(大審院) |
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318 | S11.12.15 |
土地の所有者が土地に抵当権を設定した後に、建物を建築し更に建物のみに抵当権を設定した時は、建物の競落人は法定地上権を取得するが、土地の競落人に対して対抗できないとした事例 |
昭11(オ)1106号(大審院) |
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319 | S10.10.1 |
住宅用建物にして屋根瓦を葺き荒壁を付け了りたるものは、未だ床及天井を備えていないとしても登記し得べき建物であるということを妨げないとした事例 |
昭10(オ)752号(大審院) |
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320 | T15.2.28 |
買戻特約付の不動産売買契約において、売買代金及び契約費用のほか必要費有益費の支払いを買戻し特約の条件とした場合、特約のうち契約費用以外の支払いに関する部分は無効とするとした事例 |
大14(オ)875号(大審院) |
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321 | T9.12.18 |
買戻特約付売買契約において、民法583条(買戻しの実行)のため提供した金額が実際金額に満たなかったが、その金額が極めて些少である場合は、買戻しの効力は無いとの主張はできないとされた事例 |
大9(オ)663号(大審院) |
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322 | T2.6.4 |
競売の場合における売主は競売を申立てた債権者ではなくて競売の目的物を所有する債務者であるから、債権者の代理人として競売の申立をした者が競落人となっても民法108条の規定には抵触しないとした事例 |
大2(オ)158号(大審院) |
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323 | M35.1.27 |
定著物とは絶対にその自然の状態を毀損するのでなければ、これを分離しもしくは移動させることができない物のみに限らないとした事例 |
明34(オ)523号(大審院) |
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