トラブル事例大項目:分譲マンション固有のトラブル トラブル事例中項目:設備、管理等に関するもの トラブル事例小項目:

タイトル:裁判事例迷惑行為者の専有部分の競売申立て

《要旨》
 マンション居住者の迷惑行為が区分所有者の共同の利益に反する行為であるとして、同居住者の使用貸借契約の解除及び専有部分(せんゆうぶぶん)
区分所有建物において、それぞれの区分所有者
が単独で所有している建物の部分のこと。分譲マンションの場合でいえば、各住戸の内部
がこれに該当する。
の引渡し、競売(けいばい)
債権者が裁判所を通じて、債務者の財産(不動産)
を競りにかけて、最高価格の申出人に対して売却し、
その売却代金によって債務の弁済を受けるという
制度のこと。
の申立が認められた事例

(1) 事案の概要
 Y2は平成6年12月頃、マンションの202号室を購入したが、居住したことはなかった。Y1は、Y2とその夫の長男であり、平成7年2月から3月頃本件専有部分(せんゆうぶぶん)
区分所有建物において、それぞれの区分所有者
が単独で所有している建物の部分のこと。分譲マンションの場合でいえば、各住戸の内部
がこれに該当する。
をY2から使用貸借し、単身で本件専有部分(せんゆうぶぶん)
区分所有建物において、それぞれの区分所有者
が単独で所有している建物の部分のこと。分譲マンションの場合でいえば、各住戸の内部
がこれに該当する。
に居住している。
 Y1は、平成12年頃から異常な叫び声、騒音、振動を発し、他の区分所有者・居住者に暴言をはくなどの迷惑行為を行っており、また本件建物の設備点検等の実施時には、点検業者が本件専有部分(せんゆうぶぶん)
区分所有建物において、それぞれの区分所有者
が単独で所有している建物の部分のこと。分譲マンションの場合でいえば、各住戸の内部
がこれに該当する。
を訪れても立ち入りを拒絶していた。Y1のこれらの行為が区分所有者の共同の利益に反する行為であるとして、管理組合(かんりくみあい)
分譲マンションなどの区分所有建物において
、区分所有者が建物および敷地等の管理を行
なうために区分所有法にもとづいて結成する
団体のこと。
の臨時総会における出席者全員一致での議決を受け、管理組合(かんりくみあい)
分譲マンションなどの区分所有建物において
、区分所有者が建物および敷地等の管理を行
なうために区分所有法にもとづいて結成する
団体のこと。
理事長のXはY1とY2との上記使用貸借契約の解除、本件専有部分(せんゆうぶぶん)
区分所有建物において、それぞれの区分所有者
が単独で所有している建物の部分のこと。分譲マンションの場合でいえば、各住戸の内部
がこれに該当する。
の引渡し、競売(けいばい)
債権者が裁判所を通じて、債務者の財産(不動産)
を競りにかけて、最高価格の申出人に対して売却し、
その売却代金によって債務の弁済を受けるという
制度のこと。
を請求した。

(2) 判決の要旨
 (ア)本件マンションの内の本件専有部分(せんゆうぶぶん)
区分所有建物において、それぞれの区分所有者
が単独で所有している建物の部分のこと。分譲マンションの場合でいえば、各住戸の内部
がこれに該当する。
を除く全21戸のうち、18戸の居住者がY1の発生させている振動や叫び声によって長期にわたり被害を受けていることが認められる。
 (イ)Y1による行為は、本件マンションの区分所有者の共同の利益に反する行為であり、引渡し以外の方法によってはその障害を除去することが困難な場合に当たるものといわざるを得ない。
 (ウ)裁判所が競売(けいばい)
債権者が裁判所を通じて、債務者の財産(不動産)
を競りにかけて、最高価格の申出人に対して売却し、
その売却代金によって債務の弁済を受けるという
制度のこと。
を認めずにY1に対する引渡し請求のみを認めた場合には、Y2が再び本件マンションをY1に居住させることは容易に予想されるところであり、そうなるとXの本件訴訟全体が水泡に帰することとなる。競売(けいばい)
債権者が裁判所を通じて、債務者の財産(不動産)
を競りにかけて、最高価格の申出人に対して売却し、
その売却代金によって債務の弁済を受けるという
制度のこと。
請求は区分所有権を奪うという重大な結果を招くことから慎重に判断すべきであるが、Y2の問題解決意思及び能力の欠如からすれば、Y2が本件専有部分(せんゆうぶぶん)
区分所有建物において、それぞれの区分所有者
が単独で所有している建物の部分のこと。分譲マンションの場合でいえば、各住戸の内部
がこれに該当する。
を所有し続けることは区分所有者の共同の利益に反するといえる。
 (エ)したがって、Xの請求する上記使用貸借契約の解除、本件専有部分(せんゆうぶぶん)
区分所有建物において、それぞれの区分所有者
が単独で所有している建物の部分のこと。分譲マンションの場合でいえば、各住戸の内部
がこれに該当する。
の引渡し、競売(けいばい)
債権者が裁判所を通じて、債務者の財産(不動産)
を競りにかけて、最高価格の申出人に対して売却し、
その売却代金によって債務の弁済を受けるという
制度のこと。
申立てはいずれも理由があるのでこれを認容することとする。

(3) まとめ
 本判決は、従来の判例に見られる暴力団事務所としの使用や暴力団による専有部分(せんゆうぶぶん)
区分所有建物において、それぞれの区分所有者
が単独で所有している建物の部分のこと。分譲マンションの場合でいえば、各住戸の内部
がこれに該当する。
の違法な改造などに関する判決とは異なったものである。
 マンション内の騒音振動や隣人間のトラブルなどの紛争について競売(けいばい)
債権者が裁判所を通じて、債務者の財産(不動産)
を競りにかけて、最高価格の申出人に対して売却し、
その売却代金によって債務の弁済を受けるという
制度のこと。
まで認められた数少ない事例として注視に値する判例である。

本システムの掲載情報の正確性については万全を期しておりますが、利用者が本システムの情報を用いて行う行為については本システムの制作者、運営者は何ら責任を負うものではありません。また、同種の事案について、必ず同様の結果が得られるものではありませんのでご承知おきください。なお、個別に発生したトラブル等については、管轄の行政庁等の相談窓口等にお問い合わせください。