制作:国土交通省 |
運営:不動産適正取引推進機構 |
1 本システムは、これまでに発生した不動産取引をめぐる他のトラブル事例をもとに、消費者の皆様が、トラブルの未然防止や万一トラブルに発展した場合に円滑な解決が図れるよう、情報を提供するものです。 2 掲載内容は、①裁判事例、②国土交通省各地方整備局や各都道府県で宅建業者に対して行った行政処分、③(一財)不動産適正取引推進機構で調整した特定紛争処理案件の中から基礎的で有用と思われる事例を抽出し、項目ごとに整理したうえ、事案の概要や紛争の結末等について要約して記載しています。 |
最新の情報については、
「RETIO判例検索システム」
「特定紛争案件検索システム」
「ネガティブ情報等検索サイト」(国土交通省)
「不動産のQ&A」
をご活用ください。
検索ボタンをクリックして頂くと、該当する事例の一覧が表示されます。
トラブル事例大項目:重要事項説明に関するもの | トラブル事例中項目:眺望・日照・周辺環境等 | トラブル事例小項目: |
タイトル:特定紛争水管橋工事の予定不告知をめぐるトラブル
《要旨》
新築土地付建物を購入した買主らが、入居約1年後に始まった隣接河川での水管橋工事は聞いていなかったとして賠償を求めたもの。解決金各40万円で和解成立。
(1) 事案の概要
買主Xら(4名)は、平成17年6月に売主業者Y1及びY2から新築の土地付建物を購入したが、引渡し後、平成18年10月から、隣接する河川で水管橋工事が始まった。Xらは重要事項説明時に全く説明を受けていなかったため、Y1及びY2に対して、水管橋工事についての説明を求めた。
これに対して、Y1及びY2は、県の企業庁からは水管橋の説明は無かったこと、同庁から受領した平面図には配管は記載されていたが、実際に設置された工作物に関する記載は無かったことから、宅建業法上の調査義務、説明義務違反は無いと主張した。
しかし、Xらは行政文書公開調査を踏まえて、県の水道局とY1及びY2との交渉の際、Y1及びY2は水道局からの説明を受けて、水管橋工事が行われることを十分認識していたとして、宅建業法上の説明義務を果たしていないと主張した。
Y1及びY2は話合いによる解決を図るべく、1戸当り30万円を上限とする金銭支払いを提案したが、Xらは、損害賠償として1戸当り127万円等を要求したため折り合わず、紛争になった。
(2) 事案の経過
委員3名により3回の調整を行った。調整の過程でXらは、Y1及びY2が県の水道局から説明を受けて水管橋工事が行われることを十分認識しながら、説明義務を怠ったとして、当該工事による深刻な被害及び水管橋により景観が悪化したことに対する賠償として、代表者の書面による謝罪、精神的苦痛に対する損害賠償として1戸当り127万円の支払を要求した。ただし、家屋の物理的被害は別途水道局からの補修金で解決予定とした。
一方、Y1及びY2は、不告知について全く落ち度がないと言うつもりはなく、当初Xらは景観の悪化を問題視していたので、見え方の程度によって30万円を上限として下は10万円を提示したと主張した。
(3) 和解の内容
これに対して委員から、本件は、景観の悪化だけではなく、重要な事項の不告知による慰謝料も加味されるべきである点を指摘の上、Y1及びY2に対して、金額の上積みを検討するよう要請した。
これを受けて、Y1及びY2は一律15万円を上乗せし45万円から25万円まで合計130万円の支払を申出たが、Xらは、4人が一律の金額を受領すべきと主張していることから、委員から、調整案として、一律40万円(合計160万円)を提示したところ、双方が合意したため、和解が成立した。
本システムの掲載情報の正確性については万全を期しておりますが、利用者が本システムの情報を用いて行う行為については本システムの制作者、運営者は何ら責任を負うものではありません。また、同種の事案について、必ず同様の結果が得られるものではありませんのでご承知おきください。なお、個別に発生したトラブル等については、管轄の行政庁等の相談窓口等にお問い合わせください。 |