制作:国土交通省 |
運営:不動産適正取引推進機構 |
1 本システムは、これまでに発生した不動産取引をめぐる他のトラブル事例をもとに、消費者の皆様が、トラブルの未然防止や万一トラブルに発展した場合に円滑な解決が図れるよう、情報を提供するものです。 2 掲載内容は、①裁判事例、②国土交通省各地方整備局や各都道府県で宅建業者に対して行った行政処分、③(一財)不動産適正取引推進機構で調整した特定紛争処理案件の中から基礎的で有用と思われる事例を抽出し、項目ごとに整理したうえ、事案の概要や紛争の結末等について要約して記載しています。 |
最新の情報については、
「RETIO判例検索システム」
「特定紛争案件検索システム」
「ネガティブ情報等検索サイト」(国土交通省)
「不動産のQ&A」
をご活用ください。
検索ボタンをクリックして頂くと、該当する事例の一覧が表示されます。
トラブル事例大項目:重要事項説明に関するもの | トラブル事例中項目:眺望・日照・周辺環境等 | トラブル事例小項目: |
タイトル:処分事例隣地住人からのクレームが予想される用途であることについての説明不備
《要旨》
自動車塗装工場を建てる目的で土地を購入した買主が、隣人の同意が得られず建物建築を断念せざるを得なくなり、媒介業者が18日間の業務停止とされた。
(1)事実関係
Xは、業者Yの媒介で、自動車の塗装工場を建築する目的で土地を買い受けた。シンナー等の薬品を使うため住宅の密集していない地域を希望し、ようやく契約に至ったが、所有権移転登記後、隣接住民に挨拶に行くと、Yからの事前の説明など一切されておらず、シンナーの臭いは出さないことなど、一方的な条件をつけられてしまった。契約前にYは、「大丈夫、問題はない」といっていたので、Xが確認すると、それは「建築法令上は問題がないという意味だ」とYは返答した。
(2)事情聴取
行政庁で、Yに事情を聴いたところ、Yは、事実を認め、上記のほか、取引主任者(とりひきしゅにんしゃ)
宅地建物取引主任者のこと。宅地建物取引主任者
資格試験に合格・登録し、宅地建物取引主任者証
の交付を受けた者。の資格のない従業員が重要事項説明を行い、その従業員はその当時従業者名簿(じゅうぎょうしゃめいぼ)
宅建業者は、その事務所ごとに「従業者名簿」
を作成して備え付け、最終の記載をした日から
少なくとも10年間保存しなければならない、
さらに宅建業者は、取引の関係者から請求が
あったときは、この「従業者名簿」をその者
の閲覧に供しなければならない(宅建業法48条)。に登載されていなかったこと、Xによる本件土地の売却の媒介業務において、Yは、指定流通機構(していりゅうつうきこう)
宅建業者間で広く、かつ迅速に物件情報を
交換し、契約の相手方を探索するために、
宅建業法50条の2の4 の規定により、国土
交通大臣が指定した公益法人のこと。が発行した登録済証を交付せず、業務の処理状況の報告もしていないことが判明した。
(3)処 分
行政庁は、Yは、取引主任者(とりひきしゅにんしゃ)
宅地建物取引主任者のこと。宅地建物取引主任者
資格試験に合格・登録し、宅地建物取引主任者証
の交付を受けた者。の資格のない者に重要事項説明を行わせ、その者は当時従業員名簿にも登載されていなかった、Xは自動車塗装工場を建てる目的で土地を購入したが、隣人の同意が得られず断念せざるを得なくなった、XはYと専任媒介契約(せんにんばいかいけいやく)
媒介契約の一形式で、依頼者が他の宅建業者に
重ねて媒介を依頼することが禁止されている契約のこと。 を締結し当該土地等の売却を依頼したが、Yは指定流通機構(していりゅうつうきこう)
宅建業者間で広く、かつ迅速に物件情報を
交換し、契約の相手方を探索するために、
宅建業法50条の2の4 の規定により、国土
交通大臣が指定した公益法人のこと。が発行した登録済証の交付をせず、2週間に1度の報告をしなかったとして、Yを18日間の業務停止処分とした。
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