制作:国土交通省 |
運営:不動産適正取引推進機構 |
1 本システムは、これまでに発生した不動産取引をめぐる他のトラブル事例をもとに、消費者の皆様が、トラブルの未然防止や万一トラブルに発展した場合に円滑な解決が図れるよう、情報を提供するものです。 2 掲載内容は、①裁判事例、②国土交通省各地方整備局や各都道府県で宅建業者に対して行った行政処分、③(一財)不動産適正取引推進機構で調整した特定紛争処理案件の中から基礎的で有用と思われる事例を抽出し、項目ごとに整理したうえ、事案の概要や紛争の結末等について要約して記載しています。 |
最新の情報については、
「RETIO判例検索システム」
「特定紛争案件検索システム」
「ネガティブ情報等検索サイト」(国土交通省)
「不動産のQ&A」
をご活用ください。
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トラブル事例大項目:契約成立・解除等に関するもの | トラブル事例中項目:預り金・手付金の返還 | トラブル事例小項目: |
タイトル:処分事例預り金の不返還(1)
《要旨》
買主に対して預り金を返還していない等として、媒介業者が4か月間の業務停止とされた。
(1)事実関係
Xは、業者Yから新築建売住宅の紹介を受け、その物件を押さえるために「買付交渉金」をYに支払うよう言われ、2回に分けて合計150万円を預り金として支払った。
その後、XはYの媒介により売主業者Aとの間でローン特約(ろーんとくやく)
不動産取引では、予定していた融資が金融機関
等によって承認されなかった場合には、買主は
不動産を購入する契約を解除して、契約を白紙
に戻すことができるという特約を盛り込むことがある。
このような特約を「ローン特約」と呼んでいる。 付売買契約を締結し、Aに手付金200万円を支払った。なお、その時点では、「買付交渉金」としての預り金を代金に充当していない。
Xは、残代金を金融機関からの融資を受けて支払うこととしていたが、融資承認が通らず、売買契約書のローン特約(ろーんとくやく)
不動産取引では、予定していた融資が金融機関
等によって承認されなかった場合には、買主は
不動産を購入する契約を解除して、契約を白紙
に戻すことができるという特約を盛り込むことがある。
このような特約を「ローン特約」と呼んでいる。 条項に基づき契約を解除した。
手付金200万円はAからXに返還されたが、Yは預り金を返還せず、XはYから、ローンの申込みの交渉を続けて行うため、金融機関への「見せ金」としてさらに200万円を預けるように言われたため、Yに200万円を振り込んだ。
その後、Xは現地を見て、すでに人が住んでいる様子だったためおかしいと思い、Yと話合いを行った。Yは預り金を返還すると言ったが、期日を過ぎても返還されなかった。
(2)事情聴取
行政庁で、Yに事情を聴いたところ、Yは、「ローンの申込交渉を続けるための見せ金として申込証拠金(もうしこみしょうこきん)
売買契約の締結前に、順位確保や購入意思の
真摯性(ひやかし客ではないこと)の証明の
目的で提供される金銭。宅建業法では、宅建
業者が受領済みの申込証拠金等の預り金に
ついて、相手方が契約の申込みを撤回する場合、
その返還を拒むことを禁止している。を預かり、返還していなかった。」と述べ、聴聞(ちょうもん)
行政庁は、許認可等を取り消すとき、資格
または地位を剥奪するとき等の不利益処分
をしようとする場合には、処分によって不
利益をこうむる者に、意見陳述のため聴聞
の手続を執らなければばらない(行政手続
法13条1項1号、宅建業法69条1項)。日現在、当初の預り金150万円及びローン特約(ろーんとくやく)
不動産取引では、予定していた融資が金融機関
等によって承認されなかった場合には、買主は
不動産を購入する契約を解除して、契約を白紙
に戻すことができるという特約を盛り込むことがある。
このような特約を「ローン特約」と呼んでいる。 に基づく白紙解約後に受領した200万円を返還していないことを認めた。
(3)処 分
行政庁は、Yは、土地付建物売買の媒介において、買主の融資が否認されて契約が解除されているにもかかわらず、申込金として受領した預り金を返還していない、また、契約が解除された後に買主からさらに預かった預り金についても返還していないとして、Yを4か月間の業務停止処分とした。
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