制作:国土交通省 |
運営:不動産適正取引推進機構 |
1 本システムは、これまでに発生した不動産取引をめぐる他のトラブル事例をもとに、消費者の皆様が、トラブルの未然防止や万一トラブルに発展した場合に円滑な解決が図れるよう、情報を提供するものです。 2 掲載内容は、①裁判事例、②国土交通省各地方整備局や各都道府県で宅建業者に対して行った行政処分、③(一財)不動産適正取引推進機構で調整した特定紛争処理案件の中から基礎的で有用と思われる事例を抽出し、項目ごとに整理したうえ、事案の概要や紛争の結末等について要約して記載しています。 |
最新の情報については、
「RETIO判例検索システム」
「特定紛争案件検索システム」
「ネガティブ情報等検索サイト」(国土交通省)
「不動産のQ&A」
をご活用ください。
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トラブル事例大項目:瑕疵担保責任に関するもの | トラブル事例中項目:土地の瑕疵 | トラブル事例小項目: |
タイトル:特定紛争がら等が埋設された土地の瑕疵
《要旨》
購入した土地にコンクリートや煉瓦等の破片が混じっているとして土の入替え等を求めたもの、売主業者150万円、媒介業者20万円の費用負担で和解成立
(1)紛争の概要
買主Xは、平成14年6月、業者Zの媒介で、売主業者Yから土地を 6,600万円で購入する売買契約を締結した。
Xは、土地の引渡しを受けた後、再度現地を訪れた際、隣地が工事をしていて、地面に10cmから20cm大のコンクリートや煉瓦の破片が積まれているのを見たため、購入した土地についてもよく確認したところ、本件土地の北側沿いにコンクリートの塊等の「がら」が露出していた。
Xは、Y及びZに連絡し、同年8月、現地で確認する一方、自らも専門業者に頼んで地盤調査をしてもらったところ、本件土地の全体にがらが混じっており、木造の建物を建築するにも杭を打つ必要が生じるなどの問題があることが判明し、がら混じりの土地を良土に入れ替え、突き固めることを主張した。
これに対しYは、隣地の南側擁壁工事や浄化槽撤去工事を行った際、がらは多少出ていると聞いているが、建築工事には問題がない範囲であるとし、同月、「敷地内の土の入替えは一切行わない」と回答した。その後、Xは、Y及びXが発注した建築会社も交えて話合いをしたが進展はなかった。
(2) 調整の経過
委員3名により8回の調整を行った。調整の過程で、Xは、土地の買戻しか、土の総入替え、または、がらの撤去及び杭打ち工事費用(約 438万余円)の支払を求めた。
これに対し、Yは、売主Aから土地を購入して、3区画に分筆し、その1区画をXに売却した。土地の購入時、擁壁の造成工事をしたが、大量のがらが出て来たという認識はなかった。また、地盤調査をしたが、その調査報告では多少の「がら」の表示はあるが、建物の建築用地として支障はないとの判断だった。建物の建築に必要な範囲内で撤去はするが、全面的な土の入替えはできない、建物は建てられるし目的が達成できないわけではないので、土地の買戻しはできない、撤去費用の支払は難しいが、杭打ち費用の一部 100万円程度は負担すると主張した。
一方、Zは、媒介業者としては、がらがあるかどうかは地中を掘らない限りわからないので、そこまでの調査義務は負わされておらず、責任はないと主張した。
(3)和解の内容
本案件を解決するため、杭を打つことを前提にその費用をY及びZがどの程度負担するかの調整になった。
諸般の事情を勘案して、委員から、Yが 150万円、Zが20万円を支払うよう提示したところ、両当事者も同意し、本案件は和解に至った。
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