制作:国土交通省 |
運営:不動産適正取引推進機構 |
1 本システムは、これまでに発生した不動産取引をめぐる他のトラブル事例をもとに、消費者の皆様が、トラブルの未然防止や万一トラブルに発展した場合に円滑な解決が図れるよう、情報を提供するものです。 2 掲載内容は、①裁判事例、②国土交通省各地方整備局や各都道府県で宅建業者に対して行った行政処分、③(一財)不動産適正取引推進機構で調整した特定紛争処理案件の中から基礎的で有用と思われる事例を抽出し、項目ごとに整理したうえ、事案の概要や紛争の結末等について要約して記載しています。 |
最新の情報については、
「RETIO判例検索システム」
「特定紛争案件検索システム」
「ネガティブ情報等検索サイト」(国土交通省)
「不動産のQ&A」
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トラブル事例大項目:分譲マンション固有のトラブル | トラブル事例中項目:設備、管理等に関するもの | トラブル事例小項目: |
タイトル:特定紛争マンション地下駐車場の駐車料金の変更によるトラブル
《要旨》
地下駐車場が雨に濡れることについて説明を受けていないとして、買主が慰謝料を求めたもの。解決金50万円で和解成立。
(1) 事案の概要
買主Xは、平成13年7月、売主業者の販売代理業者Yから新築マンションの一室を買い受け、平成15年3月、引渡しを受け入居した。Xは、契約前から、Yの担当者Aに地下駐車場の位置は風雨などにより車が汚れない場所と条件をつけていた。入居後、地下駐車場の自然排気口から生じる「雨がかり等(降雨時に雨滴が入り、車が汚れる)」について、Aに実情を説明し、その対処を求めたが2週間以上も連絡がなく、同年6月中旬、Aの上司Bが来訪し、「雨がかり等」が生じないような場所を手配すると言われた。しかし、その後2か月以上経過しても、Yから何の対応もなかったため、XはYに対して、これまでの経過を記載した書面をYの代表者宛に送り、今後の対応について書面での回答を求めた。
その後のYの回答に、対応方法が明記されていなかったため、Xは、Yの社長室に連絡し、これまでの経緯を述べ、Yは非を認めたものの、契約解除はできないとし、駐車場の位置の移転を勧めた。
Xは、駐車場を移転すれば駐車料金が現時点より4,000円アップするとして紛争になった。
(2) 事案の経過
委員3名により4回の調整を行った。調整の過程で、Xは、(ア)地下駐車場の一部に排気口があり雨がかりになるという説明はなく、車が雨に濡れるということを聞いていれば申し込みはしなかった、(イ)雨に濡れない地下駐車場の駐車位置を変更すれば料金が月4,000円ほど高くなる、(ウ)今後20年住むとして地下駐車揚の料金の差額10年分48万円プラス慰謝料などを考えてほしいと主張した。
これに対してYは、(ア)担当者の説明不足はあったかもしれないが、重要事項説明書にも地下駐車場には一部に雨がかりの部分があることは明記されており、抽選申込時の資料にも、雨がかりの可能性があると明記している、(イ)管理規約(かんりきやく)
区分所有法にもとづいて設定される、区分所有建物における区分所有者相互間の関係を定めるための規則のこと。では駐車場の変更は禁止されているが、現在駐車場の空きがあり、新規契約は認められているので、雨がかりのない駐車場を借りることは可能である、(ウ)迷惑をかけたのは事実なので解決金として10万円程度は考えていると主張した。
(3) 和解の内容
委員は、仮にYが重要事項説明で雨がかりについて説明をしなかったとしても、重要事項説明書にはその旨書いてあったこと、また、Yが口頭で説明していたとしても、Xはその意味を充分理解していなかったことを考えれば、Yには説明不足、Xには確認不足等があり、双方に過失があること等を指摘し、解決金50万円を提示したところ、両当事者の合意を得て、本件は和解に至った。
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