制作:国土交通省 |
運営:不動産適正取引推進機構 |
1 本システムは、これまでに発生した不動産取引をめぐる他のトラブル事例をもとに、消費者の皆様が、トラブルの未然防止や万一トラブルに発展した場合に円滑な解決が図れるよう、情報を提供するものです。 2 掲載内容は、①裁判事例、②国土交通省各地方整備局や各都道府県で宅建業者に対して行った行政処分、③(一財)不動産適正取引推進機構で調整した特定紛争処理案件の中から基礎的で有用と思われる事例を抽出し、項目ごとに整理したうえ、事案の概要や紛争の結末等について要約して記載しています。 |
最新の情報については、
「RETIO判例検索システム」
「特定紛争案件検索システム」
「ネガティブ情報等検索サイト」(国土交通省)
「不動産のQ&A」
をご活用ください。
検索ボタンをクリックして頂くと、該当する事例の一覧が表示されます。
トラブル事例大項目:契約成立・解除等に関するもの | トラブル事例中項目:契約違反(契約の不履行や遅延) | トラブル事例小項目: |
タイトル:処分事例不当な競売物件の売却
《要旨》
競売(けいばい)
債権者が裁判所を通じて、債務者の財産(不動産)
を競りにかけて、最高価格の申出人に対して売却し、
その売却代金によって債務の弁済を受けるという
制度のこと。物件の売却において、所有権の移転登記を行わない売主業者が免許取消処分、重要事項説明書に記名押印していた取引主任者(とりひきしゅにんしゃ)
宅地建物取引主任者のこと。宅地建物取引主任者
資格試験に合格・登録し、宅地建物取引主任者証
の交付を受けた者。が6か月の事務禁止処分とされた。
(1)事実関係
Xは、新聞折込広告で現地販売会を知り、現地販売所に赴き、売主業者Yとの間で土地売買契約を締結し、代金を支払った。現地販売所の担当者の話では、本物件は裁判所の競売(けいばい)
債権者が裁判所を通じて、債務者の財産(不動産)
を競りにかけて、最高価格の申出人に対して売却し、
その売却代金によって債務の弁済を受けるという
制度のこと。物件であり、Yが買い受けて顧客に販売するというものであった。
Xは、代金を支払ったにもかかわらず、所有権移転登記がなされないことから、詐欺(さぎ)
他人を騙すことにより、その者に誤った動機を抱かせること。にあったように感じ、契約解除及び違約金(いやくきん)
不動産の売買契約では、当事者の一方が債務
を履行しない場合には、債務の履行を確保
するために、その債務を履行しない当事者が
他方の当事者に対して、一定額の金銭(違約金)
を支払わなければならないと定めることがある。請求ができるかどうか、行政庁に相談した。
Yについては、他の5つの行政庁でも、裁判所の競売(けいばい)
債権者が裁判所を通じて、債務者の財産(不動産)
を競りにかけて、最高価格の申出人に対して売却し、
その売却代金によって債務の弁済を受けるという
制度のこと。物件あるいは国税局が公売した物件ということで販売を繰り返し行い、売買代金を受領しているにもかかわらず、所有権移転登記をしないために、同様の相談を受けていた。
(2)事情聴取
行政庁で、Yに事情を聴いたところ、Yは、(ア)競売(けいばい)
債権者が裁判所を通じて、債務者の財産(不動産)
を競りにかけて、最高価格の申出人に対して売却し、
その売却代金によって債務の弁済を受けるという
制度のこと。代金を納付せずに契約が履行されなかった取引を繰り返し行い、受領代金の返還等の是正措置を行わず、取引関係者に損害を与えたこと、(イ)代金納付期日前に物件を販売しているが、納付期日前に代金を納付しなければ、引渡しを受けられなくなるという重要な事項を買主に告知していなかったこと、(ウ)取引主任者(とりひきしゅにんしゃ)
宅地建物取引主任者のこと。宅地建物取引主任者
資格試験に合格・登録し、宅地建物取引主任者証
の交付を受けた者。による重要事項説明を行っていないこと、(エ)引渡前までに受領した代金の全額について、保全措置(ほぜんそち)買主が宅建業者から宅地建物を購入する場合、
手付金・中間金などの額が、
(1)工事完了前の売買にあっては、売買代金の5%
又は1,000万円を超えるとき、
(2)工事完了後の売買にあっては、売買代金の10%
又は1,000万円を超えるときは、宅建業者は、手付金等
の保全措置を講じなければならない
(宅建業法41条、41条の2)。を講じていないことなどが判明した。
(3)処 分
行政庁は、Yを免許取消処分とし、重要事項説明書に記名押印していた取引主任者(とりひきしゅにんしゃ)
宅地建物取引主任者のこと。宅地建物取引主任者
資格試験に合格・登録し、宅地建物取引主任者証
の交付を受けた者。yについては、自ら確認して作成せず、説明も行わなかった重要事項説明書に、自己の名義を使用することを許し、自ら重要事項説明を行った際には、手付金の保全措置(ほぜんそち)買主が宅建業者から宅地建物を購入する場合、
手付金・中間金などの額が、
(1)工事完了前の売買にあっては、売買代金の5%
又は1,000万円を超えるとき、
(2)工事完了後の売買にあっては、売買代金の10%
又は1,000万円を超えるときは、宅建業者は、手付金等
の保全措置を講じなければならない
(宅建業法41条、41条の2)。が必要な取引であるにもかかわらず、手付金の保全措置(ほぜんそち)買主が宅建業者から宅地建物を購入する場合、
手付金・中間金などの額が、
(1)工事完了前の売買にあっては、売買代金の5%
又は1,000万円を超えるとき、
(2)工事完了後の売買にあっては、売買代金の10%
又は1,000万円を超えるときは、宅建業者は、手付金等
の保全措置を講じなければならない
(宅建業法41条、41条の2)。が不要である旨の説明を行ったとして、6か月間の事務禁止処分とした。
本システムの掲載情報の正確性については万全を期しておりますが、利用者が本システムの情報を用いて行う行為については本システムの制作者、運営者は何ら責任を負うものではありません。また、同種の事案について、必ず同様の結果が得られるものではありませんのでご承知おきください。なお、個別に発生したトラブル等については、管轄の行政庁等の相談窓口等にお問い合わせください。 |