トラブル事例大項目:重要事項説明に関するもの トラブル事例中項目:その他 トラブル事例小項目:

タイトル:処分事例差押えについての説明不足

《要旨》
 重要事項説明が不十分であり、当該物件が競売(けいばい)
債権者が裁判所を通じて、債務者の財産(不動産)
を競りにかけて、最高価格の申出人に対して売却し、
その売却代金によって債務の弁済を受けるという
制度のこと。
開始決定されていることを知らずに、借主が賃貸借契約を締結したなどとして、媒介業者が35日間の業務停止とされた。

(1)事実関係
 Xは、子xの大学入学に当たり、業者Yの媒介で賃貸アパートを借り受けることとし、4月の上旬に同社A支店に行き、担当者のy1に敷金(しききん)
建物の借主が、賃料の滞納や不注意等による
物件の損傷・破損等に対する修復費用等の損
害金を担保するために、契約時に貸主に預け
入れるもの。
、媒介手数料等合計17万円余を支払い、xは入居した。しかし、4月下旬に同支店の取引主任者(とりひきしゅにんしゃ)
宅地建物取引主任者のこと。宅地建物取引主任者
資格試験に合格・登録し、宅地建物取引主任者証
の交付を受けた者。
y2からXに、入居に係るお金は払ったかという電話があり、y1に払ったと答えたが、Xは不審に思った。
 その年の11月に、xは、家主からの通知で、アパートが競落され、新しい家主と新規に賃貸借契約を結ぶか、退去するかを迫られ、このとき初めて、本件物件が契約前から既に競売(けいばい)
債権者が裁判所を通じて、債務者の財産(不動産)
を競りにかけて、最高価格の申出人に対して売却し、
その売却代金によって債務の弁済を受けるという
制度のこと。
開始となっていた物件であることがわかった。
 Xは、重要事項の説明はy2から受けておらず、この物件が競売(けいばい)
債権者が裁判所を通じて、債務者の財産(不動産)
を競りにかけて、最高価格の申出人に対して売却し、
その売却代金によって債務の弁済を受けるという
制度のこと。
中であることも知らされていなかった、y2は6月には既に退職していたのに、行政庁の台帳によれば7月上旬まで勤めていると虚偽の届出がされているなどとして、Yへの処分を求めて来庁した。

(2)事情聴取
 行政庁で、Yに事情を聴いたところ、Yは、「y1が借主から預かった敷金(しききん)
建物の借主が、賃料の滞納や不注意等による
物件の損傷・破損等に対する修復費用等の損
害金を担保するために、契約時に貸主に預け
入れるもの。
等の40万円弱(X以外の借主に係る分を含む)を横領していることがわかった。家主へは当社が立て替えて払ったが、y1からの回収残金は20数万円ある。y1は、A支店の設置に当たって、本物件の管理会社から、賃貸に詳しいということで紹介を受け、取引主任者(とりひきしゅにんしゃ)
宅地建物取引主任者のこと。宅地建物取引主任者
資格試験に合格・登録し、宅地建物取引主任者証
の交付を受けた者。
としての仕事は初めてであるy2のアドバイザーとして採用したが、従業員の届出は行っていなかった。y2は実質的には4月中旬に退職していたが、y2のいた事務所の閉鎖届けをした日までいたことにしていた。」などと述べた。Yが本物件に係る媒介をした賃借人は、合計6人であった。

(3)処 分
 行政庁は、Yは、建物賃貸借の媒介において、賃貸借契約の前までに、取引主任者(とりひきしゅにんしゃ)
宅地建物取引主任者のこと。宅地建物取引主任者
資格試験に合格・登録し、宅地建物取引主任者証
の交付を受けた者。
をして重要事項説明を十分に行わせなかったために、借主が当該物件が競売(けいばい)
債権者が裁判所を通じて、債務者の財産(不動産)
を競りにかけて、最高価格の申出人に対して売却し、
その売却代金によって債務の弁済を受けるという
制度のこと。
開始決定されていることを知らないで、契約を結ぶこととなったなどとして、Yを35日間の業務停止処分とした。

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