トラブル事例大項目:重要事項説明に関するもの トラブル事例中項目:都市計画等の法令上の制限 トラブル事例小項目:

タイトル:処分事例建築制限に関する事項の不告知

《要旨》
 市街化調整区域(しがいかちょうせいくいき)
都道府県が、都市計画区域の中で定める区域。
市街化調整区域に指定されるのは、
建築物の密度が低い地域である。市街化調整区域では、
少数の例外を除いて住宅等の建築が禁止されている。
内の土地付建物の売買において、建物の建築制限等について説明を怠ったとして、売主業者が30日間の業務停止処分とされた。

(1) 事実関係
 買主Xは、売主業者Yから、市街化調整区域(しがいかちょうせいくいき)
都道府県が、都市計画区域の中で定める区域。
市街化調整区域に指定されるのは、
建築物の密度が低い地域である。市街化調整区域では、
少数の例外を除いて住宅等の建築が禁止されている。
に所在する土地付建物を買い受けた。本物件は、「農家の二・三男が分家する場合の住宅」として建築することを条件として、都市計画法により許可されたものであったが、Xはそれについて十分な説明を受けていなかった。また、Xがこの建物に居住することは都市計画法の許可の条件に反することから、この建物が老朽化等による再建築の必要が生じたとしても建て替えることができないにもかかわらず、Yは、15年経過すれば再建築が可能であるとの説明を行った。
 さらに、Yは、同じ市内の市街化調整区域(しがいかちょうせいくいき)
都道府県が、都市計画区域の中で定める区域。
市街化調整区域に指定されるのは、
建築物の密度が低い地域である。市街化調整区域では、
少数の例外を除いて住宅等の建築が禁止されている。
に所在する「日常生活に必要な物品の販売、修理等の店舗」として建築することを都市計画法により許可された店舗併用住宅について、その旨を明記することなく、あたかも専用住宅の分譲であるかのような誤解をまねく広告を新聞に掲載していた。

(2) 事情聴取
 行政庁で、Yに事情を聴いたところ、Yは「重要事項説明書及び売買契約書において、説明不足や記載漏れがあったことは認めるが、故意に重要な事実を告知しなかったということはない。また、広告は紙面が小さくてスペースがなく、内容の明示ができなかった。」などと述べた。

(3) 処 分 
 行政庁は、Yは、(ア)本物件は「農家の二・三男が分家する場合の住宅等」の建築を目的としており、建築物には許可を受けた者が居住することを条件に、新築の許可及び建築確認がなされたにもかかわらず、当該許可を受けていない買主にその旨を説明せず、故意に重要な事実についての告知を怠った、(イ)(ア)における許可に付された条件に反する建物に居住する買主は、本件建物を再建築することができないにもかかわらず可能であると説明し、重要な事項について不実のことを告げた、(ウ)重要事項説明書及び売買契約書に記載不備があり、また宅建業法32条(誇大広告等の禁止)の規定に違反があったとして、Yを30日間の業務停止処分とした。

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