制作:国土交通省 |
運営:不動産適正取引推進機構 |
1 本システムは、これまでに発生した不動産取引をめぐる他のトラブル事例をもとに、消費者の皆様が、トラブルの未然防止や万一トラブルに発展した場合に円滑な解決が図れるよう、情報を提供するものです。 2 掲載内容は、①裁判事例、②国土交通省各地方整備局や各都道府県で宅建業者に対して行った行政処分、③(一財)不動産適正取引推進機構で調整した特定紛争処理案件の中から基礎的で有用と思われる事例を抽出し、項目ごとに整理したうえ、事案の概要や紛争の結末等について要約して記載しています。 |
最新の情報については、
「RETIO判例検索システム」
「特定紛争案件検索システム」
「ネガティブ情報等検索サイト」(国土交通省)
「不動産のQ&A」
をご活用ください。
検索ボタンをクリックして頂くと、該当する事例の一覧が表示されます。
トラブル事例大項目:分譲マンション固有のトラブル | トラブル事例中項目:設備、管理等に関するもの | トラブル事例小項目: |
タイトル:裁判事例町内会費の徴収を管理規約で定めた場合の拘束力
東京簡裁判決 平成19年8月7日
(HP下級裁主要判決情報)
《要旨》
町内会費相当額を管理組合(かんりくみあい)
分譲マンションなどの区分所有建物において
、区分所有者が建物および敷地等の管理を行
なうために区分所有法にもとづいて結成する
団体のこと。費に含めて徴収することを管理規約(かんりきやく)
区分所有法にもとづいて設定される、区分所有建物における区分所有者相互間の関係を定めるための規則のこと。等で定めても、拘束力はないとされた事例
(1) 事案の概要
昭和50年6月、戸数80戸の新築マンションの自治会として、Aマンション親和会が設立された。当時の区分所有法には、管理組合(かんりくみあい)
分譲マンションなどの区分所有建物において
、区分所有者が建物および敷地等の管理を行
なうために区分所有法にもとづいて結成する
団体のこと。の当然成立の規定はなく、親和会も任意の団体であった。親和会設立時に区分所有者全貝の同意で、自治会費月300円及び町内会費月200円は、親和会が徴収を行い、管理費・補修積立金は、別途管理会社に直接支払う形態をとることとなった。
Yは、昭和58年3月、Aマンションの一室の区分所有者となった。その後、区分所有法の改正により、昭和59年1月以降マンション管理組合(かんりくみあい)
分譲マンションなどの区分所有建物において
、区分所有者が建物および敷地等の管理を行
なうために区分所有法にもとづいて結成する
団体のこと。は当然設立となったが、親和会は従来の名称で活動していた。
平成4年1月、親和会総会において管理組合(かんりくみあい)
分譲マンションなどの区分所有建物において
、区分所有者が建物および敷地等の管理を行
なうために区分所有法にもとづいて結成する
団体のこと。Xが区分所有法に基づく存在として設立され、従前の自治会費等月500円は管理組合(かんりくみあい)
分譲マンションなどの区分所有建物において
、区分所有者が建物および敷地等の管理を行
なうために区分所有法にもとづいて結成する
団体のこと。費に名称変更されて、管理組合(かんりくみあい)
分譲マンションなどの区分所有建物において
、区分所有者が建物および敷地等の管理を行
なうために区分所有法にもとづいて結成する
団体のこと。運営のための費用が400円、町内会費が100円とされた。
Yは、平成16年9月分以降、管理組合(かんりくみあい)
分譲マンションなどの区分所有建物において
、区分所有者が建物および敷地等の管理を行
なうために区分所有法にもとづいて結成する
団体のこと。費、管理費及び補修積立金を滞納したため、Xは滞納分52万円余の支払とYが今後所有している間の支払を求めて、平成18年11月に提訴した。
平成19年4月、Yは管理費及び補修積立金について請求全額を支払ったが、所有する住戸を賃貸にまわし、現在自分が居住していないことを理由に、町内会費を内包する管理組合(かんりくみあい)
分譲マンションなどの区分所有建物において
、区分所有者が建物および敷地等の管理を行
なうために区分所有法にもとづいて結成する
団体のこと。費の支払については、なおも拒んだ。
(2) 判決の要旨
(ア)町内会は、一定地域に居住する住民等を会員として設立された任意の団体であり、多くの場合権利能力なき社団としての実態を有している。町内会の目的・実態からすると、町内会へ入会するかどうかは個人等の任意によるべきであり、一旦入会した個人等も、町内会の規約等において退会の制限を定める等の特段の事由がない限り、自由に退会の意思表示をすることができるものと解すべきである。
(イ)町内会費の徴収は、共有財産の管理に関する事項ではなく、区分所有法3条の目的外の事項であるから、マンション管理組合(かんりくみあい)
分譲マンションなどの区分所有建物において
、区分所有者が建物および敷地等の管理を行
なうために区分所有法にもとづいて結成する
団体のこと。において多数決で決定したり、規約等で定めても、その拘束力はないものと解すべきである。
(ウ)本件では、管理組合(かんりくみあい)
分譲マンションなどの区分所有建物において
、区分所有者が建物および敷地等の管理を行
なうために区分所有法にもとづいて結成する
団体のこと。費のうちの100円は実質的に町内会費相当分としての徴収の趣旨であり、この町内会費相当分の徴収をマンション管理組合(かんりくみあい)
分譲マンションなどの区分所有建物において
、区分所有者が建物および敷地等の管理を行
なうために区分所有法にもとづいて結成する
団体のこと。の規約等で定めてもその拘束力はないものと解される。よって、未払の町内会費相当分を求めるXの主張は理由がない。その他の未払の管理組合(かんりくみあい)
分譲マンションなどの区分所有建物において
、区分所有者が建物および敷地等の管理を行
なうために区分所有法にもとづいて結成する
団体のこと。費の支払を求めるXの主張は理由があるので、Yは町内会費相当分を除く未払の管理組合(かんりくみあい)
分譲マンションなどの区分所有建物において
、区分所有者が建物および敷地等の管理を行
なうために区分所有法にもとづいて結成する
団体のこと。費を支払うべきである。
(3) まとめ
町内会は管理組合(かんりくみあい)
分譲マンションなどの区分所有建物において
、区分所有者が建物および敷地等の管理を行
なうために区分所有法にもとづいて結成する
団体のこと。とは関係のない団体であり、本件判決の判断は当然と思われるが、管理規約(かんりきやく)
区分所有法にもとづいて設定される、区分所有建物における区分所有者相互間の関係を定めるための規則のこと。との関係を示した判例は少ないので参考になると思われる。
本システムの掲載情報の正確性については万全を期しておりますが、利用者が本システムの情報を用いて行う行為については本システムの制作者、運営者は何ら責任を負うものではありません。また、同種の事案について、必ず同様の結果が得られるものではありませんのでご承知おきください。なお、個別に発生したトラブル等については、管轄の行政庁等の相談窓口等にお問い合わせください。 |